| 【発明の名称】 |
静電容量式歪センサ |
| 【発明者】 |
【氏名】森 和也
【氏名】上野 亨
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| 【要約】 |
【課題】構成が簡単で容易に温度補正を行うことができる静電容量式歪センサを提供すること。
【解決手段】歪みにより誘電率が変化する材料からなる膜層が形成されたセラミックス基板の表面に、少なくとも一対の交差指電極からなる静電容量式歪センサ部と一対の交差指電極と同形状の交差指電極からなる基準コンデンサ部を形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 歪みにより誘電率が変化する材料からなる膜層が形成されたセラミックス基板の表面に、少なくとも一対の交差指電極からなる静電容量式歪センサ部と前記一対の交差指電極と同形状の交差指電極からなる基準コンデンサ部を形成してなることを特徴とする静電容量式歪みセンサ。 【請求項2】 前記セラミックス基板の板厚は、薄い部分と厚い部分とで構成されていることを特徴とする請求項1記載の静電容量式歪センサ。 【請求項3】 前記薄い部分に前記静電容量式歪センサ部を、前記厚い部分に前記基準コンデンサを形成してなることを特徴とする請求項2記載の静電容量式歪センサ。 【請求項4】 前記静電容量式歪センサ部の静電容量の変化分を前記基準コンデンサ部の静電容量により補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電容量式歪みセンサ。 【請求項5】 前記静電容量式歪センサ部のインピーダンス及び前記基準コンデンサ部のインピーダンスを用いて補正を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電容量式歪センサ。 【請求項6】 前記静電容量式歪センサ部の静電容量を含むLC又はRCで構成される発信回路及び前記基準コンデンサ部の静電容量を含むLC又はRCで構成される発振回路の発振周波数を用いて補正を行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電容量式歪センサ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、歪みにより静電容量が変化する効果を利用した静電容量式歪センサに関し、特に、静電容量式歪センサの静電容量を補正用コンデンサの静電容量を用いて補正する静電容量式歪センサに関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、歪センサには、歪みにより抵抗値が変化する歪ゲージが用いられている。この歪ゲージは、金属を用いるものと半導体を用いるものに大別できる。後者の半導体を用いた歪ゲージは、ピエゾ抵抗効果により、前者の金属を用いた歪ゲージに比べて感度が数十倍もあるため、歪センサとして好都合である。 【0003】しかしながら、半導体を用いた歪ゲージは、温度による抵抗変化が大きいことや歪み量によって歪み感度が変化するという欠点があり、微少な歪みを計測する場合は、構成が複雑になってしまうという問題があった。 【0004】そこで、歪みにより誘電率が変化することで、静電容量が変わることを利用した静電容量式歪センサが開発された。この静電容量式歪センサは、構造が簡単で、LC発振回路やRC発振回路を構成することが可能であり、微少な歪みを計測する場合においても非常に有効である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、静電容量式歪センサの静電容量は、歪み量の変化だけでなく、周辺温度の変化によっても静電容量が変動するため、温度による静電容量の特性変化を補正するための補正回路が必要であり、この構成が複雑で高価になってしまうという問題があった。 【0006】従って、本発明は、前記静電容量式歪センサの欠点を除去し、構成が簡単で容易に補正を行うことができる静電容量式歪センサを提供するものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、歪みにより誘電率が変化する効果を利用した静電容量式歪センサにおいて、静電容量式歪センサ部と同じ材質を用い、かつ静電容量がほぼ等しいコンデンサを基準コンデンサ部とし、静電容量式歪センサ部の静電容量の温度等による変化分を基準コンデンサ部の静電容量により補正することを特徴とした静電容量式歪センサが得られる。 