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【発明の名称】 三次元スキャナー
【発明者】 【氏名】鈴木 広信

【要約】 【課題】簡潔な構成によって、繁雑な作業を必要とすることなく、高精度で被測定物の表面の形状ならびに色についての情報を得る。

【解決手段】導光部材を有して構成される接触子を備え、接触子の接触状態を示す信号を出力する接触センサーと、接触センサーの接触子を被測定物の表面に接触させる移動手段と、接触センサーから出力される信号に基づいて接触子が被測定物の表面に接触したことを検知し、該検知したときにおける接触子が接触している被測定物の表面の部位の三次元位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段が三次元位置を検出した被測定物の表面の部位から所定の間隙を有して接触センサーの接触子が離隔した状態で、導光部材に入射された位置検出手段が三次元位置を検出した被測定物の表面の部位からの反射光に基づいて、位置検出手段が三次元位置を検出した被測定物の表面の部位の色を検出する色検出手段とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも導光部材を有して構成される接触子を備え、前記接触子の接触状態を示す信号を出力する接触センサーと、前記接触センサーを被測定物に対して相対的に三次元方向で移動して、前記接触子を前記被測定物の表面に接触させる移動手段と、前記接触センサーから出力される前記信号に基づいて、前記移動手段による前記接触センサーの移動によって前記接触子が前記被測定物の表面に接触したことを検知し、該検知したときにおける前記接触子が接触している前記被測定物の表面の部位の三次元位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段が三次元位置を検出した前記被測定物の表面の部位から所定の間隙を有して前記導光部材が離隔した状態で、前記導光部材に入射された前記位置検出手段が三次元位置を検出した前記被測定物の表面の部位からの反射光に基づいて、前記位置検出手段が三次元位置を検出した前記被測定物の表面の部位の色を検出する色検出手段とを有する三次元スキャナー。
【請求項2】 請求項1に記載の三次元スキャナーにおいて、前記接触子は、内部が中空の管状体である外周部材と、前記外周部材の内部に挿通された導光部材とを有して構成されるものである三次元スキャナー。
【請求項3】 請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の三次元スキャナーにおいて、前記接触子は、導光部材として第1の導光部材と第2の導光部材と第3の導光部材とを有し、前記色検出手段は、前記第1の導光部材に入射された反射光から赤色成分の信号を選択する第1の選択手段と、前記第2の導光部材に入射された反射光から緑色成分の信号を選択する第2の選択手段と、前記第3の導光部材に入射された反射光から青色成分の信号を選択する第3の選択手段とを有するものである三次元スキャナー。
【請求項4】 請求項1、請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の三次元スキャナーにおいて、前記接触センサーは、圧電素子を有し、前記圧電素子に電圧を印加したときに生じる歪みにより前記接触子を振動させるとともに、該振動に応じた信号を前記接触子の接触状態を示す信号として出力し、前記位置検出手段は、前記移動手段による前記接触センサーの移動によって、前記接触子が前記被測定物の表面に接触して前記接触子の振動が抑制されることによる前記接触センサーから出力される前記信号の変化に基づいて、前記接触子が前記被測定物の表面に接触したことを検知するものである三次元スキャナー。
【請求項5】 請求項1、請求項2、請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の三次元スキャナーにおいて、前記導光部材は、屈曲可能な光ファイバーにより構成されるものである三次元スキャナー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、三次元スキャナーに関し、さらに詳細には、立体たる被測定物の表面を走査して、当該表面の形状を検出する三次元スキャナーに関する。
【0002】なお、本明細書において「被測定物」とは、三次元の空間的広がりをもつ物体であり、当該物体は所定の形状を有し、また、当該物体の表面には所定の単数または複数の色(色彩)が施されているものとする。
【0003】
