トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験




【発明の名称】 パターン自動検査装置
【発明者】 【氏名】本田 哲行

【氏名】松野 修三

【氏名】服部 新一

【要約】 【課題】TABテープの反りを矯正する反り矯正部材を小型軽量化して安価に製作でき、また取付け、交換作業を短時間に行い得るようにする。

【解決手段】TABテープ1に形成されたパターンを2台のラインセンサカメラ4A,4Bで順次撮像する。TABテープ1の反りを矯正する第1、第2のアパチャゲート部16A,16Bを各カメラに対応してX軸方向に移動自在に設け、これらのアパチャゲート部16A,16Bのピッチをカメラ4A,4Bのピッチ調整に連動して調整するように構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 反り矯正部材によってフィルムキャリアの反りを矯正するアパチャゲート部を備え、前記フィルムキャリアに形成されたパターンを複数台のカメラで順次撮像して検査するパターン自動検査装置において、前記アパチャゲート部を各カメラに対応して複数個設け、これらのアパチャゲート部のピッチをカメラのピッチ調整に連動して調整するように構成したことを特徴とするパターン自動検査装置。
【請求項2】 請求項1記載のパターン自動検査装置において、アパチャゲート部の反り矯正部材を、下面がフィルムキャリアの走行面と一致するようにフィルムキャリアの走行方向に離間して配置された一対のローラで構成したことを特徴とするパターン自動検査装置。
【請求項3】 請求項1記載のパターン自動検査装置において、アパチャゲート部の反り矯正部材を、下面がフィルムキャリアの走行パスラインよりわずかに下げたライン上でフィルムキャリアの走行面と接触するようにフィルムキャリアの走行方向に離間して配置された一対のローラで構成したことを特徴とするパターン自動検査装置。
【請求項4】 請求項1記載のパターン自動検査装置において、アパチャゲート部の反り矯正部材を、下面がフィルムキャリアの走行面と一致するようにフィルムキャリアの走行方向に離間して配置された一対のローラと、これらのローラ間に上下動自在に配設され、フィルムキャリアを上方から押圧するバックプレートとで構成し、前記フィルムキャリアの下面両側縁部を一対のキャリア支持体で支持したことを特徴とするパターン自動検査装置。
【請求項5】 請求項4記載のパターン自動検査装置において、一対のキャリア支持体は、キャリアの幅方向に連動して接近離間し、フィルムキャリアの幅に応じて間隔が調整されるように構成されていることを特徴とするパターン自動検査装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルムキャリアに形成されているパターンをカメラによって撮像し、自動的に検査するパターン自動検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子機器を小型化する手法として、ポリイミド製のフィルムキャリア(以下、TAB(Tape Automated Bonding)テープと称する)上に形成された銅箔パターンを直接ICチップの電極に接合して外部リードとする方法がある。銅箔パターンはフィルムに銅箔を接着剤で接着し、これをエッチングすることにより形成され、厚さが10〜30μm、巾がICにボンディングするインナーリード部で20〜50μm程度である。
【0003】このような微細なパターンは、エッチング処理によって形成されるため、その製造工程中に、パターンには太り、断線、ショート、細り等の欠陥が発生する。このため、従来は、これらの欠陥の有無は、人手による導通試験や目視検査によって行っていた。しかし、目視による検査は、パターンの微細化、検査人員の不足、熟練を要し目を酷使する、製造個数の増大化等の問題があった。そこで、最近ではTABテープのパターン検査をTVカメラで撮像して自動的に検査するTABテープ自動検査装置が提案されている(例:特開平6−341960号公報等)。
【0004】このTABテープ自動検査装置は、検査時間を短縮するために複数台のカメラ(ラインセンサカメラ)で同一テープ上の複数のパターンを同時に撮像し(撮像時にはテープの走行を停止する)、その画像を認識処理するとともに、これをモニタに表示して製造工程中に発生したパターンの太り、断線、ショート、細り等の欠陥を検査するようにしている。このため、TABテープ上に形成された複数のパターン間のピッチが異なるTABテープのパターン検査を行う場合には、カメラのピッチをパターン間のピッチに一致させることが必要となる。その理由は、通常TABテープには同一のパターンが一定の間隔で多数形成されていることと、各入力画像を単一の座標系で扱う必要があるからである。
