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【発明の名称】 用紙厚測定装置
【発明者】 【氏名】中村 隆史

【氏名】比気 俊男

【要約】 【課題】簡単な構成のギャップ測定センサで、用紙の種々の厚さを適正な精度で測定できる用紙厚測定装置を提供すること。

【解決手段】基板に支持されたステッピングモータと、基板に近づいたり、離れたり往き来自在に備わる押圧基板と、該押圧基板に設けられ、かつ被測定物に押圧接触する接触突起と、前記ステッピングモータのロータシャフトに設けた雄ネジ部と、該雄ネジ部に螺合し、かつ前記押圧基板に設けられる雄ネジ部と、前記押圧基板の回り止めをするとともに往き来する直線方向の動きを案内する回れ止め案内部材と、前記基板と前記押圧基板の対向面に設けられ、かつステッピングモータの回転で押圧基板が基板に近づいたり、離れたりする往来により開閉するスイッチを有するギャップ測定センサが備わることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】基板に支持されたステッピングモータと、基板に近づいたり、離れたり往き来自在に備わる押圧基板と、該押圧基板に設けられ、かつ被測定物に押圧接触する接触突起と、前記ステッピングモータのロータシャフトに設けた雄ネジ部と、該雄ネジ部に螺合し、かつ前記押圧基板に設けられる雄ネジ部と、前記押圧基板の回り止めをするとともに往き来する直線方向の動きを案内する回れ止め案内部材と、前記基板と前記押圧基板の対向面に設けられ、かつステッピングモータの回転で押圧基板が基板に近づいたり、離れたりする往来により開閉するスイッチを有するギャップ測定センサが備わることを特徴とする用紙厚測定装置。
【請求項2】請求項1記載の用紙厚測定装置において、前記スイッチは、前記基板側に備わる二つの接点と、前記押圧基板に備えられ、かつ前記二つの接点を開閉する接触子とを有することを特徴とする用紙厚測定装置。
【請求項3】請求項1または2記載の用紙厚測定装置において、被測定物としての用紙が挿入できる隙間を介して対向させて配置するトラクタプレートおよびトラクタプレートを備え、前記ステッピングモータの制御回路および駆動回路を設けたことを特徴とする用紙厚測定装置。
【請求項4】請求項3記載の用紙厚測定装置において、前記接触突起に押し付けて前記ステッピングモータを脱調運転させ、この脱調運転の位置からステッピングモータを逆転させながら相切替パルス数を計測し、前記スイッチが閉成等の作動がしたらステッピングモータの逆転と相切替パルス数の計測とを終了する基本制御プログラムを備えたことを特徴とする用紙厚測定装置。
【請求項5】請求項4記載の用紙厚測定装置において、被測定物の用紙を介さないで前記接触突起を直にトラクタカバーに押圧接触させる測定値と、被測定物の用紙を介して接触突起を押圧接触させる測定値の差分文値より用紙厚を測定する部分制御プログラムを備えたことを特徴とする用紙厚測定装置。
【請求項6】請求項4記載の用紙厚測定装置において、測定する用紙の厚みを大別して数種に分類し、分類された用紙の厚みに応じたふさわしい押し付け力で前記接触突起を押圧接触できるように前記ステッピングモータを運転するパルスレートを可変にする部分制御プログラムを備えたことを特徴とする用紙厚測定装置。
【請求項7】請求項4記載の用紙厚測定装置において、薄い用紙を想定した計測を先に、厚い用紙を想定した計測を後に実施して、想定した厚さの計測が実施できた時点で計測を打ち切る部分制御プログラムを備えたことを特徴する用紙厚測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインパクトプリンタ装置等に使用する連続用紙の用紙厚測定に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のインパクト印字方式のシリアルプリンタは、印字ヘッドをプラテンに押し付けることにより、装填されている用紙の用紙厚に適した印字ができるようなハンマとプラテン間のギャップ(以下ギャップ)を得ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】シリアルプリンタに使用されている従来の技術をドットラインプリンタに応用した場合には、13.6インチ幅の印字範囲をもつ印字ヘッドを、用紙幅の異なる各種の帳票を介してプラテンへ大きな力で押し付けるので、各種の帳票の全てに対して適正な押し付け力を加えて、適正なギャップを得ることが困難であるという問題点があった。