【従来の技術】従来より、マイクロ・コンピューターと、立体たる被測定物の表面の形状を検出する検出手段と、この検出手段を被測定物に対してX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の三次元方向に任意に移動する駆動手段とを有し、所定のプログラムに従った当該マイクロ・コンピューターの制御によって当該駆動手段が当該検出手段を被測定物に対して三次元方向に移動して走査させることにより、当該検出手段により被測定物の表面の形状を検出して、被測定物の表面の形状についての情報を得ることができるようにした三次元スキャナーが知られている。
【0004】即ち、従来の三次元スキャナーにおいては、検出手段は単に被測定物の表面の形状のみを検出するものであり、被測定物の表面に関する情報のうちの被測定物の表面の形状についての情報(なお、本明細書においては当該「被測定物の表面の形状についての情報」を、「形状データ」と適宜称することとする。)のみしか得ることができず、被測定物の表面に関する情報のうちの被測定物の表面の色についての情報(なお、本明細書においては当該「被測定物の表面の色についての情報」を、「色データ」と適宜称することとする。)を得ることはできなかった。
【0005】このため、従来の三次元スキャナーにおいて色データを得るためには、形状データを得るための検出手段に加えて、当該検出手段とは独立した構成とされた色データを得るための検出手段、例えば、CCD(電荷結合素子)カメラなどを設ける必要があった。
【0006】つまり、従来の三次元スキャナーにおいて形状データに加えて色データを得ようとする場合には、形状データを得るための検出手段の他に、色データを得るための検出手段が必要となるため、三次元スキャナー全体の構成が複雑化するとともに、製造コストなどが増大し、高価なものになるという問題点があった。
【0007】また、形状データを得るための検出手段によって得られた形状データと色データを得るための検出手段によって得られた色データとの間には何らの関連付けもなされていないので、当該形状データと当該色データとを対応させて被測定物の表面に関する情報とする作業、例えば、パーソナル・コンピューターを用いて形状データの示す形状に色データの示す色を対応させるマッピング作業などを行う必要があり、被測定物の表面に関する情報を得る作業が繁雑なものとなっていたという問題点があった。
【0008】また、色データを得るための検出手段としてCCDカメラなどを用いた場合においては、当該色データを得るための検出手段における被測定物の表面の分解能と、形状データを得るための検出手段における被測定物の表面の分解能との間に差があると、形状データの示す被測定物の表面の所定範囲において被測定物が実際に有する色と、当該所定範囲の色として色データの示す色とが一致しない恐れがあり、誤差を生じることがあるという問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記したような従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡潔な構成によって、しかも安価に、被測定物の表面の形状ならびに色についての情報を得ることができるようにした三次元スキャナーを提供しようとするものである。
【0010】また、本発明の目的とするところは、繁雑な作業を必要とすることなしに、高精度で被測定物の表面の形状ならびに色についての情報を得ることができるようにした三次元スキャナーを提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、少なくとも導光部材を有して構成される接触子を備え、上記接触子の接触状態を示す信号を出力する接触センサーと、上記接触センサーを被測定物に対して相対的に三次元方向で移動して、上記接触子を上記被測定物の表面に接触させる移動手段と、上記接触センサーから出力される上記信号に基づいて、上記移動手段による上記接触センサーの移動によって上記接触子が上記被測定物の表面に接触したことを検知し、該検知したときにおける上記接触子が接触している上記被測定物の表面の部位の三次元位置を検出する位置検出手段と、上記位置検出手段が三次元位置を検出した上記被測定物の表面の部位から所定の間隙を有して上記導光部材が離隔した状態で、上記導光部材に入射された上記位置検出手段が三次元位置を検出した上記被測定物の表面の部位からの反射光に基づいて、上記位置検出手段が三次元位置を検出した上記被測定物の表面の部位の色を検出する色検出手段とを有するようにしたものである。
【0012】従って、本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、接触子を被測定物の表面に接触させることにより当該接触した部位の三次元位置を検出することができるとともに、接触子の導光部材に入射された当該接触した部位からの反射光に基づいて、当該接触した部位の色を検出することができる。
