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【発明の名称】 瓦表面欠陥検査装置および瓦表面欠陥検査方法
【発明者】 【氏名】長谷川 平

【要約】 【課題】瓦の表面濃度に変動があっても精度よく欠陥を検出する。

【解決手段】照明13,14を瓦2に照射したときの瓦2の表面を撮像し画像信号を出力する撮像部15と、画像信号に基づいて瓦表面の欠陥を検出するためのしきい値を設定するしきい値設定部17と、このしきい値設定部17により設定されたしきい値に基づいて画像信号に含まれる不良部分を判定し、その判定した不良部分の面積値を計測する画像処理部18と、面積値と予め設定された良否判定基準値とを比較して瓦の表面の良否判定を行う良否判定部19とを備え、しきい値設定部17が設定するしきい値は、直前の所定個数の瓦の表面の画像信号の変動に基づいて所定個数ごとに決められる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 瓦へほぼ真上から光を照射する照明と、瓦へほぼ真横から光を照射する照明と、上記2種類の照明を瓦に照射したときの瓦の表面を真上から撮像し画像信号を出力する撮像手段と、前記画像信号に基づいて瓦表面の欠陥を検出するためのしきい値を設定するしきい値設定手段と、このしきい値設定手段により設定されたしきい値に基づいて前記画像信号に含まれる不良部分を判定し、その判定した不良部分の面積値を計測する画像処理手段と、前記面積値と予め設定された良否判定基準値とを比較して瓦の表面の良否判定を行う良否判定手段とを備え、前記しきい値設定手段が設定するしきい値は、直前の所定個数の瓦の表面の画像信号の変動に基づいて所定個数ごとに決められることを特徴とする瓦表面欠陥検査装置。
【請求項2】 瓦へほぼ真上から光を照射する照明と、瓦へほぼ真横から光を照射する照明と、上記2種類の照明を瓦に照射したときの瓦の表面を真上から撮像し画像信号を出力する撮像手段と、欠陥検出される瓦が養生庫の何段目で養生されたかを認識する段認識手段と、養生庫の段ごとに予め設定されたしきい値を記憶するしきい値記憶手段と、このしきい値記憶手段に記憶されているしきい値に基づいて前記画像信号に含まれる不良部分を判定し、その判定した不良部分の面積値を計測する画像処理手段と、前記面積値と予め設定された良否判定基準値とを比較して瓦の表面の良否判定を行う良否判定手段とを備え、前記画像処理手段は、前記段認識手段により認識された段に対応するしきい値に基づいて不良部分を判定することを特徴とする瓦表面欠陥検査装置。
【請求項3】 画像処理手段を、ほぼ真横から光を照射したときに得られた瓦表面の濃度分布に対して強調処理を行い得るよう構成したことを特徴とする請求項1または2記載の瓦表面欠陥検査装置。
【請求項4】 瓦のほぼ真上とほぼ真横からそれぞれ光を照射したときの瓦の表面を、瓦の真上に配置された撮像手段によって撮像する工程と、撮像後の画像信号に基づいて瓦表面の欠陥を検出するためのしきい値を設定する工程と、設定したしきい値に基づいて前記画像信号に含まれる不良部分を判定する工程と、判定した不良部分の面積値を計測する工程と、計測した面積値と予め設定された良否判定基準値とを比較して瓦の表面の良否判定を行う工程とを備え、前記しきい値を設定する工程は、直前の所定個数の瓦の表面の画像信号の変動に基づいて所定個数ごとにしきい値を設定することを特徴とする瓦表面欠陥検査方法。
【請求項5】 瓦のほぼ真上とほぼ真横からそれぞれ光を照射したときの瓦の表面を、瓦の真上に配置された撮像手段によって撮像する工程と、欠陥検出される瓦が養生庫の何段目で養生されたかを認識する工程と、認識された段に基づいて、養生庫の段ごとに予め設定されたしきい値を記憶しているしきい値記憶手段から対応する段のしきい値を決定する工程と、この決定したしきい値に基づいて前記撮像工程で撮像された画像信号に含まれる不良部分を判定する工程と、判定した不良部分の面積値を計測する工程と、計測した面積値と予め設定された良否判定基準値とを比較して瓦の表面の良否判定を行う工程とを備えたことを特徴とする瓦表面欠陥検査方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、瓦の表面に発生する外観不良を検出する瓦表面欠陥検査装置および瓦表面欠陥検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】被検体の検査面の表面に対し真上および真横より光を照射して、欠陥部からの散乱光を受光し、欠陥の特徴量を抽出する手段としては、例えば、特開平2−190707号公報に示すようなものがある。
