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【発明の名称】 輪郭形状測定方法
【発明者】 【氏名】東 真一

【要約】 【課題】被測定物の形状に影響されることなく、被測定物の任意の輪郭部の形状を正確かつ自動的に測定することができるような輪郭形状測定方法を提供する。

【解決手段】顕微鏡をサーチ開始位置からサーチ終了位置まで移動させながら、サンプリング間隔毎に輪郭候補点の近傍領域の画像を抽出し、この画像のコントラスト値を算出する。しかる後、コントラスト値の中から最大値を検索し、この値に基づいて第1及び第2の閾値を設定し、この2つの閾値間にあるコントラスト値を抽出し、これに対して関数近似を施すことによってコントラスト値全体のピーク位置を算出し、このピーク位置に基づいて顕微鏡の合焦位置を算出し、この合焦位置に顕微鏡を移動させた後、この輪郭候補点の座標を算出する。以上の処理を予め設定された複数個の輪郭候補点すべてに対して行い、最後に、算出された複数個の輪郭候補点の座標に基づいて被測定物の輪郭形状を求める。
【特許請求の範囲】
【請求項1】顕微鏡を被測定物の設置面に対して垂直方向に予め設定されたサーチ開始位置からサーチ終了位置まで予め設定された移動速度で移動させながら、予め定められたサンプリング間隔毎に、予め設定された輪郭候補点の近傍領域の画像を抽出し、該輪郭候補点近傍画像のコントラスト値を算出するとともに顕微鏡の位置を検出し、該サンプリング間隔毎のコントラスト値の中からその最大値である最大コントラスト値を検索し、該最大コントラスト値に基づいてコントラスト値に関する第1及び第2の閾値を設定し、前記サンプリング間隔毎のコントラスト値の中から前記第1の閾値以上でかつ第2の閾値以下のものを抽出し、該抽出されたコントラスト値を所定の関数により近似することによって前記サンプリング間隔毎のコントラスト値全体のピーク位置を算出し、該コントラスト値のピーク位置に基づいて顕微鏡の合焦位置を算出し、該合焦位置に顕微鏡を移動させた後、前記輪郭候補点の座標を算出し、以上の処理を予め設定された複数個の輪郭候補点すべてに対して行い、算出された複数個の輪郭候補点の座標に基づいて被測定物の輪郭形状を求めるようにしたことを特徴とする輪郭形状測定方法。
【請求項2】前記サンプリング間隔を前記テレビカメラのフレーム間隔と同一とするようにしたことを特徴とする請求項1に記載の輪郭形状測定方法。
【請求項3】前記サンプリング間隔毎のコントラスト値は前記輪郭候補点近傍画像の標準偏差より求めるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の輪郭形状測定方法。
【請求項4】前記サンプリング間隔毎のコントラスト値は前記輪郭候補点近傍画像を微分処理した後の画像の濃度上位部分の平均値より求めるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の輪郭形状測定方法。
【請求項5】前記移動速度に前記サンプリング間隔を乗じた値をオフセット値として算出し、該オフセット値を前記コントラスト値のピーク位置に加算した値を顕微鏡の合焦位置とするようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の輪郭形状測定方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理技術を用いた輪郭形状測定方法に関し、特に、バイト等の工具先端に接着されるチップについて、その形状あるいは寸法を測定する場合に適用される輪郭形状測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、バイト等の工具先端に接着されるチップ(以下「工具チップ」と記す)の形状あるいは寸法を測定する場合には、拡大投影器を使用して間接的に測定する方法や、工具顕微鏡を使用して作業者が手動で測定する方法が採用されてきた。図5は工具チップ先端部の形状例を示したものである。図5に示すように、工具チップ先端部は一般に半球状に加工されており、それ故に工具チップを側面から測定する場合、顕微鏡と工具チップ先端部全体の位置を合焦位置に調節することは不可能である。したがって、拡大投影器によって工具チップ先端部全体を一度に測定した場合には、測定に誤差を生ずる場合がある。また、工具顕微鏡を用いた場合には、顕微鏡と工具チップ先端部の位置を微妙に調節しながら測定する必要があり、測定に長時間を要する上、かなりの労力と技能を必要とするという問題がある。この問題を解決するための一方策として、例えば、レーザセンサを用いて顕微鏡と工具チップ先端部の距離を測定し、顕微鏡位置を合焦位置に自動的に調節する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、レーザセンサを用いた場合には、レーザの照射位置を工具チップ先端部に正確に調節することが難しいばかりでなく、レーザセンサの出力はその照射角に大きく影響を受けるため、工具チップのように被測定物の表面が半球状の場合には、距離を精密に測定することは困難となる。
