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【発明の名称】 微細形状測定プローブの破損防止機構およびその制御方法
【発明者】 【氏名】山本 正樹

【要約】 【課題】微細触針を用いた微細形状測定装置において、微細触針を破損から守ることを目的とする。

【解決手段】微細で高アスペクト比を持つ梁構造からなる微細触針1と微細構造を有する測定対象6を相対運動させながら微細形状測定をおこなう微細形状測定装置において、触針ホルダ2内に上下方向に伸縮するアクチュエータを内蔵し、微細触針1が測定対象6との接触を検知すると同時に微細触針1を上方に引き上げることにより、Zステージ3が停止命令を受けたのち自らの慣性によりのオーバートラベルしてしまう現象に対し、微細触針1が測定対象6に押し込まれて座屈破損することを防止することで、安定した接触検出を可能とする効果がえられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 片持ち梁構造からなる微細触針と微細形状をもった測定対象を相対運動させ、両者の接触を検出することにより微細形状を測定する微細形状測定装置において、微細触針の軸方向に変位が可能なアクチュエータを微細触針のホルダ内に有することにより、微細触針が接触時に破損することを防止することを特徴とする破損防止機構。
【請求項2】 アクチュエータが圧電素子を用いてなることを特徴とする請求項1記載の破損防止機構。
【請求項3】 アクチュエータが圧電素子ならびに変位拡大機構を用いてなることを特徴とする請求項1記載の破損防止機構。
【請求項4】 アクチュエータが変位をモニタする変位センサを持つことを特徴とする請求項1記載の破損防止機構。
【請求項5】 微細触針が接触を検知すると同時に、アクチュエータを予め決められた変位量だけ縮めることを特徴とする請求項1記載の破損防止機構の制御方法。
【請求項6】 微細触針が接触を検知すると同時に、アクチュエータにフィードバック制御をかけ、上記微細触針と測定対象との接触状態が接触と非接触の中間状態になるように制御することを特徴とする請求項1記載の破損防止機構の制御方法。
【請求項7】 微細触針と測定対象の相対移動速度ベクトルが、上記微細触針の軸方向に速度成分をある一定量もつ時のみ、上記破損防止機構の制御を行い、それ以外の時は上記破損機構の制御を行わないことを特徴とする請求項1記載の破損防止機構の制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロマシン用部品の微細構造の形状計測や内燃機関の燃料噴噴射ノズルやインクジェットプリンタノズルの内面形状測定といった、機械部品のサブミリオーダの3次元微細形状を、測定するために用いられる微細加工形状測定装置に関するもので、微細触針を破損することを防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、微小形状の接触式による測定には、特開平5−264214号公報や特開平8−075445号公報に記載されたものに代表される構成が知られている。
【0003】両者とも微細加工された微細構造の内部に触針あるいはプローブが挿入できるようになっている構成を有するものであるが、以下具体的に説明する。
【0004】まず、図5に特開平5−264214号公報に代表される第1の従来例の構成図を示す。
【0005】図5において、101は触針、102は触針101を図中矢印方向に振動させるアクチュエータ、103は触針101が近接する測定対象である。
【0006】ここで、測定対象103はZ方向に移動自在なZステージ104及びX軸方向に移動自在なXステージ105上に載置され、Zステージ104はZ軸駆動機構106、Xステージ105はX軸駆動機構107に各々連絡されている。
【0007】更に、108はデューティサイクル測定装置であり、Z軸駆動機構106、X軸駆動機構107及びデューティサイクル測定装置108は、コンピュータ109により制御されている。
【0008】このような構成において、アクチュエータ102は、触針101を一定位置で図中矢印の如く一定振幅で振動させる。
【0009】そして、この状態で、触針101と測定対象103の電気電導を、直流電圧を印加して短絡電流を見ることで検出し、導通時間の振動周期に対する比率をデューティサイクル測定装置108により検出することになる。
