トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験




【発明の名称】 段差形状測定装置
【発明者】 【氏名】青木 洋

【要約】 【課題】段差形状の測定を短時間で行うことができる安価な段差形状測定装置を提供することである。

【解決手段】光源2と、この光源2からの光を段差形状を有する試料面5aに照射する照明光学系60と、試料面5aで反射された光を検出する検出器55と、検出器55の受光面55a上における結像位置のずれに基づいて段差形状の高さの差を算出する信号処理回路56とを備える段差形状測定装置において、照明光学系60の試料面5aと共役な位置に配置されたパターン投影用スリット62と、照明光学系60の光路上に配置され、スリット62を透過した光を走査するための可動式ミラー63と、試料面5aと共役な位置に配置され、スリット62を透過した光の半分を遮蔽するための遮光板53とを設け、検出器55として、走査されたスリット62の像を検出する2次元受光素子を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源と、この光源からの光を段差形状を有する物体面に照射する照明光学系と、前記物体面で反射された光を検出する検出手段と、前記検出手段の受光面上における結像位置のずれに基づいて前記段差形状の高さの差を算出する信号処理手段とを備える段差形状測定装置において、前記照明光学系の前記物体面と共役な位置に配置されたパターン投影用スリットと、前記照明光学系の光路上に配置され、スリットを透過した光を走査するための光学手段と、前記物体面と共役な位置に配置され、前記スリットを透過した光の半分を遮蔽するための遮光板とを備え、前記検出手段は走査された前記スリットの像を検出する2次元受光素子であることを特徴とする段差形状測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は落射照明型顕微鏡に用いられる段差形状測定装置に関し、特に集積回路の形状を把握する段差形状測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は従来の段差形状測定装置を示すブロック構成図、図6は試料の走査順序の説明図である。
【0003】この段差形状測定装置は、光源102と、この光源102から射出されたレーザ光を反射する可動式ミラー103と、この可動式ミラー103で反射され、試料面106aで反射されたレーザ光を検出する検出器155と、この検出器155の受光面155a上における結像位置のずれに基づいて段差形状の高さの差を算出する信号処理回路156と、この算出結果に基づいて画像を出力する画像表示装置157とで構成されている。
【0004】光源102には光源102の出力を制御するレーザドライバ101が接続されている。
【0005】可動式ミラー103はレーザ光を2次元的に走査する。可動式ミラー103にはモータが取り付けられ、モータによって所定の方向に自在に回転可能である。
【0006】可動式ミラー103と試料面106aとの間にはレンズ104,105が配置され、試料面106aと検出器155との間にはレンズ107,108が配置されている。
【0007】受光面155aは、受光面155aに照射されたレーザ光の位置を座標として検出する2次元受光素子である。検出器155には信号処理回路156が接続され、信号処理回路156には画像表示装置157が接続されている。
【0008】次に、この段差形状測定装置による段差形状の測定を説明する。
【0009】光源102から射出されたレーザ光は、可動式ミラー103及びレンズ104,105を介して試料面106aを照射する。レーザ光は可動式ミラー103によって試料面106aで反射光を走査する。試料面106aで反射された光はレンズ107,108を介して受光面155aで検出される。
【0010】試料面106aが基準の位置171にあるとき、レーザ光は受光面155aの原点181に結像されるものとする。試料面106aが基準の位置171より高い位置であるとき、レーザ光は受光面155aの原点181の右側にずれた位置182に結像される(図7参照)。
【0011】試料面106aが基準の位置171より低い位置であるとき、レーザ光は原点181の左側へずれた位置183に結像される(図7参照)。