【0005】一方、TABテープは通常パターンが形成さている面とは反対側の面(裏面)が凸曲面状に湾曲しているため、撮像時にはフラットに矯正してパターンをカメラの焦点に一致させる必要がある。このため、TABテープの反り矯正機構としてアパチャゲート部が設けられている。
【0006】図14にこのようなTABテープ自動検査装置の従来例を示す。同図において、1はTABテープで、このTABテープ1はシーケンサ制御部より検査開始の指令が発せられると、繰り出しリール2から間欠的に繰り出されてアパチャゲート部3に搬送されると停止し、2台のラインセンサカメラ4(4A,4B)によって2つのパターンが撮像された後、再び所定量搬送されて次の2つのパターンが撮像される。以下同様な撮像が繰り返し行われ、最終的に巻き取りリール5に巻き取られるように構成されている。
【0007】アパチャゲート部3は、TABテープ1を上方から押圧し反りを矯正する昇降自在なバックプレート6を備えている。このバックプレート6は、2台のラインセンサカメラ4A,4Bのピッチを最大ピッチに設定したときの両カメラ間に位置するテープ部分をカバーするに十分な大きさを有している。また、バックプレート6のTABテープ1を押圧する下面には黒色艶消し塗料が塗布されており、これによりTABテープ1を透過した光を吸収し、バックプレート6からの反射光がラインセンサカメラ4A,4Bに入射しないようにしている。
【0008】2台のラインセンサカメラ4A,4Bはテーブル7に配設されており、TABテープ1のパターンの大きさに応じて所定の間隔となるようにテープの走行方向(X軸方向)に移動調整されるように構成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のTABテープ自動検査装置においては、バックプレート6によってTABテープ1を押圧することにより、TABテープ1の上方への反りを矯正していた。しかしながら、2台のラインセンサカメラ4A,4Bに対して1つのバックプレート6を共通に使用しているため、プレート自体が大型化して高価になるという問題があった。また、バックプレート6の下面に塗布されている黒色艶消し塗料がTABテープ1の走行によって剥離したり摩耗すると、バックプレート6をアパチャゲート部3から取り外して新しいものと交換する必要があるが、その取外し、交換作業に時間を要するという問題もあった。特に、取付ける際にはTABテープ1との平行度が要求されるために調整および検証に時間を要するものである。
【0010】本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、TABテープの反りを簡便に矯正することができると共に、反り矯正部材を小型軽量化して安価に製作でき、また取付け、交換作業を短時間に行い得るようにしたパターン自動検査装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、第1の発明は、反り矯正部材によってフィルムキャリアの反りを矯正するアパチャゲート部を備え、前記フィルムキャリアに形成されたパターンを複数台のカメラで順次撮像して検査するパターン自動検査装置において、前記アパチャゲート部を各カメラに対応して複数個設け、これらのアパチャゲート部のピッチをカメラのピッチ調整に連動して調整するように構成したことを特徴とする。このような構成においては、アパチャゲート部の反り矯正部材は各カメラ毎に設けられることになるので、小さなものとなる。
【0012】第2の発明は、上記第1の発明において、アパチャゲート部の反り矯正部材を、下面がフィルムキャリアの走行面と一致するようにフィルムキャリアの走行方向に離間して配置された一対のローラで構成したことを特徴とする。このような構成においては、一対のローラの下面にフィルムキャリアの上面が接触することで、フィルムキャリアの反りが矯正される。
【0013】第3の発明は、上記第1の発明において、アパチャゲート部の反り矯正部材を、下面がフィルムキャリアの走行パスラインよりわずかに下げたライン上でフィルムキャリアの走行面と接触するようにフィルムキャリアの走行方向に離間して配置された一対のローラで構成したことを特徴とする。このような構成においては、一対のローラの下面がフィルムキャリアの上面に接触することで、フィルムキャリアの反りが矯正される。