【0008】また、本発明によれば、外部応力により変形する面と変形しない面が一体に構成されている構造体の変形する面に歪みにより誘電率が変化する材料からなる厚膜あるいは薄膜層を形成し、その表面に少なくとも一対の交差指電極を形成して静電容量式歪センサ部を構成するとともに、同一の厚膜あるいは薄膜上の変形しない面に静電容量式歪センサ部と形状および静電容量がほぼ等しい基準コンデンサ部を形成した静電容量式歪センサが得られる。 【0009】また、本発明によれば、静電容量式歪センサ部の静電容量のインピーダンスを利用し、基準コンデンサ部のインピーダンスを用いて温度補正を行うことを特徴とした静電容量式歪センサが得られる。 【0010】また、本発明によれば、静電容量式歪センサ部の静電容量を含むLCあるいはRC発振回路を構成し、その発振周波数に対して同様に構成した基準コンデンサ部を含む発振回路の発振周波数を用いて温度補正を行うことを特徴とした静電容量式歪センサが得られる。 【0011】即ち、本発明は、 歪みにより誘電率が変化する材料からなる膜層が形成されたセラミックス基板の表面に、少なくとも一対の交差指電極からなる静電容量式歪センサ部と前記一対の交差指電極と同形状の交差指電極からなる基準コンデンサ部を形成してなる静電容量式歪みセンサである。 【0012】また、本発明は、前記セラミックス基板の板厚が薄い部分と厚い部分とで構成されている上記の静電容量式歪センサである。 【0013】また、本発明は、前記薄い部分に前記静電容量式歪センサ部を、前記厚い部分に前記基準コンデンサを形成してなる上記の静電容量式歪センサである。 【0014】また、本発明は、前記静電容量式歪センサ部の静電容量の温度による変化分を前記基準コンデンサ部の静電容量により補正する上記の静電容量式歪みセンサである。 【0015】また、本発明は、前記静電容量式歪センサ部のインピーダンス及び前記基準コンデンサ部のインピーダンスを用いて温度補正を行う上記の静電容量式歪センサである。 【0016】また、本発明は、前記静電容量式歪センサ部の静電容量を含むLC又はRCで構成される発信回路及び前記基準コンデンサ部の静電容量を含むLC又はRCで構成される発振回路の発振周波数を用いて温度補正を行う上記の静電容量式歪センサである。 【0017】 【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態による静電容量式歪センサについて図面を参照して詳細に説明する。 【0018】図1は、本発明の静電容量式歪センサの説明図である。図1において、厚さの異なる領域を持つセラミックス基板3の平面上に、歪みにより誘電率が変化する材料からなる誘電体層4を形成した。ここで、セラミックス基板3が、外部圧力により、大きな歪みを受ける板厚の薄い領域の面を歪みによる変形面11、また、外部圧力を受けたときに歪まない板厚の厚い面を歪みによる変形面12と定義する。 【0019】静電容量式歪センサ20は、変形面11上に一対の交差指電極を形成して静電容量式歪センサ部1を形成し、変形面12に静電容量式歪センサ部1と同形状の電極を形成して温度補正用の基準コンデンサ部2を構成する。 【0020】ここで、静電容量式歪センサ部1の静電容量の変化について図2により説明する。 【0021】図2は、静電容量式歪センサ部1の交差指電極13の基本的な構造を示す。図2において、交差指電極13は、セラミックス基板3の上に形成された誘電体層4上に、互いに1つおきの線状電極14がそれぞれ共通電極15に接続され、互いに隣り合う線状電極14との間に静電容量を持つように一対の端子16を有する2端子で構成されている。 【0022】次に、図1に示した静電容量式歪センサ部1の加圧力と静電容量の関係について、図3を参照して説明する。 【0023】図3は、セラミックス基板として、可とう性に優れる長方形状のジルコニア磁器板を用い、その表面にセラミックスコンデンサ等に使用される鉛系の高誘電率誘電体厚膜を形成し、さらにその上に、図2に示した交差指電極13の線状電極14の方向がジルコニア磁器板の短辺に平行な交差指電極を形成した。 【0024】この長方形状のジルコニア磁器板の短辺に平行な中央部をナイフエッジ状の加圧板で加圧した場合の加圧力と静電容量の関係ほ測定した結果を示す。なお、図3において、□印の線は交差指電極面の裏面を加圧した場合であり、△印の線は交差指電極面を加圧した場合の測定値である。 