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【発明の名称】 手動可変調整器
【発明者】 【氏名】中間 俊秀

【要約】 【課題】従来の可変抵抗器等の代替となる手動可変調整器であって、手動操作する機械的変位機構と電気的変換機構とを組合わせることにより、前者に対し非接触にて変位量対出力値間を直線比例で変換検出させ、更に後者に対し検出出力値に応じ予め定めた任意の数でかつ任意の特性曲線の他の電気出力信号に変換して出力供給することである。

【解決手段】前者の機械的変位機構として変位量を非接触で直線比例の電気変位信号に変換する検出手段を摘み具と連動する移動体と固定体との相対変位する位置に配した変位装置を構成し、後者の電気的変換機構に於いて前者で検出した変位出力値に応じ予め記憶装置に定めた変位量対電気出力特性に従った他の出力信号に変換して出力供給するもので、その際の該変位量対出力変換特性の特性形状を任意に変更設定可能にしたことである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 本体上の摘み具を手動操作して得た変位量に応じて予め定めた電気出力信号を供給する手動可変調整器において、上記摘み具の手動操作に連動する移動体と上記本体の固定体とに相互間の該変位量を互に非接触で直線比例特性の電気変位信号に変換する検出手段を配備した変位装置と、該変位信号に応じて予め定めた該出力信号に直すための変位量対出力値変換特性を記憶装置に収め該出力信号を出力する演算処理装置をもつ信号変換装置と、上記記憶装置の該変換特性の特性形状を選定する選択手段及び該特性形状を変形調整する調整手段の一方または両方を有する入力装置と、さらに上記記憶装置が出力した該出力信号を任意の電気量に直して供給する出力装置とから成り、上記信号変換装置は、上記記憶装置に予め記憶した該変位量対出力値変換特性の特性形状を任意の特性形状に選択または/および調整可能に構成したことを特徴とする手動可変調整器。
【請求項2】 請求項1において、上記変位装置は、上記摘み具および上記移動体が上記固定体に対して直線的に摺動させてなる手動可変調整器。
【請求項3】 請求項2において、上記変位装置は、上記検出手段を、上記固定体に設けた発光および受光素子でなる光学検出手段と、該両素子の間に位置し上記移動体に設けた光通路とで構成してなる手動可変調整器。
【請求項4】 請求項3において、上記変位装置は、上記検出手段を位置検出用検出手段と補正用検出手段の二組有し、上記移動体の変位量に対し、位置検出用の上記第一光通路は受光量を可変にまた補正用の上記第二光通路は受光量を一定に夫々光を透過させてなる手動可変調整器。
【請求項5】 請求項4において、上記変位装置は、上記第一光通路を上記移動体の変位方向に応じ比例に可変する受光量を通す傾斜調光体で、また上記第二光通路を上記移動体の変位に対し一定受光量を通す平行透光体で夫々形成してなる手動可変調整器。
【請求項6】 請求項5において、上記信号変換装置は、位置検出用および補正用の上記各検出手段の夫々の検出値を互いに減算処理してから上記光学検出手段の光量変動による誤差を除去してなる手動可変調整器。
【請求項7】 請求項1又は6において、上記入力装置は、上記選択手段を、上記記憶装置に収めた複数の該変位量対出力値変換特性の関数特性から単一の該関数特性を選定する選択スイッチで構成してなる手動可変調整器。
【請求項8】 請求項1又は6において、上記入力装置は、上記調整手段を、上記記憶装置に収めた該変位量対出力値変換特性のもつ特定関数特性内の所定定数を任意に調整可能にする調整用可変抵抗器で構成してなる手動可変調整器。
【請求項9】 請求項1,6,7又は8において、上記入力装置は、上記選択手段と上記調整手段で定めた該変換特性を上記記憶装置に取込む設定スイッチと該記憶装置から読出す呼出スイッチとを有してなる手動可変調整器。
【請求項10】 請求項1,6,7又は9において、上記信号変換装置は、上記記憶装置への該変位量対出力値変換特性の特性形状を他の任意形状に変更可能なプログラマブル制御器用プログラムローダを有してなる手動可変調整器。