【0014】第4の発明は、上記第1の発明において、アパチャゲート部の反り矯正部材を、下面がフィルムキャリアの走行面と一致するようにフィルムキャリアの走行方向に離間して配置された一対のローラと、これらのローラ間に上下動自在に配設され、フィルムキャリアを上方から押圧するバックプレートとで構成し、フィルムキャリア下面両側縁部を一対のキャリア支持体で支持したことを特徴とする。このような構成においては、一対のローラの下面にフィルムキャリアの上面が接触し、ローラ間のフィルム部分をバックプレートで押圧することで、フィルムキャリアの反りが矯正される。キャリア支持体は、フィルムキャリアの下面両側縁部を案内支持する。
【0015】第5の発明は、上記第4の発明において、一対のキャリア支持体は、キャリアの幅方向に連動して接近離間し、フィルムキャリアの幅に応じて間隔が調整されるように構成されていることを特徴とする。このような構成においては、幅の異なるフィルムキャリアの支持を可能にする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。図1〜図13は本発明に係るパターン自動検査装置の一実施の形態を示すもので、図1は同装置の検査装置本体の外観斜視図、図2は同装置本体の一部を破断して示す側面図、図3はパターンの撮像を説明するための図、図4はX軸テーブルとその駆動装置を示す正面図、図5は図4のV−V線断面図、図6は図4のVI−VI線断面図、図7はZ軸テーブルとその駆動装置を示す正面図、図8は図7のVIII−VIII線断面図、図9はY軸テーブルとその駆動装置を示す平面図、図10は図9のX−X線断面図、図11はアパチャゲート部と全方位型照明装置の概略図、図12は同アパチャゲート部の斜視図、図13は同アパチャゲート部の平面図である。
【0017】図1および図2において、TABテープ1のパターン11(図3参照)を自動的に撮像し検査するパターン自動検査装置10は、床面に設置される箱型の筐体12と、この筐体12内に設置された検査装置本体13を備えている。検査装置本体13は、TABテープ1のパターン11を撮像するパターン撮像装置4と、架台14上に設置され前記パターン撮像装置4をX軸、Y軸およびZ軸方向にそれぞれ独立して移動させるテーブル機構15と、TABテープ1の反りを矯正するアパチャゲート部16等を備え、幅が35mm〜96mmのTABテープ1のパターン検査を行えるように構成されている。
【0018】TABテープ1はポリイミド製の半透明なフィルムからなり、表面側に同一形状からなる多数の微細なパターン11が印刷形成されている。このようなTABテープ1は、繰り出しリール2(図14参照)に表面側を内側にして巻回されており、テンションスプロケット17により所定のテンションが付与され、ドライブスプロケット18の駆動により前記アパチャゲート部16に間欠的に搬送され、パターン撮像装置4による一回の撮像が終了する度に巻き取りリール5に巻き取られるように構成されている。
【0019】前記パターン撮像装置4は、検査のスピードを高めるためにTABテープ1の走行方向に離間して並設された2台のラインセンサカメラ4A,4Bで構成され、前記アパチャゲート部16の真下に位置するように前記テーブル機構15に搭載されている。2台のラインセンサカメラ4A,4Bは、図3に示すようにパターン11のピッチの2倍となるように離間して配置されていることから、TABテープ1のパターン11は、2台のカメラ4A,4Bによって2コマ分のパターン11が同時に撮像される。
【0020】図1、図2、図4〜図6において、前記テーブル機構15は、Z軸テーブル21の前面に一対のリニアガイド22Aとスライダ22Bを介してX軸方向に移動自在に配設された左右一対からなる第1、第2のS軸テーブル23,24を備え、これら両テーブルによってX軸テーブルを構成している。第1、第2のS軸テーブル23,24は、Z軸テーブル21と略平行になるように垂直に配設され、前面に前記各ラインセンサカメラ4A,4Bがそれぞれ取付部材25を介して搭載されている。
【0021】また、第1のS軸テーブル23と第2のS軸テーブル24は、S軸用駆動装置26によって互いに連結されている。S軸用駆動装置26は、第1のS軸テーブル23の裏面に固定された駆動モータ27と、この駆動モータ27の回転がカップリング28を介して伝達されるボールねじ29とを備え、このボールねじ29の先端部が前記第2のS軸テーブル24の裏面に設けたナット30に螺合されている。したがって、駆動モータ27の駆動によってボールねじ29を回転させると、第2のS軸テーブル24は、第1のS軸テーブル23に対して接近または離間し、これによって2台のラインセンサカメラ4A,4Bのピッチが変えられる。なお、図4および図6において、37は軸受である。
