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【発明の名称】 瓦の歪測定装置
【発明者】 【氏名】鈴木勝晴

【要約】 【課題】従来の装置では、少なくとも2個のセンサを必要とし、センサを含む電気制御回路が複雑化するほか、測定装置がコスト高になる点にある。

【解決手段】瓦Wの裏面を支持するコンベア12が設けられ、コンベア12に瓦の測定位置Aが設定されるとともに、瓦Wをコンベア12から持ち上げる昇降手段20と瓦Wの位置決め手段が瓦の測定位置Aに備えられ、該コンベア12の進行方向に瓦の測定位置Aへの進入を検出するセンサ18を備えた瓦の歪測定装置10において、瓦の測定位置Aの上方に昇降自在の測定ユニット88が設けられ、瓦Wの衿E側表面の両端付近に向けて一対の測定子が測定ユニット88に設けられ、一方の測定子を基準用の固定端子90とし、他方の測定子を変位センサ92とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 瓦の裏面を支持するコンベアが設けられ、コンベアに瓦の測定位置が設定されるとともに、瓦の昇降手段と瓦の位置決め手段が瓦の測定位置に設けられ、かつ該コンベアに瓦の測定位置への進入を検出するセンサが備えられた瓦の歪測定装置において、一対の測定子を備えた昇降自在な測定ユニットが瓦の測定位置の上方に設けられるとともに、一方の測定子を基準用の固定端子とし、他方の測定子を変位センサとし、前記した測定ユニットの一対の測定子が瓦の搬送方向に一致するように所定の間隔を保って衿側表面に向けて配設されたことを特徴とする瓦の歪測定装置。
【請求項2】 瓦の衿側裏面の1個所と桟側下端における2個所との3点支持により瓦をコンベア上で昇降させる昇降手段と、瓦の頭尻方向の位置決めおよび桟衿方向の位置決めをする位置決め手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の瓦の歪測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、粘土瓦等の製造工程において瓦の歪を迅速かつ正確に測定する瓦の歪測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、J形やS形瓦の場合では屋根葺き時に瓦の桟側下端が衿側表面に当接するから、桟側下端に対応する衿側表面の平行度を考慮する必要がある。そこで、従来の瓦の歪測定装置として、例えば特開昭63−42412号公報に示されたものが知られている。
【0003】この装置は、瓦の桟側を支持するコンベアと衿側を支持するコンベアとを平行に、同方向、同速度に走行自在に配置し、瓦の衿側表面の両端付近上方の2個所に光学式の変位センサを設け、前記両コンベア間の進行方向に瓦の測定位置への進入を検出するスイッチを設けたものである。
【0004】この種の装置によれば、製造ラインにおいて連続的に製造される瓦に対して、実際に瓦を屋根に葺いたときに当接する部位の歪みを直接測定できるようにしているから、桟側下端に当接する部位つまり衿側表面の平行度を測定することのできる有利性がある。
【0005】しかしながら、この種の装置においては、測定する瓦の衿側表面の頭側と尻側の両端付近を夫々測定するため、衿側表面の両端付近の上方に変位センサ1個毎設ける必要があった。
【0006】そのために、変位センサを含む電気制御回路が複雑化するほか、測定装置のコストを押し上げる原因となっていた。
【0007】また、測定装置の製造時に電気制御回路の配線作業やプログラム等の設定作業が煩雑になるとともに、装置の保守管理の面でも煩雑な作業を回避することができなかった。
【0008】また、瓦の桟側を支持するコンベアは、瓦の桟側下端に亘って支持する構造であるため、瓦の桟側下端が直線状となっている必要があった。例えば、瓦の桟側下端に成形時の僅かなバリなどが発生していると、基準になるべき桟側下端がコンベアに対して傾斜することになり、瓦の歪みが無く実質的に良品であっても、僅かなバリのために不良品と判断する測定結果が生じるおそれがあった。
