| 【発明の名称】 |
回転角度検出センサのフェイルモード調整方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】久保田 貴光
【氏名】濱岡 孝
【氏名】萩尾 弘文
【氏名】神谷 直行
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| 【要約】 |
【課題】2個のホールIC(非接触式の検出素子)を備えた2重系の回転角度検出センサの全ての使用領域であらゆるフェイルモードに対応可能とすること。
【解決手段】スロットル開度センサを構成する2個のホールICからの出力1,2が、図4(a)に示すように、スロットル開度の使用領域にあり、それらの相対関係が所定誤差範囲内にあればホールICが共に正常、一方、上側クランプ電圧または下側クランプ電圧にあり、それらの相対関係が所定誤差範囲を越えておれば、ホールICの少なくとも何れか片方に異常が発生していると判定できる。また、出力1,2がECU側フェイル判定電圧の範囲にあれば、スロットル開度センサとECUとの間に異常が発生していると判定できる。これにより、スロットル開度の高開度領域側を含む全ての使用領域における異常に加え、スロットル開度センサとECUとの間の接続状態等の異常も判定できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 2重系にて回転体の回転角度を検出するよう2個の非接触式の検出素子を備えた回転角度検出センサのフェイルモード調整方法であって、前記検出素子の使用領域の両端における上限公差または下限公差を越えてそれぞれ設定した最大出力電圧及び最小出力電圧が、前記検出素子に接続される電子制御ユニット側で設定された前記検出素子への供給電圧の両端近傍におけるフェイル判定電圧範囲より内側となるよう設定することを特徴とする回転角度検出センサのフェイルモード調整方法。 【請求項2】 前記回転体は内燃機関への吸入空気量を調節するスロットルバルブであり、前記電子制御ユニットは前記スロットルバルブのスロットル開度を使用領域の初期開度位置に戻した状態における2個の前記検出素子からの出力電圧に基づきそれぞれの異常を判定することを特徴とする請求項1に記載の回転角度検出センサのフェイルモード調整方法。 【請求項3】 前記電子制御ユニットで2個の前記検出素子のうち片方が異常と判定されたときには、他方の正常側にて前記スロットルバルブの駆動制御を再開することを特徴とする請求項2に記載の回転角度検出センサのフェイルモード調整方法。 【請求項4】 前記電子制御ユニットによる前記スロットルバルブの駆動制御の再開タイミングは、車両に対する運転状態変化が要求されたときとすることを特徴とする請求項3に記載の回転角度検出センサのフェイルモード調整方法。 【請求項5】 前記電子制御ユニットで2個の前記検出素子のうち片方が異常と判定されたときの前記スロットルバルブの駆動制御では、前記スロットルバルブのスロットル開度、前記内燃機関の運転状態を制御するパラメータに上限ガード値を設定することを特徴とする請求項2乃至請求項4の何れか1つに記載の回転角度検出センサのフェイルモード調整方法。 【請求項6】 前記電子制御ユニットで2個の前記検出素子のうち片方が異常と判定されたときの前記スロットルバルブの駆動制御に際して、前記スロットルバルブのスロットル開度と前記内燃機関の運転状態を制御するパラメータとの相関関係が予め設定された範囲を越えたときには、前記スロットルバルブを開閉駆動する電動モータへの通電を停止することを特徴とする請求項5に記載の回転角度検出センサのフェイルモード調整方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、回転体の回転角度を検出する非接触式の検出素子を備えた回転角度検出センサ及びその出力値を取込む電子制御ユニットにおけるフェイルモード調整方法に関し、例えば、内燃機関への吸入空気量を調節するスロットルバルブの回転角度を検出するホール素子、ホールIC等の非接触式の検出素子を備えたスロットル開度センサ及び内燃機関用電子制御ユニットにおけるフェイル判定に利用することができる。 【0002】 【従来の技術】従来、回転体の回転角度を検出する非接触式の検出素子を備えた回転角度検出センサとして例えば、内燃機関への吸入空気量を調節するスロットルバルブの回転角度を検出するスロットル開度センサがある。