【0022】また、前記Z軸テーブル21の前面には、前記第1、第2のS軸テーブル23,24をX軸方向に同時に移動させるX軸用駆動装置31が搭載されている。このX軸用駆動装置31は、前記Z軸テーブル21に固定された駆動モータ32と、この駆動モータ32の回転がカップリング33を介して伝達されるボールねじ34とを備えている。このボールねじ34の基部および先端部は、前記Z軸テーブル21の前面に設けた一対の軸受35,35によって回転自在に軸支され、中間部に前記第1のS軸テーブル23の裏面に設けたナット36が螺合されている。したがって、駆動モータ32の駆動によってボールねじ34を回転させると、第1のS軸テーブル23はボールねじ34に沿ってX軸方向に移動する。このとき、第2のS軸テーブル24は前記S軸用駆動装置26を介して第1のS軸テーブル23に連結されていることから、第1のS軸テーブル23と一定の間隔を保って一体に移動される。この結果、2台のラインセンサカメラ4A,4Bは、ピッチを変えないでX軸方向に移動調整される。
【0023】前記第1、第2のS軸テーブル23,24の上部には、一対の全方位型照明装置40,40と、各全方位型照明装置40,40に光源からの光を導く複数本の光ファイバ42がそれぞれブラケット43を介して配設されている。全方位型照明装置40は、図11、図12に示すように内面が半球状の拡散面40aを形成し、前記ラインセンサカメラ4A,4Bの上方にそれぞれ配設されている。光ファイバー42から全方位型照明装置40に導かれる光源からの光は、その拡散面40aで反射拡散されることにより拡散間接光となって前記TABテープ1のパターン11を照射する。そして、この拡散反射光はTABテープ1で反射した後、同じ光路を通って再び全方位型照明装置40に戻り、その拡散面40aの中心から偏心した位置に形成されているスリット45を通過することにより、前記ラインセンサカメラ4A(または4B)の受光素子(CCD)によって受光され、これによってパターン11の撮像が行なわれる。このように半球状の拡散面40aを備えた全方位型照明装置40を用いて光源からの光を拡散間接光とすると、この拡散間接光はTABテープ1のパターン11をあらゆる方向から照射するので、TABテープ1が湾曲していたとしても均等に照射することができ、パターン11の検出精度を向上させることができる。
【0024】図1、図2、図7および図8において、前記Z軸テーブル21は、固定フレーム48の前面に一対のリニアガイド49Aとスライダ49Bを介してZ軸方向に移動自在に配設されている。固定フレーム48はY軸テーブル50上に立設されており、前記Z軸テーブル21をZ軸方向に移動させるZ軸用駆動装置51が搭載されている。このZ軸用駆動装置51は、前記固定フレーム48に固定された駆動モータ52と、この駆動モータ52の回転がカップリング53を介して伝達されるボールねじ54とを備えている。このボールねじ54は、両端部が前記固定フレーム48に設けた一対の軸受55,55によって回転自在に軸支され、中間部に前記Z軸テーブル21の裏面に設けたナット56が螺合されている。したがって、駆動モータ52の駆動によってボールねじ54を回転させると、Z軸テーブル21はリニアガイド49Aに沿ってZ軸方向に移動される。このとき、前記第1、第2のS軸テーブル23,24もZ軸テーブル21と一体に移動し、これによって2台のラインセンサカメラ4A,4Bの焦点距離が変えられる。
【0025】図1、図2、図9および図10において、前記Y軸テーブル50は、架台14の上面に4本のリニアガイド61Aおよびスライダ61Bを介してY軸方向に移動自在に配設されている。架台14には、前記Y軸テーブル50をY軸方向(前後方向)に移動させるY軸用駆動装置62が搭載されている。このY軸用駆動装置62は、前記架台14に固定された駆動モータ63と、この駆動モータ63の回転がカップリング64を介して伝達されるボールねじ65とを備えている。このボールねじ65は、両端部が前記架台14に設けた一対の軸受66,66によって回転自在に軸支され、中間部に前記Y軸テーブル50の下面に設けたナット67が螺合されている。したがって、駆動モータ63の駆動によってボールねじ65を回転させると、Y軸テーブル50はリニアガイド61Aに沿ってY軸方向に移動する。なお、架台14の前端面には、パターン撮像装置4との干渉を避けるために凹部68が形成されている。