【0003】上記公報のものは、斜方より被検体の検査面を取り囲むように構成された発光部を持ち、検査面に対して周囲から均一に光の照射を行う照射装置と、検査面からの散乱光を検査面に対して垂直な方向から受光して検査面を撮像する撮像装置と、検査面の画像を処理する画像処理装置とで構成されており、直線的な加工キズなど、方向性をもつ欠陥を検出する場合でも安定した散乱光が得られるようにしたものである。
【0004】この種の検査装置によって被検体を検査すると、被検体に欠陥がない場合には、平坦な映像信号が検出され、被検体の表面に欠陥がある場合には、欠陥部の形状によって受光される散乱光の強度がかわるために、図16(a),(b)に示すように、映像信号に変調をきたすことになる。そして、この映像信号の変調に対して、予めスライスレベルVa、Vbを設定しておき、このスライスレベルVa、Vbによって映像信号を2値化し、この2値化された信号から欠陥部の面積や周囲長等を計算して欠陥の検査を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、同様の方法を用いてセメントを主原料とする瓦の欠陥を検出しようとした場合、瓦の表面濃度のばらつきが原因となり、瓦表面の欠陥検出の精度が下がってしまうといった問題があった。
【0006】すなわち、セメントを主原料とする瓦を生産する場合、その生産工程に、瓦を100%の蒸気の中に置き、養生する工程が含まれる。この工程に使用される養生庫は、図17に示すように、所定の段数、例えば15段に瓦を積み上げられるようになっており、数時間後に養生庫から瓦が排出された直後に表面欠陥の検査を行うようになっている。しかし、その時点で、瓦の表面濃度は養生庫内での高さの影響を受けて、一定の間隔で変動している。すなわち、養生室内の段数が多くなると、上の段に積まれて養生された瓦と下の段に積まれて養生された瓦とで瓦表面に光を照射したときの表面濃度にばらつきが生じ、上の段に積まれた瓦ほどその表面濃度が大きくなる。例えば、表面の濃度を0から256の階調に分けて各瓦の表面濃度を測定すると、図18に示すように、「85〜115」の範囲で変動する。
【0007】図19は、上段、中段、下段に積まれて養生された瓦の表面濃度を示している。上段に積まれた瓦は、表面濃度が大きくなることから115付近を基準濃度とする濃度分布を示している。中段の瓦は100、下段の瓦は85を基準とする濃度分布を示している。各分布図中、急激に濃度が上昇している箇所は瓦表面の欠陥部分である。ここで、例えば、中段に積まれた瓦の欠陥部分を検出するのに適合したしきい値「140」によって、一律に全部の瓦表面の欠陥を検出すると、下段の瓦は、欠陥によって大きな濃度変動が表れていてもしきい値以下となり、欠陥が検出されない場合がある。また、逆に、上段の瓦は、欠陥が微少なものであっても、濃度分布の上昇がしきい値を上回ってしまい、欠陥部分として検出されてしまう場合がある。そのため、しきい値を一律に決めてしまうと、欠陥部分があっても欠陥部分として検出されなかったり、欠陥部分でなくても欠陥部分として検出されてしまったりする場合があるといった問題があった。
【0008】この発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、瓦の表面濃度に変動があっても精度よく欠陥を検出することができる瓦表面欠陥検査装置および瓦表面欠陥検査方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、瓦へほぼ真上から光を照射する照明と、瓦へほぼ真横から光を照射する照明と、上記2種類の照明を瓦に照射したときの瓦の表面を真上から撮像し画像信号を出力する撮像手段と、前記画像信号に基づいて瓦表面の欠陥を検出するためのしきい値を設定するしきい値設定手段と、このしきい値設定手段により設定されたしきい値に基づいて前記画像信号に含まれる不良部分を判定し、その判定した不良部分の面積値を計測する画像処理手段と、前記面積値と予め設定された良否判定基準値とを比較して瓦の表面の良否判定を行う良否判定手段とを備え、前記しきい値設定手段が設定するしきい値は、直前の所定個数の瓦の表面の画像信号の変動に基づいて所定個数ごとに決められることを特徴とする。
