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【発明の名称】 外観検査装置及び印刷装置
【発明者】 【氏名】脇田 隆司

【要約】 【課題】作業者による目視検査に頼っていた、コンデンサ等の検査対象物に印刷された表示情報の検査を、自動的に行うことができるようにする。

【解決手段】CCDカメラから取り込んだコンデンサの印刷面にかかる多値画像から二値画像を生成し(S2)、その後、極性マークについて良否の検査をする(S5,S6)。次いで、その他の各文字列に関して、高さ、幅、面積等を検査する(S8〜S14)。その後、各文字単位で基準データの膨張・収縮処理を行って(S15)、当該処理で得られた膨張データ及び細線データを実際の画像と重ね合わせ(S16)、その一致度を検査することにより(S17)、各文字単位で印刷の良不良を判定する(S18,S19)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 検査対象物の表面に付された複数種の表示情報の良否を判定するための外観検査装置であって、前記表面からの反射光を受光する撮像手段と、該撮像手段によって得られた多値画像を二値画像に変換し、その二値画像に基づいて表示情報の良否を判定する画像処理装置とを備え、該画像処理装置は、前記複数種の表示情報を分割して各表示情報毎に良否判定処理を行うことを特徴とする外観検査装置。
【請求項2】 前記画像処理装置は、更に各表示情報毎に1文字単位等の最小単位での良否の判定処理を行うことを特徴とする請求項1記載の外観検査装置。
【請求項3】 前記画像処理装置により前記多値画像を二値画像に変換する際、二値化閾値を前記多値画像の輝度に基づいて毎回設定するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の外観検査装置。
【請求項4】 前記画像処理装置は、二値画像に基づいて前記検査対象物の表面位置を測定し、その測定結果に基づいて二値画像に対し複数のウインドを設定し、各ウインドを利用して各表示情報の良否判定を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の外観検査装置。
【請求項5】 前記画像処理装置は、前記ウインドのうち第1のウインドを、表示情報が付された領域と表示情報が付されていない領域とに跨るように設定し、該第1のウインド内の二値画像を検査することにより、表示情報の一端側を判別するようにしたことを特徴とする請求項4記載の外観検査装置。
【請求項6】 前記画像処理装置は、前記ウインドのうち第2のウインドを、所定の複数の表示情報を包含しかつ前記検査対象物の表面から部分的に逸脱する大きさ及び位置となるように設定し、該第2のウインド内で各表示情報の検査に際しては前記表面よりも外周側の領域をマスク処理するようにしたことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の外観検査装置。
【請求項7】 前記画像処理装置は、前記ウインドのうち第3のウインドを、検査対象物の表面の内外に跨るように設定し、少なくとも該第3のウインドの輝度を利用して前記マスク処理を行うようにしたことを特徴とする請求項6記載の外観検査装置。
【請求項8】 前記画像処理装置は、各表示情報に関する1文字単位等の最小単位の記憶データをそれぞれ記憶した記憶手段を備え、該記憶手段に記憶された記憶データを、それに対応する実際の二値画像の最小単位データの縦横の大きさに合わせる処理を行うことにより基準データを生成し、該基準データを利用して実際の二値画像の最小単位データと比較することにより、各最小単位の良否を判定することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の外観検査装置。
【請求項9】 前記画像処理装置は、各表示情報に関する1文字単位等の最小単位の記憶データをそれぞれ記憶した記憶手段を備え、該記憶データにかかる最小単位のデータを利用して膨張及び収縮処理を行って膨張データ及び収縮データを生成し、実際の二値画像の最小単位データと膨張データ及び収縮データとをそれぞれ比較して一致度を検査するとともに、その一致度をもとに各最小単位の良否を判定することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の外観検査装置。
【請求項10】 前記収縮処理は細線化処理であり、収縮データは細線データである請求項9記載の外観検査装置。
【請求項11】 前記検査対象物の表面が印刷面とされ、該印刷面に表示情報が印刷されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の外観検査装置。
【請求項12】 前記検査対象物の表面を円形状とした請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の外観検査装置。
【請求項13】 検査対象物は、表面がアルミニウムによって形成されたアルミ電解コンデンサであり、印刷は印刷面の地色とは輝度が異なることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の外観検査装置。
【請求項14】 複数種の表示情報として、少なくとも極性マークと複数段に配置された表示情報とを含み、前記極性マークを他の表示情報とは相異なる検査項目にて良否判定することを特徴とする請求項13記載の外観検査装置。
【請求項15】 請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の外観検査装置を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項16】 検査対象物の表面に表示情報として印刷を施す印刷手段と、その印刷手段から外観検査装置へ検査対象物を移送する移送手段とを備え、移送手段は前記印刷手段による印刷時から前記外観検査装置による検査時まで検査対象物の姿勢を一定に保持したまま当該検査対象物を移送することを特徴とする請求項15記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミ電解コンデンサ等の検査対象物の画像を取り込んで、その対象物の表面に付された文字,記号,図形といった印字等による各種表示情報を検査する外観検査装置を含む技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミ電解コンデンサは、円柱状の本体の下面から負極端子及び正極端子からなる一対の電極端子が延びている。これらの両端子は正極と負極との区別のために互いの長さが異なっている。具体的には、負極端子を短く、正極端子を長くしている。一方、前記本体の上面には、所定の表示情報がインクジェット等により印刷されている。所定の表示情報とは、例えば、極性マーク、製造メーカの社標、ロット番号、容量、電圧といった文字,記号,図形等の表示情報である。