【0004】本発明は、被測定物の形状に影響されることなく、被測定物の任意の輪郭部の形状を正確かつ自動的に測定することができるような輪郭形状測定方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1にかかる発明では、まず、顕微鏡を被測定物の設置面に対して垂直方向に予め設定されたサーチ開始位置からサーチ終了位置まで予め設定された移動速度で移動させながら、予め定められたサンプリング間隔毎に、予め設定された輪郭候補点の近傍領域の画像(輪郭候補点近傍画像)を抽出し、この輪郭候補点近傍画像のコントラスト値を算出するとともに顕微鏡の位置を検出する。しかる後、算出されたサンプリング間隔毎のコントラスト値の中からその最大値である最大コントラスト値を検索し、この最大コントラスト値に基づいてコントラスト値に関する第1及び第2の閾値を設定する。そして、算出されたサンプリング間隔毎のコントラスト値の中から第1の閾値以上でかつ第2の閾値以下のものを抽出し、この抽出されたコントラスト値を所定の関数により近似することによって前記サンプリング間隔毎のコントラスト値全体のピーク位置を算出する。次いで、このコントラスト値のピーク位置に基づいて顕微鏡の合焦位置を算出し、この合焦位置に顕微鏡を移動させた後、この輪郭候補点の座標を算出する。以上の処理を予め設定された複数個の輪郭候補点すべてに対して行い、最後に、算出された複数個の輪郭候補点の座標に基づいて被測定物の輪郭形状を求めるようにした。
【0006】上記の構成によれば、被測定物の輪郭形状の測定に際して、予め設定しておいた複数個の輪郭候補点のそれぞれについて、合焦位置の算出、合焦位置への顕微鏡の移動、輪郭候補点の座標の算出、といった処理を行うようにしたので、輪郭候補点の座標の算出精度が向上し、輪郭候補点の座標から求められる輪郭形状の算出精度についても向上することになる。さらに、顕微鏡の合焦位置を算出する際に必要なコントラスト値全体のピーク位置については、ピーク位置近傍の両側のコントラスト値データを抽出し、この抽出データを所定の関数により近似することにより算出するようにしたので、顕微鏡が具備する対物レンズの焦点深度に起因する悪影響が排除されるものとなり、その結果、顕微鏡の合焦位置の算出精度が向上し、輪郭候補点の座標の算出精度がいっそう向上することになる。
【0007】請求項2にかかる発明によれば、請求項1にかかる発明において、サンプリング間隔はテレビカメラのフレーム間隔と同一とするようにした。一般に、サンプリング間隔はテレビカメラのフレーム間隔の正数倍となるようにすればよいが、サンプリング間隔をテレビカメラのフレーム間隔と同一とするように設定すれば、得られるコントラスト値が多くなるので、コントラスト値のピーク位置をより正確に算出することができるようになるばかりでなく、サンプリング間隔をテレビカメラのフレーム間隔と同期させることにより、演算装置内の処理が簡素化される。
【0008】請求項3にかかる発明によれば、請求項1または2にかかる発明において、算出されたサンプリング間隔毎のコントラスト値は輪郭候補点近傍画像の標準偏差より求めるようにした。一般に標準偏差は領域全体の特徴を示す指標として用いられているので、輪郭候補点近傍画像の標準偏差よりコントラスト値を求めるようにすれば、コントラスト値のピーク位置を算出する際には不要な要素であるゴミやほこり等の局所的な影響を排除したコントラスト値を得ることができる。
【0009】請求項4にかかる発明によれば、請求項1または2にかかる発明において、算出されたサンプリング間隔毎のコントラスト値は輪郭候補点近傍画像を微分処理した後の画像中の濃度上位部分の平均値より求めるようにした。これにより、濃度上位部分の範囲を輪郭候補点近傍画像に応じて適切に選択することにより、請求項3にかかる発明と同様に、コントラスト値のピーク位置を算出する際には不要な要素であるゴミやほこり等の局所的な影響を排除したコントラスト値を得ることができる。