【0010】例えば、図6を参照すると、図6(a)に示されるように振動する触針101がある変位sを越えると、図6(b)に示されるように触針101と測定対象103の測定対象面の間で電気的導通が確保されることになる。
【0011】そして、触針101と測定対象103の測定対象面の相対距離の変化とデューティサイクルは、図7のような関係を呈する。
【0012】よって、デューティサイクルを記録しながらZ軸送り機構105を動作させることにより測定対象103の表面形状を検出することができる。
【0013】なお、図7からわかるように、両者の関係は完全に比例はしていないが、触針101の振動をサイン波から三角波に変更することにより比例の度合いを高めることも可能である。
【0014】また、測定対象103の測定対象面の凹凸が、触針101の振幅を上回る場合は、X軸駆動機構107を動作させ、測定対象103を再位置決めすることにより、測定対象103の表面形状を計測することも可能である。
【0015】次に、第2の従来例は、図5に示した第1の従来例を改良したもので、顕微鏡242と触針234の組み合わせにより、測定装置としての使い勝手を向上させたものである。
【0016】まず、図8において撮影部242と触針234とは同軸の位置関係に設定されている。つまり、顕微鏡242の画像のほぼ中心部に触針234が存在する。顕微鏡242の画像は画像処理部244に導かれ、画像処理部244の表示部に表示される。そして、表示部に表示された画像を見ながら、XYステージ226AをX軸方向やY軸方向に移動し、ワーク228の微細穴229を画像中央に位置決めする。その後にZステージ226Bによりワーク228を上方に移動させることにより、触針234が微細穴229の内部に挿入される。この状態で、再度XYステージ226Aを微小送りしながら、触針234と微細穴表面229Aの接触を、第一の従来例と同様な方法にて行うことで、微小穴表面229Aの座標を求めることができる。このようにして求めた座標値から、触針234の直径を補正することで、微細穴229の内径を知ることができる。ちなみに、触針234の先端はは図9のようなひし形形状に加工されており、X、Y方向の穴内径を正確に測定できるよう工夫されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】以上の2つの従来例は、ノズル穴や微細形状等の加工形状測定に利用できる可能性を有するとはいえ、以下のような課題を有する。
【0018】つまり、両者で共通に用いられる触針は形状の安定性を求められるため、硬質材料により形成されている。一般的に測定対象と触針を相対運動させる測定装置のステージ構造は数kg〜数十kgの質量をもっているため、接触検知時にステージに運動停止信号を出しても、数μm〜数十μmのオーバートラベル量が発生してしまう。触針の梁構造は先端が梁と直交する方向に変位させられても、梁が撓むことによりその変位を吸収することができる。ところが、梁に平行な方向に先端部が押し込まれた場合、梁が変形する余地がないため、梁が座屈してしまったり、寿命を著しく短くしてしまうという課題を有する。
【0019】本発明は、以上の課題を解決し、触針と測定対象の接触方向によらず、触針破損や寿命短縮を防止できるような破損防止機構およびその制御方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決するために本発明は、微細触針のホルダ内部にアクチュエータを有し、前期微細触針がその軸方向に測定対象と接触する際、微細触針が座屈しないよう触針を引き上げて接触から逃がすことを特徴とした破損防止機構および制御方法である。
【0021】より具体的には、まず、微細触針と測定対象は測定装置のステージにより相対運動するが、ステージの質量が大きいため、微細触針が接触を検出したのちもステージは惰行し、微細触針を変形させる。微微細触針はアスペクト比の高い梁構造であるため、撓み方向に変形しても破損には至らない。ところが、軸方向に変形させようとすると、曲がったり座屈したりして破損につながってしまう。
【0022】ここで、微細触針のホルダ部分に微細触針をその軸方向に変位させるようなアクチュエータを内蔵し、さらに、触針が接触を検知すると同時に、そのアクチュエータを急速に縮めることにより、微細触針に制御的なコンプライアンスを与え、座屈・変形することを防止する。
