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【発明の名称】 円筒支持装置、円筒支持システム、円筒径の算出方法および通過量調節方法
【発明者】 【氏名】植田 健治

【要約】 【課題】円筒をその軸方向の滑りにも強く支持することができるようにする。

【解決手段】円筒支持装置1は、複数の径サイズの円筒2を支持可能であり、円筒2の支持面は円筒2を支持したときに円筒2に巻きつくような線で線接触する曲面である。この曲面は、sを正の実数としたときに、x軸方向、y軸方向およびz軸方向の座標が下式で表わすことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の径サイズの円筒を支持可能であり、前記円筒の支持面は前記円筒を支持したときに当該円筒に巻きつくような線で線接触する曲面である円筒支持装置。
【請求項2】 前記曲面は、sを正の実数としたときに、x軸方向、y軸方向およびz軸方向の座標が下式で表わされる請求項1に記載の円筒支持装置。
x(u,v)=(u2−sv2)/(u2+v2+1),y(u,v)=[{(1+s)v2+1}/(u2+v2+1)]×u,z(u,v)=[{(1+s)u2+1}/(u2+v2+1)]×v【請求項3】 複数の請求項1または2に記載の円筒支持装置からなり、この複数の円筒支持装置で前記円筒を複数箇所で支持可能とした円筒支持システム。
【請求項4】 円筒を支持したときに当該円筒に巻きつくような線で線接触する曲面で前記円筒を支持した状態で前記曲面と前記円筒とがなす角度を測定し、この測定角度に基づいて前記円筒の径サイズを求める円筒径の算出方法。
【請求項5】 前記曲面は、sを正の実数としたときに、x軸方向、y軸方向およびz軸方向の座標が下式で表わされる請求項4に記載の円筒径の算出方法。
x(u,v)=(u2−sv2)/(u2+v2+1),y(u,v)=[{(1+s)v2+1}/(u2+v2+1)]×u,z(u,v)=[{(1+s)u2+1}/(u2+v2+1)]×v【請求項6】 円筒を支持したときに当該円筒に巻きつくような線で線接触する曲面を、前記円筒の向きが一定になるような位置で角度を変えることで、前記円筒の方向から見た前記曲面の穴の径が変化することにより、前記穴を通過する物質またはエネルギーの通過量を調節する通過量調節方法。
【請求項7】 前記曲面は、sを正の実数としたときに、x軸方向、y軸方向およびz軸方向の座標が下式で表わされる請求項6に記載の通過量調節方法。
x(u,v)=(u2−sv2)/(u2+v2+1),y(u,v)=[{(1+s)v2+1}/(u2+v2+1)]×u,z(u,v)=[{(1+s)u2+1}/(u2+v2+1)]×v
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、円筒支持装置、円筒支持システム、円筒径の算出方法および通過量調節方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、円筒を保持するためには、V字形に切れこみのはいったブロックを用いていた。また、円筒の径を測定する場合には、円筒に垂直に測定器を当てて計測する必要があった。さらに、可変の径を持つ円形の穴の径サイズを制御するには、カメラの絞りなどの装置が利用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術では、V字ブロックと円筒は2本の直線で接してはいるが、その直線は円筒の軸方向と一致しているため、軸に沿って動き易いという不具合がある。
【0004】また、円筒の径の測定器は、点または短い距離で円筒と接触するため、正確な位置で測定するには、測定器と円筒の角度を直角に維持する必要があり、煩雑であるという不具合がある。
【0005】さらに、機械的な手段で滑らかに円形の穴の径サイズを可変にすることは困難であるという不具合がある。
【0006】この発明の目的は、円筒をその軸方向の滑りにも強く支持することができるようにすることである。
【0007】この発明の別の目的は、円筒を安定的に支持することができるようにすることである。
【0008】この発明の別の目的は、容易に円筒の径サイズの算出を行うことができるようにすることである。
【0009】この発明の別の目的は、物質またはエネルギーの通過量を容易に調節することができるようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、複数の径サイズの円筒を支持可能である円筒支持装置において、前記円筒の支持面は前記円筒を支持したときに当該円筒に巻きつくような線で線接触する曲面である円筒支持装置である。