【0010】請求項5にかかる発明によれば、請求項1乃至4のいずれかにかかる発明において、請求項1に記載の顕微鏡の移動速度にサンプリング間隔を乗じた値をオフセット値として算出し、このオフセット値をコントラスト値のピーク位置に加算した値を顕微鏡の合焦位置とするようにした。理論的には算出されたコントラスト値のピーク位置を顕微鏡の合焦位置とすればよいわけであるが、本発明ではコントラスト値は顕微鏡の移動途中にサンプリング間隔毎に得るようにしているから、得られたコントラスト値のデータは顕微鏡の移動速度の影響を受けることになる。この影響を加味するためには、請求項1に記載の顕微鏡の移動速度にサンプリング間隔を乗じた値をオフセット値とし、このオフセット値を算出されたコントラスト値のピーク位置に加算することにより、顕微鏡の合焦位置を正確に算出するようにすればよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図2は、本発明にかかる輪郭形状測定方法が適用される画像処理技術を利用した輪郭形状測定機構の概略図である。図2中の、1は被測定物を観察するための顕微鏡、2は顕微鏡1に連結装備されたテレビカメラ、3は顕微鏡1を保持するためのステージ、4はステージ3を駆動するためのモータ、5は顕微鏡1の位置を検出するエンコーダ、6はテレビカメラ2に接続されたフレームメモリ、7はフレームメモリ6、モータ4、及びエンコーダ5にそれぞれ接続された演算制御装置、8はフレームメモリ6に接続されたモニタテレビ、9はデータを記憶するためのワークメモリ、Wは被測定物としての工具チップをそれぞれ示す。
【0012】次に、本発明の輪郭形状測定方法の一実施形態について、図1に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0013】本実施形態では、被測定物の輪郭部の形状を測定するために、まず複数個の輪郭候補点を設定し、次いでこの輪郭候補点のそれぞれの座標を測定し、最後にこの輪郭候補点の座標に基づいて輪郭形状を算出するという処理を行う。しかし、本実施形態のように被測定物が工具チップの場合は、図5に示したように、その先端部が半球状に加工されているため、画面内全ての輪郭部に一度でピントを合わせることができないという問題がある。具体的に言うと、図4は3つの輪郭候補点のそれぞれにピントを合わせたときの画像を示したものであるが、いずれもピントの合った輪郭候補点(○印)以外の輪郭候補点(△印)についてはピントが合っていない。そのため、全ての輪郭候補点の座標を正確に求めるためには、輪郭候補点のそれぞれにおいて、合焦位置の算出、合焦位置への顕微鏡の移動、輪郭候補点の座標の算出、といった処理を行うようにしなければならない。
【0014】図1に示したフローチャートの処理を行う前に、予め複数個の輪郭候補点を設定しておく必要がある。そのために、テレビカメラ2にて工具チップWの画像を取込み、その中から任意の輪郭候補点(図3の■〜■に示した「×」印)及びこれら複数個の輪郭候補点それぞれの近傍領域(図3の■〜■に示した破線枠内)を抽出し、これらをフレームメモリ6に記憶しておく。
【0015】ステップ11:顕微鏡1をサーチ開始位置に移動する。
本発明では、コントラスト値のピーク位置を算出する際には、最大コントラスト値に基づいて設定された2つの閾値の範囲内にあるコントラスト値のデータが必要となるので、顕微鏡1の移動中に得られたコントラスト値のデータには、この2つの閾値の範囲内にあるコントラスト値が含まれるようにするとともに顕微鏡1が具備する対物レンズの焦点深度の範囲がその中央部を占めるように、サーチ範囲すなわちサーチ開始位置及びサーチ終了位置が設定されなければならない。このサーチ範囲は、図1に示す一連の処理を行わせる前に予め設定しておけばよいが、自動的に設定するようにしてもよい。
【0016】ステップ12:顕微鏡1の移動を開始する。
このステップでは、顕微鏡1をサーチ終了位置へ向けて、予め設定された移動速度にて移動させる。顕微鏡1は、モータ4を正逆いずれかの方向に回転させることによって、顕微鏡1及びテレビカメラ2を保持するステージ3を被測定物としての工具チップWに対して近接ないし離間する方向に移動される。この場合の顕微鏡1の移動速度は予め任意に設定することができる。サンプリング間隔の設定値にも影響されるが、一般に、移動速度を大きく設定すると得られるデータの量が少なくなるので精度は低下するが処理は速くなり、逆に移動速度を小さく設定すると得られるデータの量が多くなるので精度は高くなるが処理に時間がかかるようになる。したがって、この移動速度の設定に際しては、精度と処理時間のつり合いを考慮する必要がある。なお、以下のステップ13〜15の処理は、顕微鏡1の移動中に行われるものである。
【0017】ステップ13:サンプリング間隔毎に1つの輪郭候補点近傍の画像を撮影する。
