| 【発明の名称】 |
三次元形状計測装置および三次元形状計測方法、並びにプログラム提供媒体 |
| 【発明者】 |
【氏名】呉 偉国
【氏名】後 輝行
|
| 【要約】 |
【課題】ステレオ画像法における画像間対応付け処理におけるミスマッチングを減少させる画像処理装置および方法を提供する。
【解決手段】異なる視点から計測対象画像を撮り込んで画像間のマッチング処理を行なう距離画像生成において、基準画像に設定したテンプレート画像を評価してマッチング処理用のテンプレートの大きさを変更する。評価は、変化率、行列固有値、分散値等の特徴量をテンプレート画像から算出し、閾値と比較する。特徴量が閾値より大となるまでテンプレートの拡大を行ない、十分な閾値を有するテンプレートを用いてマッチング処理を実行する。本構成によりミスマッチングの発生か抑制され高精度な距離画像の生成が可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】計測対象を異なる方向から撮影した画像を用いて前記計測対象の三次元形状を計測し、距離画像を生成する三次元形状計測装置において、前記計測対象の基準画像を撮り込む基準カメラと、前記基準カメラと異なる方向から前記計測対象画像の参照画像を撮り込む参照カメラと、前記基準カメラによって撮り込まれた基準画像と、前記参照カメラによって撮り込まれた参照画像との画像間対応付け処理に適用するテンプレートサイズを、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の評価処理により選択するテンプレートサイズ選択手段と、前記テンプレートサイズ選択手段において選択されたサイズのテンプレートを適用して前記基準画像と前記参照画像との画像間対応付け処理を実行する画像間対応付け手段と、前記画像間対応付け手段における画像間対応付け処理結果に基づいて距離画像を生成する距離画像生成手段と、を有することを特徴とする三次元形状計測装置。 【請求項2】前記テンプレートサイズ選択手段において実行する画像の評価処理は、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の特徴量を算出し、算出した特徴量を予め定めた閾値と比較することにより、画像間対応付け処理に適したテンプレートサイズであるか否かを判定する処理であることを特徴とする請求項1に記載の三次元形状計測装置。 【請求項3】前記テンプレートサイズ選択手段において実行する画像の評価処理は、異なるテンプレートサイズを順次、基準画像に適用して各テンプレートサイズにおける特徴量を繰り返し評価する処理であることを特徴とする請求項2に記載の三次元形状計測装置。 【請求項4】前記特徴量は、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の画素値に基づく変化率であることを特徴とする請求項2に記載の三次元形状計測装置。 【請求項5】前記特徴量は、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の画素値に基づく特徴行列の固有値に基づいて求められる特徴量であることを特徴とする請求項2に記載の三次元形状計測装置。 【請求項6】前記特徴量は、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の画素値に基づいて算出される分散値であることを特徴とする請求項2に記載の三次元形状計測装置。 【請求項7】前記三次元形状計測装置は、さらに、計測対象に対して非周期パターンを投光照射するランダムパターン投光手段を有し、前記基準カメラと、前記参照カメラはランダムパターン投光手段から非周期パターンを照射された像を撮り込む構成であることを特徴とする請求項1に記載の三次元形状計測装置。 【請求項8】計測対象を異なる方向から撮影した画像を用いて前記計測対象の三次元形状を計測し、距離画像を生成する三次元形状計測方法において、前記計測対象の基準画像を基準カメラによって撮り込む基準画像撮り込みステップと、前記基準カメラと異なる方向から前記計測対象画像の参照画像を参照カメラによって撮り込む参照画像撮り込みステップと、前記基準カメラによって撮り込まれた基準画像と、前記参照カメラによって撮り込まれた参照画像との画像間対応付け処理に適用するテンプレートサイズを、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の評価処理により選択するテンプレートサイズ選択ステップと、前記テンプレートサイズ選択ステップにおいて選択されたサイズのテンプレートを適用して前記基準画像と前記参照画像との画像間対応付け処理を実行する画像間対応付けステップと、前記画像間対応付けステップにおける画像間対応付け処理結果に基づいて距離画像を生成する距離画像生成ステップと、を有することを特徴とする三次元形状計測方法。 【請求項9】前記テンプレートサイズ選択ステップにおいて実行される前記評価処理は、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の特徴量を算出する特徴量算出ステップと、前記特徴量算出ステップにおいて算出した特徴量を予め定めた閾値と比較して画像間対応付け処理に適したテンプレートサイズであるか否かを判定する判定ステップと、を含む処理であることを特徴とする請求項8に記載の三次元形状計測方法。 【請求項10】前記テンプレートサイズ選択ステップにおいて実行する前記評価処理は、異なるテンプレートサイズを順次、基準画像に適用して各テンプレートサイズにおける特徴量を繰り返し評価する処理として実行することを特徴とする請求項9に記載の三次元形状計測方法。 【請求項11】前記特徴量は、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の画素値に基づく変化率であることを特徴とする請求項9に記載の三次元形状計測方法。 【請求項12】前記特徴量は、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の画素値に基づく特徴行列の固有値に基づいて求められる特徴量であることを特徴とする請求項9に記載の三次元形状計測方法。 【請求項13】前記特徴量は、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の画素値に基づいて算出される分散値であることを特徴とする請求項9に記載の三次元形状計測方法。 【請求項14】前記三次元形状計測方法において、さらに、計測対象に対して非周期パターンを投光照射するランダムパターン投光ステップを有し、前記基準カメラと、前記参照カメラは非周期パターンを照射された像を撮り込むことを特徴とする請求項8に記載の三次元形状計測方法。 