| 【発明の名称】 |
レール断面測定装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】縄田 晃史
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| 【要約】 |
【課題】スリット光が分離しても測定可能なレール断面測定装置を実現。
【解決手段】レール1に対して照射方向の異なる複数のスリット光13a,13bを照射するとともに、それぞれの像15a,15bを区別して撮ってレール断面像を求める。また、その区別をレーザ光と干渉フィルタとの組み合わせで行う。さらに、撮った画像データ41aに対して座標変換等の処理を施すとともに、スリット光が複数であるのに対応して座標変換パラメータ44aも複数組保持する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】レールに対してスリット光を照射するとともにその像を撮ってレール断面像を求めるレール断面測定装置において、前記スリット光が照射方向の異なる複数のものからなり、それぞれの像が区別して撮られることを特徴とするレール断面測定装置。 【請求項2】前記スリット光がレーザ光であり、それぞれの像が干渉フィルタにて区別されることを特徴とする請求項1記載のレール断面測定装置。 【請求項3】前記レール断面像を求める際に撮った画像データに対して座標変換処理を含む所定の画像処理を施すとともに、前記スリット光が複数であるのに対応して前記座標変換処理用のパラメータが複数組保持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載されたレール断面測定装置。 【請求項4】前記パラメータを各組毎に更新しうる手段が設けられていることを特徴とする請求項3記載のレール断面測定装置。 【請求項5】前記スリット光が複数であるのに対応して光学系格納部が複数に分かれていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載されたレール断面測定装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、レール上を走行する検測車等に搭載されてレール断面を測定するレール断面測定装置に関し、詳しくは、レールに対してスリット光を照射してその表面形状の映像・影像等の像を撮る光切断法に基づいて画像データを得、それに対して所定の座標変換等の画像処理を施して擬似的にレール断面像を求めるレール断面測定装置に関する。 【0002】 【背景の技術】鉄道用レールは走行車両の車輪と擦れ合うことによりレールの踏面や頭部が摩耗する。その摩耗量が或るレベルを超えると脱線等を招く可能性があることから、それ以前に正常なレールと交換しなければならないので、レールの摩耗量を的確に把握するために、随時あるいは定期的にレール摩耗量を測定することが必要となる。そして、レール摩耗量はレール断面像から求められるが、走行中にレールを切断することなく擬似的にレール断面像を求めるには、先ず、レールの表面形状を反映した生のレール画像をレールの外から撮る必要があり、それから、座標変換等の画像処理によって間接的にレール断面像を作り上げることとなる。 【0003】特開平6−11315号公報に記載されたレール断面摩耗測定装置は、そのような要請に応えうるレール断面測定装置の典型例であり、光切断法という光学式測定方法を用いたものである。そこで、この装置は、測定対象物であるレールに対しスリット光を照射して恰も切断したかのようにレール形状を浮き上がらせてその部分の表面映像を撮るとともに、こうして得た生のレール画像に対し座標系をカメラ基準の座標からレール基準の座標に切り換える所定の座標変換を施して正規化したレール断面像を疑似的に得、それから、このレール断面像を用いて摩耗量を算出するようになっている。 【0004】図4にその光学系を示したが、レール画像を得るために、キセノンフラッシュランプ等を内蔵したスリット光源11と、その照射をレール1にほぼ直交したスリット光13に絞り込むスリット部材12と、スリット光13がレール1に当たってできるスリット像15を撮るCCDカメラ14とが設けられている。これらは、図示しない検測車の下面に取り付けられており、一本のレール1に対して2台のCCDカメラ14が設けられていて、そのレール1を両側の斜め上から挟み込むように撮影することで、底面を除きレールのほぼ全周についての映像が得られる。 【0005】こうしてレール画像が得られるが、レール1との接触やスリット光13との干渉を避ける等のためにCCDカメラ14での撮像がレール1の斜め上から行われるので、生のレール画像は歪んでいる。その歪みは、CCDカメラ14の取り付け位置や向きといった幾何学的な関係に基づいて定まり、所定の変換式による座標変換を施すことで概ね除去される。