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【発明の名称】 液体の噴射分裂距離測定方法
【発明者】 【氏名】倉地 克昌

【要約】 【課題】液体を噴射した際の噴霧分裂距離を測定するのに、噴射された燃料を撮影して、撮影した画像から噴霧分裂距離を測定すると、測定に時間が係るとともに、測定精度を高めることが困難であった。

【解決手段】液体の噴射軸に沿って複数の測定位置を設定し、同一の測定位置に対して液体を複数回噴射し、それぞれの噴射における液体の噴射開始から設定された測定位置に噴射された液体の先端が到達するまでの到達時間を各測定位置毎に測定し、各測定位置毎に測定された到達時間の統計処理を行い、統計処理により得られた数値と各測定位置とに基づいて噴射された液体の噴霧分裂距離を測定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】液体の噴射軸に沿って複数の測定位置を設定し、同一の測定位置に対して液体を複数回噴射し、それぞれの噴射における液体の噴射開始から設定された測定位置に噴射された液体の先端が到達するまでの到達時間を各測定位置毎に測定し、各測定位置毎に測定された到達時間の統計処理を行い、統計処理により得られた数値と各測定位置とに基づいて噴射された液体の噴霧分裂距離を測定することを特徴とする液体の噴射分裂距離測定方法。
【請求項2】到達時間の測定を、測定位置に光を照射し、その照射した光が噴射された液体により散乱して生成される散乱光が噴射開始時点から遅延して検出されるまでの遅延時間に基づいて行うことを特徴とする請求項1記載の液体の噴射分裂距離測定方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体例えばディーゼルエンジンにおける燃料の混合、着火、燃焼等を改善するために、効率の良い燃料噴霧となる噴霧状態を解析するデータとしての液体の噴射分裂距離を測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、直接噴射式ディーゼルエンジンでは、副室式ディーゼルエンジンに比べ、副室−主室間の絞り損失がないことから、熱効率が高く低燃費が得られるため、ディーゼルエンジンの主流になりつつある。また一方で、直接噴射式ディーゼルエンジンは副室式ディーゼルエンジンに比べ排出ガス中の有害物質、特にNOx、黒煙、白煙の排出量が多く、地球環境保護の観点からその低減が強く要求されている。
【0003】このような背景から、直接噴射式ディーゼルエンジンでは、液体の燃料噴霧の形成過程が、その後の混合、着火、燃焼、排出ガス中の有害物質の生成に大きく影響を与えるため、その挙動を解析することが重要となっている。特に、燃料噴霧の初速、噴霧到達距離、噴霧分裂距離(図5に示す)、噴霧角は、CAE(Computer Aided Engineering)噴霧解析の初期値として必要である。このため、インジェクタから噴射される燃料の噴霧の状態を、噴射された燃料が液柱から液滴に変化する噴霧分裂距離を測定することにより、燃料噴霧の形成過程を解析する方法が提案されている。このような噴霧の噴霧分裂距離の測定方法としては、例えば高速度カメラを用いて燃料の噴霧状態を非常に短い時間間隔で撮影し、撮影した画像から燃料の噴霧状態を調査し、噴霧到達距離あるいは噴霧分裂距離を測定する方法が知られている(1980年自動車技術会論文集No.21,1980第5頁〜第11頁「ディーゼル噴霧の到達距離と噴霧角」廣安博之、新井雅隆)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した高速度カメラを用いる方法では、カメラとしてCCDカメラを用い撮影した画像をコンピュータの表示画面を介して可視化し、その可視化した画像で噴霧到達距離及び噴霧分裂距離を測定するにしても、噴霧先端の特定が測定作業者により異なり、しかも多数の画像を処理しなければならず、多大な工数がかかり、測定結果が出るまでに長時間を要すると言った不具合があった。また測定作業者の噴霧先端の特定の仕方により精度が異なるため、測定作業者の熟練度が測定精度に関係して高い精度の測定が困難なことがあった。