【0010】また、請求項4に記載の発明は、瓦のほぼ真上とほぼ真横からそれぞれ光を照射したときの瓦の表面を、瓦の真上に配置された撮像手段によって撮像する工程と、撮像後の画像信号に基づいて瓦表面の欠陥を検出するためのしきい値を設定する工程と、設定したしきい値に基づいて前記画像信号に含まれる不良部分を判定する工程と、判定した不良部分の面積値を計測する工程と、計測した面積値と予め設定された良否判定基準値とを比較して瓦の表面の良否判定を行う工程とを備え、前記しきい値を設定する工程は、直前の所定個数の瓦の表面の画像信号の変動に基づいて所定個数ごとにしきい値を設定することを特徴とする。
【0011】このような特徴を有する請求項1および4に記載の発明によれば、しきい値設定手段が設定するしきい値は、直前の所定個数の瓦の表面の画像信号の変動に基づいて所定個数ごとに決められるので、瓦の表面濃度に変動があっても精度よく欠陥を検出することができる。
【0012】また、請求項2に記載の発明は、瓦へほぼ真上から光を照射する照明と、瓦へほぼ真横から光を照射する照明と、上記2種類の照明を瓦に照射したときの瓦の表面を真上から撮像し画像信号を出力する撮像手段と、欠陥検出される瓦が養生庫の何段目で養生されたかを認識する段認識手段と、養生庫の段ごとに予め設定されたしきい値を記憶するしきい値記憶手段と、このしきい値記憶手段に記憶されているしきい値に基づいて前記画像信号に含まれる不良部分を判定し、その判定した不良部分の面積値を計測する画像処理手段と、前記面積値と予め設定された良否判定基準値とを比較して瓦の表面の良否判定を行う良否判定手段とを備え、前記画像処理手段は、前記段認識手段により認識された段に対応するしきい値に基づいて不良部分を判定することを特徴とする。
【0013】また、請求項5に記載の発明は、瓦のほぼ真上とほぼ真横からそれぞれ光を照射したときの瓦の表面を、瓦の真上に配置された撮像手段によって撮像する工程と、欠陥検出される瓦が養生庫の何段目で養生されたかを認識する工程と、認識された段に基づいて、養生庫の段ごとに予め設定されたしきい値を記憶しているしきい値記憶手段から対応する段のしきい値を決定する工程と、この決定したしきい値に基づいて前記撮像工程で撮像された画像信号に含まれる不良部分を判定する工程と、判定した不良部分の面積値を計測する工程と、計測した面積値と予め設定された良否判定基準値とを比較して瓦の表面の良否判定を行う工程とを備えたことを特徴とする。
【0014】このような特徴を有する請求項2および5に記載の発明によれば、しきい値記憶手段に記憶されているしきい値は、瓦の表面濃度に影響を及ぼす養生庫内での高さを考慮した設定となっており、瓦の表面濃度の変動に応じた最適なしきい値を用いることができるので、瓦の表面濃度に変動があっても精度よく欠陥を検出することができる。
【0015】また、請求項3に記載の発明は、画像処理手段を、ほぼ真横から光を照射したときに得られた瓦表面の濃度分布に対して強調処理を行い得るよう構成したことを特徴とする。このような特徴を有する請求項3に記載の発明によれば、より鮮明な濃度分布を得ることができ、実用上有益である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0017】図1は、本発明の瓦表面欠陥検査装置1が設置される検査工程を示す図である。
【0018】図17に示す養生庫において数時間にわたって養生された瓦は、コンベア3上に順次載せられて、図1中矢符P方向に搬送される。本発明の瓦表面欠陥検査装置1は、このコンベア3の途中に設けられる。そして、瓦表面欠陥検査装置1によって瓦2の表面に欠陥が検出されれば、排出装置4によってコンベア3外に排出され、欠陥がない場合はそのままコンベア3上を搬送されるようになっている。制御回路5は、この瓦表面欠陥検査装置1および排出装置4を制御するとともに、コンベア3の動力源となっているモータ6の駆動も制御するようになっている。すなわち、制御回路5は、瓦2が瓦表面欠陥検査装置1の検査位置まで搬送されたとき、モータ6を制御してコンベア3の駆動を一時停止させるとともに、瓦表面欠陥検査装置1によって検査が終了すると、コンベア3を再び駆動して瓦2を搬送するように制御している。なお、図中の符号7,8はコンベア3およびモータ6に設けられたプーリ、符号9はこれらプーリ7,8に巻回される無端ベルトであり、モータ6の駆動によってプーリ7,8が回転し、コンベア3が駆動されるようになっている。