すなわち、カメラ基準座標系によるレール画像の任意位置を(X,Y)と表し、レールの垂直な断面に対応したレール基準座標系によるレール断面像の該当位置を(XX,YY)と表すと、XX=(A0×X+A1×Y+A2)/(A6×X+A7×Y+1)、およびYY=(A3×X+A4×Y+A5)/(A6×X+A7×Y+1)という座標変換の式が成立する。 【0006】そして、この変換式におけるパラメータA0〜A7は、レール画像に反映されるレール1の特徴的形状を幾つか抽出して、歪みの無い理想的なレール断面像の特徴と対比させることで、定められる。しかも、CCDカメラ14の設置後であれば、必要な幾何学的関係が確定し、それに基づいて予め決定しておくことが可能なので、演算量軽減等の観点から、固定値にして用いられる。また、外側のレール頭部側面の下端に位置するレールあご等が安定な基準点として選出され、画像処理して得たレール断面像と摩耗の無い理想的な基準レール像との偏差を抽出する等の処理も行われて、レール摩耗量が算出される。 【0007】 【従来の技術】従来は、一本のレール1の表面形状について少なくともレール頭部の頂面および両側面を一本のスリット光13で浮き上がらせるために、レール1の横幅よりも長く而も一体物に形成されたスリット部材12が用いられていた。そして、複数のCCDカメラ14による撮影は、異なる撮影位置から行われるが、一本のスリット光13に基づくスリット像15を区別すること無く行われていた。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところが、このような従来のレール断面測定装置では、必然的にスリット部材その他の光学系が大形化しやすい。このため、原価削減や作業負担軽減等の観点から、小形化が望まれる。そして、そのような要請に応えるべく、発光部に対してスリット部材が組み合わせられて概ね一体的に纏められたレーザユニットを光学系に採用することも考えられる。 【0009】しかしながら、そのような小形のスリット部材等を用いてレール頭部についてその頂面ばかりかそれに連なる両側面にもスリット光を照射するには、一本のレールに対してもスリット部材等を複数設けて異なる方向から照射するとともに、複数のスリット光が重なって恰も一本のスリット光に見える状態まで十分に光学系を調整することも必要となるが、その調整作業は、厄介である。このため、スリット部材等を分けただけでは、小形化は図れても別の作業負担が加わるので、不都合である。 【0010】そこで、スリット部材等を複数に分けても複数のスリット光を一本化する調整作業は要らないよう、光学系等について更なる工夫を凝らすことが技術的な課題となる。この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、スリット光が分離していても測定が可能なレール断面測定装置を実現することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】このような課題を解決するために発明された第1乃至第5の解決手段について、その構成および作用効果を以下に説明する。 【0012】[第1の解決手段]第1の解決手段のレール断面測定装置は(、出願当初の請求項1に記載の如く)、(一の)レールに対してスリット光を照射する(照射手段と、それ)とともに(検測車等に対して装着されて)その(映像・影像等の)像を撮って(画像データを出力する撮像手段と、その画像データに対して所定の座標変換等の画像処理を施して)レール断面像を求める(データ処理手段とを備えた)レール断面測定装置において、(前記照射手段は、)前記スリット光が照射方向の異なる複数のものからな(るよう前記レールに対するスリット光の照射を複数の異なる方向から行うものであ)り、(前記レールの表面における)それぞれの(スリット光の)像が区別して撮られる(よう波長又は周波数に基づく弁別手段や交互処理又は逐次処理に基づく時分割手段等の手段が前記撮像装置または他の部分に付加されている)、というものである。 【0013】このような第1の解決手段のレール断面測定装置にあっては、一本のレールに対して異なる方向から複数のスリット光が照射され、その像に基づいてレール断面像が求まるが、その際、それぞれの像が区別して撮られる。そして、それぞれのスリット光の像が区別して撮られるようにしたことにより、スリット光が一本で無くても、一般にレールの断面形状が長手方向で急に変化することは滅多に無いという特質も踏まえて、それぞれの画像データに対して個々に定まる画像処理を施すことで、適切なレール断面像が得られる。したがって、この発明によれば、スリット光が分離していても測定が可能なレール断面測定装置を実現することができ、その結果、スリット部材等を複数に分けても複数のスリット光を一本化する調整作業は不要となる。 