【0004】そこで、直接用紙厚の値を測定できる簡便な用紙厚測定手段と精度の高いギャップ調節手段の二つが必要とされていた。この二つの手段の中で、ギャップ調節手段は、手動操作によるギャップ調節機構の技術が既に確立されている。そこで、このギャップ調節機構をモータにより制御することにより自動的にギャップを調節することは比較的容易に実現が可能である。
【0005】これに対してドットラインプリンタ用に直接用紙厚の値を測定できる、簡便かつ低価格な用紙厚測定手段は前例がなかった。
【0006】本発明は、厚みの異なるあらゆる種類の用紙の用紙厚さを測定することのできる、低価格で、かつ適正な精度の得られる用紙厚測定装置を提供することを目的とする。
【0007】この用紙厚測定装置を採用することにより、測定された用紙厚の値情報をギャップ調節機構の制御に使用すれば、装填されている用紙に適したギャップが自動的に得られるドットラインプリンタ装置を実現することが可能となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴は、基板に支持されたステッピングモータと、基板に近づいたり、離れたり往き来自在に備わる押圧基板と、該押圧基板に設けられ、かつ被測定物に押圧接触する接触突起と、前記ステッピングモータのロータシャフトに設けた雄ネジ部と、該雄ネジ部に螺合し、かつ前記押圧基板に設けられる雄ネジ部と、前記押圧基板の回り止めをするとともに往き来する直線方向の動きを案内する回れ止め案内部材と、前記基板と前記押圧基板の対向面に設けられ、かつステッピングモータの回転で押圧基板が基板に近づいたり、離れたりする往来により開閉するスイッチを有するギャップ測定センサが備わるところにある。
【0009】本発明の第2の特徴は、前記スイッチは、前記基板側に備わる二つの接点と、前記押圧基板に備えられ、かつ前記二つの接点を開閉する接触子とを有するところにある。
【0010】本発明の第3の特徴は、被測定物としての用紙が挿入できる隙間を介して対向させて配置するトラクタプレートおよびトラクタプレートを備え、前記ステッピングモータの制御回路および駆動回路を設けたところにある。
【0011】本発明の第4の特徴は、前記接触突起に押し付けて前記ステッピングモータを脱調運転させ、この脱調運転の位置からステッピングモータを逆転させながら相切替パルス数を計測し、前記スイッチが閉成等の作動がしたらステッピングモータの逆転と相切替パルス数の計測とを終了する基本制御プログラムを備えたところにある。
【0012】本発明の第5の特徴は、被測定物の用紙を介さないで前記接触突起を直にトラクタカバーに押圧接触させる測定値と、被測定物の用紙を介して接触突起を押圧接触させる測定値の差分文値より用紙厚を測定する部分制御プログラムを備えたところにある。
【0013】本発明の第6の特徴は、測定する用紙の厚みを大別して数種に分類し、分類された用紙の厚みに応じたふさわしい押し付け力で前記接触突起を押圧接触できるように前記ステッピングモータを運転するパルスレートを可変にする部分制御プログラムを備えたところにある。
【0014】本発明の第7の特徴は、薄い用紙を想定した計測を先に、厚い用紙を想定した計測を後に実施して、想定した厚さの計測が実施できた時点で計測を打ち切る部分制御プログラムを備えたところにある。
【0015】更に具体的には、次ぎのとおりである。
【0016】一般的な2相励磁のステッピングモータ駆動回路を備え、入力信号としてステッピングモータ用の「駆動信号」、「相切替パルス信号」、「回転方向設定信号」を備え、出力として2相励磁でステッピングモータを駆動できる回路を備えたところである。
