| 【発明の名称】 |
面形状測定装置および面形状測定方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】真鍋 芳宏
【氏名】秋山 義行
【氏名】山崎 剛
【氏名】真能 清志
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| 【要約】 |
【課題】光ディスクの信号記録面等の円盤体の被測定面に存在する凹凸量やこの凹凸に起因するフォーカスサーボの追従誤差量を正確にかつ効率的に測定することができ、かつ、測定した凹凸量や追従誤差量からの面形状の把握が容易な面形状測定装置および面形状測定方法を提供する。
【解決手段】光ディスクを回転させる回転手段と、光ディスク信号記録面に存在する凹凸によって発生する垂直方向の速度を検出する速度算出部73と、検出した速度データ、および、回転する光ディスクの信号記録面から垂直な方向の目標位置に対物レンズを追従させるフォーカスサーボ系のゲイン特性に基づいて、フォーカスサーボ系に発生すると予想される信号記録面の凹凸に対して追従できない追従誤差量を算出する追従誤差量算出部74とを有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】円盤体を回転させる回転手段と、回転する前記円盤体の被測定面内に存在する凹凸によって発生する当該被測定面の垂直方向の速度を検出する速度検出手段と、前記検出した速度データ、および、回転する前記円盤体の被測定面から垂直な方向の目標位置に所定の対象物を追従させるサーボ系のゲイン特性に基づいて、前記サーボ系に発生すると予想される前記被測定面の凹凸に対して追従できない追従誤差量を算出する追従誤差量算出手段とを有する面形状測定装置。 【請求項2】前記円盤体は、光学的に情報の記録および再生の少なくとも一方が可能な記録媒体であり、前記被測定面は、前記記録媒体の信号記録面であり、前記対象物は、前記記録媒体の信号記録面への情報の記録および前記信号記録面からの情報の再生の少なくとも一方を行う光学ピックアップあるいは当該光学ピックアップに搭載されたレンズであり、前記サーボ系は、光学ピックアップあるいは当該光学ピックアップに搭載されたレンズのフォーカスを前記信号記録面から垂直な方向の目標位置に追従させるフォーカスサーボ系である請求項1に記載の面形状測定装置。 【請求項3】前記追従誤差量算出手段は、前記サーボ系を近似した伝達関数をもち、前記速度データを入力信号とし、前記追従誤差量を出力信号とするディジタルフィルタを有する請求項1に記載の面形状測定装置。 【請求項4】前記ディジタルフィルタは、IIRフィルタで構成されている請求項3に記載の面形状測定装置。 【請求項5】前記算出された追従誤差量の前記円盤体内における分布を立体的に把握可能に画面上に表示する表示手段をさらに有する請求項1に記載の面形状測定装置。 【請求項6】前記速度検出手段は、レーザ光を照射するレーザ光源と、前記レーザ光源からのレーザ光を前記円盤体の被測定面に導き、かつ、当該レーザ光と前記被測定面からの反射光とを干渉させる干渉光学系と、前記干渉光学系から得られた光を受光する受光手段と、前記受光手段の検出した光強度の周波数を検出し、当該検出した周波数から前記被測定面内に存在する凹凸によって発生する当該被測定面の垂直方向の速度を算出する速度算出手段とを有する請求項1に記載の面形状測定装置。 【請求項7】前記検出した速度データに基づいて、前記被測定面の凹凸量を算出する凹凸量算出手段をさらに有する請求項1に記載の面形状測定装置。 【請求項8】前記凹凸量算出手段は、前記検出した速度データを積分して凹凸量を算出するディジタルフィルタを有する請求項7に記載の面形状測定装置。 【請求項9】前記被測定面は、光を反射する光反射面である請求項1に記載の面形状測定装置。 【請求項10】前記被測定面には、前記追従誤差量を測定するために光を反射する光反射膜がコーティングされている請求項1に記載の面形状測定装置。 【請求項11】円盤体を回転させるステップと、回転する前記円盤体の被測定面内に存在する凹凸によって発生する当該被測定面の垂直方向の速度を検出するステップと、前記検出した速度データ、および、回転する前記円盤体の被測定面から垂直な方向の目標位置に所定の対象物を追従させるサーボ系の周波数特性に基づいて、前記サーボ系に発生すると予想される前記被測定面の凹凸に対して追従できない追従誤差量を算出するステップとを有するの面形状測定方法。 【請求項12】前記追従誤差量を算出するステップは、前記速度データを入力信号とし、前記追従誤差量を出力信号とする、前記サーボ系を近似した伝達関数をもつデジタルフィルタを用いて行う請求項11に記載の面形状測定方法。 【請求項13】前記デジタルフィルタには、IIRフィルタを用いる請求項12に記載の面形状測定方法。 【請求項14】前記追従誤差量を測定すべき前記円盤体の被測定面に反射膜を形成して測定を行う請求項11に記載の面形状測定方法。 【請求項15】円盤体を回転させる回転手段と、回転する前記円盤体の被測定面に存在する凹凸によって発生する当該被測定面の垂直方向の速度を検出する速度検出手段と、前記検出した速度データに基づいて、前記凹凸量あるいは前記凹凸に起因する諸特性量の少なくとも一つを算出する特性量算出手段と、前記特性量算出手段によって算出された算出量の前記円盤体内における分布を立体的に把握可能に画面上に表示する表示手段とを有する面形状測定装置。 