【0009】その上、瓦を搬送させつつ瓦の歪を測定するため、搬送時の振動やコンベアの撓みなどの影響を受けると、測定時における瓦の姿勢が不安定となり、安定した瓦の歪測定を行うことができないおそれがあった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明が解決しようとする課題は、瓦の歪を測定するために、従来の装置では、少なくとも2個の変位センサを必要とし、変位センサを含む電気制御回路が複雑化するほか、測定装置のコスト高になる点にある。
【0011】また、桟側下端に対する衿側表面の平行度を測定する装置にあっては、コンベアが桟側下端に亘って当接するので、桟側下端が直線状に形成されていることが必要であり、桟側下端に僅かなバリが生じていると、正確な歪の測定ができないおそれがある点などである。
【0012】この発明の目的は、実際に瓦を屋根に葺いたときに当接する部位の歪みを直接かつ正確に測定するとともに、歪を測定するための変位センサを1個とした安価な瓦の歪測定装置の提供にある。
【0013】
【問題を解決するための手段および作用効果】上記の目的を達成するため、請求項1記載の瓦の歪測定装置は、瓦の裏面を支持するコンベアが設けられ、コンベアに瓦の測定位置が設定されるとともに、瓦の昇降手段と瓦の位置決め手段が瓦の測定位置に設けられ、かつ該コンベアに瓦の測定位置への搬入状況を検出するセンサが備えられた瓦の歪測定装置において、一対の測定子を備えた昇降自在な測定ユニットが瓦の測定位置の上方に設けられるとともに、一方の測定子を基準用の固定端子とし、他方の測定子を変位センサとし、前記した測定ユニットの一対の測定子が瓦の搬送方向に一致するように所定の間隔を保って衿側表面に向けて配設されたことを特徴とするものである。
【0014】また、請求項2記載の瓦の歪測定装置は、請求項1記載の瓦の歪測定装置において、瓦の衿側裏面の1個所と桟側下端における2個所との3点支持により瓦をコンベア上で昇降させる昇降手段と、瓦の頭尻方向の位置決めおよび桟衿方向の位置決めをする位置決め手段を備えたことを特徴とするものである。
【0015】請求項1記載の発明は、上記のとおりであるから、瓦は頭側をコンベアの後方側に向けてコンベアにより瓦の裏面が支持された状態で搬送されるが、瓦の測定位置にほぼ達するとセンサにより瓦の進入が感知される。
【0016】次に、センサの感知により瓦の搬送が一旦停止されるとともに、昇降手段が作動して瓦をコンベアから上昇させる。昇降手段により瓦が上昇して測定ユニットの一対の測定子に接近するが、瓦の衿側表面の一方は基準用の固定端子に、他方は変位センサに接近する。
【0017】そして、瓦の上昇により固定端子が瓦の衿側表面に当接するが、瓦がさらに上昇することにより、測定ユニットも上昇する。このとき、測定ユニットの自重が上昇する瓦に作用することにより瓦が測定ユニットに押圧される状態となるため、瓦は妄動しない。
【0018】そして、瓦の上昇が停止され、固定端子が瓦の衿側表面の一方に当接して状態で変位センサが衿側表面の他方の高さを測定する。なお、この測定に先立って予め測定位置に設けられた瓦の位置決め手段により測定される瓦は測定に備えて正規の位置に位置決めされる。
【0019】このとき、瓦の衿側表面の歪を測定するに際して、桟側下端における2箇所を歪測定の基準とするため、昇降手段は瓦の桟側下端が所定の姿勢となるように瓦を上昇させる。
【0020】また、桟側下端に対する衿側表面の平行度を固定端子と変位センサとの関係から把握するため、変位センサに対する固定端子の位置は予め設定されている。
【0021】したがって、固定端子が衿側表面の一方に当接している状態で、変位センサにより瓦の衿側表面の他方の高さを測定すると、瓦の桟側下端に対応する衿側表面の平行度が求められる。
【0022】瓦の歪が測定された後、昇降手段により瓦が降下され、コンベア上に復帰される。コンベア上に復帰された瓦は一端停止されたコンベアが再び駆動されることにより、次工程へ搬送されるが、搬送後に歪が許容範囲外にある瓦は製造ラインから取り除かれる。
【0023】請求項1記載の発明によれば、コンベアにより搬送される瓦をコンベアの瓦の測定位置において、瓦は昇降手段により持ち上げられるが、測定ユニットの固定端子を瓦の衿側表面の一方に当接した状態とした後、変位センサが衿側表面の他方を測定するので、1個の変位センサのみにより瓦の桟側下端と桟側下端に対応する衿側表面の平行度を測定することができる。