【0011】したがって、円筒の支持面は円筒を支持したときに円筒に巻きつくような線で線接触する曲面であるので、円筒をその軸方向の滑りにも強く支持することができる。
【0012】なお、前記曲面は、sを正の実数としたときに、x軸方向、y軸方向およびz軸方向の座標を下式で表わすことができる(請求項2)。
【0013】x(u,v)=(u2−sv2)/(u2+v2+1),y(u,v)=[{(1+s)v2+1}/(u2+v2+1)]×u,z(u,v)=[{(1+s)u2+1}/(u2+v2+1)]×v請求項3に記載の発明は、複数の請求項1または2に記載の円筒支持装置からなり、この複数の円筒支持装置で前記円筒を複数箇所で支持可能とした円筒支持システムである。
【0014】したがって、単一の円筒支持装置で円筒を支持する場合に比べて、円筒を安定的に支持することができる。
【0015】請求項4に記載の発明は、円筒を支持したときに当該円筒に巻きつくような線で線接触する曲面で前記円筒を支持した状態で前記曲面と前記円筒とがなす角度を測定し、この測定角度に基づいて前記円筒の径サイズを求める円筒径の算出方法である。
【0016】したがって、測定器と円筒の角度を直角に維持する必要がないので、容易に円筒径の算出を行うことができる。
【0017】なお、前記曲面は、sを正の実数としたときに、x軸方向、y軸方向およびz軸方向の座標が下式で表わすことができる(請求項5)。
【0018】x(u,v)=(u2−sv2)/(u2+v2+1),y(u,v)=[{(1+s)v2+1}/(u2+v2+1)]×u,z(u,v)=[{(1+s)u2+1}/(u2+v2+1)]×v請求項6に記載の発明は、円筒を支持したときに当該円筒に巻きつくような線で線接触する曲面を、前記円筒の向きが一定になるような位置で角度を変えることで、前記円筒の方向から見た前記曲面の穴の径が変化することにより、前記穴を通過する物質またはエネルギーの通過量を調節する通過量調節方法である。
【0019】したがって、穴の径サイズの連続的な調節を容易に行ない、穴を通過する物質またはエネルギーの通過量を容易に調節することができる。
【0020】なお、前記曲面は、sを正の実数としたときに、x軸方向、y軸方向およびz軸方向の座標が下式で表わすことができる(請求項7)。
【0021】x(u,v)=(u2−sv2)/(u2+v2+1),y(u,v)=[{(1+s)v2+1}/(u2+v2+1)]×u,z(u,v)=[{(1+s)u2+1}/(u2+v2+1)]×v【0022】
【発明の実施の形態】[発明の実施の形態1]以下、この発明の実施の形態1である円筒支持装置について説明する。
【0023】まず、式(1)で示される曲面を考える。ここでsは正の実数(0<s)とする。
【0024】
x(u,v)=(u2−sv2)/(u2+v2+1), y(u,v)=[{(1+s)v2+1}/(u2+v2+1)]×u, z(u,v)=[{(1+s)u2+1}/(u2+v2+1)]×v ……(1)
式(1)で示される曲面の一部を描くと図1のような曲面であり、実際には無限に広がる曲面となる。
【0025】この曲面は、x=−s,x=0,x=1の3ケ所でx軸と交差し、xy平面上には円“(x−1/2)2+y2=(1/2)2”が存在し、曲面における穴となっている。この穴を貫通し、軸がz軸に平行で原点(0,0,0)に接触するように円筒をx軸回りに回転させると、この曲面に線接触する位置が存在する。図2は“s=0”の場合に、曲面をz軸に垂直な位置からながめたものであり、曲面のパラメータ線の包絡線が円になっていることより、曲面に線接触する円筒の存在が確認できる。円の一部が欠けているのは曲面の一部のパラメータ線が描かれているだけであるからで、曲面全体のパラメータ像の包絡線は円になる。
【0026】この曲面と原点で接する円筒のx軸回りのz軸から角度θを用いると、円筒の半径rは、 r(θ)=(cos2θ−s×sin2θ)/2 …… (2)
となる。いいかえれば、曲面に線接触する円筒は、軸が(r,0,0)でz軸と交わり、軸の方向が(0,sinθ,cosθ)、半径rの円筒である。
【0027】sが0であれば、円筒の半径rは“1>r>0”の値をとり、角度θは、“0<θ<π/2”の値となる。しかし、sが大きくなる(取っ手のような部分が太くなる)につれ、角度の取り得る範囲は狭まり、“0<θ<arctan√(1/s)”の範囲しかとれなくなる。