【請求項16】前記表示手段は、前記円盤体の各測定点における算出量を前記画面の当該円盤体と相似形の領域内の全ての画素に対応づけて割り当てる割り当て手段と、 前記各画素に割り当てられた算出量に基づいて、前記円盤体の被測定面に前記算出量に応じた高さの凹凸が存在したと想定した場合に、当該凹凸に対して所定の向きから光を照射することによって発生する仮想的な陰影を画面上で表現する陰影シミュレート手段とを有する請求項15に記載の面形状測定装置。 【請求項17】前記陰影シミュレート手段は、一の画素に割り当てられた算出量と当該一の画素に隣接する画素に割り当てられた算出量との差に基づいて前記一の画素の画素値を決定する請求項16に記載の面形状測定装置。 【請求項18】前記陰影シミュレート手段は、一の画素に割り当てられた算出量と当該一の画素の前記画面の縦方向および横方向の一方側にそれぞれ隣接する画素に割り当てられた算出量との差をそれぞれΔx、Δyとし、前記光の照射方向をθとし、前記光の仮想的な強度をI0 としたとき、前記一の画素の画素値Iを次式(1)によって決定する請求項17に記載の面形状測定装置。 【数1】 I=I0 ・(cosθ・Δx+sinθ・Δy) ・・・(1) 【請求項19】前記光の仮想的な強度I0 および前記光の照射方向θは、外部からの信号の入力によって任意に設定可能である請求項18に記載の面形状測定装置。 【請求項20】前記算出量は、前記検出した速度データ、および、回転する前記円盤体の被測定面から垂直な方向の目標位置に所定の対象物を追従させるサーボ系のゲイン特性に基づいて算出された、前記サーボ系に発生すると予想される前記被測定面の凹凸に対して追従できない追従誤差量である請求項15に記載の面形状測定装置。 【請求項21】前記円盤体は、光学的に情報の記録および再生の少なくとも一方が可能な記録媒体であり、前記被測定面は、前記記録媒体の信号記録面である請求項15に記載の面形状測定装置。 【請求項22】前記円盤体は、光学的に情報の記録および再生の少なくとも一方が可能な記録媒体の信号記録面を形成するためのスタンパである請求項15に記載の面形状測定装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、光ディスク等の円盤体の被測定面に存在する凹凸、および、この凹凸に起因する諸特性値を測定する面形状測定装置および面形状測定方法に関する。 【0002】 【従来の技術】図9に示すように、ディスク状の記録媒体である光ディスク1は、光学的に透明なプラスチック製の光ディスク基板3の一面に信号記録面4を備えており、信号記録面4内の所定の領域に信号記録領域2を備えている。また、この信号記録面4内の信号記録領域2には、たとえば、図10(a)に示すように、ディスク基板3の一方の信号記録面4に連続溝状のグルーブ5およびこれに隣接するランド6がトラック毎に所定のトラックピッチP(1〜2μm)でスパイラル状に設けられているものや、図10(b)に示すように、信号記録面4にピット8の列が、トラック毎に所定のトラックピッチでスパイラル状に設けられているものも知られている。たとえば、情報を記録可能な相変化型あるいは光磁気型の光ディスクでは、図10(a)に示したグルーブ5が設けられた信号記録面4上に、相変化膜あるいは磁性膜、光反射層、および保護膜層(いずれも図示せず)が順に形成されており、信号記録面4上における、グルーブ5およびランド6のいずれか一方を記録エリアとし、他方をトラッキング用の光反射エリアとして用いるものが多数を占めている。また、再生専用の光ディスクにおいては、図10(b)に示したピット8の列を設けた信号記録面4上に光反射層および保護膜層(いずれも図示せず)が順に形成されており、信号記録面4上におけるピット8の列を記録エリアおよびトラッキング用回折格子として用いるものが多数を占めている。 【0003】上記のような構成の光ディスクでは、光ディスクを回転させながら、光ディスク基板3の一方の信号記録面4とは反対側の無信号面7から、光学ピックアップに搭載された対物レンズ(図示せず)で集光したレーザー光を照射する。情報を記録可能な光ディスクでは、その照射光によって、たとえば、ランド6上の記録層に光学的に情報が書き込まれ、あるいは、反射光によって同記録層への光学的書き込み情報が読み取られる。さらに、記録または再生用のレーザー光が常に所定のトラック上に照射されるように、例えばグルーブ5からの反射光を検出してトラッキングを行う。再生専用の光ディスクでは、無信号面7から光学ピックアップで照射した光に対して、ピット8の列を設けた面4からの反射・回折光を検出することで、情報の読み取りおよびトラッキングを行う。 【0004】一方、近年開発が進んでいる高密度光ディスクでは、図11に示すように、グルーブ5を設けた信号記録面4上に、光反射層と相変化膜あるいは磁性膜からなる光反射面4および0.1mm程度の一定の厚みを持つ透明な層11の順で形成されるものが知られている。再生専用の光ディスクに関しても同様に、光反射層からなる光反射面4および0.1mm程度の一定の厚みを持つ透明層11の順で形成されたものが知られている。このように成膜された光ディスクの場合には、光ディスクを回転させながら、光ディスク基板3の面4上に形成した透明層11側に、光学ピックアップ(図示せず)を配置し、レーザー光を照射する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、光ディスク基板3は、一般に、プラスチックを射出成形することにより形成される。この方法により作製された光ディスク基板3は、成形時の熱ひずみや気温や湿度など環境の変化に伴い、反りが生じることが知られている。