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【発明の名称】 位置測定方法、位置指示方法および位置測定装置
【発明者】 【氏名】松本 重貴

【要約】 【課題】迅速且つ容易に対象物の位置を算出する。

【解決手段】位置測定部LCT内に、鉛直な方向の磁界を検出するための磁気センサZMSと水平な方向の磁界を検出するための磁気センサXMSから構成される磁気センサ対を2対用意し、これら磁気センサの直交する2つの水平方向への傾きを検出するための2個の加速度センサXAM、YAMを設ける。また、プローブPRB内に磁界発生用のコイルPCLの他に該コイルの水平からの傾きを検出するための加速度センサAAMを設ける。コイルPCLが発生する磁界を4個の磁気センサXMS-1、XMS-2、ZMS-1、ZMS-2で検出し、この4個の磁界の大きさと加速度センサXAM、YAMで検出した磁気センサの姿勢と、ブロープ内の加速度センサAAMで測定したコイルの傾きを用いて、コイルと磁気センサの相対的な位置を算出する。また、コイルPCLを通り鉛直な直線が地面と交差する点を光線により指示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プローブに格納された磁界発生用コイルから発生される磁界を位置測定部で測定することにより前記プローブと前記位置測定部の間の相対的な位置を測定する位置測定方法であって、前記位置測定部に固定した座標系をセンサ座標系とするとき、該センサ座標系のx軸方向に感度を有する第1の磁気センサとz軸方向に感度を有する第2の磁気センサからなり、前記センサ座標系のy軸方向に所定の間隔をもって配置された2個の磁気センサ対により計測された4個の磁束密度と、前記位置測定部の姿勢と、前記磁界発生用コイルの水平方向からの傾斜角とに基づいて、前記位置測定部と前記プローブとの間の相対的な位置を算出することを特徴とする位置測定方法。
【請求項2】 プローブに格納された磁界発生用コイルから発生される磁界を位置測定部で測定することにより前記プローブと前記位置測定部の間の相対的な位置を測定するとともに、前記プローブを通り鉛直な直線が地表面と交わる点を指示する位置指示方法であって、前記位置測定部に固定した座標系をセンサ座標系とするとき、該センサ座標系のx軸方向に感度を有する第1の磁気センサとz軸方向に感度を有する第2の磁気センサからなり、前記センサ座標系のy軸方向に所定の間隔をもって配置された2個の磁気センサ対により計測された4個の磁束密度と、前記位置測定部の姿勢と、前記磁界発生用コイルの水平方向からの傾斜角とに基づいて、前記位置測定部と前記プローブとの間の相対的な位置を算出し、該算出結果に基づいて、前記プローブを通り鉛直な直線が地面と交差する点を通過するための平行光線の方向を算出することを特徴とする位置指示方法。
【請求項3】 位置測定部とプローブとを有し、前記プローブから発生される磁界を前記位置測定部で測定することにより前記プローブと前記位置測定部の間の相対的な位置を測定する位置測定装置であって、前記プローブは、該プローブの軸の水平方向からの傾斜角を検出するための第1のセンサと、その軸がプローブの軸と平行となるように配置されたコイルと、該コイルに磁界を発生させるための交流電流を供給するコイルドライバとを有しており、前記位置測定部は、該位置測定部に固定した直交座標系をセンサ座標系とするとき、そのx軸方向に感度を有する第1の磁気センサとそのz軸方向に感度を有する第2の磁気センサとからなり、前記センサ座標系のy軸方向に所定の間隔をもって配置された2個の磁気センサ対と、加速度のx軸方向成分およびy軸方向成分を検出するための第2および第3のセンサと、前記磁気センサにより検出された4個の磁界の大きさと前記第1〜第3のセンサの出力から、前記位置測定部と前記ブロープとの間の相対的な位置を算出する計算手段を有していることを持徹とする位置測定装置。
【請求項4】 前記プローブは、前記第1のセンサの出力を処理してプローブの傾斜角に関するデジタル信号に変換する信号処理手段と、前記コイルドライバにより前記コイルに供給される交流電流を前記デジタル信号で変調する変調手段を有し、前記位置測定部は、受信した磁界から前記デジタル信号を復調し、該復調したデジタル信号を前記計算手段に供給する受信手段を有することを特徴とする前記請求項3記載の位置測定装置。