【0013】また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、本発明のうち請求項1に記載の発明において、上記接触子が、内部が中空の管状体である外周部材と、上記外周部材の内部に挿通された導光部材とを有して構成されるようにしたものである。
【0014】従って、本発明のうち請求項2に記載の発明によれば、外周部材により導光部材が保護されて、その損傷が防止されるとともに、外周部材により外乱を遮蔽した状態において、導光部材に接触子が被測定物の表面と接触した部位における反射光を入射することができるようになる。
【0015】また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、本発明のうち請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の発明において、上記接触子は、導光部材として第1の導光部材と第2の導光部材と第3の導光部材とを有し、上記色検出手段は、上記第1の導光部材に入射された反射光から赤色成分の信号を選択する第1の選択手段と、上記第2の導光部材に入射された反射光から緑色成分の信号を選択する第2の選択手段と、上記第3の導光部材に入射された反射光から青色成分の信号を選択する第3の選択手段とを有するようにしたものである。
【0016】従って、本発明のうち請求項3に記載の発明によれば、簡潔な構成により、接触子が被測定物の表面と接触した部位における反射光を色成分を得て、被測定物の表面の部位の色を検出することができる。
【0017】また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、本発明のうち請求項1、請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の発明において、上記接触センサーは、圧電素子を有し、上記圧電素子に電圧を印加したときに生じる歪みにより上記接触子を振動させるとともに、該振動に応じた信号を上記接触子の接触状態を示す信号として出力し、上記位置検出手段は、上記移動手段による上記接触センサーの移動によって、上記接触子が上記被測定物の表面に接触して上記接触子の振動が抑制されることによる上記接触センサーから出力される上記信号の変化に基づいて、上記接触子が上記被測定物の表面に接触したことを検知するようにしたものである。
【0018】従って、本発明のうち請求項4に記載の発明によれば、簡潔な構成により、接触子が被測定物の表面に接触したことを検知することができる。
【0019】また、本発明のうち請求項5に記載の発明は、本発明のうち請求項1、請求項2、請求項3または請求項4のいずれか1項に記載の発明において、上記導光部材は、屈曲可能な光ファイバーにより構成されるようにしたものである。
【0020】従って、本発明のうち請求項5に記載の発明によれば、導光部材が屈曲可能な光ファイバーであるため、導光部材を配置する際の作業を容易に行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面に基づいて、本発明による三次元スキャナーの実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0022】図1には、本発明による三次元スキャナーの実施の形態の一例の概略構成説明図が示されている。
【0023】この三次元スキャナー10は、固定系のベース部材12と、ベース部材12上においてY軸方向(図1の紙面に対して直行する方向)に延長するとともに互いに平行な位置関係で配設された2本のレール14−1、14−2と、2本のレール14−1、14−2上にY軸方向に移動自在に配設されたテーブル16と、ベース部材12上に垂直に立設された側方部材18と、側方部材18に対してY軸方向と直交するX軸方向(図1の矢印A方向)に延長するとともに互いに平行して配設された2本のレール20−1、20−2と、2本のレール20−1、20−2上にX軸方向に移動自在に配設されたキャリッジ22と、キャリッジ22に対してX軸方向およびY軸方向と直交するZ軸方向(図1の矢印B方向)に延長するとともに互いに平行して配設された2本のレール24−1、24−2と、2本のレール24−1、24−2上にZ軸方向に移動自在に配設された支持部材26と、テーブル16と対向するようにして支持部材26に固定的に配設された検出装置28と、検出装置28を構成する取付部材32(後述する)に一体的に配設された照明装置30とを有して構成されている。
【0024】そして、テーブル16上には、立体たる被測定物200が固定的に載置されることになる。
【0025】なお、この三次元スキャナー10においては、後述するマイクロ・コンピューター100によって所定の分解能に応じてモーター(図示せず)の駆動が制御され、当該モーターの駆動によって、検出装置28を固定的に配設した支持部材26が2本のレール24−1、24−2に沿ってZ軸方向に移動され、また、キャリッジ22が2本のレール20−1、20−2に沿ってX軸方向に移動され、また、被測定物200が配設されたテーブル16が2本のレール14−1、14−2に沿ってY軸方向に移動される。