さらに、成型時の金型の歪みによってディスク表面にうねりが生じる。光ディスク基板3に反りやうねりの凹凸がある状態で回転させると、光ディスク基板3の表面に上下の振れが発生し、信号読み取り用レンズの焦点位置がディスクの信号記録面から外れたり(デフォーカス)、信号記録面が信号読みとり用レンズの焦点面から傾いたり(スキュー)することになる。この時、光学ピックアップで集光されたスポットは収差の影響を受けてしまう。この収差の大きさは、ピックアップレンズの開口数(NA)に依存し、デフォーカスによる収差はNAの二乗に、また、スキューによる収差は開口数(NA)の三乗に比例する。つまり、開口数(NA)が大きくなればなるほど、許容できるデフォーカスやスキューが小さくなる。一方、ディスク表面から信号記録面4までの厚みが小さいほど、デフォーカスやスキューによる収差は小さくなる。この理由により、近年の光ディスクの高密度化に伴い、高開口数(NA)化と共に、ディスクの厚みの薄肉化が進んでいる。たとえば、図11に示したような高密度光ディスクでは、ディスク基板3のグルーブやランドまたはピット列が形成された信号記録面4の上に、0.1mm程度の薄い透明層11を乗せたディスク構造となっているものもある。このように、開口数(NA)が大きくなることによって生じる収差の影響を低減するために、光学的に薄いディスクの開発が行われている。最近では、短波長(λ≦430nm)、高開口数(NA≧0.76)の高密度ディスクの提案がなされている。 【0006】上記のような高NA化に伴い焦点深度が浅くなるため、光ディスク基板3に許される面ぶれ、すなわち、光ディスク基板3の表面の凹凸の大きさにはいっそう厳しい値が要求されるようになっている。このため、光ディスク基板3表面の凹凸量を正確に測定する必要がある。また、光ディスク基板3には、実際にフォーカスサーボをかけた際に発生する光ディスク基板3表面の凹凸に対して追従できない追従誤差量が所定の範囲に収まる精度が要求されるため、この追従誤差量を正確にかつ効率的に測定する必要がある。さらに、測定した凹凸量や追従誤差量の値からだけでは、光ディスク基板3の面形状の状態や、凹凸の分布を把握することが困難であり、光ディスク基板3に存在する凹凸の発生原因を究明等することが難しく、視覚的に光ディスク基板3の面形状の状態や、凹凸の分布を把握できる必要がある。 【0007】本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、光ディスクの信号記録面等の円盤体の被測定面に存在する凹凸量やこの凹凸に起因するフォーカスサーボの追従誤差量を正確にかつ効率的に測定することができ、かつ、測定した凹凸量や追従誤差量からの面形状の把握が容易な面形状測定装置および面形状測定方法を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点の面形状測定装置は、円盤体を回転させる回転手段と、回転する前記円盤体の被測定面内に存在する凹凸によって発生する当該被測定面の垂直方向の速度を検出する速度検出手段と、前記検出した速度データ、および、回転する前記円盤体の被測定面から垂直な方向の目標位置に所定の対象物を追従させるサーボ系のゲイン特性に基づいて、前記サーボ系に発生すると予想される前記被測定面の凹凸に対して追従できない追従誤差量を算出する追従誤差量算出手段とを有する。 【0009】前記円盤体は、光学的に情報の記録および再生の少なくとも一方が可能な記録媒体であり、前記被測定面は、前記記録媒体の信号記録面であり、前記対象物は、前記記録媒体の信号記録面への情報の記録および前記信号記録面からの情報の再生の少なくとも一方を行う光学ピックアップあるいは当該光学ピックアップに搭載されたレンズであり、前記サーボ系は、光学ピックアップあるいは当該光学ピックアップに搭載されたレンズのフォーカスを前記信号記録面から垂直な方向の目標位置に追従させるフォーカスサーボ系である。 【0010】好適には、前記追従誤差量算出手段は、前記サーボ系の周波数特性を近似した伝達関数をもち、前記速度データを入力信号とし、前記追従誤差量を出力信号とするデジタルフィルタを有する。 【0011】さらに好適には、前記ディジタルフィルタは、IIRフィルタで構成されている。 【0012】本発明の第2の観点の面形状測定装置は、円盤体を回転させる回転手段と、回転する前記円盤体の被測定面に存在する凹凸によって発生する当該被測定面の垂直方向の速度を検出する速度検出手段と、前記検出した速度データに基づいて、前記凹凸量あるいは前記凹凸に起因する諸特性量の少なくとも一つを算出する特性量算出手段と、前記特性量算出手段によって算出された算出量の前記円盤体内における分布を立体的に把握可能に画面上に表示する表示手段とを有する。 【0013】好適には、前記表示手段は、前記記録媒体の各測定点における算出量を前記画面の当該記録媒体と相似形の領域内の全ての画素に対応ずけて割り当てる割り当て手段と、前記各画素に割り当てられた算出量に基づいて、前記記録媒体の被測定面に前記算出量に応じた高さの凹凸が存在したと想定した場合に、当該凹凸に対して所定の向きから光を照射することによって発生する仮想的な陰影を画面上で表現する陰影シミュレート手段とを有する。 【0014】本発明の面形状測定方法は、円盤体を回転させるステップと、回転する前記円盤体の被測定面内に存在する凹凸によって発生する当該被測定面の垂直方向の速度を検出するステップと、前記検出した速度データ、および、回転する前記円盤体の被測定面から垂直な方向の所定位置に所定の対象物を追従させるサーボ系の周波数特性に基づいて、前記サーボ系に発生すると予想される前記被測定面の凹凸に対して追従できない追従誤差量を算出するステップとを有する。 