【0024】したがって、変位センサを含む電気制御回路が簡略化され、測定装置のコストを低減できるほか、測定装置の製造時に電気制御回路の配線作業やプログラム等の設定作業が容易になるとともに、装置の操作・保守管理の面でも煩雑な作業を回避することができる。
【0025】なお、測定ユニットが昇降自在であるから、昇降手段により持ち上げられた瓦は自重により下方に向かう測定ユニットにより押圧されるので、瓦を妄動させることなく安定して歪の測定を実施できる。
【0026】また請求項2記載の発明は、上記のとおりであるから、瓦の歪を測定する際、昇降手段は瓦の衿側裏面の1個所と桟側下端における2個所との3点を支持するので、瓦の姿勢が安定し、瓦が上下方向に妄動することがない。
【0027】また、同時に位置決め手段により瓦の頭尻方向および桟衿方向について位置決めができるので、瓦が頭尻方向および桟衿方向に妄動することがない。
【0028】請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と共通の作用効果を奏するほか、瓦の衿側裏面の1個所と桟側下端における2個所との3点支持により瓦をコンベアから持ち上げる昇降手段と、瓦の頭尻方向および桟衿方向を位置決めする位置決め手段により、測定時における瓦の姿勢をより確実に規制することができるので、瓦の歪の測定をより確実に正確に実施できる。
【0029】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態に係る図面を参照して説明する。図1はこの発明の実施の形態に係る瓦の歪測定装置の正面図、図2は同装置の側面図(説明の便宜上、瓦Wの谷V付近の測定子を図示せず)であり、図3は同装置の要部を示す平面図、図4は瓦の測定時における同装置の要部正面図、図5は瓦の測定時における同装置の要部側面図(説明の便宜上、瓦Wの谷V付近の測定子を図示せず)、図6は測定ユニットの要部斜視図、図7および図8はJ形瓦における歪の測定の説明図である。
【0030】一対のベルト14を備えたコンベア12が裏面をベルト14に向け瓦Wを水平状態で搬送することができるように設置されている。この実施の形態におけるコンベア12のベルト14は丸ベルトが採用されており、一方のベルト14が瓦Wの山Mの裏面に当接し、他方のベルト14が衿側付近の裏面に当接するようにベルト14の高さが異なっているものである(図1を参照)。
【0031】そして、瓦Wが当接するベルト14の下面に断面略V字状のベルト受承体16が備えられ、瓦Wの搬送時にベルト14が上下や幅方向へ妄動しないように図られている。
【0032】コンベア12の略中央よりやや前方寄りに、瓦Wの測定位置Aが設定されている。瓦Wの測定位置Aには搬送されてくる瓦Wの進入の有無を感知するための光学式のセンサ18が設けられている。この実施の形態ではセンサ18はコンベア12の傍らからコンベア12の搬送面に向けて設けられている(図1、図3、図4を参照)。
【0033】瓦Wの測定位置Aの下方には、瓦Wをコンベア12のベルト14上から持ち上げたり、持ち上げられた瓦Wをベルト14上に降ろしたりするための昇降手段20が設けられている。この実施の形態における昇降手段20は、コンベア12の測定位置Aからコンベア14の始端寄りにかけて延設された揺動杆22と、揺動杆22の後端上に設けられた昇降台24から構成されている。
【0034】揺動杆22はコンベア12の始端寄りに設けられた支点軸26を介して上下に揺動自在に設けられており、揺動杆22の揺動により昇降台24が昇降できるように図られている。
【0035】また、揺動杆22の略中央付近の下面に、ローラ用支持体28が下方に向けて設けられ、ローラ用支持体28の下端に転動自在のカムローラ30が装着されている。
【0036】一方、コンベア12の下方に減速機32を備えた駆動モータ34が設けられ、減速機32の回転軸36に偏芯カム38が取り付けられている。そして、この偏芯カム38の外周に揺動杆22のカムローラ30が当接するように、偏芯カム38とカムローラ30が配設されている(図2、図5を参照)。したがって、駆動モータ34の作動により偏芯カム38が回転されると、偏芯カム38の回転に伴いカムローラ30が偏芯カム38に倣い、揺動杆22が上下方向に揺動される。
