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【発明の名称】 表面形状測定装置および測定方法
【発明者】 【氏名】山本 正樹

【要約】 【課題】機械部品の材質、表面形状によらず、また、加工装置から取り外すことなく、機械部品の微小加工形状計測を可能とする。

【解決手段】支持基板6に並行に取り付けられた顕微鏡1と共振周波数付近で振動させる微細触針2を有し、支持基板6を取り付けシャフト7を介してワーク加工装置31のZステージ36に取り付けることにより、ワーク加工装置31により加工したワーク34の微細加工表面形状を測定することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ワーク加工装置に着脱可能な取り付け部を有する支持基板と、前記支持基板に並行に取り付けられた微細表面形状を測定するための顕微鏡および触針とを備えたことを特徴とする表面形状測定装置。
【請求項2】 前記顕微鏡が、長焦点距離の対物レンズを使用し、その焦点位置が前記触針先端より突出することを特徴とする請求項1記載の表面形状測定装置。
【請求項3】 前記触針が、共振状態に励振されるとともに、その振動状態を検出され、その共振状態が変化することにより測定対象に対する接触を検出することを特徴とする請求項1または2記載の表面形状測定装置。
【請求項4】 非測定時には前記触針より突出し、かつ、前記顕微鏡の焦点位置よりは突出せず、測定時には前記触針より退避して前記触針を露出可能な保護部材を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の表面形状測定装置。
【請求項5】 前記触針が、前記支持基板に着脱可能な触針カートリッジに取り付けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の表面形状測定装置。
【請求項6】 前記触針が、基端部を幅広とした触針基板の先端部に一体に形成され、前記触針基板を前記触針カートリッジに固定したことを特徴とする請求項5記載の表面形状測定装置。
【請求項7】 前記支持基板が、前記触針カートリッジを着脱可能に保持する保持手段を備えたことを特徴とする請求項5または6記載の表面形状測定装置。
【請求項8】 前記保持手段が、前記触針が測定対象に接触したことを検出した場合には、前記触針を前記測定対象から退避させる手段を備えたことを特徴とする請求項7記載の表面形状測定装置。
【請求項9】 基端部が幅広で先端部に触針を一体に形成した触針基板と、前記触針基板に設けられた圧電薄膜と、前記触針基板を圧電素子を介して固定した絶縁基板と、前記絶縁基板上に設けられて、前記触針基板と前記圧電薄膜と前記圧電素子とにそれぞれ接続された接続用電極とを備えた触針カートリッジ。
【請求項10】 顕微鏡と触針を並行して一体に備えた表面形状測定装置をワーク加工装置に取り付け、測定対象位置を前記顕微鏡にて合焦の後に確認し、その後、特定の移動量だけ前記ワーク加工装置のステージを動かし、さらにステージを微小送りしながら前記触針の測定対象表面との接触を検出することで測定対象表面の座標位置を検出することを特徴とする表面形状測定方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロマシン用部品の微細構造の形状計測や内燃機関の燃料噴噴射ノズルやインクジェットプリンタノズルの内面形状測定といった、機械部品のサブミリオーダの3次元形状を、加工した直後に機上で測定するために用いられる表面形状測定装置およびそれを用いた測定法に関するもので、測定対象面を観察する顕微鏡と触針を用いた接触式の微細加工形状測定技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、微小形状の接触式による測定には、特開平5−264214号公報や特開平8−075445号公報に記載されたものに代表される構成が知られている。両者とも微細加工された微細構造の内部に触針あるいはプローブが挿入できるようになっている構成を有するものであるが、以下具体的に説明する。