【0026】即ち、上記した三次元スキャナー10は、上記したモーターの駆動制御を含む全体の動作をマイクロ・コンピューター100(図7参照)により制御されているものであるが、その詳細な説明は後述することとする。
【0027】次に、図2には、検出装置28の概略構成説明図が示されており、本発明の理解を容易にするために、この図2に示す状態を検出装置28の正面図として説明する。以下、図3に示す検出装置28の左側面図を合わせて参照しながら説明する。
【0028】この検出装置28は、矩形の板状体である取付部材32と、取付部材32に固定的に配設された接触センサー50とから構成されるものである。
【0029】取付部材32には、正三角形の各頂点に位置する3つの孔(図においては、後述するネジ94a、ネジ94b、ネジ94cがそれぞれ挿入されているため見えない。)と、ネジ150、ネジ152をそれぞれ挿通して取付部材32を支持部材26に固定的に配設するための2つの孔40、42とが穿設されている。
【0030】一方、図4には検出装置28の正面図に対応する接触センサー50の正面図が示されており、図5には接触センサー50の背面図が示されており、図6(a)には接触センサー50の接触子60(後述する)を中心として示した一部拡大概略斜視図が示されており、図6(b)には接触子60の先端部60aを中心として示した一部拡大概略斜視図されている。
【0031】この接触センサー50は、円板状体の導体板である金属板52と、金属板52の背面側に貼着された円板状体の圧電素子54と、金属板52の下方縁部52aの正面側において取付具56によって固定された接触子60とを有して構成されている。
【0032】ここで、金属板52は、例えば、黄銅により形成されるものであり、アース電極として機能するものである。従って、以下の記載においては、説明の内容に応じて適宜に「金属板52」あるいは「アース電極52」の記載を選択して用いることとする。
【0033】圧電素子54は、金属板52の背面側に貼着された円板状体の圧電セラミック70と、金属板52の下方縁部52a側においてU字状の切り欠き72aを有する円板状体であって、圧電セラミック70に配設された電極72とからなるものである。
【0034】金属板52、圧電セラミック70ならびに電極72は、上記したようにそれぞれ円板状体のものであるが、金属板52、圧電セラミック70、電極72の順で直径が小さくなるように寸法設定されているものである。
【0035】そして、金属板52、圧電セラミック70ならびに電極72は、それぞれの円板状体の円の中心が一致するようにして配設されている。
【0036】また、上記電極72のU字状の切り欠き72aを境にして、切り欠き72aの外側に位置する部位は主電極72bを構成し、切り欠き72aの内側に位置する部位は帰還電極72cを構成しているものである。
【0037】さらに、上記したアース電極52にはリード線80が接続され、主電極72bにはリード線82が接続され、帰還電極72cにはリード線84が接続され、このうちでリード線80はアースされているが、リード線82は後述するアンプ110に接続され、リード線84は後述するアンプ120に接続されるものである。
【0038】一方、接触子60は、内部が中空の管状体の外周部材62と、外周部材62の内部に挿通された光を伝送する3本の導光部材64、66、68とにより構成されるものである。
【0039】なお、外周部材62は、所定の強度を備えた材料で形成することが好ましく、例えば、ステンレスなどにより形成することができる。
【0040】また、3本の導光部材64、66、68は、その内部を光が伝送するように構成されており、例えば、可撓性のあるグラス・ファイバーなどにより形成される屈曲可能な光ファイバーを用いることができる。
【0041】なお、導光部材64、66、68として屈曲可能な光ファイバーを用いた場合には、導光部材64、66、68を外周部材62内に配置する際の作業を容易に行うことができるようになる。
【0042】3本の導光部材64、66、68の両端部のうちの一方の端部は、接触子60の先端部60aの端面にまで至っており、一方、他方の端部については、導光部材64に関してはカラー・フィルター112(後述する)に至り、導光部材66に関してはカラー・フィルター114(後述する)に至り、導光部材68に関してはカラー・フィルター116(後述する)に至っている。
【0043】なお、接触子60は接触子60の基部60bにおいて、上記したように、金属板52の下方縁部52aの正面側に取付具56によって固定されている。
【0044】そして、上記した接触センサー50の金属板52と主電極72bとの間にリード線80とリード線82とを介して電圧が印加されると、圧電効果によって電圧に比例して圧電素子54が歪み、圧電素子54の歪みによって金属板52が振動するようになる。
