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【発明の名称】 タイヤ用滑り止め装置用の計測具
【発明者】 【氏名】山口 聡志

【氏名】白井 隆一

【要約】 【課題】タイヤとタイヤハウス内に露出する各構造体との間隙が必要に確保されいてるか否かを簡単且つ正確に判定できるタイヤ用滑り止め装置用の計測具を簡素な構成にて提供する。

【解決手段】タイヤCにタイヤ用滑り止め装置100を装着する際に、上記タイヤCと自動車のタイヤハウスB内に露出する各構造体b1〜b4’との間隙を計測する計測装置であって、所要の長さを有する棒状体1の少なくとも一端部に所定の外径寸法の計測体2を付設して成り、上記測定体を計測箇所に通過させることで、タイヤ用滑り止め装着Aの装着に必要な間隙があるかどうかを判定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 タイヤの外周にタイヤ用滑り止め装置を装着する際に、タイヤと自動車のタイヤハウス内に露出する各構造体との間隙を計測する計測装置であって、所要の長さを有する棒状体の少なくとも一端部に所定の外径寸法に形成した計測体を付設して成るタイヤ用滑り止め装置用の計測具。
【請求項2】 上記棒状体を屈曲自在に構成してなる請求項1記載のタイヤ用滑り止め装置用の計測具。
【請求項3】 上記計測体を所定の外径を有する略球状若しくは略円柱形状に形成して成る請求項1または請求項2記載のタイヤ用滑り止め装置用の計測具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、タイヤ用滑り止め装置用の計測具であって、さらに詳しくは、タイヤとタイヤハウス内に露出する各構造物との間隙を計測することにより、上記タイヤ用滑り止め装置のタイヤに対する装着の可否を判定する計測具である。
【0002】
【従来の技術】図5及び図6は、従来のタイヤ用滑り止め装置100を示している。図5にて示すように、タイヤ用滑り止め装置100は、タイヤの外周に巻回して装着する略帯状の滑り止め装置本体101を備えている。滑り止め装置本体101は、高張力性の芯材を内設したゴム製の線材を略網目状パターンに組んで一体成形することにより、略帯状の外形に構成してある。滑り止め装置本体101は、その内側縁に沿って、非伸縮製の締め付け紐102を沿設してある。この締め付け紐102は、適宜な間隔を置いて配置した止着金具105を介して滑り止め装置本体101の内側縁に沿って止着してある。また、上記滑り止め装置本体101の外側縁部に沿って、ゴムバンド104aやアタッチメント104bを止着するための掛止金具103を、一定の間隔をおいて止着して構成してある。
【0003】上記した如く構成したタイヤ用滑り止め装置100をタイヤCに装着する際には、展開した滑り止め装置100をタイヤCの外周に巻回し、内側縁の締め付け紐102の両端部に設けた接続具102a,102bを接続する。次いで、タイヤ滑り止め装置本体101一端の外側縁部に設けた掛止金具106を同タイヤ滑り止め装置本体101の他端部の外側に突出形成した掛止部107に掛止する。
【0004】上記したようにタイヤ滑り止め装置本体101の端部同士を連結した後、同滑り止め装置本体101の外側縁部に沿って設けた各掛止金具103にゴムバンド104aとアタッチメント104bを順次掛止する。そして、上記ゴムバンド104aとアタッチメント104bの収縮を利用して、滑り止め装置本体101の外側縁部をタイヤ中心へ向けて引き込むことにより、同滑り止め装置本体101をタイヤC外周面に対して締め付けている(図6)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図7は、タイヤCが納められるタイヤハウスBの内部を示している。上述したようにタイヤCの外周に滑り止め装置100を装着すると、同装置100の肉厚の分、タイヤCの外周部が一回り大きくなる。また、自動車のオーナーが、新車の時に装着されていたタイヤCやホイールc1から、外径や幅の異なる他のタイヤ,ホイールと交換した場合には、上記したタイヤハウスB内におけるスペースの余裕が無くなる場合がある。
【0006】さらに、タイヤ用滑り止め装置100を装着した状態での走行において、指定された制限速度を大きく超えて走行した場合には、タイヤ用滑り止め装置本体101に大きな遠心力が生じて、タイヤCの外周面から浮き上がる現象を生じるので、安全を確保する上で、この分のスペースも考慮する必要があった。