【請求項15】計測対象を異なる方向から撮影した画像を用いて前記計測対象の三次元形状を計測し、距離画像を生成する三次元形状計測処理をコンピュータ・システム上で実行せしめるコンピュータ・プログラムを提供するプログラム提供媒体であって、前記コンピュータ・プログラムは、前記計測対象の基準画像を基準カメラによって撮り込む基準画像撮り込みステップと、前記基準カメラと異なる方向から前記計測対象画像の参照画像を参照カメラによって撮り込む参照画像撮り込みステップと、前記基準カメラによって撮り込まれた基準画像と、前記参照カメラによって撮り込まれた参照画像との画像間対応付け処理に適用するテンプレートサイズを、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の評価処理により選択するテンプレートサイズ選択ステップと、前記テンプレートサイズ選択ステップにおいて選択されたサイズのテンプレートを適用して前記基準画像と、前記参照画像との画像間対応付け処理を実行する画像間対応付けステップと、前記画像間対応付けステップにおける画像間対応付け処理結果に基づいて距離画像を生成する距離画像生成ステップと、を有することを特徴とするプログラム提供媒体。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、物体の三次元形状を求めるための三次元形状計測装置および三次元形状計測方法、並びにプログラム提供媒体に関する。特に三次元空間上である距離範囲に存在する物体を複数の異なる位置から撮影した画像を用いて被写体表面の三次元形状を計測する方法、すなわちステレオ画像法において好適な三次元形状計測装置および三次元形状計測方法、並びにプログラム提供媒体に関する。 【0002】 【従来の技術】物体の三次元形状を求める従来手法として、大きく分けて能動的手法(アクティブ手法)と受動的手法(パッシブ手法)がある。能動的手法としては、光を投射して、その光が反射して帰ってくるまでの時間を測定することで各計測対象物体までの距離を求める方法や、計測対象にスリット状のパターン光をあてて計測対象に投影されたパターン光の形状を調べることによって三次元形状を計測する光切断法といった方法がある。 【0003】また、受動的手法として代表的なものは、三角測量の原理を利用したステレオ画像法であり、これは2台以上のカメラを使って、その画像間の対応点を見つけることで視差を求め、距離を計測する方法である。 【0004】ステレオ画像法について、その原理を簡単に説明する。ステレオ画像法は複数のカメラを用いて2つ以上の視点(異なる視線方向)から同一対象物を撮影して得られる複数の画像における画素同士を対応づけることで計測対象物の三次元空間における位置を求めようとするものである。例えば基準カメラと参照カメラにより異なる視点から同一対象物を撮影して、それぞれの画像内の計測対象物の距離を三角測量の原理により測定する。 【0005】図1は、ステレオ画像法の原理を説明する図である。基準カメラ(Camera 1)と参照カメラ(Camera 2)は異なる視点から同一対象物を撮影する。基準カメラによって撮影された画像中の「mb」というポイントの奥行きを求めることを考える。 【0006】基準カメラによる撮影画像中のポイント「mb」に見える物体は、異なる視点から同一物体を撮影している参照カメラによって撮影された画像において、「m1」、「m2」、「m3」のようにある直線上に展開されることになる。この直線をエピポーラライン(Epipolar line)Lpと呼ぶ。 【0007】基準カメラにおけるポイント「mb」の位置は、参照カメラによる画像中では「エピポーラ・ライン」と呼ばれる直線上に現れる。撮像対象となる点P(P1,P2,P3を含む直線上に存在する点)は、基準カメラの視線上に存在する限り、奥行きすなわち基準カメラとの距離の大小に拘らず、基準画像上では同じ観察点「mb」に現れる。これに対し、参照カメラによる撮影画像上における点Pは、エピポーラ・ライン上に基準カメラと観察点Pとの距離の大小に応じた位置にあらわれる。 【0008】図1には、エピポーラ・ラインと、参照画像中における観察点「mb」の対応を図解している。同図に示すように、観察点Pの位置がP1,P2,P3へと変化するに従って、参照画像中の観察点は「m1」、「m2」、「m3」へとシフトする。 【0009】以上の幾何光学的性質を利用して、観察点「mb」をエピポーラ・ライン上で探索することにより、点Pの距離を同定することができる。これが「ステレオ画像法」の基本的原理である。このような方法で画面上のすべての画素についての三次元情報を取得する。取得した三次元情報は画素ごとに対応した画素属性データとして使用することが可能となる。 【0010】上述のステレオ画像法は1台の基準カメラと1台の参照カメラとを用いた構成としたが、参照カメラを複数用いたマルチベースラインステレオ(MultiBaseline Stereo)法によって評価値を求めて、該評価値に基づいて画素ごとの三次元情報を取得するように構成してもよい。マルチベースラインステレオ画像法は、1つの基準カメラと複数の参照カメラによって撮影される画像を用い、複数の参照カメラ画像それぞれについて基準カメラ画像との相関を表す評価値を求め、それぞれの評価値を加算し、その加算値を最終的な評価値とするものである。このマルチベースラインステレオ画像法の詳細は、例えば「複数の基線長を利用したステレオマッチング」、電子情報通信学会論文誌D−11Vol.J75−D−II No.8 pp.1317−1327 1992年8月、に記載されている。 【0011】上述のように、ステレオ画像法は、複数のカメラを用いて2つ以上の視点(異なる視線方向)から同一対象物を撮影して得られる複数の画像における画素同士を対応づけること、すなわち「対応点付け(マッチング)」を実施することで計測対象物の三次元空間における位置を求めようとするものである。 【0012】従来、よく使われている「対応点付け」の手法は、Pixel−basedマッチング、Area−basedマッチングとFeature−basedマッチングに大別される。Pixel−basedマッチングとは、一方の画像における点の対応を、他方の画像でそのまま探索する方法である(C.Lawrence Zitnick and Jon A. Webb: Multi−baseline Stereo Using Surface Extraction, Technical Report, CMU−CS−96−196,(1996)参照)。 【0013】Area−basedマッチングとは、一方の画像における点の対応を、他方の画像で探す時、その点の周りの局所的な画像パターンを用いて探索する方法である(奥富、金出: 複数の基線長を利用したステレオマッチング、電子情報通信学会論文誌D−II、Vol.J75−D−II, No.8, pp.1317−1327, (1992)、横山、三輪、芦ヶ原、小柳津、林、後: Stereo Camera System and Its Application、 SRF’97、(1997)、金出、木村: ビデオレート・ステレオマシン、日本ロボット学会誌、Vol.13, No.3, pp.322〜326, (1995)、金出、蚊野、木村、川村、吉田、織田: ビデオレートステレオマシンの開発、日本ロボット学会誌、Vol.15, No.2,pp.261〜267, (1997)、山口、高地、井口: 適応ウィンドウ法を用いた石像計測のためのステレオ対応付け、人文科学とコンピュータ、Vol.32, No.10, pp.55〜60, (1996)、横矢: 最近の信号処理総合特集号 コンピュータビジョンの最近の話題、システム/制御/情報、Vol.38, No.8, pp.436〜441, (1994)参照)。 