【0017】また二つの接点を有するスイッチの開閉信号をポートから入力して、駆動信号、相切替パルス信号、回転方向設定信号をポートから出力するマイコンを用いたシステムを備え、このマイコンのシステムには不揮発性メモリを備え、ステッピングモータの相切替回数を任意の条件のときに計測した上で書き込みおよび読み出しができるようにしたとにある。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、図を引用して説明する。
【0019】まず、ギャップ測定センサを含む用紙厚測定装置について図1に沿い説明する。
【0020】ステッピングモータ1は外側の直径35mmで小型のパーマネントマグネット型である。ステッピングモータ1のロータシャフト2は雄ネジ部を有する。ネジ径は3mm、ネジピッチは0.5mmである。この雄ネジ部にネジ径3mmにナットと称する雌ネジ部3が螺合する。雌ネジ部3は押圧基板に圧入するように備えられ、この押圧基板には被測定物に接触する接触突起4が形成されるのである。
【0021】押圧基板の外面は断面が四角形の形状を有し、一対の回り止め案内部材5が押圧基板の外面に当接するように配置される。回り止め案内部材5は押圧基板の外面に摺動自在に備わるのである。
【0022】ロータシャフト2の回転運動は雄ネジ部、雌ネジ部3および回り止め案内部材5により押圧基板に直線運動をもたらす。
【0023】押圧基板には雌ネジ部3から離れた外周側に金メッキされた接触子としてのワッシャ6が備わる。一方、ステッピングモータ1が取り付けられる基板7には金メッキされた接点20A,20Bが備わる。この二つの接点20A,20Bと接触子は対向するように配置され、スイッチを構成する。
【0024】スイッチは、接点20A,20Bに接触子が接触すると閉成し、離れると開くように作動する。このスイッチの接点20Aと接点20Bが信号用のリード線8を介して図5に示す制御回路につながっている。
【0025】スイッチの接点20A,接点20Bとワッシャ6(接触子)が置かれる空間の防塵をするために円筒中空状のゴム部材9が備わる。ゴム部材9の一端部は押圧基板の外周縁部に勘合し、他端部は基板7に押し付けられ、押し付けの力を受けてゴム部材9は弾性変形した状態を呈している。
【0026】このような構成を有するギャップ測定センサは、トラクタに備えられる。トラクタは、トラクタプレート10とトラクタカバー12より構成される。トラクタプレート10には、ギャップ測定センサは固定ネジ11により取り付けられている。トラクタプレート10に対向するようにトラクタカバー12が備わる。トラクタプレート10とトラクタカバー12は、0.7mmの平行なる隙間が保たれる配置される。この隙間に測定する用紙が挿入される。
【0027】接触突起4は、トラクタプレート10の貫通穴に通される。そして、接触突起4の先端は、トラクタカバー12の対向面に対向するように置かれる。
【0028】ステッピングモータ1の回転にともなって押圧基板(接触突起4)は直線的に前後に往き来するが、ロータシャフト2の2回転で、1.0mmの直線運動をする。従って、実際の設定としてはワッシャ6(接触子)が図3で示した基準位置にあるときに、接触突起4の先端がトラクタプレート10の用紙搬送面(対向面)から0.3mmの寸法だけ後退しているように調整するのが望ましい。このように調整すれば、ステッピングモータ1が2回転して、ワッシャ6(接触子)が図3で示した基準位置より1.0mm離れたときに、接触突起4の先端がトラクタカバー12の対向面に接することになる。
【0029】普通に用紙がトラクタで搬送されるときには、接触突起4の先端をトラクタプレート10から約0.2mm後退しておけば用紙の走行に影響を与えない。また市場で標準的なこの種のステッピングモータ1のステップ数が7.5°であることと、ネジ径3mmのピッチは0.5mmであることから、ステッピングモータ1のステップ数と接触突起4の移動量とは、次の式で表される値となる。
