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【発明の名称】 光学検査装置のアライメント方法およびその機構
【発明者】 【氏名】佐藤 篤

【氏名】渋谷 潔

【氏名】蒲原 清隆

【氏名】山口 明彦

【要約】 【課題】調整設定の工数が削減され、検査測定の精度が高い干渉計を含んだ光学検査装置のアライメント方法およびその機構を提供することを目的とする。

【解決手段】第1の光学部材の基準平面4を通過した反射波面と、第2の光学部材の参照球面2を通過した反射波面とにより、前記参照球面2の頂点を中心とする円形状の第1の干渉縞を形成し、前記第1の干渉縞の中心位置を確定するステップと、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材の間に調整可能に支持した被検査レンズ1を透過した透過波面と、前記基準平面4を通過した前記反射波面とにより形成される第2の干渉縞の縞数を最少とするように前記被検査レンズ1の位置および姿勢を調整設定するステップを含む干渉計を含んだ光学検査装置のアライメント方法であり、測定の精度が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の光学部材の基準平面を通過した反射波面と、第2の光学部材の参照球面を通過した反射波面とにより、前記参照球面の頂点を中心とする円形状の第1の干渉縞を形成し、前記第1の干渉縞の中心位置を確定するステップと、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材の間に調整可能に支持した被検査レンズを透過した透過波面と、前記基準平面を通過した前記反射波面とにより形成される第2の干渉縞の縞数を最少とするように前記被検査レンズの位置および姿勢を調整設定するステップを含む光学検査装置のアライメント方法。
【請求項2】 基台に固定され、干渉計からの照射光を反射および透過する基準平面を有する第1の光学部材と、前記基台に設けられ、前記第1の光学部材を透過した前記照射光を反射する参照球面を有し、前記参照球面を通過した反射波面と前記基準平面を通過した反射波面とで形成される前記参照球面の頂点を中心とする円形状の第1の干渉縞の中心位置を確定するように設定された第2の光学部材と、前記基台に設けられ、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材の間に調整可能に支持される被検査レンズを透過した透過波面と、前記基準平面を通過した前記反射波面との間で形成される第2の干渉縞の縞数を最少とするように前記被検査レンズを調整設定する調整手段とを備え、前記調整手段は、前記被検査レンズを前記被検査レンズの光軸に直交する軸周りに調整可能に支持する第1の調整手段と、前記被検査レンズを前記被検査レンズの光軸に直交する軸方向に調整可能に支持する第2の調整手段とを含むことを特徴とする光学検査装置のアライメント機構。
【請求項3】 第1の調整手段がジンバル式であることを特徴とする請求項2記載の光学検査装置のアライメント機構。
【請求項4】 第2の光学部材は、被検査レンズの光軸の方向に調整可能な第3の調整手段を介して基台に設けたことを特徴とする請求項2記載の光学検査装置のアライメント機構。
【請求項5】 被検査レンズと第2の光学部材の間に板状の第3の光学部材を設け、前記第3の光学部材を前記被検査レンズの光軸にほぼ直交する軸周りに調整可能に支持する第4の調整手段を介して前記第2の光学部材と分離して基台に設けたことを特徴とする請求項2記載の光学検査装置のアライメント機構。
【請求項6】 第1の干渉縞の中心位置を干渉計に接続する画像解析手段により算出して確定することを特徴とする請求項1記載の光学検査装置のアライメント方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズの平面度や収差を検査測定するための干渉計を含んだ光学検査装置のアライメント方法およびその機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ディスク装置の基幹部品である光ピックアップに使用されるレンズを検査測定する際の測定方法として、例えば図2、図3に示すようなフィゾー干渉計の原理に基づいて透過波面や反射波面などの収差を検査測定する方法が用いられているが、この方法は、照射光により被検査レンズに発生する干渉縞の調整を行うためのアライメント方法および機構を必要とするものである。