【0014】Feature−basedマッチングとは、画像から濃淡エッジなどの特徴を抽出し、画像間の特徴だけを用いて対応付けを行う方法である(H.H.Baker and T.O.Binford: Depth from edgeand intensity based stereo, In Proc. IJCAI’81, (1981)、石山、角保、河井、植芝、富田: セグメントベーストステレオにおける対応候補探索、信学技報、Vol.96,No.136, (1997)、W.E.L.Grimson: Computational experiments with a feature based stereo algorithm, IEEE Trans. PAMI, Vol.7, No.1, pp.17〜34, (1985))。 【0015】上記の各手法の特徴を整理すると、次のようになる。 (1)Pixel−basedマッチングとArea−basedマッチングは各々の画素に対して、対応点を探索するので、求められた距離画像は密である。一方、Feature−basedマッチングは、特徴点だけに対して、対応付けを行うので、得られた距離画像は疎である。 【0016】(2)Area−basedマッチングは、一種の相関演算を行うため、Pixel−basedマッチングとFeature−basedマッチングに比べて、計算コストがかかるが、アルゴリズムの高速化によって、必ずしも解決できない問題ではない。 【0017】(3)Pixel−basedマッチングは、画素間の対応付けだけを行うため、計算速度がかなり速いが、左右カメラ間の特性の違いによって、画素間の濃淡値を用いる対応付けが容易ではない。 【0018】上述の特徴から、一般的に、高精度で対象の3次元形状(または奥行き)を画素毎に求めるための手法としてArea−basedマッチングは有効であり、よく使われている。 【0019】一般的なArea−basedマッチングによるステレオ視の対応点の求め方について図2を用いて説明する。図2(a)は、基準カメラの観測画像Im1(x,y)であり、図2(b)は参照カメラによる観測画像Im2(x,y)である。基準カメラによる観測画像Im1(x,y)において、ある局所的なウィンドウWを設定し、これをテンプレートとして他方のカメラ、すなわち参照カメラで観測された画像Im2(x,y)のエピポーラライン上で位置を変えながら設定された探索範囲内でマッチング処理(テンプレートマッチング)を実行する。マッチング処理における一致度の算出には、例えば下式が用いられる。 【0020】 【数1】
【0021】ここで、Δx,Δyは、エピポーラライン上での位置の移動量である。R(x,y)が最小となる場合を、ウィンドウ間の一致度が最も高い領域とし、その時のテンプレートの移動量Δx,Δyをその注目点の視差とし、三角測量方式に従って、その注目点の三次元形状または奥行きを算出する。このようなマッチング処理を各測定点の画素について繰り返し求めることにより、全ての画素に対する三次元形状データを得ることができる。 【0022】しかしながら、実際には、基準カメラ画像と参照カメラ画像から全ての画素対応付け処理を正確に行なうことは困難である。白い壁や人間の顔などの特徴(濃淡、形状、色等)のほとんどない対象におけるマッチング処理には、本質的に曖昧さ(Ambiguity)が存在するからである。 【0023】図2の例においても、画像全体から見れば非常に小さい領域でテンプレートマッチング処理を行い、最もシーン一致度の高い部分を探索する処理を実行するのであるが、マッチング処理に用いるテンプレートに含まれるシーンによっては、似たようなパターンが様々な異なる場所で存在する可能性がある。また、シーン中の同じ対象物であっても、異なる視点でその対象物を観察した場合に生じる幾何学的な歪、カメラの特性の違いなどによって、基準カメラと参照カメラで撮影した左右の画像上のパターンが完全に一致することはない。 【0024】このようなマッチング処理における問題点を解決し、画像間の対応付けを効果的に行なうための手法として様々な方法が提案されている。代表的な処理には以下のものがある。(1)ローカルサポート、これは検出対象画素の回りの画素の特徴を用いる手法である。(2)高次特徴を用いたマッチング処理、これは例えばエッジ等の画像の特徴部分を検出することによる処理である。さらに、(3)マルチベースラインステレオ法、これは3以上の画像を用いてマッチング処理を実行する手法である。これらの手法を用いることにより、ステレオ視の対応付け処理における曖昧さが低減され、画像間の対応をより正確に求めることが可能になる。 【0025】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来手法では、対応付け処理におけるエラー、すなわちミスマッチングの完全な除去を達成することはできなかった。また、3台以上のカメラを用いるマルチベースラインステレオマシンにおいては、ミスマッチング領域減少に対して効果が期待されるが構成が複雑になり、また対応付けの処理において取り扱う画像の数が増加し、処理ステップが増加するという問題も発生する。 【0026】本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、ステレオ画像法に従った距離画像生成方法におけるマッチング処理を精度よく実行することを可能とした三次元形状計測装置および三次元形状計測方法、並びにプログラム提供媒体を提供するものである。 【0027】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、計測対象を異なる方向から撮影した画像を用いて前記計測対象の三次元形状を計測し、距離画像を生成する三次元形状計測装置において、前記計測対象の基準画像を撮り込む基準カメラと、前記基準カメラと異なる方向から前記計測対象画像の参照画像を撮り込む参照カメラと、前記基準カメラによって撮り込まれた基準画像と、前記参照カメラによって撮り込まれた参照画像との画像間対応付け処理に適用するテンプレートサイズを、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の評価処理により選択するテンプレートサイズ選択手段と、前記テンプレートサイズ選択手段において選択されたサイズのテンプレートを適用して前記基準画像と前記参照画像との画像間対応付け処理を実行する画像間対応付け手段と、前記画像間対応付け手段における画像間対応付け処理結果に基づいて距離画像を生成する距離画像生成手段と、を有することを特徴とする三次元形状計測装置にある。 【0028】さらに、本発明の三次元形状計測装置の一実施態様において、前記テンプレートサイズ選択手段において実行する画像の評価処理は、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の特徴量を算出し、算出した特徴量を予め定めた閾値と比較することにより、画像間対応付け処理に適したテンプレートサイズであるか否かを判定する処理であることを特徴とする。 