【0045】上記のようにして、金属板52の振動が開始されることにより、金属板52に配設された接触子60も振動を開始するようになるものである。
【0046】ここで、上記した接触センサー50は、両端部開口部付近の内周側にネジ孔が形成された管状体よりなるスペーサー90a、90b、90cを介して、取付部材32に固定的に配設されるものである(図3参照)。
【0047】即ち、取付部材32の孔に挿通されたネジ92aを、スペーサー90aの取付部材32側のネジ孔にネジ結合させ、取付部材32の孔に挿通されたネジ92bを、スペーサー90bの取付部材32側のネジ孔にネジ結合させ、取付部材32の孔に挿通されたネジ92cを、スペーサー90cの取付部材32側のネジ孔にネジ結合させる。
【0048】それから、上記した取付部材32に対して接触センサー50の接触子60の基部60bがスペーサー90bとスペーサー90cとの間の略中央に位置するように、スペーサー90aの取付部材32側の反対側のネジ孔にネジ94aをネジ込み、スペーサー90aとネジ94aのネジ頭との間で接触センサー50の金属板52の縁部52bに挟持するようにしてネジ結合させる。
【0049】同様にして、スペーサー90bの取付部材32側の反対側のネジ孔にネジ94bをネジ込み、スペーサー90bとネジ94bのネジ頭との間で接触センサー50の金属板52の縁部52bを挟持するようにしてネジ結合させ、スペーサー90cの取付部材32側の反対側のネジ孔にネジ94cをネジ込み、スペーサー90cとネジ94cのネジ頭との間で接触センサー50の金属板52の縁部52bを挟持するようにしてネジ結合させる。
【0050】このようにして、ネジ94bとネジ94cとの間の略中央に接触子60の基部60bが位置するようにして、取付部材32に対して接触センサー50が固定的に配設された検出装置28は、接触子60の先端部60aの延長方向がテーブル16に対して直交するような位置関係で、取付部材32の孔40と孔42とにそれぞれネジ150、152を挿入するようにして支持部材26にネジ結合され、支持部材26に対して固定的に配設されるものである。
【0051】ここで、検出装置28が固定的に配設された支持部材26は、2本のレール24−1、24−2に沿ってZ軸方向に移動可能であり、また、キャリッジ22は2本のレール20−1、20−2に沿ってX軸方向に移動可能であり、また、被測定物200が配設されたテーブル16は2本のレール14−1、14−2に沿ってY軸方向に移動可能である。
【0052】従って、接触センサー50と被測定物200との相対的な位置関係は、接触センサー50がX軸方向とZ軸方向とに移動可能であって、被測定物200がY軸方向に移動可能であるので、結局、接触センサー50は被測定物200に対してX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の三次元の方向で移動可能となされているものである。
【0053】また、この接触子60は、振動した状態で先端部60aが被測定物200に接触すると、先端部60aと被測定物200との当接により振動が抑制されて、振動が制止されることになる。
【0054】そして、上記したように接触センサー50は被測定物200に対して相対的にX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の三次元の方向で移動可能なものであるので、当然のことながら、接触子60も被測定物200に対してX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の三次元の方向で移動可能である。
【0055】なお、照明装置30は、例えば、発光ダイオード(LED)などにより形成されるものであり、接触子60の先端部60aの延長線上に位置する被測定物200の表面200aに光を照射して、表面200aの輝度を向上するものである。
【0056】次に、図7には、本発明による三次元スキャナーの全体の動作を制御する制御システムのブロック構成図が示されており、この制御システムはマイクロ・コンピューター100により全体の動作の制御が行われる。
【0057】マイクロ・コンピューター100は、後述するリード・オンリ・メモリ(ROM)104に格納されたプログラムに従って処理を実行する中央処理装置(CPU)102と、CPU102が実行するプログラムなどを格納したROM104と、CPU102の制御によって本発明による三次元スキャナー10が動作することによって得られる形状データおよび色データをそれぞれ記憶する形状データ記憶部106−1および色データ記憶部106−2やCPU102の制御によって本発明による三次元スキャナー10の動作が行われる際のワーキング・エリアとしての領域などが設定されたランダム・アクセス・メモリ(RAM)106とを有して構成されている。