【0003】ここで、極性マークとは負極端子と対応する位置に付されたマークであり、かかる極性マークによって本体上面からでも正極と負極との区別ができるようになっている。極性マークは、例えば、三日月状や長方形状をなす黒色の塗りつぶし図形によって表現されている場合が一般的である。従って、極性マークの表示は極性を知る上で重要である。
【0004】また、前記社標、ロット番号、容量、電圧等の表示情報は、本体上面のうちの、極性マークが付されていない部分に行分けして印刷されているのが普通である。かかる社標の表示は製造メーカの特定のために重要であり、ロット番号の表示は製品を特定するために重要である。また、容量の表示は必要な容量範囲を満たしているか等を確認するために重要であり、電圧の表示は使用される電圧値が所定の許容電圧値を越えていないものであるか等を確認する上で重要である。
【0005】従って、これらの印刷された表示情報を、確実に読み取ることができるか、また読み取り易くなっているかという点がきわめて重要であり、これらの観点から表示情報を少なくとも出荷前に検査する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来では、アルミ電解コンデンサに付された表示情報の良・不良の検査は、作業者の目視に委ねられていた。
【0007】そのため、アルミ電解コンデンサの製造工程が自動化されその生産効率が向上している状況であっても、表示情報の目視検査が製造速度に追いつかず、製品出荷に至るまでの効率は低下せざるを得ない。その上、目視検査専属の作業者が必要となって生産コストが高くなる。
【0008】また、目視検査が作業者による検査である以上、作業者個々の良・不良の判定基準が異なっていたり、同一作業者であってもその時々に判定基準が変化したり、場合によっては、本来不良と判定すべき製品を見過ごしてしまうという事態も想定される。その結果、アルミ電解コンデンサ個々にみると表示情報のばらつきが生じやすくなる。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、アルミ電解コンデンサ等の検査対象物に付された表示情報の検査の自動化を図り、しかも、表示情報の検査としてばらつきの少ない正確な検査とすることができるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的を達成し得る特徴的手段について以下に説明する。また、各手段につき、特徴的な作用及び効果を必要に応じて記載する。
【0011】手段1.検査対象物の表面に付された複数種の表示情報の良否を判定するための外観検査装置であって、前記表面からの反射光を受光する撮像手段と、該撮像手段によって得られた多値画像を二値画像に変換し、その二値画像に基づいて表示情報の良否を判定する画像処理装置とを備え、該画像処理装置は、前記複数種の表示情報を分割して各表示情報毎に良否判定処理を行うことを特徴とする外観検査装置。
【0012】かかる手段1によれば、撮像手段によって検査対象物の表面からの反射光が受光され、その撮像手段によって得られた多値画像が画像処理装置によって二値画像に変換される。画像処理装置はこの二値画像を用いて表示情報の良否を判定する。ここで、画像処理装置は、全ての表示情報を一括して判定処理するものではなく各表示情報毎に良否判定処理を行うため、各表示情報毎に良否を判定することができ、正確な良否判定を自動的に行うことができる。
【0013】なお、自然光に基づく反射光を撮像手段によって受光することも可能であるが、検査対象物の表面を照明手段によって積極的に照明し、その反射光を撮像手段によって受光することが、安定した画像を取り込む上で好ましい。
【0014】手段2.前記画像処理装置は、更に各表示情報毎に1文字単位等の最小単位での良否の判定処理を行うことを特徴とする手段1記載の外観検査装置。かかる手段2によれば、表示情報が複数文字で構成されている等の場合に、各文字単位即ち最小単位での良否判定を行うこととなり、良否判定の精度を一層向上させることができる。
【0015】手段3.前記画像処理装置により前記多値画像を二値画像に変換する際、二値化閾値を前記多値画像の輝度に基づいて毎回設定するようにしたことを特徴とする手段1又は手段2記載の外観検査装置。
【0016】一般的な手法として二値化閾値を各種条件を加味して所定の一定値に設定することも可能である。しかし、照明の明るさが変化したり、印刷等の表示情報に濃淡がある場合に、二値化閾値が一定値であると正確な検査を行うことができない。これに対し、かかる手段3によれば、多値画像の輝度に基づいて二値化閾値を毎回設定することから、照明の変化や表示情報の濃淡等に影響されずに正確な良否判定を行うことができる。
【0017】なお、具体的には、例えば、多値画像のうち最も暗い値と最も明るい値との中間位置を閾値としたり、多値画像の輝度の偏差を考慮するなど色々な手法があるが、最も明るい値と最も暗い値との中間位置とする方法が最も簡易で演算処理を素早く実行することができる点で優れている。また、この場合、最も明るい値と最も暗い値との中央位置を二値化閾値とすることが最適である。勿論、どのように二値化閾値を決定するかの設定は入力手段により適宜設定可能とすることが好ましい。
【0018】手段4.前記画像処理装置は、二値画像に基づいて前記検査対象物の表面位置を測定し、その測定結果に基づいて二値画像に対し複数のウインドを設定し、各ウインドを利用して各表示情報の良否判定を行うことを特徴とする手段1乃至手段3のいずれかに記載の外観検査装置。かかる手段4によれば、二値画像を直接判定するのではなく、検査対象物の表面位置に基づいて複数のウインドを設定し、それら各ウインドを利用して良否判定が行われるので、検査対象たる表示情報の的を絞った判定ができる等の利点がある。
