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【発明の名称】 トンネル内監視システム
【発明者】 【氏名】森 明久

【氏名】上田 和良

【要約】 【課題】トンネル内に生ずる振動或いは音を検出することにより、トンネル内におけるコンクリート崩落等の発生を常時監視し、2次的災害を防止する。

【解決手段】トンネル内にその貫通方向に沿って複数の振動又は音波検出センサ3a〜3nを配置すると共に、夫々のセンサに到達する振動又は音の時間差、或いは、レベル差に基づいて、振動源がトンネル2内外のいずれに位置するかを判定(推測)することによって、トンネル2内における異物の落下を検知し、予め定められた所定の場所に自動通報すると共に、該所定場所からの遠隔操作によりトンネル2内映像を確認できるので、トンネル2内の異常を直ちに検出し、この発生原因を調査し、更に、危険度を判定して警告表示することが可能なトンネル内監視システムが実現できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】トンネル内にその貫通方向に沿って複数の振動又は音波検出センサを配置すると共に、夫々のセンサに到達する振動又は音の時間差に基づいて、振動源がトンネル内外のいずれに位置するかを判定することによって、トンネル内における異物の落下を検知することを特徴とするトンネル内監視システム。
【請求項2】トンネル内にその貫通方向に沿って配置した複数の振動又は音波検出センサと、該センサの出力をモニタしておき該センサに到達する振動又は音の時間差に基づいて振動源がトンネル内に位置するものであるか否かを判定する制御装置と、前記振動源がトンネル内に位置するものと判定されたとき、その旨を無線或いは有線にて所定の場所に伝達する通信手段とを具備したことを特徴とするトンネル内監視システム。
【請求項3】前記トンネル内に鉄道線路が敷設されている場合において、前記センサを鉄道線路に音響的若しくは振動的に結合したことを特徴とする請求項1又は2記載のトンネル内監視システム。
【請求項4】トンネル内にその貫通方向に沿って配置した複数の振動又は音波検出センサと、夫々のセンサに到達する振動又は音の時間差に基づいて音源又は振動源が当該トンネル内に位置するものであるか否かを判定する制御装置と、トンネル壁に付したガイドレールに沿ってトンネル内を移動可能なテレビカメラと、当該テレビカメラの映像信号を所要地点に伝送する通信手段とを備え、前記制御装置から振動源又は音源がトンネル内に位置する旨の信号を出力したとき、前記テレビカメラを駆動すると共に、前記振動源又は音源近傍に移動するようにしたことを特徴とするトンネル内監視システム。
【請求項5】前記移動式テレビカメラに置換して、トンネルの貫通方向に沿って複数のテレビカメラを配置すると共に、前記制御装置によって特定された振動源又は音源位置近傍のテレビカメラを起動し、その映像を前記所要地点に伝送することを特徴とする請求項4記載のトンネル内監視システム。
【請求項6】前記トンネル内に鉄道線路が敷設されている場合において、前記センサを鉄道線路に音響的若しくは振動的に結合したことを特徴とする請求項4又は5記載のトンネル内監視システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル内監視システムに関し、特に、崩落等のトンネル内異常を振動や音として検知すると共に、発生位置を特定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄道等のトンネルの崩落事故が問題となっている。トンネル壁材にはコンクリートが多用されているが、このコンクリートの組成品質のばらつきや、湿度等のトンネル環境の差異から、コンクリートの耐久寿命が様々であるため、いつ崩落事故が起きるか予測することは非常に困難である。一方、トンネルの管理者は、この予防保全として、定期的に複数のトンネルについて、目視検査、打音検査などの点検をして対応している。
【0003】上述の目視検査によればトンネル壁表面の亀裂や、はく離等を発見することができ、また、打音検査によれば目では確認しにくいひびや、浮き等を発見することができる。そして、これらの予兆部分を危険箇所として認識し、崩落等の危険度合いを判断し、必要があると判断すれば修復工事や補強工事をして対処していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来のトンネル内点検を十分に行なったとしても、全ての危険箇所を完全に認識することは困難であるから、たとえ発見した危険箇所の全てについて補強工事等を施したとしても崩落事故の発生防止は困難である。つまり、定期点検で見つけられなかった箇所、及び定期点検後に危険な状態に達した箇所にあっては、崩落の発生を防止することはできない。例えば、定期点検した後に崩落が起き、鉄道線路上等にコンクリートの塊があったならば、それを知らないでトンネルに進入した列車等は脱線、転覆等の重大な事故を起こしてしまう虞がある。そこで、コンクリートの崩落による2次的な災害の防止が必要となってくるが、これまでの定期点検等では、崩落が発生した際に直ぐさまそれを発見して対応することができなかった。