【0005】本発明は、このような不具合を解消することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち、本発明に係る液体の噴射分裂距離測定方法は、液体の噴射軸に沿って設定した測定位置において、噴霧された液体の先端が噴射開始から通過するまでの時間を測定し、その測定した時間の統計処理を行い、統計処理により得られた数値と測定位置とに基づいて噴霧の分裂距離を測定する構成である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、液体の噴射軸に沿って複数の測定位置を設定し、同一の測定位置に対して液体を複数回噴射し、それぞれの噴射における液体の噴射開始から設定された測定位置に噴射された液体の先端が到達するまでの到達時間を各測定位置毎に測定し、各測定位置毎に測定された到達時間の統計処理を行い、統計処理により得られた数値と各測定位置とに基づいて噴射された液体の噴霧分裂距離を測定することを特徴とする液体の噴射分裂距離測定方法である。
【0008】このような構成のものであれば、噴射された液体の挙動を利用して、略リアルタイムで噴霧の分裂距離を測定することが可能になる。すなわち、液体を噴射すると、噴射初期にはある程度の距離まで液体の状態つまり液柱の状態で存在する。この液柱の状態では液体の運動量が大きく、ある測定位置までの到達時間すなわち到達距離にばらつきは生じない。この後、時間が経過すると、液体は噴射された空間の周囲の空気との剪断あるいは後続の液柱の追い越し(衝突)により、分裂が促進されて液滴あるいはそれが蒸発した蒸気の混合物として噴霧に形成される。この噴霧の形成は、その時の剪断あるいは追い越しの状態により変化し、液柱の状態と異なり到達距離にばらつきを生じる。
【0009】したがって、それぞれの測定位置において複数回の噴射それぞれの到達時間を測定し、測定した到達距離がばらつくことによりその測定位置で測定した到達距離を統計処理して得られる数値が変化することを検出すれば、噴射された液体が液柱の状態から分裂が生じる状態に変化する距離つまり噴霧分裂距離を、測定位置と噴射の開始からの到達時間を統計処理して得られた数値とに基づいて測定することが可能になる。このように、統計処理が終了した時点で統計処理により得られた数値の変化を判定することにより噴霧分裂距離を測定し得るので、略リアルタイムでの測定が可能になる。しかも、液体の噴射毎にその噴射画像を撮影することがないので、撮影に要する時間及び撮影で得られた画像の解析に要する時間が不要となり、測定に要する工程を顕著に短縮することが可能になるものである。しかも、測定作業者が撮影した画像の噴霧の先端までの距離測定を行わないので、測定精度を高くすることが可能になる。
【0010】具体的な到達時間の測定方法としては、到達時間の測定を、測定位置に光を照射し、その照射した光が噴射された液体により散乱して生成される散乱光が噴射開始時点から遅延して検出されるまでの遅延時間に基づいて行うことが好ましい。このような方法にあっては、光を照射し、照射した光が測定位置において液体に衝突することで散乱光が生じる。この散乱光は、噴射した燃料が移動していることにより、ドップラ効果でその波長が照射した光とは異なることになる。したがって、散乱光は照射した光と波長が異なるために、その検出が容易になり、この散乱光が液体を噴射開始した時点から遅延して検出されるまでの遅延時間に基づいて、測定位置における到達時間を確実に測定し得るものである。このように、光のドップラ効果を利用して散乱光の検出までの遅延時間に基づいて到達時間を測定するので、測定作業者の熟練度が測定に影響することがなく、測定精度を高くすることが可能になるとともに、測定時間を短縮することが可能になるものである。
【0011】このような噴霧分裂距離の測定において、統計処理により得る数値としては、標準偏差、分散等が好適である。標準偏差を用いる場合、到達時間と単位を同じにすることができるので、分散の値を用いるより利便性を向上させることが可能になるものである。