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【発明の名称】 材料厚さの非接触測定方法及び装置
【発明者】 【氏名】奥野 眞

【要約】 【課題】被測定物の温度が変化するような環境下でも、非接触で材料の厚さを高精度で測定する。

【解決手段】材料表面の異なる位置PL、PSにレーザを照射して、縦波と横波超音波を発生させ、両者の伝搬時間tL、tSを光学干渉計24で検出し、更に材料温度を加味した音速を求めることにより、温度変動による誤差の生じない材料厚みdを測定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】被測定物の表面上の2つの位置PL、PSに相異なるタイミングでレーザビームを照射し、第1の位置に照射したレーザによって被測定物中に超音波縦波を発生させると共に、第2の位置に照射したレーザによって被測定物中に超音波横波を発生させ、超音波検出用のレーザ及び光学干渉計からなる非接触超音波検出器によって、これらの超音波を検出し、被測定物中の超音波縦波及び超音波横波の伝搬時間tL及びtSを測定し、予め求めておいたtL及びtSと被測定物中の超音波音速との関係式及び前記2つの位置PLとPSの距離を用いて、tLとtSから被測定物中の超音波音速を求め、この音速と測定した超音波伝搬時間から被測定物の厚さを算出することを特徴とする材料厚さの非接触測定方法。
【請求項2】請求項1において、前記第1の位置に照射するレーザビームのパワー密度を、前記第2の位置に照射するレーザビームのパワー密度より大きくすることを特徴とする材料厚さの非接触測定方法。
【請求項3】被測定物の表面上の第1の位置にレーザパルスを照射して、被測定物中に超音波縦波を発生させる第1の超音波発生手段と、被測定物の表面上の第2の位置にレーザパルスを照射して、被測定物中に超音波横波を発生させる第2の超音波発生手段と、前記2つのレーザパルスの照射タイミングを時間的に異ならせるタイミング制御手段と、被測定物中を伝搬する前記超音波縦波及び横波を検出する超音波検出手段と、前記超音波縦波及び横波の被測定物中の伝搬時間tL及びtSを計測し、これらの値から被測定物の厚さを算出する演算処理手段と、を備えたことを特徴とする材料厚さの非接触測定装置。
【請求項4】請求項3において、前記第1及び第2の超音波発生手段を、単一のレーザパルス発生器と、このレーザパルス発生器から出力されるレーザビームを2方向に分岐する光波分岐手段によって構成することを特徴とする材料厚さの非接触測定装置。
【請求項5】請求項3又は4において、前記第1及び第2の超音波発生手段を、第1の超音波発生手段によるレーザ照射パワー密度が、第2の超音波発生手段によるレーザ照射パワー密度より高くなるようにすることを特徴とする材料厚さの非接触測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、材料厚さの非接触測定方法及び装置に係り、特に、圧延ラインで高速移動中の鋼板の板厚を非接触で測定する際に用いるのに好適な、温度変動による誤差を生じることがない、材料厚さの非接触測定方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属板等の厚さ測定方法として、被測定物中に超音波を伝搬させ、その伝搬時間と被測定物中の超音波音速から被測定物の厚さを測定する方法がよく知られており、この方法を用いた厚さ測定装置も多数市販されている。これらの超音波厚さ測定では、圧電素子等を用いた超音波探触子を、水、油等を介して被測定物に接触させる必要があるため、製造ライン等における高温材料、あるいは高速で移動する材料への適用が困難であった。又、超音波の音速は、その伝搬媒体の温度によって大きく変化するため、被測定物の温度が変化する環境下では、音速の変化によって大きな測定誤差が生ずるという問題があった。
【0003】これらの問題を解決する方法として、電磁式超音波送受信器を用いた方法が特開昭54−97447号に開示されている。又、レーザ超音波法と放射温度計を用いた方法が、“Proceeding of 39th Mechanical Work Steel Process Conference”,ISS,Vol.XXXV,p.927(1998)に記載されている。