【0019】手段5.前記画像処理装置は、前記ウインドのうち第1のウインドを、表示情報が付された領域と表示情報が付されていない領域とに跨るように設定し、該第1のウインド内の二値画像を検査することにより、表示情報の一端側を判別するようにしたことを特徴とする手段4記載の外観検査装置。
【0020】かかる手段5によれば、第1のウインドとして、表示情報が付された領域と表示情報が付されていない領域とに跨るように設定した。これにより、第1のウインド内の二値画像を一方から他方へ走査する等により、表示情報の一端側を判別することができる。かかる判別結果を、表示情報の良否判定の一材料として用いることができる。なお、かかる手段5は、アルミ電解コンデンサにおいては極性マークの良否判定の際に有効である。
【0021】手段6.前記画像処理装置は、前記ウインドのうち第2のウインドを、所定の複数の表示情報を包含しかつ前記検査対象物の表面から部分的に逸脱する大きさ及び位置となるように設定し、該第2のウインド内で各表示情報の検査に際しては前記表面よりも外周側の領域をマスク処理するようにしたことを特徴とする手段4又は手段5記載の外観検査装置。
【0022】かかる手段6によれば、第2のウインドとして、所定の複数の表示情報を包含しかつ検査対象物の表面から部分的に逸脱する大きさ及び位置となるように設定した。これにより、第2のウインド内の二値画像に含まれる各表示情報を一括して検査したり、該二値画像を一方から他方へ走査する等により各表示情報毎の高さ或いは幅を検査することができる。かかる検査結果を、表示情報の良否判定の一材料として用いることができる。なお、かかる手段6は、アルミ電解コンデンサにおいては社標、ロット番号、容量値、電圧値等の良否判定の際に有効である。ここで、上記のように複数の表示情報を包含するように第2のウインドを設定すると、特に前記表面が円形等である場合には当該円形領域よりも外周側の領域も当該ウインドに含んでしまうが、該外周側の領域をマスク処理することにより、前記表面の外周側領域が表示情報と誤認識されることがなくなるので、第2のウインドを前記表面の大きさに拘束されずに設定することができる。
【0023】手段7.前記画像処理装置は、前記ウインドのうち第3のウインドを、検査対象物の表面の内外に跨るように設定し、少なくとも該第3のウインドの輝度を利用して前記マスク処理を行うようにしたことを特徴とする手段6記載の外観検査装置。
【0024】かかる手段7では、第3のウインドとして、検査対象の表面の内外に跨るように設定した。また、この第3のウインドにおける輝度を利用して手段6におけるマスク処理を行うようにした。これにより、実際の画像の輝度を利用しながらマスク処理が実行されるので、マスク処理を確実に行って、前記表面の領域外を確実に表示情報と切り離して検査することができる。なお、第3のウインドとともに上記第1のウインドにおける輝度をも利用して例えばそれらの輝度を平均化することで、マスク処理を一層確実なものとしてもよい。
【0025】手段8.前記画像処理装置は、各表示情報に関する1文字単位等の最小単位の記憶データをそれぞれ記憶した記憶手段を備え、該記憶手段に記憶された記憶データを、それに対応する実際の二値画像の最小単位データの縦横の大きさに合わせる処理を行うことにより基準データを生成し、該基準データを利用して実際の二値画像の最小単位データと比較することにより、各最小単位の良否を判定することを特徴とする手段1乃至手段7のいずれかに記載の外観検査装置。
【0026】かかる手段8によれば、記憶手段には最小単位の記憶データが記憶されており、この記憶データを実際の二値画像の最小単位データの縦横の大きさに合わせる処理を行って基準データを生成した。そして、この基準データをもとに実際の二値画像との比較判定を行うようにした。これにより、記憶手段には、縦横数ドット程度でのデータを記憶データとして保有しておくだけでよく、記憶容量が少なくて済む。しかも、その基準データはその縦横長さを実際の二値画像の最小単位データの縦横に合わせるように処理するので、縦方向又は横方向に間延びした文字等にも柔軟に対応することができる。
【0027】手段9.前記画像処理装置は、各表示情報に関する1文字単位等の最小単位の記憶データをそれぞれ記憶した記憶手段を備え、該記憶データにかかる最小単位のデータを利用して膨張及び収縮処理を行って膨張データ及び収縮データを生成し、実際の二値画像の最小単位データと膨張データ及び収縮データとをそれぞれ比較して一致度を検査するとともに、その一致度をもとに各最小単位の良否を判定することを特徴とする手段1乃至手段8のいずれかに記載の外観検査装置。
【0028】かかる手段9によれば、単純に基準データと実際の二値画像の最小単位データとを比較するのではなく、基準データを膨張した膨張データ及び収縮した収縮データをもとに実際の二値画像の最小単位データと比較するようにしたので、文字等の欠損や滲み等を確実に不良と判定することができる。なお、この比較処理は膨張データと実際の最小単位データとを重ね合わせてその一致度をみたり、収縮データと実際の最小データとを重ね合わせてその一致度をみることによって行うことが好ましい。また、一致度は、必ずしも100%とする必要はなく、例えば95%等のように許容される程度に応じて入力設定できるようにすることが好ましい。
【0029】手段10.前記収縮処理は細線化処理であり、収縮データは細線データである手段9記載の外観検査装置。一般にいわれる収縮処理では、収縮データが一連の繋がりをもつとは限らず、その場合、収縮データの非連続部分と実際のデータの非連続部分とがたまたま一致すると、本来は不良判定されるべきものが良品判定されるおそれがある。しかし、かかる手段10によれば、収縮処理の中でも特に細線化処理を採用することにより、細線データは連続的なデータとなり、基準データとして最適なデータを提供することができる。
【0030】手段11.前記検査対象物の表面が印刷面とされ、該印刷面に表示情報が印刷されたものであることを特徴とする手段1乃至10のいずれかに記載の外観検査装置。かかる手段11によれば、表示情報として印刷されたものを対象とすることで、印刷濃さがうすい場合、印刷に滲みがある場合、印刷に欠損がある場合にそれらを不良判定することが可能となる。なお、手段8,9において説明した記憶データとして、印刷データを用いれば、必要な記憶容量を一層少なくすることができる。