【0026】図1、図2、図11〜図13において、前記アパチャゲート部16は、前記パターン撮像装置4の上方にX軸方向に並設された第1アパチャゲート部16A、第2アパチャゲート部16Bとで構成されている。すなわち、本発明では、2つのアパチャゲート部16A,16Bを各ラインセンサカメラ4A,4Bに対応してそれぞれ設け、これら両ゲート部によってTABテープ1の各ラインセンサカメラ4A,4Bにそれぞれ対応するテープ部分の反りを個々に矯正しようとするものである。また、本発明においては、第1アパチャゲート部16A、第2アパチャゲート部16Bの間隔をラインセンサカメラ4A,4Bのピッチ調整に連動して調整するように構成している。以下、その詳細について述べる。
【0027】前記第1アパチャゲート部16Aと第2アパチャゲート部16Bは、前記テーブル機構15の上方に水平に配設された同一構造からなるP軸テーブル71,72をそれぞれ備えている。これらのP軸テーブル71,72はY軸方向に長く延在し、固定テーブル73に設けた一対のリニアガイド74Aとスライダ74BによってX軸方向に移動自在とされる。固定テーブル73は装置フレーム側に水平に固定されている。なお、図1においては、固定テーブルの図示を省略し、一対のリニアガイド74AをZ軸方向に平行に並設した例を示し、図2においては固定テーブル73の下面側に一対のリニアガイド74AをY軸方向に平行に並設した例を示しているが、リニアガイド74Aの並設方向についてはいずれであってもよい。ただし、一対のリニアガイド74Aを上下方向に並設する場合は、固定テーブル73を垂直に配設すればよい。また、各P軸テーブル71,72は、固定テーブル73のリニアガイド74Aに対して落下しないように取付けられている。
【0028】さらに、前記各P軸テーブル71,72は、第1、第2のY軸テーブル75,76上に一対のリニアガイド77Aとスライダ77Bを介してY軸方向に摺動自在にかつ分離不能に配設されている。一対のリニアガイド77Aは、前記各P軸テーブル71,72の下面側にY軸方向に延在するように敷設されている。そして、前記第1、第2のY軸テーブル75,76の下面には、前記第1、第2のS軸テーブル23,24の背面に垂直なガイドバー79,79が立設されており、これらのテーブル75,76は前記第1、第2のS軸テーブル23,24の背面に前記ガイドバー79,79が摺動自在に貫通するように固定した軸受80,80を介してそれぞれZ軸方向に相対摺動自在に連結されている。
【0029】このような連結構造においては、各第1,第2アパチャゲート部16A,16Bの間隔をラインセンサカメラ4A,4Bのピッチ調整に連動して調整することができる。すなわち、2台のラインセンサカメラ4A,4Bのピッチを可変調整するときには、図4〜図6に示したS軸用駆動装置26の駆動によって第2のS軸テーブル24を第1のS軸テーブル23に対して接近または離間させる。この第2のS軸テーブル24がX軸方向に移動すると、第2のY軸テーブル76もこれと一体に移動するため、P軸テーブル72を固定テーブル73のリニアガイド74Aに沿ってX軸方向に移動させる。したがって、第2のアパチャゲート部16BのP軸テーブル72は、第1のアパチャゲート部16AのP軸テーブル71に対して接近または離間する。この結果、第1、第2のアパチャゲート部16A,16Bの間隔は、ラインセンサカメラ4A,4Bのピッチと同一に保持される。
【0030】次に、2台のラインセンサカメラ4A,4Bをピッチを変えないでX軸方向に移動させるときには、X軸用駆動装置31の駆動によって第1のS軸テーブル23をX軸方向に移動させる。このとき、第2のS軸テーブル24は前記S軸用駆動装置26を介して第1のS軸テーブル23に連結されているため、第1のS軸テーブル23と一定の間隔を保って一体に移動する。したがって、このときは第1、第2のアパチャゲート部16A,16BのP軸テーブル71,72は、各ラインセンサカメラ4A,4Bと対応関係を保ったまま固定テーブル73のリニアガイド74Aに沿ってX軸方向に移動する。
【0031】一方、ラインセンサカメラ4A,4Bの焦点距離を変えるときには、図7、図8に示したZ軸用駆動装置51によってZ軸テーブル21、第1、第2のS軸テーブル23,24を一体にZ軸方向に移動させる。このとき、各第1、第2のS軸テーブル23,24に設けられている軸受80(図2)は、各第1、第2のY軸テーブル75,76に設けられているガイドバー79に沿って摺動するだけであるため、第1、第2のアパチャゲート部16A,16BのP軸テーブル71,72はいずれの方向にも移動することはない。