【0004】前者の方法は、電磁式超音波送信器により、被測定物中に非接触で超音波縦波と超音波横波を被測定物表面と垂直方向に発生させ、被測定物底面で反射された縦波及び横波を電磁式超音波受信器で受信し、縦波の伝搬時間tL及び横波の伝搬時間tSをそれぞれ求め、この比tL/tSを用いて被測定物の厚さを算出するものである。即ち、予め被測定物と同材質の材料における縦波及び横波の音速VL、VSの比VL/VSと被測定物温度との関係を求めておき、被測定物厚さによらずtL/tS=VS/VLとなることを利用して、tL/tSから被測定物温度Tを求め、温度Tにおける縦波の音速VL(T)あるいは横波音速VS(T)を用いて、被測定物厚さdをd=(VL(T)×tL)/2あるいはd=(VS(T)×tS)/2なる演算によって算出するものである。この方法は、被測定物の温度に対応した超音波音速値を用いて厚さを算出できるので、精度良く被測定物の厚さが求められる。
【0005】又、後者の方法は、被測定物に高出力のレーザを照射して、被測定物表面にアブレーションを発生させ、その反力によって被測定物中に被測定物表面に垂直方向に縦波を発生させ、この伝搬時間から被測定物の厚さを求めるものである。被測定物の温度変化を補正するために、別途放射温度計を設置する方策も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の電磁式超音波送受信器を用いた方法は、原理的に導電性の材料にしか適用できないという問題があった。又、この方法では、電磁式超音波送受信器と被測定物表面とのリフトオフを非常に小さくする(例えば1mm)必要があるため、材料が上下にバタツキながら移動する製造ライン、あるいは種々の厚さの材料を処理する製造ライン等では、被測定物である材料と電磁式超音波送受信器が接触する危険があるため、適用が困難であった。
【0007】一方、後者のレーザ超音波を用いた方法は、絶縁体の材料中にも超音波を発生でき、また1m以上のリフトオフをとることも可能であるが、温度変化による厚さ測定誤差を補正するために、別途放射温度計等が必要になり、このため、測定装置が煩雑、大型、高価になるという問題があった。又、放射温度計では被測定物の表面温度しか測定できないため、厚さ方向の温度分布が一定でない材料の場合は温度測定誤差が生ずるという問題もあった。
【0008】本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、被測定物の温度が変化するような環境下でも、非接触で材料の厚さを高精度で測定することが可能な材料厚さの非接触測定方法及び装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、被測定物の表面上の2つの位置PL、PSに相異なるタイミングでレーザビームを照射し、第1の位置に照射したレーザによって被測定物中に超音波縦波を発生させると共に、第2の位置に照射したレーザによって被測定物中に超音波横波を発生させ、超音波検出用のレーザ及び光学干渉計からなる非接触超音波検出器によって、これらの超音波を検出し、被測定物中の超音波縦波及び超音波横波の伝搬時間tL及びtSを測定し、予め求めておいたtL及びtSと被測定物中の超音波音速との関係式及び前記2つの位置PLとPSの距離を用いて、tLとtSから被測定物中の超音波音速を求め、この音速と測定した超音波伝搬時間から被測定物の厚さを算出するようにして、前記課題を解決したものである。
【0010】ここで、前記第1の位置に照射するレーザビームのパワー密度を、前記第2の位置に照射するレーザビームのパワー密度より大きくするのが好ましい。
【0011】本発明は、又、材料厚さの非接触測定装置を、被測定物の表面上の第1の位置にレーザパルスを照射して、被測定物中に超音波縦波を発生させる第1の超音波発生手段と、被測定物の表面上の第2の位置にレーザパルスを照射して、被測定物中に超音波横波を発生させる第2の超音波発生手段と、前記2つのレーザパルスの照射タイミングを時間的に異ならせるタイミング制御手段と、被測定物中を伝搬する前記超音波縦波及び横波を検出する超音波検出手段と、前記超音波縦波及び横波の被測定物中の伝搬時間tL及びtSを計測し、これらの値から被測定物の厚さを算出する演算処理手段によって構成することにより、前記課題を解決したものである。