【0012】モータを駆動して試料面106a上を2次元的に走査したとき、段差があるときには前述のように検出器155でずれが検出される。このずれに基づいて信号処理回路156で段差形状が測定され、画像表示装置157で段差形状として表示される。
【0013】次に、試料面上の走査順序を図6に基づいて説明する。
【0014】走査開始位置をSとしたとき(図6参照)、レーザ光を最初の行の左端(走査開始位置S)から右端へ、次に一転して2行目の左端から右端へ移動し、最下行まで走査する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、可動式ミラー103を3次元的に動かして試料面106a上を2次元的に走査しなければならないので、可動式ミラー103の駆動機構が複雑になるとともに、走査時間がかかってしまうという問題がある。
【0016】この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は、段差形状の測定を短時間で行うことができる安価な段差形状測定装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するため請求項1記載の発明の段差形状測定装置は、光源と、この光源からの光を段差形状を有する物体面に照射する照明光学系と、前記物体面で反射された光を検出する検出手段と、前記検出手段の受光面上における結像位置のずれに基づいて前記段差形状の高さの差を算出する信号処理手段とを備える段差形状測定装置において、前記照明光学系の前記物体面と共役な位置に配置されたパターン投影用スリットと、前記照明光学系の光路上に配置され、スリットを透過した光を走査するための光学手段と、前記物体面と共役な位置に配置され、前記スリットを透過した光の半分を遮蔽するための遮光板とを備え、前記検出手段は走査された前記スリットの像を検出する2次元受光素子であることを特徴とする。
【0018】スリットを透過した光は光学手段で走査された後、照明光学系を介して試料を照射する。試料で反射された光は2次元受光素子で検出され、結像位置のずれに基づいて段差形状の高さの差を信号処理手段で算出する。光学手段は試料上で光を2次元的に走査し、2次元検出手段である2次元受光素子が光を検出する。2次元受光素子の受光面上では、物体面上の測定位置における段差形状の高さに応じて、2次元受光素子の受光面上の結像位置が相対的に横にずれる。物体面上をスリット像が走査され、2次元受光素子が段差形状に応じてこのスリット像を捉えるので、物体面の段差形状が測定される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】図1はこの発明の一実施形態に係る段差形状測定装置を組み込んだ顕微鏡システムを示すブロック構成図、図2は段差形状測定装置の測定原理を説明するための図、図3は測定中の試料の状態を示す斜視図、図4は段差形状の測定結果の例を示す図、図5は試料の走査順序の説明図である。なお、図5において、段差は省略されている。
【0021】この顕微鏡システムは、顕微鏡装置1と、段差形状測定装置51とで構成されている。
【0022】顕微鏡装置1は、試料照明光学系20と、リレーレンズ9と、試料面(物体面)5aからの光を透過するハーフミラー54と、観察部10とを備えている。
【0023】試料照明光学系20は、光源2と、コレクタレンズ3と、視野絞り4と、光源2からの光を透過するハーフミラー64と、光源2からの光を反射し、試料面5aからの光を透過するハーフミラー6と、対物レンズ7とで構成されている。
【0024】段差形状測定装置51は、スリット照明光学系(照明光学系)60と、リレーレンズ9と、試料面5aからの光を反射するハーフミラー54と、このハーフミラー54で反射された光(像)を検出する検出器(検出手段)55と、この検出器55の受光面55a上における結像位置のずれに基づいて試料面5aの段差形状の高さの差を算出する信号処理回路(信号処理手段)56と、この信号処理回路56の出力に基づいて画像を出力する画像表示装置57とを備えている。
【0025】スリット照明光学系60は、光源52と、リレーレンズ61と、細長い直線状のパターンを有するスリット62と、このスリット62を透過した光を反射する可動式ミラー(光学手段)63と、光路上に配置され、光源52からの光を反射するハーフミラー64と、光の半分を遮断する遮光板53と、遮光板53を通過した光を反射し、試料面5aからの光を透過するハーフミラー6と、対物レンズ7とで構成されている。