【0003】まず、図8に特開平5−264214号公報に代表される第1の従来例の構成図を示す。図8において、触針101は、アクチュエータ102により図中矢印方向に振動させられる。測定対象103は、Z方向に移動自在なZステージ104およびX軸方向に移動自在なXステージ105上に載置され、Zステージ104はZ軸駆動機構106、Xステージ105はX軸駆動機構107にそれぞれ連結されている。さらに、Z軸駆動機構106、X軸駆動機構107およびデューティサイクル測定装置108は、コンピュータ109により制御されている。
【0004】このような構成において、アクチュエータ102は、触針101を一定位置で図中矢印の如く一定振幅で振動させる。そして、この状態で、触針101と測定対象103の電気伝導を、直流電圧を印加して短絡電流を見ることで検出し、導通時間の振動周期に対する比率をデューティサイクル測定装置108により検出することになる。
【0005】例えば、図9を参照すると、図9(a)に示されるように振動する触針101がある変位Sを越えると、図9(b)に示されるように触針101と測定対象103の測定対象面の間で電気的導通が確保されることになる。そして、触針101と測定対象103の測定対象面の相対距離の変化とデューティサイクルは、図10のような関係を呈する。よって、デューティサイクルを記録しながらZ軸送り機構105を動作させることにより測定対象103の表面形状を検出することができる。
【0006】なお、図10から分かるように、両者の関係は完全に比例はしていないが、触針101の振動をサイン波から三角波に変更することにより、比例の度合いを高めることも可能である。また、測定対象103の測定対象面の凹凸が、触針101の振幅を上回る場合は、X軸駆動機構107を動作させ、測定対象103を再位置決めすることにより、測定対象103の表面形状を計測することもできる。
【0007】次に、図11に示す第2の従来例は、図8に示した第1の従来例を改良したもので、顕微鏡242と触針234の組み合わせにより、測定装置としての使い勝手を向上させたものである。まず、図11において顕微鏡242と触針234とは同軸の位置関係に設定されている。つまり、顕微鏡242の画像のほぼ中心部に触針234が存在する。顕微鏡242の画像は画像処理部244に導かれ、画像処理部244の表示部に表示される。そして、その表示部に表示された画像を見ながら、XYステージ226AをX軸方向やY軸方向に移動し、ワーク228の微細穴229を画像中央に位置決めする。その後にZステージ226Bによりワーク228を上方に移動させることにより、触針234が微細穴229の内部に挿入される。この状態で、再度XYステージ226Aを微小送りしながら、触針234と微細穴表面229Aの接触を、第1の従来例と同様な方法にて行うことで、微細穴表面229Aの座標を求めることができる。このようにして求めた座標値から、触針234の直径を補正することで、微細穴229の内径を知ることができる。ちなみに、触針234の先端部234Aは図12のような菱形形状に加工されており、X、Y方向の穴内径を正確に測定できるよう工夫されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上の2つの従来例は、ノズル穴や微細溝形状等の加工形状測定に利用できる可能性を有するとはいえ、次のような課題を有する。初めに、特開平5−264214号公報に代表される前者では、接触状態の検出が触針101と測定対象103の電気導通に頼っているため、まず、非導電体の計測ができないこと、また、測定対象103が導体であったとしても、表面に酸化膜やほこりの堆積がある場合には、正確な測定が妨げられるという課題もある。
【0009】次に、特開平8−75445号公報に代表される後者では、前者と同様な問題点があると同時に、加工対象物を加工直後に測定できないという問題点がある。つまり、測定専用の装置に測定対象物を載せ換えて測定を行うため、測定のためにワーク加工装置上の段取りを崩す必要がある。このため、測定対象物の加工形状が測定の結果不良であることが判明し、追加工が必要になる場合、再度、ワーク加工装置に載せ換えて、段取りを行わなければならない。微細加工の場合は、微細加工形状をワーク加工装置上で計測できないため、この再段取りが極めて困難であるという課題を有する。