【0012】ここで、前記第1及び第2の超音波発生手段を、単一のレーザパルス発生器と、このレーザパルス発生器から出力されるレーザビームを2方向に分岐する光波分岐手段によって構成することが好ましい。
【0013】又、前記第1及び第2の超音波発生手段を、第1の超音波発生手段によるレーザ照射パワー密度が、第2の超音波発生手段によるレーザ照射パワー密度より高くなるようにすることが好ましい。
【0014】まず、レーザ超音波法による縦波と横波の発生形態について説明する。図7、図8に示す如く、被測定物10の表面に超音波発生用レーザ12からレーザビームを照射すると、被測定物表面の被照射部分を音源とする超音波縦波、横波、及び表面波が同時に被測定物内部及び表面に発生する。これらの超音波の発生形態は、照射するレーザビームのパワー密度によって変わり、パワー密度が十分高い時には、図7に示す如く、アブレーション機構で、又、低い時には、図8に示す如く、熱弾性機構で超音波が発生する。
【0015】アブレーション機構では、図7に示すように、発生する縦波の指向特性は、被測定物表面の垂直方向にピークを有する(θL=0°)が、発生する横波の指向特性ビークは、この垂線方向に対して角度θSだけ傾いた角度になる。金属材料の場合、θSは35°近辺になる。この場合、縦波の方が横波より格段に効率的に発生される。
【0016】一方、熱弾性機構では、図8に示すように、被測定物表面の垂線方向には縦波も横波もほとんど伝搬されず、金属材料の場合、縦波と横波の指向特性のピークはそれぞれおよそθL=65°、θS=30°近辺になる。この場合、横波の指向特性は非常に鋭くなるので、特定方向に横波を伝搬させる場合は、熱弾性機構の方が有利である。
【0017】次に、レーザ超音波法を用いた材料の厚さ測定について、図9を例にして説明する。図9では、超音波発生用レーザ12から被測定物10の表面にアブレーション機構でレーザビームを照射して、被測定物表面に垂直な方向に縦波を発生させている。又、この被測定物の反対側の面のレーザ照射位置に対応する位置に、超音波検出用レーザ20から受信プローブ22を介してレーザビームを照射し、その反射光を同じく受信プローブ22を介して光学干渉計24に導いている。超音波発生用レーザ12によって発生した縦波が被測定物10中を伝搬して前記レーザ照射と反対の面(図では下面)に到達すると、超音波到達によって表面が微小量だけ変位する。この微小変位を光学干渉計24を用いて検出する。信号処理器26は、光学干渉計24で検出された超音波変位信号から、縦波の被測定物中の伝搬時間tLを測定し、被測定物10の厚さdを、d=VL・tLとして求める。ここでVLは、被測定物中の縦波の音速であり、予め測定しておく。
【0018】このようにして、レーザ超音波法によって材料の厚さを非接触で測定することができる。一般に材料の厚さを測定するには、材料の表面に垂直な方向に伝搬する超音波の伝搬時間を利用するため、上記のように、アブレーション機構によって材料の表面に垂直に伝搬する縦波を発生させる方法が簡便である。
【0019】しかしながら、前述のように超音波の音速は材料の温度によって大きく変化する。例えば、低炭素鋼中の縦波及び横波の音速は、図10に示すように温度が高くなるほど減少する。従って、被測定物温度が変化する場合、音速変化によって厚さ測定に大きな誤差が生ずることになる。そこで本発明者は、材料中を伝搬する横波の音速を同時に計測することによって、温度変化によらずに高精度の厚さ測定を可能とする方法及び装置を考案した。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0021】図1は、本発明による厚さ測定装置の第1実施形態のブロック図を、又、図2は、本実施形態による厚さ測定における信号のタイムチャート例を模式的に示したものである。
【0022】本実施形態は、図1に示す如く、従来例と同様の超音波発生用レーザ12、超音波検出用レーザ20、受信プローブ22、光学干渉計24を有する厚さ測定装置において、超音波発生用レーザを2台(12A、12B)設けると共に、その照射タイミングをずらすタイミング制御器30と、光学干渉計24の出力WFから縦波及び横波の伝搬時間tL、tSを測定する時間間隔測定器32と、tL及びtSの値から被測定物10の厚さdを算出する演算処理器34を備えたものである。