【0023】また、微細触針と測定対象の相対運動の速度ベクトルは、場合によって微細触針の軸方向とこれに直交する方向の成分をもっている。軸方向の速度ベクトルが小さい場合、接触検出後の軸方向へのおーバトラベル量も小さいので、微細触針が座屈する心配はない。よって、軸方向速度がある値より大きい場合のみ、微細触針を引き戻すような制御をおこない、それ以外のときは、微細触針を一定位置に保つようなアクチュエータ制御をおこなう。
【0024】以上により、微細触針が測定対象にいかなる方向から接触しても、微細触針が適切な逃げを確保し、座屈・変形などの破損を防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】請求項1記載の本発明は、片持ち梁構造からなる微細触針と微細形状をもった測定対象を相対運動させ、両者の接触を検出することにより微細形状を測定する微細形状測定装置において、微細触針の軸方向に変位が可能なアクチュエータを微細触針のホルダ内に有することにより、微細触針が接触時に破損することを防止することを特徴とする破損防止機構である。このような構成により、微細触針を接触時の破損から守ることができる。
【0026】ここで、請求項2記載のように、上記アクチュエータが圧電素子から成ることが、その高速な変位特性から好ましい。
【0027】そして、請求項3記載のように、上記アクチュエータが圧電素子ならびに変位拡大機構からなることが、触針を大変位量逃がすことができ、より破損防止効果が高いことから好ましい。
【0028】さらに、請求項4記載のように、上記アクチュエータが変位をモニタする変位センサを持つことが、アクチュエータ特有の変位ドリフトや変位ヒステリシスをキャンセルできることから好ましい。
【0029】また、請求項5記載のように、上記微細触針が接触を検知すると同時に、上記アクチューエタを予め決められた変位量だけ縮めることが、微細触針を高速に接触から逃がせることから望ましい。
【0030】同様に、請求項6記載のように、上記微細触針が接触を検知すると同時に、上記アクチュエータにフィードバック制御をかけ、上記微細触針と上記測定対象の接触状態が接触と非接触の中間状態になるように制御することが、微細触針を接触から逃がせることと同時に、測定対象が離れたときに初期位置に自動復帰できることから望ましい。
【0031】さらに、請求項7記載のように、上記微細触針と上記測定対象の相対移動速度ベクトルが、微細触針の軸方向に速度成分をある一定量もつ時のみ上記破損防止機構の制御を行い、それ以外の時は上記破損機構の制御を行わないことが、微細触針に軸方向の変位が加わる可能性があるときだけ触針を逃がせることから望ましい。
【0032】以下、本発明の各実施の形態について、図を用いて詳細に説明をしていく。
【0033】(実施の形態1)図1は、本実施の形態の触針破損防止機構を取り付けた微小形状測定装置の構成を示す。
【0034】図1において、1は微細触針であり、直径数十μmで長さ数ミリの片持ち梁構造を有する。2は触針ホルダであり、微細触針1を交換可能な状態で保持・固定すると同時に、本実施例ではこの内部に触針破損防止機構が内蔵される。6は測定対象であり、その一部に微細穴のような微細形状をもっており、ベース5上に固定される。測定対象6と微細触針1はXYステージ4およびZステージ3により相対運動することができる。
【0035】まず、微細触針1であるが、Z方向に沿った片持ち梁構造を有し、その先端部がボール状、そろばん玉状、鉤型等の突起を有しており、先端部が測定対象に接触したことを検出する能力をもつ。この触針は本実施例においては、1999年度精密工学会春季大会学術講演会論文集P.504「圧電センサを用いた共振型バイブロスキャン法」に示されるような、共振状態の変化により接触を検出するタイプのものである。もちろん、接触を電気導通で検出するような微細触針や、接触による反力を検出するような触針、光学特性の変化を検出する触針を用いても一向にかまわない。一般に微細触針1は超硬合金やガラス、セラミック等の硬質材料から構成されており、摩擦や変形が少なく高い形状安定性をもっている。このことは反面、無理な変形は破損につながるおそれがある。