【0029】さらに、本発明の三次元形状計測装置の一実施態様において、前記テンプレートサイズ選択手段において実行する画像の評価処理は、異なるテンプレートサイズを順次、基準画像に適用して各テンプレートサイズにおける特徴量を繰り返し評価する処理であることを特徴とする。 【0030】さらに、本発明の三次元形状計測装置の一実施態様において、前記特徴量は、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の画素値に基づく変化率であることを特徴とする。 【0031】さらに、本発明の三次元形状計測装置の一実施態様において、前記特徴量は、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の画素値に基づく特徴行列の固有値に基づいて求められる特徴量であることを特徴とする。 【0032】さらに、本発明の三次元形状計測装置の一実施態様において、前記特徴量は、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の画素値に基づいて算出される分散値であることを特徴とする。 【0033】さらに、本発明の三次元形状計測装置の一実施態様は、さらに、計測対象に対して非周期パターンを投光照射するランダムパターン投光手段を有し、前記基準カメラと、前記参照カメラはランダムパターン投光手段から非周期パターンを照射された像を撮り込む構成であることを特徴とする。 【0034】さらに、本発明の第2の側面は、計測対象を異なる方向から撮影した画像を用いて前記計測対象の三次元形状を計測し、距離画像を生成する三次元形状計測方法において、前記計測対象の基準画像を基準カメラによって撮り込む基準画像撮り込みステップと、前記基準カメラと異なる方向から前記計測対象画像の参照画像を参照カメラによって撮り込む参照画像撮り込みステップと、前記基準カメラによって撮り込まれた基準画像と、前記参照カメラによって撮り込まれた参照画像との画像間対応付け処理に適用するテンプレートサイズを、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の評価処理により選択するテンプレートサイズ選択ステップと、前記テンプレートサイズ選択ステップにおいて選択されたサイズのテンプレートを適用して前記基準画像と前記参照画像との画像間対応付け処理を実行する画像間対応付けステップと、前記画像間対応付けステップにおける画像間対応付け処理結果に基づいて距離画像を生成する距離画像生成ステップと、を有することを特徴とする三次元形状計測方法にある。 【0035】さらに、本発明の三次元形状計測方法の一実施態様において、前記テンプレートサイズ選択ステップにおいて実行される前記評価処理は、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の特徴量を算出する特徴量算出ステップと、前記特徴量算出ステップにおいて算出した特徴量を予め定めた閾値と比較して画像間対応付け処理に適したテンプレートサイズであるか否かを判定する判定ステップとを含む処理であることを特徴とする。 【0036】さらに、本発明の三次元形状計測方法の一実施態様において、前記テンプレートサイズ選択ステップにおいて実行する前記評価処理は、異なるテンプレートサイズを順次、基準画像に適用して各テンプレートサイズにおける特徴量を繰り返し評価する処理として実行することを特徴とする。 【0037】さらに、本発明の三次元形状計測方法の一実施態様において、前記特徴量は、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の画素値に基づく変化率であることを特徴とする。 【0038】さらに、本発明の三次元形状計測方法の一実施態様において、前記特徴量は、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の画素値に基づく特徴行列の固有値に基づいて求められる特徴量であることを特徴とする。 【0039】さらに、本発明の三次元形状計測方法の一実施態様において、前記特徴量は、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の画素値に基づいて算出される分散値であることを特徴とする。 【0040】さらに、本発明の三次元形状計測方法の一実施態様は、さらに、計測対象に対して非周期パターンを投光照射するランダムパターン投光ステップを有し、前記基準カメラと、前記参照カメラは非周期パターンを照射された像を撮り込むことを特徴とする。 【0041】さらに、本発明の第3の側面は、計測対象を異なる方向から撮影した画像を用いて前記計測対象の三次元形状を計測し、距離画像を生成する三次元形状計測処理をコンピュータ・システム上で実行せしめるコンピュータ・プログラムを提供するプログラム提供媒体であって、前記コンピュータ・プログラムは、前記計測対象の基準画像を基準カメラによって撮り込む基準画像撮り込みステップと、前記基準カメラと異なる方向から前記計測対象画像の参照画像を参照カメラによって撮り込む参照画像撮り込みステップと、前記基準カメラによって撮り込まれた基準画像と、前記参照カメラによって撮り込まれた参照画像との画像間対応付け処理に適用するテンプレートサイズを、テンプレートによって規定されるウィンドウに含まれる基準画像の評価処理により選択するテンプレートサイズ選択ステップと、前記テンプレートサイズ選択ステップにおいて選択されたサイズのテンプレートを適用して前記基準画像と前記参照画像との画像間対応付け処理を実行する画像間対応付けステップと、前記画像間対応付けステップにおける画像間対応付け処理結果に基づいて距離画像を生成する距離画像生成ステップと、を有することを特徴とするプログラム提供媒体にある。 【0042】本発明の第3の側面に係るプログラム提供媒体は、例えば、様々なプログラム・コードを実行可能な汎用コンピュータ・システムに対して、コンピュータ・プログラムをコンピュータ可読な形式で提供する媒体である。媒体は、CDやFD、MOなどの記憶媒体、あるいは、ネットワークなどの伝送媒体など、その形態は特に限定されない。 【0043】このようなプログラム提供媒体は、コンピュータ・システム上で所定のコンピュータ・プログラムの機能を実現するための、コンピュータ・プログラムと提供媒体との構造上又は機能上の協働的関係を定義したものである。換言すれば、該提供媒体を介してコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の他の側面と同様の作用効果を得ることができるのである。 【0044】本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。 【0045】 【発明の実施の形態】まず、図3に本発明の画像生成装置の構成ブロック図を示す。図3は、画像パターンの投光によって計測対象の三次元形状または距離画像の計測を行なう装置である。投光用画像パターン生成装置によって、ランダムテクスチャ(例えば二値または濃淡のランダム点群)からなる画像パターンを生成し、これを投光器によって計測対象に投光する。