【0015】本発明では、円盤体を回転させ、速度検出手段によって被測定面内に存在する凹凸によって発生する被測定面の垂直方向の速度を検出することにより得られた速度データは、被測定面の凹凸量に応じた量となり、凹凸量が効率的にかつ正確に測定される。追従誤差算出手段は、所定の対象物を円盤体の被測定面から所定の目標位置に追従させるサーボ系に発生すると予想される被測定面の凹凸に対して追従できない追従誤差量を、得られた速度データとサーボ系の周波数特性に基づいて算出する。サーボ系の追従誤差量を速度データとサーボ系の周波数特性に基づいて算出するには、たとえば、速度データを高速フーリエ変換し、得られた速度スペクトラムデータにサーボ系のゲイン特性を乗じ、これを逆フーリエ変換することでサーボ系の追従誤差量を算出することができるが、本発明では、サーボ系の周波数特性を近似した伝達関数をもち、得られた速度データを入力信号とし、追従誤差量を出力信号とするデジタルフィルタによって追従誤差量を算出する。すなわち、得られた速度データをサーボ系の周波数特性をもつデジタルフィルタに直接通すことで追従誤差量を得る。したがって、得られた速度データを周波数領域に変換し、再度時系列データに戻すといった処理が必要なく、処理時間が短縮される。 【0016】ディジタルフィルタにはIIR(Infinite Impulse Response) フィルタを用いるのが好ましい。IIRフィルタを用いると、たとえば、FIR(finite Impulse Response) フィルタに比べてディジタルフィルタの次数を低減でき、かつ、サーボ系の周波数特性に近い伝達関数が得られる。 【0017】また、上記のようにして得られた追従誤差量は、円盤体内における分布が立体的に把握可能に画面上に表示される。具体的には、円盤体の各測定点における追従誤差量は、画面の円盤体と相似形の領域内の全ての画素に対応づけて割り当てられる。そして、各画素に割り当てられた追従誤差量に基づいて、円盤体の被測定面に追従誤差量に応じた高さの凹凸が存在したと想定した場合に、当該凹凸に対して所定の向きから光を照射することによって発生する仮想的な陰影が画面上で表現される。この仮想的な陰影を画面上で観察することにより、追従誤差量の分布状態、大きさ等を視覚的に把握することができる。 【0018】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る面形状測定装置の構成図である。図1において、面形状測定装置1は、円盤体である記録媒体としての光ディスク46を保持し回転させるスピンドルモータ61と、レーザビーム41を出力するレーザ光源40と、干渉光学系を構成するビームスプリッタ42、光ファイバ44、対物レンズ45、音響光学素子49および参照ミラー50と、フォトダイオード51と、フォトダイオード51の検出した光強度信号51sが入力され、当該光強度の周波数を検出する周波数カウンタ52と、周波数カウンタ52の検出したアナログ信号52sをディジタル信号に変換するA/D変換器53と、A/D変換器53から信号53sが入力されるコンピュータ55と、コンピュータ55に接続された表示装置56とを備えている。 【0019】ここで、スピンドルモータ61は本発明の回転手段の一具体例に対応しており、コンピュータ55は本発明の特性量算出手段および表示手段を構成している。また、周波数カウンタ52およびコンピュータ55によって本発明の速度算出手段を構成している。 【0020】スピンドルモータ61は、光ディスク46を、対物レンズ45で集光されたレーザビームの入射位置での線速度が、所定の値、たとえば、10m/secになるように回転させる。 【0021】光ディスク46は、たとえば、信号記録面47上に0.1mmの光透明層を備えている。光ディスク46の信号記録面47は、たとえば、金属膜が蒸着形成された光を反射する光反射面となっている。ただし、光ディスク46は光反射面上に0.1mmの透明層を持つものに限るわけではなく、その他種々の光ディスクを用いることができる。 【0022】レーザ光源40は、振動数f0 のレーザビーム41をビームスプリッタ42に向けて出力する。ビームスプリッタ42は、レーザ光源40から出力された振動数f0 のレーザビーム41の一部をレーザビーム43として通過させ、残りをレーザビーム48として参照ミラー50に向けて反射する。さらに、ビームスプリッタ42は、光ディスク46の信号記録面47に対物レンズ45を通じて入射したレーザビーム43の戻り光をフォトダイオード51に向けて反射する。 【0023】光ファイバ44は、ビームスプリッタ42を通過したレーザビーム43が入力され、このレーザビーム43を対物レンズ45に導く。また、この光ファイバ44は、対物レンズ45を通じて入力される信号記録面47からの戻り光をビームスプリッタ42に導く。 【0024】対物レンズ45は、光ファイバ44から出力されたレーザビーム43を信号記録面47に集光する。具体的には、対物レンズ45は、たとえば、焦点距離が100mm程度、開口数(NA)が0.01程度のレンズであり、スポット径が100μm程度のスポットになるように光ディスク46の光反射面47に垂直にレーザビーム43照射する。また、対物レンズ45は、光ディスク46の光反射面47で反射した戻り光を再度光ファイバ44に集光する。