| 【発明の名称】 |
トロリ線摩耗検出方法及びその装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】曽田 浩義
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| 【要約】 |
【課題】電源や複雑な回路が不要なトロリ線摩耗検出方法及びその装置を提供する。
【解決手段】検知線を内蔵したトロリ線の摩耗を検出する方法において、前記検知線上の一点とトロリ線本体との間に電流で作動する表示器を挿入しておき、摩耗接触時に前記検知線を経由して摩耗点へ流れる電流により前記表示器を作動させるようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 検知線を内蔵したトロリ線の摩耗を検出する方法において、前記検知線上の一点とトロリ線本体との間に電流で作動する表示器を挿入しておき、摩耗接触時に前記検知線を経由して摩耗点へ流れる電流により前記表示器を作動させるようにしたことを特徴とするトロリ線摩耗検出方法。 【請求項2】 検知線を内蔵したトロリ線の摩耗を検出する装置において、前記検知線上の一点とトロリ線本体との間に、摩耗接触時に前記検知線を経由して摩耗点へ流れる電流で作動する表示器を挿入したことを特徴とするトロリ線摩耗検出装置。 【請求項3】 前記表示器を、電磁石と、その電磁石の磁力により移動される標識とで構成したことを特徴とする請求項2記載のトロリ線摩耗検出装置。 【請求項4】 前記表示器を発光素子で構成したことを特徴とする請求項2記載のトロリ線摩耗検出装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、検知線を内蔵したトロリ線の摩耗を検出する方法及びその装置に係り、特に、電源や複雑な回路が不要なトロリ線摩耗検出方法及びその装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】検知線を内蔵したトロリ線の摩耗を検出する従来技術を図5により説明する。丸で示したトロリ線2は、トロリ線本体3の内部にトロリ線本体3とは絶縁された一本の検知線4を設けたものである。このトロリ線本体3の始端部には、トロリ電源8が接続されている。このトロリ線2の始端部に設けた検出装置51において、トロリ線本体3と検知線4との間に信号電圧源52が挿入されている。検知線4の終端部は開放されている。 【0003】始端部から終端部までの間のある点9でトロリ線2が検知線4の内蔵位置まで摩耗すると、検知線4の絶縁被覆が破れ、この摩耗点9においてトロリ線本体3と検知線4とが接触抵抗(抵抗値Rc)を介して接触することになる。この時、検知線4には次式の検出電流Iが流れる。 【0004】 【数1】
【0005】 ここで、Rt:トロリ線本体の単位長あたりの抵抗値Rk:検知線の単位長あたりの抵抗値X :検出装置から摩耗点までの距離である。 【0006】このような検出電流Iが流れたときには、摩耗有りと判定する。また、Rc<<Rk・X,Rt・X<<Rk・Xとすると、【0007】 【数2】
【0008】となり、検出電流Iの値より検出装置51から摩耗点9までの距離Xが検出できる。 【0009】複数の検知線を内蔵したトロリ線の摩耗を検出する従来技術を図6により説明する。丸で示したトロリ線2は、トロリ線本体3の内部にトロリ線本体3とは絶縁された二本の検知線4,5を設けたものである。このトロリ線本体3の始端部には、トロリ電源8が接続されている。このトロリ線2の始端部に設けた検出装置61において、トロリ線本体3と両検知線4,5との間に信号電圧源62が挿入されている。検知線4,5の終端部は互いに短絡されている。 【0010】摩耗点9において、トロリ線2が検知線4,5の内蔵位置まで摩耗し、一方の検知線5の絶縁被覆が破れ、トロリ線本体3と検知線5とが接触したとする。この時、検出装置61から摩耗点9までのトロリ線本体3の抵抗の抵抗値は、Rt・Xとなる。トロリ線本体3と検知線5との接触抵抗の抵抗値をRc、接触した方の検知線5の検出装置61から摩耗点9までの抵抗の抵抗値をR2、接触しない方の検知線4の検出装置61から摩耗点9まで(終端部経由)の抵抗の抵抗値をR1とする。 【0011】両検知線には、検出電流I1,I2が流れる。これらの電流値及び抵抗値の関係式は、【0012】 【数3】
【0013】となる。 【0014】この式は、接触抵抗値Rc、トロリ線本体3の単位長あたりの抵抗値Rtに依存しない。 【0015】両検知線4,5が均一であって、検知線4,5の単位長あたりの抵抗値がRkとし、トロリ線2の全長がLとすると、【0016】 【数4】
【0017】となる。 【0018】これらの関係式から【0019】 【数5】
【0020】となり、検出電流I1,I2の比によって検出装置61から摩耗点9までの距離Xが検出できる。 【0021】 【発明が解決しようとする課題】従来技術は、トロリ線本体3と検知線4,5との間に電気信号を印加し、流れた電流を検出するという方法であった。このため、印加する信号や流れる電流を検出する検出回路が必要となり、構成が複雑になるという問題がある。また、信号電圧源が必要となり、この信号電圧源を定期的にメンテナンスしなければならないという問題がある。 【0022】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、電源や複雑な回路が不要なトロリ線摩耗検出方法及びその装置を提供することにある。 【0023】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明は、検知線を内蔵したトロリ線の摩耗を検出する方法において、前記検知線上の一点とトロリ線本体との間に電流で作動する表示器を挿入しておき、摩耗接触時に前記検知線を経由して摩耗点へ流れる電流により前記表示器を作動させるようにしたものである。 