計測対象にランダムテクスチャを投光することにより、計測対象が白い壁や人間の顔などの特徴(濃淡、形状、色等)のほとんどない対象である場合も、画像間のマッチング処理がより正確に実行できる。 【0046】図3に示す画像生成装置の概要について説明する。画像生成装置は、先に説明したステレオ画像法を適用して計測対象の三次元形状を計測するものであり、立体形状を持つ、例えば人の顔等の被計測対象物に対して角度の異なる位置に配置した2つのカメラ、いわゆる基準カメラと参照カメラを用いて像を撮り込み、これら2つのカメラの撮影する画像に基づいて図1で説明したステレオ画像法に基づいて被計測対象物の表面形状を計測するものである。 【0047】投光パターン生成手段312によって生成されたランダムパターンは、投光パターン照射手段311によって照射される。この投光パターンは一様乱数や正規乱数に基づく非周期的投光パターンである。投光される非周期投光パターンは、例えばドットのサイズ、線の長さ、太さ、位置、濃度等に周期性を持たないパターンであり、例えば図4(a)、(b)に示すようなパターンである。 【0048】非周期的パターンは例えば予めスライド等に形成され、例えばフラッシュ光をスライドを介して照射することによって計測対象に対してパターンの投影が可能となる。あるいは、透過型液晶表示素子等を用いて動的にランダムパターンを生成して投影してもよい。計測対象300の表面に形成された非周期パターンを計測対象とともに撮像することにより、距離画像生成時の基準カメラと参照カメラの撮像データの対応付けを容易にすることができる。 【0049】なお、図3の構成のように計測対象300にランダムテクスチャ投光パターンを照射するのは、計測対象が例えば壁、人の顔等のように表面の各部を区別する特徴が少なく、基準カメラ画像と参照カメラ画像の画像間対応付けが困難である場合に、撮影画像にランダムパターンを付与して画像間対応付け処理を実行しやすくするためのものである。従って、計測対象の表面が各部分において十分特徴的である場合には、投光パターンを照射することなく画像間対応付け処理が可能であり、このような場合にはランダムパターンの投光構成は省略することが可能である。ランダムパターンの照射は計測対象に基づいてその必要性を判断して実行すればよい。本実施例中では、ランダムパターンを照射した構成について説明する。 【0050】基準カメラ301と参照カメラ302は、計測対象300に対して異なる視線方向に配置されて、各視線方向の画像、すなわちランダムパターンの投影された計測対象300を撮影する。基準カメラ301、参照カメラ302によって撮影される画像は、同期したタイミングで撮り込まれる。基準カメラ301、参照カメラ302から撮り込まれた画像はそれぞれA/D変換部を介してフレームメモリ303、304に格納される。 【0051】画像間対応付け手段305は、フレームメモリ1a,303とフレームメモリ2a,304の基準カメラ及び参照カメラ各々の投光パターン画像間の対応付け処理を行なう。すなわち、基準カメラ301の撮影した画像の各画素に対する参照カメラ302の撮影した参照画像の画素の対応付け処理を行ない、基準画像に対する参照画像の視差データを距離画像生成手段307に出力する。画像間対応付け手段305における画像間の対応付け処理においては、各画像の補正値等を設定したキャリブレーションパラメータ306を用いて行われる。 【0052】投光パターン照射手段311の照射する投光パターンは、先に説明したように非周期的なパターンであり、各カメラによって撮影した画像の対応付けが比較的容易に行われる。距離画像生成手段307は、画像間対応付け手段305の生成した視差データに基づいて距離画像を生成する。 【0053】本発明の三次元形状計測装置では、画像間対応付け手段305にテンプレートサイズ選択手段3051が設けられている。これは、画像間対応付け手段305において実行される画像間対応付け処理においてミスマッチング、すなわち対応付けの誤りを最も少なくする最適なテンプレートサイズを選択する手段である。画像間対応付け手段305における画像間対応付け処理は、テンプレートサイズ選択手段3051によって選択された最適なサイズのテンプレートに基づいて実行される。この詳細については、後段で説明する。 【0054】なお、図3に示す構成の各ブロックにおける処理、およびブロック間データ転送制御等は、図示しない制御手段によって制御され、所定のメモリ、例えばRAM,ROM等の半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク等の記憶媒体に記録された制御プログラムによって制御することができる。また、図示しない入力手段によってユーザがコマンド、パラメータ等を入力して各制御態様を変更することが可能である。 【0055】図3に示す三次元形状計測装置において、基準カメラ301と参照カメラ302の2つのカメラによって得られる2つの画像を用いて、画像間対応付け手段305において、先に図2で説明したテンプレートマッチング処理が実行される。 【0056】本発明の画像間対応付け手段305におけるテンプレートマッチング処理は、上述したようにテンプレートサイズ選択手段3051においてテンプレートサイズを自動的に変更選択して、最も画像間対応付け処理に適したテンプレートサイズを用いてマッチング処理を実行する。 【0057】従来のテンプレートマッチング処理は、画像間対応付けに用いるテンプレートのサイズが固定された一定サイズであり、先に説明したように、基準カメラで撮影した画像のテンプレート領域に含まれるシーンの特徴と似たような画像が参照カメラの検索範囲であるエピポーラライン上にいくつも存在する事態が発生する。このような場合には、画像の対応付けが困難となる。投光パターンの密度、形状、あるいは計測対象に投光パターンを照射した際に発生する画像コントラストの低下などによってこのような対応付け困難な領域が数多く発生することがある。 【0058】従来の固定的なサイズのテンプレートを用いた構成におけるマッチング処理において発生しがちな画像間対応付けの困難な状況を図5を用いて説明する。図5は、上述した投光用画像パターンを計測対象に投光し、観測された2枚の画像から距離画像を求めた例を示した図である。図5(a)は、ランダム点群からなる投光用画像パターンを示す。図5(b)(c)は、そのパターンを計測対象に投光し、それぞれカメラ1とカメラ2(例えば、基準カメラと参照カメラ)により観測された画像である。 【0059】図5(d)は、結果として得られる計測対象の距離画像である。この距離画像は、基準カメラ画像における固定された大きさであるNx×Nyのテンプレートウィンドウ内のパターンを用いて、参照カメラ画像におけるエピポーラライン上の対応付け、すなわち基準カメラ画像におけるNx×Nyの大きさのウィンドウ内のパターンと同様のパターンが参照カメラ画像のエピポーラライン上のどの部分に表れるかを求めることによって視差データを取得し、その視差データに基づいて得られる距離画像である。 【0060】図5(c)のカメラ2(参照カメラ)におけるエピポーライン上には、基準カメラ画像における固定された大きさであるNx×Nyのテンプレートウィンドウ内のパターンと同様であると判定されるウィンドウが複数存在する。