【0005】本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、トンネル内に生ずる振動或いは音を検出することにより、トンネル内におけるコンクリート崩落等の発生を常時監視することが可能なトンネル内監視システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明に係わるトンネル内監視システム請求項1の発明は、トンネル内にその貫通方向に沿って複数の振動又は音波検出センサを配置すると共に、夫々のセンサに到達する振動又は音の時間差に基づいて、振動源がトンネル内外のいずれに位置するかを判定することによって、トンネル内における異物の落下を検知することを特徴とする。また、本発明に係わるトンネル内監視システム請求項2の発明は、トンネル内にその貫通方向に沿って配置した複数の振動又は音波検出センサと、該センサの出力をモニタしておき該センサに到達する振動又は音の時間差に基づいて振動源がトンネル内に位置するものであるか否かを判定する制御装置と、前記振動源がトンネル内に位置するものと判定されたとき、その旨を無線或いは有線にて所定の場所に伝達する通信手段とを具備したことを特徴とする。また、本発明に係わるトンネル内監視システム請求項3の発明は、前記請求項1又は2記載のトンネル内監視システムにおいて、前記トンネル内に鉄道線路が敷設されている場合において、前記センサを鉄道線路に音響的若しくは振動的に結合したことを特徴とする。また、本発明に係わるトンネル内監視システム請求項4の発明は、トンネル内にその貫通方向に沿って配置した複数の振動又は音波検出センサと、夫々のセンサに到達する振動又は音の時間差に基づいて音源又は振動源が当該トンネル内に位置するものであるか否かを判定する制御装置と、トンネル壁に付したガイドレールに沿ってトンネル内を移動可能なテレビカメラと、当該テレビカメラの映像信号を所要地点に伝送する通信手段とを備え、前記制御装置から振動源又は音源がトンネル内に位置する旨の信号を出力したとき、前記テレビカメラを駆動すると共に、前記振動源又は音源近傍に移動するようにしたことを特徴とする。また、本発明に係わるトンネル内監視システム請求項5の発明は、前記請求項4記載のトンネル内監視システムにおいて、前記移動式テレビカメラに置換して、トンネルの貫通方向に沿って複数のテレビカメラを配置すると共に、前記制御装置によって特定された振動源又は音源位置近傍のテレビカメラを起動し、その映像を前記所要地点に伝送することを特徴とする。また、本発明に係わるトンネル内監視システム請求項6の発明は、前記請求項4又は5記載のトンネル内監視システムにおいて、前記トンネル内に鉄道線路が敷設されている場合において、前記センサを鉄道線路に音響的若しくは振動的に結合したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図示した実施の形態例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は本発明に係わるトンネル内監視システムの実施の形態例を示す概略図である。
【0008】この例に示すトンネル内監視システムは、鉄道線路1が敷設されたトンネル2において、前記トンネル2内の側壁面に所定間隔で配置した複数の振動センサ3a〜3nと、前記トンネル2内に据え付けた移動用レール4上に配置した複数の撮影機5a〜5nと、前記振動センサ3a〜3n及び撮影機5a〜5nに接続されこれらからの信号を収集するトンネル局6と、前記トンネル局6に接続し前記トンネル2の出入口に設置した表示器7a、7bと、無線或いは有線による通信回線8を介して前記トンネル局6に接続する監視センター9とを備えている。
【0009】前記振動センサ3a〜3nは、音波を捉えることが可能なものであり、例えば、マイクロホンや振動ピックアップ等であり、ここでは空気中を伝播する音波を捉えるためのマイクロホンM1〜5として示す。また、前記撮影機5a〜5nは、映像を捉えることが可能なものであり、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサを用いたカメラ等であり、ここでは可視光領域のカラー映像を得るためにライトを備えたカメラC1〜3として示す。なお、鉄道線路1上の映像やトンネル内天井部の映像を撮影するために、カメラのレンズ方向が上下に可動できる構造にするか、或いは、複眼レンズ構成として反射鏡等により同一画面上に線路と天井の映像を映せるようしたものが望ましい。