なお、対物レンズ45は矢印Rで示す光ディスク47の半径方向の所望の位置に図示しない駆動装置によって位置決めされ、このとき、光ファイバ44も対物レンズ45と一体に移動する。 【0025】音響光学変調素子49は、ビームスプリッタ42で反射したレーザビーム48が入力され、入力された所定の振動数f0 のレーザビーム48の振動数fを一定の周波数Δfだけシフトさせる。参照ミラー50は、音響光学変調素子49を通過した振動数fが周波数Δfだけシフトされたレーザビーム48を反射して再度音響光学変調素子49に入力させる。音響光学変調素子49に入力されたレーザビーム48は振動数fがさらに周波数Δfだけシフトされる。 【0026】フォトダイオード51は、ビームスプリッタ42で反射された信号記録面47からの戻り光と、参照ミラー50で反射し音響光学素子49およびビームスプリッタ42を通過したレーザビーム48が入力され、これらの光の強度を検出し、この光強度信号を周波数カウンタ52に出力する。 【0027】ここで、光ディスク46の信号記録面47が当該信号記録面47に垂直な方向に速度成分を持てば、信号記録面47で反射した戻り光はドップラー効果によりその振動数がシフトする。レーザ光源40から出力されたレーザービーム41の振動数をf0 、光の速度をcとするとドップラーシフトを受けた戻り光の振動数f1 は次式(2)で表すことができる。 【0028】 【数2】
【0029】一方、参照ミラー50で反射し音響光学素子49およびビームスプリッタ42を通過したレーザビーム48の振動数f2 は、次式(3)で表すことができる。 【0030】 【数3】
【0031】上記のドップラーシフトを受けた戻り光とビームスプリッタ42を通過したレーザビーム48とは干渉してうねりを起こし、光強度が時間的に振動する状態でフォトダイオード51に入射する。このうねりの周波数fb は、次式(4)で表される。 【0032】 【数4】
【0033】周波数カウンタ52は、フォトダイオード51からの光強度信号51sが入力され、この光強度信号51sのもつうねり周波数fbを測定し、その測定値に応じた電圧を信号52sとしてA/D変換器53に出力する。 【0034】A/D変換器53は、周波数カウンタ52から入力されたうねり周波数fbであるアナログ信号52sを所定のサンプリング周波数、たとえば、100kHzでサンプリングし、これをディジタル信号に変換してコンピュータ55に出力する。 【0035】図2は、コンピュータ55内の構成を示す構成図である。コンピュータ55内には、特性量算出部71と、表示部81とを有している。特性量算出部71は、メモリ72と、速度算出部73と、追従誤差量算出部74と凹凸量算出部75とを備えている。表示部81は、割り当て部82と、陰影シミュレート部83とを備えている。なお、特性量算出部71は本発明の特性量算出手段、表示部72は本発明の表示手段、速度算出部73は本発明の速度算出手段、追従誤差量算出部74は本発明の追従誤差量算出手段、凹凸量算出部75は凹凸量算出手段、割り当て部82は本発明の割り当て手段、陰影シミュレート部83は本発明の陰影シミュレート手段のそれぞれ一具体例に対応している。 【0036】特性量算出部71の構成メモリ72は、A/D変換器53から入力される所定のサンプリング周期でサンプリングされたうねり周波数fbのデータを記憶保持する。 【0037】速度算出部73は、メモリ72に記憶されたうねり周波数fbのデータから、信号記録面47内に存在する凹凸によって発生する図1に示す信号記録面47の垂直方向の速度データVを算出する。すなわち、光ディスク46の信号記録面47に垂直な方向の速度Vは、次式(5)で示すように、うねり周波数fb 、音響光学変調素子49の変調周波数Δf、および、レーザ光源40から出力されたレーザビーム41の振動数f0 に関する関数で表すことができ、速度算出部73は(5)式に基づいて速度Vを算出する。 【0038】 【数5】
【0039】追従誤差量算出部74は、速度算出部73で算出された速度データVおよび光ディスク46の信号記録面47から垂直な方向の目標位置に信号記録面47への情報の記録および信号記録面47からの情報の再生の少なくとも一方を行う光学ピックアップあるいは光学ピックアップの対物レンズのフォーカスを追従させるフォーカスサーボ系のゲイン特性に基づいて、このフォーカスサーボ系に発生すると予想される信号記録面47に存在する凹凸に対して追従できない対物レンズの追従誤差量を算出する。 【0040】ここで、上記のフォーカスサーボ系のゲイン特性について説明する。図3はフォーカスサーボ系の一例を示すブロック図である。図3に示すように、フォーカスサーボ系は、低域補償回路91と、位相進み補償回路92と、アクチュエータ駆動回路93と、アクチュエータ94とを備えており、アクチュエータ94の位置Xが操作量Rにフィードバックされ、操作量Rと位置Xとの偏差、すなわち、追従誤差量Eが低域補償回路91に入力される構成となっている。 【0041】アクチュエータ94は、光ディスク46の信号記録面47にレーザビームを集光する光学系である対物レンズを信号記録面47に垂直な方向に駆動するものであり、たとえば、ボイスコイルモータである。 【0042】低域補償回路91および位相進み補償回路92は、フォーカスサーボ系に必要とされる開ループゲインを得るために、低周波数帯域での位相遅れ補償および高周波数帯域での位相進み補償をするための回路である。 【0043】アクチュエータ駆動回路93は、低域補償回路91および位相進み補償回路92で補償された制御量に基づいて、アクチュエータ94を駆動する回路である。 