【0037】揺動杆22に設けられた昇降台24には、瓦Wの裏面に当接して瓦を3点支持するための3個の支持体40、42、44が設けられている(図4、図5を参照)。これらの3個の支持体40、42、44は瓦Wの桟側下端Kを2個所で支持する桟側支持体40、42と、瓦Wの衿側付近の裏面の1個所を支持する衿側支持体44から構成されている。
【0038】桟側支持体40、42は、コンベア12上における瓦Wの桟側下端Kの位置に対応するように昇降台24に設けられている。
【0039】この実施の形態では、瓦Wをより正確かつ点接触の状態で支持するために桟側支持体40、42は2個の支持ローラ46を組み合わせたものが採用されているが、この支持ローラ46の転動方向は搬送方向と平行である。支持ローラ46が搬送方向と平行である理由は、桟側下端Kは衿側表面の歪を測定する場合の基準とするから、支持ローラ46と支持ローラ46との2点で桟側下端Kを点接触の状態で支持することにより、基準としての桟側下端Kの位置を確保するためである。
【0040】他方、瓦Wの衿側裏面を支持する衿側支持体44は、コンベア12の一対のベルト14、14の間であって衿側のベルト14付近に位置するように昇降台24に取り付けられている。そして、衿側支持体44にも支持ローラ48が採用されているが、衿側支持体44の支持ローラ48は搬送方向に対して直角方向に向けられている(図3、図4を参照)。
【0041】この衿側支持体44の支持ローラ48が搬送方向と直角方向となっている理由は、桟側支持体40、42の支持ローラ48により桟側下端Kが2点で支持され、残る衿側の1点を無理のない状態で支持するためである。つまり、瓦Wの衿側の裏面は知られるように一般的に衿側から谷にかけて断面が緩やかな円弧を描いているから、この円弧方向に対応させることにより、点接触の状態で接触させ、瓦Wを確実に支持できるように図られている。
【0042】したがって、これらの各支持体40、42、44の支持ローラ46、46、48により瓦Wを無理のない自然な状態で3点支持することができる。なお、この実施の形態においては昇降手段20の昇降のために偏芯カム38を採用したが、例えば、クランク機構や流体圧シリンダに置き換えてもよい。
【0043】次に、瓦の位置決め手段について説明する。瓦の位置決め手段は、衿側表面の歪を測定するに備えて予め瓦の姿勢を制御することを目的とするもので、瓦の頭尻方向の位置決めおよび桟衿方向の位置決めをするものである。瓦の頭尻方向の位置決めおよび桟衿方向の位置決めをする瓦の位置決め手段は頭尻位置決め手段と桟衿位置決め手段とから構成されているものと便宜上説明する。
【0044】まず、頭尻位置決め手段を説明すると、昇降台24の前方側に垂直部と垂直部に対して内側に向けられた水平部とからなる制動片50が固定されている(図2、図5を参照)。瓦Wがコンベア12の測定位置Aに達して揺動杆22が上方へ傾斜したとき、瓦Wの頭Hが制動片50に当接し、測定位置Aに瓦Wを停止させるためである。
【0045】一方、瓦Wの尻Bを押圧する押圧ローラ54を備えた尻側可動片52が昇降台24の後方寄りの揺動杆22に備えられているが、瓦Wの尻Bに対応する位置となっている。尻側可動片52は側面から見て略く字状であって、尻側回動軸56を介して前後方向に回動自在に設けられている。
【0046】そして、尻側可動片52の一端には押圧ローラ54が設けられ、他端は一定の範囲で昇降自在な尻側連結杆58の一端に軸着されている。尻側連結杆58は尻側連結杆58に装着された付勢手段60により下降する方向に付勢されているほか、尻側案内手段62により支持されている(図2を参照)。
【0047】このことから、揺動杆22が上方へ傾斜すると、尻側連結杆58が尻側可動片52の他端を下方に向けて降下させることになり、尻側可動片52の一端の押圧ロ−ラ54は瓦Wの尻B側に向け、尻側回動軸56を支軸として回動することにより瓦Wの尻B側に接近し、押圧ローラ54が瓦Wの尻Bに押圧し、頭Hに当接する制動片50とともに支持体40、42、44上の瓦Wの前後位置が位置決めされる(図5を参照)。
【0048】次に、桟衿位置決め手段について説明する。瓦Wの桟Sの2個所を押圧する2個の押圧ローラ66を備えた桟側可動片64が昇降台24に備えられているが、瓦Wの桟Sに対応する位置となっている。桟側可動片64は略L字状であって、桟側回動軸68を介して瓦Wの幅方向に回動自在に設けられている。