【0014】[第2の解決手段]第2の解決手段のレール断面測定装置は(、出願当初の請求項2に記載の如く)、上記の第1の解決手段のレール断面測定装置であって、前記スリット光(を発する前記照射手段またはその一部の手段)がレーザ光(を発するレーザ装置)であり、(前記スリット光)それぞれの像(を区別する手段)が(各スリット光の波長の相違に基づいて弁別する複数の)干渉フィルタ(を有していてそれら)にて(各像が)区別される(ようになっている)、というものである。 【0015】このような第2の解決手段のレール断面測定装置にあっては、波長分布の広がりが狭いレーザ光と、そのような光に対する弁別能力の高い干渉フィルタとが組み合わせられているので、各スリット光の像が明りょうに区別して撮られることとなる。このようにスリット光の波長域を使い分けることにより、比較的単純な同様構成部分を多重に設ける程度のことで複雑化が回避されるとともに、それでも適切な測定結果が得られる。したがって、この発明によれば、スリット光が分離していても測定が可能なレール断面測定装置を簡素に実現することができる。 【0016】[第3の解決手段]第3の解決手段のレール断面測定装置は(、出願当初の請求項3に記載の如く)、上記の第1,第2の解決手段のレール断面測定装置であって、(前記データ処理手段は、)前記レール断面像を求める際に(それぞれの像を)撮った画像データ(それぞれ)に対して座標変換処理を含む所定の画像処理を施すとともに、前記スリット光が複数であるのに対応して前記座標変換処理用のパラメータが複数組保持されている、というものである。 【0017】このような第3の解決手段のレール断面測定装置にあっては、一本のレールに対してスリット光が複数照射され、それぞれの像が区別して撮られるとともに、それぞれの画像データに対して個々に該当する組のパラメータを用いて座標変換処理が施される。これにより、各スリット光が重なって一本になっていたとしてもそうでなく分離していたとしても、それぞれの画像データに対してそれぞれに適切な座標変換が施されるので、何れの画像も適切かつ確実にレール基準の共通座標に統一されて所望のレール断面像が得られる。したがって、この発明によれば、スリット光が分離していても測定が可能なレール断面測定装置を確実に実現することができる。 【0018】[第4の解決手段]第4の解決手段のレール断面測定装置は(、出願当初の請求項4に記載の如く)、上記の第3の解決手段のレール断面測定装置であって、前記パラメータを各組毎に更新しうる手段が設けられている、というものである。 【0019】このような第4の解決手段のレール断面測定装置にあっては、一部のスリット部材等を付け替えたり調整したりして一部のスリット光とレールとの対応関係が変化したときには、対応する組のパラメータが更新される。その際、他の組のパラメータを更新しなければそれと他のスリット部材等との対応関係は適切な状態に維持される。これにより、一部部品の修理や調整等の部分的な変更があってもその影響はその部分とそれに直接的に関連する局所に止まることから、部分的な変更が可能で而も容易に行えるので、他の部分共々一括して付け替えるという事態が減り、保守作業等が楽になる。したがって、この発明によれば、スリット光が分離していても測定が可能であって保守もし易いレール断面測定装置を実現することができる。 【0020】[第5の解決手段]第5の解決手段のレール断面測定装置は(、出願当初の請求項5に記載の如く)、上記の第1〜第4の解決手段のレール断面測定装置であって、前記スリット光が複数であるのに対応して(前記検測車等に対して光学系を装着させるための取付基板や筐体等の)光学系格納部が(前記検測車等に対して装着されたとき一のレールに対する測定を担う部分に関し)複数に分かれている、というものである。 【0021】このような第5の解決手段のレール断面測定装置にあっては、光学系格納部が複数に分かれているので、組み立て時はもちろんのこと、検測車等に対して光学系を装着させるときや、修理等のために脱着させるとき等にも、部分的に作業することが即ち何度かに分けて行う或いは一部についてだけ行うことが可能である。しかも、そのようにしても、スリット光の分離不分離に拘わらず測定が可能なようになっているので、測定に不都合は無い。これにより、本来の測定機能を損なうこと無く、製造時やその後の作業負担が軽減されることとなる。したがって、この発明によれば、スリット光が分離していても測定が可能であって色々な作業も楽なレール断面測定装置を実現することができる。 【0022】 【発明の実施の形態】このような解決手段で達成された本発明のレール断面測定装置について、これを実施するための具体的な形態を、以下の第1,第2実施例により説明する。