【請求項5】 前記プローブは、前記第1のセンサの出力を処理してプローブの傾斜角に関するデジタル信号に変換する信号処理手段と、該デジタル信号を信号伝送路に送出する信号送出手段を有し、前記位置測定部は、前記信号伝送路を介して送出された前記デジタル信号を受信して前記計算手段に供給する受信手段を有することを特徴とする前記請求項3記載の位置測定装置。
【請求項6】 前記位置測定部は、さらに、光線を出射する指示手段と、該光線の出射方向を制御する角度設定手段を有し、前記計算手段により算出された前記位置測定部と前記プローブとの間の相対的な位置に基づいて、前記指示手段から出射される光線が前記プローブを通り鉛直な直線が地面と交差する点を通過するように前記出射方向を制御するようになされていることを特徴とする前記請求項3〜5のいずれかに記載の位置測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象物が発生する磁界を検出し、該検出した磁界の大きさをもとに前記対象物の位置を算出する位置測定方法、位置指示方法および位置測定装置に関し、いわゆる水平ドリリング工法において掘削位置を測定する場合などに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】地中や海底に管路を非開削で建設する方法として、水平ドリリング工法が知られている。この水平ドリリング工法は、推進手段により先端に掘削手段を有するドリルパイプを地中に押し込んで地中に穴を穿つ工法であり、掘削の経路を知るために地中にあるドリルパイプの先端の位置を測定することが必要となる。
【0003】図10および図11を参照して、水平ドリリング工法で使用されている従来の位置測定法について説明する。図10は、従来の位置測定方法の原理を説明するための図であり、この図において、PRBはプローブ、PCLはプローブPRB中に配置された磁界発生用のコイル、SRCは磁界検出用のサーチコイルである。水平ドリリング工法では、ドリルヘッドの中にプローブPRBが納められていて、該ブロープPRB中のコイルPCLが発生する磁界を地上のサ−チコイルSRCで検出してドリルヘッドの位置を探索する。測定は、図11に示すように、サーチコイルSRCを地表に沿って移動しながら同コイルで検出される磁界が最大になる地点を探すことによって行われ、ドリルヘッド(プローブPRB)は磁界が最大になる地点の直下にあると見なされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の位置測定方法では、測定者がサーチコイルSRCを移動して磁界が最大になる地点を探す必要があるために、測定に長時間を要することとなる。また、移動を水平に、かつサーチコイルSRCの向きを一定に保ちながら行う必要があるために、測定の精度が測定者の技量に大きく左右されるという問題がある。さらに、測定者が簡単に立ち入ることができない河川の下を掘削するような場合には測定が困難である。また、小型の掘削機械を用いる水平ドリリング工法では、予め計画掘削経路上の地面に基線を描いておき、ドリルヘッドの現在の位置と現在の地点までの掘削経路とから、次にどのような掘削方向の修正を行うかを決めることが多い。このためには、測定点の地表への投影点が地表に記されていると都合がよい。
【0005】本発明はこれらの課題を解決するために考案されたものであり、迅速かつ容易に測定することができる位置測定方法、位置指示方法および位置測定装置を提供することを目的としている。また、従来の方法では測定が不可能であったり困難である場所での位置測定が可能な位置測定方法および位置測定装置を提供することを目的としている。さらに、測定した位置の地表への投影点を指示することのできる位置指示方法および位置測定装置装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の位置測定方法は、プローブに格納された磁界発生用コイルから発生される磁界を位置測定部で測定することにより前記プローブと前記位置測定部の間の相対的な位置を測定する位置測定方法であって、前記位置測定部に固定した座標系をセンサ座標系とするとき、該センサ座標系のx軸方向に感度を有する第1の磁気センサとz軸方向に感度を有する第2の磁気センサからなり、前記センサ座標系のy軸方向に所定の間隔をもって配置された2個の磁気センサ対により計測された4個の磁束密度と、前記位置測定部の姿勢と、前記磁界発生用コイルの水平方向からの傾斜角とに基づいて、前記位置測定部と前記プローブとの間の相対的な位置を算出するものである。