【0031】手段12.前記検査対象物の表面を円形状とした手段1乃至手段11のいずれかに記載の外観検査装置。かかる手段12によれば、円形状の表面内に付された表示情報の良否を判定することができる。この場合、上記第2のウインドのように、所定の複数の表示情報を包含する長方形状のウインドを設定した場合には表面の円形領域外に第2のウインドがさしかかりやすくなるが、この場合も上記マスク処理によって確実に円形領域外を表示情報と区別することができる。
【0032】手段13.検査対象物は、表面がアルミニウムによって形成されたアルミ電解コンデンサであり、印刷は印刷面の地色とは輝度が異なることを特徴とする手段11又は手段12記載の外観検査装置。かかる手段13によれば、従来作業者による目視検査でしか判定できなかったアルミ電解コンデンサの表面に印刷された表示情報の良否を自動的に判定処理することができる。
【0033】手段14.複数種の表示情報として、少なくとも極性マークと複数段に配置された表示情報とを含み、前記極性マークを他の表示情報とは相異なる検査項目にて良否判定することを特徴とする手段13記載の外観検査装置。かかる手段14によれば、アルミ電解コンデンサに特有の極性マークの検査を他の文字等の情報とは区別して検査されることで、確実に極性マークの良否判定を行うことができる。なお、極性マークの良否判定は、例えば極性マークの幅検査と、極性マーク内に設定されたウインド内での面積検査とで行うことができる。
【0034】手段15.手段1乃至手段14のいずれかに記載の外観検査装置を備えたことを特徴とする印刷装置。かかる手段15によれば、表示情報を印刷により付した場合に、その印刷処理と同時進行的にその表示情報の外観検査を行うことができ、検査対象物の生産効率が向上する。
【0035】手段16.検査対象物の表面に表示情報として印刷を施す印刷手段と、その印刷手段から外観検査装置へ検査対象物を移送する移送手段とを備え、移送手段は前記印刷手段による印刷時から前記外観検査装置による検査時まで検査対象物の姿勢を一定に保持したまま当該検査対象物を移送することを特徴とする手段15記載の印刷装置。
【0036】かかる手段16によれば、印刷工程と検査工程との間では移送手段によって検査対象物の姿勢が一定に保持されるので、印刷工程と検査工程とで検査箇所である検査対象物の表面が一定姿勢に配置されることとなって、検査工程時に一々前記表面の姿勢修正を行う必要がなくなる。なお、検査対象物が手段13に記載したようなアルミ電解コンデンサの場合には、該コンデンサの一対の電極端子を前記移送手段によって把持しながら移送することで、かかるコンデンサを一定姿勢に保持することが可能である。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、一実施の形態について、図1乃至図13を参照しつつ説明する。
【0038】この実施の形態では、検査対象物をアルミ電解コンデンサ1(以下、コンデンサという)とした場合について説明する。
【0039】図1(b)乃至(d)等に示すように、コンデンサ1は、外形が略円柱状をなすアルミニウム製の本体2と、該本体2の下面から延びる互いに長さの異なる一対の電極端子3,4とから構成されている。両電極端子3,4の長さの差異は、正極と負極とを一見して識別できるようにするために設けられている。具体的には、負極端子3が短く、正極端子4が長くなっている。
【0040】コンデンサ1の本体2の上面(表面)は円形かつ平坦な印刷面5とされている。図5に示すように、印刷面5には、所定の表示情報がインクジェットにより印刷されている。所定の表示情報とは、ここでは、極性マーク6、製造メーカの社標7、ロット番号8、容量値9、電圧値10であるが、他の文字,記号,図形等の表示情報であってもよい。
【0041】ここで、極性マーク6とは負極端子3と対応する位置に付されたマークであり、かかる極性マーク6によって本体2の上面からでも正極と負極との区別ができるようになっている。極性マーク6は、ここでは、三日月状をなす黒色の塗りつぶし図形によって表現されている。
【0042】また、社標7は、ここでは一例として略楕円形状をなす黒色の塗りつぶし図形によって表現されており、この表示情報によりコンデンサ1の製造メーカが判別できるようになっている。ロット番号8は製品種別等を特定するためのもので、所定の数字やアルファベット文字等で表現されている場合が多いが、ここでは一例として「ABC」の3文字で構成されている場合について説明する。
【0043】容量値9はコンデンサ1の最大容量を数値で表したものであり、ここでは「1」の表示がなされている。電圧値10はコンデンサ1の許容電圧を数値で表したものであり、ここでは「50V」の表示がなされている。
【0044】次に、コンデンサ1の印刷面5に印刷を施すための印刷装置11の概略について説明する。図1(a)に示すように、印刷装置11は、コンデンサ1の移送方向でみて上流側から下流側に向けて、投入整列装置12、方向修正装置13、印刷手段としての印刷処理装置14、硬化処理装置15、外観検査装置16及び分別処理装置17が、順に備えられている。
【0045】投入整列装置12には、印刷前のコンデンサ1が投入される。投入整列装置12に投入された印刷前のコンデンサ1は図1(b)に示すようにランダムな配置であるが、投入整列装置12内で一列に整列された後に、次の方向修正装置13へ送り出される。ここでの整列とは、図1(c)に示すように、コンデンサ1の印刷面5が上向きに、両端子3,4が下向きに整えられたものであるが、負極端子3と正極端子4の前後関係はばらばらの状態となっている。
【0046】方向修正装置13では、本体2を図示しないチャックにより把持した状態で両電極端子3,4の長さの差異が検査され、この検査結果により、両電極端子3,4の前後関係を全てのコンデンサ1で一致させるべく、チャックを180度回転させる処理が行われる。これにより、図1(d)に示すように、電極端子3,4の前後関係も一致することとなり、次の印刷処理装置14へ送り込まれる。