【0010】本発明は、上記のような課題を解決し、機械部品の材質、表面形状によらず、また、機械部品を加工するワーク加工装置から取り外すことなく、機械部品の微小加工形状計測を可能とする表面形状測定装置およびその測定方法を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の表面形状測定装置は、ワーク加工装置に着脱可能な取り付け部を有する支持基板と、前記支持基板に並行に取り付けられた微細表面形状を測定するための顕微鏡および触針とを備えたことを特徴とする。このような構成により、支持基板をワーク加工装置に取り付けることにより、ワーク加工装置上にて微細加工形状を測定できるようになり、測定対象を加工装置から取り外すことなく、加工形状の評価を行うことができる。
【0012】また、本発明の表面形状測定装置は、前記顕微鏡が、長焦点距離の対物レンズを使用し、その焦点位置が前記触針先端より突出することを特徴とするものである。これにより、微細触針の折損を防止することができる。
【0013】また、本発明の表面形状測定装置は、前記触針が、共振状態に励振されるとともに、その振動状態を検出され、その共振状態が変化することにより測定対象に対する接触を検出することを特徴とする。これにより、測定対象の電気的特性にかかわらず安定した計測を行うことができる。
【0014】また、本発明の表面形状測定装置は、非測定時には前記触針より突出し、かつ、前記顕微鏡の焦点位置よりは突出せず、測定時には前記触針より退避して前記触針を露出可能な保護部材を備えたことを特徴とする。これにより、取り扱い時の触針の折損を防止することができる。
【0015】また、本発明の表面形状測定装置は、前記触針が、前記支持基板に着脱可能な触針カートリッジに取り付けられていることを特徴とする。これにより、触針の交換を容易に行うことができる。
【0016】また、本発明の表面形状測定装置は、前記触針が、基端部を幅広とした触針基板の先端部に一体に形成され、前記触針基板を前記触針カートリッジに固定したことを特徴とする。これにより、触針の加工を容易に行うことができる。
【0017】また、本発明の表面形状測定装置は、前記支持基板が、前記触針カートリッジを着脱可能に保持する保持手段を備えたことを特徴とする。これにより、触針の着脱を容易に行うことができる。
【0018】また、本発明の表面形状測定装置は、前記保持手段が、前記触針が測定対象に接触したことを検出した場合には、前記触針を前記測定対象から退避させる手段を備えたことを特徴とする。これにより、触針の寿命を延ばすことができる。
【0019】また、本発明の触針カートリッジは、基端部が幅広で先端部に触針を一体に形成した触針基板と、前記触針基板に設けられた圧電薄膜と、前記触針基板を圧電素子を介して固定した絶縁基板と、前記絶縁基板上に設けられて、前記触針基板と前記圧電薄膜と前記圧電素子とにそれぞれ接続された接続用電極とを備えたものである。これにより、触針を含めた検出部をユニット化することができる。
【0020】また、本発明の表面形状測定方法は、顕微鏡と触針を並行して一体に備えた表面形状測定装置をワーク加工装置に取り付け、測定対象位置を前記顕微鏡にて合焦の後に確認し、その後、特定の移動量だけ前記ワーク加工装置のステージを動かし、さらにステージを微小送りしながら前記触針の測定対象表面との接触を検出することで測定対象表面の座標位置を検出することを特徴とする。これにより、加工装置上で加工形状を評価することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1における表面形状測定装置としてのオンマシン微細加工形状測定アッタッチメントを示している。図1において、顕微鏡1は、作動距離Lの先端に焦点8を有する。触針2は触針カートリッジ3の先端部に形成され、触針カートリッジ3は触針保持部4に着脱可能に装着される。触針2は、その先端部が焦点8から高さオフセット量αだけ引っ込んだ位置に先端がくるように配置され、保護カバー5により折損から保護されている。触針保持部4と顕微鏡1は同一の支持基板6に並行に取り付けられ、支持基板6は取り付けシャフト7により後述するワーク加工装置の主軸取付部に取り付けられる。なお、顕微鏡1は、特開平8−075445号公報に記載されているように画像処理手段に接続されている。