【請求項11】 請求項1又は10において、上記出力装置は、上記記憶装置の該変位量対出力値変換特性で出力する正転特性と、この正転特性を変位量の変化に対し位相反転させた逆転特性とを夫々第1出力信号と第2出力信号として互に同調供給してなる手動可変調整器。
【請求項12】 請求項1又は10において、上記信号変換装置は、上記出力装置から互に同期供給される第1および第2出力信号に夫々個別の変位量対出力値変換特性の特性形状を付与するため第1および第2記憶装置にそれぞれの特性形状を記憶してなる手動可変調整器。
【請求項13】 請求項12において、上記出力装置は、上記第1記憶装置の第1特性形状が、該第1特性形状から出力値の変化に対して位相反転させた特性形状を上記第2記憶装置の第2特性形状として互に同期供給させてなる手動可変調整器。
【請求項14】 請求項11、12又は13において、上記手動可変調整器は、上記出力装置の第1および第2出力信号でそれぞれ右側および左側の音声信号の音量を制御させるフェーダ装置である手動可変調整器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラジオ、オーディオおよびディスクジョッキ(DJ)等の音響機器、テレビジョン、ビデオ等の画像機器、その他の通信機器、照明機器等の電子電気機器に使用する為、手動操作量に応じて任意の電気信号を創り出すことができる手動可変調整器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来電子機器の分野では、音量、光量、画像等の情報信号を増大または減衰させる際に接触式可変抵抗器が多数市販され広く使用されてきた。摺動面に塗布された抵抗材質に、摺動可能なワイパで接触させながら摺動変位させて、変位量と抵抗値を相互に対応させて、所定の変位量対抵抗値特性を得ていた。この際に例えば、可変抵抗器に生じる電圧・電流変化を増幅器の入力段に取込んで該出力情報信号の増減を操作する如き使い方をする。
【0003】然かるに、接触式可変抵抗器には大きな欠点が二つ存在する。その第一の欠点は抵抗体とワイパが常時接触摺動する構造のため耐久性が無く抵抗材質の剥離で雑音発生を招くため寿命が短いことである。第二の欠点は変位量対出力信号間の特性曲線を任意かつ自由な曲線を確保できないことである。特に近年の電子機器分野では変位量対出力値間が1対1の単純な比例関数特性だけでなく、音量、光量などのもつ特質に適合させるために、反比例関数、指数関数、対数関数など各種の関数特性が要望され、しかもそのうえ特定の一つの関数特性に於いても該関数のもつサフィクス定数に対しその都度、所定の特性定数を定めた特性曲線等の必要に応じて任意に特性形状が要望されている。
【0004】これに対し現状の可変抵抗器では、摺動面に塗布する抵抗材質または塗布方法を工夫することにより或る種の特殊特性曲線を確保できるが、もとより限られた特定の曲線形状しか得られないため適用電子機器も特殊機器に制約を受ける。このため現在電子機器の各分野に於いても手動操作に対する物理的、機械的な寿命を半永久的と為し、然も出力信号の特性曲線形状を自由に選択ないし書換えることが可能な手動可変調整器が待望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、摘み具の手動操作を伴う機械的変位機構と電気的信号変換処理機構とに分化して構成する手動可変調整器にあって、前者の機械的変位機構に対して変位装置によって非接触にて変位量対電気的出力値に直線比例特性に変換して検出し、さらに後者の電気的信号変換機構にて上記変位装置で得た該電気的出力値に応じて予じめ定めた特性形状に対応した他の電気出力信号を変換して出力するように信号処理すると共に該特性形状を任意に選択または/および調整可能に構成した手動可変調整器を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の課題解決の手段は、本体上の摘み具を手動操作して得た変