このスロットル開度センサにおいて、2個のホールICを備え2系統の出力を得られるよう2重系としフェイルモードを検出するようにしたものが知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、2重系のスロットル開度センサでは2個のホールICからの各出力の差分を比較しフェイルモードを検出する処理が常時、実行されている。ここで、スロットルバルブのスロットル開度が高開度領域側となりスロットル開度センサのうち少なくとも片方のホールICからの出力が上昇しセンサ供給電圧である5〔V〕に張付いてしまったのちでは、このホールICが正常であったとしても例えば、ショート状態との区別ができないため、スロットル開度センサに対するフェイルモードの検出範囲がスロットル開度の使用領域の低開度領域側に限定されるという不具合があった。 【0004】そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、回転体の回転角度を検出する2個の非接触式の検出素子を備えた2重系の回転角度検出センサに対して全ての使用領域であらゆるフェイルモードに対応可能な回転角度検出センサのフェイルモード調整方法の提供を課題としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】請求項1の回転角度検出センサのフェイルモード調整方法によれば、回転角度検出センサを構成する2個の非接触式の検出素子からの各出力電圧が、スロットル開度の使用領域両端の出力電圧に対する上限公差から下限公差までの範囲、または検出素子からの出力電圧が、検出素子からの各出力電圧の相対関係が所定誤差範囲内にあるときには、検出素子が共に正常であると判定できる。また、回転角度検出センサからの出力電圧が、最大出力電圧または最小出力電圧及び検出素子からの各出力電圧の相対関係が所定誤差範囲を越えているときには、検出素子のうちの少なくとも何れか片方に異常が発生していると判定でき、回転角度検出センサからの出力電圧が電子制御ユニット側のフェイル判定電圧範囲であるときには、回転角度検出センサと電子制御ユニットとの間を接続している例えば、ワイヤハーネス等に異常が発生していると判定できる。これにより、回転角度検出センサにおけるスロットル開度の高開度領域側を含む全ての使用領域における検出素子の異常に加え、回転角度検出センサと電子制御ユニットとの間の接続状態等のあらゆる異常が判定できることで、全てのフェイルモードに対応した調整が可能となるという効果が得られる。 【0006】請求項2の回転角度検出センサのフェイルモード調整方法では、回転体が内燃機関への吸入空気量を調節するスロットルバルブであり、回転角度検出センサを構成する2個の非接触式の検出素子の異常を、一旦、スロットル開度を初期開度位置に戻したときの出力電圧が予め設定された所定公差範囲内であるかによって判定できる。このため、2個の検出素子の正常または異常をそれぞれ的確に判定できるという効果が得られる。 【0007】請求項3の回転角度検出センサのフェイルモード調整方法では、2個の検出素子のうち片方に異常があれば、他方の正常なものを用いてスロットルバルブの駆動制御が再開されることで、スロットルバルブの駆動制御の適切な再開が可能となるという効果が得られる。 【0008】請求項4の回転角度検出センサのフェイルモード調整方法では、2個の検出素子のうち片方に異常があったときのスロットルバルブの駆動制御の再開タイミングとしては、車両に対する運転状態変化の要求があったときとされることで、スロットルバルブの駆動制御が適切に続行されるという効果が得られる。 【0009】請求項5の回転角度検出センサのフェイルモード調整方法では、回転角度検出センサを構成する2個の非接触式の検出素子のうち片方が異常と判定されたときの車両の退避走行におけるスロットルバルブのスロットル開度、内燃機関の運転状態を制御する吸気量や機関回転数等に上限ガード値が設定される。このとき、スロットルバルブのスロットル開度と内燃機関の運転状態を制御する吸気量や機関回転数等との相関関係が予め設定された範囲外となると、2個の検出素子の両方共に異常が発生したとして電動モータへの通電が停止されることでスロットルバルブの駆動制御が禁止される。これにより、退避走行における安全性が確保されるという効果が得られる。 【0010】請求項6の回転角度検出センサのフェイルモード調整方法では、2個の検出素子のうち片方が異常と判定されたときのスロットルバルブの駆動制御に際し、スロットルバルブのスロットル開度と内燃機関の運転状態を制御するパラメータとの相関関係が予め設定された範囲外となると、2個の検出素子の両方共に異常が発生したとして電動モータへの通電が停止されることでスロットルバルブの駆動制御が禁止される。