【0010】そして、前記トンネル局6は、図2に示すよう構成されている。図2は、本発明に係るトンネル内監視システムのトンネル局の構成例を示す機能ブロック図である。この図に示すトンネル局6は、前記振動センサ3a〜3nを収容するセンサIF(Interface)部10と、前記撮影機5a〜5nを収容するカメラIF部と、前記振動センサにて収集した振動レベルや振動波形などの音波データ及び前記撮影機にて収集した映像データを記憶すると共に、予め所定の基礎データが記憶してある主記憶部12と、前記表示器7a、7bを駆動するための表示駆動部17と、前記通信回線8を介して監視センター9との通信を行なう通信部16とが、共通母線(BUS)を介してトンネル局6を統括制御するCPU(Central Processing Unit)、ROM、RAMに接続されている。
【0011】この図に示すトンネル内監視システムは以下のように機能する。即ち、前記マイクロホンM1〜M5の配置毎に、それぞれトンネル2内の区間割当てがなされており、前記トンネル局6は、これらマイクロホンM1〜M5を並列に監視している。そして、トンネル2内において、崩落等による衝撃音(音波)が発生すると、前記マイクロホンにより、これを検出するのである。このとき、前記マイクロホンM1〜M5のうち衝撃音の音源に最も近いマイクロホンが最初に音波を検出することになる。そして、トンネル局6は、何れかのマイクロホンに音波を検出したときから、各マイクロホンからのデータを一斉にモニタして音波の到達時刻差及び音波のレベルを取得するのである。
【0012】上述の様子を図3を参照しつつ説明する。図3(a)は、鉄道線路1上にコンクリート片18が崩落した場合の例を示す概略図であり、ここでは圧電型振動ピックアップH1〜Hnを前記鉄道線路1の側面に貼付け固定した例を示している。また、図3(b)は、同一時間軸上における各センサの音波検出の様子を示すタイミングチャート例である。
【0013】つまり、トンネル2内にて崩落等の異常が発生した場合には、コンクリート片18の落下衝撃により音波が発生し、これを受けた鉄道線路1は、その場所から両方向へ音波を伝播する。そして、鉄道線路1を伝播する音波(表面波)を圧電型振動ピックアップH1〜Hnにより検出すると(b)に示すようになる。この場合にあっては、振動ピックアップH4或いはH5にて最初の振動検出があり、続いて振動ピックアップH3及びH6→振動ピックアップH3→振動ピックアップH1のような順で振動検出がなされている。これは鉄道線路1を伝播する音波の伝播遅延に基づく時間差であり、このことから最初に振動を検出した振動ピックアップH4とH5間に振動源、即ち崩落箇所があることが推測することができるのである。また、例えば、前記振動ピックアップを10m毎に設置する場合であれば、鉄道線路1の伝播表面波を計測する際のクロック周波数は、100kHz程度あれば足りる。但し、更に精密に波形を観測する必要があれば、サンプリング周波数として更に高い周波数を用いる必要があろう。
【0014】また、各振動ピックアップH1〜Hnにて検出される振動レベルは、振動源から遠ざかるほど減衰して小さくなるので、これに基づいて振動源の位置を推測することも可能である。
【0015】ところで、上述のように設置した振動センサ(振動ピックアップH1〜Hn)は、鉄道線路1を通過する電車の振動をも検出してしまうことになる。この場合の様子を図4に基づき説明する。図4(a)は、トンネル2への進入方向(一方をA方向とすれば、その逆をB方向とする)別に電車が通過する様子を示す図であり、図4(b)は、A方向から電車が進入した場合の通過振動検出例を示すタイミングチャート図であり、図4(c)は、B方向から電車が進入した場合の通過振動検出例を示すタイミングチャート図である。つまり、電車の通過時には(b)及び(c)の図に示すように、A方向又はB方向の何れか最端部に設置した振動センサから順に振動検出が発生するという特徴を有する一方、検出される振動波形にもコンクリート崩落の場合とは異なる特徴がある。
【0016】崩落等の場合と電車通過の場合とでは、振動波形の立上り及び立下り、振動波形の持続時間、振動波形レベル(減衰の程度)、振動スペクトル等が異なるので、トンネル局6は、これら特徴的振動波形情報を予め記憶しておき、これらとの比較を行なうことで、電車通過時の振動とそれ以外の振動とを判別することができる。