このステップでは、予め設定しておいた複数個の輪郭候補点の一つについて、その輪郭候補点近傍の画像をサンプリング間隔毎に撮影する。ここで、サンプリング間隔とは、画像データを取得するタイミングを規定する時間間隔であり、テレビカメラのフレーム間隔(時間)の正数倍に設定される数値である。サンプリング間隔をテレビカメラのフレーム間隔と同一とするように設定すれば、得られるコントラスト値が多くなるので、コントラスト値のピーク位置をより正確に算出することができるようになる。また、サンプリング間隔をテレビカメラのフレーム間隔と同期させることにより、演算装置内の処理が簡素化されるという利点もある。
【0018】ステップ14:サンプリング間隔毎に輪郭候補点近傍画像のコントラスト値を算出するとともに、顕微鏡1の位置を検出する。
このステップでは、演算制御装置7においてフレームメモリ6に記憶された輪郭候補点近傍画像のデータを読み込み、コントラスト値を算出する。コントラスト値の算出にはいくつかの方法があるが、このうち輪郭候補点近傍画像の標準偏差により算出する方法を用いれば、コントラスト値のピーク位置を算出する際には、不要な要素であるゴミやほこり等の局所的な影響を排除したコントラスト値を得ることができる。また、別の方法として、輪郭候補点近傍画像を微分処理した後の画像中の濃度上位部分の平均値よりコントラスト値を算出する方法を用いれば、濃度上位部分の範囲を輪郭候補点近傍画像に応じて適切に選択することにより、標準偏差を用いる場合と同様な効果が得られる。さらにこのステップでは、エンコーダ5によりこのサンプリング点における顕微鏡1の位置を検出する。なお、顕微鏡1の位置の検出は、図1に示すフローチャートのステップ13〜15のループ内であればよい。求められたコントラスト値及び検出された顕微鏡1の位置はワークメモリ9内に一時的に記憶される。
【0019】ステップ15:顕微鏡1がサーチ終了位置に到達したか?。
このステップでは、顕微鏡1がサーチ終了位置に到達していない場合(ステップ15N)は、再度ステップ13以降の処理を繰り返す。一方、顕微鏡1がサーチ終了位置に到達していた場合(ステップ15Y)は、ステップ16の処理を行う。
【0020】ステップ16:最大コントラスト値を検索する。
このステップでは、ワークメモリ9内に記憶されたコントラスト値の中から、その最大値である最大コントラスト値を検索する。
【0021】ステップ17:最大コントラスト値を基準にして第1及び第2の閾値を設定する。
このステップでは、ステップ16において検索された最大コントラスト値を基準にして、コントラスト値に関する第1及び第2の閾値を設定する。このコントラスト値に関する第1及び第2の閾値については、これらの閾値は、顕微鏡1の合焦位置を求める際に必要な、コントラスト値のピーク位置を算出するためのデータとして、サンプリング間隔毎に得られたコントラスト値の中から必要とするコントラスト値を抽出する際に使用する閾値であり、第2の閾値は第1の閾値よりも大きく設定するものである。そして、この第1及び第2の閾値はステップ16において検索された最大コントラスト値を基準にしたときの比率を基に表される。例えば、最大コントラスト値の基準値を1としたときの第1の閾値の比率を0.7、第2の閾値の比率を0.8とした場合には、実際の最大コントラスト値が200であったとすれば、第1の閾値は140(200×0.7)、第2の閾値は160(200×0.8)となる。
【0022】ステップ18:第1の閾値以上でかつ第2の閾値以下のコントラスト値を抽出する。
このステップでは、ワークメモリ9内に記憶されたコントラスト値の中から、ステップ17において設定された2つの閾値の範囲内にあるコントラスト値を抽出する。
【0023】ステップ19:抽出されたコントラスト値よりピーク位置を算出する。
このステップでは、ステップ18において抽出されたコントラスト値より、ステップ14において算出されたコントラスト値全体のピーク位置を算出する。このピーク位置の算出にあたっては、一般によく知られている二次関数やガウス関数などの近似関数を用いればよい。
【0024】ステップ20:ピーク位置を基にして顕微鏡1の合焦位置を設定する。
このステップでは、ステップ19において算出されたコントラスト値のピーク位置に基づいて顕微鏡1の合焦位置を算出し設定する。ここで、算出されたコントラスト値のピーク位置に基づいて顕微鏡1の合焦位置を算出する点について詳述すると、単純に、算出されたコントラスト値のピーク位置を顕微鏡1の合焦位置としてもよいが、顕微鏡1の移動速度による影響を考慮し、顕微鏡1の移動速度にサンプリング間隔を乗じた値をオフセット値とし、このオフセット値を算出されたコントラスト値のピーク位置に加算することにより、顕微鏡1の移動速度による影響を排除した合焦位置を算出するようにすれば、より精度が高くなる。
【0025】ステップ21:顕微鏡1を合焦位置に移動する。