【0030】
【数1】

【0031】従って、ステッピングモータ1のステップ数を1つ切替ることにより約1/100mmの分解能でギャップを検出できる。またステッピングモータ1を2回転させるのに要するのは96ステップという演算制御する際に適当な量の数値となるので扱い易い。
【0032】図2に、一例として直径35mmのパーマネントマグネット型ステッピングモータのパルス・トルク特性を示す。ステッピングモータ1はプルアウトトルク値を越える負荷が掛かると,ロータシャフト2が脱調するという特性を持つ。この特性を利用して、ステッピングモータ1を取り付け面から見て時計方向に回転(以下正転と呼ぶ)させ、ネジにより変換した力で接触突起4を被測定物に近づけていく。接触突起4が被測定物に接触する際に、ステッピングモータ1の相切替周波数であるパルスレート値を高くしてやり、プルアウトトルク値を越える接触突起の反力によりステッピングモータを脱調させる。この後、ステッピングモータ1を低いパルスレートで、ステッピングモータ取り付け面から見て反時計方向に回転(以下逆転と呼ぶ)させて、接触突起4を被測定物から遠ざける。またこの際に相切替パルス信号数を数える。ステッピングモータの逆回転が続いた後、ステッピングモータの取り付け面に接着された基板面上の接点20Aと接点20Bが、ワッシャ6(接触子)と接触し、接点20Aと接点20Bが閉じたときに、ステッピングモータ1の駆動と相切替パルス数の計数を止める。
【0033】以下に基本的な制御方法を図3に示す用紙厚測定制御プログラムの制御概念を用いて説明する。なお、説明においてパルスレートは具体的な値を用いた。
【0034】図3は「被測定物としてトラクタカバーの基準位置からの距離を測定」する場合を示す。図3の「接点動作確認」において、初期状態である始点位置は、接触面の活性を保つ観点から、接点20Aと接点20Bがワッシャ(接触子)と接触しない位置にある。この始点位置から、逆転させて、接点動作の確認と基準位置への移動を行う。
【0035】図3の「弱押し付け力」は、ステッピングモータ1をパルスレートを460PPSと高めて弱い力で押しつけるものである。この際にステッピングモータ1を正転させる。
【0036】図3の「弱押し付け距離測定」は、ステッピングモータ1が脱調したLs・sの位置から基準位置までの距離をステッピングモータ1の相切替数に換算して計測する。この際途中でステッピングモータ1が脱調しないようにパルスレートを100PPSと低めて強いトルクでステッピングモータ1を逆転させる。
【0037】図3「中押し付け力」は、ステッピングモータ1をパルスレートを370PPSと高めて中くらいの力で押しつけるものである。
【0038】図3の「中押し付け距離測定」は、ステッピングモータが脱調したLs・mの位置から基準位置までの距離をステッピングモータの相切替数に換算して計測する。
【0039】図3の「強押し付け力」は、ステッピングモータ1のパルスレートを250PPSと高めて接触突起を被測定物に強い力で押しつけるものである。
【0040】図3の「強押し付け距離測定」は、ステッピングモータ1が脱調したLs・lの位置から基準位置までの距離をステッピングモータ1の相切替数に換算して計測する。このように各々の押し付け力毎に3回に分けて押し付け距離を測定するのは、押し付け力の強さによって用紙厚測定装置を構成している個々の部材の弾性変形量が変わり、異なる測定値が得られるからである。
【0041】こうすることによって、用紙を被測定物とする時の距離と比較する際に,用紙厚測定装置を構成している個々の部材の弾性変形量が変わることによる測定誤差の発生を回避し、測定精度を高めることを目的としている。
【0042】図3の「始点復帰」は、測定を終了して初期状態に戻る動作である。この際にはステッピングモータ1のパルスレートを100PPSに下げで強い力で確実に始点位置に移動させる。
【0043】図4は「被測定物として用紙の基準位置からの距離を測定」する場合を示す。