位量に応じて予じめ定めた電気出力信号に変換して供給する手動可変調整器において、上記摘み具の手動操作に連動する移動体と上記本体の固定体とに相互間の該変位量を互に非接触で直線比例特性の電気変位信号に変換する検出手段を配備した変位装置と、該変位信号に応じて予め定めた該出力信号に直すため変位量対出力値変換特性を記憶装置に収め該出力信号を出力する演算処理装置をもつ信号変換装置と、上記記憶装置の該変換特性の特性形状を選定する選択手段及び該特性形状を変形調整する調整手段の一方または両方を有する入力装置と、さらに上記記憶装置が出力した該出力信号を任意の電気量に直して供給する出力装置とから成り、上記信号変換装置は、上記記憶装置に予め記憶した該変位量対出力値変換特性の特性形状を任意の特性形状に選択または/および調整可能に構成したことを特徴とする手動可変調整器である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明思想は、一種の可変抵抗器の代替として開発され、非接触による耐久性、信頼性を向上する事と、電子的な信号変換処理による調整器仕様の自由度の大幅に拡大する事との同時解決する事が課題である。従って実施例はスライド抵抗器に類似する直線摺動型の変位装置で開示したが、回転摺動型にも適用できることは云うまでも無い。また変位装置に使われる検出手段も発光ダイオード(LED)などの光学検出手段だけに制約されることはなく磁気の変化特性あるいは静電容量の変化特性などを利用した検出手段でも、変位量対出力値の相互間が直線特性が実現できる限り、本発明思想に適用できる。
【0008】入力装置には所望の変位量対出力値を提供する基本関数形状の特性形状の種類は、単一でも複数でも良いが、或る種の関数形状ではその関数を特定するサフィクス定数が2つ以上ある場合は、調整手段を更に付加しても良い。また、本実施例では音響機器用の使用例として開示したため、右側および左側音量制御に対応する第1および第2出力信号を互に位相反転した例又はそれに近い特性を示したが、照明機器のように互に全く個別の目的に使用する場合には予じめ独立の特性曲線にしても良く、出力値の数量も自由に選び互いに同期調整せさることができる。
【0009】更に本実施例では、受発光素子および光通路からなる光学検出器を二組用いた例を示したが、一組のみで構成しても良く、また受発光素子を摘み具と連動する移動体に配し光通路を固定体の側に配置しても良い。更に、発光素子と受光素子の一方を固定体の側にまた他方を移動体の側に配置する構成でも良く、変位装置として摘み具の変位量に対し検出手段の電気出力信号が直線比例特性に変換検出出来れば良い。
【0010】
【実施例】図1乃至5は、本発明の一実施例の手動可変調整器を示し、特にスピーカなど右側および左側の各音声発生器の音量調整に適用するための可変調整器の例である。図1は同可変調整器1の全体構成図を示す。基本的構成は、機械的構成部分の変位装置10と電気的構成部分の中心部分である信号変換装置20とで構成され、後者は更に信号処理装置21および記憶装置22から成る。更にその付属部品として可変調整器1は入力装置25および出力装置26とを包含する。前者の変位装置10は、摘み具11で手動の摺動操作を行った時の機械的な変位量を電気変位信号に変換する構成部分である。また後者の信号変換装置20では、前者の変位装置10で得た電気変位信号に応じて予じめ記憶装置22に定めた変位量対出力値変換特性に従って電気的な選定出力信号に変換して出力供給する構成部分である。以下、機械的および電気的な各構成部分の詳細を、右側および左側の各音量調整を夫々第1および第2出力信号として同期供給する例によって順を追って説明する。
【0011】変位装置10は、図1に側面断面図を、また図2Aおよび図2Bに夫々正面図および縦断面図を示される。手動可変調整器1は、その変位装置10の部分が例えば音響機器の操作パネル7にビス4にて設置され、開孔3から連結具12を経て摘み具11のみがパネル前面のマスク2に導出される。パネル7には摘み具11の左右にそれぞれ第1および第2出力信号の出力操作量を示した指示目盛6に応じて操作者が同図上の矢印方向に摺動させる型式の所謂摺動型の可変調整器として開示してある。また電気的構成部分のうち入力装置25も同様に、変位装置10と共に操作パネル7の平面上に配備されて信号変換装置20への入力信号情報の呼込みを可能にしている。