【0022】次に、上記のように構成されたオンマシン微細加工形状測定アタッチメント9の動作について説明する。まず顕微鏡1の働きについて説明すると、微細加工形状は一般に肉眼では観察できないため、顕微鏡1に内臓された図示しないCCDなどの撮像素子により撮像した映像を拡大した像を見ながら作業者は測定対象を観察することになる。測定対象点を顕微鏡1の視野内でフォーカスしたとき、測定対象点は顕微鏡焦点8の位置にある。この時、触針2は測定対象に接触しないように高さオフセット量αだけ離れて配置されているが、このオフセット量αができるだけ大きいことが、接触による折損防止の観点から望ましいので、顕微鏡1の対物レンズの作動距離Lはできるだけ長いことが望ましい。また、顕微鏡1の倍率が高く、視野がφ500μm以下になると、測定対象のどの部分を観察しているかが分かりにくく、これを解決する目的で、顕微鏡1を倍率切り替え式、つまり、高倍率と低倍率の組み合わせ、またはズーム式とすることは利便性を高める。
【0023】次に、触針2は、先端が測定対象との接触を検出する能力を有し、その太さは100μm以下となっている。このため、作業者が誤って触れたり、あるいは測定対象があやまって接触したりすると、容易に折損してしまう。これを防止するために保護カバー5を設け、測定時以外は触針2を覆うようにする。ただし、保護カバー5が顕微鏡焦点8より突出すると、顕微鏡観察に支障がでるので、突出量が調整されている。測定時には、保護カバー5を上方にスライドして、触針2を露出させる。ここで、保護カバー5は機械的なものが単純で好ましいが、これに代えて、電気的に物体の接近を検出するセンサが警報を発生するようなものであってもかまわない。
【0024】触針保持部4は、触針2を着脱可能に保持するという第一の役目がある。触針2は長時間の使用に従って、磨耗および折損する可能性がある。また、測定対象の形状によっては最適形状の触針2を選択の上で使用する必要がある。このため、触針2は触針カートリッジ3と一体に形成され、触針保持部4に対し容易に着脱できるコネクタ状の構造を持っている。さらに、第二の役目として、触針寿命を延ばす目的で、触針2が接触検出をしたときに、触針2を接触方向とは逆側に逃がす機能を触針保持部4に持たせてもよい。つまり、触針2の接触信号を検出した時には、触針2を測定対象とは逆方向に高速で微小量移動させる。この目的のためには、例えば、PIポリテック株式会社が製造販売するピエゾ式微動ステージ、あるいは、ボイスコイル式微動ステージが、その応答性の高さから使用できる。なお、両ステージともオープンループで駆動すると位置決め精度が低いため、差動トランスや静電容量ギャップセンサなどの同時組み込みが必要である。
【0025】支持基板6は、顕微鏡焦点8と触針2の位置関係を常に一定に保つ働きを持つものであり、熱膨張や振動などの少ない、機械的に安定な設計によるものである。さらに、これを加工機に取り付ける取り付けシャフト7は、例えば、加工装置側のコレットチャックに挟み込まれるようなものであってもよいし、あるいは、ねじ止め、マグネットによる固定などさまざまな方法が考えられる。
【0026】図2は触針2を触針保持部4に着脱するときに利用する触針カートリッジ3の構成を示した図である。まず、触針2は、基端部が幅広の超硬合金製の触針基板10の先端部として、後述の方法により加工される。触針2は、圧電素子12によりその共振状態で振動方向16に励振され、その振動状態は、圧電薄膜11により、ワイヤ配線13を通して電気信号として検出される。微細触針2の先端に物体が接触すると、共振状態がくずれるため、振幅が減少し、接触を検出することができる。全体を保持するセラミック基板14には、電極15が形成され、触針カートリッジ全体の着脱時に信号の結合を行う役目がある。セラミック基板14は、前述した図1中の触針保持部4のコネクタ部にはめ込まれ、機械的に保持されるとともに、電気的接触が確保される。
【0027】次に、図3を用いて、図2の触針カートリッジ3を構成する触針基板10の構造についてより詳しく説明する。なお、同時に図4を用いて触針2の先端部の説明も行う。触針基板10は、図3(a)の平面図に示すように、微細軸先端部10a、微細軸部10b、曲げ検出部10c、感度増大切り欠き部10d、ベース部10eからなる。なお、微細軸先端部10a、微細軸部10bは、図1、図2における触針2と同一のものの別称である。微細軸部10bは回転対称で、通常、直径50μm、長さ1mm程度となっており、微細軸先端部10aは、図4(a)に示すように回転対称の逆テーパ型に仕上げられている。テーパの端面外周が接触を検出するポイントとなり、この外周部での最小極率半径は1μm程度である。なお、微細軸先端部10aの形状は、図4(a)に限ったものではなく、図4(b)、(c)、(d)に示すようなさまざまな形状が適用可能である。どの形状を用いるかは、測定対象がどのような形をしているかによって決定される。また、触針先端2aの形状は回転対象であることが基本であるが、必要に応じて図4(e)のように非対称形状なものも使用可能である。