【0047】印刷処理装置14への送り込みの際には、方向修正装置13においてチャックで本体2を把持している状態であるため、印刷処理装置14側では両電極3,4を移送手段としてのチャック18(図2参照)で把持することで、コンデンサ1の授受が行われる。印刷処理装置14では、コンデンサ1の上面である印刷面5に、前記極性マーク6,社標7,ロット番号8,容量値9,電圧値10の各表示情報が印刷される。本実施の形態では、転写方式としてインクジェット方式を採用している。
【0048】その後、硬化処理装置15では、紫外線を利用した印刷面5側の硬化処理が行われる。これにより、印刷面5に印刷された各表示情報が落ちにくくなる。
【0049】次に、コンデンサ1は外観検査装置16に送り込まれる。図2に示すように、外観検査装置16では、印刷面5側を照らす照明手段としての照明19と、その照明19に基づく印刷面5からの反射光を受光する撮像手段としてのCCDカメラ20とがコンデンサ1の搬送部位に近接して配置されている。外観検査装置16ではCCDカメラ20によって撮像された画像データに基づいて印刷面5の良否を検査することとなる。なお、前記チャック18により印刷処理装置14から外観検査装置16に至るまで、コンデンサ1は印刷面5を上方に向けた一定姿勢に保持されるため、印刷工程から検査工程までの作業の流れを円滑なものとすることができる。
【0050】外観検査装置16による検査結果に応じて、コンデンサ1は良品と不良品とに区別され、分別処理装置17によってそれらが分別処理される。即ち、不良品と判別されたコンデンサ1は廃棄処理される。一方、良品と判定されたコンデンサ1は、印刷装置11とは別に設けたチップ搭載装置21へと搬送される。
【0051】チップ搭載装置21では、チップ22と前記両端子3,4とを接続する処理が行われるとともに、本体2をチップ22上に搭載する処理が行われる。これにより、図1(e)に示すように、チップ22上に本体2が搭載されたチップ型のコンデンサ1が完成される。
【0052】次に、図3に示したブロック図に基づいて、外観検査装置16における画像処理手段としての画像処理部25を中心とした構成を説明する。
【0053】画像処理部25はA/Dコンバータ26を備えている。前記CCDカメラ20はA/Dコンバータ26と接続されている。そして、CCDカメラ20により取り込まれたアナログ信号である画像データは、A/Dコンバータ26によってデジタル信号に変換される。A/Dコンバータ26には、デジタル化された画像データを記憶する画像メモリ27と、入力された信号を混合して出力するビデオミキサ28と、画像データからその外観を所定の計算方式にによって計算する計算ロジック29とがそれぞれ接続されている。前記画像メモリ27及び計算ロジック29には、それぞれの各動作を規定するコントロールロジック30が接続されている。
【0054】画像処理部25には、演算及び制御処理を総括的に行う制御手段としてのCPU31が備えられている。そして、CPU31と前記画像メモリ27及び計算ロジック29とはそれぞれ双方向に接続されている。CPU31には、制御プログラム等を記憶した記憶手段としてのROM32と、入力された設定値や各種表示情報に関する検査演算結果等のデータを一時的に記憶する記憶手段としてのRAM33がそれぞれ接続されている。
【0055】CPU31には入出力装置34が接続されている。入出力装置34には外観検査装置16を駆動するための図示しないスタート手段が接続されており、このスタート手段からの所定のスタート信号に基づいてCPU31を中心とした外観検査が実行される。また、入出力装置34には図示しない検査表示手段が接続されているおり、コンデンサ1の印刷状態が正常か否かの判定信号をCPU31から分別処理装置17等へ出力する。
【0056】入出力装置34には更に外部入力手段或いは設定手段としてのキーボード35が接続されている。キーボード35の入力操作により、外観検査に関わる各種の設定が行われる。更に、前記ビデオミキサ28には、表示装置としてのディスプレイモニタ36が接続されている。ディスプレイモニタ36には、コンデンサ1の外観、ここでは印刷面5の印刷状態を作業者に認識させることができるように、ビデオミキサ28からの信号に基づき画像が表示される。
【0057】次に、以上の構成からなる外観検査装置16による外観検査の手順について、図4に示した一つのコンデンサ1の外観検査を実行する際の処理手順を示したフローチャート図をもとに説明する。なお、この一連の処理はCPU31の制御処理によって実行されるものである。
【0058】まず、ステップS1では、コンデンサ1の有無について判定される。図2に示すようにCCDカメラ20と相対向する位置にコンデンサ1が配置されていれば、照明19によって照らされたコンデンサ1からの反射光がCCDカメラ20に取り込まれるため、コンデンサ1が存在すると判定され、次のステップS2へと移行する。一方、コンデンサ1がCCDカメラ20と相対向する位置にない場合には照明19からの光はCCDカメラ20によって反射光として捉えられることはなく、コンデンサ1が存在しないと判定されて一連の処理を一旦終了する。
【0059】ステップS2では、二値化閾値の設定処理が実行される。この処理は、CCDカメラ20から取り込んだ多値データである画像データのうち、輝度の最も高い値D1及び最も低い値D2を用いた演算処理である。具体的には、予めキーボード35により設定値vを入力しておき、(D1−D2)・v+D2の式に各値を代入することによって二値化閾値が算出される。ここで、設定値vとして0.5(50%)を設定しておけば、二値化閾値は輝度の最も高い値D1と最も低い値D2との間の中央の値に設定される。このように、二値化閾値が固定されているわけではなくその都度設定されるので、照明19の明るさの経時変化や印刷色の濃さの相違にかかわらず、好適な二値化閾値を得ることができる。勿論、キーボード35による入力設定によっって前記設定値vを例えば0.45や0.6等に適宜変更することにより、検査環境等に応じた最適な二値化閾値を得ることもできる。なお、上記のとおり中間点をとる代わりに、輝度の偏差を考慮して二値化閾値を設定することも可能である。また、ステップS2では、算出された二値化閾値に基づいて、多値データである画像データの二値化処理が行われる。この二値化処理によって二値画像が得られる。
【0060】なお、図6を含みそれ以降の各図においては、説明の便宜上、二値画像のうち暗画像をハッチングで示すとともに、印刷面5,極性マーク6,社標7,ロット番号8,容量値9,電圧値10の各表示情報に対応する画像も同一符号を付した。また、以降の説明では、印刷面6の各表示情報の向きを基準として上下左右という表現を用いる。