【0007】したがって、前述したように、タイヤCにタイヤ用滑り止め装置100を装着する際には(特にタイヤ,ホイールが交換されている場合には)、タイヤ用滑り止め装置100を装着する前に、タイヤCとタイヤハウスB内に露出するショックアブソソーバーb1との間、タイヤCとフェンダーエッジb2との間、さらにタイヤC/ホイールc1とロアーアームb3等の構造体との間に、安全を確保し得る間隙、例えば30mm程度の間隙が確保されていることを確認する必要がある。
【0008】従来、タイヤCとタイヤハウスB内に露出する各構造体との間隙は、目測や手探り、ゲージ等を当てて測定していたが、タイヤCの一番太い部分とショックアブソ−バーb1との間隙や、タイヤCの内側となるロアーアームb3とタイヤC/ホイールc1との間隙の測定等は、タイヤC自体が邪魔になるので作業が難しく、大変な労力と時間が必要であると共に、その測定結果も不正確になりがちであった。
【0009】本発明の課題は、上記した如くタイヤとタイヤハウス内に露出する各構造体との間隙をタイヤ用滑り止め装置を装着する上で、必要に確保されいてるか否かを簡単且つ正確に判定できるタイヤ用滑り止め装置用の計測具を簡素な構成にて提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決するために、本発明は、タイヤの外周にタイヤ用滑り止め装置を装着する際に、タイヤと自動車のタイヤハウス内に露出する各構造体との間隙を計測する計測装置であって、所要の長さを有する棒状体の少なくとも一端部に所定の外径寸法に形成した計測体を付設して成るものである。上記した手段によれば、棒状体の端部には、所定の外径寸法に形成した計測体が付設してある。尚、上記した所定の外径寸法に形成した計測体は、例えば略球状や円柱、形楕円球等である。上記した計測体の外径寸法は、タイヤとタイヤハウス内に露出する各構造体との間に最低限必要な間隙に対応するように設定してある。したがって、作業者は、上記した棒状体の他端部を持ってタイヤハウス内の各計測箇所に上記計測体を当てがって通過するか否かを確認する。そして、その結果により各計測箇所に、タイヤ用滑り止め装置を装着するために必要な間隙が確保されているか、若しくは間隙が狭くてタイヤ用滑り止め装置の装着が無理であるかを判定することができる。
【0011】請求項2記載のタイヤ用滑り止め装置用の計測具は、上記棒状体を屈曲自在に構成してなるものである。この場合、端部に計測体を取り付けた棒状体が自由に屈曲するので、例えばタイヤの裏側に隠れた状態の計測箇所を計測する場合も、上記棒状体を針金のように適宜な形状に屈曲せしめることで、同棒状態の先端に設けた計測体をタイヤの裏側に隠れてしまう狭い部位、例えばタイヤとローンアームや、タイヤとホイールとの計測箇所まで容易に移動せしめ、計測箇所の間隙を簡単に計測することができる。
【0012】請求項3記載のタイヤ用滑り止め装置用の計測具は、上記計測体を所定の外径を有する略球状若しくは略円柱形状に形成して成るものである。上記した如く計測体を略球状に形成した場合、計測箇所に対してどのような方向(角度)から挿入して測定しても、計測箇所の間隙となる部位に対する最大径は一定である。したがって、どのような方向からでも目的となる計測箇所に挿入してその部位の間隙を測定することができる。よって、フェンダーエッジとタイヤ外周との隙間からタイヤの内側にある計測箇所に挿入する場合等は、タイヤとフェンダーエッジとの間隙の範囲内でも特に棒状体先端の計測部を挿入し易い場所から目的とする計測箇所に挿入して測定を行なうことができる。また、計測体を円柱形状に形成した場合には、計測体の長さのどの部分を用いても計測箇所の間隙の計測を行なうことができる。したがって、計測箇所がタイヤの裏となる狭い場所にある場合等には周囲の部材に多少当たる場合もあるが、計測体が比較的容易に届く範囲の計測箇所の計測を行なう場合には計測作業を能率的に行なうことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明を実施したタイヤ滑り止め用の計測具eを示している。計測具eは、前記した如きタイヤ用滑り止め装置100をタイヤCに装着しようとする際に、まず、目的のタイヤCに上記タイヤ用滑り止め装置100を装着して安全に走行できるか否かを判定するものであって、自動車に装着されているタイヤCと、その自動車のタイヤハウスB内に露出するフェンダーエッジb4’や、ショックアブソ−バb1 ,ロアーアームb3等の各構造体との間に、十分な間隙が確保されているか否かを判定するものである(図2)。そして、上記計測具eを用いて、タイヤCとの間で接触が予想される箇所(計測箇所)の間隙が所定以上に保たれているか否かを測定することにより、上記したタイヤCにタイヤ用滑り止め装置100を装着できるかどうかを判定する。