【0007】また、本発明の位置指示方法は、プローブに格納された磁界発生用コイルから発生される磁界を位置測定部で測定することにより前記プローブと前記位置測定部の間の相対的な位置を測定するとともに、前記プローブを通り鉛直な直線が地表面と交わる点を指示する位置指示方法であって、前記位置測定部に固定した座標系をセンサ座標系とするとき、該センサ座標系のx軸方向に感度を有する第1の磁気センサとz軸方向に感度を有する第2の磁気センサからなり、前記センサ座標系のy軸方向に所定の間隔をもって配置された2個の磁気センサ対により計測された4個の磁束密度と、前記位置測定部の姿勢と、前記磁界発生用コイルの水平方向からの傾斜角とに基づいて、前記位置測定部と前記プローブとの間の相対的な位置を算出し、該算出結果に基づいて、前記プローブを通り鉛直な直線が地面と交差する点を通過するための平行光線の方向を算出するものである。
【0008】さらに、本発明の位置測定装置は、位置測定部とプローブとを有し、前記プローブから発生される磁界を前記位置測定部で測定することにより前記プローブと前記位置測定部の間の相対的な位置を測定する位置測定装置であって、前記プローブは、該プローブの軸の水平方向からの傾斜角を検出するための第1のセンサと、その軸がプローブの軸と平行となるように配置されたコイルと、該コイルに磁界を発生させるための交流電流を供給するコイルドライバとを有しており、前記位置測定部は、該位置測定部に固定した直交座標系をセンサ座標系とするとき、そのx軸方向に感度を有する第1の磁気センサとそのz軸方向に感度を有する第2の磁気センサとからなり、前記センサ座標系のy軸方向に所定の間隔をもって配置された2個の磁気センサ対と、加速度のx軸方向成分およびy軸方向成分を検出するための第2および第3のセンサと、前記磁気センサにより検出された4個の磁界の大きさと前記第1〜第3のセンサの出力から、前記位置測定部と前記ブロープとの間の相対的な位置を算出する計算手段を有しているものである。
【0009】さらにまた、前記プローブは、前記第1のセンサの出力を処理してプローブの傾斜角に関するデジタル信号に変換する信号処理手段と、前記コイルドライバにより前記コイルに供給される交流電流を前記デジタル信号で変調する変調手段を有し、前記位置測定部は、受信した磁界から前記デジタル信号を復調し、該復調したデジタル信号を前記計算手段に供給する受信手段を有するものである。あるいは、前記プローブは、前記第1のセンサの出力を処理してプローブの傾斜角に関するデジタル信号に変換する信号処理手段と、該デジタル信号を信号伝送路に送出する信号送出手段を有し、前記位置測定部は、前記信号伝送路を介して送出された前記デジタル信号を受信して前記計算手段に供給する受信手段を有するものである。さらにまた、前記位置測定部は、さらに、光線を出射する指示手段と、該光線の出射方向を制御する角度設定手段を有し、前記計算手段により算出された前記位置測定部と前記プローブとの間の相対的な位置に基づいて、前記指示手段から出射される光線が前記プローブを通り鉛直な直線が地面と交差する点を通過するように前記出射方向を制御するようになされているものである。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の位置測定方法が適用された位置測定装置の一実施の形態の構成を示す図である。図中、LCTは地上に配置される位置測定部、PRBは例えば水平ドリリング工法におけるドリルヘッド付近に搭載されるプローブである。位置測定部LCTにおいて、MSP-1は第1の磁気センサ対(磁気センサ対1)、MSP-2は第2の磁気センサ対(磁気センサ対2)、XMS-1は第1のx方向磁気センサ(x方向磁気センサ1)、XMS-2は第2のx方向磁気センサ(x方向磁気センサ2)、ZMS-1は第1のz方向磁気センサ(z方向磁気センサ1)、ZMS-2は第2のz方向磁気センサ(z方向磁気センサ2)、SLVは計算手段、XAMはx方向加速度センサ、YAMはy方向加速度センサである。また、前記プローブPRBにおいて、PCLはコイル、DRVはコイルドライバ、AAMは加速度センサである。