【0019】[実施形態1]図2は、瓦表面欠陥検査装置1の実施形態1を示す機能ブロック図であり、請求項1、3および4に対応している。
【0020】この瓦表面欠陥検査装置1は、瓦2へほぼ真上から光を照射する照明13と、瓦2へほぼ真横から光を照射する照明14と、瓦2の真上に設置され瓦2の表面を撮像するCCDカメラ等の撮像部15と、撮像部15からの出力信号をA/D変換し変換画像を出力するA/D変換部16と、瓦2の表面の欠陥部を検出するのに最適なしきい値を設定するしきい値設定部17と、A/D変換された変換画像がしきい値よりも大きくなっている部分の面積値を計測する画像処理部18と、この画像処理部18によって計測された面積値と予め設定された良否判定基準値とを比較して良否判定を行う良否判定部19とを備えている。13aは照明13を発光させる光源ユニット、14aは照明14を発光させる光源ユニットである。20は瓦が瓦欠陥検査装置1の検査位置に達したことを検知するための光電センサである。
【0021】図3、図4は瓦2の表面に表れ得る欠陥を示すものであり、図中の符号21は脱水不良を原因とする欠陥、符号22は異物が混入していることを原因とする欠陥である。欠陥21は周囲に比較して明るさに変化があらわれることが特徴であり、照明13により光を照射することによりこの欠陥21を検出することができる。しかし、この欠陥21には起伏がないので、照明14により光を照射しても欠陥21で光が散乱せず、欠陥として検出されない。一方、欠陥22は、起伏を生じていることが特徴であり、照明14により光を照射すると、欠陥22の部分で光が散乱し、欠陥22が検出される。しかし、周囲との明るさの変化はないので、照明13によって光を照射しても欠陥22は検出されない。本実施形態1の瓦表面欠陥検査装置1は、照明13によって脱水不良を原因とする欠陥21を検出し、照明14によって異物混入による欠陥22を検出することができる。
【0022】次に、この瓦表面欠陥検査装置1による欠陥検査処理動作について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
【0023】この瓦表面欠陥検査装置1は、制御回路5の制御によって作動し、瓦表面の欠陥を検査していく。
【0024】コンベア3上に載せられて搬送されてきた瓦2は、瓦表面欠陥検査装置1の検査位置に達すると、光電センサ20に検知されることにより、この位置に停止する(S1)。
【0025】次に、照明13により瓦2へほぼ真上から光を照射し(S2)、撮像部15が瓦2の表面を撮像する。このときに得られる瓦2の画像は画像信号としてA/D変換部16に入力される(S3)。次に、照明14により瓦2へほぼ真横から光を照射し(S4)、撮像部15が瓦2の表面を撮像する。このときに得られた瓦2の画像は画像信号として、A/D変換部16に入力される(S5)。ここでコンベア3を再スタートさせ、次の瓦を瓦表面欠陥検査装置1に搬送する(S6)。
【0026】次に、A/D変換部16によって、入力された画像信号をA/D変換し(S7)、瓦の表面のA/D変換画像を出力する(S8)。
【0027】図6は、S3で処理されたA/D変換画像の一例を示したものである。瓦表面に脱水不良に由来する欠陥があると、画像上に周囲との濃度の違いがはっきり分かるほどの濃度変化が現れる。なお、前述のように、異物が混入することによる欠陥は、このときの画面上に現れない。図7は、図6中におけるA−B間のA/D変換画像を示しており、欠陥のある位置での濃度の急激な上昇がみられる。
【0028】次に、しきい値設定部17が瓦のA/D変換画像の濃度変動に基づいて最適なしきい値の設定を行う(S10)。すなわち、しきい値設定部17には、瓦の検査を行うごとにA/D変換画像が入力され、このA/D変換画像を平均し、これを瓦の基本濃度として算出する。