【0049】また、桟側可動片64の一端は瓦Wの桟Sに沿うように張設されており、桟側可動片64の一端には一定の間隔を隔てて押圧ローラ66が2個設けられ、瓦Wの桟Sの2個所を押圧することができるように図られている。
【0050】一方、桟側可動片64の他端には一定の範囲で昇降自在な桟側連結杆70の一端に軸着されている(図4を参照)。桟側連結杆70は尻側連結杆58と同様に、桟側連結杆70に装着された付勢手段72により下降する方向に付勢されているほか、桟側案内手段74により支持されている(図1を参照)。
【0051】瓦Wの衿Eを押圧する押圧ローラ78を備えた衿側可動片76が昇降台24に備えられているが、瓦Wの衿Eに対応する位置となっている。衿側可動片76は正面から見て左右対称な略L字状であって、衿側回動軸80を介して瓦Wの幅方向に回動自在に設けられている(図4を参照)。衿側可動片76の一端には押圧ローラ78が1個設けられ、瓦Wの衿Eのほぼ中心部を押圧することができるように図られている。
【0052】一方、衿側可動片76の他端には一定の範囲で昇降自在な衿側連結杆82の一端に軸着されている。衿側連結杆82は尻側連結杆58および桟側連結杆70と同様に、衿側連結杆82に装着された付勢手段84により下降する方向に付勢されているほか、衿側案内手段86により支持されている(図1を参照)。
【0053】このことから、揺動杆22が上方へ傾斜すると、桟側連結杆70が桟側可動片64の他端を下方に向けて降下させることになり、桟側可動片64の押圧ロ−ラ66寄りの一端は桟側回動軸68を支軸として瓦Wの桟S側に向けて回動することにより、瓦Wの桟Sに接近し、2個の押圧ローラ66が瓦Wの桟Sを押圧する。
【0054】他方、衿側連結杆82は衿側可動片76の他端を下方に向けて降下することになり、衿側可動片76の押圧ロ−ラ78寄りの一端は衿側回動軸80を支軸として瓦Wの衿E側に向けて回動することにより、瓦Wの衿Eに接近し、押圧ローラ78が瓦Wを押圧する。
【0055】このように、桟側可動片64の2個の押圧ローラ66と衿側可動片76の押圧ローラ78により、瓦Wの桟Sと衿Eがそれぞれ押圧され、瓦Wが3点支持された状態で瓦Wの幅方向の位置が位置決めされ、位置決めされた瓦Wの位置が規制される(図4を参照)。
【0056】したがって、瓦Wの桟衿方向の位置は昇降台24に備えられた桟衿位置決め手段により確実に規制され、また、昇降手段20に対して瓦Wの位置が変化しないほか、桟衿位置決め手段が昇降手段20に設けられていることから、桟衿位置決め手段により瓦Wの位置を位置決めしても桟衿位置決め手段に対する瓦Wの変位は小さく、瓦Wが損傷することがない。
【0057】また、桟衿位置決め手段は3個の押圧ローラ66、66、78を介して瓦Wの位置決めを行うので、桟衿方向の瓦Wの位置決めと測定後の瓦Wの姿勢の規制を円滑に行うことができる。
【0058】なお、この実施の形態においては、位置決め手段を昇降手段20に設けたが、昇降手段20に位置決め手段を設けることに制限されるものではない。前記したように歪の測定に備えて予め瓦Wの姿勢を制御するものであるから、昇降手段20と組み合わせすることなく、測定位置Aであってコンベア12の傍らに独立に設けてもよい。
【0059】次に、瓦Wの歪みを測定するための測定ユニット88、測定子である固定端子90および変位センサ92、94、96について説明する。測定ユニット88は、後述する固定端子90と変位センサ92、94、96を支持するものであり、瓦の測定位置Aの上方において昇降自在に設けられている。
【0060】この実施の形態における測定ユニット88は、コンベア12の始端寄りの上方に支持されたユニット用揺動軸98、ユニット用揺動軸98に軸着され、かつ瓦の測定位置Aまで延設されたユニット枠体100、ユニット枠体100に設けられた測定子支持体102とから構成されている(図2、図6を参照)。
【0061】したがって、瓦の測定位置Aにおいて、先に説明した昇降手段20により瓦Wが持ち上げられると、持ち上げられる瓦Wが後述する固定端子90と変位センサ92、94、96に当接しつつ測定ユニット88を持ち上げるが、具体的にはユニット用揺動軸98を支軸として、ユニット枠体100が上方に向けて傾斜され、測定子支持体102が上昇する。
