| 【発明の名称】 |
刻印読取装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】池田 孝之
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| 【要約】 |
【課題】レーザ距離計を用いて、非接触で刻印を読取る。
【解決手段】レーザ距離計2で得られる刻印部分と背景部分と距離の違いを輝度で表して原画像を設定し、その微分画像から刻印文字を切出すと共に、原画像から微分画像を減じて、両者の差分値からなるコントラスト改善画像を設定し、更に背景部分に輝度の傾きがある場合は、前記コントラスト改善画像の背景部分のうち、輝度が所定値以上の部分を一律の輝度に置き換えて背景改善画像とし、切り出された刻印文字一文字の領域から正規化相関法によるパターンマッチングで刻印文字の中心位置を求め、そこから解析エリアを決めて、刻印文字を構成する線要素の有無とその組合せから刻印文字を認識する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刻印の施された面をレーザ距離計で走査し、刻印のある刻印部分とそうでない背景部分との距離の違いから刻印を読取る装置であって、前記レーザ距離計で得られた距離の大小を原画像として画素毎の輝度で表す原画像設定手段と、この原画像の輝度を画素毎に微分し、それを微分画像として輝度で表す微分画像設定手段と、前記原画像と微分画像との輝度の差分値を求め、それをコントラスト改善画像として輝度で表すコントラスト改善画像設定手段と、このコントラスト改善画像から刻印を読取る刻印読取手段とを備えたことを特徴とする刻印読取装置。 【請求項2】 前記刻印読取手段は、前記コントラスト改善画像のうち、所定の輝度以上又はそれ以下の画素を一律な所定輝度に置き換えて、背景改善画像として表す背景改善画像設定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の刻印読取装置。 【請求項3】 前記刻印が文字である場合、前記刻印読取手段は、正規化相関法によるパターンマッチングで文字の中心を求めるパターンマッチング手段と、この中心が求められた文字の線要素の有無を解析し、その組合せから当該文字を認識するストローク解析手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の刻印読取装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば鋼板表面に刻印された文字を認識して読取る刻印読取装置に関し、特に刻印のある面をレーザ距離計で走査し、その距離の違いから刻印を読取る場合に好適なものである。 【0002】 【従来の技術】刻印は、刻印のない背景面より奥まっているので、例えばこの刻印を非接触で自動読取しようとするとき、レーザ距離計を用いて刻印のある面を走査し、刻印部分と背景部分との距離の違いに基づいて刻印を読取ろうという提案は従来からある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に非接触でレーザ距離計で得られる刻印部分と背景部分との距離の違いは極僅かであり、例えばその距離の違いを画素単位で輝度表示しても、刻印部分を背景部分と明瞭に判別することは困難である。特に、仕上げ圧延されていない鋼板表面に刻印された文字は、鋼板表面自体がさほど平滑でないため、人間の目にははっきり認識できても、レーザ距離計で得た距離の違いを輝度表示したものでは、背景部分との識別が困難で、刻印を読取ることはほぼ不可能であった。 【0004】本発明は前記諸問題を解決すべく開発されたものであり、例えば仕上げ圧延されていない鋼板のように、背景部分が平滑でない面の刻印も正確に読取ることができる刻印読取装置を提供することを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記諸問題を解決するため、本発明のうち請求項1に係る刻印読取装置は、刻印の施された面をレーザ距離計で走査し、刻印のある刻印部分とそうでない背景部分との距離の違いから刻印を読取る装置であって、前記レーザ距離計で得られた距離の大小を原画像として画素毎の輝度で表す原画像設定手段と、この原画像の輝度を画素毎に微分し、それを微分画像として輝度で表す微分画像設定手段と、前記原画像と微分画像との輝度の差分値を求め、それをコントラスト改善画像として輝度で表すコントラスト改善画像設定手段と、このコントラスト改善画像から刻印を読取る刻印読取手段とを備えたことを特徴とするものである。 【0006】一般に、刻印の輪郭部分では輝度が急激に変化しているので、原画像に刻印がある場合、これを微分すると、刻印の輪郭部分だけが浮き出たような微分画像が得られる。従って、原画像と微分画像との差分値をとると、刻印の輪郭が強調され、コントラストが改善されたコントラスト改善画像が得られる。また、本発明のうち請求項2に係る刻印読取装置は、前記請求項1の発明において、前記刻印読取手段は、前記コントラスト改善画像のうち、所定の輝度以上又はそれ以下の画素を一律な所定輝度に置き換えて、背景改善画像として表す背景改善画像設定手段を備えたことを特徴とするものである。 【0007】一般に、背景部分に輝度の傾きがあると、正規化相関法によるパターンマッチングで文字を認識することができない。特に、刻印される面が平滑でなければないほど、背景部分に輝度の傾きが生じるので、そのような場合には、背景部分の所定の輝度以上又はそれ以下の画素を一律な所定輝度に置き換えると、背景部分の輝度の傾きがなくなって、正規化相関法によるパターンマッチングを行いやすくなる。 