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の噴射分裂距離測定方法を実行するための測定装置1で、液体例えばディーゼルエンジンの燃料をその噴射軸S方向に噴射するインジェクタ2に噴霧開始の噴射信号を供給する信号発生器11と、レーザ光を発生するとともに測定位置において燃料に衝突して生じる散乱光を検出して電気信号すなわちドップラ信号に変換する光源・光検出部12と、例えば光ファイバを用いて光学的に光源・光検出部12に接続される測定用プローブ13と、信号発生器11から出力される噴射信号と測定用プローブ13から光源・光検出部12に入力される散乱光に基づいて光源・光検出部12が出力するドップラ信号とに基づいて到達時間を測定するとともに、統計処理して得られる値としての測定された到達時間の標準偏差σを各測定位置毎に演算する測定部14と、測定部14により演算された標準偏差σを各測定位置に対応させてグラフあるいは数値で表示する表示装置15とを備えている。なお、測定用プローブ13は、測定部14において燃料の噴射軸Sに沿って設定される各測定位置に対して移動させるトラバース装置(図示しない)により、それぞれの測定位置に対してレーザ光を照射するように、インジェクタ2に最も近い測定位置に対応する位置から順次噴射の下流側の対応位置に移動するものである。
【0013】測定用プローブ13は、円筒形の本体13hと、その本体13h内に平行に配置される受光レンズ13a及び集光レンズ13bと、集光レンズ13bに平行光を照射する一対のコリメートレンズ13cとを備えている。コリメートレンズ13cには、光源・光検出部12にその一端が接続された送光用光ファイバ13dの他端が近接して配置される。同様に、受光レンズ13aには、光源・光検出部12にその一端が接続された受光用光ファイバ13eの他端が近接して配置される。
【0014】このような構成において、光源・光検出部12からレーザ光が照射されると、レーザ光は送光用光ファイバ13dを介してコリメートレンズ13cに入射する。それぞれのコリメートレンズ13cを通過した平行光は、集光レンズ13bの外周近傍を透過することにより噴射軸S上の測定位置において所定の角度でもって交差し、噴射された燃料が噴射軸上で一定の体積つまり測定体積となっている空間に集まる。このようにレーザ光が測定位置に照射されている状態で、信号発生器11から噴射信号が出力されると、インジェクタ2が作動し、液体の燃料が噴射軸Sに沿って噴射される。噴射された燃料が測定位置に達すると、測定位置に照射されたレーザ光が噴射された燃料により散乱し、ドップラ効果で照射したレーザ光とは波長の異なる散乱光が生成される。生成された散乱光は、集光レンズ13bで受光し平行光にされた後、受光レンズ13aにより集光され、受光用光ファイバ13eを介して光源・光検出部12において検出される。
【0015】この到達時間の測定は、以下に詳述する手順により行うものである。測定部14に内蔵される到達時間測定のためのプログラムにおいて、ある測定位置に対して所定回数n例えば20回の噴射を行うように設定してあるとともに、測定位置に対応する測定用プローブ13を静止させる位置が、インジェクタ2の噴孔を原点とする測定位置に対応して、所定の移動距離ΔZ例えば5mm間隔(ピッチ)で噴射の下流側に向かって設定してある。この実施例では、インジェクタ2に最も近い測定位置は、原点から5mmの位置に設定してある。なお、測定位置は、隣り合う測定位置の間隔が狭いほど噴霧分裂距離の測定精度が高くなるものである。同様に、ある測定位置に対する噴射回数についても、回数が多いほど測定精度を高くすることができるものであり、それぞれ上記した数値に限定されるものではない。
【0016】到達距離の測定は、インジェクタ2に出力される噴射信号の立ち上がり時点から遅延して検出される散乱光の検出された時点までの時間差により行うものである。つまり、レーザ光が測定位置に照射されている状態において、燃料が噴射軸S上に噴射されて測定位置に達すると、上述のように散乱光が生成される。この散乱光は、インジェクタ2から噴射され、噴射された燃料が測定位置に達しないと生成されない。それゆえ、噴射信号がインジェクタ2に出力されてから、同一の噴射圧及び同一の雰囲気圧下では原点から測定位置までの距離に比例して長くなる遅延時間が経過した後、散乱光が生成されるものである。以下に、測定の手順を詳述する。