【0044】図4の「一部紙を想定して弱押し付け」は、薄い一部紙の帳票を接触突起により強い力で押しつけると測定精度が上がらなくなるので、ステッピングモータ1をパルスレートを460PPSと高めて弱い力で押しつけるものである。
【0045】図4の「距離測定1」は、ステッピングモータ1が脱調したLf・sの位置から基準位置までの距離をステッピングモータ1の相切替数に換算して計測する。この際、途中でステッピングモータ1が脱調しないようにパルスレートを100PPSと低めて強いトルクでステッピングモータ1を逆転させる。
【0046】図4の「5,6部紙を想定して中押し付け」は、ステッピングモータ1をパルスレートを370PPSと高めて中くらいの力で押しつけるものである。この力は感圧紙に押しつけ痕が残らない程度で、かつ多部紙のかさばりにより実際の値より多部紙が厚く検出されてしまうのを回避できる値を選ぶ。
【0047】図4の「距離測定2」は、ステッピングモータ1が脱調したLf・mの位置から基準位置までの距離をステッピングモータ1の相切替数に換算して計測する。
【0048】図4の「8部紙を想定して強押し付け」は、ステッピングモータ1をパルスレートを250PPSと高めて強い力で押しつけるものである。この力は8部紙に押しつけ痕が残らない程度で,かつ8部紙のかさばりにより実際の値より8部紙が厚く検出されてしまうのを回避できる値を選ぶ。
【0049】図4の「距離測定3」は、ステッピングモータが脱調したLf・lの位置から基準位置までの距離をステッピングモータの相切替数に換算して計測する。
【0050】このようにして、図3で計測された値と図4項で計測された値との差をそれぞれ取ることにより、用紙の厚みを適正な精度で測定することが可能になる。
【0051】次にステッピングモータ1を動かす制御回路と駆動回路を図5を引用して説明する。図においてステッピングモータ制御回路は,ワッシャ6の動きによる接点Aと接点Bの開閉信号をポートから入力して,駆動信号,相切替パルス信号,回転方向設定信号をポートから出力するマイコン13により構成される。またこのマイコン13には不揮発性メモリ14が接続されており,ステッピングモータ1の相切替回数であるSs・s,Ss・m、Ss・l,Sf・s、Sf・m,Sf・lと最終的な用紙厚さの値であるSxの書き込みおよび読み出しができるようになっている。
【0052】ステッピングモータ1の駆動回路は,一般的な2相励磁のステッピングモータ駆動回路である。入力信号として、ステッピングモータ1を励磁する信号である「駆動信号」、Φ1からΦ4までの各相を切り替える「相切替パルス信号」、ステッピングモータ1のロータシャフト2の回転方向を指定する「回転方向設定信号」が用意されている。また出力として2相励磁でステッピングモータ1をDC24Vで駆動する回路が用意されている。
【0053】次にギャップ測定センサの動作を図6に示す動作タイムチャート1(用紙なしの場合)を引用して説明する。この図は用紙がプリンタに装填されていない状態でプリンタの電源が投入された直後のような場合を示す。このように用紙がない場合には、先に図3を用いて基本的な制御方法を説明したように、被測定物をトラクタカバー12として、基準位置からの距離を測定するためにステッピングモータ1を制御する。
【0054】図6の「接点動作確認」において、始点位置からステッピングモータ1を逆転させて基準位置へ移動させて、接点20Aと接点20Bが閉じた時点でステッピングモータ1の駆動を終了する。これにより接点が正しく動作することが確認される。
【0055】図6の「弱押し付け」は、ステッピングモータ1をパルスレートを460PPSと高めて弱い力でトラクタカバー12に押しつけるものである。この際にステッピングモータ1の相切替数を120程度に取ってやり、ステッピングモータ1をわざと脱調させる。
【0056】図6の「計測1」は、ステッピングモータ1が脱調したLs・sの位置から基準位置までの距離をステッピングモータ1の相切替パルス信号の数として計測する。この際途中でステッピングモータ1が脱調しないようにパルスレートを100PPSと低めて強いトルクでステッピングモータ1を逆転させる。ステッピングモータ1を逆転させた結果、接点Aと接点Bが閉じると、ステッピングモータ1の駆動を終了して、計測した相切替パルス信号の数であるSs・sの値を不揮発性メモリ14に格納する。