【0008】また、本発明のうち請求項3に係る刻印読取装置は、前記請求項1又は2の発明において、前記刻印が文字である場合、前記刻印読取手段は、正規化相関法によるパターンマッチングで文字の中心を求めるパターンマッチング手段と、この中心が求められた文字の線要素の有無を解析し、その組合せから当該文字を認識するストローク解析手段とを備えたことを特徴とするものである。 【0009】線要素の有無の解析とは、一般的な刻印文字に見られる線分を要素化、所謂セグメント化し、それがあるかないかの組合せで、当該文字が何であるかという認識を行うことである。ちなみに、ストロークとは、一筆という意味があるので、ここでは線要素の有無の解析並びにその組合せの解析をストローク解析という。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の刻印読取装置を、鋼板への刻印文字を認識する装置として適用した一実施形態を示す概略構成図である。この刻印文字認識装置では、まず刻印の施された鋼板1の表面に対向配置されたレーザ距離計2をコントローラ3で駆動して、当該鋼板1の表面を走査、即ち表面上の一点一点までの距離を測定する。このレーザ距離計2による鋼板1表面各点の距離と点の位置情報とを、例えばパソコンなどで構成される刻印読取装置4に読込む。刻印読取装置4内の原画像設定部5では、この読込まれた鋼板表面各点の距離と点の位置情報とを基に、それらの距離の違いを輝度に置き換えて画素毎に表示することで、例えば距離が遠い部分が暗く、近い部分が明るい原画像を表す。従って、刻印部分は暗く、背景部分は明るい原画像が得られる。この原画像設定部5で表された原画像は微分画像設定部6で微分され、各画素の輝度と隣合う輝度との差分値の和を輝度で表した微分画像となる。この微分画像設定部6で表された微分画像は、コントラスト改善画像設定部7及び文字切出し部10で読込まれる。このうち、コントラスト改善画像設定部7では、前記原画像設定部5で表された原画像から、前記微分画像設定部6で表された微分画像を減じて、両者の差分値を輝度で表したコントラスト改善画像を作製する。 【0011】前記コントラスト改善画像設定部7で表されたコントラスト改善画像は、刻印読取部8の背景改善画像設定部9に読み込まれ、ここで背景部の所定値以上の輝度を一律の所定輝度で表して背景を改善した背景改善画像を作製する。一方、前記文字切出し部10では、後述するプロジェクションにより刻印文字のある領域、或いは刻印一文字ずつを切出し、その位置情報を、刻印読取部のパターンマッチング部11に送出する。このパターンマッチング部11では、前記切出された刻印文字領域或いは刻印一文字の位置情報を基に、前記背景改善画像設定部9で表された背景改善画像に対し、正規化相関法によるパターンマッチングを行って、刻印文字の中心を求める。そして、ストローク解析部12では、このパターンマッチング部11で設定された刻印文字の中心を用いて、前記背景改善画像設定部9で表された背景改善画像の刻印文字一文字ずつのストローク解析、即ち刻印文字線要素の有無を分析し、それらの組合せから刻印文字認識を行う。なお、各画像は、モニタ13に表示される。 【0012】次に、前記刻印読取装置で行われる処理の詳細について説明する。まず、前記原画像設定部で表される原画像の一例を図2に示す。同図から明らかなように、肉眼でははっきり認識できる鋼板表面の刻印も、レーザ距離計で測定した距離の違いを輝度で表した原画像では、刻印部分と背景部分とさえも明瞭でないし、刻印部分も、各刻印文字を明瞭に認識できるとは言えない。 【0013】読取りにくい刻印文字の例として、図3aのように背景部分の輝度に傾きがある(例えば広範にうねりがある場合など)や、図3bに示すように文字のコントラストが弱い場合が挙げられる。このうち、文字のコントラストが弱い場合には、輝度が変化する部分を抽出して刻印文字の輪郭を強調すればよいのであるから、前記微分画像設定部では、前述のようにして図4に示すような微分画像を求め、続く前記コントラスト改善画像設定部では、それを原画像から減じて、両者の差分値を輝度で表してコントラスト改善画像を得ることができる。これにより、刻印文字の輪郭が強調され、コントラストの弱さが補正される。 【0014】更に、前述のように背景部分の輝度に傾きがあると、正規化相関法によるパターンマッチングで刻印文字を認識することができないので、前記背景改善画像設定部では、前述のようにコントラストを強めたコントラスト改善画像のうち、図5に示すように輝度が一定以上の画素を一律に所定の輝度に置き換えることで、背景部分の輝度の傾きを除去することができる。 【0015】このようにコントラストと背景を整えた画像で刻印文字を正規化相関法によるパターンマッチングで認識しようとしたが、本実施形態では、夫々の刻印文字が類似しているために、認識率が低い結果が得られた。そのため、本実施形態では、先に刻印文字の切出し、つまり刻印文字一文字一文字がどこにあるのかを求め、その刻印文字の中心をパターンマッチングで求め、それを基に、各刻印文字の線要素の有無の組合せで当該刻印文字を認識することとした。 【0016】この刻印文字の切出しには、プロジェクションの技法を用いる。プロジェクションとは、図6aに示すように、例えば縦横方向への輝度の積分値(図では濃度の積分値)を求め、その積分値が他の部分よりも突出している部分に刻印文字があると推定するものである。