【0028】この曲面式では、穴を貫通する円筒はその直径が1未満のものに限られるが、拡大や縮小を行う(曲面式を定数倍する)ことで、任意の半径の円筒を貫通させることのできる形状を得ることができる。
【0029】この形状をxが正の方向を上にしてx軸が垂直な向きになるように配置し、円筒をその穴に貫通させ放置すると、円筒と曲面が線接触する位置で円筒は支持される。
【0030】このときに円筒と曲面が接触する位置は、V字ブロックの場合のように、軸に平行な直線ではなく円筒に巻き付くような線であるので、軸方向のすべりにも強い。
【0031】このような曲面の性質から、この曲面およびその拡大または縮小した曲面を形状としてしてもつような装置を使用することで、安定的に円筒を支持することができる。
【0032】図3は、式(1)で表わされる曲面の一部を形状の一部としてもつような円筒支持装置1の一例を示す正面図であり、図4に示すように円筒2を穴3に貫通させることで円筒2を支持できる。円筒支持装置1の形状としては、このように穴3がある形状に限ることはなく、取っ手のような部分に近い部分の曲面形状を有する装置であれば、上方が開いていてもかわず、また、その方が円筒2を穴3に貫通させる必要がない分便利な場合もある。
【0033】[発明の実施の形態2]以下、この発明の実施の形態2である円筒支持システムについて説明する。
【0034】すなわち、この円筒支持システムは、同一形状の複数個の前記曲面を、円筒の軸が一致するように配置することで、複数の穴を貫通するひとつの円筒の安定性を向上させようとするものである。
【0035】すなわち、図5に示すように、この円筒支持システム4は、複数、例えば2つの、発明の実施の形態1の円筒支持装置1からなる。図6に、この円筒支持システム4の使用状態を示す。すなわち、自由に回転できるように壁面に取り付けた2つの円筒支持装置1に円筒2を貫通させることで、円筒2が安定する位置で円筒支持装置1も安定し、円筒2がしっかりと支持される。
【0036】[発明の実施の形態3]以下、この発明の実施の形態3である円筒径の算出方法について説明する。
【0037】すなわち、この円筒径の算出方法は、発明の実施の形態1の円筒支持装置1を用い、円筒支持装置1の穴3に円筒2を挿通して安定する位置に円筒2を回転したときの、円筒支持装置1と円筒2とがなす角度を測定し、この測定角度に前記式(2)を適用することで円筒2の径サイズを算出するものである。
【0038】図7は、異なる径をもつ円筒2が円筒支持装置1の曲面と線接触する位置にある様子を示したもので、異なる径の円筒2であれば、線接触して安定する角度が異なることがわかる。
【0039】[発明の実施の形態4]以下、この発明の実施の形態4である通過量調節方法について説明する。
【0040】すなわち、この通過量調節方法は前記式(1)で示される曲面をz軸回りに回転したときに、z軸方向から見たときの円形の穴の径が連続して変化することを利用して、光線などの物質やエネルギーの平行流が穴を通過するときの通過量を調節するものである。
【0041】図8は、前記式(1)で示される曲面を有する通過量調節装置5を回転することによって、異なる径の円形の穴6が得られることを示している。
【0042】
【発明の効果】請求項1、請求項2に記載の発明は、円筒の支持面は円筒を支持したときに円筒に巻きつくような線で線接触する曲面であるので、円筒をその軸方向の滑りにも強く支持することができる。
【0043】請求項3に記載の発明は、単一の円筒支持装置で円筒を支持する場合に比べて、円筒を安定的に支持することができる。
【0044】請求項4、請求項5に記載の発明は、測定器と円筒の角度を直角に維持する必要がないので、容易に円筒径の算出を行うことができる。
【0045】請求項6、請求項7に記載の発明は、穴の径サイズの連続的な調節を容易に行ない、穴を通過する物質またはエネルギーの通過量を容易に調節することができる。
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成11年7月1日(1999.7.1)
【代理人】 【識別番号】100101177
【弁理士】
【氏名又は名称】柏木 慎史 (外1名)
【公開番号】 特開2001−12941(P2001−12941A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願平11−187201