【0003】以下、光学検査装置および検査測定動作などについて図面を用いて説明する。図2はフィゾー干渉計の原理を示した要部模式図、図3(a)は被検査レンズをフィゾー干渉計で検査測定する場合の光路図、図3(b)は同被検査レンズを第1面側から見た正面図、図4(a)〜(d)は被検査レンズに発生する干渉縞を説明する模式図、そして図6は従来におけるフィゾー干渉計を含んだ光学検査装置のアライメント機構の要部構成斜視図である。
【0004】図2において、10はフィゾー干渉計であり、レーザー8から放射されたレーザー光13すなわち照射光は、一度収束されてハーフミラー7を透過しコリメートレンズ6により平行ビームとなる。この平行ビームはレーザー光13の位相を整える1/4波長板5、および検査測定の反射による基準波面を発生する半透明の基準平面4を透過して被検査レンズ1に照射され、その透過光は製品の光ピックアップの保護膜に相当するカバーガラス3を透過し、被検査レンズ1の光軸14における所定の位置に調整し設置されて、曲率中心12が光軸14に設定された参照球面2により反射される。
【0005】前記の反射光は前記で説明した光路を逆方向に経由して、ハーフミラー7で反射されて認識カメラ9に収束して照射される。そして、前記認識カメラ9の出力を調整用のモニター11で映像化することにより干渉縞を観測し測定することができ、また、認識カメラ9の出力を画像解析装置(図示せず)に入力して、干渉縞の画像を任意に画像処理することができる。
【0006】図3(a)において、42は被検査レンズ1の第1面41における有効径領域、43は有効径外領域、44は有効径外領域43の外周であるフラット部であり、被検査レンズ1における光軸14に対して垂直な面である。同じく46は被検査レンズ1の第2面45における有効径領域、47は有効径外領域、そして48は有効径外領域47の外周であるフラット部である。
【0007】図3(b)においても同様に、42のハッチング部分が被検査レンズ1の第1面41における有効径領域、44はフラット部である。
【0008】図4は被検査レンズ1のフラット部および有効径領域に発生する干渉縞の例を示しており、51はフラット部に発生するフラット部の干渉縞、52はフラット部の干渉縞ヌル状態であり、調整すなわちアライメントが行われて干渉縞の縞数が1本未満となった状態である。そして、53は有効径領域の干渉縞であり、54は有効径領域の干渉縞ヌル状態であり、同じく干渉縞の縞数が1本未満となった状態である。
【0009】以下、前記の構成および動作で被検査レンズ1により発生する干渉縞を調整する方法について説明する。被検査レンズ1のフラット部44では照射光であるレーザー光13の一部が反射し、基準平面4からの反射光と干渉して、例えば図4(a)に示すフラット部の干渉縞51が発生する。
【0010】フラット部の干渉縞51は基準平面4とフラット部44が平行な位置関係に被検査レンズ1と基準平面4がアライメントされると、図4(b)に示すフラット部の干渉縞ヌル状態52のように干渉縞がヌル状態となる。従って、被検査レンズ1のフラット部44におけるフラット部の干渉縞51が変化してフラット部の干渉縞ヌル状態52となるように、フラット部44の位置や傾きを図6に示すアライメント機構における調整ネジ67,68を操作して調整ステージ61により調整する。次に、被検査レンズ1の有効径領域46を透過したレーザー光13は、参照球面2により反射されて反対方向から再び被検査レンズ1を透過する。この透過光と基準平面4からの反射光とが干渉して被検査レンズ1の有効径領域42に図4(c)で示す有効径領域の干渉縞53が発生する。
【0011】被検査レンズ1の光軸14が参照球面2の光軸57に一致し、参照球面2の曲率中心12と被検査レンズ1の焦点位置が一致するような関係、すなわちアライメントされると、図4(d)に示す有効径領域の干渉縞ヌル状態54のように干渉縞がヌル状態となるのである。