【0029】ここで、検査開始から10n番目〜(10n+9)番目(n=2,3,...)の瓦を検査する際の最適のしきい値(Fnとする)を設定する場合について説明する。まず、10n番目の瓦の直前の10個の瓦、すなわち、10n−1,10n−2,...10(n−1)番目の瓦の基本濃度の平均値を求める(これをDn-1 とする)。次に、さらにその前の10個の瓦、すなわち、10n−11,10n−12,...,10(n−2)番目の瓦の基本濃度の平均値を求める(これをDn-2 とする)。そして、各平均値の変動割合Sn(Sn=(Dn-1 −DN-2)/Dn-2 )を算出し、変動割合分(1+Sn)を10(n−1)〜(10n−1)番目の瓦のしきい値Fn-1 に掛けることにより、10n番目〜(10n+9)番目の瓦を検出するときの最適のしきい値Fnを求める{Fn=(1+Sn)×Fn-1 }。
【0030】例えば、直前の10個の瓦の平均濃度が110で(Dn-1 =110)、その前の10個の瓦の平均濃度が100で(Dn-2 =100)であった場合、その平均濃度の変動割合Snは、Sn=(110−100)/100=0.1より、0.1となる。そして、その前のしきい値Fn-1 を140とすると、次の瓦を検査する際の最適のしきい値Fnは、Fn=(1+Sn)×Fn-1 =1.1×140=154より、154となる。
【0031】また、検査開始から11番目から20番目の瓦を検査する際に用いられるしきい値は、1番目から10番目の瓦の平均濃度によって判断される。
【0032】また、検査開始から10番目以内の瓦のしきい値は、それまでの瓦の平均濃度によって判断される(S11)。例えば、5番目の瓦の欠陥検出濃度は4番目までの濃度の平均値に基づいて判断される。
【0033】図8は、S5で処理されたA/D変換画像の一例を示したものである。瓦表面に異物混入による欠陥があると、欠陥のある部分で濃度の変化があらわれる。前述のように、脱水不良に由来する欠陥は、このときの画面上には現れない。図9は、図8中におけるA−B間の画像信号を示している。なお、本来ならば、AとBとではAの方が明るい側であるが、図9では明暗を逆に示している。
【0034】ここで、画像処理部18は、この濃度の変化の傾斜を消す補正を行うために、x方向(照射方向)に対して微分処理を行う(S12)。微分処理の式は下記の(1)式の通りである。
【0035】
f(i,j)=|f(i+1,j)−f(i−1,j)| ・・・(1)
この微分処理には明から暗、あるいは、暗から明への濃度の変化が急激な部分を強調する作用がある(すなわち、強調処理となる)。図9に対して微分処理を行った画像信号を図10に示す。
【0036】なお、この濃度変化の傾斜が充分少ない場合は、この処理はしなくても良い。
【0037】画像処理部18は、図7,図10の画像信号に対して、上記のようにして設定されたしきい値で2値化処理を行い(S13)、不良部分の面積測定を行う(S14)。
【0038】良否判定の基準となる面積値(良否判定基準値)は、良否判定部19に予め登録されており、良否判定部19が測定された面積値と良否判定基準値とを比較することにより良否判定を行う(S15)。図7,図10のいずれか一方でも不良が有れば、良否判定部19は欠陥信号を出力する(S16)。検出の結果は全て良否判定部19に保存する(S17)。
【0039】このように本実施形態1によれば、しきい値設定部17によって、瓦の検査に用いられるしきい値を、瓦の濃度の変動に対応して変動するようにしたので、養生庫内の低い段位で養生された表面濃度の低い瓦を検査しても欠陥の見逃しがなくなり、養生庫内の高い段位で養生された表面濃度の高い瓦を検査しても、表面濃度のノイズを欠陥として検出することがない。そのため、欠陥を検出する精度を上げることができる。
【0040】また、画像処理部18により、ほぼ真横から一方向に光を照射したときに得られた変換画像に対し強調処理による補正を行うことができるので、より鮮明な濃度分布を得ることができる。
【0041】なお、本実施形態1では微分による強調処理を行わせているが、強調処理は微分によるものに限らず、変化量を電気的に増幅するようなものやその他のものとしても良い。
【0042】[実施形態2]図11は、瓦表面欠陥検査装置1の実施形態2を示す機能ブロック図であり、請求項2、3および5に対応している。
【0043】図11において、13,14は照明、13a,14aは光源ユニット、15は撮像部、16はA/D変換部、19は良否判定部であり、これらの構成は上記した図2に示す実施形態1の構成と基本的に同じであるので、ここでは同符号を付すこととし、詳細な説明を省略する。