何れも、レール断面の摩耗量を測定するレール断面摩耗測定装置が具体例となっているが、図1及び図2に示した第1実施例は、上述した第1〜第3の解決手段を具現化したものであり、図3に示した第2実施例は、上述した第4,第5の解決手段を具現化したものである。 【0023】 【第1実施例】本発明のレール断面測定装置の第1実施例としてのレール断面摩耗測定装置について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、そのうちの光学系等の構造を示す模式図であり、(a)が斜視図、(b)が正面図である。また、図2は、信号処理系等のブロック図である。 【0024】このレール断面摩耗測定装置は(図2参照)、光切断法によりレール画像を撮るための光学部10と、レール1に付着したゴミ等を吹き飛ばすためのノズルやエア供給ユニット等からなる補助機構部20と、撮ったレール画像に画像処理を施して所望の測定を行うための信号処理部30とを具えている。 【0025】光学部10は(図1参照)、レール1を撮影するために、検測車2の下面に取り付けられるが、左右2本のレール1を同時に測定するために、一対が左右に分けられて、それぞれが、補助機構部20も含めて一つの筐体に格納され、前後の車輪3の間に搭載される。また、光学部10は(図2参照)、ランプ方式(11)からレーザ発光方式(11a,11b)に変更されたスリット光源や、撮像手段としてのCCDカメラ14からなるが、レール1一本当たり2台使用されるので、それぞれが4台ずつ設置されたものとなっている。 【0026】左右対称なのでレール一本分について詳述すると(図1参照)、一本のレール1に対して照射方向の異なる複数のスリット光を照射するために、レーザ光を発する一対の右側レーザ発光部11aと左側レーザ発光部11bとが導入され、右側レーザ発光部11aはレール1の右上方に設置され、左側レーザ発光部11bはレール1の左上方に設置される。右側レーザ発光部11aの先端にはシリンドリカルレンズやスリットの形成された右側スリット部材12aが組み付けられており、そこから右側スリット光13aがレール1へ斜めに照射される。左側レーザ発光部11bにも同様の左側スリット部材12bが組み付けられていて、そこからは左側スリット光13bが斜めに照射されるようになっている。 【0027】また、右側スリット光13aによる右側スリット像15aはレール1頭部の頂面と右側面とをカバーし、左側スリット光13bによる左側スリット像15bはレール1頭部の頂面と左側面とをカバーする必要はあるが、両像15a,15bはレール1の頂面上等で重なっていても重ならなくても平行になっていても平行でなくてもレール1に直交していても斜交していても良いことから、両像15a,15bを頂面上で一致させるための光軸調整用部材の付加等は不要なので、レーザ発光部11a,11b等の取付部等は簡素なものとなっている。 【0028】さらに、右側レーザ発光部11a側すなわちレール1の右上方に設置されたCCDカメラ14のレンズ部には右側の干渉フィルタ16aが装着され又は直前に置かれ、左側レーザ発光部11b側のCCDカメラ14には左側の干渉フィルタ16bが組み合わせられている。そして、例えば、右側レーザ発光部11aには波長685nmの光を出すものが採用されるとともに、右側フィルタ16aには波長685nm付近の光だけを通すものが採用される一方、左側レーザ発光部11b及び左側スリット部材12bには波長785nmに対応したものが採用される。これにより、右側のCCDカメラ14で撮って出力されたレール半画像すなわちレール1の頂面および右側面についての画像には右側スリット像15aは現れるが左側スリット像15bは含まれず、左側のCCDカメラ14からのレール半画像には左側スリット像15bは現れるが右側スリット像15aは含まれず、各スリット光の像15a,15bが波長の相違に基づいて弁別されるものとなる。 【0029】信号処理部30は(図2参照)、レールの撮像を走行状態等に応じて適切なタイミングで行う等のために、汎用のマイクロプロセッサシステム等からなるメインコントローラ31を具備しており、これによって適宜のインターフェイス32,33,34を介してCCDカメラ14,14,14,14や,スリット光源11a,11b,11a,11b,補助機構部20を制御するようになっている。また、信号処理部30には、それとは別個のプロセッサからなる断面信号処理装置40(データ処理手段)も設けられていて、レール断面像を求める画像処理その他のデータ処理を効率良く行うようになっている。 