| 【発明の名称】 |
球面測定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】鎌村 有宏
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| 【要約】 |
【課題】高価な専用測定機を用いることなく,ワークの加工工程における寸法調整作業や多数個のワークの寸法選別作業が能率的に行える球面測定方法を提供することにある。
【解決手段】球面3及びワーク基準面2を有するワークの球面測定方法において,曲率半径Rが異なる凹球面12を持った複数個の測定治具11の凹球面12をワーク本体1の球面3に当接し,凹球面12の中心とワーク基準面2との距離を測定してワーク本体1の球面3の曲率半径r及び曲率中心を測定することを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 球面及びワーク基準面を有するワークの球面測定方法において,凹球面を持った測定治具の凹球面を前記ワークの球面に当接し,前記凹球面の中心と前記ワーク基準面との距離を測定することを特徴とする球面測定方法。 【請求項2】 球面及びワーク基準面を有するワークの球面測定方法において,曲率半径が異なる凹球面を持った複数個の測定治具の凹球面を前記ワークの球面に当接し,前記凹球面の中心と前記ワーク基準面との距離を測定してワークの球面の曲率半径及び曲率中心を測定することを特徴とする球面測定方法。 【請求項3】 球面及びワーク基準面を有するワークの球面測定方法において,曲率半径が異なる凹球面を持った複数個の測定治具を用い,曲率半径が既知のワークの球面に前記測定治具の凹球面を当接し,ワークの球面の曲率中心を求めることを特徴とする球面測定方法。 【請求項4】 前記ワークの球面は,トロイダル形無段変速機のパワーローラにおけるトロイダル面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の球面測定方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、例えばトロイダル形無段変速機のパワーローラにおけるトロイダル面等の球面測定方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来,球面を有するワークの球面の曲率半径を測定する方法としては,三次元測定機等の汎用測定機によって曲面の形状寸法を座標値として求める方法が知られている。また,特公昭59−44561号公報に示すように,回転スピンドルに触針を有する測微計を設け,曲面を有するワークの曲面に触針を接触させ,予め定められた円または円弧からの離脱変位量を検知する装置が知られている。 【0003】また,特開平8−285506号公報に示すように,径の異なる複数個の基準球と拘束部材を用い,凹面の曲率中心及曲率半径を測定する曲面測定方法が知られている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら,特開平8−285506号公報の曲面測定方法は,凹曲面の曲率半径及び曲率中心を測定するものであり,例えば,トロイダル形無段変速機のパワーローラのトロイダル面ように球面の測定には適用できない。また、特公昭59−44561号公報は,高精度の回転可能なスピンドル,基準回転案内面の中心を被測定曲線の中心に合致させるための位置制御機構等を含む複雑な機構を有する装置であり,簡単な測定方法が求められていた。 【0005】自動車用変速機として用いるトロイダル形無段変速機は、動力伝達軸に同軸的に配置された入力ディスクと出力ディスクとの間に摩擦によって動力を伝達するパワーローラがそれぞれ傾転自在に転接されたバリエータを主たる構成要素としている。 【0006】このパワーローラは、図3に示すように,ローラ本体としてのワーク本体1が略半球状で,ワーク本体1の軸心Sから距離Xだけ離れ、かつワーク本体1の基準面2から距離Yだけ離れた2つの曲率中心Oとする曲率半径rの球面3を有している。そして,ワーク本体1の球面3が入力ディスクと出力ディスクに傾転自在に転接するようになっている。 【0007】従って,パワーローラは僅かな寸法誤差でも入出力ディスクとパワーローラ間でスリップが生じ、動力伝達ができなくなる虞があり,パワーローラの製作に当っては,その球面3の曲率半径及び曲率中心を高精度に仕上加工する必要があるが、従来においては、パワーローラの球面3を簡単に測定できる球面測定方法が知られていない。 【0008】この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、パワーローラのトロイダル面のような球面の曲率半径及び曲率中心を簡単に測定することができる球面測定方法を提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】この発明は、前記目的を達成するために、請求項1は、球面及びワーク基準面を有するワークの球面測定方法において,凹球面を持った測定治具の凹球面を前記ワークの球面に当接し,前記凹球面の中心と前記ワーク基準面との距離を測定することを特徴とする。 【0010】請求項2は、球面及びワーク基準面を有するワークの球面測定方法において,曲率半径が異なる凹球面を持った複数個の測定治具の凹球面を前記ワークの球面に当接し,前記凹球面の中心と前記ワーク基準面との距離を測定してワークの球面の曲率半径及び曲率中心を測定することを特徴とする。 【0011】請求項3は、球面及びワーク基準面を有するワークの球面測定方法において,曲率半径が異なる凹球面を持った複数個の測定治具を用い,曲率半径が既知のワークの球面に前記測定治具の凹球面を当接し,ワークの球面の曲率中心を求めることを特徴とする。 【0012】請求項4は、請求項1〜3のいずれかに記載の前記ワークの球面は,トロイダル形無段変速機のパワーローラにおけるトロイダル面であることを特徴とする。 【0013】前記構成によれば,曲率半径が異なる凹球面を持った複数個の測定治具を用い,測定治具の凹球面をワークの球面に当接し,凹球面の中心とワークの基準面との距離を測定するだけでワークの球面の曲率半径及び曲率中心を求めることができ,ワークの加工工程における寸法調整作業や多数個のワークの寸法選別作業が能率的に行える。