【0011】図2は、前記位置測定部LCTにおける、x方向磁気センサ1XMS-1、x方向磁気センサ2XMS-2、z方向磁気センサ1ZMS-1、z方向磁気センサ2ZMS-2、x方向加速度センサXAM、y方向加速度センサYAMの配置例を示している。図中の座標軸はこれらの構成要素に固定された座標系で、以下の説明ではこの座標系を局所座標系として参照する。磁気センサ対1MSP-1と磁気センサ対2MSP-2は、それぞれ、x方向磁気センサ1XMS-1とz方向磁気センサ2ZMS-2、x方向磁気センサ2XMS-2とz方向磁気センサ1ZMS-1の2個の磁気センサにより構成されている。図示するように、x方向磁気センサ1XMS-1とx方向磁気センサ2XMS-2は局所座標系のx軸方向の磁界を検知するように配置されている。一方、z方向磁気センサ1ZMS-1とz方向磁気センサ2ZMS-2は局所座標系のz軸方向の磁界を検知するように配置されている。磁気センサ対1MSP-1と磁気センサ対2MSP-2とは、局所座標系のx軸に平行な直線上に、局所座標系のy軸方向に適当な距離dだけ離して配置されている。この距離dは、実用的には数10cmから1m程度である。
【0012】x方向加速度センサXAMは局所座標系のx軸方向の(重力)加速度を検出するように、また、y方向加速度センサYAMは局所座標系のy軸方向の(重力)加速度を検出するように配置されている。これら2個の加速度センサの出力から、磁気センサ対1MSP-1と磁気センサ対2MSI-2の姿勢、すなわち、局所座標系のx軸周りの回転角およびy軸周りの回転角を測定することができる。なお、ここでは磁気センサ対1、2の姿勢を検出するために加速度センサXAMおよびYAMを用いているが、同等な機能を有するものであればどのようなセンサを使用してもよい。
【0013】図1に示すように、前記プローブPRBは、コイルPCL、コイルドライバDRV、加速度センサAAMを含んでいる。コイルドライバDRVは、コイルPCLに交流の励磁電流を流す働きをする。また、必要な周波数の電気信号を発生する機能を持っていて、数10KHz以下の周波数の電気信号を発生し、増幅してコイルPCLを駆動する。コイルPCLに流れた交流電流により磁界が発生する。この磁界はコイルの長さに対して十分離れた場所では磁気ダイポールによる磁界と見なすことができる。加速度センサAAMはコイルPCLの水平からの傾き角(傾斜角)を検出する。コイルPCLは通常プローブPRBの軸に平行に配置する。また、プローブPRBはその軸がドリルヘッドの軸に平行になるように格納されるのが普通である。なお、ここではコイルPCLの傾きを検出するために加速度センサAAMを用いているが、同等な機能を有するものであればどのようなセンサを使用してもよい。
【0014】次に、このようなプローブPRBおよび位置測定部LCTを用いた本発明の位置測定方法について説明する。以下の説明では、コイルPCLの中心を通り鉛直な方向をz軸とし、コイルPCLの軸とz軸を含む面に含まれ水平な方向をx軸とし、z軸とx軸に直交するように右手系でとられた軸をy軸とする座標系を世界座標と呼び、参照する。前記計算手段SLVは、前記位置測定部LCT内の4個の磁気センサXMS-1、XMS-2、ZMS-1、ZMS-2で検出した磁界の大きさと2個の加速度計XAM、YAMで検出した磁気センサの姿勢、および、前記プローブPRB内の加速度センサAAMで検出したコイルPCLの傾きから、局所座標の原点の世界座標を算出する。以下、計算法について説明する。
【0015】世界座標の原点にあり、x軸方向を向いている磁気ダイポールmが、世界座標の点r(x,y,z)に作る磁束密度ベクトルBは、【数1】

で与えられる。ただし、磁束密度ベクトルBは局所座標で表現されていて、【数2】

である。ここで、μは透磁率、θpはコイルの傾き角で下向きを正にとる。また、角度θx、θy、θzは世界座標に対する局所座標の回転角である。
【0016】ただし、局所座標の回転は次の順番で行うものとする。最初、局所座標と世界座標の各座標軸は平行な状態にあるとする。まず、局所座標のz軸(世界座標のz軸に平行)の周りに局所座標を角度θz回転する。回転後の座標系を座標系1とする。次に座標系1のy軸の周りに座標系1を角度θy回転する。この2回目の回転後の座標系を座標系2とする。最後に、この座標系2のx軸の周りに座標系2を角度θx回転する。回転後の座標系を改めてセンサ座標系と呼ぶことにする(この座標系は磁気センサとともに回転されている)。なお、上記の磁束密度ベクトルBは座標系1を用いて表現されている。
【0017】世界座標で表したセンサ座標系の原点の座標を改めてr(x,y,z)とする。2対の磁気センサ対の間隔をdとし、2対の磁気センサ対MSP-1、MSP-2がそれぞれセンサ座標の(0,+d/2,0)、(0,−d/2,0)にあるとすると、世界座標で表した磁気センサ対MSP-1、MSP-2の座標r1、r2は、それぞれ、【数3】