【0030】断面信号処理装置40は(図2参照)、インターフェイス32を介して各CCDカメラ14から取り込んだ4枚のレール半画像41aに加えて2枚のレール全画像41bをも保持するフレームメモリ41と、レール半画像41aに施す画像処理等の処理内容を規定したプログラムを保持するプログラムメモリ42と、演算中に値の変更される基準点データ43aなどを保持するRAM43と、固定値の座標変換パラメータ44aや測定基準データ44bを保持するROM44とを具えている。 【0031】フレームメモリ41において、レール半画像41aは、上述したレーザ光の波長に基づく弁別によってそれぞれ異なるスリット光13a,13b,13a,13bの像15a,15b,15a,15bを映した画像データであるが、何れも、各画素ごとに数ビットのメモリが割り付けられて、多値のレール画像となっている。これに対し、レール全画像41bは、2枚のレール半画像41aが合成されて一枚のレール断面像になったものであり、何れも、各画素ごとに1ビットのメモリが割り付けられて、二値のレール断面像となっている。 【0032】また、RAM43において、基準点データ43aは、レール半画像41aのそれぞれに対応して4組が設けられ、それぞれの基準点データ43aには、レールあご位置等に関するデータ領域が割り付けられる(特開平6−11315号公報や特願平10−312773号等も参照)。 【0033】さらに、ROM44において、座標変換パラメータ44aは、スリット光13a,13bが2組で合計4個であるのに対応して4組が設けられ、それぞれの座標変換パラメータ44aには、背景の技術の欄で既述したパラメータA0〜A7に相当するデータを保持するのに必要なデータ領域が割り付けられる。また、測定基準データ44bには、摩耗量を計るべき箇所を示す幾本かの基準線と、少なくともこれらの基準線上においては摩耗の無い状態のレール断面像とを規定するデータ領域が、割り付けられている(特願平10−312773号も参照)。 【0034】断面信号処理装置40のプログラムメモリ42には、レール半画像41a(レール画像)における基準点となるレールあご位置を選出するために、基準点選定ルーチン42aがインストールされ、レール半画像41a(レール画像)からレール全画像41b(レール断面像)を得るために、正規化ルーチン42bがインストールされ、レール全画像41bについてレールあご位置を基準にしてレール摩耗量の測定をおこなうために、摩耗量算出ルーチン42cがインストールされている。 【0035】そのうち、基準点選定ルーチン42aは、4枚のレール半画像41aが新たに入力される度に順次実行される図示しない顎方向抽出処理や,顎陰点抽出処理,顎点算出処理等を行って、正規化ルーチン42bによる座標変換に必要な基準点データ43aを求めるようになっている(特願平10−312773号も参照)。 【0036】正規化ルーチン42bは、従来と同様に、先ず、各レール半画像41aに対し所定の平滑化および二値化さらに細線化の処理を行い、それから、各レール半画像41aに対し既述の座標変換式に基づく変形処理を適用するとともに、2枚ずつ繋ぎ合わせたうえで、2枚のレール全画像41bを生成する。その際、4組ずつ有る基準点データ43a及び座標変換パラメータ44aのうち該当レール半画像41aに対応した組のデータを用いることで、各スリット像の画像データに対して個々に適切な座標変換等の画像処理を施すようになっている。 【0037】摩耗量算出ルーチン42cは、レール全画像41bを対象にして、測定基準データ44bによって現される各基準線に沿って(図2の該当個所の矢印線を参照)、レール全画像41bのレール像と、摩耗の無い状態のレール断面像との差を算出する。そして、レールが摩耗して減る方向が正になるように符号を調整して、その差を摩耗量Mとするようになっている。 【0038】この第1実施例のレール断面摩耗測定装置について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。 【0039】先ず、検測車2の下面等に光学部10及び補助機構部20を装着させ、その状態でレール1をCCDカメラ14で撮影し、そのモニタ画像等に基づいてパラメータA0〜A7等の値を確定する。その際、右側スリット像15aと左側スリット像15bとが重なっていても分離していても構わずに、すなわち面倒な光軸合わせは省いて、それぞれのCCDカメラ14によるモニタ画像ごとにパラメータA0〜A7等の値を求める。そして、それらの値や、レール1の種類に基づき予め判明している測定基準データ44bの値などをROM44に書き込み、そのROM44を信号処理部30に装着する。それから、その信号処理部30を該当する検測車2に搭載するとともに、光学部10等と信号処理部30とを適宜のケーブル等で信号送受可能に接続する。こうして、簡単に、測定の準備が調う。 