【0017】また、これと同様に地震による振動にあっては、振動センサ3a〜3nがほぼ同時、或いは何れか最端の振動センサから順に振動検出され、且つ、それぞれの振動波形レベルも同等となるであろうことから、トンネル2内の異物落下等による衝撃音(振動)との判別が可能である。
【0018】このような処理を、トンネル局6のセンサIF部10が、CPU13の制御に基いて行なっており、前記CPU13は振動源位置を推定することができる。
【0019】こうして、振動を検出したトンネル局6は、通信部16を用いて遠隔地にある監視センター9に通報する。例えば、PHSや携帯電話等の一般公衆回線を通信回線8に用いて、オートダイヤルによるダイヤルアップ接続をしてデータ通信を行なうようにしてもよい。このとき、監視センター9に通報するデータとしては、異常発生の旨と、推定されるトンネル内振動源の発生場所(区間或いは座標情報)と、振動波形データ等が考えられる。
【0020】以下に本発明のトンネル内監視システムの動作手順例を、図を用いて更に詳細に説明する。図5は、本発明に係るトンネル内監視システムの動作手順例を示すフローチャート図である。
【0021】まず、トンネル局6は、トンネル内に設置した複数の振動センサ3a〜3nのうち、何れかのセンサに振動反応を検出したか否か判断する<STEP1>。これは、各振動センサに所定の閾値を設定し、これを超える振動(音圧)を監視しており、この閾値を超える振動反応が無ければ(NO)、引き続いて監視を継続し、この閾値を超える振動反応が有ったならば(YES)、全ての振動センサからの振動検出データ収集を一斉に開始する<STEP2>。このときデータを収集する時間は、予め定めた一定時間(例えば30秒間)でも良いし、振動が継続している間中収集しても良い。但し、後者の場合にあっては、必要十分なところで上限時間を定めるべきであろう。
【0022】また、前記STEP2の実行と同時に、前記振動センサ3a〜3nからの振動データのうち、何れか適当なセンサからの振動波形データを主記憶部12に記憶する<STEP3>。例えば、最初に反応した振動センサのデータはレベルが大きすぎて波形全体がつかめないような場合には、少し遅れて反応した別の振動センサからの波形を記憶するようにする。こうすれば、波形の立ち上がりも欠けることなく捉えることができる。なお、ここで記憶する振動波形データは、その後に振動解析処理に用いることを想定しているので、再生波形に劣化を伴う圧縮は行なわないようにするのが望ましい。
【0023】次に、前記STEP2によって収集したデータから、各振動センサの相対検出時間差、及び各振動センサの相対検出レベル差を計り、これらに基いてトンネル内のどの位置にて振動が発生したかを特定(推測)する<STEP4>。このときトンネル局6は、電車通過や地震等との区別についても判定を行なっており、前記推測された振動源区域がトンネル内であったならば、表示器7a、7bに注意警告表示を行い<STEP5>、トンネルに進入しようとする者へ警報する。これにより、電車の運転手等はトンネル内に崩落等が発生した可能性があることを察知し、電車のスピードを緩めることができる。また、前記STEP4によりトンネル内の振動源区域が特定されると、撮影機5a〜5nのうち、当該区域を担当範囲とする撮影機を起動し、撮影の準備を行なう<STEP6>。
【0024】次に、トンネル局6は、監視センター9と通信を行ない、異常発生の旨、推定されるトンネル内振動源の発生場所、取得振動波形データ等を通報する<STEP7>。
【0025】前記通報を受ける監視センター9は、監視員が常駐しており、前記STEP7による通報を受けると、当該トンネル局6に対し遠隔操作(リモート制御)を開始する。そこで、トンネル局6は、監視センター9からのリモート制御モードと、ローカル制御モードとを有し、前記リモート制御モードを優先として次の動作を行なう<STEP8>。
【0026】前記STEP8にてリモート制御が開始されたならば(YES)、前記STEP6にて準備された撮影機を駆動し、トンネル内映像を見ると共に、送られてきた振動波形を聞いたり、或いは、振動解析処理(例えば、ウエーブレット変換を応用した解析手法による)したりして、監視員が振動の発生原因を調査する<STEP9>。
【0027】そして、前記監視員は、前記調査結果に基いて危険度合いの判断を行ない<STEP10>、危険があると判断すれば(YES)、リモート制御によりトンネル2の表示器7a、7bに進入禁止警告表示を行ない<STEP11>、その後、保守員などが現地に出向いて修復処置を施すことになる<STEP12>。
【0028】前記STEP12により安全が確認された、又は、前記STEP10において危険がないと判断(NO)された場合には、監視センター9からのリモート制御によりトンネル局6の警報(警告表示)が解除される<STEP13>。