【0058】そして、マイクロ・コンピューター100には、リード線82が接続されるアンプ110と、カラー・フィルター112、114、116からの信号を入力してマイクロ・コンピューター100に出力するアンプ118と、リード線84が接続されるアンプ120とが接続されている。
【0059】ここで、カラー・フィルター112は導光部材64内に入射された光線のうちの赤(R)の成分の信号を選択してアンプ118に出力するものであり、カラー・フィルター114は導光部材66内に入射された光線のうちの緑(G)の成分の信号を選択してアンプ118に出力するものであり、カラー・フィルター116は導光部材68内に入射された光線のうちの青(B)の成分の信号を選択してアンプ118に出力するものである。
【0060】以上の構成において、図8に示す説明図を参照しながら、上記した三次元スキャナー10の動作の説明を行うものとする。
【0061】なお、上記したように、この三次元スキャナー10においては、マイクロ・コンピューター100によって所定の分解能に応じてモーター(図示せず)の駆動が制御され、当該モーターの駆動によって、検出装置28を固定的に配設した支持部材26が2本のレール24−1、24−2に沿ってZ軸方向に移動され、また、キャリッジ22が2本のレール20−1、20−2に沿ってX軸方向に移動され、また、被測定物200が配設されたテーブル16が2本のレール14−1、14−2に沿ってY軸方向に移動されるものであるが、こうした制御技術は公知の技術であるので、その詳細な説明は省略するものとする。
【0062】まず、この3次元スキャナーを使用するにあたっては、テーブル16上に、立体たる被測定物200を固定的に配設する。
【0063】それから、マイクロ・コンピューター100による発振制御信号に基づいて、アンプ110によって増幅された電圧が、リード線80に接続された金属板52とリード線82に接続された主電極72bとを介して、圧電素子54に印加される。
【0064】圧電素子54に電圧が印加されると、圧電素子54は歪んで金属板52が振動し、金属板52の振動に伴って接触子60が振動を開始するようになる。
【0065】なお、この際、圧電素子54が振動することによって生じた電圧は、帰還電極72cによって検知され、リード線84に接続されたアンプ120を介してマイクロ・コンピューター100へとフィードバックされており、マイクロ・コンピューター100においては、この電圧の変化によって、接触子60が被測定物200に接触したか否かを検出できるようになされている。
【0066】ここで、接触子60が振動している状態において、2本のレール24−1、24−2に沿って支持部材26をZ軸方向に下降して移動させ、2本のレール20−1、20−2に沿ってキャリッジ22をX軸方向に移動させ、2本のレール14−1、14−2に沿ってテーブル16をY軸方向に移動させ、接触センサー50を被測定物200に対して相対的にX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の三次元の方向に移動させることにより、接触子60の先端部60aをテーブル16上の被測定物200の表面200aの所定の部位にZ軸方向から当接させる(図8(a)参照)。
【0067】こうして接触子60の先端部60aが被測定物200の表面200aと当接すると、接触子60の振動が制止される(なお、本明細書においては、「被測定物200の表面200aにおける接触子60の先端部60aがZ軸方向で当接した部位」を、「接触点」と適宜に称することとする。)。
【0068】接触子60の振動が制止されると、それと同時に圧電素子54の振動も制止され、このため帰還電極72cにより検知される電圧に変化が生じ、上記したようにマイクロ・コンピューター100は、接触子60が被測定物200に接触したことを検出する。この検出に応じて、支持部材26のZ軸方向への下降移動が停止される。
【0069】その後、支持部材26がZ軸方向に上昇して移動され(図8(a)の矢印C方向)、これにより、被測定物200の表面200aに当接して振動が制止された接触子60が、被測定物200の表面200aにおける接触点から所定の間隙(例えば、1mm)を有して離隔される。即ち、導光部材64、66、68の先端部が、所定の間隙(例えば、1mm)を有して接触点から離隔されることになる。
【0070】この際、接触子60と被測定物200の表面200aにおける接触点との当接が解除された時点で、接触子60は振動を開始し、帰還電極72cにより検知される電圧に変化が生じる。
【0071】そして、この接触子60と接触点との当接が解除された際の帰還電極78によって検知される電圧の変化に基づき、CPU102はXYZ座標上の点を示す形状データとして、接触点のXYZ座標位置の情報を形状データ記憶部106−1に記憶する。