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0015】図1は第1の実施形態であり、図1は測定治具によってトロイダル形無段変速機のパワーローラとしてのワークのトロイダル面となる球面の曲率を測定している状態を示す。 【0016】測定治具11は矩形状の金属ブロックで,下面にはワーク本体1に嵌合可能な大きさの凹球面12が設けられている。本実施形態においては,曲率半径R1、R2、R3が異なる3個の測定治具11からなり、ワーク本体1の基準面2と凹球面12の中心との距離a1、a2、a3を測定する。 【0017】前記ワーク本体1は,図3に示したように,略半球状で,ワーク本体1の軸心Sから半径X、かつワーク本体1の基準面2から距離Yだけ離れた円周上に曲率中心Oとする曲率半径rの球面3を有している。 【0018】次に,ワーク本体1の曲率半径r及び曲率中心Oを測定する方法について説明する。製作されたワーク本体1を測定台等に載置し,このワーク本体1に測定治具11の凹球面12を嵌合すると,凹球面12の一部がワーク本体1の球面3に当接する。この当接点13の位置によって当接点13とワーク本体1の軸心Sとのなす角θが変化し,曲率半径R1、R2、R3が異なる3個の測定治具11は、それぞれ当接点13とワーク本体1の軸心Sとのなす角をθ1、θ2、θ3とすると幾何学的関係から,(R1−r)sinθ1=X…… (1) (R1−r)cosθ1=a1−Y……(2) (R2−r)sinθ2=X…… (3) (R2−r)cosθ2=a2−Y……(4) (R3−r)sinθ3=X…… (5) (R3−r)cosθ3=a3−Y……(6) の6個の式を得る。ここで、R1、R2、R3は3個の測定治具11における凹球面12の曲率半径であり,予め測定済みであり,a1、a2、a3の3つはここで測定されたワーク本体1の基準面2と凹球面12の中心との距離である。 【0019】未知数は,r,X,Y,θ1、θ2、θ3であり,この中でθ1、θ2、θ3は中間のパラメータで,本来の知りたい値はr,X,Yである。 【0020】そこで、この連立方程式を解く。まず、θ1、θ2、θ3を消去する。 【0021】 X2/(R1−r)2+(a1−Y)2/(R1−r)2=1…(7) X2/(R2−r)2+(a2−Y)2/(R2−r)2=1…(8) X2/(R3−r)2+(a3−Y)2/(R3−r)2=1…(9) 次に,Xを消去すると、 (R1−r)2−(R2−r)2=(a1−Y)2/(a2−Y)2 …(10) (R2−r)2−(R3−r)2=(a2−Y)2/(a3−Y)2 …(11) (R3−r)2−(R1−r)2=(a3−Y)2/(a1−Y)2 …(12) さらに、Yについてまとめると,【0022】 【数1】
【0023】ここで、ワーク本体1の球面3の曲率半径rが求められた。この曲率半径rを中間の式に代入すれば,X、Yも求められる。 【0024】具体例としては,測定治具11の寸法と測定値,球面3としてのトロイダル面の寸法は表1のようになる。 【0025】 【表1】
【0026】ワーク本体1の球面3の寸法の代表値r,X、Yの3つの値のうち,1つが既知であれば、2個の異なる曲率半径の測定治具11での測定結果から残りの2つの値を求めることができる。 【0027】例えば,ワーク本体1の球面3を総型砥石で研削する場合は、球面3の曲率半径rはドレッシングで決まるので,切込み位置で決まる曲率中心Oの位置より変動が小さい。そこで、曲率半径rを自動みぞR測定機で測定しておけば,式(13)からYを,式(7)(8)からXを求めることができる。 【0028】このように、曲率半径rが異なる凹球面12を持った複数個の測定治具11を用い,測定治具11の凹球面12をワーク本体1の球面3に当接し,凹球面12の中心とワーク本体1の基準面2との距離を測定するだけでワーク本体1の球面3の曲率半径及び曲率中心を求めることができ,ワークの加工工程における寸法調整作業や多数個のワークの寸法選別作業が能率的に行える。 【0029】なお、前記実施形態においては,3個の測定治具を用いたが,それ以上の個数の測定治具を用いて平均化することにより,より高精度に曲率半径,曲率中心を求めることができ,測定治具の個数は限定されるものではない。 【0030】また、ワーク本体の底面を基準面としたが,図2に示すように,ワーク本体がトロイダル形無段変速機のパワーローラ4の場合には,ベアリング受け溝5を基準面としてもよい。 【0031】さらに,測定治具の球面中心とワーク基準面の距離は測定治具の平面6と球面中心をあらかじめ測定しておき,ワーク基準面2と当該平面6の距離を測定し,その結果から計算することもできる。 【0032】 【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、曲率半径が異なる凹球面を持った複数個の測定治具を用い,測定治具の凹球面をワークの球面に当接し,凹球面の中心とワークの基準面との距離を測定するだけでワークの球面の曲率半径及び曲率中心を求めることができ,高価な専用測定機を用いることなく,ワークの加工工程における寸法調整作業や多数個のワークの寸法選別作業が能率的に行えるという効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004204 【氏名又は名称】日本精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月13日(2000.1.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−194103(P2001−194103A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月19日(2001.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2000−4669(P2000−4669) |
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