これにより、2個の検出素子のうちの片方に異常が発生したときの退避走行に続く、スロットルバルブの駆動制御による車両の走行安全性が確保されるという効果が得られる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。 【0012】図1は本発明の実施の形態の一実施例にかかる回転角度検出センサのフェイルモード調整方法が適用された内燃機関用吸気量制御装置の全体構成を示す断面図である。また、図2は図1の左側面図である。 【0013】図1において、内燃機関用吸気量制御装置は主として、内燃機関(図示略)への吸気通路11が形成されたスロットルボデー10と、この吸気通路11内で回動軸13に固定され回動自在に軸支された略円板形状のスロットルバルブ12と、この回動軸13にギヤ連結されたアクチュエータとしての電動モータ20と、スロットルバルブ12の回転角度としてのスロットル開度を検出するスロットル開度センサ30とからなる。このスロットル開度センサ30等からの出力信号は、図示しないECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)に入力され、ECUから内燃機関の運転状態に応じて演算された駆動信号によって電動モータ20が回転駆動されることで、スロットルバルブ12が所望のスロットル開度に制御される。 【0014】アルミニウムダイカスト製からなるスロットルボデー10は、内燃機関のインテークマニホルド(図示略)にボルト等を用いて固定されている。また、スロットルバルブ12はその回動軸13の一端がスロットルボデー10のベアリングホルダ部14に支持されたボールベアリング15、他端がスロットルボデー10のベアリングホルダ部16に支持されたスラストベアリング17にて回動自在に軸支されている。なお、スロットルボデー10のベアリングホルダ部16にはキャップ18が挿嵌されている。そして、スロットルボデー10の吸気通路11に対してスロットルバルブ12が回動され形成される間隙によって内燃機関への吸気量(吸入空気量)が調節される。 【0015】電動モータ20はスロットルボデー10に形成されたモータ収容部19に収容されている。電動モータ20にはモータ給電用端子21が突設され、電動モータ20の出力軸先端にはピニオンギヤ22が挿嵌されている。また、スロットルバルブ12の回動軸13の一端に固定されたロータ25には樹脂ギヤ27がインサート成形され、このロータ25の内周面にはスロットル開度センサ30を構成する円筒形状の永久磁石28が接合されている。そして、ピニオンギヤ22はスロットルボデー10に固定された固定軸23を回転中心とする中間減速ギヤ24を介して樹脂ギヤ27と噛合されている。このロータ25と一体的な樹脂ギヤ27の外周側には、イグニッションスイッチ(図示略)がオフ等され、電動モータ20への通電が停止されたとき、回動軸13を介してスロットルバルブ12を初期開度位置に戻すためのコイル状のリターンスプリング29が装着されている。なお、ロータ25には回動軸13に対してアイドル位置に合致させ固定するための位置決め用孔26が穿設されている。 【0016】なお、本実施例ではスロットルバルブ12が全開位置(90°)から全閉位置(0°)を通過し機械的な停止位置である初期開度位置(『オープナ位置』とも言う)(−10°)までの範囲で開閉駆動される所謂オーバターン式の内燃機関用吸気量制御装置が想定されている。 【0017】スロットル開度センサ30は、磁界発生源である円筒形状の永久磁石28と樹脂成形のセンサカバー40に一体成形にて配置された2重系で非接触式の検出素子としての2個のホールIC31,32と、これらホールIC31,32と外部のECUとを電気的に接続するための導電性金属薄板からなるリードフレーム33と、これらホールIC31,32への磁束を集中させる磁性材料からなる分割型のステータ34とから構成されている。 【0018】2個のホールIC31,32は、それらの感磁面にN極またはS極の磁界が発生するとその磁界に感応して起電力(N極の磁界にて(+)電位、S極の磁界にて(−)電位)がそれぞれ発生するよう永久磁石28の内周側に対向して配置されている。なお、本実施例のホールIC31,32は並列に180度逆方向に配置されている。 【0019】リードフレーム33は、図2に示すように、導電性金属薄板としての銅板等からなり、例えば、5〔V〕のセンサ供給電圧が印加される信号入力用端子(VDD)41、スロットルバルブ12のスロットル開度信号を取出すための出力取出用端子(OUT1,OUT2)42,43、接地用端子(GND)44から構成されている。