【0061】ステップS3では、本体位置測定処理が実行される。この処理は、ステップS2によって得られた二値画像をもとに、図6に示すように本体2の表面、即ち印刷面5の位置を測定するものである。さて、このステップS2では、二値画像の明暗の境界をもとに、上端点P1、右端点P2、下端点P3が測定される。また、これら各点P1〜P3を用いて演算処理することにより、印刷面5の中心点P0が求められる。更に、これら各点P0〜P3を用いて演算処理することにより、左端点P4が求められる。なお、左端点P4を演算により求めることとしたのは、左端点P4は極性マーク6に対応する暗画像と本体2外周側の暗画像とによって両者の識別ができないからである。
【0062】ステップS4では、ウインド設定処理が実行される。ここでは、6つのウインドが設定されるが、これらは全てステップS3にて測定演算処理された各点P0〜P4の座標値を基準として設定される。即ち、図7に示すように、ウインドW1は上端点P1を含む縦長の長方形状に設定され、ウインドW2は右端点P2を含む横長の長方形状に設定され、ウインドW3は下端点P3を含む縦長の長方形状に設定される。ウインドW4は印刷面5のうち横長の長方形状であって、かつ左側が極性マーク6に対応する暗画像にさしかかるとともに右側がその他の表示情報7〜10を付していない明画像部分になるように設定される。ウインドW5は印刷が正常である場合の極性マーク6に対応する暗画像に全てが含まれる縦長の長方形状に設定される。ウインドW6は極性マーク6に対応する暗画像にさしかからないようにするとともにその他の表示情報7〜10に対応する暗画像を全て含む長方形状に設定される。これら各ウインドW1〜W6は以下の画像検査の際に適宜使用される。
【0063】ステップS5では、極性マーク6の測定処理が実行される。ここでは、図8に示すように、ステップS3での処理により左端点P4が検出され、ステップS4での処理によりウインドW4及びウインドW5が設定されているので、これらを使用し、極性マーク6に対応する暗画像の幅の測定と面積の測定とを行う。極性マーク6に対応する暗画像の幅の測定について説明すると、極性マーク6に対応する暗画像の左端は左端点P4であるが右端点が不明である。そこで、ウインドW4を右側から走査していくと、明画像が暗画像に切り替わるポイントが存在するので、そこを右端点とみなすことができる。これら左右両点から極性マーク6に対応する暗画像の幅t1が測定される。次に、極性マーク6の面積は、ウインドW5によって測定される。ウインドW5は正常時であれば全て暗画像となっているはずである。
【0064】ステップS6では、極性マーク6の良否判定処理が実行される。ここでは、ステップS5において求めた極性マーク6に対応する暗画像の幅t1と面積がそれぞれ許容値以内であるか否かが判定される。各許容値はキーボード35を介して予め設定される。具体的には、幅t1が予め設定した許容値に満たない場合や、面積が予め設定した許容面積値に満たない場合には、ステップS19へジャンプして不良品判定処理がなされる。例えば、極性マーク6の幅t1が短い場合には必要十分な大きさの極性マーク6が印刷されていないとして不良と判定される。また、極性マーク6の面積(ウインドW5内の面積)に関しては印刷に欠損がある場合等には不良と判定される。一方、測定された幅t1及び面積が許容値内であれば、極性マーク6は正常に印刷されているものとしてステップS7へ移行する。
【0065】ステップS7では、マスク処理が実行される。かかる処理ステップからは、極性マーク6以外の各表示情報7〜10が正常に印刷されているか否かを判定するために実行される。そこで、ステップS7においては、まずこれら各表示情報7〜10を含むウインドW6に着目する。ウインドW6ではこれら各表示情報7〜10を全て確実に含めようとする関係上、印刷面5が円形であることも相俟って、ウインドW6の右上部分W6aと右下部分W6bが背景画像である暗画像にさしかかっている。従って、かかる右上部分W6aと右下部分W6bとを各表示情報7〜10と区別する必要が生じる。そこで、まずウインドW1とウインドW4との明画像部分の輝度の平均値を算出し、印刷面5の周囲である背景画像がその算出された輝度となるように処理される。これにより、背景画像が明画像とみなされ、ウインドW6内における右上部分W6aや右下部分W6bも明画像に切り換えられる。なお、ウインドW1とウインドW4との輝度の平均値を利用したのは、一方のウインドW1又はW4内の明画像部分に予定していない印刷部分等を含んでいても平均化することで確実にマスク処理を実行することができるようにするためである。
【0066】ステップS8では、文字列の切出し処理が実行される。なお、以下においても文字或いは文字列と表現するが、それらは数字、記号、図形等も含む表示情報と同等の意味であり、説明の便宜上使用しているに過ぎない。ここでは、図10に示すように、ステップS7でマスク処理されたウインドW6の画像が用いられ、同ウインドW6内の画像について上から下へと走査される。すると、明画像から暗画像へ切り替わる箇所が存在する。ここが社標マーク7に対応する暗画像の上端位置である。更に走査を続けると、暗画像から明画像へ切り替わる箇所が存在する。ここが社標マーク7に対応する暗画像の下端位置である。更に走査を続けると明画像と暗画像との切り替わりが繰り返される。これにより、各表示情報7〜10に対応するそれぞれの暗画像の各高さh1,h2,h3,h4及び各表示情報7〜10に対応する全ての暗画像を含む高さHが測定される。
【0067】ステップS9では、文字列全体の高さに関する判定処理が実行される。ここでは、ステップS8により測定された各表示情報7〜10の全体高さHが所定の許容値内にあるか否かが判定される。この許容値はキーボード35を介して予め設定される。具体的には、高さHが予め設定した許容範囲内(上限値と下限値との間)に属さない場合には、ステップS19へジャンプして不良品判定処理がなされる。例えば、各表示情報7〜10が相互に重なっているような場合では前記高さHが短くなって不良と判定される。一方、測定された高さHが許容値内であれば、各表示情報7〜10全体としての高さHは正常であるものとしてステップS10へ移行する。