【0028】図3に戻って、曲げ検出部10cは、幅および厚さを500μm、50μm程度とした部分であり、さらに感度増大用切り欠き部10dを設けることにより、曲げ剛性を低下させ、その表面に形成した圧電薄膜11にかかるひずみ量を高めている。この結果、触針2あるいは微細軸部10bの梁状の振動状態の検出感度が高まり、たとえば、微細軸先端部10aの0.1μm程度の振動をS/N比高く検出することができる。圧電薄膜11は、RFスパッタ法などにより形成されるPZTなどの圧電材料で、3μm程度の厚さであり、歪量に比例した電荷を発生する。ベース部10eは、触針基板10全体を固定するための場所で、通常、接着等により触針カートリッジ3上の圧電素子12に固定される。
【0029】図5は触針基板10を加工するために用いる微細放電加工機MG−ED72(松下電器産業(株)製)をベースにした触針製造機の構成を示す。図5において、ベッド21上に配置されたXYステージ22上には、加工液を貯めるための加工槽23が配置され、この加工槽23には、支持台24を介してワイヤガイド25が設置されている。そして、このワイヤガイド25の先端には、直径100μmの真鍮製のワイヤ26が掛けられて、触針基板10を加工する電極の働きをする。一方、ベッド21の後部から立ち上がるコラム27の上端部には、Zステージ28を介して回転テーブル29が設けられ、この回転テーブル29の下部に、触針基板10が、加工槽23の加工液中に浸漬されて、加工される部分がワイヤ26と近接するように取り付けられる。触針基板10とワイヤガイド25に掛けられたワイヤ26との間には、電源30が接続されている。
【0030】このような構成において、放電加工は、電源30により電圧を印加することにより進行するが、同時にワイヤ26も放電により摩耗するので紙面に垂直な方向に常に新しいワイヤが供給されるような仕組みになっており、サブμmの加工精度が可能ないわゆるWEDG法で行われる。そして、回転テーブル29の役目は触針基板10を加工中に回転させ、正確な回転対象形状を加工することである。放電加工は基本的には熱加工であるため、加工後の表面は引っ張り応力を持つことになる。この結果、数十ミクロンの直径となる微細軸部10bは加工応力により容易に反ったり、曲がったりする。回転しながら微細軸部10bを加工することにより、加工応力をバランスさせ、加工応力による触針2の反りを防ぐことができる。なお、曲げ感度増大用切り欠き部10dの加工は片側からの加工になるため、若干の反りはさけられない(通常1/100ラジアン程度)。このため、触針2の微細軸部10bに対する平行度を厳密に確保するためには、まず、曲げ検出部10cの加工を行い、発生した加工応力を開放した後に、微細軸部10bの加工を行う等の工夫が必要である。
【0031】さて、以上説明したオンマシン微細加工形状測定アタッチメント9および触針2を用いた表面形状の測定について、具体的に説明する。図6は、オンマシン微細加工形状測定アタッチメント9を機械部品を加工するためのワーク加工装置31に取り付けた状態の全体構成を示す。図6において、ベッド32上にはXYステージ33が配置され、その上に測定対象となる加工済みのワーク34が固定されている。またコラム35の上部にはXYステージ33と同軸上にZステージ36が取り付けられ、このZステージ36に、オンマシン微細加工形状測定アタッチメント9の取り付けシャフト7が装着されている。
【0032】ワーク34を加工する場合は、Zステージ36主軸取り付け部に工具を取り付け、XYステージ33およびZステージ36をステージ内蔵のリニアスケールにより位置をモニターしながら移動し、希望の加工形状を実現する。