【0062】なお、図示を省略したが、測定ユニット88が一定の高さより下降しないように、ストッパが設けられている。
【0063】また、この実施の形態においては、ユニット枠体100をユニット枠体用揺動軸98からコンベア12の始端側に向けて延長させ、延長端にバランスウエイト108が設けられている。バランスウエイト108は、持ち上げられた瓦Wが測定ユニット88に当接しつつ測定ユニット88を持ち上げる際に、瓦Wに対する測定ユニット88の荷重が必要以上の荷重とならないためである。測定ユニット88から必要以上の荷重が瓦Wに働くと瓦Wの姿勢が不安定になるからである。
【0064】この実施の形態では、バランスウエイト108がユニット枠体100に対して前後方向に摺動可能となっており、バランスウエイト108をユニット枠体100に対して適した位置に固定することができる。バランスウエイト108の位置を調整することにより、瓦Wに対する測定ユニット88の荷重を好ましい荷重に調整することができ、測定時における瓦Wの妄動を確実に図ることができる。
【0065】なお、バランスウエイト108を固定する位置を設定しておき、重量の異なるバランスウエイト108を多数用意しておき、必要に応じて交換してもよい。
【0066】測定ユニット88の測定子支持体102には測定子である固定端子90と変位センサ92、94、96が設けられており、この実施の形態においては、瓦Wの表面において衿E付近と谷V付近の2個所について瓦Wの歪が測定することができるように配設されている。
【0067】4個の測定子の内、瓦Wの衿E付近の頭側に対応するように設けられた測定子は、測定子支持体102に固定された基準用の固定端子90である(図4〜図6を参照)。固定端子90は棒状であって、単に測定子支持体102に固定されているもので、瓦Wの衿E付近の頭寄りの高さを実際に測定するものではない。
【0068】一方、残りの3個の測定子は、接触した瓦Wの表面の高さを測定する公知の変位センサ92、94、96であり、各変位センサ92、94、96の先端は上下にする可動端106が備えられている(図6を参照)。変位センサ92、94、96の可動端106は、所定の範囲内で上下に移動するほか、変位センサ92、94、96に設けられた発条体(図示せず)の付勢力により、常態において最下端に位置するように設けられている。
【0069】そして、変位センサ92、94、96の内、衿E付近の尻寄りに対応するように設けられた変位センサ92は、先に説明した固定端子90との組み合わせにより、衿E付近の歪を測定することができるように設けられている。すなわち、固定端子90の先端からの延長水平線上から、可動端106の可動距離の半分に相当する距離だけ変位センサ92の可動端106が下方に向けて突出するように設けられている(図8を参照)。
【0070】この実施の形態においては衿付近と谷Vの2個所を測定する構成としたが、衿付近の1箇所のみとしてもよく、また必要に応じて瓦の山M(桟峠)を測定してもよい。したがって、変位センサをこの実施の形態では、後記するよう3個の例を挙げたが、発明の目的に記載したように少なくとも1個の変位センサにより衿側表面のみの歪を測定することにより、この発明は目的を達成できるものであることを明らかにする。また、測定ユニット88を2個とし、互いに独立して昇降するように設ければ、谷V付近の測定子を構成を、衿E付近の測定子の構成と同様にすることができる。
【0071】なお、この実施の形態において変位センサ92、94、96を接触式としたが、光学式など非接触式の変位センサとしてもよい。
【0072】次にこの実施の形態に係る歪測定装置10の作用を説明する。コンベア12の前方の別のコンベア(図示せず)から、表面を上方に向けた瓦Wが水平状態で搬送される。このとき、瓦Wの頭Hをコンベア12の後方とし尻Bを前方とする。
【0073】搬送される瓦Wがコンベア12の測定位置Aに達すると、瓦Wが測定位置Aに達したことを感知するセンサ18が反応する。センサ18からの信号に基づいて昇降手段20が上昇する。具体的には、センサ18からの信号を受けた駆動モータ34が作動され、偏芯カム38が回転するが、カムローラ30が偏芯カム38に倣うため、揺動杆22は支点軸26を支軸とし上方へ傾斜するように回動する。