【0029】一方、前記STEP8において、直ちに監視センターからのリモート制御が開始されない場合(NO)には、トンネル局6はローカル制御モードにて予めインプットされたプログラムに基き自動的に次のような動作を行なう。まず、前記STEP6にて起動した撮影機により、推測した振動源区域の鉄道線路1上の映像、及びトンネル2内の天井映像を、移動用レール4に沿って自動的に撮影し<STEP14>、これら映像を、予め主記憶部12に撮影機の位置座標に対応付けして記憶した平常時画像データと照合(相関比較)し、異物検出等のための画像処理を行なう<STEP15>。この場合、例えば、トンネル貫通方向に並行移動した場合の映像は比較的近似した映像となることを鑑みて、照合処理すべき画像データ量を減らすなどして高速に処理する。
【0030】また、前記STEP3にて記録した振動波形データを、予め主記憶部12に記憶した複数のサンプル波形パターンと照合し、振動源の原因種別の予測を試みる<STEP16>。
【0031】そして、前記STEP15及びSTEP16の結果に基づき、事故発生の可能性を判断する<STEP17>。この判断にて事故発生の可能性有り(YES)となれば、トンネル局6は表示器7a、7bに進入禁止警告表示を行ない<STEP18>、その後に再度、監視センター9に上述の自動判定結果及び取得データ等(STEP14〜18の結果)を通報する<STEP19>。また、前記STEP17の判断にて事故発生の可能性無し(NO)となれば、前記STEP18を行なわずにSTEP19に移行する。
【0032】ここまでが、トンネル局6のローカル制御モードにて行われ、これ以後は、監視センター9からの指示待ち<STEP20>、即ち、監視センター9からのリモート制御等、人間による判断制御となる。
【0033】以上説明した本発明の実施の形態例においては、振動センサ3a〜3nとしてマイクロホンM(コンデンサマイクロホン、ダイナミックマイクロホン、エレクトレットマイクロホンなど)、及び振動ピックアップH(圧電型ピックアップ、動電型ピックアップなど)を示したが、この他に高感度震度計(3軸方向別の加速度センサや、磁気センサ等を用いたもの)を用いてもよい。また、これら振動センサ3a〜3nをトンネル2内の壁面または鉄道線路1の側面に設置し、振動(音波)を観測するという例を示したが、本発明の実施にあってはこの例に限らず、例えば、振動センサ3a〜3nをコンクリートや地中に埋設するように構成しても良い。これによれば、センサ本体や接続ケーブルが露出しないため風圧抵抗の影響を与えなくて済むと共に、固体中を伝播する直接波(P波又はS波)を観測できるので更に短時間の検出ができる。また、上述の実施の形態例においては、撮影機5a〜5nとして、ライトを備えた可視光カメラを示したが、これに限らず、例えば、赤外線カメラや高感度暗視カメラなどを用いても良い。これによれば、ライトを省略することができる。また、上述の実施例では、トンネル2の出入口に表示機7a、7bを設け、警告表示を行なうものを示したが、例えば、列車の運転手に無線等の連絡手段で危険を知らせるものや、自動列車制御システムと連係して列車を自動停止させるなど、他の警報伝達手段や管制制御手段に本発明を適用してもよいことは言うまでもない。
【0034】以上のように、本発明に係わるトンネル内監視システムは、トンネル2内に発生した崩落等を直ちに検出し、これを監視センター9に通報すると共に、表示器7a、7bに警告表示するので、異物による電車の脱線事故等を防止することができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明に係わるトンネル内監視システムは、複数の振動センサにより検出した振動波から、相対時間差及び相対レベル差を求めることにより振動源位置を判定し、所定の場所に通報すると共に、該所定場所からの遠隔操作によりトンネル内映像を確認できるので、トンネル内の異常を直ちに検出し、この発生原因を調査し、更に、危険度を判定して警告表示することが可能なトンネル内監視システムが実現できる。これにより、従来からの綿密な定期点検(目視調査、打音調査)の実施と共に、更に、素早い対応が可能となり、トンネル内事故防止に極めて優れたトンネル安全管理を行なうことができる。
【出願人】 【識別番号】000003104
【氏名又は名称】東洋通信機株式会社
【出願日】 平成11年12月22日(1999.12.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−174242(P2001−174242A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−363660