【0044】本実施形態2の瓦表面欠陥検査装置1は、図2に示す実施形態1の構成からしきい値設定部17を削除した構成となっており、これに対応して画像処理部18の構成および処理動作が実施形態1の場合と若干異なっている。また、養生庫の各段に設けられた扉の開動作を検知する光電センサ21a,21b,・・・,21oを備えている点が、実施形態1の構成と異なるところである。
【0045】すなわち、養生庫の出口付近は、図12に示すように、瓦2の出口が養生庫の各段で別々になっており、瓦2が養生庫から搬出されるときには、搬出する段の扉が開くようになっている。光電センサ21a,21b,・・・,21oは、これら扉に近接して配置されており、扉が開くと、光電センサが扉からの反射光を受光しなくなることで、出てくる瓦が養生庫の何段目で養生された瓦であるかを認識できるようになっている。
【0046】瓦は、各段でほぼ10枚ずつ搬出されるようになっている。つまり、1段目で連続して約10枚搬出された後、続いて2段目より約10枚連続して搬出される。ただし、瓦が養生庫に入る前の成型機のトラブル等で、各段の瓦が10枚以下になる場合もある。また、1段目から始まって15段目で養生された瓦の搬出を終了すると、次は14段目、13段目・・・と下がって、順次瓦の搬出を行うようになっている。
【0047】また、画像処理部18は、実施形態1とは異なり、養生庫の各段ごとに予め設定されたしいき値を、図示しない内部メモリ(しきい値記憶手段)に記憶している。下表は、内部メモリに記憶されている各段ごとのしきい値を示している。
【0048】
【表1】

【0049】この表1からも分かる通り、養生庫上段の瓦は表面濃度が高いためしきい値も高く、養生庫下段の瓦は表面濃度が低いためしきい値も低く設定されている。例えば、図13に示すように、養生庫の8段目の瓦の平均濃度は100程度であるため、しきい値は140となっている。また、図14に示すように、養生庫の13段目の瓦の平均濃度は110程度であるため、しきい値は155となっている。 次に、この瓦表面欠陥検査装置1による欠陥検査処理動作について、図15に示すフローチャートを参照して説明する。ただし、処理動作については、多くの部分が実施形態1の処理動作と重複するため、実施形態1の動作説明で用いた図6ないし図10を本実施形態2の処理動作でも同様に用いて説明を行うものとする。
【0050】この瓦表面欠陥検査装置1は、制御回路5の制御によって作動し、瓦表面の欠陥を検査していく。
【0051】養生庫の任意の段から搬出され、コンベア3上に載せられて搬送されてきた瓦2は、瓦表面欠陥検査装置1の検査位置に達すると、光電センサ20に検知されることにより、この位置に停止する(S21)。
【0052】検査位置に停止すると、次に、照明13により瓦2へほぼ真上から光を照射し(S22)、撮像部15が瓦2の表面を撮像する。このときに得られる瓦2の画像は画像信号としてA/D変換部16に入力される(S23)。次に、照明14により瓦2へほぼ真横から光を照射し(S24)、撮像部15が瓦2の表面を撮像する。このときに得られた瓦2の画像は画像信号として、A/D変換部16に入力される(S25)。ここでコンベア3を再スタートさせ、次の瓦を瓦表面欠陥検査装置1に搬送する(S26)。
【0053】次に、A/D変換部16によって、入力された画像信号をA/D変換し(S27)、瓦の表面のA/D変換画像を出力する(S28)。
【0054】S23で処理されたA/D変換画像の一例は図6に示した通りであり、この図6中におけるA−B間のA/D変換画像は図7に示した通りである。また、S25で処理されたA/D変換画像の一例は図8に示した通りであり、この図8中におけるA−B間の画像信号は図9に示した通りである。
【0055】次に、画像処理部18は、養生庫の各段の扉の開閉を検知する光電センサ21a,21b,・・・,21oからの開検知信号に基づき、内部メモリに記憶されているしきい値から、その養生庫の段数に応じたしきい値の決定を行う(S29)。例えば、養生庫の8段目である場合には、上記表1よりしきい値を140に設定する。また、養生庫の13段目である場合には、上記表1よりしきい値を155に設定する。
【0056】続いて、画像処理部18は、照明の方向に起因する図9の明るさ変化の傾斜を消す補正を行うために、x方向(照射方向)に対して微分処理を行う(S30)。微分処理の式は前記(1)式と同じである。