【0032】さらに、図9および図10に示したY軸駆動装置62によってY軸テーブル50をY軸方向に移動させるときには、Z軸テーブル21、第1、第2のS軸テーブル23,24および第1、第2のY軸テーブル75,76がY軸テーブル50と一体にY軸方向に移動する。このとき、第1、第2のY軸テーブル75,76は、各P軸テーブル71,72のリニアガイド77Aに沿って移動するだけであるため、P軸テーブル71,72はいずれの方向にも移動することはない。
【0033】図2、図11〜図13において、前記第1のアパチャゲート部16Aは、前記P軸テーブル71に配設された左右一対の回転自在なローラ86,86とバックプレート87を備え、これらによってTABテープ1の上方への反りを矯正する反り矯正部材を構成している。前記P軸テーブル71は、TABテープ1の走行面より上方に所定距離離間して配置され、前端部にはTABテープ1の走行方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)に長い矩形の孔88が形成されている。この孔88はラインセンサカメラ4Aの撮像視野をカバーするに十分な大きさ、言い換えればTABテープ1に形成されているパターン11の撮像を可能にする大ききを有している。
【0034】前記一対のローラ86は、前記P軸テーブル71の下面側に下面がTABテープ1の走行面と一致するように、かつ前記孔88の両側にTABテープ1の走行方向と直交するように配設され、TABテープ1の上面に接触するように構成されている。
【0035】前記バックプレート87は、前記孔88より若干小さい矩形の金属板からなり、下面が仕上げ加工を施されることにより高い平面度を有し、かつ黒色艶消し塗料90が塗布されている。そして、このバックプレート87は、左右一対の支持体91によって支持されて前記孔88内に上方から挿入されることにより通常はTABテープ1の走行面より上方に位置し、TABテープ1のパターン11の撮像時に駆動装置92の駆動によってテープ走行面まで下降されることにより上方に湾曲しているTABテープ1を押圧するように構成されている。前記支持体91は、ベースプレート97に対して上下動自在に配設され、図示しないばねによって下方に付勢されている。
【0036】前記バックプレート87の駆動装置92としてはソレノイドが用いられ、前記P軸テーブル71の上方に設けた取付板95に下向きに取付けられている。ソレノイド92の可動ロッド96の下端には、前記ベースプレート97が固定されている。前記取付板95は、前記P軸テーブル71に前後に対向するように立設した一対のブラケット98,98の上方に複数本の支柱99を介して水平に固定されている。前記ベースプレート97は前記支柱99に対して上下方向に摺動自在に配設され、図示を省略したばねによって上方への復帰習性が付与されている。したがって、ソレノイド92の駆動によって可動ロッド96を下降させると、これと一体にベースプレート97が支柱99に沿って下降するため、バックプレート87はテープ走行面まで下降してTABテープ1の上面を押圧し反りを矯正する。なお、バックプレート87の駆動装置92としてソレノイドを用いた例を示したが、これに限らずシリンダ、モータ等を用いることも可能である。
【0037】さらに、前記P軸テーブル71には、前記TABテープ1の下面両側縁部を案内支持する前後一対のキャリア支持体105,105がねじ棒106に螺合されて配設されている。このキャリア支持体105は、前記P軸テーブル71の上方に位置しTABテープ1の走行方向に延在する基部105aと、この基部105aの中間部に垂設され前記孔88に挿入された連結部105bと、この連結部105bの下端にTABテープ1の走行方向に長く延在するように設けられTABテープ1の下面側縁部を下方から支持する支持部105cとを一体に有し、基部105aが前記ねじ棒106に螺合されている。このねじ棒106は、一対のブラケット98,98間に回転自在に配設されて前端につまみ107を有し、中央より前方側と後方側のねじ山が互いに逆向きとなるように形成されている。したがって、つまみ107によってねじ棒106を回転させると、一対のキャリア支持体105は互いに接近または離間する方向に移動し、TABテープ1の幅に応じて間隔が調整されるように構成されている。なお、図13において、108は前記キャリア支持体105を案内支持するスライドバーである。
【0038】前記第2のアパチャゲート部16Bは、上記した第1のアパチャゲート部16Aと全く同一構造で左右対称的に配設されている点が異なるだけであるため、同一構成部材については同一符号をもって示し、その説明を省略する。