【0012】すなわち、有効径領域42における有効径領域の干渉縞53がヌル状態となるように、図6に示すアライメント機構における参照球面2の位置X,Y、およびZ、さらには傾きを、XおよびY軸調整ネジ63,64およびZ軸調整ネジ66、そして調整ネジ31,32の操作により、XY2軸ステージ62およびZ軸ステージ65を調整し設定するのである。
【0013】干渉縞をヌル状態に調整した後、フィゾー干渉計10における出力である認識カメラ9の画像信号を利用して、波面収差計算における測定領域を被検査レンズ1の有効径領域42の位置に合せて設定し、被検査レンズ1の平面度や収差の検査測定を行う。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来のアライメント方法およびその機構では、被検査レンズ1を載置した位置に合せて、参照球面2を移動や傾けによる調整を行うことにより干渉縞の調整を行うため、参照球面2の曲率中心12の位置により決定される光軸14,57の位置が検査測定毎に変動することになり、認識カメラ9によるモニター11の画像上では被検査レンズ1の位置バラツキが発生することになる。従って、被検査レンズ1の測定領域の設定を検査測定毎に設定し直す必要があり、工数を要するとともに、測定領域の設定位置にバラツキが発生し、その結果、測定精度が低下する。
【0015】また、カバーガラス3は参照球面2と隣接し一体として取付けられており、カバーガラス3の位置や傾きを調整することにより、参照球面2の位置や傾きも変動するものであり、測定領域の位置をカバーガラス3の取付け毎に変更し設定する必要があり、調整工数を要するとともに、測定領域の設定位置にバラツキが発生し、同じく測定精度が低下する。
【0016】さらにまた、被検査レンズ1のフラット部44,48と基準平面4が平行な位置関係となるように、被検査レンズ1の位置や傾きを調整する際には、被検査レンズ1の中心位置が変化するために、認識カメラ9による画像上では、X,Y方向にずれが発生することになり、その結果、被検査レンズ1の移動や傾けによる調整量が大きくなり工数が増大する。
【0017】一方、測定領域の設定は、干渉縞を調整した後、フィゾー干渉計10から出力される認識カメラ9の画像を利用して、波面収差計算における測定領域を被検査レンズ1の有効径領域42,46の位置に合せて調整者が設定していたが、それは調整者の目視による位置合せであるため、個人差を含めて設定位置にバラツキを発生し、測定精度が低下するという課題を有していた。
【0018】本発明は、前記従来の課題を解決しようとするものであり、干渉計による検査測定において、アライメントの工数を削減し、測定精度の優れた光学検査装置のアライメント方法およびその機構を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために本発明の光学検査装置のアライメント方法は、第1の光学部材の基準平面を通過した反射波面と、第2の光学部材の参照球面を通過した反射波面とにより、前記参照球面の頂点を中心とする円形状の第1の干渉縞を形成し、前記第1の干渉縞の中心位置を確定するステップと、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材の間に調整可能に支持した被検査レンズを通過した透過波面と、前記基準平面を通過した前記反射波面とにより形成される第2の干渉縞の縞数を最少とするように前記被検査レンズの位置および姿勢を調整設定するステップを含むものである。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、、第1の光学部材の基準平面を通過した反射波面と、第2の光学部材の参照球面を通過した反射波面とにより、前記参照球面の頂点を中心とする円形状の第1の干渉縞を形成し、前記第1の干渉縞の中心位置を確定するステップと、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材の間に調整可能に支持した被検査レンズを透過した透過波面と、前記基準平面を通過した前記反射波面とにより形成される第2の干渉縞の縞数を最少とするように前記被検査レンズの位置および姿勢を調整設定するステップを含む光学検査装置のアライメント方法であり、参照球面の位置が確定され、参照球面の頂点を基準とした被検査領域の測定領域を予め設定でき、測定毎の測定領域の設定が不要になり、また、被検査レンズの位置精度を高め、検査精度を向上させるという作用を有する。