【0040】その検測車2が目的地に至って測定対象のレール1上を一定速度で走行しながら測定を開始すると、メインコントローラ31の制御の下、所定の周期で左右のレーザ発光部11b,11aからレール1に向けて複数のスリット光13b,13aが照射されるとともに、それに同期してレール1上の左側スリット像15b及び右側スリット像15aが左右のCCDカメラ14によって区別して撮影される。そして、その度に、画像データが断面信号処理装置40に取り込まれる。こうして、ほぼ一定の間隔を走行する度に新たなレール半画像41aが4枚ずつ得られる。 【0041】そして、その度に、断面信号処理装置40では、基準点選定ルーチン42aと正規化ルーチン42bと摩耗量算出ルーチン42cとがその順に実行される。そこで、レール半画像41aが得られる度に、順に、基準点選定ルーチン42aによって一組ずつ基準点データ43aが選出される。また、各レール全画像41bには、正規化ルーチン42bによって、平滑化と二値化と細線化の処理が施されるとともに、4組のうち該当する座標変換パラメータ44aを用いて所定の変換式に基づく座標変換処理が行われる。さらに、正規化ルーチン42bによって、画像の繋ぎ合わせ処理も行われて、4枚のレール半画像41aから2枚のレール全画像41bが生成される。 【0042】それから、摩耗量算出ルーチン42cによって、測定基準データ44bに基づきレール全画像41bから摩耗量Mが算出される。このようにして、検測車の走行に伴い所定間隔ごとに、レール1の踏面や頭部側面の摩耗量Mが、次々に測定される。そして、測定された摩耗量Mは、適宜の信号変調処理や通信電文等への変換処理も施されてから、図示しない表示装置や記録装置に送られて、目視による良否判別や機械処理による自動判別等に供される。 【0043】 【第2実施例】本発明の第2実施例として一部改造および機能拡張を試みた他のレール断面摩耗測定装置について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図3は、(a)が光学系等の正面図であり、(b)が信号処理系等のブロック図であり、それぞれ上述の図1(a),図2との相違点を中心に示している。 【0044】このレール断面測定装置が上述した第1実施例のものと相違するのは、次の2点である。すなわち、第1点は、検測車2に対して装着されたとき一本のレール1に対する測定を担う部分だけに関して見ても、スリット光が複数である(13→13a,13b)のに対応して検測車2に対する光学系装着部材が複数に分かれた(10→10a,10b)点である。また、第2の相違点は、検測車2に装着したままでも座標変換パラメータ44aを各組毎に更新しうるようになった点である。 【0045】具体的には(図3(a)参照)、光学部10の筐体が右側光学部格納箱10aと左側光学部格納箱10bとに分割され、それぞれが分離して個別に検測車2の下面へ取り付けられるようになっている。そして、右側光学部格納箱10aには、右側スリット部材12aの付いた右側レーザ発光部11aと、右側フィルタ16aの付いたCCDカメラ14とが格納されている。また、左側光学部格納箱10bには、左側スリット部材12bの付いた左側レーザ発光部11bと、左側フィルタ16bの付いたCCDカメラ14とが格納されている。 【0046】また(図3(b)参照)、ROM44がEEPROM等の書換可能な不揮発性メモリにて置換されるとともに、断面信号処理装置40のプログラムメモリ42にはパラメータ変更ルーチン42dが追加インストールされている。さらに、座標変換パラメータ44aの値を定めるとき等に用いられる調整用治具50が、着脱容易なコネクタやケーブル等を介して、断面信号処理装置40に座標変換パラメータ44aを送信しうるようになっており、パラメータ変更ルーチン42dは、その座標変換パラメータ44aを取り込んでEEPROM44における該当領域に上書きするようになっている。 【0047】この場合、光学部格納箱10a,10bは何れも光学部10の筐体に比べて半分よりも小さくなっており而も軽くもなっているうえ、同時に取り付ける必要が無いので、検測車2に対する装着作業がぐっと楽になる。しかも、光軸合わせが不要で両スリット像15a,15bが数cm程度離れていても何ら不都合は無いので、気軽に、それぞれの光学部格納箱10a,10bごとに取付作業を行い、それから、個々に、調整用治具50を一時接続して、座標変換パラメータ44aの確定および書込作業を行うことができる。 【0048】その後の測定作業や測定動作等は上述した第1実施例のと同様なので繰り返しとなるその説明は割愛するが、測定を続けるうちに何れか一方の部材たとえば右側レーザ発光部11aに不具合が生じたような場合には、それを格納している右側光学部格納箱10aだけを取り外して不具合を直し、それを再装着してからその部分についてだけ調整用治具50を用いて再調整を行う。こうして、この場合には、非該当部分はそのままにして該当部分だけ修理や再調整を行うことができるので、保守作業も楽になるうえ、維持費も節約できることとなる。 