【0039】上記実施の形態においては、TABテープ1の上方への反りを矯正する反り矯正部材を、P軸テーブル71に配設された左右一対の回転自在なローラ86,86とバックプレート87とで構成したが、より簡便にTABテープ1の上方への反りを矯正する手段として、TABテープ1の走行パスライン、すなわちTABテープ1がテンションスプロケット17とドライブスプロケット18に張架されて走行するラインより僅かに(例えば10mm)下げたラインに、反り矯正部材として上記実施の形態と同様にP軸テーブル71に左右一対の回転自在なローラ86,86を配設し、これらのローラ86,86の下面がTABテープ1の上面に接触するように構成することができる。この場合、ローラ86,86は所定位置に回転自在に軸支するか、あるいは上下方向に長い長穴にローラ86,86の軸を挿入した構成とすることによって、ローラ86,86の自重でTABテープ1を加圧し、TABテープ1の上方への反りを矯正することもできる。
【0040】次に、上記構造からなるTABテープ自動検査装置の動作について説明する。まず、被検査用のTABテープ1を繰り出しリール2(図14)にセットしてその先端部を繰り出して第1、第2のアパチャゲート部16A,16Bに通し巻き取りリール5にセットする。
【0041】次に、電源スイッチをオンした後、TABテープ1にバックテンションを付与するとともに、TABテープ1が設定値通りに送られるように初期設定する。また、シーケンサ制御部(図示せず)の指令によりS軸用駆動モータ27(図4、図6)を駆動し、ラインセンサカメラ4Aとラインセンサカメラ4Bとの間隔がTABテープ1の1コマ分離間した間隔となるように、第2のS軸テーブル24をX軸方向に移動させる。また、X軸用駆動モータ32(図4、図5)を駆動し、第1、第2のS軸テーブル23,24をX軸方向に一体に移動させ、ラインセンサカメラ4Aとラインセンサカメラ4Bの撮像視野を調整する。さらに、Z軸用駆動モータ52(図7、図8)およびY軸用駆動モータ63(図9、図10)を駆動し、Z軸テーブル21およびY軸テーブル50をZ軸、Y軸方向にそれぞれ移動させ、ラインセンサカメラ4A、ラインセンサカメラ4BのY軸およびZ軸方向を位置決めする。
【0042】次いで、TABテープ1のパターン検査を開始する。シーケンサ制御部より検査開始の指令が発せられると、TABテープ1は繰り出しリール2から繰り出されてアパチャゲート部16に搬送されると停止し、2台のラインセンサカメラ4A,4Bによって図3に示すように1コマ分離間した2コマのパターン11A1 ,11B1 が同時に撮像可能となる。そこで、2台のラインセンサカメラ4A,4Bのスイッチがオンし、撮像が開始される。このとき、Y軸テーブル50をY軸用駆動モータ63によってY軸方向に移動させて撮像する。したがって、2台のラインセンサカメラ4A,4Bは、Y軸方向に移動しつつ各パターン11A1 ,11B1 のセンサ幅に相当する領域を順次撮像する。すなわち、ラインセンサカメラ4Aは、パターン11A1 のA1 領域,A2 領域,A3 領域を順次撮像し、ラインセンサカメラ4Bはパターン11B1 のB1領域,B2 領域,B3 領域を順次撮像する。そして、その画像を認識処理するとともにモニタに表示して製造工程中に発生したパターンの太り、断線、ショート、細り等の欠陥を検査する。このとき、ラインセンサカメラ4A,4Bで不良品と判定されたパターン画像は目視観察により良品であるか不良品であるかの再確認がなされる。なお、ラインセンサカメラ4A,4Bの長さがパターン11A、11Bの長さLより短い場合は、第1、第2のS軸テーブル23,24をX軸用駆動モータ32によってX軸方向に同時に移動させながら各領域を撮像する。
【0043】このようにして2コマのパターン11A1 ,11B1 の検査が終了すると、第1、第2のS軸テーブル23,24はX軸用駆動モータ32の駆動によって図3において矢印B方向に1コマ分だけ移動して停止する。次いで、ラインセンサカメラ4A,4Bのスイッチが再度オンして次の2コマのパターン11A2 ,11B2 の撮像が開始される。このとき、上記と同様にY軸テーブル50をY軸用駆動モータ63によってY軸方向に移動させる。したがって、2台のラインセンサカメラ4A,4Bは、Y軸方向に移動しつつ各パターン11A2 ,11B2 のA4 領域,A5 領域,A6 領域、B4 領域,B5 領域,B6 領域を順次撮像する。そして、不良品と判定されたパターンについては、上記と同様にモニタに表示された欠陥部位の画像を目視観察によって良品であるか不良品であるかの再確認がなされる。