【0012】変位装置10は、基本的には三つの主要構成部分から成っている。即ち、本体5に固定組付した固定体14と、この固定体14に対して摘み具11に連動して摺動する移動体13と、さらに本体5に配置されて平板状に構成された移動体13の摺動量を検知する検出手段15とで構成されている。本例では図1に於いて平板状移動体13は、上下端部にて二本のレール14a,14bでなる固定体14上を左右の矢印8の方向に摺動する。検出手段15は、この平板状摺動体13の一平面側および他平面側で夫々取付具16および18が互に対面するように本体5にて移動不能に固定配備され、摺動体13の変位量を検出している。
【0013】一方、本実施例の検出手段15は二つの構成でなり、一つは摘み具11と共に移動する摺動体13に施した光通路15aと、他の一つはこの光通路15aを貫通して光量変化を検知し本体5ないし固定体14に固定配備された光学検出手段15bとである。さらに後者の光学検出手段15bには光学変換手段が使われ、本例では図2Bに示す通り発光ダイオード(LED)等の発光素子17と、フォトトランジスタ等の受光素子19とで構成され、夫々取付具16と18にて互に一対のフォトカップラとして構成される。
【0014】一方、摺動体13に施した光通路15aは、本例の手動可変調整器1が摺動型であるために、その摺動方向に沿ってスリットとして形成された傾斜調光体13aを構成する。然も移動した変位量に対して貫通する光量を変化させるため、光通路15aの傾斜調光体13aは摺動方向に沿って開口面積が連続的かつ比例的に増減するように隙間間隔が連続傾斜状に形成される。本例では摘み具11が図1の右方向の摺動に伴い通過光量を連続可変に抑制する様にスリット面積が縮小して傾斜調光体13aが通過量を減少し、逆に左方向の摺動に対して増大する構造である。従って本例では傾斜調光体13aの形状は、一方の端部に頂点tがまた他方の端部に底辺bが配する尖鋭な二等辺三角形に形成されて、この変位に伴う光量によって変位量をこれに比例した電気出力信号に変換して位置検出用検出手段15cの一部分を為している。なお、本実施例とは逆に光学検出手段15bを摺動体13と連動させ又傾斜調光体13aなどの光通路15aを固定体14に固定しても良い。
【0015】発光および受光素子17,19で構成するフォトカップラが、ドリフト又は周囲温度もしくは経年変化による発受光量の劣化による光学特性の変動が無視できる時は、位置検出用検出手段15cのみで手動調整器1は実現する。しかし本実施例では、更に光学検出手段15には、上述の位置検出用検出手段15cの外に信号補正用検出手段15dが別途に並列配置されている。両者の相異点は、後者の検出手段15dが変位検出の目的でなくフォトカップラとしての光学検出手段15bの劣化また温度ドリフト等による信号の誤差分を補償する目的をもつものである。従って移動体13に施した光通路15aの一つとして線状スリットに形成された透光体13bが連続傾斜状では無く移動に伴って貫通光量に変化のない単純な長方形の形状で配置されている。両検出手段15c,15dは互に摘み具11に対応する位置で上下に配置されいるので、受光素子19a,19bから変位量に対して互いに同期した異なる種類の電気量の出力信号e,eが信号変換装置20の入力信号e,eとして供給される。