【0021】請求項2に記載の発明は、基台に固定され、干渉計からの照射光を反射および透過する基準平面を有する第1の光学部材と、前記基台に設けられ、前記第1の光学部材を透過した前記照射光を反射する参照球面を有し、前記参照球面を通過した反射波面と前記基準平面を通過した反射波面とで形成される前記参照球面の頂点を中心とする円形状の第1の干渉縞の中心位置を確定するように設定された第2の光学部材と、前記基台に設けられ、前記第1の光学部材と前記第2の光学部材の間に調整可能に支持される被検査レンズを透過した透過波面と、前記基準平面を通過した前記反射波面との間で形成される第2の干渉縞の縞数を最少とするように前記被検査レンズを調整設定する調整手段とを備え、前記調整手段は、前記被検査レンズを前記被検査レンズの光軸に直交する軸周りに調整可能に支持する第1の調整手段と、前記被検査レンズを前記被検査レンズの光軸に直交する軸方向に調整可能に支持する第2の調整手段とを備えていることを特徴とする光学検査装置のアライメント機構であり、参照球面の位置が確定され、参照球面の頂点を基準とした被検査領域の測定領域を予め設定でき、測定毎の測定領域の設定が不要になり、被検査レンズの微調整が高精度になるという作用を有する。
【0022】請求項3に記載の発明は、第1の調整手段がジンバル式であることを特徴とする請求項2記載の光学検査装置のアライメント機構としたものであり、被検査レンズの傾きを調整した場合でも被検査レンズの中心位置は変化せず、被検査レンズの光軸は不動であるという作用を有する。
【0023】請求項4に記載の発明は、第2の光学部材は、被検査レンズの光軸にほぼ平行な軸方向に調整可能な第3の調整手段を介して基台に設けたことを特徴とする請求項2記載の光学検査装置のアライメント機構としたものであり、参照球面の位置が確定され、参照球面の頂点を基準とした被検査領域の測定領域を予め設定でき、測定毎の測定領域の設定が不要になり、3次元の微調整が容易になるという作用を有する。
【0024】請求項5に記載の発明は、被検査レンズと第2の光学部材の間に板状の第3の光学部材を設け、前記第3の光学部材を前記被検査レンズの光軸にほぼ直交する軸周りに調整可能に支持する第4の調整手段を介して前記第2の光学部材と分離して基台に固定することを特徴とする請求項2記載の光学検査装置のアライメント機構としたものであり、参照球面の所定の位置を変化させることなく、第3の光学部材の光軸方向の位置や傾きを調整可能にするという作用を有する。
【0025】請求項6に記載の発明は、第1の干渉縞の中心位置を干渉計に接続する画像解析手段により算出して確定することを特徴とする請求項1記載の光学検査装置のアライメント方法としたものであり、参照球面の光軸および頂点の位置を正確に求めることができ、高精度な測定領域の設定が可能になるという作用を有する。
【0026】以下、本発明の実施の形態について図1〜図5の図面を用いて説明する。なお、従来の技術において説明した構成部材は同一の符号を付与し詳細な説明は省略する。図1は本発明の実施の形態における干渉縞調整用のアライメント機構の要部構成斜視図である。図5(a)は参照球面の頂点を説明する要部構成図、図5(b)は画面中央に干渉縞を設定したモニター画面の拡大図である。
【0027】図1において、31および32は対称な位置に配置され、カバーガラス(第3の光学部材)3を載置した取付ホルダー21の傾きを調整する調整ネジ(第4の調整手段)であり、基台20cに固定してある。33および34は互いに直角となる線上に配置され被検査レンズ1を載置したジンバル式の調整ステージ(第1の調整手段)27の傾きを調整する調整ネジ(第1の調整手段)である。
【0028】22は被検査レンズ1を載置し、XおよびY方向に移動自在でかつその位置調整を行うXY2軸ステージ(第2の調整手段)であり、調整ステージ(第1の調整手段)27を支持し、基台20aに固定してある。また、図示していないが、基準平面を有する第1の光学部材も、基台20aに固定してある。23および24は調整ネジ(第1の調整手段)33,34に対向して配置され、被検査レンズ1の位置調整を行うX軸調整ネジ(第2の調整手段)、Y軸調整ネジ(第2の調整手段)である。