なお、2個のホールIC31,32の信号入力用リード(VDD)36、接地用リード(GND)37、出力取出用リード(OUT1,OUT2)38からなる各リードとリードフレーム33との接続部分は、PBT等の熱可塑性樹脂からなるコネクトホルダ35により被覆されている。また、2分割されたステータ34はコネクトホルダ35の外周側にそれぞれ嵌合され固定され、ステータ34と2個のホールIC31,32との間には所定の隙間が確保されている。 【0020】センサカバー40はスロットルボデー10の開口側を閉塞すると共に、軽量で製造容易、かつ安価でスロットル開度センサ30の各端子間を電気的に絶縁するPBT等の熱可塑性樹脂からなる樹脂成形品である。このセンサカバー40には、スロットルボデー10の開口側に形成された凸状部47と嵌合される凹状部48が形成され、スロットルボデー10に図示しないクリップによって結合され組付完了される。このように、スロットルボデー10の凸状部47とセンサカバー40の凹状部48とが嵌合されることで、センサカバー40側に配置固定された2個のホールIC31,32と、スロットルボデー10に回動自在に軸支されたスロットルバルブ12の回動軸13と一体的に回転するロータ25の内周側に配置固定された永久磁石28との位置関係が補償される。 【0021】また、図2に示すように、センサカバー40の側面に一体成形されたコネクタ部50は、リードフレーム33の信号入力用端子41、出力取出用端子42,43、接地用端子44の各先端部51〜54及び電動モータ20のモータ通電用端子45の先端部55,56等から構成されている。なお、このモータ通電用端子45の他端にはモータ接続用端子46が一体的に接合され、スロットルボデー10とセンサカバー40との組付状態で、電動モータ20のモータ給電用端子21がモータ接続用端子46を介してモータ通電用端子45に接続される。 【0022】次に、スロットル開度センサ30を構成する2個のホールIC31,32の内部演算によるスロットル開度情報の流れを示す図3のブロック図を参照して説明する。 【0023】図3において、スロットル開度センサ30を構成する2個のホールIC31,32のホール素子を用いた回転角度検出部311,321にて検出されたスロットルバルブ12のスロットル開度に対応する角度検出値がA/D変換器312,322に入力される。また、2個のホールIC31,32は温度検出部313,323を有し、同時に温度検出部313,323にて検出されたその近傍の使用環境の温度変化の温度検出値が温度特性補正回路314,324に入力される。 【0024】そして、EEPROM(Electrical Erasable Programmable ROM)315,325に予め書込まれた設定値が温度特性補正回路314,324に取込まれ温度検出値が補正されたのちA/D変換器312,322に入力される。このようにA/D変換器312,322に入力された値はディジタル変換されたのち調整回路316,326に入力され、EEPROM315,325に予め書込まれた設定値に基づきオフセット調整、ゲイン調整、クランプ調整が行われる。なお、オフセット調整にてスロットル開度〔°〕に対するセンサ出力〔V〕のオフセット分が一致され、ゲイン調整にてスロットル開度〔°〕に対するセンサ出力〔V〕の傾きが一致され、クランプ調整にてスロットル開度センサ30からの最大出力電圧としての上側クランプ電圧〔V〕及び最小出力電圧としての下側クランプ電圧〔V〕が設定される。 【0025】調整回路316,326で調整された値はD/A変換器317,327に出力されアナログ変換されたのちスロットル開度情報として上述のホールIC31,32の出力取出用リード(OUT1,OUT2)38からリードフレーム33の出力取出用端子42,43の先端部52,53を介してコネクタ部50に外部接続されたECUへ出力される。 【0026】次に、本実施例のスロットル開度センサ30を構成する2個のホールIC31,32からのスロットル開度〔°〕の使用領域として初期開度位置(−10°)から全開位置(90°)までのスロットルバルブ12が開閉駆動される範囲及びその前後の領域におけるセンサ出力〔V〕を示す図4(a)の特性図について、比較のため従来のスロットル開度〔°〕の使用領域及びその前後の領域におけるセンサ出力〔V〕を示す図4(b)の特性図を参照して説明する。 【0027】図4(a)に示すように、スロットル開度センサ30を構成する2個のホールIC31,32が共に正常であるとき、スロットル開度の使用領域における片方のホールIC31からのセンサ出力は出力1として0.5〜4.5〔V〕が出力され、他方のホールIC32からのセンサ出力は出力2として1.0〜4.7〔V〕が出力される。