【0072】さらに、接触子60と接触点との当接が解除され、接触子60が被測定物200の表面200aにおける接触点から所定距離(例えば、1mm)離隔した状態において、接触点における反射光が導光部材64、66、68へ入射されることになる(図8(b)参照)。
【0073】なお、被測定物200の表面200aにおける接触点は、照明装置30によって光を照射されており、導光部材64、66、68へは接触点からの反射光が十分に入射されるようになされている。
【0074】また、導光部材64、66、68はステンレスなどにより形成された外周部材62の内部に位置しているので、外周部材62により導光部材64、66、68が保護されて、導光部材64、66、68の損傷が防止されるとともに、外周部材62の外部の外乱を遮蔽した状態で、導光部材64、66、68内に接触点における反射光を入射することができる。
【0075】導光部材64内に入射された光線は、導光部材64内を伝送してカラー・フィルター112に至り、カラー・フィルター112によって導光部材64内に入射された光線のうちの赤の成分の信号のみが選択されて、アンプ118に出力される。
【0076】一方、導光部材66内に入射された光線は、導光部材66内を伝送してカラー・フィルター114に至り、カラー・フィルター114によって導光部材66内に入射された光線のうちの緑の成分の信号のみが選択されて、アンプ118に出力される。
【0077】また、導光部材68内に入射された光線は、導光部材68内を伝送してカラー・フィルター116に至り、カラー・フィルター116によって導光部材68内に入射された光線のうちの青の成分の信号のみが選択されて、アンプ118に出力される。
【0078】そして、アンプ118においてカラー・フィルター112から出力された赤の成分の信号と、カラー・フィルター114から出力された緑の成分の信号と、カラー・フィルター116から出力された青の成分の信号とがそれぞれ増幅されてマイクロ・コンピューター100に出力される。
【0079】そして、CPU102は、アンプ118から出力された信号に基づき、接触点における形状データに対応した色データとして、当該接触点の色の情報を色データ記憶部106−2に記憶する。
【0080】上記のようにして、接触点における形状データと色データとを取得すると、接触子60と被測定物200との相対的な位置を所定の分解能に応じた量だけ変化させて、上記と同様の動作を繰り返すことにより、次の接触点における形状データと色データとを取得するものである。
【0081】こうした動作を順次行うことにより、この三次元スキャナー10においては、被測定物200の表面200aの全面にわたって、形状データと当該形状データに対応する色データとを得ることができる。
【0082】つまり、上記した三次元スキャナー10においては、導光部材64、66、68を備えた接触子60を被測定物200の表面200aを当接させたり、当該当接を解除したりすることにより、上記した分解能の精度に応じて、自動的に被測定物200の表面200aの全面にわたる形状データと色データとを得ることができる。
【0083】以上において説明したように、上記した三次元スキャナー10は、接触子60を共有化して形状データと色データとを得るようにしたため、全体の構成が複雑化することなく、製造コストの増加も抑制され、安価に製造することができる。
【0084】また、上記した三次元スキャナー10においては、接触子60と被測定物200の表面200aとの接触点における形状データに対応した色データとして、当該接触点の色の情報を得るようにしているので、形状データと色データとを対応させるマッピング作業などを行う必要がない。
【0085】さらに、接触子60を共有化して形状データと色データとを得ているため、形状データを得るための検出領域の分解能と、色データを得るための検出領域の分解能とが一致し、形状データの示す被測定物200の表面200aの所定範囲において被測定物200の表面200aが実際に有する色と、当該所定範囲の色として色データの示す色とが一致するようになる。
【0086】なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(8)に説明するように変形してもよい。
【0087】(1)上記した実施の形態においては、電圧が印加されて振動した状態の接触子60が被測定物200の表面200aに当接し、その後、接触子60と接触点との当接が解除された際の帰還電極78によって検知される電圧の変化に基づいて、CPU102による形状データを得るための処理が行われるような構成の接触センサー50を用いるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、接触子60が被測定物200の表面200aに当接した際に検出手段(例えば、圧電素子など)によって検知される電圧に基づいて、CPU102による形状データを得るための処理が行われるような構成の接触センサーを用いるようにしてもよい。