【0044】上記のようなフォーカスサーボ系には、対物レンズの焦点の光ディスク46の信号記録面47に対する位置を規定する目標位置指令R0 が入力されるが、この目標位置指令R0 には光ディスク46の信号記録面47に存在する凹凸量(面振れ量)Dが加算部95で示すように加算され、目標位置指令R0 と凹凸量Dとを加算した操作量Rがフォーカスサーボ系に入力されることになる。なお、光ディスク46を回転させると、スピンドルモータ61のベースの変位によって光ディスク46に面振れが発生するが、この面振れ量については無視して説明する。 【0045】上記のフォーカスサーボ系には、たとえば、図4に示すような開ループゲイン特性が要求される。すなわち、フォーカスサーボ系は低域補償回路91、位相進み補償回路92、アクチュエータ駆動回路93およびアクチュエータ94をあわせた伝達関数G0 のゲイン特性が図4に示すような最小必要ゲインを満たすように設計される。 【0046】上記した追従誤差量算出部74は、図4に示したような フォーカスサーボ系の開ループゲイン特性および速度算出部73で算出された速度データVに基づいて、図3に示した追従誤差量Eを算出する。すなわち、追従誤差量算出部74は、光ディスク46を実際に回転させこの光ディスク46の信号記録面47に対して対物レンズ等の光学系のフォーカスサーボをかけた状態で追従誤差量Eを測定するのではなく、図4に示すようなフォーカスサーボ系のゲイン特性を用いて追従誤差量Eを算出する。 【0047】具体的には、追従誤差量算出部74は、図4に示すようなフォーカスサーボ系のゲイン特性を近似した伝達関数をもち、速度データVを入力信号とし、追従誤差量Eを出力信号とするディジタルフィルタで構成されている。このディジタルフィルタには、たとえば、図6に示す構成のIIR(infiniteImpluse Response )ディジタルフィルタを用いる。 【0048】図6に示す構成のIIRディジタルフィルタ100において、入力信号vn は測定された速度Vのデータ列であり、出力信号xn は算出された追従誤差量Eのデータ列であり、中間変数yn はIIRディジタルフィルタにおいて計算に用いる一時的な値である。なお、nはサンプル数である。また、IIRディジタルフィルタ100は、入力信号vn にゲインH0 を乗じる乗算器101と、中間変数yn にゲインaを乗じる乗算器103と、乗算器101および乗算器103の出力値を加算する加算器102と、加算器102の出力値をサンプリング時間分遅延させて中間変数yn として出力する遅延器104と、中間変数yn にゲイン−1を乗じる乗算器105と、乗算器105および加算器102の出力値を加算する加算器106とを有する。さらに、出力信号xn をサンプリング時間分遅延させて出力する遅延器109と、遅延器109の出力値にゲインaを乗ずる乗算器108と、乗算器108および加算器106の出力値を加算して出力信号xn として出力する加算器107とを有する。なお、ゲインH0 およびゲインaは、IIRデジタルフィルタ100の特性を決定するパラメータである。 【0049】IIRデジタルフィルタ100は、次式(6)および(7)で表される。 【0050】 【数6】
【0051】IIRデジタルフィルタ100のゲインH0 およびゲインaは、たとえば、図5に示すように、図4に示したフォーカスサーボ系のゲイン特性線図に対してカーブフィッティングさせて決定することができ、これにより図4に示したフォーカスサーボ系のゲイン特性に近似した伝達関数をもつディジタルフィルタが得られる。図5から判るように、IIRデジタルフィルタ100を用いることにより、フォーカスサーボ系のゲイン特性を比較的正確に近似することができる。 【0052】凹凸量算出部75は、速度算出部73で算出された速度Vに基づいて、光ディスク46の信号記録面47の各測定点の凹凸量Gを算出する。具体的には、凹凸量算出部75は、速度Vを積分して凹凸量Gを算出するディジタルフィルタから構成されている。このディジタルフィルタにもIIRディジタルフィルタを用いることができる。 【0053】表示部81の構成表示部81の割り当て部82は、光ディスク46の信号記録面47の各速度測定点について算出した追従誤差量Eあるいは凹凸量Gを表示装置56の画面のうち光ディスク46と相似形の領域内の全ての画素に対応づけて割り当て、各追従誤差量Eあるいは凹凸量Gをメモリに記憶保持する。すなわち、追従誤差量Eあるいは凹凸量Gを光ディスク46と相似形をなすように配置する。表示装置56の画面の一画素に対応する光ディスク46の信号記録面47上で、少なくとも一個以上の測定点があれば追従誤差量Eあるいは凹凸量Gの測定結果を表示装置56の画面に隙間無く配置することができる。具体的には、例えば、追従誤差量Eあるいは凹凸量Gが0の場合を128とし、凹の場合(0よりも小さい場合)は128よりも小さくなるように追従誤差量Eあるいは凹凸量Gに合わせて0から127の値を各画素に割り当てる。凸の場合(0よりも大きい場合)は128よりも大きくなるように129から255の値を各画素に割り当てる。 【0054】陰影シミュレート部83は、表示装置56の画面の各画素に割り当てられた追従誤差量Eあるいは凹凸量Gに基づいて、光ディスク46の信号記録面47に追従誤差量Eあるいは凹凸量Gに応じた高さの凹凸が存在したと想定した場合に、当該凹凸に対して所定の向きから光を照射することによって発生する仮想的な陰影をもつ画像を表示装置56の画面上で表現する。 【0055】陰影シミュレート部83は、具体的には、隣接する画素にそれぞれ割り当てられた値の差を算出する。例えば、画素が縦横に並んでいる場合、注目している画素に割り当てられた値から右隣の画素に割り当てられた値を引いたものを横方向の差Δxとし、注目している画素に割り当てられた値から上側に隣接する画素の値を引いた物を縦方向の差Δyとする。 【0056】次いで、各画素について算出した差Δx,Δyに基づいて、各画素の画素値、すなわち、色を決定する。具体的には、光の照射方向をθとし、光の仮想的な強度をI0 としたとき、各画素の画素値Iを次式(8)によって決定する。式(8)に画素値Iを決定することにより、仮想的な光の強度と方向を独立して調整することができる。 【0057】 【数7】