【0017】図2に示すフローチャートは、到達時間の測定手順を概略的に示すものである。まず、測定部14において、測定開始の指令を行うと、トラバース装置が駆動されて最初の測定位置にレーザ光が照射されるように測定用プローブ13を対応するプローブ静止位置まで移動して測定を開始する(ステップS1)。このプローブ静止位置の原点からの距離つまり最初に測定を行う測定位置の原点からの距離をZ0 とする。この場合、最初の測定位置はインジェクタ2に最も近い位置ではあるが、原点の次に設定された測定位置である必要はない。つまり、この実施例の測定方法では、標準偏差の動向が変化する測定位置を検出すればよいので、標準偏差の動向が変化する前後の測定位置が推測できる場合には、最低限その前後の2ヶ所の測定位置に対してこの方法を実行すればよいものである。
【0018】次にステップS2では、測定位置に対応して測定用プローブ13を静止させた状態でインジェクタ2を駆動し、所定回数nの燃料噴射を行い、それぞれの噴射に対して燃料噴射から測定位置に燃料が到達するまでの到達時間を測定する。噴射は、噴射期間を例えば1msec.として、大気下では例えば1秒間に5回、高圧下では例えば1回/秒の割合でn回繰り返し行う。このようにして噴射される燃料の到達時間は、信号発生器11が出力した噴射信号の立ち上がりから、コリメートレンズ13cを介して測定位置にある液柱を含む噴霧により生じた散乱光に対応するドップラ信号の立ち上がりまでの遅れ時間Td(図3)により測定する。ドップラ信号は、高速で移動する燃料の噴霧にレーザ光が照射されて、ドップラ効果により波長が照射されたレーザ光とは異なった散乱光を、光源・光検出部12において検出して電気信号に変換したものである。
【0019】ステップS3では、測定したn個の到達時間の値の標準偏差σを演算する。標準偏差σの演算は、一般に知られた統計処理において行うものであってよい。ステップS4では、演算した標準偏差σが噴霧分裂距離を測定するための基準となる基準標準偏差σb より大であるか否かを判定する。この基準標準偏差σb は、実験的に求めた値で、この実施例では例えば10(μsec.)に設定してある。基準標準偏差σb を設定するにあたっては、各測定位置における標準偏差σをプロットし、標準偏差σの動向が変化する測定位置に基づいて設定すればよい。具体的には、標準偏差σは、図4の(a)及び(b)に示すように、噴射された燃料が液柱である場合はその到達距離にばらつきがないため、その動向に大きな変化がなく略一定の値を示すものである。そして、液滴の状態では、周囲の雰囲気に影響されて液滴が測定位置に到達するまでの時間がばらついて標準偏差σがばらつくために、液柱の到達距離の標準偏差σに比較してその値の動向が変化する。つまり、基準標準偏差σb を設定した位置より下流にある測定位置で演算された標準偏差σは、徐々に大きくなる傾向を示すものである。これは、液柱から分裂後の噴霧液滴は周囲流の影響により変動が大きくなり、噴霧先端が噴霧軸S上からずれるために生じるものである。したがって、この動向が変化する境界すなわち変曲点における標準偏差σを基準標準偏差σb として設定しておくことにより、噴霧分裂距離を測定し得るものである。なお、図4の(a)は、燃料の噴射圧が50MPaで、雰囲気圧が1.15MPaの場合の標準偏差σと測定位置との関係を示したもので、(b)は噴射圧が100MPaで、雰囲気圧が1.15MPaの場合の標準偏差σと測定位置との関係を示したものである。また、雰囲気圧を上記のものよりさらに高くした場合にあっても、上記雰囲気圧の場合と同等の変化の傾向を示すものである。
【0020】次に、ステップS4において、演算した標準偏差σが基準となる基準標準偏差σb を上回っていると判定した場合はステップS5に移行し、標準偏差σが基準標準偏差σb を上回った測定位置までの距離を、噴霧分裂距離とする。この場合、測定用プローブ13を移動させた回数をiとすると、原点から測定位置までの距離Zつまりは噴霧分裂距離は、下式により演算する。
Z=Z0 +i×ΔZ (1)
【0021】ステップS4において、演算した標準偏差σが基準となる基準標準偏差σb を下回っていると判定した場合は、ステップS6に移行し、測定位置を移動距離ΔZだけ下流に移動する。つまり、測定用プローブ13を移動距離ΔZだけトラバース装置により移動させる。この後、測定用プローブ13が目的の測定位置に対応する位置に移動して静止すると、ステップS2、ステップS3及びステップS4を実行して、目的の測定位置における標準偏差σが基準標準偏差σb を上回っているか否かを判定し、上回っていればステップS5において原点からその測定位置までの距離Zを噴霧分裂距離とする。