このようにエピポーラライン上に複数の類似パターンを持つウィンドウが存在する場合、マッチング処理は正確に実行することができず、探索された複数のウィンドウから予め定められた処理アルゴリズムに従っていずれかのウィンドウを一致ウィンドウとして選択することになる。その後、選択されたウィンドウに従って距離が求めるられる。従って、実際の対応ウィンドウと異なるウィンドウ部分が対応画像であるとして選択される可能性も多くあり、正確な距離画像が得られないことになる。 【0061】本発明の画像間対応付け手段305は、このような場合にテンプレートサイズを自動的に変更して、異なるサイズのテンプレートを用いて対応付け処理を実行する。 【0062】図6に本発明の画像間対応付け手段305におけるテンプレートのサイズの自動決定、およびテンプレートマッチング処理、並びに距離画像生成手段307における距離画像生成処理の手順をまとめた処理フロー例を示す。 【0063】ステップ601は、カメラ1(基準カメラ)によってイメージサイズXsize×YsizeのイメージIm1(x,y)を撮り込むステップである。Im1(x,y)は撮り込み画像を構成する画像の各座標における二値画像データ、濃淡画像データ等の画素値によって構成されるデータである。 【0064】ステップ602は、測定ポイント(画素座標値)およびテンプレートウィンドウサイズの初期値を設定するステップである。測定ポイント画素(i,j)を(Nx,Ny)とし、さらに、テンプレートとして用いるウィンドウサイズは、Nx×Ny、例えば1画素×1画素に設定される。初期値は任意の設定値としてよく、例えば5画素×5画素等としてもよい。 【0065】次にステップ603において、カメラ1(基準カメラ)の撮り込み画像における画像の座標値(i,j)を中心として、テンプレートTm(i,j)を設定する。mは初期値1とし、m=1〜nで順次大きさの異なるテンプレートとして設定可能なテンプレートを示す。初期設定時のテンプレートウィンドウサイズは、ステップ602で設定した初期値、Nx×Ny、例えば1画素×1画素である。すなわち、T1(i,j)は一例として1画素×1画素に設定される。テンプレートTm(i,j)はm(m=1〜n)番目の大きさのテンプレートウィンドウ画像の二値画像、濃淡画像データ等の画素値によって構成される画像データである。 【0066】次にステップ604において、ステップ603で設定した座標値(i,j)を中心として設定されたテンプレートTm(i,j)の特徴量γmを計算する。特徴量γmは、テンプレートウィンドウ内の画像が距離画像を生成するための画像として適正であるか否か、すなわち画像が十分なランダム性を有する画像であるかを判定する指標値である。初期設定時のテンプレートウィンドウサイズのテンプレートT1(i,j)の特徴量はγ1として求められる。特徴量γmは、例えば、以下の式に基づいて求められる変化率が使用可能である。 【0067】 【数2】
【0068】なお、上記式においてAは、正規化係数である。xm,ymは、x座標値:xm=Nx/2、y座標値:ym=Ny/2として設定される座標値であり、f(xm,ym)は座標(xm,ym)における画素値(例えば濃度値)を示す。上記式において、特徴量γmは生成された画像が濃淡値変化が激しい場合、値が大きくなり、濃淡変化が少ない場合、値が低下する。すなわち、特徴量γmは距離画像生成のためのマッチングプレートとして適正であるか否かを判定する適性度指標値である。 【0069】次に、ステップ605において、特徴量γmと、予め定めた閾値との比較処理が行なわれ、特徴量γmが閾値より大であれば、距離画像の生成に適した十分なランダム性を有する画像(テンプレート)であると判定される。 【0070】ステップ605において、特徴量γmが閾値より大でないと判定されると、そのテンプレートウィンドウの画像パターンは距離画像の生成に適した十分なランダム性を有するものでないと判定され、ステップ609に進み、テンプレートウィンドウサイズの更新処理が実行される。 【0071】ステップ609のテンプレートウィンドウサイズの更新処理は、テンプレートウィンドウサイズをx軸、y軸において、1画素づつ大きくする処理として実行される。例えばテンプレートウィンドウサイズの初期設定値が1画素×1画素であれば、2画素×2画素にテンプレートの大きさが変更される。すなわち、初期設定テンプレートT1(i,j)が1画素×1画素であれば、更新処理によって得られる次のテンプレートT2(i,j)が2画素×2画素として設定される。なお、この図6で示す処理フローは一例であり、更新処理においては例えば2画素づつ大きくしたり、その他の間隔で変更する構成としてもよい【0072】ステップ609におけるテンプレートウィンドウサイズの更新処理によって変更された画像(テンプレート)について、さらにステップ604で特徴量γm(m=2)が計算され、さらにステップ605における閾値との比較処理が実行される。 【0073】このステップ604,605,609の処理は、新たに設定されたテンプレートによって得られる画像から求められる特徴量γmが閾値より大となるまで繰り返し実行される。 【0074】ステップ605における特徴量γmと閾値との比較処理において、特徴量γmが閾値より大であると判定されると、ステップ606に進み、テンプレートTm(i,j)を用いてカメラ2(参照カメラ)によって撮り込まれた画像(ステップ611参照)を用いて、画像カメラIm2(x,y)のエピポーラライン上でのマッチング画像の探索処理を実行する。さらに、探索処理の結果一致する画像パターンを対応画像として選択し、前述したように三角測量の原理に従って距離を求める。 【0075】次に、ステップ607において、カメラ1(基準カメラ)で撮り込まれた画像の全画素についての距離算出が終了したか否かを判定し、まだ算出していない画素がある場合は、ステップ610において、画素の更新を実行して、ステップ603以降の処理を繰り返し実行する。これらの処理を画像内のすべての画素について終了すると、ステップ607の判定がYesとなり、ステップ608で距離画像の計算を終了する。 【0076】図7は、カメラ1によって撮り込まれた画像から設定される異なる大きさを持つテンプレートウィンドウの例を示した図である。図7の左に示す画像がカメラ1(基準カメラ)の撮り込み画像、すなわち基準画像であり、図7の右側に示す3つの画像が3種類の大きさの異なるテンプレートTm(i,j)である。例えば初期設定のテンプレートT1(i,j)が図7右側の上段のテンプレートであり、中段がテンプレートT2(i,j)、下段が、テンプレートT3(i,j)である。このように本発明の三次元形状計測装置における画像間対応付け手段305において実行されるマッチング処理において使用されるテンプレートは、そのテンプレートウィンドウの持つ特徴量γが予め定められた閾値と比較され、閾値より大となる特徴量γを有する大きさのテンプレートとなるまで拡大処理が実行される。 【0077】マッチング処理に適用されるテンプレートは特徴量γが予め定められた閾値より大であることが保証されたものであり、距離画像の生成に適した十分なランダム性を有するパターン画像であることが保証されたものとなる。