【0057】図6の「中押し付け力」は、ステッピングモータ1をパルスレートを370PPSと高めて中くらいの力で押しつけて脱調させるものである。
【0058】図6の「計測2」は、ステッピングモータ1が脱調したLs・mの位置から基準位置までの距離をステッピングモータ1の相切替数に換算して計測し、この計測した値であるSs・mを不揮発性メモリ14に格納する。
【0059】図6の「強押し付け力」は、ステッピングモータ1のパルスレートを250PPSと高めて強い力で押しつけて脱調させるものである。
【0060】図6の「計測3」は、ステッピングモータ1が脱調したLs・lの位置から基準位置までの距離をステッピングモータ1の相切替数に換算して計測し、この計測した値であるSs・lを不揮発性メモリ14に格納する。
【0061】図6の「始点復帰」は、測定を終了して初期状態に戻る動作である。この際にはステッピングモータ1をパルスレートを100PPSに下げで強い力で確実に基準位置から約10ステップ離れている始点位置に移動させる。
【0062】次にギャップ測定センサの動作を図7に示す動作タイムチャート2(用紙ありの場合)を引用して説明する。この図は用紙がプリンタに装填されている状態でプリンタの電源が投入された直後のような場合を示す。このように用紙がある場合には、先に図3を用いて基本的な制御方法を説明したように、被測定物を用紙として、基準位置からの距離を測定するためにステッピングモータ1を制御する。
【0063】説明が図6と重複する部分は省略し、「計測4」、「計測5」、「計測6」について述べる。
【0064】図7の「計測4」は、ステッピングモータ1が脱調したLf・sの位置から基準位置までの距離をステッピングモータ1の相切替数に換算して計測する。この計測により得られたステッピングモータ1の相切替数であるSf・sを不揮発性メモリ14に格納すると共に、Sx=Ss・s−Sf・sなる演算を行い、この演算で得られた用紙厚を相切替数に換算した値であるSxを不揮発性メモリ14に格納する。
【0065】図7の「計測5」は、ステッピングモータ1が脱調したLf・mの位置から基準位置までの距離をステッピングモータ1の相切替数に変換して計測する。この計測により得られたステッピングモータ1の相切替数であるSf・mを不揮発性メモリ14に格納すると共に、Sx=Ss・m−Sf・mなる演算を行い、この演算で得られた用紙厚を相切替数に換算した値であるSxを「計測4」で格納されている不揮発性メモリ14上の値であるSxに上書きする。
【0066】図7の「計測6」は、ステッピングモータ1が脱調したLf・lの位置から基準位置までの距離をステッピングモータ1の相切替数に換算して計測する。この計測により得られたステッピングモータ1の相切替数であるSf・lを不揮発性メモリ14に格納すると共に、Sx=Ss・l−Sf・lなる演算を行い、この演算で得られた用紙厚を相切替数に変換した値であるSxを「計測5」で格納されている不揮発性メモリ14上の値であるSxに上書きする。
【0067】図8は被測定物として各種の用紙を用いた場合の測定ギャップと測定ステップ数Sxの関係を示す。図からわかるように測定値は概略「1部紙」、「5,6部紙」、「8部紙」の3つに分類される。そこで、これらの境界値としてSx=25とSx=42を設けてやり、次の制御に用いることにする。
【0068】「計測4」にてSx<25と測定された場合は被測定物は「1部紙」と判定して、「計測5」と「計測6」は行わないで「計測4」の測定値のSxを採用する。
【0069】「計測4」にてSx≧25と判定した場合は「5,6部紙」または「8部紙」と判定して「計測5」を行う。
【0070】「計測5」にてSx<42と測定された場合は被測定物は「5,6部紙」と判定して、「計測6」は行わないで「計測5」の測定値のSxを採用する。
【0071】「計測5」にてSx≧42と判定した場合は「8部紙」と判定して「計測6」を行う。