【0016】信号変換装置20は、演算処理装置(CPU)および処理用記憶装置(ROM,RAM)を包含する信号処理装置21を中心に、アナログ量として検出した上述入力信号e,eをデジタル入力信号e11,e12に変換するアナログ・デジタル(A/D)変換器23a,23bと、さらに信号変換処理されたデジタル出力信号e01,e02をアナログ出力信号E,Eに変換するデジタル・アナログ(D/A)変換器24a,24bを有する。また信号処理装置21は、摘み具11の変位及び補償量である入力信号e11,e12から温度等の誤差分を除去して補償した真の電気変位信号eを演算する。更にこの電気変位信号eから単一又は複数の出力信号を得るために、記憶装置22には変位量対出力信号特性に対応する単一又は複数の関数特性、又は任意に定めた形状等の内の基本特性形状の変換情報が予じめ定めて記憶される。然もこれ等の変換情報を必要に応じて書替可能な様に記憶装置22が信号処理装置21とデータバスで接続されている。
【0017】入力装置25は、記憶装置22に複数の関数特性等の基本特性形状を選定する切替スイッチで構成した選択手段27と、基本形状から任意変形した特性形状を作り出すため該関数形状の変換特性のもつサフィクス定数等に微調整を施す可変抵抗器で構成した調整手段28と、更に上述基本形状から両手段27,28で任意に特定された変形形状の関数特性を記憶装置22の予じめ定めた所定番地に記憶させるための記憶スイッチ29とそのエンタ操作する設定スイッチ31とをもつ。
【0018】出力装置26は、変換出力されたアナログ出力信号E,Eを図示してない他の機器の信号仕様に直して供給する装置であり、本例では音響機器の右側および左側音声信号を減衰又は拡大の調整に適用できるレベルに増幅する増幅器26a,26bで示す。更に記憶装置22に対し新たな変換情報としての関数特性の書込みないし変更する時はプログラム・ローダ30が必要に応じて接続されて、その変換情報の入力ないし書替えが行われる。
【0019】次に本実施例の動作を説明する。図3Aは、変位装置10の変位量対検出光量出力値特性を示し、電気変位信号として変位に応じ比例する検出光量の出力値が特性eでまた変位に応じ一定の特性eで出力する様子を実線で示す。然し、発光素子17a,17bが周囲温度ドリフトないし経年劣化の影響を受けて変動する様子を点線の検出値e′,e′で示す。従って温度又は経年劣化の悪影響は信号変換装置20において、演算処理することによって、このドリフトに影響されない図3Bの変位量対検出出力値の変位量Sに対して正比例でかつ実質的にリニヤ特性eを確保している。この電気変位信号eは温度等の悪影響を克服し真の変位量を電気出力値に検出変換したものである。
【0020】即ち、図3Aに於いて摘み具11が変位aにある時、検出手段15c,15dからは夫々検出出力値ea1,ea2はデジタル変換に信号処理装置21にて信号ea1から信号ea2の減算ea1−ea2により、補正後の検出値eが算出される。そこでa点だけでなくこの様に変位量Sの全域にて補正した後の検出値eを基準として図3Bに示す通り以後の出力信号E,Eを得るまでの信号変換処理が行われる。
【0021】図4Aは、信号変換装置20の変換処理の手順の例示として関数特性の基本特性形状を示す原理特性図で、さらに図4Bはこの基本特性図をもとに信号変換処理後に得られた出力信号E,Eの特性図である。即ち記憶装置22に、特定の関数特性として例えばy=Xα(α:比例定数)の指数関数を選択した時のx−y座標軸に示す特性図が予じめ記憶されており、図1に示す入力装置25の選択手段27がこの基本特性形状を選択したものと仮定する。そこで次に可変抵抗器でなる調整手段28を調整すると定数α(α≧1)が変化する。当然調整手段28のアナログ量は電圧変換後に図示しないアナログ・デジタル(A/D)変換器によって取込まれる。これによって図4Aのように任意の定数をもつ指数関数特性が選定できることになる。
【0022】図4Aは定数αをα=1以外に小(S),中(M),大(L)の三つの定数値を調整した時の特性e0S,e0M,e0Lである。そこで調整手段28が定数値α=Mの調整状態である時の出力信号E,Eを変換処理する手順を述べる。即ち選択手段27と調整手段28とで図4Aの関数特性e0Mの選択および調整後、記憶スイッチ29で定めた番地にセットし、その後設定スイッチ31を押すと、記憶装置22の該当番地には選択手段27および調整手段28の両情報が特定され記録される。従ってこの設定状態に従って摘み具11を移動した場合を考える。