また、2個のホールIC31,32のうち異常となったものからのセンサ出力の最大電圧または最小電圧としては、上述のようにクランプ調整された上側クランプ電圧4.7〔V〕または下側クランプ電圧0.3〔V〕が出力される。したがって、スロットル開度センサ30に外部接続されるECU側でセンサ出力として0.3〔V〕未満または4.7〔V〕を越えた電圧値(図4(a)に示すECU側フェイル判定電圧)が得られたときには、スロットル開度センサ30から出力されることのない電圧範囲であるため、ECUはスロットル開度センサ30以外の例えば、ワイヤハーネス等の断線・ショートであるとフェイル判定することができる。これにより、スロットル開度の使用領域の全般に渡ってスロットル開度センサ30を構成する2個のホールIC31,32に対するフェイル判定が可能となる。 【0028】これに対して、従来のものでは、図4(b)に示すように、スロットル開度センサを構成する2個のホールICが共に正常であるとき、スロットル開度の使用領域における片方のホールICからのセンサ出力は出力1として0.5〜4.5〔V〕が出力され、他方のホールICからのセンサ出力は出力2として1.0〜5.0〔V〕が出力される。つまり、ホールICの出力2のスロットル開度の使用領域の高開度領域側では5.0〔V〕に張付いてしまう。また、2個のホールICのうち異常となったものからのセンサ出力としては0〔V〕または5.0〔V〕が出力される。このため、ホールICの出力2が5.0〔V〕近傍となるスロットル開度の高開度領域側においては、スロットル開度センサに外部接続されるECU側でスロットル開度センサの異常かそれ以外の例えば、ワイヤハーネス等の断線・ショートであるのかをフェイル判定することは不可能である。 【0029】次に、本発明の実施の形態の一実施例にかかる回転角度検出センサのフェイルモード調整方法で使用されているスロットル開度センサ30に外部接続されるECUにおける具体的なフェイル判定の処理手順を示す図5のフローチャートに基づき、上述の図4(a)を参照して説明する。なお、このフェイル判定ルーチンは、前回のフェイル判定にて2個のホールIC31,32が共に正常であるとき、即ち、後述のフラグFDFAIL,FSFAILが共に「0」であるとき、所定時間毎にECUにて繰返し実行される。 【0030】図5において、まず、ステップS101でホールIC31からのスロットル開度情報としての出力1及びホールIC32からのスロットル開度情報としての出力2がそれぞれ読込まれる。次にステップS102に移行して、ステップS101で読込まれた出力1と出力2との図4(a)に示す相対関係に基づき設定されたマップ(図示略)による所定誤差範囲内にあるかが判定される。ステップS102の判定条件が成立、即ち、出力1と出力2との相対関係が所定誤差範囲内にあるときには2個のホールIC31,32が共に正常であるとして何もすることなく本ルーチンを終了する。なお、このときには、電動モータ20によるスロットルバルブ12の駆動制御が続行されることとなる。 【0031】一方、ステップS102の判定条件が成立せず、即ち、出力1と出力2との相対関係がマップによる所定誤差範囲を外れているときには2個のホールIC31,32のうち少なくとも何れか片方に異常が発生しているとしてステップS103に移行する。ステップS103では、電動モータ20への通電が停止されることでリターンスプリング29の付勢力にて回動軸13を介してスロットルバルブ12のスロットル開度が初期開度位置に戻される。 【0032】次にステップS104に移行して、スロットル開度の初期開度位置における2個のホールIC31,32からの各センサ出力として例えば、出力1では0.5〔V〕、出力2では1.0〔V〕が読込まれる(図4(a)参照)。次にステップS105に移行して、ステップS104で読込まれた2個のホールIC31,32からの各センサ出力のうち、まず、ホールIC31からの出力1が予め設定された公差範囲内として例えば、0.4〜0.6〔V〕にあるかが判定される。ステップS105の判定条件が成立せず、即ち、ホールIC31からの出力1が公差範囲を外れているときにはステップS106に移行し、ホールIC31が異常であると特定される。一方、ステップS105の判定条件が成立、即ち、ホールIC31からの出力1が公差範囲内にあるときにはホールIC31が正常であると特定されるためステップS106がスキップされる。 【0033】そして、ステップS107に移行し、ステップS104で読込まれた2個のホールIC31,32からの各センサ出力のうち残りのホールIC32からの出力2が予め設定された公差範囲内として例えば、0.9〜1.1〔V〕にあるかが判定される。