【0058】例えば、0を黒、255を白に割り当てている表示装置においては、画素値Iが0の場合に、白と黒のちょうど中間の灰色である128とし、画素値Iが正の場合に129から255を割り当て、負の場合に0から127を割り当てる。 【0059】このとき、図2に示すように、ユーザーの操作に合わせて、光の照射方向θ、光の仮想的な強度I0 をそれぞれ独立に特定する外部信号83sを陰影シミュレート部83に入力し、この外部信号83sで特定される光の仮想的な強度I0 0および照射方向θに基づいて新しく生成した画像を表示する構成とすることができる。 【0060】次に、上記構成の面形状測定装置1を用いた面形状測定方法について説明する。まず、光ディスク46をスピンドルモータ61に装着し、回転させる。また、レーザ光源40から振動数f0 のレーザビームを出力し、光ディスク46の信号記録面47の所望の位置にレーザビームのスポットを形成する。 【0061】このとき、光ディスク46の信号記録面47の凹凸によって発生する信号記録面47に垂直な方向の速度Vのデータのサンプリングは、信号記録面47に形成されたレーザビームのスポットが信号記録面47上でスポット径だけ移動する間に少なくとも一回行われるようにする。 【0062】このため、スポットの直径は、たとえば、略100μmとなるようにし、また、光ディスク46の回転数は、レーザビームのスポットの形成位置での線速度が、たとえば、10m/secになるようにし、さらに、うねり周波数fbをサンプリングするA/D変換器53のサンプリング周波数は、たとえば、100kHzとする。これにより、信号記録面47にスポットが照射する領域につき、一回のサンプリングを行うことができる。 【0063】しかしながら、信号記録面47にスポットが照射する領域につき、一回のサンプリングを行ったのでは、たとえば、パルス的なノイズが生じた場合に、ディスク上のゴミや傷等によるものか、測定装置の電気的なノイズによるものなのかを分離することができない。このため、A/D変換器53のサンプリング間隔を小さくする必要がある。例えば2MHzのサンプリング周波数で測定した場合、スポットが照射される領域を二十点サンプリングすることができ、上記のような問題の発生を回避できる。 【0064】光ディスク46の信号記録面47の凹凸が存在すれば、信号記録面47に垂直な方向に速度Vをもち、信号記録面47で反射した戻り光はドップラー効果によりその振動数fがシフトして振動数f1 となる。 【0065】一方、ビームスプリッタ42で分離したレーザービーム48は、参照ミラー50で反射て同経路を往復するため、音響光学変調素子49によって周波数Δf2のシフトを2回受けて振動数f2 となる。フォトダイオード51に入射する信号記録面47で反射した振動数f1 の戻り光と振動数f2 の戻り光とは、干渉してうねりを起こし、フォトダイオード51の検出する光強度が時間的に振動する。このうねり周波数fbが周波数カウンタ52によって測定され、うねり周波数fbがA/D変換器53でサンプリングされる。 【0066】A/D変換器53でサンプリングされたうねり周波数fbは特性量算出部71のメモリ72に記憶保持される。次いで、速度算出部73は、メモリ72に記憶保持されたうねり周波数fbにに基づいて上記した(2)式にしたがって、速度Vを算出する。これにより、回転する光ディスク46の信号記録面47に存在する凹凸によって発生する信号記録面47の垂直方向の速度が検出される。 【0067】追従誤差量算出部74は、速度算出部73で算出された速度Vのデータが順次入力され、上記した(6)式および(7)式で定義されるIIRディジタルフィルタ100によって追従誤差量Eを算出する。 【0068】このとき、IIRディジタルフィルタ100は計算量が比較的少ない。すなわち、IIRディジタルフィルタ100はサンプル数nに比例した計算量である。一方、たとえば、追従誤差量Eを算出するのに、IIRディジタルフィルタ100を用いずに、高速フーリエ変換(FFT)および高速逆フーリエ変換を用いて算出すると、計算量がnlog(n)のオーダで増加するため、高速な処理ができない。特に、サンプル数nが増加すると、また、高速フーリエ変換(FFT)および高速逆フーリエ変換を用いて算出するには、測定点を二の累乗に調整する必要があるが、IIRディジタルフィルタ100では測定点の数に制限を受けない。 【0069】このため、追従誤差量算出部74では追従誤差量Eの算出処理を非常に高速に行うことができる。追従誤差量算出部74で算出された追従誤差量Eは、表示部81に順次入力される。 【0070】凹凸量算出部75にも同様に、速度算出部73で算出された速度Vのデータが順次入力される。凹凸量算出部75では、入力される速度Vのデータから光ディスク46の信号記録面47に存在する凹凸の凹凸量Gを算出し、算出された凹凸量Gは、表示部81に順次入力される。 