【0014】図1にて示すように、本発明のタイヤ滑り止め装置100用の計測具eは、適宜な長さを有する棒状体1と、その一端部に付設する略球形状の計測体2とからなる。上記棒状体1は、例えば針金や銅線等から成る屈曲可能な芯材1aを具備し、その芯材1aの周囲を軟質なPVCやウレタン等の合成樹脂によって全面的に被覆して成り、上記芯材1aの屈曲性を利用して棒状体1自体を所望の形状に屈曲せしめ、その形状を維持できるように構成してある。尚、上記棒状体1の他端部には、キャップ3を嵌着して、同棒状体1の他端部から芯材1aが突出するのを防止している。また、上記棒状体1の他端部には、把手を設けることにより、棒状体1を持ちやすくして作業性を向上させてもよい。
【0015】上記棒状体1の一端部に付設した計測体2は、合成樹脂やゴム等を用いて形成した球状体であり、上記棒状体1の芯材1aを同計測体2の中心部に向けて挿入して固着することにより、棒状体1の一端部に取付固定してある。また、上記計測体2は球状体であり、その外径を所定の寸法、即ち、タイヤハウスB内の各計測箇所において最低限必要な間隙の寸法に合わせて設定してある。すなわち、上記した計測体2の最大径部分が通過すればその計測箇所は安全を維持するために必要な間隙が確保できていることになる。ちなみに、本実施例の場合、上記計測体2の外径を30mmに設定してある。しかし、上記計測体2の外径は、滑り止め装置本体101の肉厚や、走行時の遠心力により生じる装置本体101の浮き等に対応して設定するものであり、上記値に限定するものではない。上記した場合とは反対に、計測体2の最大径部分が計測箇所に引っ掛かって通過しない場合には、その計測箇所に必要な間隙が確保出来ていないことになる。これを無視してタイヤ用滑り止め装置100を装着すると、同装置100がタイヤハウスB内に露出する各構造体と接触して破損し、故障や事故に繋がる可能性がある。
【0016】次ぎに、上記した計測具eを用いてタイヤCと、タイヤハウスB内の各構造体b1〜b4’との間に生じる間隙、即ち測計箇所p1〜p5を計測する際の説明を行なう。図2は、自動車のタイヤハウスB内の構造を示している。タイヤハウスB内には、タイヤCと共に、同タイヤCを軸支するドライブシャフトb2や、フェンダーエッジb4’とフェンダー上面部b4,及び干渉装置となるショックアブソーバーb1,ロアーアームb3等が露出している。そして、上記した各構造体b1〜b4’と接触する可能性があるタイヤCの対応部、即ち予め設定された計測箇所p1〜p5の間隙寸法を上記した計測具eを用いて計測する。
【0017】計測作業は上記した計測具eの棒状体1の適宜部位を持って先端部に付設した球状の計測体2をタイヤハウスB内に挿入して各計測箇所p1〜p5の各間隙を順次通過させるだけである。この時、計測体2の最大直径部分が上記各計測箇所p1〜p5の間隙を問題なく通過したならば、使用するタイヤ用滑り止め装置100を安全に装着することができる。また、上記各計測箇所p1〜p5の内、一か所でも計測体2が引っ掛かって通過しない箇所があった場合は、タイヤ用滑り止め装置100を装着して走行した際に、上記した各構造体のb1〜b4’対応部分に引っ掛かりが生じる可能性があるので、安全を重視してそのタイヤ用滑り止め装置100の装着を中止する。
【0018】また、上記した如く計測具eの計測体2をタイヤハウスB内に挿入して各計測箇所p1〜p5に移動させる場合において、棒状体1を必要に応じて屈曲させることにより、タイヤCの裏側に位置する計測箇所でも先端部の計測体2を各計測箇所p1〜p5まで移動させて容易に計測作業を行なうことができる(図2)。
【0019】本発明のタイヤ滑り止め用の計測具は、図3にて示すように構成してもよい。このタイヤ用滑り止め装置100の計測具e2は、上記したものと同様に、芯材1aを内設して屈曲可能に構成した棒状体1を具備すると共に、この棒状体1の一端に、略円柱形に形成した計測体2’を設けて構成してある。上記した計測体2’は、所定の長さ、例えば10cm程度の長さを有する円柱形状の部材であり、その端部に上記棒状体1の芯材1aの一端部を挿入して取付固定してある。上記計測体2’の外径は、前記した計測具eの外径と同様に30mmに設定してある。また、上記計測体2’の先端部と他端部とは、半球状に丸めて計測時において周囲の部材に同計測体2’の端部が引っ掛かるのを防止している。