【0029】28は一端に参照球面2を固着した固定保持板、そして25は上端に前記固定保持板28の他端を結合し、Z軸調整ネジ26(第3の調整手段)の操作により駆動されてZ方向に移動自在で、第2の光学部材に有する参照球面2の位置や傾きの調整を行うZ軸ステージ(第3の調整手段)であり、基台20bに固定してある。
【0030】尚、基台20cは基台20bに、基台20bは基台20aに、それぞれ固定してある。
【0031】また、14は前記で説明した被検査レンズ1における光軸である。
【0032】図5(a)は前記で説明した図2の模式図から被検査レンズ1あるいは被検査レンズ1とカバーガラス3を取除いた要部構成を示しており、図5(a)において、55は参照球面2の頂点であって照射光であるレーザー光13と参照球面2の内接線と垂直に交わる参照球面2の内面上の点であり、56は参照球面2の頂点付近の干渉縞、そして57は参照球面2の光軸であって参照球面2の頂点55を通過してレーザー光13の出力方向に平行な軸である。
【0033】図5(b)は、図5(a)のモニター画面11aの拡大図であり、画面中央に干渉縞(第1の干渉縞)を設定した状態のものである。
【0034】次に、前記構成における干渉縞の調整すなわちアライメント方法について説明する。従来の技術において説明したように、図5(a)に示すように被検査レンズ1、あるいは被検査レンズ1とカバーガラス(第3の光学部材)3を取除いた状態では、参照球面2の頂点55付近に円形状の参照球面頂点付近の干渉縞(第1の干渉縞)56が発生する。この参照球面頂点付近の干渉縞(第1の干渉縞)56は参照球面2の頂点55の付近からの反射光と第1の干渉縞に有する基準平面4からの反射光の干渉により発生し、参照球面2における内側の球面形状に依存する同心円状となる。
【0035】前記同心円状である参照球面頂点付近の干渉縞(第1の干渉縞)56の中心座標が参照球面2の頂点55の座標となるのであり、この参照球面頂点付近の干渉縞(第1の干渉縞)56の濃淡画像から画像解析手段により画像処理を行って円形状を抽出し、円形状の中心座標(中心位置)から参照球面2における頂点55の画像上の座標(頂点座標)を求めるのである。
【0036】前記頂点座標を具体的に求めるには、まず、画像処理の手法により干渉縞画像を適当な閾値で2値化し、同心円状の干渉縞から中央の円形状の縞を抽出した後、この中央の円形状の重心座標を求める方法、または円形状の縞に対して外接円、内接円、あるいは最小自乗法による円形状への近似円を生成してその中心座標を求める方法、または円形状の干渉縞を濃淡画像のままか、もしくは適当な閾値で画像を2値化し、パターンマッチング手法により座標を抽出し、その検出座標から参照球面2の頂点座標を算出する方法などにより行うことができる。
【0037】前記で得られた頂点座標を中心座標(中心位置)とした平面度や収差の検査測定を行うために、例えば円形状の測定領域を設定する。なお、前記測定領域の大きさは、被検査レンズ1の設計仕様により一義に定められる。
【0038】この設定は、被検査レンズ1の検査測定の前に予め1度行うだけでもよく、また測定領域の設定は、前記で説明した画像処理の手法によらなくても、設計仕様で定められる有効径領域の機械的寸法により設定が可能であり、さらにまた、収差が既知のレンズを収差測定することなどにより、測定領域の位置や大きさを微調整することにより可能となるのである。また、図5(b)に示すように、前記で説明した参照球面の頂点座標をモニター11の画面のほぼ中央に設定する場合は、基準平面4と参照球面2の相対位置を、適時、相対位置調整手段等により任意に調整して、中心座標(中心位置)を求めてもよい。
【0039】次に、被検査レンズ1を取除いた状態で、カバーガラス(第3の光学部材)3用の調整ネジ(第4の調整手段)31,32を操作して、カバーガラス(第3の光学部材)3の反射光と基準平面4の反射光によって生じる干渉縞がヌル状態となるように、カバーガラス(第3の光学部材)3の光軸方向の位置や傾きを調整する。
【0040】カバーガラス(第3の光学部材)3用の取付ホルダー21と参照球面2の固定保持板28とは直接結合されていないため(カバーガラス(第3の光学部材)3の調整ネジ(第4の調整手段)31,32を介している)、カバーガラス(第3の光学部材)3の光軸方向の位置や傾きの調整により、参照球面2の光軸方向の位置が所定の位置(頂点座標を求めた位置)からずれることはない。