ステップS107の判定条件が成立せず、即ち、ホールIC32からの出力2が公差範囲を外れているときにはステップS108に移行し、ホールIC32が異常であると特定される。一方、ステップS107の判定条件が成立、即ち、ホールIC32からの出力2が公差範囲内であるときにはホールIC32が正常であると特定されるためステップS108がスキップされる。 【0034】次にステップS109に移行して、2個のホールIC31,32が共に異常であるかが判定される。ステップS109の判定条件が成立、即ち、2個のホールIC31,32が共に異常であるときにはステップS110に移行し、2個のホールIC31,32が共に異常であることを示すフラグFDFAILが「1」にセットされる。そして、ステップS111に移行し、電動モータ20への通電が完全に停止されることで、電動モータ20によるスロットルバルブ12の駆動制御が禁止(中止)され、スロットルバルブ12のスロットル開度が初期開度位置に固定され、本ルーチンを終了する。 【0035】一方、ステップS109の判定条件が成立せず、即ち、2個のホールIC31,32のうちの何れか片方に異常が発生しているときにはステップS112に移行しホールIC31,32のうちの片方が異常であることを示すフラグFSFAILが「1」にセットされたのち、本ルーチンを終了する。 【0036】なお、フラグFSFAILが「1」にセットされたのちでは、図示しない制御ルーチンにより、2個のホールIC31,32のうち正常と判定された片方からの出力を用いて電動モータ20によるスロットルバルブ12の駆動制御が再開され退避走行が開始される。この再開タイミングとしては、運転者からの加速または減速等の運転状態変化の要求(図示しないアクセル開度センサやブレーキスイッチ等からの出力値の変動にて判定)があったときとされる。 【0037】この際には、車両の退避走行における安全性を確保するためスロットルバルブ12のスロットル開度に上限ガード値が設けられる。また、内燃機関の運転状態を制御するパラメータである吸気量、機関回転数等にそれぞれ上限ガード値が設けられ、各パラメータのうち1つでも上限ガード値に達したときにはそれを越えてスロットル開度を開側に設定しないよう電動モータ20によるスロットルバルブ12の駆動制御が実行される。更に、再開後における電動モータ20によるスロットルバルブ12の駆動制御では、内燃機関の運転状態を制御するパラメータである吸気量、機関回転数等とスロットル開度センサ30を構成する2個のホールIC31,32のうち正常側の出力との相関関係が予め設定された所定範囲を外れたときには、2個のホールIC31,32のうち正常と見做した片方にも異常が発生しているとされる。そして、電動モータ20への通電が完全に停止され電動モータ20によるスロットルバルブ12の駆動制御が禁止(中止)される。 【0038】このように、本実施例の回転角度検出センサのフェイルモード調整方法は、2重系にて回転体の回転角度を検出するよう2個の非接触式の検出素子としてのホールIC31,32を備えたものであって、ホールIC31,32の使用領域の両端の例えば、図4(a)に示すように、4.5〔V〕,0.5〔V〕における上限公差または下限公差である4.6〔V〕,0.4〔V〕を越えてそれぞれ設定した最大出力電圧としての上側クランプ電圧4.7〔V〕及び最小出力電圧としての下側クランプ電圧0.3〔V〕が、ホールIC31,32に接続される図示しないECU(電子制御ユニット)側で設定されたホールIC31,32へのセンサ供給電圧5〔V〕の両端のフェイル判定電圧範囲である4.7〔V〕を越えた電圧値、0.3〔V〕未満より内側となるよう設定するものである。 【0039】つまり、回転角度検出センサとしてのスロットル開度センサ30を構成する2個のホールIC31,32からの各センサ出力電圧が、スロットル開度の使用領域両端のセンサ出力電圧である4.5〔V〕,0.5〔V〕に対する上限公差から下限公差までの範囲の4.6〜0.4〔V〕、またはホールIC32からのセンサ出力電圧が4.6〜4.7〔V〕にあり、ホールIC31,32からの各センサ出力電圧の相対関係が所定誤差範囲内にあるときには、ホールIC31,32が共に正常であると判定できる。また、スロットル開度センサ30からのセンサ出力電圧が、上側クランプ電圧4.7〔V〕または下側クランプ電圧0.3〔V〕及びホールIC31,32からの各センサ出力電圧の相対関係が所定誤差範囲を越えているときには、ホールIC31,32のうちの少なくとも何れか片方に断線・ショート等の異常が発生していると判定できる。