【0023】前記第1、第2の超音波発生用レーザ12A、12Bのそれぞれの照射位置PL、PS及び超音波検出用レーザ20の照射位置(受信プローブ22の配置位置)は、図1に示すように調整する。即ち、第1の超音波発生用レーザ12Aにより発生する縦波の指向特性のピークとなる角度、及び、第2の超音波発生用レーザ12Bにより発生する横波の指向特性のピークとなる角度に、受信プローブ22を配置するようにする。このような配置は、被測定物10の厚さdによって変化するが、被測定物厚さdの推定値あるいは平均値に基づいて幾何学的に決定する。このような配置をとることにより、光学干渉計の出力WFには、図2に示すように、縦波と横波が交互に現われることになる。
【0024】なお、第1及び第2の超音波発生用レーザ12A、12Bから、それぞれ縦波と横波を効率的に発生させるためには、第1の超音波発生用レーザ12Aによるレーザ照射パワー密度を十分高くしてアブレーション機構にすると共に、第2の超音波発生用レーザ12Bによるレーザ照射パワー密度を十分低くして熱弾性機構にするのが好ましい。
【0025】前記タイミング制御器30は、時間間隔t0のトリガ信号Tr1及びTr2を発生する。図2に示すように、Tr1とTr2は時間t0/2だけタイミングをずらしてある。
【0026】以下、第1実施形態の動作を説明する。
【0027】2つの超音波発生用レーザ12A、12Bから、それぞれトリガ信号Tr1、Tr2に同期して、レーザパルスを被測定物10の表面に照射する。被測定物の、上記レーザ照射面と反対側の面に超音波検出用レーザ20を受信プローブ22を介して照射し、その反射光を受信プローブ22を介して光学干渉計24に導き、超音波による表面変位WFを検出する。
【0028】前記時間間隔測定器32は、光学干渉計24の出力WFから縦波及び横波の伝搬時間tL、tSを測定する。
【0029】次に、測定した縦波及び横波の伝搬時間tL、tSから演算処理器34によって板厚dを求める方法について詳しく説明する。図1から幾何学的に、 d=VL・tL …(1)
2=(VS・tS2−δ2 …(2)
である。一方、図10に示したように、超音波音速は材料温度Tによってほぼ直線的な変化をする。そこで、VL=a1・T+b1 …(3)
S=a2・T+b2 …(4)
と近似することができる。
【0030】(1)、(2)、(3)、(4)式より【数1】

α=b12・tL2−b22・tS2+δ2 …(6)
となるので、予め(1)、(2)式の線形近似定数a1、b1、a2、b2の値及びレーザ照射位置間隔δを求めておけば、tL、tSを測定することによって、(5)式より被測定物の温度Tが求められる。求まった温度Tと(3)式により、測定時の温度における縦波音速VLがわかるので、(1)式より被測定物の厚さdが算出できる。又、求まった温度Tと(4)式により、測定時の温度における横波音速VSを求め、(2)式より被測定物の厚さdを算出してもよい。
【0031】なお、上記のように超音波音速の材料温度Tによる変化を直線近似する方法以外にも、超音波音速の材料温度Tによる変化を2次曲線近似する方法、あるいは超音波音速の材料温度Tによる変化を多項式近似するのではなく、超音波音速と材料温度Tの関数関係と(1)、(2)式の関係を用いて、収束計算によって温度Tを求める方法であっても差し支えない。
【0032】又、被測定物の温度変化に伴う厚さ変化が無視できない場合は、温度Tにおける被測定物の厚さ変化の割合を加味して、上記の超音波音速と材料温度Tの関数関係を決定するのが好ましい。
【0033】図3は、本発明による材料厚さの非接触測定装置の第2実施形態を示すブロック図である。本実施形態では、単一の超音波発生用レーザ12を用いており、このレーザ12から出力されるレーザパルスを、光路変更ミラー40によって被測定物の表面の異なる2つの位置PL及びPSに走査可能にしている。
【0034】位置PLに照射するビームの経路に第1のレンズ42Aを設置してレーザ光を強く集束し、被測定物表面に照射されるレーザパルスのパワー密度を高くし、PLにおいてアブレーション機構で縦波が発生するようにする。一方、位置PSに照射するビームの経路に第2のレンズ42Bを設置してレーザ光を弱く集束し、被測定物表面に照射されるレーザパルスのパワー密度を低くし、PSにおいて熱弾性機構で横波が発生するようにする。