【0041】その後、被検査レンズ1を調整ステージ(第1の調整手段)27に載置し照射光であるレーザー光13を照射すると、被検査レンズ1のフラット部44に図4(a)に示すフラット部の干渉縞51が発生する。そこで、被検査レンズ1用の調整ネジ(第1の調整手段)33,34を操作して、干渉縞が図4(b)に示すフラット部の干渉縞ヌル状態52となるように、調整ステージ(第1の調整手段)27の位置や傾きを調整する。
【0042】なお、被検査レンズ1用の傾き調整機構をジンバル方式とすることにより、被検査レンズ1の中心で回転させて調整することになるため、被検査レンズ1のX,Y方向の位置ずれが少なく、連続して異なる被検査レンズ1の検査測定を行う際、被検査レンズ1の移動や傾けによる調整量が少なく、図4(c)に示す有効径領域42における有効径領域の干渉縞53の表出が容易、すなわち調整設定が容易で工数が少なくなるのである。
【0043】次に被検査レンズ1の光軸14を参照球面2の光軸57に一致させるために近づけると、被検査レンズ1の有効径領域42に図4(c)に示す有効径領域の干渉縞(第2の干渉縞)53が発生する。そして、被検査レンズ1と参照球面2のアライメントは被検査レンズ1の光軸14を参照球面2の光軸57に一致させるように、被検査レンズ1の位置を被検査レンズ1の位置調整用であるXY2軸ステージ(第2の調整手段)22のX軸調整ネジ(第2の調整手段)23、Y軸調整ネジ(第2の調整手段)24の操作により移動調整するとともに、参照球面2の半径と被検査レンズ1からの透過光である球状波面の半径とが一致する高さに、参照球面2の光軸方向の位置を参照球面2の位置調整用であるZ軸ステージ(第3の調整手段)25のZ軸調整ネジ(第3の調整手段)26の操作により移動調整する。
【0044】実際には、被検査レンズ1の有効径領域42に発生する図4(c)に示す有効径領域の干渉縞(第2の干渉縞)53を最少とするように参照球面2を光軸方向に移動調整し、図4(d)に示す有効径領域の干渉縞ヌル状態54となるように設定するのである。
【0045】尚、ここで、参照球面2を固定して、被検査レンズ1をZ軸方向に調整して、干渉縞ヌル状態54を表出させてもよい。
【0046】また、XY2軸ステージ(第2の調整手段)22およびZ軸ステージ(第3の調整手段)25はマイクロメータのスピンドルにより微調整したり、高分解能の移動量が可能なアクチュエータで自動的に調整する。以上のように干渉縞を調整設定した後、被検査レンズ1の平面度や収差測定を行うのである。
【0047】すなわち、カバーガラス(第3の光学部材)3は取付けの際に、フィゾー干渉計10から照射されるレーザー光13の出力方向と垂直になるように、光軸方向の位置や傾きを調整ネジ(第4の調整手段)31,32により操作して調整する必要があるが、参照球面2の取付部である固定保持板28とは機械的に分離したカバーガラス(第3の光学部材)3の光軸方向の位置や傾きの調整機構とする構成にすれば、カバーガラス(第3の光学部材)3の光軸方向の位置や傾きの調整時に、参照球面2の所定の位置(頂点座標を求めた位置)が変化することは無く、継続して参照球面2の所定の位置(頂点座標を求めた位置)を設定し固定することができ、その結果、測定領域の設定時に、測定領域の位置調整が不要になる。その結果、調整の工数が削減され、調整のバラツキを抑制でき、検査測定の精度が高くなるのである。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、干渉縞の調整設定後、測定領域の位置設定を検査測定毎に行う必要性が無く、測定領域における位置設定のバラツキを抑制でき、また、被検査レンズの位置精度を高め、検査精度を向上させるという効果を有する。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成11年12月16日(1999.12.16)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2001−174217(P2001−174217A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−357238