但し、原画像では、鋼板表面、即ち背景部分に鋼板のうねりを表しており、そのうねりによる輝度変化の成分が積分値に加えられてしまう。そこで、本実施形態では、図6bに示すように、前記微分画像を用いることで、所謂ハイパスフィルタ的に鋼板表面のうねりの成分を除去することとした。図6cには、このようにして求めた刻印文字の領域の切出しを示すが、特に、この微分画像では、刻印文字の輪郭部分が強く明るく表れるので、刻印文字のある領域のみならず、刻印一文字ずつも輝度積分値で正確に判別することができる。 【0017】図7aには、上方の微分画像の1,2,…5,の刻印文字と、その輝度の積分値との関係を示すが、凡そ刻印文字同士の間は或る程度の間隔があるので、輝度の積分値にヒストグラムのような山と谷が表れる。そこで、前述のように切り出された刻印文字領域で再びプロジェクションを行い、輝度の積分値を求める。この場合は、刻印文字が5つなので、文字ピッチとして必要な間隔点は6点になる。従って、前記刻印文字領域の切出し位置始点から、文字間隔ピッチ6点の輝度の積分値の累積を行い、それを位置画素ずつずらしながら求め、累積値の最も少ない文字ピッチを刻印文字切出しピッチに設定する。図7b、cに二つの刻印文字の一文字ずつの切出しを示すが、何れも背景部分は刻印文字の状況に対して刻印文字を一文字ずつ上手く切り出していることが分かる。 【0018】このようにして刻印文字の位置が定まったら、各刻印文字のある領域毎にパターンマッチングを行うことにより、比較した辞書と読取り対象刻印文字との相関値Aと刻印文字中心位置を求めることができる。この中心位置を使って、線要素の有無を調べる領域を求め、その領域内の輝度から線要素の有無を求める。本実施形態の刻印文字の場合、図8にしめすa〜mの線要素がある。つまり、各刻印文字は、これらの線要素、所謂セグメントの組合せで表示されているのである。例えば、2という刻印文字は、図9に示すように、a,d,i〜mという線要素がなく、残りのb,c,e〜hという線要素の組合せで構成されている。また、5という刻印文字は、b,c,i〜mという線要素がなく、残りのa,d〜hという線要素の組合せで構成されている。つまり、刻印文字2と5とは、特にa〜dという線要素があるかないか、或いはそれらと残りの線要素がどのように組合わせられているかによって認識することができるのである。表1に、種々の数字やローマ字の刻印文字が、どのような線要素の組合せで構成されているかを示す。 【0019】 【表1】
【0020】この表1から明らかなように、線要素の有無を解析し、その組合せを比較すれば、当該刻印文字が何であるかを認識することができる。例えば図10では、前述のようにして刻印文字を切出し、その中心位置を求めてエリアを設定し、線要素の有無を解析したものである。同図では、c,d,e,f,g,hの各線要素があり、残りの線要素がないことから、刻印文字は3であると認識することができる。 【0021】このように刻印文字認識装置を構成したため、本実施形態では、刻印文字の認識率を97%まで大幅に向上することが可能となった。なお、刻印は必ずしも文字でなくともよく、予め設定された文様を読取らせることも可能である。また、刻印を施す対象は鋼板に限らず、あらゆるものを対象とすることができる。また、特に背景部分に輝度の傾きがない場合には、前述した背景改善画像を設定する必要がない場合もある。また、正確に刻印文字を線要素に分解できない場合には、前述した正規化相関法によるパターンマッチングだけで当該文字を認識するようにしてもよい。 【0022】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求項1に係る刻印読取装置によれば、レーザ距離計で得られた刻印の施された面までの距離の大小を原画像として画素毎の輝度で表すと共に、この原画像の輝度を画素毎に微分して微分画像として輝度で表し、両者の差分値をコントラスト改善画像として輝度で表すことにより、刻印の輪郭が強調され、コントラストを改善することができるので、そこから刻印を読取り易くなる。 【0023】また、本発明のうち請求項2に係る刻印読取装置によれば、コントラスト改善画像のうち、所定の輝度以上又はそれ以下の画素を一律な所定輝度に置き換えることにより、背景部分の輝度の傾きがなくなり、正規化相関法による刻印文字のパターンマッチングを行いやすい背景改善画像を得ることができる。また、本発明のうち請求項3に係る刻印読取装置によれば、コントラスト改善画像又は背景改善画像に対し、正規化相関法によるパターンマッチングで文字の中心を求め、この中心が求められた文字の線要素の有無を解析し、その組合せから当該文字を認識する構成としたため、刻印文字の認識率を飛躍的に向上することが可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001258 【氏名又は名称】川崎製鉄株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月14日(1999.12.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066980 【弁理士】 【氏名又は名称】森 哲也 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−174228(P2001−174228A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−355122 |
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