従って参照画像のエピポーラライン上に同じパターンを有する画像領域が複数個表れる可能性は減少することになり、唯一の一致するパターン画像をエピポーラライン上で選択することが容易となり、マッチング処理における曖昧さが低減される。 【0078】図8に本発明の三次元形状計測装置において、テンプレートサイズを変更、すなわち拡大して閾値以上の特徴量を持つテンプレートを用いて距離画像を生成した例を示す。 【0079】図8は、先に説明した図5と同様の対応で示す図であり、投光用画像パターンを計測対象に投光し、観測された2枚の画像から距離画像を求めた例を示した図である。図8(a)は、ランダム点群からなる投光用画像パターンを示す。図8(b)(c)は、そのパターンを計測対象に投光し、それぞれカメラ1とカメラ2(例えば、基準カメラと参照カメラ)により観測された画像である。 【0080】図8(d)は、結果として得られる計測対象の距離画像である。この距離画像は、基準カメラ画像における拡大された大きさを持つNx×Nyのテンプレートウィンドウ内のパターンを用いて、参照カメラ画像におけるエピポーラライン上の対応付け、すなわち基準カメラ画像における拡大されたテンプレートサイズ:Nx×Nyの大きさのウィンドウ内のパターンと同様のパターンが参照カメラ画像のエピポーラライン上のどの部分に表れるかを求めることによって視差データを取得し、その視差データに基づいて得られる距離画像である。 【0081】図8(c)のカメラ2(参照カメラ)におけるエピポーライン上には、基準カメラ画像における拡大されたテンプレートサイズ:Nx×Nyのテンプレートウィンドウ内のパターンと同様であると判定されるウィンドウが唯一探索される。 【0082】本発明の構成における三次元形状計測装置なおいて設定されるテンプレートウィンドウは、その特徴量が予め定めた閾値より大であることが保証されたウィンドウであり、参照カメラ画像に設定されるエピポーラライン上に複数の類似パターンが表れる可能性は低減される。 【0083】従って、2つの画像間のマッチング処理が正確に実行することが可能となり、正確な距離画像が得られる。すなわち、図8(d)に示すエラー領域の少ない正確な距離画像を得ることが容易になる。 【0084】なお、上述の図6において説明した特徴量γは、距離画像を生成するための画像として適正であるか否か、すなわち画像が十分なランダム性を有する画像であるかを判定する指標値であり、上述の実施例では、[数2]によって求められる変化率を用いた例について説明したが、本発明の三次元形状計測装置においては、[数2]で求められる変化率以外にも、例えば以下に説明する様々な指標値を用いることも可能である。 【0085】[特徴行列Rを用いる例]テンプレートウィンドウの位置を設定する座標xm,ymを設定する。これらの座標は、x座標値:xm=Nx/2、y座標値:ym=Ny/2として設定する。次に、(xm,ym)によって定義されるテンプレートウィンドウ内の画像の特徴行列Rを以下の式に従って求める。 【0086】 【数3】
【0087】上記式において、f(x,y)は座標(x,y)における画素値(例えば濃度値)を示す。上記式において求めた特徴行列Rの固有値:λm1、λm2を求め、(xm,ym)によって定義されるテンプレートウィンドウの特徴行列Rの固有値:λm1、λm2から求められる指標値としての特徴量:λ=min(λm1,λm2)と予め定めた閾値λTとの比較を実行して、特徴量:λが閾値λTより大であれば、そのテンプレートウィンドウは十分なランダム性を有する画像であると判定する。上記式から求められるλ=min(λm1,λm2)は生成された画像が濃淡変化が大きい場合、値が大きくなり、濃淡変化が少ない場合に低下する値である。 【0088】上記式を用いて得られる特徴量:λが閾値λTより大でない場合は、そのテンプレートウィンドウは十分なランダム性を有する画像でないと判定し、テンプレートの大きさを変更して、大きさを変更したテンプレートウィンドウの特徴行列Rの固有値:λm1、λm2を求め、閾値λTとの比較処理を繰り返す。 【0089】[分散σを用いる例]テンプレートウィンドウの位置を設定する座標xm,ymを設定する。これらの座標は、x座標値:xm=Nx/2、y座標値:ym=Ny/2として設定する。次に、(xm,ym)によって定義されるテンプレートウィンドウ内の画像の分散値σmを以下の式に従って求める。 【0090】 【数4】
【0091】上記式において、f(x,y)は座標(x,y)における画素値(例えば濃度値)を示す。上記式において求めた指標値としての分散値σmと予め定めた閾値σTとの比較を実行して、分散値σmが閾値σTより大であれば、そのウィンドウは十分なランダム性を有する濃淡画像であると判定する。上記式から求められる分散値σmは生成された画像が濃淡変化が大きい場合、値が大きくなり、濃淡変化が少ない場合に低下する値である。 【0092】上記式を用いて得られる特徴量である分散値σmが閾値σTより大でない場合は、そのテンプレートウィンドウは十分なランダム性を有する画像でないと判定し、テンプレートの大きさを変更して、大きさを変更したテンプレートウィンドウの分散値σmを求めて閾値σTとの比較処理を繰り返す。 【0093】このように、各種の指標値を用いてテンプレートウィンドウ画像の評価が可能である。テンプレートウィンドウの画像評価は、図3に示す画像間対応付け手段305における画像間対応付け処理においてマッチングエラーが発生しないテンプレートサイズを選択することを目的とするものであり、基準カメラ301から撮り込まれた画像において設定されたテンプレートの特徴を上述の各種の方法で評価することで、テンプレートウィンドウ画像に判別可能な特徴的な構成を見出せるか否かを判定するものである。 【0094】上述したように、本発明の三次元形状計測装置および三次元形状計測方法は、距離画像生成における画像間対応付け処理に適用するテンプレートのサイズを可変とするとともに、テンプレートウィンドウ画像を評価して、最適なサイズのテンプレートを選択する構成としたので、対応付け困難な類似パターンが対応画像探索範囲中に複数発生する可能性が低減され、画像間対応付け処理が正確に実行され高精度な距離画像が得られる。 【0095】また、非周期パターン(ランダムパターン)を照射して計測対象の像を撮影する場合、ランダムパターンによっては、計測対象のオリジナルパターンとの合成により部分的に周期的なパターンが撮影されてしまうことが発生するが、本発明の三次元形状計測装置および三次元形状計測方法によれば、このような場合においても、テンプレートウィンドウ画像を評価してテンプレートサイズを変更することにより、撮像画像の周期性を消滅または低減させることができるので、照射するランダムパターンに対する制限、依存性がなくなる。 【0096】次に、本発明の三次元形状計測装置において実行される最適テンプレートサイズ選択処理を伴う距離画像生成処理によって生成される距離画像と、従来の固定サイズテンプレートによって生成される距離画像とにおける差異を具体的な処理例を示して説明する。 【0097】図9に本発明の三次元形状計測装置を用いた距離画像の生成手法を説明する図を示す。図9(a)は、上述したランダムパターンからなる投光用画像パターンを示す。図9(b)は、そのパターンを計測対象である顔に投光した模式図である。 