【0088】(2)上記した実施の形態においては、接触子60の先端部60aが被測定物200の表面200aと離隔した状態において導光部材64、66、68内に反射光が入射されるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、例えば、図9に示すように先端部160aが斜めに切断されている接触子160を用いて、接触子160の先端部160aが接触点に当接した状態において、導光部材164、166、168と接触点との間に所定の間隙が設けられるようにし、これにより導光部材164、166、168内に反射光が入射されるようにしてもよい。
【0089】即ち、導光部材に入射された接触点からの反射光によって接触点の色を検出するに際しては、接触子が接触点と接触しているか否かに関わらず、導光部材に接触点からの反射光が入射されるように、導光部材と接触点との間に所定の間隙を設けるようにすればよいものである。
【0090】なお、この(2)に示すような接触子160は、上記(1)に示す変形例に用いるとより有効である。
【0091】(3)上記した実施の形態においては、接触子60は取付具56によって金属板52に固定されるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、取付具56を用いずに、例えば、半田付けなどによって接触子60を金属板52に直接的に固定するようにしてもよい。
【0092】(4)上記した実施の形態においては、外周部材62はステンレスにより形成されるようにし、導光部材64、66、68はグラスファイバなどにより形成されるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。例えば、外周部材62は硬質な物質であることが好ましいので、各種金属やセラミックスなどを用いることができ、また、導光部材64、66、68としては光透過性の高い石英ガラスなどを用いることができる。
【0093】(5)上記した実施の形態においては、接触子60は外周部材62の内部に3本の導光部材64、66、68が挿通されたものとしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、接触子60は導光部材64、66、68のみにより構成してもよく、その際には、金属板52に導光部材64、66、68を取付具56などにより一体的に配設するようにすればよい。
【0094】(6)上記した実施の形態においては、接触子60は外周部材62の内部に3本の導光部材64、66、68が挿通されるものとしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、外周部材62の内部に2本以下あるいは4本以上の導光部材を挿通するように構成してもよい。例えば、接触子60が外周部材62の内部に1本の導光部材を挿通するように構成される場合には、当該1本の導光部材内に入射された光線を分光するプリズムなどの分光手段を用いるなど、導光部材の本数に応じて他の構成の変更を適宜行えばよい。
【0095】(7)上記した実施の形態においては、照明装置30はLEDなどにより形成されるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、ランプなどの他の照明手段により形成してもよい。
【0096】(8)上記した実施の形態ならびに上記(1)乃至(7)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。例えば、上記した(5)に示す変形例と(6)に示す変形例とを組み合わせて、接触子60を1本の導光部材のみにより構成し、この1本の導光部材を金属板52に配設するようにしてもよい。
【0097】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されているので、簡潔な構成によって、しかも安価に、被測定物の表面の形状ならびに色についての情報を得ることができるようにした三次元スキャナーを提供することができるという優れた効果を奏する。
【0098】また、本発明は、以上説明したように構成されているので、繁雑な作業を必要とすることなしに、高精度で被測定物の表面の形状ならびに色についての情報を得ることができるという優れた効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
【出願日】 平成11年6月29日(1999.6.29)
【代理人】 【識別番号】100087000
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 淳一
【公開番号】 特開2001−12942(P2001−12942A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願平11−182765