【0023】今図3Bに示す通り、変位装置10の摘み具11がa点の変位位置にあるとする。すると補正処理後の検出出力値eはリニヤな比例特性上の点eにある。従ってこの検出出力値eをもし図4AのX軸に対応させると、Y軸ではそのまま変換後の任意な関数特性yに従った出力値eを作出すことが可能である。即ち図3Bの特性がリニヤ比例特性であれば、そのまま図4AのX軸を摘み具11の変位量SをX座標軸Xに対置させることができるので変位量X=Sとなる。そこで今摘み具11が図3Bのa点の位置にあるとすると、信号処理装置21では、入力信号x=eに対応する設定した関数特性e0Mに従って変換後のデジタル出力信号y=e01の出力値が得られる。従ってこの変換出力信号e01をデジタル・アナログ(D/A)変換器24aを経ると、図4Bの第1チャンネル用の第1出力信号として変位量対出力値特性上のアナログ電圧の電気情報に変換された出力信号Eb1が創出されることになる。
【0024】本実施例の手動可変調整器では二つの音響信号を夫々増大または減衰制御に用いるため、第1チャンネルR用の第1出力信号e01以外に、図4Aの関数特性
理した第2チャンネルL用の第2出力信号e02を出力している。この位相反転の処理手順は、予じめ変位装置10における図3Bに示す通り正転比例特性eの反
出力値e′を算出し、更に図4Aにてこの点a′=e′での同じ指数関数e0M上の変換出力値e′02を第2チャンネル用の第2出力信号e02として出力すれば良い。従ってデジタル・アナログ(A/D)変換器24bを経てアナログ電圧の第2出力信号Eが第1出力信号Eと同時に出力できることになる。
【0025】位相反転の処理手順は、図3Bの比例直線特性eから変化量S=50%のCs線を中心とした線対称の反比例直線特性eを位相反転して算出したが、これは他の処理手順として第1出力信号がa(%)であるとき、第2出力信号は指数関数eOM上の点a′=100−a′(%)を算出しても良い。このa′(%)点が直接第2出力信号e02を導いて良い事は言うまでもない。従って結果的には出力装置26からの第1および第2出力信号E、Eは変位量=50%の中心線Csを境に互に線対称の電気出力信号が得られる。
【0026】図5Aは記憶装置22に記憶される関数特性の他の基本特性形状によって得られた第1,第2チャンネル用の第1,第2出力信号R,Lの特性形状を示す。この場合は予じめ記憶した関数y=logαXの基本特性形状を上述同様に入力装置25の選択手段27と調整手段28にて選定し記憶スイッチ29と設定スイッチ25でセットして創り出したものである。以上は音響信号の制御に使用するため、点線で示した変位量50%を中心線Csとして線対称である例を示したが、第1および第2出力信号に全く同じ形状の出力信号を供給することも可能である。図5Bは摘み具11の変位量Sに応じて出力信号を0%と100%との間を繰返えす形状である。この場合は右(R)および左(L)の音声信号をオン・オフ繰返えすディスクジョッキ(DJ)演奏の操作に有効であり、その際定数αがαからαまでの領域を任意に変えることでオン時間、オフ時間の割合を調整手段28で可変調整する。
【0027】[他の実施例]図6および7は、本発明の他の実施例手動可変調整器で、図6は同可変調整器の構成図をまた図7は同可変調整器で得られる右(R)側および左(L)側音声用の第1および第2出力信号の変位量対出力値特性の特性形状である。図7Aは右(R)側に指数関数を左(L)側に対数関数を、図7Bは台形波による複合特性形状を、それぞれ独立に供給する複合特性形状を示す。本実施例は図1の実施例と比べると、変位装置10が非接触型の変位を検出しリニヤ比例特性の出力値を送出する事も、また更に信号変換装置20が変位装置10の検出出力値に応じて予じめ定めた記憶装置22の特性情報に従って変換出力する事も全く同一である。従って同一部品ないし同一部分については、図1の実施例の部品符号と同一符号に付して詳細な説明は省略し、図1の実施例との相違点を中心に述べる。