【0098】図9(c)(d)は、計測対象である顔に投光用画像パターン投光し、それぞれ基準カメラと参照カメラにより観測された画像である。 【0099】図9(e)は、結果として得られる計測対象である顔の距離画像であり、濃淡によって距離の差異を示す画像である。この距離画像は、説明のために抽象的に示す概念図であり、実際のものとは異なるが本発明のテンプレートウィンドウ画像評価処理、およびテンプレートサイズ選択処理を経て選択されたマッチング処理に適する特徴量を持つテンプレートを用いて生成されるは距離画像を示している。 【0100】本発明のテンプレートウィンドウ画像評価処理を実行して選択されたテンプレートによって画像間対応付け処理を実行した場合は、対応点付け処理においてミスマッチングの発生可能性が低減され、計測対象のほぼ全ての面で正確な距離が求められる。すなわち基準カメラから計測対象である顔の各部位までの距離に応じた濃淡が示される精度の高い距離画像が得られる。本発明のランダムパターン生成方法を用いることにより、計測対象が人の顔のような特徴がはっきりしない対象であっても、基準カメラ画像と参照カメラ画像との対応点付け処理においてミスマッチングが発生する可能性が低減され、距離画像(または3次元形状)を高精度に生成することができる。 【0101】図10は、従来の固定サイズのテンプレートを用いて生成した距離画像と、本発明のテンプレート画像評価処理、最適テンプレートサイズ選択を実行して最適なテンプレートサイズを用いて画像間対応付け処理を実行した場合の距離画像を模式的に示した図である。 【0102】図10(a)(b)は、計測対象である顔に投光用画像パターン投光し、それぞれ基準カメラと参照カメラにより観測された画像である。 【0103】図10中央には、複数の異なるサイズのテンプレートが示されている。従来は、固定サイズの1つのテンプレートを用いて画像間対応付け処理を実行しており、特徴の少ない画像においては、先に図5で説明したように参照カメラによる撮り込み画像中の対応画像探索範囲であるエピポーラライン上に複数の類似するパターンが発生する場合がある。このような場合、画像間対応付け手段は誤って対応画像を選択する可能性がある。これが、いわゆる距離画像生成におけるマッチングミスであり、結果として得られる距離画像、すなわち図10(c)には、本来ほぼ同一距離にある部分に異なる濃度、すなわち異なる距離データが示される。このように明らかに誤った距離データが含まれる距離画像が生成される可能性がある。 【0104】一方、本発明の三次元形状計測装置においては、図3に示す画像間対応付け手段305におけるテンプレートサイズ選択手段3051において、基準カメラ301によって撮り込まれた画像においてテンプレートを設定する際に、テンプレートウィンドウの画像の評価を実行し、その画像が対応付け処理を行なうに十分な特徴を有するか否かを判定する。具体的には、例えば画像の変化率、画像に基づいて求められる特徴行列Rの固有値、あるいは画像に基づいて求められる分散値を算出し、これを予め定めた閾値と比較して十分な特徴を有すると判定されたテンプレートサイズを選択して、選択されたサイズのテンプレートに基づいて画像間対応付け手段305において基準カメラ画像と、参照カメラ画像の対応付け処理を実行する。 【0105】例えば図10の中央に示すように、複数種のテンプレートウィンドウ画像の評価を例えば図6に示すフローに従って実行し、特徴量が十分であるテンプレートによって対応付け処理を実行する。このようにテンプレートサイズの評価、選択処理を実行することにより、先に図8で説明したように、参照カメラによる撮り込み画像中の対応画像探索範囲であるエピポーラライン上に複数の類似するパターンが発生する可能性が低減され、正確な画像間対応付け処理が実行される。 【0106】その結果として得られる距離画像は、例えば図10(d)に示すように誤った距離データを含まない正確な距離画像となる。 【0107】なお、図9,10ではランダム投光パターンを計測対象である顔に照射して距離画像を生成する例について示したが、先にも延べた通り、ランダム投光パターンを用いない場合、例えば太陽光、蛍光灯、白熱灯、フラッシュ等のみのいわゆる自然光、環境光のみによる撮影画像においても、本発明のテンプレートウィンドウ画像評価、およびテンプレートサイズ選択処理により、画像間対応付け処理におけるミスマッチングは低減される。 【0108】なお、上述の実施例では、画像撮り込みを行なうカメラを2台として、2つの投光パターン画像から距離画像を求める構成について説明したが、さらに3台以上のカメラを用いたマルチベースラインステレオシステムにおいて本発明を適用することも可能である。 【0109】以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。また、上述の実施例を適宜組み合わせて構成したものも、本発明の範囲に含まれるものであり、本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。 【0110】 【発明の効果】以上詳記したように、本発明によれば、距離画像生成における画像間対応付け処理に適用するテンプレートのサイズを可変とし、テンプレートウィンドウ画像を評価して、最適なサイズのテンプレートを選択する構成としたので、画像間対応付け処理が正確に実行可能となり、高精度な距離画像が得られる。 【0111】また、本発明の三次元形状計測装置および三次元形状計測方法によれば、テンプレートウィンドウ画像を評価において、画像の変化率、画像に基づいて求められる特徴行列Rの固有値、あるいは画像に基づいて求められる分散値を算出し、これを予め定めた閾値と比較して十分な特徴を有すると判定されたテンプレートサイズを選択して、選択されたサイズのテンプレートに基づいて画像間対応付けを実行する構成としたので、画像間対応付けにおいて、対応付け困難な類似パターンが対応画像探索範囲中に複数発生する可能性が低減され、正確な距離画像を得ることが可能となる。 【0112】また、本発明の三次元形状計測装置および三次元形状計測方法によれば、非周期パターン(ランダムパターン)を照射して計測対象の像を撮影時に、ランダムパターンと計測対象のオリジナルパターンとの合成により部分的に周期的なパターンが形成されてしまうような場合であっても、テンプレートウィンドウ画像を評価し、テンプレートサイズを変更することにより、撮像画像の周期性を消滅または低減させることができるので、照射するランダムパターンに対する依存性、すなわち適用する照射パターンの制限が排除される。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年1月14日(2000.1.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100101801 【弁理士】 【氏名又は名称】山田 英治 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−194126(P2001−194126A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−10086(P2000−10086) |
|