【0020】上記した如く、棒状体1の一端部に略円柱状に形成した計測体2’を付設した計測具e2にあっては、上記計測体2’の長さのどの部分を用いても(両端部の半球部は除く)上記計測箇所p1〜p5における間隙の計測を行なえる利点がある。したがって、上記した計測具e2は、計測箇所がタイヤの裏となる狭い場所、例えばp1やp4に挿入して計測する場合等には周囲の部材に多少ぶつかるが、同計測体2’が比較的容易に届く範囲、例えばp2,p3,p5等の計測箇所を計測する場合等には非常に効率よく計測作業を行なうことができる。
【0021】尚、上述したタイヤ用滑り止め装置100用の計測具e,e2は、屈曲可能な棒状体1の一端部のみに、計測体2,2’を設けた。しかし、本発明の主旨によれば、上記した如き計測体2,2’を棒状体1の両端部に付設してもよい。この場合、棒状体1の両端部に付設する計測具として同じ形状の計測具を取付てもよいし、若しくは図4にて示す計測具e3のように、棒状体1の一端部に計測体2を他端部に計測体2’を付設して構成してもよい。また、本発明に用いる棒状体は、屈曲が可能で且つ任意の屈曲形態を保つことができるものであれば既存のどのような棒状体を用いてもよく、例えば蛇腹管等を使用してもよい。
【0022】一方、上記した棒状態は、屈曲しない棒状材を使用してもよく、この場合、タイヤCの裏の狭い計測箇所を計測する場合は、タイヤハウスB内に露出する各構造体と多少ぶつかることもあるが、熟練によって十分に測定することができるようになる。また、棒状体の端部に設ける計測体の形状は、略球形や略円柱形の他にも、略楕円球形や断面多角形の棒状に形成してもよい。尚、上記した実施例においては、ゴム製のタイヤ用滑り止め装置100を装着するために上記計測具e〜e3を使用したが、タイヤ用滑り止め装置100は、ゴム以外の材質、例えば合成樹脂や金属チェーンからなるものにも同様に使用することができる。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、タイヤの外周にタイヤ用滑り止め装置を装着する際に、タイヤとタイヤハウス内に露出する各構造体との間隙を計測する計測装置であって、棒状体の一端部に略球形状の計測体を付設して成るものであるから、上記計測体の直径を、タイヤとタイヤハウス内に露出する各構造体との間に最低限必要な間隙に合わせて形成することにより、作業者は、上記計測装置の棒状体を持ちながら、タイヤハウス内における所定の計測箇所(タイヤと接触する可能性のある計測箇所)に上記棒状体の先端に設けた計測体を移動して通過するか否かを確認することにより、その計測箇所に必要な間隙が確保されているか、若しくは間隙が狭くてタイヤ用滑り止め装置の装着が無理であるかを速やかに判定することができる。
【0024】請求項2記載のタイヤ用滑り止め装置用の計測具は、上記した請求項1記載のタイヤ用滑り止め装置の計測具の棒状体を屈曲自在に構成したものであるから、例えば計測箇所がタイヤの裏側に隠れて手の届きにくい場所であっても、上記棒状体を針金のように適宜に屈曲させることで、例えばタイヤとローンアームや、タイヤとショックアブソーバーとの間のように計測が難しい計測箇所等を容易に計測することができる。
【0025】請求項3記載のタイヤ用滑り止め装置用の計測具は、上記計測体を所定の外径を有する略円柱形状に形成して成るものである。この場合、球状に形成した計測体は、その最大径部分がどの部分でも略一定となるため計測箇所に対してどのような方向(角度)から挿入して計測しても、計測箇所の間隙を確実に計測することができる。例えば、フェンダーエッジとタイヤ外周との隙間からタイヤの内側にある計測箇所に挿入する場合等は、上記フェンダーエッジとタイヤ外周との間隙の範囲内でも、特に作業のやり易い箇所から目的とする計測箇所に向けて計測部を挿入することができるので、作業性が非常によい。また、上記計測部を略円柱形状に形成した場合には、同計測体の長さのどの範囲を用いても計測箇所の計測を簡単に行なうことができる。したがって、上記計測体が比較的容易に届く範囲にある計測箇所を計測する場合には効率的な計測作業を行なうことができる。
【出願人】 【識別番号】000000550
【氏名又は名称】オカモト株式会社
【出願日】 平成11年11月11日(1999.11.11)
【代理人】 【識別番号】100068607
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 政名 (外3名)
【公開番号】 特開2001−141405(P2001−141405A)
【公開日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【出願番号】 特願平11−321262