【0071】表示部81の割り当て部82では、入力された追従誤差量Eあるいは凹凸量Gが表示装置56の画面のうち光ディスク46と相似形の領域内の全ての画素に対応づけて割り当てられ、メモリに記憶保持される。 【0072】陰影シミュレート部83では、割り当て部82に記憶された追従誤差量Eあるいは凹凸量Gに基づいて、追従誤差量Eあるいは凹凸量Gの信号記録面47内での分布を立体的に把握可能な画像、すなわち、光ディスク46の信号記録面47に追従誤差量Eあるいは凹凸量Gに応じた高さの凹凸が存在したと想定した場合に、当該凹凸に対して所定の向きから光を照射することによって発生する仮想的な陰影をもつ画像を表示装置56の画面に表示する。このとき、ユーザーは、光の照射方向θおよび光の仮想的な強度I0 を変更する操作をコンピュータ55のキーボードやマウス等の外部入力機器を用いて行うことができる。 【0073】ここで、図7は、陰影シミュレート部83で生成された、光ディスク46の信号記録面47内における凹凸量Gの分布を示す画像の一例を示す図である。図7に示す画像では、仮想的に所定の方向から信号記録面47の凹凸に光を当てることによってできる陰影をシミュレートしている。なお、図7において矢印で示す方向が光の照射方向θである。また、図7に示す画像において、色が淡く(白く)なった部分は、光の照射方向に向かう凹凸の側面領域であり、色が濃く(黒く)なっている部分は、光の照射方向に対して背を向けた凹凸の側面領域であり、中間の色(灰色)の部分は凹凸が少ない領域である。したがって、凹凸量が大きい部分ほど陰影が濃くなり、この画像の色の違いから、凹凸の分布や凹凸の状態等の面形状の状態を容易に把握することができる。また、光の照射方向θおよび光の仮想的な強度I0 を適宜変更することにより、信号記録面47のすべての領域の凹凸の分布や凹凸の状態等を観察することができる。 【0074】一方、図8は、光ディスク46の信号記録面47の対応する位置での凹凸量に応じて表示装置56の画面上の画素の濃淡を決定したモノクロ画像を示す図である。図8に示す画像では、人間の目にはあたかもそれが凹凸に光があたってできた陰影であるかのように間違って認識されてしまいやすく、信号記録面47の面形状や追従誤差量Eの分布の状態を容易に把握するのが難しい。 【0075】以上のように、本実施形態によれば、追従誤差量算出部74をフォーカスサーボ系のゲイン特性を近似した伝達関数をもち速度データVを入力信号とし、追従誤差量Eを出力信号とするIIRディジタルフィルタ100によって構成することにより、フォーカスサーボ系に発生すると予想される信号記録面47に存在する凹凸に対して追従できない対物レンズの追従誤差量Eを高速に算出することが可能となる。この結果、光ディスク46の信号記録面47の凹凸に起因した特性量を効率的に測定でき、面形状測定装置1を実用的なものとすることができる。 【0076】また、本実施形態によれば、光ディスク46の信号記録面47に存在する凹凸に光が当たった場合にできる陰影をシミュレートした画像を生成することで、光ディスク46の信号記録面47の面形状を容易に認識することができる。 【0077】本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態においては、本発明の円盤体として光ディスク46の場合について説明し、被測定面として信号記録面47の場合を説明したが、本発明は、光ディスクの信号記録面ばかりでなく、たとえば、光ディスクの信号記録面の面振れ発生の原因になりうる光ディスクの信号記録面を形成するためのスタンパの面形状を測定することができる。また、光ディスクではなく磁気ディスク等の円盤体の面形状を測定することができる。なお、被測定面が光を反射する光反射面となっていない場合には、この表面を金属膜でコーティングすることにより確実な観察を行うことができる。 【0078】また、上述の実施形態では、特性量算出部71の算出する特性量として、信号記録面47に存在する凹凸量およびフォーカスサーボの追従誤差量の場合について説明したが、たとえば、フォーカスサーボによって位置決め制御される対物レンズにかかる加速度も算出する構成としてもよい。この場合には、速度算出部73で算出された速度Vを微分することによって、対物レンズにかかる加速度を算出することができる。 【0079】 【発明の効果】本発明によれば、光ディスクの信号記録面等の円盤体の被測定面に存在する凹凸量やこの凹凸に起因するフォーカスサーボの追従誤差量を正確にかつ効率的に測定することができる。また、本発明によれば、測定した凹凸量や追従誤差量からの面形状の把握が容易となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月15日(1999.12.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094053 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 隆久
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| 【公開番号】 |
特開2001−174249(P2001−174249A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−356244 |
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