【0035】このような構成にすることにより、高価な超音波発生用レーザを1個に削減することができる。又、2つのレンズ42A、42Bによって照射レーザのパワー密度を変えることにより、効率良く縦波と横波を被測定物中に発生させることが可能になる。なお、このようにレーザパルスのパワー密度を変化させて、アブレーション機構で縦波を、又、熱弾性機構で横波をそれぞれ発生させる手法は、第1実施形態にも適用可能である。又、レーザパルスのパワー密度を変化させる方法としては、第2実施形態のようにレンズを用いる方法だけでなく、超音波発生用レーザの出力を可変とする方法であっても差し支えない。光波分岐手段も、光路変更ミラーに限定されるものではなく、光カプラによって分岐する方法などであってもよい。
【0036】図4は、本発明による材料厚さの非接触測定装置の第3実施形態を示すブロック図である。本実施形態では、第1実施形態と同じ超音波発生用レーザ12A、12Bと超音波検出光学系による測定を、被測定物10の同側(図では上側)の表面にて行うものであり、被測定物中を往復する縦波及び横波の伝搬時間を測定するものである。
【0037】なお、上記の説明では、縦波及び横波発生用のレーザパルスを被測定物に交互に、しかも等時間間隔で照射する方法について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、用途に応じて、これらのパルスを1回ずつ、あるいは複数回ずつ照射するようにしても差し支えない。又、上記の説明では、超音波検出用レーザの照射を超音波検出用の受信プローブを介して行う方法について述べたが、受信プローブとは別個に被測定物に照射してもよい。更に上記の説明では、縦波及び横波の伝搬時間を、トリガパルスと底面反射エコーの時間間隔から求めるようにしているが、複数の多重底面エコーを用いて求めるようにしてもよい。
【0038】又、上記の説明では、板状の被測定物を対象とした場合について述べたが、曲面状の材料等であっても適用可能である。
【0039】
【実施例】本発明による厚さ測定の実施例について述べる。本例では、厚さ約19〜21mmの鋼板24枚の板厚を、常温で接触式のマイクロメータで測定し、これを真の板厚とした。次に、これらの鋼板を約800、900、1000℃に熱した高温下で、従来法及び本発明による方法で測定した。装置としては、第2実施形態を用いた。従来法の測定では、鋼板に伝搬させた縦波の伝搬時間tLのみに基づいて板厚を算出した。この時、縦波の音速として、約900℃の時の音速を用いた。これに対し、本発明による方法では、縦波及び横波の伝搬時間tL、tSを検出し、前出(5)式の演算により被測定物の温度Tを算出し、温度Tにおける縦波の音速と縦波の伝搬時間から鋼板の板厚を求めた。
【0040】マイクロメータ測定値に対する、従来法及び本発明による測定結果を、それぞれ図5及び図6に示す。これらのグラフでは、24枚の測定結果を直線で回帰した結果を示してある。従来法では、図5に示す如く、被測定鋼板の温度が変化すると板厚測定値に大きな誤差が生じている。これに対し本発明による方法では、図6に示す如く、温度T=800、900、1000℃における測定結果は、ほぼ一致し、温度が変化する環境下でも正確に板厚が測定できることが確認された。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、被測定物の温度が変化するような環境下でも、非接触で材料の厚さを高精度で測定することができる。
【0042】又、第2実施形態のように、単一の超音波発生用レーザと単一の超音波受信装置によって測定することも可能なので、装置全体の小型化、低価格化が図れるという効果も有する。
【出願人】 【識別番号】000001258
【氏名又は名称】川崎製鉄株式会社
【出願日】 平成12年1月17日(2000.1.17)
【代理人】 【識別番号】100080458
【弁理士】
【氏名又は名称】高矢 諭 (外2名)
【公開番号】 特開2001−194137(P2001−194137A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−7481(P2000−7481)