【0025】図3から分かるように、口印の場合は、線状電極間隔が広くなる変形であるにもかかわらず、加圧力を大きくするにつれて静電容量の変化率が大きくなっている。逆に、△印の場合は、線状電極間隔が狭くなり、誘電体層に歪みが印加された場合、加圧力が大きくなるにつれて静電容量の変化率が小さくなり、その方向の誘電率が大きくなる、いわゆる「正歪−誘電率特性」を有していることを示している。 【0026】このように誘電体層の材質として「歪−誘電率特性」の大きな材料を使用した場合、端子間の静電容量の変化が、単に電極間隔の変化による静電容量の変化よりも大きくなる。 【0027】また、「歪−誘電率特性」の大きな材料を使用した静電容量式歪センサ部は、構造が簡単で容易にLC発振回路やRC発振回路を構成することが可能で、実用上、非常に有効であるが、周辺温度の変化によっても静電容量が変化するため、温度による静電容量の変化を補正する必要がある。 【0028】また、図1に示した基準コンデンサ部2の温度特性は、静電容量式歪センサ部1の温度特性と同じであり、周辺温度の変化に対する静電容量式歪センサ部1の静電容量の変化量を基準コンデンサ部2の静電容量の変化量で補正を行うことにより、外部圧力による歪みの変化に対する静電容量の変化量を得ることができる。 【0029】以下、補正の方法の具体例を2つ説明する。 【0030】まず、第1の補正例について、図4を参照して説明する。 【0031】図4は、静電容量式歪センサの静電容量のインピーダンスを利用し、基準コンデンサのインピーダンスを用いて温度補正を行うための回路構成図である。図4において、コンデンサ17および抵抗5は、静電容量式歪センサ部の静電容量および内部抵抗を表し、コンデンサ18および抵抗6は、基準コンデンサ部の静電容量および内部抵抗を表す。静電容量式歪センサ部と基準コンデンサ部の静電容量の温度特性および内部抵抗は、ほぼ等しいために、それぞれのインピーダンスを出力端子から電圧値として取り出し、その差をコンパレータ7を用いて求めることにより温度補正を行う。 【0032】次に、第2の補正例について、図5を参照して説明する。 【0033】図5は、静電容量式歪センサ部の静電容量を含むLCもしくはRC発振回路を構成し、その発振周波数に対して同様に構成した基準コンデンサ部を含む発振回路の発振周波数を用いて温度補正を行うための構成図である。図5において、発振回路8および発振回路9は、それぞれ静電容量式歪センサ部および基準コンデンサ部を用いて構成したLCもしくはRC発振回路であり、それぞれの出力は、静電容量が変化すると出力の周波数が変化をするために、f−vコンバータ19により電圧変換して、その差をコンパレータ10を用いて求めることにより温度補正を行う。 【0034】なお、以上の説明では、誘電体層をセラミックコンデンサ等に使用されている高誘電率誘電体厚膜について説明したが、基準コンデンサ部用のコンデンサとして誘電体材料、膜厚および交差指電極寸法を、静電容量式歪センサ部用のコンデンサとほぼ等しく形成した場合、必ずしもこれらを同一面上に形成する必要は無く、静電容量式歪センサ部用のコンデンサ17と基準コンデンサ部用のコンデンサ18の温度環境が同じと考えられる条件であれば、これらを別に配置しても良い。また、誘電体の場合、温度の影響が大きいので、温度補正としてのみ説明したが、例えば、湿度等の他の環境因子に対しても補正を行っている。 【0035】 【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれば、構成が簡単で容易に温度補正を行うことができる静電容量式歪センサを得ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000134257 【氏名又は名称】株式会社トーキン
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| 【出願日】 |
平成11年9月16日(1999.9.16) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−82909(P2001−82909A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【出願番号】 |
特願平11−261823 |
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