【0022】このように、この測定方法では、複数の測定位置において測定した噴射された燃料の到達時間の標準偏差σが、基準標準偏差σb を上回っているか否かにより噴霧分裂距離を測定するので、設定した複数の測定位置の全てにおいて測定を行う必要がない。つまり、最初の測定を行う測定位置において、標準偏差σが基準標準偏差σb を下回った場合は、ステップS1〜ステップS4を実行した後ステップS6を実行し、測定位置を移動距離ΔZだけ下流の測定位置に移してステップS2〜ステップS4を実行する。この2番目の測定位置においても標準偏差σが基準標準偏差σb を下回った場合は、再度ステップS6を実行し、測定位置をさらに移動距離ΔZだけ下流の測定位置に移してステップS2〜ステップS4を実行する。そして、この3番目の測定位置において標準偏差σが基準標準偏差σb を上回った場合は、ステップS5を実行して、上記式(1)における回数iを2にして距離Zの演算を行い、その距離Zを噴霧分裂距離として測定する。
【0023】したがって、標準偏差σの演算が終了した時点で噴霧分裂距離を測定することができる。つまり、連続する複数の標準偏差σが略安定している状態からばらついた状態に変化する測定位置を検出すれば、その時点で測定が終了するので、略リアルタイムで噴霧分裂距離の測定を実施することができる。また、設定した測定位置の全てに対して到達距離の測定を実施する必要がないので、時間を短縮できるものである。すなわち、ある測定位置における標準偏差σが基準標準偏差σb を上回ることにより噴霧分裂距離を測定するので、標準偏差σの動向が変化した時点で測定を終了することができる。したがって、その測定位置より下流側に測定位置が残存していても、それらの測定位置における測定を実施する必要がなく、それらの測定位置における測定に要する時間分だけ合計測定時間を短縮することができる。
【0024】しかも、各測定位置における噴霧状態を撮影することもなく、その撮影した画像から到達時間を計測することもないので、高価な高速度カメラが不要であり、測定に要する費用を低く抑えることができるとともに、工数を削減することができる。それゆえ、全体として測定時間を可及的に短縮することができる。なお、本発明は以上に説明した実施例に限定されるものではない。
【0025】その他、各部の構成は図示例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、それぞれの測定位置において複数回の噴射それぞれの到達時間を測定し、測定した到達距離がばらつくことによりその測定位置での測定した到達距離を統計処理して得られる数値が変化することに基づいて、噴射された液体が液柱の状態から分裂が生じる状態に変化する距離つまり噴霧分裂距離を、測定位置と噴射の開始からの到達時間を統計処理して得られた数値とに基づいて測定するので、測定を簡略化することができ、よって測定に要する時間を短縮することができる。また、統計処理が終了した時点で統計処理により得られた数値の変化を判定することにより噴霧分裂距離を測定し得るので、略リアルタイムでの測定ができる。しかも、噴射された液体を撮影し、撮影した画像から噴霧分裂距離を実測するものではないので、撮影に要する時間及び撮影で得られた画像の解析に要する時間が不要となり、測定に要する工程を顕著に短縮することができるとともに、測定誤差が発生せず測定精度を高くすることができる。
【0027】到達時間の測定を、測定位置に光を照射し、その照射した光が噴射された液体により散乱して生成される散乱光が噴射開始時点から遅延して検出されるまでの遅延時間に基づいて行うようにすれば、測定作業者の熟練度が測定に影響することがなく、測定精度を高くすることができるとともに、測定時間を短縮することができる。
【出願人】 【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
【出願日】 平成11年12月17日(1999.12.17)
【代理人】 【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
【公開番号】 特開2001−174246(P2001−174246A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−358928