【0044】4コマ分のパターン11A1 ,11A2 ,11B1 ,11B2 の検査が終了すると、パターン撮像装置4は初期位置に復帰し、次の4コマのパターンが撮像領域に搬送されるまで待機する。TABテープ1を間欠的に所定長さ搬送して次の4コマ分のパターンが撮像領域で停止すると、上記と同様な検査が繰り返される。このパターン検査は、繰り出しリール2に巻固されているTABテープ1がなくなるまで繰り返し行われ、最終的に不良品と判定されたパターンは、図示しないパンチャーによって穴開けされ、良品のパターンと共に巻き取りリール5に巻き取られる。
【0045】パターンの撮像に際して、TABテープ1は、繰り出しリール2から繰り出されると表面側が凸曲面となるように反る。この反った状態のままでアパチャゲート部16に搬送されると、パターン11がラインセンサカメラ4A,4Bの焦点位置からずれてしまい、鮮明な画像が得られなくなる。そこで、反り矯正部材として、一対のローラ86とバックプレート87を設けておくと、各ラインセンサカメラ4A,4Bの撮像領域に対応するテープ部分の反りを確実に矯正することができる。すなわち、第1のアパチャゲート部16Aに搬送されラインセンサカメラ4Aの撮像領域に対応するテープ部分の両端部は、一対のローラ86によって押さえ込まれて平板状になる。また、このテープ部分の中央部は、バックプレート87がテープ走行面まで降下すると押圧されて平板状になり、バックプレート87の下面に密着する。したがって、一対のローラ86間のテープ部分は反りが矯正されてテープ走行面と一致する。
【0046】また、第2のアパチャゲート部16Bに搬送されラインセンサカメラ4Bの撮像領域に対応するテープ部分も、上記したと同様に一対のローラ86とバックプレート87によって反りが矯正されて平板状となり、テープ走行面と一致する。したがって、焦点ぼけが生じず、ラインセンサカメラ4A,4Bによるパターンの撮像を良好に行うことができる。
【0047】ここで、本発明においては、各ラインセンサカメラ4A,4Bに対応して第1、第2のアパチャゲート部16A,16Bをそれぞれ設けているので、各アパチャゲート部16A,16Bのバックプレート87は1台のラインセンサカメラの撮像領域をカバーするに十分な大きさであればよく、図14に示した従来装置のバックレートに比べて1/10以下の大きさとすることができる。したがって、バックプレート87を容易にしかも安価に製作することができる。また、小型で軽量になれば、下面に塗布されている黒色艶消し塗料90が剥離したときのバックプレート87の交換作業も容易で、短時間に行うことができる。
【0048】なお、上記した実施の形態においては、反り矯正部材として一対のローラ86とバックプレート87を用いた例を示したが、本発明はこれに何等特定されるものではなく、TABテープ1が薄くてテープ幅およびパターン幅が狭い場合は、必ずしもバックプレート87を必要とせず、一対のローラ86のみを用いてもよい。また、上記した実施の形態においては、2台のラインセンサカメラ4A,4Bを用いて撮像する例について説明したが、これに限らず2台以上であってもよい。
【0049】
【発明の効果】上記したように本発明に係るパターン自動検査装置によれば、各カメラ毎にアパチャゲート部を設けているので、反り矯正部材を小型軽量化することができ、安価に製作することができる。また、小型軽量化すれば交換作業も容易で短時間に行うことができ、特にバックプレートを用いた装置に適用して好適である。
【0050】また、本発明は、カメラのピッチ調整に連動してアパチャゲート部のピッチを調整するように構成したので、アパチャゲート部のピッチを単独で調整する必要がなく、調整作業が容易である。
【0051】また、本発明は反り矯正部材として一対のローラを用いたので、フィルムキャリアが薄くて幅が狭く、パターンが短い場合に用いて好適である。
【0052】また、本発明は反り矯正部材として一対のローラとバックプレートを用いたので、フィルムキャリアが厚くて幅が広く、パターンが長い場合に用いて好適である。
【0053】さらに、本発明は、フィルムキャリアの下面両側部を支持する一対のキャリア支持体を連動して接近離間自在としたので、フィルムキャリアの幅に応じて間隔を自在に調整することができる。
【出願人】 【識別番号】000227836
【氏名又は名称】日本アビオニクス株式会社
【出願日】 平成11年12月15日(1999.12.15)
【代理人】 【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
【公開番号】 特開2001−174229(P2001−174229A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−355738