そして、スロットル開度センサ30からのセンサ出力電圧がECU側のフェイル判定電圧範囲の4.7〔V〕を越えた電圧値、0.3〔V〕未満であるときには、スロットル開度センサ30とECUとの間を接続しているワイヤハーネス等に断線・ショート等の異常が発生していると判定できる。 【0040】これにより、スロットル開度センサ30におけるスロットル開度の高開度領域側を含む全ての使用領域においてホールIC31,32の異常が判定できることに加え、スロットル開度センサ30とECUとの間の接続状態等の異常も判定できるため、あらゆるフェイルモードに対応した調整が可能となる。 【0041】また、本実施例の回転角度検出センサのフェイルモード調整方法は、回転体が内燃機関への吸入空気量を調節するスロットルバルブ12であり、ECUはスロットルバルブ12のスロットル開度を使用領域の初期開度位置に戻した状態における2個のホールIC31,32からのセンサ出力電圧に基づきそれぞれの異常を判定するものである。そして、本実施例の回転角度検出センサのフェイルモード調整方法は、ECUで2個のホールIC31,32のうち片方が異常と判定されたときには、他方の正常側にてスロットルバルブ12の駆動制御を再開するものである。更に、本実施例の回転角度検出センサのフェイルモード調整方法は、ECUによるスロットルバルブ12の駆動制御の再開タイミングを、車両に対する運転状態変化が要求されたときとして例えば、アクセル開度センサやブレーキスイッチ(図示略)等からの出力値の変動にて判定するものである。 【0042】つまり、スロットル開度センサ30を構成する2個のホールIC31,32の異常は、一旦、スロットル開度を初期開度位置に戻したときのセンサ出力電圧が予め設定された所定公差範囲内であるかによって判定できる。このとき、2個のホールIC31,32のうち片方に異常があれば、正常なものを用いてスロットルバルブ12の駆動制御が再開される。この再開タイミングとしては、車両に対する運転状態変化の要求があったときとされる。このため、スロットル開度センサ30を構成する2個のホールIC31,32の異常が的確に判定できると共に、ホール31,32のうちの何れか片方が正常なときには退避走行が可能であり、この退避走行の再開タイミングが車両に対する運転状態変化の要求に対応されることでスロットルバルブ12の駆動制御を適切に続行させることができる。 【0043】また、本実施例の回転角度検出センサのフェイルモード調整方法は、ECUで2個のホールIC31,32のうち片方が異常と判定されたときのスロットルバルブ12の駆動制御では、スロットルバルブ12のスロットル開度、内燃機関の運転状態を制御するパラメータである吸気量、機関回転数等にそれぞれ上限ガード値を設定するものである。そして、本実施例の回転角度検出センサのフェイルモード調整方法は、ECUで2個のホールIC31,32のうち片方が異常と判定されたときのスロットルバルブ12の駆動制御に際して、スロットルバルブ12のスロットル開度と内燃機関の運転状態を制御するパラメータである吸気量、機関回転数等との相関関係が予め設定された範囲を越えたときには、スロットルバルブ12を開閉駆動する電動モータ20への通電を停止するものである。 【0044】つまり、スロットル開度センサ30を構成する2個のホールIC31,32のうち片方が異常と判定されたときの車両の退避走行におけるスロットルバルブ12のスロットル開度、内燃機関の運転状態を制御する吸気量や機関回転数等に上限ガード値が設定される。このとき、スロットルバルブ12のスロットル開度と内燃機関の運転状態を制御する吸気量や機関回転数等との相関関係が予め設定された範囲外となると、2個のホールIC31,32の両方共に異常が発生したとして電動モータ20への通電が停止されることでスロットルバルブ12の駆動制御が禁止される。これにより、退避走行における安全性を確保することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成11年12月21日(1999.12.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089738 【弁理士】 【氏名又は名称】樋口 武尚
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| 【公開番号】 |
特開2001−174212(P2001−174212A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−362180 |
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