【0074】そして、揺動杆22の前端には昇降台24が取り付けられているので揺動杆22の回動に伴い、昇降台24が上昇する。
【0075】コンベア12の測定位置に達した瓦Wは、昇降台24の上昇とともに、まず瓦Wの頭Hが頭尻位置決め手段により規制される。具体的には昇降台24に設けられた制動片50が、昇降台24の上昇とともに瓦Wの頭Hに当接され、瓦Wの搬送は停止される。そして、昇降台24がさらに上昇するため、瓦Wが支持体40、42、44により3点支持される。
【0076】具体的には、昇降台24に設けられた桟側支持体40、42により瓦Wの桟側下端Kが2個所で支持され、衿側支持体44により瓦Wの衿側付近の裏面の1個所が支持される。
【0077】次に、瓦Wの姿勢が昇降手段20に設けられた位置決め手段により規制される。具体的には昇降台24に設けられた頭尻位置決め手段および桟衿位置決め手段により行われる。揺動杆22が上方へ傾斜すると、尻側連結杆58が尻側可動片52の他端を下方に向けて降下することになり、尻側可動片52の一端は瓦Wの尻Bに接近し、押圧ローラ54が瓦Wの尻Bに押圧し、頭Hに当接する制動片50とともに支持体40、42、44上の瓦Wの前後位置が位置決めされる(図5を参照)。
【0078】また、昇降台24の上昇により、瓦Wの前後方向の位置決めとほぼ同時に、桟側連結杆70が桟側可動片64の他端に向けて降下することになり、桟側可動片64の一端は瓦Wの桟Sに接近し、2個の押圧ローラ66が瓦Wの桟Sを押圧する。他方、衿側連結杆82は衿側可動片76の他端を下方に向けて降下することになり、衿側可動片76の一端は瓦Wの衿Eに接近し、押圧ローラ78が瓦Wの衿Eを押圧する。
【0079】このように、桟側可動片64の2個の押圧ローラ66と衿側可動片76の2個の押圧ローラ78により、瓦Wの桟Sと衿Eがそれぞれ押圧され、瓦Wが3点支持された状態で瓦Wの幅方向の位置が位置決めされ、位置決めされた瓦Wの位置が規制される(図4を参照)。
【0080】したがって、瓦Wが3点支持された後の昇降台24の上昇に伴い、瓦Wの頭尻方向と桟衿方向の位置決めが完了する。なお、この実施の形態では瓦Wの位置決めを測定位置Aの昇降手段20に設けられた瓦の位置決め手段により、瓦Wの上昇時に行うようにしたが、昇降手段20と別に独立して測定位置Aに設け、歪測定に先立ち瓦Wの上昇前に位置決めすることやコンベア12上で位置決めすることも予定されている。
【0081】そして、昇降台24はさらに上昇し、瓦Wはさらに持ち上げられるので、測定子に瓦Wが当接する。このとき、衿付近について歪がない瓦Wの場合では、固定端子90より下方に突出している可動端106を有する変位センサ92に先に接触する。瓦Wは引き続き上昇するので測定ユニット88の自重の一部が変位センサ92の可動端106に作用し、可動端106は変位センサ92に対して上昇し、一方、固定端子90に瓦Wの表面が当接する。
【0082】固定端子90が瓦Wの表面に当接することにより、測定ユニット88はユニット用揺動軸98と固定端子90により支えられつつ、ユニット用揺動軸98を介して測定ユニット88が上昇する。そしてこの状態を維持し、昇降台24が最大に上昇した時点で変位センサ92が測定個所の高さを測定する。
【0083】なお、谷V付近に設けられた変位センサ94、96は、衿E付近の変位センサ92と同様に瓦Wに当接し、昇降台24が最大に上昇した時点で測定する。
【0084】このとき、昇降台24の上昇により、各案内手段62、74、86に対して各連結杆58、70、82は下降するが、各連結杆58、70、82に設けられた付勢手段60、72、84の弾発力により、各押圧ローラ54、66、78は瓦Wに対する押圧を維持している。したがって、測定時においても瓦Wの姿勢が完全に規制された状態にある。
【0085】変位センサ92、94、96により瓦Wの歪みが測定されると、偏芯カム38の回転に伴い昇降台24は下降しつつ、位置決め手段による瓦Wの姿勢の規制が解除される。また、測定ユニット88もストッパにより規制される位置まで下降される。
【0086】そして、さらなる昇降台24の下降により瓦Wがコンベア12に復帰するとともに、瓦Wの頭Hが制動片50から開放され、瓦Wはコンベア12により次工程へ向けて搬送される。