【0049】 【その他】なお、上記の各実施例では、レール断面摩耗を測定する場合を説明したが、測定する物理量は、摩耗量に限らず、レール断面像から得られるものであれば、どのようなものでも良い。さらに、摩耗量の正負も、実施例の場合に限られず、レールが摩耗して減る方向が負になるようにしても良い。 【0050】スリット光源の種類も、レーザ装置に限られず、キセノンフラッシュランプや水銀ランプ等でも良い。さらに、外乱光の影響を排除するために光度を適宜な周波数で変調するようにしても良い。カメラの種類や台数も、CCDや4台に限られず、画像の枚数も4枚や2枚に限られず、コストやスループット等に応じて、適宜のものを採用することができる。 【0051】補助機構20は、設置する方が好ましいが、必須では無いので、測定環境やコスト等を勘案して、省略しても良い。また、ROM44に代えて、EEPROMの他、フラッシュメモリを用いることも可能であり、あるいはバッテリバックアップ付きのRAMを採用しても良い。 【0052】さらに、レール半画像41aはメインコントローラ31を介して入力するようにしても良く、メインコントローラ31と断面信号処理装置40とが一つのプロセッサで構成されていても良く、逆に断面信号処理装置40が協動する複数の並列プロセッサやワイヤードロジック等で構成されていても良い。 【0053】また、上記実施例では、レールの表面におけるそれぞれのスリット光の像を区別して撮るために光の波長に基づく弁別手段を用いたが、それに限らず、周波数に基づく弁別手段や、交互処理又は逐次処理に基づく時分割手段等の他の手段でも良い。例えば、異なるタイミングで開閉するメカニカルな又は液晶等のシャッタを撮像装置や他の部分に付加したり、ポリゴンミラーやガルバノミラー等の回転ミラーで一つの光源からのスリット光を左右の固定ミラーへ振り分けるようにしても良い。 【0054】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明の第1の解決手段のレール断面測定装置にあっては、スリット部材等を複数に分ける際にそれぞれのスリット光が区別して撮られるようにしたことにより、スリット光が分離していても測定が可能なレール断面測定装置を実現することができたという有利な効果が有る。 【0055】また、本発明の第2の解決手段のレール断面測定装置にあっては、スリット光の波長域を使い分けるようにしたことにより、スリット光が分離していても測定が可能なレール断面測定装置を簡素に実現することができたという有利な効果を奏する。 【0056】さらに、本発明の第3の解決手段のレール断面測定装置にあっては、それぞれの画像データに対してそれぞれに適切な座標変換が施されるようにしたことにより、スリット光が分離していても測定が可能なレール断面測定装置を確実に実現することができたという有利な効果が有る。 【0057】また、本発明の第4の解決手段のレール断面測定装置にあっては、部分的な変更があってもその影響が局所に止まるようにしたことにより、スリット光が分離していても測定が可能であって保守もし易いレール断面測定装置を実現することができたという有利な効果を奏する。 【0058】また、本発明の第5の解決手段のレール断面測定装置にあっては、測定機能を損なうこと無く光学系に関する作業を部分的に行えるようにしたことにより、スリット光が分離していても測定が可能であって色々な作業も楽なレール断面測定装置を実現することができたという有利な効果が有る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003388 【氏名又は名称】株式会社トキメック
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| 【出願日】 |
平成11年11月16日(1999.11.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100106345 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 香
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| 【公開番号】 |
特開2001−141427(P2001−141427A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月25日(2001.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−326175 |
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