【0036】XYZステージ3,4は微細触針1を測定対象6に対して相対移動させ、微細触針1が接触を検出すると同時にXYZステージ3,4の座標を読み取り停止、さらに反対方向に退避動作を行う。この一連の動作を繰り返すことで、微細形状の測定が達成される。XYZステージ3,4は一般にエアスライドやボールガイドによりガイドされ、回転モータとボールねじ、あるいはリニアモータにより駆動されている。XYZステージやその駆動部は一定の質量(数kg〜数十kg)および慣性をもっているため、微細触針1が接触を検出してから、ステージが停止・退避するまで、実際には数μmから数十μmのオーバートラベルが発生し、この結果、微細触針1の先端部は測定対象に押し込まれる。微細触針1は片持ち梁の構造であるため、水平方向(XY)方向の押し込みに対しては撓みにより変位を吸収でき、破損することは少ない。ちなみに、φ20μm、長さ1000ミクロンの超硬合金片持ち梁であれば、先端変位 100μm程度では折損にいたることはない。
【0037】ところが、垂直方向(Z)方向の押し込みに対しては、片持ち梁の座屈方向となるため、微細触針1は高々数μmの押し込みであっても、座屈や曲がりの発生につながってしまう。
【0038】図2は、微細触針1がZ方向から接触したときに、微細触針1を上方に引き上げるための破損防止機構の構造を表している。触針ホルダ2の一部を積層圧電素子7が占めている。積層圧電素子7は100V程度の電圧で数μmの変位を発生することができ、図中ではZ方向に伸縮する。まず、積層圧電素子7を伸びた状態に保持し、この後、微細触針1を測定対象6に上方から接近・接触させる。接触と同時に積層圧電素子を高速に縮ませることで微細触針1は引き上げられ、Zステージ3が慣性のため停止できずに下降を続けても微細触針1は押し込まれることがない。つまり、座屈による微細触針1の破損を防止することができる。
【0039】つぎに、図3を用いて微細形状測定装置の全体構成と破損防止のための制御方法について説明する。まず、8はXYZステージを制御するためのNCコントローラであり、触針1からの接触信号を信号線15を介して受け取るとXYZステージを即座に停止・退避させる機能をもつ。9は測定全体をコントロールするメインCPUであり、測定に必要なXYZの動きを信号線11を介してNCコントローラ8に指令する役目を持っている。10は触針ホルダ2に内蔵される積層圧電素子7を制御するコントローラで、触針1の接触信号を信号線15を介して受け取ると、即座に積層圧電素子7を制御線16を介して縮ませる役割をもっている。ところで、微細触針1と測定対象6の相対速度ベクトルは、メインCPU9の動作計画により変化する。
【0040】相対速度ベクトルが水平成分(XY成分)のみの場合は、接触の際の微細触針のZ方向への押し込みはなく、破損の恐れはない。また、相対速度ベクトルのZ成分が仮に存在しても小さい場合(たとえば1μm/s)、接触後のZステージのオーバートラベルは無視できるほど小さくなる。これらの場合、検出時に積層圧電素子7を縮ませる必要はない。ここに、信号線13または信号線14は圧電素子コントローラ10に対して、いかなる時に積層圧電素子を縮ませる必要があるかを伝達する役目をもっている。つまり、信号線13は、メインCPU9の動作計画から、何時Zステージが下降する予定なのかを圧電素子コントローラ10に伝えている。信号線14は、NCコントローラ8がZステージをある速度以上で下降させるタイミングを圧電素子コントローラ10に伝えている。もちろん、信号線13、14は、どちらか一方でも構わない。
【0041】また、積層圧電素子7は、他の高速移動が可能なアクチュエータでも構わない。たとえば、ボイスコイルモータ、リニアモータ、静電駆動アクチューエタ、磁歪素子、電歪素子などでも代用が可能である。
【0042】以上のような構成で、微細触針1が測定対象6に接触した際、その接触方向に応じて、微細触針1を上方へ逃がし、軸方向への押し込みによる破損を防止することが可能となる。
【0043】(実施の形態2)実施の形態2は形態1と同様の全体構成をもち、図1と図3は共通である。両者の違いは図4に示す触針ホルダ2内の圧電素子7の配置、および圧電素子コントローラ10の制御アルゴリズムである。図4において、圧電素子7の変位は、支点17、力点19、作用点20をもった梃子機構18によって拡大され、ガイド22によってガイドされる微動ステージ21を変位させる。梃子機構は弾性ヒンジ等より構成され、ガタのない変位拡大が可能となっている。ガイド22も同様に弾性ヒンジ等によって構成され、限られた変位量内で高い真直度をもつ。圧電素子7の変位は一般に時間とともにドリフトしてしまため、そのドリフト量をキャンセルするための変位センサ23を内蔵する。変位センサ23の値で圧電素子7をフィードバック制御することで、微動ステージ21は高い位置決め精度を持つことができる。