で与えられる。ただし、【数4】

である。
【0018】前記(3)式で与えられる2個の座標r1、r2について、前記式(1)を用いてその磁束密度を計算すれば、各センサで測定されるはずの磁束密度を求めることができる。なお、前述の回転の説明から分かるように、世界座標で表したときの磁束密度ベクトルのx成分とy成分は回転によって混じり合ってしまうから、センサ座標で見たときに磁束密度ベクトルのx成分とy成分のうちいずれを選ぶかには優劣がない。したがって、本発明では磁束密度の鉛直な成分と水平な成分を測定できるようにしている。そのため、測定はセンサ座標系のz軸方向が水平から十分に離れているようにして、すなわちほぼ鉛直方向となるようにして行う。したがって、x方向磁気センサ1XMS-1とx方向磁気センサ2XMS-2は十分な水平方向の磁界成分を検出することができる。
【0019】ここで、磁気ダイポールの大きさmは予め測定しておく。また、回転角θx、θyと傾き角θpは、前記加速度センサXAM、YAMおよびAAMによる測定によって求められているから、未知数は、センサ座標の原点の座標(x,y,z)とセンサ座標のz軸の周りの回転角θzである。そこで、4個の磁気センサXMS-1、XMS-2、ZMS-1、ZMS-2で測定した磁束密度と上記の式で計算したこれらの磁気センサの位置での磁束密度ベクトルBのx成分とz成分が等しくなる座標(x,y,z)と回転角θzを求める。この解を求める方法として例えばNewton法を用いる。これにより、世界座標の原点(磁気ダイポールの位置)と前記センサ座標系の原点との位置関係を知ることができる。
【0020】なお、3軸の磁気センサを2組用いて2カ所で測定した磁束密度の3成分を計算値と比較すれば、原理的には回転角θx、θyと傾き角θpの内のいずれか2個を測定せずに計算によって求めることができるが、磁束密度のx成分とy成分を独立に扱うことになるので、計算の精度が低下するという欠点がある。また、3軸の磁気センサを2組用いて2カ所で測定した磁束密度の3成分を全て利用して、計算値との差の2乗和を最小にする方法も可能であるが、上記の方法に比べて計算精度が低下する。したがって、本発明では、上述した手法を用いるようにしている。
【0021】さて、上述の本発明の位置測定方法では、プローブPRB内に格納した加速度センサAAMにより測定された傾き角θpを用いて演算を行っている。そこで、前記加速度センサAAMの出力を前記位置測定部LCTに伝送することが必要となる。図3は、磁気結合によりコイルPCLの水平からの傾きに関する信号をプローブPRBから位置測定部LCTに伝送するようにした実施の形態の構成を示すブロック図である。この図と前記図1とを比較すると明らかなように、この実施の形態においては、プローブPRB内に信号処理手段SPCおよび変調手段MODが追加されており、位置測定部LCT内に受信手段XRCが追加されている。
【0022】プローブPRBにおいて、信号処理手段SPCは加速度センサAAMの出力信号を処理してデジタル電気信号に変換して変調手段MODに入力する。変調手段MODはコイルドライバDRVがコイルPCLに流す電流を変調する働きをする。キャリアとなる周波数が数10KHz以下の電気信号を発生する機能は、本実施の形態ではコイルドライバDRVと変調手段MODの内のいずれが備えていても良い。一方、前記受信手段XRCは、例えば、受信用のコイル、信号増幅用の狭帯域増幅器、デジタル信号を取り出すための復調器などから構成され、コイルPCLが発生する磁界によって伝送されてきた前記デジタル信号を抽出して計算手段SLVに引き渡す働きをする。ここで、受信コイルの代わりに前記4個の磁気センサXMS-1、XMS-2、ZMS-1、ZMS-2の内の1個以上の任意の個数を使うことも可能である。計算手段SLVは受信手段XRCから送られてきた入力を処理して、コイルPCLの傾き角θpを位置算出に用いる機能を持つ。
【0023】図4は、信号伝送路によりコイルPCLの水平からの傾きに関する信号をフローブPRBから位置測定部LCTに伝送する実施の形態の構成を示すブロック図である。この図に示すように、この実施の形態においては、前記図3に示した実施の形態における変調手段MODに代えて信号送出手段XMTを設け、さらに、該信号送出手段XMTの出力を前記受信手段XRCに伝送する信号伝送路TXLを設けている。信号送出手段XMTは、前記信号処理手段SPCが加速度センサAAMの信号を処理して作り出したデジタル電気信号をベースバンドのまま、あるいは適当なキャリアに乗せて信号伝送路TXLに送出する。前記位置測定部LCTにおける受信手段XRCは、本実施の形態では、信号増幅用の狭帯域増幅器、デジタル信号を取り出すための復調器などから構成され、信号伝送路XMTを伝送されてきた前記デジタル信号を抽出して計算手段に引き渡す働きをする。計算手段SLVは受信手段XRCから送られてきた入力を処理して、コイルPCLの傾き角θpを位置算出に用いる機能を持つ。