【0057】この微分処理には明から暗、あるいは、暗から明への明るさの急激な変化のある部分を強調する作用がある(すなわち、強調処理となる)。図9に対して微分処理を行った画像信号を図10に示す。なお、この明るさ変化の傾斜が充分少ない場合は、この処理はしなくても良い。
【0058】続いて、画像処理部18は、図7,図10の画像信号(明るさ分布)に対して、上記のようにS29で設定されたしきい値で2値化処理を行い(S31)、不良部分の面積測定を行う(S32)。
【0059】良否判定の基準となる面積値(良否判定基準値)は、良否判定部19に予め登録されており、良否判定部19が測定された面積値と良否判定基準値とを比較することにより良否判定を行う(S33)。図7,図10のいずれか一方でも不良が有れば、良否判定部19は欠陥信号を出力する(S34)。検出の結果は全て良否判定部19に保存する(S35)。
【0060】このように本実施形態2によれば、養生庫の段数によって、瓦の検査に用いられるしきい値を上記表1から選択するようにしたので、養生庫内の低い段位で養生された表面濃度の低い瓦を検査しても欠陥の見逃しがなくなり、養生庫内の高い段位で養生された表面濃度の高い瓦を検査しても、表面濃度のノイズを欠陥として検出することがない。そのため、欠陥を検出する精度を上げることができる。 また、画像処理部18により、ほぼ真横から一方向に光を照射したときに得られた変換画像に対し強調処理による補正を行うことができるので、より鮮明な濃度分布を得ることができる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1および4の発明によれば、瓦へほぼ真上から光を照射する照明と、瓦へほぼ真横から光を照射する照明と、上記2種類の照明を瓦に照射したときの瓦の表面を真上から撮像し画像信号を出力する撮像装置と、前記画像信号に基づいて瓦表面の欠陥を検出するためのしきい値を設定するしきい値設定装置と、前記画像信号が前記しきい値より大きくなっている部分の面積値を計測する画像処理装置と、前記面積値と予め設定された良否判定基準値とを比較して瓦の表面の良否判定を行う良否判定装置とを備え、前記しきい値設定装置が設定するしきい値は、直前の所定個数の瓦の表面の画像信号の変動に基づいて所定個数ごとに決められるので、瓦の表面濃度に変動があっても精度よく欠陥を検出することができる。
【0062】また、請求項2および5の発明によれば、瓦へほぼ真上から光を照射する照明と、瓦へほぼ真横から光を照射する照明と、上記2種類の照明を瓦に照射したときの瓦の表面を真上から撮像し画像信号を出力する撮像手段と、欠陥検出される瓦が養生庫の何段目で養生されたかを認識する段認識手段と、養生庫の段ごとに予め設定されたしきい値を記憶するしきい値記憶手段と、このしきい値記憶手段に記憶されているしきい値に基づいて前記画像信号に含まれる不良部分を判定し、その判定した不良部分の面積値を計測する画像処理手段と、前記面積値と予め設定された良否判定基準値とを比較して瓦の表面の良否判定を行う良否判定手段とを備え、前記画像処理手段は、前記段認識手段により認識された段に対応するしきい値に基づいて不良部分を判定する。すなわち、しきい値記憶手段に記憶されているしきい値は、瓦の表面濃度に影響を及ぼす養生庫内での高さを考慮した設定となっており、瓦の表面濃度の変動に応じた最適なしきい値を用いることができるので、瓦の表面濃度に変動があっても精度よく欠陥を検出することができる。
【0063】請求項3の発明によれば、画像処理部を、ほぼ真横から光を照射したときに得られた瓦表面の濃度分布に対して強調処理を行い得るよう構成したので、より鮮明な濃度分布を得ることができ、実用上有益である。
【出願人】 【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【出願日】 平成12年1月14日(2000.1.14)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−141435(P2001−141435A)
【公開日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【出願番号】 特願2000−6716(P2000−6716)