【0044】このような、圧電素子7・梃子機構18・変位センサ23を組み合わせた構造はPIポリテック株式会社などから多く製品化されており、圧電素子7単体を制御するのと同じような手軽さをもって微動ステージ21を制御することができる。本実施例でも図3において、圧電素子コントローラ10の出力を図示しない微動ステージコントローラに入力することで、微動ステージ21の位置を制御している。
【0045】さて、微動ステージ21はあらかじめ、最も下降した位置で待機している。微細触針1からの接触信号は信号線15を介して圧電素子コントローラ10に伝達されるが、この際、第一の実施形態とは異なり、微動ステージ21および微細触針1の位置を制御して、接触と非接触の中間、つまり、両者の状態が交互に発生するようにする。つまり、接触状態になれば微細触針1をわずかに引き上げ(たとえば0.1μm)、非接触状態になれば微細触針1をわずかに引き下げる。この結果、接触発生後のZステージのオーバートラベルに対して、微細触針1は付かず離れずの状態で測定対象6に追従する。さらに、Zステージが動きを反転し退避動作に入った際は、触針1は再び測定対象6に追従しながら、微動ステージ21の変位限界である最下位置で停止する。これは、触針1がZ方向の押し込みに対して制御の力によりコンプライアンスをもったことに相当し、Z方向の押し込みに対しても座屈が発生しないことを意味する。
【0046】また、第一の実施形態に対する優位性として、接触・Zステージ退避後にリセット動作が必要ないことが挙げられる。つまり、第一の実施形態では、縮んだ圧電素子7を再び伸ばした状態にリセットするコマンドを圧電素子コントローラ10に出す必要があるのに対し、第2の実施の形態では、Zステージ退避動作後に自動で微動ステージ21が最下位置まで回復する。
【0047】以上の仕組みにより、微細触針1はXYZの全方向の押し込みに対してコンプライアンスを持つようになり、破損を防止することができる。さらに、この実施例を拡張して、触針ホルダ2内に格納するアクチュエータをXYZ3軸方向に変位可能なものとすることで、微細触針1にXYZ3軸の制御的コンプライアンスを与えることができる。3軸の圧電アクチュエータは、たとえば、PIポリテック社より製品化されているので、容易に構成可能である。
【0048】XYZ3軸の制御的コンプライアンスのメリットとして、あらかじめメインCPU9より指示される微細触針1と測定対象6の位置関係より、接触を検出したときに微細触針1をアクチュエータの変位範囲内で自由に逃がすことができる。この結果、オーバートラベルがあらゆる方向に極めて大きい測定装置と微細触針1を組み合わせる場合の破損防止となる他、倣い計測の場合に微細触針1の運動計画軌跡と測定対象6の表面位置のずれを吸収することができる。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、片持ち梁構造を有する微細触針が測定対象に接触する際、測定装置のステージが急停止できないことによる触針先端の押し込みに対し、微細触針の破損につながりやすい軸方向の押し込みを触針ホルダ内に内蔵したアクチュエータによりキャンセルすることができる。
【0050】かかる構成によれば、微細触針の先端が水平方向に押し込まれた場合は梁構造の撓みにより破損を防止し、軸方向に押し込まれた場合はアクチュエータ制御により破損を防止でき、結果、安定した接触検出を実現できるという有利な効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成11年11月18日(1999.11.18)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2001−141442(P2001−141442A)
【公開日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【出願番号】 特願平11−327990