【0024】次に、前述した位置測定方法により測定されたプローブの位置の地表への投影点を指示する本発明の位置指示方法および位置測定装置について説明する。図5は、前記図1に示した実施の形態に本発明の位置指示方法による位置指示機能を付加した位置測定装置の構成を示すブロック図である。また、図6は、前記図3に示した位置測定装置に前記位置指示機能を付加した実施の形態の構成を示しており、図7は、前記図4に示した位置測定装置に前記位置指示機能を付加した実施の形態の構成を示している。図5と図1、図6と図3、図7と図4とをそれぞれ比較すると明らかなように、図5、図6および図7においては、位置測定部LCT内に、支持体SPT、角度設定手段GMTおよび指示手段LPTが設けられている。
【0025】図8は位置測定部LCTにおける各構成要素の配置例を示す図であり、この図に示すように、支持体SPTは、磁気センサ対1MSP-1、磁気センサ対2MSP-2、x方向加速度センサXAM、y方向加速度センサYAM、指示手段LPT、角度設定手段GMTを支持し、相互の位置と角度を保つ働きをする。指示手投LPTは、光源と該光源から出射した光を平行光線とするための光学系からなり、コイルPCL(プローブPRB)を通り鉛直な直線が地面と交わる点を光線によって照射して指し示すためのものである。この指示手段LPTとしては、例えばレーザポインタが用いられる。角度設定手段GMTは、指示手段LPTが上記照射地点を照射できるように指示手段LPTの角度を所定の方向に設定する機能を持つ。角度設定のための制御は角度設定手段GMTが行っても良いし、あるいは、計算手段SLVが行っても良い。ただし、計算手段SLVは、後者の場合には角度設定手段GMTを制御する機能を、また、前者の場合には角度設定手段GMTが設定すべき角度あるいは設定すべき角度を計算するために必要な情報を角度設定手投GMTに与える機能を持つ必要がある。
【0026】以下、角度設定手段GMTにおいて設定すべき角度の計算方法の一例について説明する。指示手段LPTが角度設定手段GMTによって角度を設定されるときの回転中心が、指示手段LPTが発射する平行光線の光軸にあるとし、この回転中心の座標をrp(xp,yp,zp)とする。また、センサ座標で表した世界座標の原点(コイルPCLの中心)の座標をrLとすると、rLは、【数5】

で与えられる。
【0027】次に、世界座標のz軸方向の単位ベクトルLは、【数6】

で与えられるから、世界座標のz軸が地面と交わる点を与えるセンサ座標rTは、【数7】

となる。ただし、センサ座標のz面が地面に平行であると仮定している。
【0028】したがって、設定すべき方向を表すベクトルaは、【数8】

で与えられる。このベクトルの方向に前記指示手段LPTから平行光線を発射すれば、センサ座標のz面が地面に平行である限り、目的の地点を指し示すことができる。図9はこの様子を示している。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の位置測定方法および装置によれば、地中のコイルが発生する磁界が最大になる点を探す必要がないために、従来の測定方法に比べてドリルヘッドの位置測定を迅速に行うことができる。また、従来の方法では測定が不可能であったり困難である場所での位置測定を容易に行うことができる。さらに、本発明の位置指示方法および位置測定装置によれば、測定した位置の地表への投影点を指示することが可能となり、掘削孔の経路の地表への投影点を容易に描くことができる。
【出願人】 【識別番号】000208891
【氏名又は名称】株式会社ディーディーアイ
【出願日】 平成11年11月15日(1999.11.15)
【代理人】 【識別番号】100086841
【弁理士】
【氏名又は名称】脇 篤夫 (外1名)
【公開番号】 特開2001−141408(P2001−141408A)
【公開日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【出願番号】 特願平11−323909