【0033】一方、ワーク34加工後のオンマシン計測を行うにあたっては、Zステージ36から工具を取り外した後、代わりにオンマシン微細加工形状測定アタッチメント9を取り付け、再度XYステージ33およびZステージ36をステージ内蔵のリニアスケールにより位置をモニターしながら移動し、加工形状の三次元座標測定を行う。図7はその手順を示しており、図6におけるオンマシン微細加工形状測定アタッチメント9とワーク34を取り出して図示したものである。まず、図7(a)において、測定対象である微細な測定対象穴34aの輪郭の一点を顕微鏡1にて観察する。ここで、顕微鏡焦点8から触針2の先端までの三次元位置ずれベクトルを触針オフセットAとし、その大きさを(Px,Py,Pz)と表すことにする。このとき、XYステージ33を(Px,Py)から予め決まった微小量だけ増減した分移動する。さらに、Zステージ36をPzから予め決まった深さ分増やした量移動させることにより、触針2は測定対象穴34aに挿入され、その先端は測定対象穴34aの内面ときわめて接近した状態となる。続いて、図7(b)のように、触針2が測定対象穴34aの内壁に接触するまでXYステージ33を微小送りする。接触を検出した段階で、XYステージ33の座標を読み取る。図7(c)、(d)では、図7(a)、(b)の操作を測定対象穴34aの輪郭上の反対側の点にて行っている。図7(b)と図7(d)で求めた2組のXY座標間の相対距離は測定対象穴34aの内径から触針2の外径を差し引いたものであるから、予め求めておいた触針2の外径2aを補正することにより、測定対象穴34aの内径を求めることができる。
【0034】以上のように、上記実施の形態によれば、顕微鏡とその共振周波数付近で励振される触針を有したオンマシン微細表面形状測定アッタッチメントをワーク加工装置に取り付けることにより、加工物をワーク加工装置から取り外すことなく、その加工形状を評価することができる。従って、測定対象である加工物の導電性/非導電性のいかんを問わず、その表面の酸化膜やゴミ、ほこりの影響を受けない、安定した微細形状のオンマシン測定が可能となり、必要に応じて工作物の追加工を行い、加工精度を高めることができる。
【0035】なお、上記実施の形態では、内径を求める手順を示したが、同様にして、穴の任意断面や、円筒度、傾きなども調べることができる。穴以外にもスリットや微細部品外形測定にも同じような手段が適用できる。
【0036】また、ワーク加工装置31は通常の加工機に限らない。つまり、3次元測定機などの測定専用装置において接触プローブの代わりに本発明のオンマシン微細加工形状測定アタッチメントを取り付ければ、微細形状測定に特化した3次元測定機を構成できる。
【0037】また、測定対象となるワーク34が導電体に限定される場合には、上記した触針の共振状態の変化を検出する表面形状測定方法に代えて、特開平5−264214号公報や特開平8−075445号公報に記載されたような触針と測定対象との電気伝導を測定する方法を用いてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ワーク加工装置に着脱可能な取り付け部を有する支持基板と、この支持基板に並行に取り付けられた微細表面形状を測定するための顕微鏡および触針とを備えているので、支持基板をワーク加工装置に取り付けることにより、ワーク加工装置上にて微細加工形状を測定できるようになり、測定対象を加工装置から取り外すことなく、加工形状の評価を行うことができる。
【0039】また、顕微鏡とその共振周波数付近で励振される触針を有したオンマシン微細表面形状測定アッタッチメントとして構成し、これをワーク加工装置に取り付けることにより、加工物をワーク加工装置から取り外すことなく、その加工形状を評価することができるとともに、測定対象である加工物の導電性/非導電性のいかんを問わず、その表面の酸化膜やゴミ、ほこりの影響を受けない、安定した微細形状のオンマシン測定が可能となり、必要に応じて工作物の追加工を行い、加工精度を高めることができるという有利な効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】390010021
【氏名又は名称】松下技研株式会社
【出願日】 平成11年12月16日(1999.12.16)
【代理人】 【識別番号】100082692
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵合 正博
【公開番号】 特開2001−174211(P2001−174211A)
【公開日】 平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願番号】 特願平11−358183