【0072】「計測6」を実施した場合には,このときの測定値のSxを採用する。
【0073】以上の制御をマイコン13を用いてプログラム制御する場合のフローチャートを図9、図10および図11に示す。
【0074】図9は用紙なしの場合に3回に分けてそれぞれの力でトラクタカバー12を押しつける場合の計測制御のフローチャートを示している。
【0075】図10は用紙ありの場合に用紙厚を測定する場合の計測制御のフローチャートを示している。
【0076】上記フローチャートにおいて、先に述べた境界値であるSx=25とSx=42において分岐を設けてやり、用紙厚に応じた押し付け力で測定した値が採用されるように制御している。
【0077】図11は、図9および図10に示すフローチャートのサブルーチンを表わしている。サブルーチンの「押し付け」においてはステッピングモータ1の相を120ステップ切り替えている。また始点復帰の際にはステッピングモータ1の相を10ステップ切り替えている。
【0078】以上の実施形態は、直径35mmのステッピングモータ1を例示して説明したを行った。さらに直径が小さい小型モータを用いると、用紙厚検出装置をより小形化していくことができる。
【0079】上述した実施形態に関する良さをまとめると次ぎのとおりである。
【0080】ギャップ測定センサは、ステッピングモータの回転運動を雄ネジ部および雌ネジ部3で直線運動に変換する簡単で少ない構成部品により用紙厚を測定できるようになるので低価格な用紙厚測定装置を実現できる。
【0081】また同一の押し付け力により、用紙とトラクタカバー12の両方の測定を行い、二つの測定値の差を調べて測定誤差成分を除去するので、適正な測定精度が得られる。
【0082】更にステッピングモータ1のパルスレート値を高くしてやり、脱調時のプルアウトトルク値を可変するので一般的なステッピングモータ1の電流制御回路が不要である。
【0083】またスイッチの接点部および接触子が防塵構造となっているので、紙粉による接点の接触不良を回避できる。
【0084】更に使用するステッピングモータ1の直径程度の空間にギャップ測定センサを実装できるので、小型化を計ることが可能である。
【0085】またステッピングモータ1の雄ネジ部に、接触突起4を形成する押圧基板の雌ネジ部をねじこむことによりギャップ測定センサが組み立てられるので、簡単に製造することができる。
【0086】更に、接触突起4をモールド成形品として、モールド成形時に雌ネジ部3とワッシャ6(接触子)を埋め込む製法を取ることによって、接触突起4を簡単に製造することができる。
【0087】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、基板に支持されたステッピングモータと、基板に近づいたり、離れたり往き来自在に備わる押圧基板と、該押圧基板に設けられ、かつ被測定物に押圧接触する接触突起と、前記ステッピングモータのロータシャフトに設けた雄ネジ部と、該雄ネジ部に螺合し、かつ前記押圧基板に設けられる雄ネジ部と、前記押圧基板の回り止めをするとともに往き来する直線方向の動きを案内する回れ止め案内部材と、前記基板と前記押圧基板の対向面に設けられ、かつステッピングモータの回転で押圧基板が基板に近づいたり、離れたりする往来により開閉するスイッチを有するギャップ測定センサが備わることを特徴とするものである。
【0088】このような簡単な構成のギャップ測定センサより、用紙の種々の厚さを適正な精度で測定できる用紙厚測定装置を提供することを目的とする。
【出願人】 【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
【出願日】 平成11年9月17日(1999.9.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−82904(P2001−82904A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−263345