【0028】本実施例が図1の実施例との最大の主要相違点は、二つ存在する。その第一は図1の実施例では図4および5に示す通り、変位量50%の中心線Csを中心として、第1および第2出力信号が互に線対称であるのに対し、同図(A)の本実施例では変位量Sの変化に対し線対称では無く、むしろ出力値の中心線Cvに対して線対照にするため相互に全く個別の形状特性を選定して変換したことである。第二の相違点は変位装置10に於ける非接触の変位検出手段として光学変換手段ではなく磁気変換手段を利用したことである。
【0029】第一の相違点を保証する信号変換装置20の構成上の相違は、左右の各チャンネル毎に個別に書替可能な記憶装置22a,22bが用意され、互に別個の関数特性の基本形状をそれぞれに記憶していることである。即ち図7Aの特性形状では右(R)側出力用の記憶装置22aでは指数関数y=Xαを、また左(L)側出力用の記憶装置22bでは対数関数y=log αXをそれぞれ基本形状パターンを記憶してある。各記憶装置22a,22bのデータの選択および調整は、各チャンネル毎に選択手段27、調整手段28、記憶スイッチ29および設定スイッチ31を互に共用して使用し、操作の手順は図1の実施例の場合と同じである。
【0030】第二の相違点として変位装置10は、摘み具11の変位を磁気量に変換させてこの磁束変化を電気情報に変換する検出手段15が用いてある。即ち、磁気変換手段15は、円筒状永久磁石17と、円筒状コイル検出端19とが平行に配置され、更にこの両円筒状の空間内を出し入れする磁性材の調整棒13aが移動体13に設置され摘み具11と連動する構造である。本実施例の信号処理装置21′は予じめアナログ・デジタル(A/D)変換器23からの検出信号を変換処理するため演算処理装置(CPU)、RAM及びROM等が内蔵されている点は図1と同じである。なお、磁気検出手段15では光学検出手段のような温度ドリフト又は磁気劣化などは生じないので、補正演算は不用である。
【0031】本例では、図7Aの通り変位量50%の中心線Csを中心として非対称だが出力値50%の中心線Cvを中心として反転する線対称であったが、図7Bのように縦方向および横方向の両中心線Cs,Cvの双方に対して線対称の形状パターンも実現できる。以上のように、本明細書の各実施例は左右の音声信号を調整する音響機器として音声フェータ用の手動可変調整器を対象に説明して来たが、互に対称性をもつ二つの出力信号の供給用に限定されるものではなく、単一の摘み具11の変位情報に同期する調整対象であるならば、その調整対象が単一の場合でも、また多数の場合でも任意の特性形状の出力信号を供給できる。従って本明細書の「特許請求の範囲」から当業者が容易に創作しうる範囲において、如何なる変更を加えても本発明の範中に含まれる。
【0032】
【発明の効果】従来の手動可変抵抗器では変位対抵抗特性の特性形状パターンの数が特定な数種類に制約され、しかも音響機器または照明機器等の互に左右の対称性のある分野では、2連式又は4連式抵抗器のように調整対称ごとに可変抵抗器を用意することが不可欠であった。これに対し本発明の手動可変調整器は、機械的要素である摘み具による変位装置を単一に集約した状態で、電子的に摘み具の変位量に同期した任意の数量の出力信号を一度に多数の出力供給が出来、しかもその出力信号の特性形状パターンを調整対象にあわせて任意の形状の出力信号を自由に選択設定できるため、各産業機器分野での機器設計の自由度ないし選択性の幅が著しく増大できる。しかも機械的要素である摘み具の変位装置に於ける変位対電気量の変換手段が非接触で検出変換するため、この機器設計の際の広い自由度ないし選択性が長期間の間ノイズ等の影響のない高品位でかつ高度の耐久性を保証されるためその工業的価値は著しく甚大である。
【出願人】 【識別番号】395014921
【氏名又は名称】ベスタクス株式会社
【出願日】 平成11年12月14日(1999.12.14)
【代理人】 【識別番号】230100479
【弁護士】
【氏名又は名称】市東 譲吉
【公開番号】 特開2001−174250(P2001−174250A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−376572