【0024】また、本発明の装置は、検知線を内蔵したトロリ線の摩耗を検出する装置において、前記検知線上の一点とトロリ線本体との間に、摩耗接触時に前記検知線を経由して摩耗点へ流れる電流で作動する表示器を挿入したものである。 【0025】前記表示器を、電磁石と、その電磁石の磁力により移動される標識とで構成してもよい。 【0026】前記表示器を発光素子で構成してもよい。 【0027】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。 【0028】図1に示されるように、本発明に係るトロリ線摩耗検出装置(以下、検出装置と称する)1は、トロリ線2の始端部に設けられている。検出装置1は、トロリ線本体3と検知線4,5との間に磁気反転型表示器6と整流器7とを挿入して構成されている。丸で示したトロリ線2は、トロリ線本体3の内部にトロリ線本体3とは絶縁された二本の検知線4,5を設けたものである。トロリ線本体3の始端部には、トロリ電源8が接続されている。検知線4,5の終端部は互いに短絡されている。 【0029】磁気反転型表示器6は、摩耗接触時に検知線4,5を経由して摩耗点9へ流れる電流で作動し、電磁石の磁力により標識を移動するようになっている。 【0030】詳しく述べると、磁気反転型表示器は、図2に示されるように、回転軸21に取り付けられている反転可能な平面板22の表面にカラー色を彩色し、裏面に黒色又は表面色と異なる色を彩色し、平面22板の側部に永久磁石を配置してなるディスク23とディスク23を回転軸の両側から臨む電磁石24とからなる。電磁石24は、U字状のステーターピン25と、このステーターピン25を磁化するためのコイル26とから構成されている。コイル26は一端にセット端子S、中間点にコモン端子C、他端にリセット端子を有し、コモン端子Cよりセット端子S側をセットコイル、リセット端子側をリセットコイルとする。 【0031】図2(a)に示されるように、コモン端子Cよりセット端子Sにパルス電流aを流すと、ステーターピン25が磁化され、電磁石24の極性と永久磁石の極性とに応じてディスク23が回転され、カラー色が目視できるような位置でディスク23が停止する。逆に、図2(b)に示されるように、コモン端子Cよりリセット端子にパルス電流bを流すと、ステーターピン25がセット時とは反対に磁化され、ディスク23が反転することにより、黒色が目視できるような位置でディスク23が停止する。 【0032】図1の検出装置1では、磁気反転型表示器6のセットコイルがトロリ線本体3と検知線4,5との間に挿入される。 【0033】さて、図1において、摩耗点9において、トロリ線2が検知線4,5の内蔵位置まで摩耗し、一方の検知線5の絶縁被覆が破れ、トロリ線本体3と検知線5とが接触したとする。このトロリ線2を列車10が通過する時、トロリ線本体3に列車電流Itが流れる。この列車電流Itと検出装置1から摩耗点9までのトロリ線本体3の抵抗の抵抗値Rt・Xとにより電圧Eが発生する。この電圧Eにより検知線に検出電流I12が流れる。 【0034】図3に示されるように、この摩耗接触時の等価回路は、二本の検知線4,5の合成抵抗(抵抗値Rk12)31、接触抵抗(抵抗値Rc)32、トロリ線本体3の抵抗(抵抗値Rt・X)33、セットコイル34からなる。合成抵抗31の抵抗値Rk12は、【0035】 【数6】
【0036】で示される。また、電圧Eは、【0037】 【数7】
【0038】で示される。 【0039】電圧Eに応じて等価回路に流れる検出電流I12は、検出電流I1’+検出電流I2’である。この検出電流I12を整流器7で整流し、磁気反転型表示器6に流す。磁気反転型表示器6では、ディスク23が回転され、カラー色が表示される。 【0040】次に、本発明の他の実施形態を説明する。 【0041】図4に示されるように、検出装置1は、トロリ線本体3と検知線4,5との間に発光素子で構成した表示器41を挿入して構成されている。この発光素子は、例えば発光ダイオードであり、極性を反対にした二つの発光ダイオードを並列に使用することにより、摩耗接触時にはいずれかの発光ダイオードに電流が流れ、点灯するようになっている。従って、表示器41の発光ダイオードが点灯することにより、トロリ線2に摩耗接触が発生したことが表示されることになる。 【0042】上記の実施形態では、複数の検知線を内蔵したトロリ線を対象としたが、一本の検知線を内蔵したトロリ線にも本発明は適用できるのは勿論である。 【0043】 【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮する。 【0044】(1)検知線とトロリ線本体との間に電流で作動する表示器を挿入するだけで簡易に摩耗の有無が表示でき、電源や複雑な回路が不要となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005120 【氏名又は名称】日立電線株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月9日(1999.9.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068021 【弁理士】 【氏名又は名称】絹谷 信雄
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| 【公開番号】 |
特開2001−82907(P2001−82907A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【出願番号】 |
特願平11−255940 |
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