このステップでは、ステップ20において算出された合焦位置に顕微鏡1を移動する。
【0026】ステップ22:輪郭候補点の座標を算出する。
このステップでは、ステップ21における合焦位置への顕微鏡1の移動が完了した後、この輪郭候補点の座標を算出し、これをワークメモリ9に記憶する。この座標の算出にあたっては、通常用いられる画像処理技術を適用すればよいので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0027】ステップ23:全ての輪郭候補点を検出したか?。
このステップでは、全ての輪郭候補点の検出が終了していない場合(ステップ23N)は、次の輪郭候補点について再度ステップ11以降の処理を繰り返す。一方、全ての輪郭候補点の検出が終了している場合(ステップ23Y)は、ステップ24の処理を行う。
【0028】ステップ24:算出された各輪郭候補点の座標データに基づいて輪郭形状を算出する。
このステップでは、前ステップまでの処理において算出された各輪郭候補点の座標データに基づいて、輪郭形状を算出する。具体的には、演算制御装置7がワークメモリ9に記憶されている各輪郭候補点の座標データを取り込み、この複数個の座標データに対して関数近似を適用することにより、輪郭形状を算出する。例えば、図3に示した例の場合は、輪郭候補点■〜■の各座標データに対して関数近似としての円近似を適用することにより、工具チップW先端部のR形状を測定することができる。
【0029】以上、本発明の一実施形態について説明した。なお、本実施形態では被測定物として工具チップを選択し、半球状の工具チップ先端部の輪郭形状を測定する場合について説明したが、これに限定されることなく、種々の被測定物について適用可能である。また、本実施形態では顕微鏡本体を移動するようにしていたが、これに代えて、顕微鏡が有する対物レンズのみを移動するようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】請求項1にかかる発明によれば、被測定物の輪郭形状の測定に際して、予め設定しておいた複数個の輪郭候補点のそれぞれについて、合焦位置の算出、合焦位置への顕微鏡の移動、輪郭候補点の座標の算出、といった処理が行われる。そのため、被測定物の形状が複雑なものであったとしても、輪郭候補点のそれぞれについて合焦位置を算出するようにした本発明の方法によれば、被測定物の任意の輪郭部の形状を正確かつ自動的に測定することができるものとなった。
【0031】請求項2にかかる発明によれば、請求項1にかかる発明において、サンプリング間隔はテレビカメラのフレーム間隔と同一とするようにした。そのため、得られるコントラスト値の数についてはサンプリング間隔をテレビカメラのフレーム間隔の正数倍としたときよりも多くなるので、コントラスト値のピーク位置をより正確に算出することができるようになるばかりでなく、サンプリング間隔をテレビカメラのフレーム間隔と同期させることにより、演算装置内の処理が簡素化されるものとなった。
【0032】請求項3にかかる発明によれば、請求項1または2にかかる発明において、コントラスト値は輪郭候補点近傍画像の標準偏差より求めるようにした。そのため、コントラスト値のピーク位置を算出する際には不要な要素であるゴミやほこり等の局所的な影響を排除したコントラスト値を得ることができるものとなった。
【0033】請求項4にかかる発明によれば、請求項1または2にかかる発明において、コントラスト値は輪郭候補点近傍画像を微分処理した後の画像中の濃度上位部分の平均値より求めるようにした。そのため、濃度上位部分の範囲を輪郭候補点近傍画像に応じて適切に選択することにより、請求項3にかかる発明と同様に、コントラスト値のピーク位置を算出する際には不要な要素であるゴミやほこり等の局所的な影響を排除したコントラスト値を得ることができるものとなった。
【0034】請求項5にかかる発明によれば、請求項1乃至4のいずれかにかかる発明において、顕微鏡の移動速度にサンプリング間隔を乗じた値をオフセット値として算出し、このオフセット値をコントラスト値のピーク位置に加算した値を顕微鏡の合焦位置とするようにした。そのため、コントラスト値を得る際の顕微鏡の移動速度による影響が排除された、より正確な合焦位置が算出されるものとなった。
【出願人】 【識別番号】000005197
【氏名又は名称】株式会社不二越
【出願日】 平成11年12月24日(1999.12.24)
【代理人】 【識別番号】100077997
【弁理士】
【氏名又は名称】河内 潤二
【公開番号】 特開2001−183115(P2001−183115A)
【公開日】 平成13年7月6日(2001.7.6)
【出願番号】 特願平11−367002