【0087】なお、瓦Wの衿E付近に歪がある場合は、図8における線分n’およびn”のように固定端子90と変位センサ92に対して瓦Wが接触する。
【0088】なお、瓦Wの変位センサ92により瓦Wの歪みを測定する目的は、測定した瓦Wの歪みによる良否判別を行うためである。測定時において瓦Wの桟側下端Kは支持ローラ46により2点で支持されており、2点を結ぶ線分mを得ることができる。また、衿側に於ける測定個所の2点を結ぶ線分nを得ることができる【0089】したがって、支持ローラ46により支持された2点間を結ぶ線分mを基準とし、測定個所を結ぶ線分nとの平行度を比較することにより、瓦Wの歪み判別を判別することができる(図7、図8を参照)。
【0090】そして、予め良否判別となる基準の瓦Wの測定値を記憶させておき、基準の瓦Wと測定した瓦Wの衿側の高さの較差により、歪みによる瓦の良否判別を行うことができる。比較の結果、所定の較差を越えた瓦Wは、瓦Wを葺いたときに相当の隙間が生じるため不良品として扱うことになる。
【0091】この実施の形態の瓦の歪み測定装置10によれば、瓦の測定位置Aの上方に昇降自在の測定ユニット88が設けられ、瓦Wの衿E側表面の両端付近に向けて一対の測定子が測定ユニット88に設けられ、一方の測定子を基準用の固定端子90とし、他方の測定子を変位センサ92としているから、衿E付近の歪の測定について、測定ユニット88の固定端子90が瓦Wの衿E付近の表面の一方に当接した状態とした後、変位センサ92が衿E付近表面の他方を測定するので、1個の変位センサ92のみにより瓦Wの桟側下端と桟下端に対応する衿E側表面の平行度を測定することができる。
【0092】なお、測定ユニット88を昇降自在とさせているため、測定時に測定ユニット88により持ち上げられた瓦Wを押圧する状態となるため、瓦Wが妄動することなく安定した測定が実施できる。
【0093】また、瓦Wの頭尻方向の位置は昇降台24に備えられた頭尻位置決め手段によって確実に規制され、また、昇降手段20に対して瓦Wの位置が変化しないほか、頭尻位置決め手段が昇降手段20に設けられていることから、頭尻位置決め手段により瓦Wの位置を位置決めしても頭尻位置決め手段に対する瓦Wの変位は小さく、瓦Wが損傷することがない。
【0094】さらに、瓦Wの桟衿方向の位置は昇降台24に備えられた桟衿位置決め手段により確実に規制され、また、昇降手段20に対して瓦Wの位置が変化しないほか、桟衿位置決め手段が昇降手段20に設けられていることから、桟衿位置決め手段により瓦Wの位置を位置決めしても桟衿位置決め手段に対する瓦Wの変位は小さく、瓦Wが損傷することがない。
【0095】その上、桟衿位置決め手段は3個の押圧ローラ66、78を介して瓦Wの位置決めを行うので、桟衿方向の瓦Wの位置決めと測定後の瓦Wの姿勢の規制を円滑に行うことができる。
【0096】さらに、瓦Wを測定位置Aで一端停止させて瓦Wの歪みを測定するが、偏芯カム38の1回転の作動(約1秒)により、コンベア12からの瓦Wの持ち上げ、瓦Wの姿勢の位置決めおよび規制、変位センサ92による測定、コンベア12への瓦Wの復帰を迅速かつほぼ同時に行うことができ、瓦Wを搬送させながら測定する装置と処理能力を比較しても遜色がない。
【0097】なお、この実施の形態において、測定する瓦WをJ形桟瓦としたが、J形桟瓦に替えてS形桟瓦としても、S形桟瓦の歪みを測定することができる。また、F形桟瓦においては、F形桟瓦のオーバーラップ部、アンダーラップ部が夫々J形桟瓦の桟、衿に相当するものとすれば、J形桟瓦と同様に歪みを測定することができる。
【0098】また、必要に応じて瓦Wの山Mを押圧して、歪の測定時における瓦Wの浮き上がりを確実に防止するための押圧ローラーを測定ユニット88に設けてもよい。
【出願人】 【識別番号】596101107
【氏名又は名称】株式会社高セラマシン研究所
【出願日】 平成11年9月13日(1999.9.13)
【代理人】 【識別番号】100104466
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 信義
【公開番号】 特開2001−82910(P2001−82910A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−258383