【0068】ステップS10では、各文字列の高さに関する判定処理が実行される。ここでは、ステップS8により測定された各表示情報7〜10毎の各高さh1〜h4が所定の許容値内にあるか否かが判定される。この許容値はキーボード35を介して予め設定される。具体的には、高さh1〜h4が予め設定した許容範囲内(上限値と下限値との間)に属さない場合には、ステップS19へジャンプして不良品判定処理がなされる。例えば、社標7に対応する上半分が印刷されていないような場合では前記高さh1が短くなって不良と判定される。一方、測定された高さh1〜h4が全て許容値内であれば、各表示情報7〜10個々の高さh1〜h4は全て正常であるものとしてステップS11へ移行する。
【0069】ステップS11では、各文字列の幅測定処理が実行される。ここでは、ステップS7でマスク処理されたウインドW6の画像が用いられ、同ウインドW6内の画像について左から右への走査と右から左への走査とを行う。例えば、社標マーク7に対応する暗画像に対応する部分において、左から右へ走査すると、明画像から暗画像へ切り替わる箇所が存在する。ここが社標マーク7に対応する暗画像の左端位置である。逆に、右から左へ走査すると、明画像から暗画像へ切り替わる箇所が存在する。ここが社標マーク7に対応する暗画像の右端位置である。そして、他の各表示情報8〜10においても同様の処理を実行する。これにより、図10に示すように、各表示情報7〜10に対応するそれぞれの暗画像の各幅d1,d2,d3,d4が測定される。
【0070】ステップS12では、各文字列の幅に関する判定処理が実行される。ここでは、ステップS11により測定された各表示情報7〜10毎の各幅h1〜h4が所定の許容値内にあるか否かが判定される。この許容値はキーボード35を介して予め設定される。具体的には、幅d1〜d4が予め設定した許容範囲内(上限値と下限値との間)に属さない場合には、ステップS19へジャンプして不良品判定処理がなされる。例えば、ロット番号8に対応する右半分等が印刷されていないような場合では前記幅d2が短くなって不良と判定される。一方、測定された幅d1〜d4が許容値内であれば、各表示情報7〜10個々の幅d1〜d4は正常であるものとしてステップS13へ移行する。
【0071】ステップS13では、各文字の切出し処理が実行される。即ち、以上の処理ステップでは文字列単位での測定処理及び判定処理が行われたが、これ以降では更に細かく各文字単位、即ち最小単位での測定処理及び判定処理が行われる。ここでは、図11(a)に示すように電圧値10の表示である「50V」という表示情報に着目して説明する。まず、キーボード36からの入力操作により、予め文字列数、各文字列の文字数、文字種類等が設定されていることが前提とされるが、本実施の形態においては、外観検査前においてコンデンサ1の種類に応じて全ての表示情報6〜10についての入力設定が行われている。これにより、例えば電圧値10であれば、文字列としては4列目であり、ここには3文字が印刷され、3文字とは左から順に「5」「0」「V」の文字種類であることがわかる。従って、ここでは、図11(a)に示すように、ステップS8で測定された電圧値10にかかる暗画像である幅d4を3等分して各文字毎に切出す処理を実行する。なお、電圧値10の表示情報に関して「5」に対応する暗画像を画像c1、「0」に対応する暗画像を画像c2、「V」に対応する暗画像を画像c3として説明する。すると、各画像c1〜c3は文字間の隙間である明画像部分で仕切られる。ただし、画像c1〜c3同士が近接していたり、それらの間隔が不規則である場合には、仕切線に各画像c1〜c3が重なる可能性があるが、この場合には仕切線を左右に位置調整する処理が行われる。このようにして、図11(b)に示すように、各画像c1〜c3が個々に切出される。その後、各画像c1〜c3について、図11(c)に示すように、外接四角形を設定する処理が実行される。また、この外接四角形内における暗画像が占める面積が測定される。
【0072】ステップS14では、各画像c1〜c3の面積に関する判定処理が実行される。ここでは、ステップS13により測定された各画像c1〜c3毎の各暗画像の面積が所定の許容値内にあるか否かが判定される。この許容値はキーボード35を介して予め設定される。具体的には、各面積が予め設定した許容範囲内(上限値と下限値との間)に属さない場合には、ステップS19へジャンプして不良品判定処理がなされる。一方、測定された面積がそれぞれ許容値内であれば、各画像c1〜c3個々の面積は正常であるものとしてステップS15へ移行する。
【0073】ステップS15では、膨脹・収縮処理が実行される。ここでは、画像c3についてのみ説明するが、言うまでもなく他の全ての画像について実行される。RAM33には、図12(a)に示すように、縦7ドット、横5ドットのドットデータが記憶されているに過ぎない。このように非常に小さなデータ量だけを記憶しておくだけで済むため、RAM33の記憶容量を無駄に使用することがなくなる。また、この記憶データiは印刷時のフォントデータを利用している。この記憶データiに対し、実際に得られる画像c3(図11(c)参照)はドット数が多く、直接的に比較することはできない。そこで、膨脹・収縮処理に先立って、正規化処理が実行される。正規化処理とは、記憶データiと実際の画像c3の外接四角形とを同一にする処理である。例えば図11(c)に示すように画像c3の外接四角形が縦xドット、横yドットであるとした場合、記憶データiの縦横の長さを調整する処理が行われる。具体的には、記憶データiを縦方向にx/7倍するとともに横方向にy/5倍する。その結果、図12(b)に示すように、画像c3と同一の外接四角形となる基準データIが生成される。この基準データIは、以上のようにその都度画像3cの縦xと横yとを合わせるようにして生成されることから、画像c3の大きさが異なったり、縦長又は横長の画像となっている場合であっても、基準データIとして最も最適なデータを提供することができる。