【0026】遮光板53はハーフミラー64とハーフミラー6との間の試料面5aと共役な位置に配置されている。
【0027】可動式ミラー63にはモータ(図示せず)が取り付けられ、矢印aに示す方向に回転可能である。
【0028】検出器55は2次元受光素子である。
【0029】次に、この顕微鏡システムの作動を説明する。
【0030】光源2からの光は、コレクタレンズ3、視野絞り4、ハーフミラー64及び遮光板53を介してハーフミラー6で反射され、対物レンズ7を透過して試料面5a上に結像される。光は試料面5a上で反射され、その反射光は対物レンズ7及びハーフミラー6を逆行し、ハーフミラー6を透過する。更に、光はリレーレンズ9を介し、ハーフミラー54を透過して観察部10で結像される。
【0031】光源52からの光はリレーレンズ61を透過し、スリット62に照射され、スリット62を透過後、可動ミラー63で反射される。更に、光はハーフミラー64で反射され、遮光板53を透過する。このとき図2に示すように光は瞳面の下半分を遮られ、上半分を透過する。遮光板53を透過した光はハーフミラー6で反射され、対物レンズ7を透過し、試料面5aで反射される。このとき細長いスリット62を透過した光が試料面5aに照射される。
【0032】光は試料面5aにより反射され、対物レンズ7、ハーフミラー6を逆行する。光はハーフミラー6及びリレーレンズ9を介し、ハーフミラー54で反射され、検出器55の受光面55a上で結像される。
【0033】検出器55で検出された像は電気信号に変換され、信号処理回路56に送られる。この信号処理回路56において、電気信号は画像化可能な電気信号に変換される。更に、この電気信号は画像表示回路57に送られ、画像として出力される。
【0034】試料面5a上において、スリット62を透過した光が投影されている部分(測定領域)58の全体が同じ高さにあるとき、検出器55の受光面55a上に投影された光は直線になる。
【0035】試料面5a上において、スリット62を透過した光が投影されている部分58の一部分に高い段差があるとき、検出器55の受光面55a上に投影された直線の一部が平行に横ずれする(図4参照)。
【0036】例えば、図3に示すように試料面5a上においてスリット62を透過した光が投影されている部分(測定領域)58に段差形状の高さの差h1,h2,h3がある場合、この段差形状の高さの差h1,h2,h3は、検出器55の受光面55a上の結像のずれにしたがって、図4に示すように受光面55a上に結像された光の像の横ずれの差H1、H2、H3としてそれぞれ画像表示される。
【0037】前述したように段差形状の高さの差h1,h2,h3(図3参照)がそれぞれ光の像の高さの差H1,H2,H3(図4参照)に対応するので、光の像の横ずれの差H1,H2,H3を測定することにより段差形状の高さの差h1,h2,h3を算出することができる。
【0038】また、モータにより可動式ミラー63を回転させると、図5に示すように試料面5a上をスリット62を透過した光の像が長手方向に対して垂直な方向(X方向)に走査する。このため試料面5a上の任意の位置、任意の領域の段差形状の高さの差が測定される。なお、図5においてSは測定開始位置を示している。
【0039】この実施形態によれば、可動式ミラー63を1次元的に動かすだけで試料面5aを2次元的に走査できるので従来例に較べて簡単な構成で段差形状の高さの差を測定でき、段差形状測定装置51を安価に提供できるとともに、測定時間の短縮が図れる。
【0040】なお、この実施形態では遮光板53が可動式ミラー63と体物レンズ7との間に配置されている場合について説明したが、遮光板53は、試料面5aと共役な位置にあれば、例えば対物レンズ7とリレーレンズ9との間にしてもよい。
【0041】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、物体面の断差形状を測定することができる。
【出願人】 【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
【出願日】 平成12年1月11日(2000.1.11)
【代理人】 【識別番号】100091557
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 修
【公開番号】 特開2001−194123(P2001−194123A)
【公開日】 平成13年7月19日(2001.7.19)
【出願番号】 特願2000−2821(P2000−2821)