【0074】正規化処理の終了後に、基準データIの膨脹・収縮処理が実行される。まず、収縮処理について説明する。ここでは収縮処理の中でも特に細線化処理が実行される。細線化とは、一般に「線状の図形を、図形の連結性を保ちながら幅の中心に存在する点の列に変換する操作」をいうとされており、ここでも同様の処理を行うことで、図12(c)に示すように細線データIaが生成される。なお、一般にいう収縮処理では得られる収縮データがとぎれてしまって連続性がなくなる場合があるので、本実施の形態のように文字等の連続した線状図形を検査する場合には細線化処理を適用することが好ましい。次に、膨脹処理について説明する。膨張とは、「1の画素の近傍を1に変える操作」であり、その近傍としては公知の「4−近傍」又は「8−近傍」のどちらかを採用して行われるのが一般的であり、ここでも同様の処理を行うことで、図12(d)に示すように膨張データIbが生成される。
【0075】ステップS16では、重ね合せ処理が実行される。この重ね合せ処理の基準となるデータは、ステップS15における膨張・収縮処理によって生成された細線データIa及び膨張データIbである。また、これらに重ね合される比較データは今回の取り込まれた画像であって、ここでは画像c3である。そして、図13(a)に示すように、細線データIaと画像c3とを重ね合せる処理が行われる。また、図13(b)に示すように、膨張データIbと画像c3とを重ね合せる処理が行われる。
【0076】ステップS17では、ステップS16による重ね合せの結果について、その一致度の判定処理が実行される。一致度の許容値は、キーボード35による入力操作によって予め設定されるものであり、例えば98%等の必要に応じた設定が可能である。そして、細線データIaと画像c3とを重ね合せた結果、細線データIaが全て画像c3の暗画像領域内に含まれた場合を100%として一致度が判定される。また、膨張データIbと画像c3とを重ね合せた結果、膨張データIbの暗画像領域内に画像c3が全て含まれた場合を100%として一致度が判定される。そして、それぞれの一致度のうち一方でも許容値(下限値)を下回った場合には、ステップS19へ移行して不良品判定がなされる。
【0077】例えば、図13(a)に示すように画像c3について欠損部分c3aが存在する場合や、図13(b)に示すように画像c3についてはみ出し部分c3bが存在する場合には、一致度が低下し、その一致度が前記許容値たる下限値を下回った場合に不良品と判定されることとなる。これにより、最小単位である各文字単位での印刷文字の欠損や滲み等を確実に不良判定することが可能となる。一方、一致度がそれぞれ許容値内であれば、画像c3の印刷文字は正常であるものとしてステップS18へ移行する。
【0078】ステップS18では、良品判定処理が実行される。即ち、以上の検査項目を全てクリアしたものだけが良品と判定されることとなり、ステップS6,S9,S10,S17においてクリアできなかったものはステップS19において全て不良品と判定され、1つのコンデンサ1についての検査処理が終了する。なお、ステップS19において不良品判定されたコンデンサ1は、図1の分別処理装置17によって良品と分別された後に別途廃棄処分される。一方、ステップS18において良品判定されたコンデンサ1はチップ搭載装置21へと搬送され、最終製品であるチップ形コンデンサ1とされる。
【0079】以上説明した外観検査装置16によれば、コンデンサ1の印刷面5の検査に際して、作業者の目視検査をなくして、画像処理を利用した自動検査とすることができる。その結果、検査を含めたコンデンサ1の生産効率の向上につながり、製作コストも低減することができる。
【0080】また、作業者による目視検査による弊害、例えば良否の判定基準のばらつき等をなくして、常に一定の水準で印刷状態の良否判定を行うことができる。その結果、コンデンサ1の各製品間のばらつきが少なくなる。
【0081】また、外観検査装置16を印刷装置11に組み込んであるため、印刷後にそのまま検査へと移行させることができる。しかも、印刷時から検査時まで一貫してチャック18によってコンデンサ1が固定されているため、コンデンサ1の姿勢を印刷時と同様の状態に保持したまま検査することができ、いちいちコンデンサ1の回転位置を大幅に修正するといった必要もなくなる。その結果、印刷面5の検査効率も著しく向上する。
【0082】また、印刷面5の検査に関する個々の特徴については各処理ステップS1〜S19での説明によって明らかであるため詳細には述べないが、例えば、二値化閾値の毎回の自動設定や、極性マーク6と他の表示情報7〜10とを区別しての検査や、各文字列或いは文字の切出し処理、各文字の一致度検査等の各種特徴的処理によって、単に印刷面5の検査ができるというだけでなく、その良否判定を適正に行うことができるという利点を有する。
【0083】しかも、ステップS6,S9,S10,S12,S14,S17における判定処理に使用される各設定値をキーボード35を介して入力設定することができるため、印刷面5の各表示情報6〜10に要求される印刷の鮮明さや文字等の形状の程度によって適宜調整をすることができる。勿論、例えばロット番号8だけは明確にすべきとの要求があればその部分での設定値だけ判定基準を厳しく設定すること等も可能であるため、状況や要求に応じた検査を容易に実現することができる。
【0084】なお、本実施の形態では、検査対象物としてコンデンサ1、特にアルミ電解コンデンサとしたが、これに限らず他のコンデンサであってもよい。また、コンデンサに限らず、他の電気・電子部品であってもよい。更には、電気・電子部品に限らず、他の物品であってもよい。
【0085】また、本実施の形態では、印刷面5の印刷状態を検査する場合について説明したが、印刷でなくても、捺印や焼き付け文字等の他の表示情報を検査するものであってもよい。即ち、表示情報とそれ以外の箇所との輝度が異なることを前提としたものであればよい。
【0086】また、外観検査装置16は印刷装置11に付設されるものではなく、印刷等のように検査対象物に表示情報が付された後に別途検査できる箇所に設置されるのであればよい。従って、印刷装置11等と独立して単独で設置してもよい。
【出願人】 【識別番号】000106760
【氏名又は名称】シーケーディ株式会社
【出願日】 平成11年11月16日(1999.11.16)
【代理人】 【識別番号】100111095
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 光男
【公開番号】 特開2001−141426(P2001−141426A)
【公開日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【出願番号】 特願平11−325214