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【発明の名称】 位置検出装置および作業用車輌
【発明者】 【氏名】熊澤 正▲郷▼

【氏名】高橋 睦

【氏名】大屋 二郎

【氏名】越智 達之

【氏名】村野 寿

【要約】 【課題】障害物との干渉を減少させる。

【解決手段】作業用車輌10の車体11に装着可能な支持部材20と、この部材20に取着された複数の変位計31〜33と、その出力に基づいて横方向の相対変位を算出する演算手段40とを備えた位置検出装置において、変位計のうち2個以上(32,33)が車体11の横斜め下方を向くようにする。これにより、道路1に沿って延びた縁石2等の基準物よりも車体11寄りの内側から位置検出が行われる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】車体に装着可能な支持部材と、この部材に取着された複数の変位計と、その出力に基づいて横方向の相対変位を算出する演算手段とを備えた位置検出装置において、前記変位計のうち2個以上が前記支持部材の前記車体への装着時に前記車体の横斜め下方を向く状態で前記支持部材に取着されていることを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】車体に装着可能な支持部材と、この部材に取着された変位計と、その出力に基づいて横方向の相対変位を算出する演算手段とを備えた位置検出装置において、前記変位計が3個以上設けられ、そのうち2個以上が前記支持部材の前記車体への装着時に前記車体の横斜め下方を向く状態で前記支持部材に取着されているとともに、その横斜め下方向きの変位計の出力に基づいて前記演算手段が相対変位の算出を行うものであり、且つ、前記変位計の出力に基づいて得られた縦方向の変位に基づき前記演算手段での算出による相対変位についての適否判定を行う判定手段が設けられていることを特徴とする位置検出装置。
【請求項3】前記の横斜め下方向きの変位計は、互いの傾き具合が異なっていて計測範囲が重なるものであることを特徴とする請求項2記載の位置検出装置。
【請求項4】車体に装着可能な支持部材と、この部材に取着された複数の変位計と、その出力に基づいて横方向の相対変位を算出する演算手段と、前記変位計の保持位置を可変する駆動機構とを備えた位置検出装置において、前記変位計のうち2個以上が前記支持部材の前記車体への装着時に前記車体の横斜め下方を向く状態で前記支持部材に取着されているとともに、これらの変位計の出力に基づいて前記演算手段が相対変位の算出を行うものであり、且つ、前記変位計のうち2個以上のものが前記支持部材の前記車体への装着時に前後方向および横方向へずれたところを向く状態で前記支持部材に取着されているとともに、これらの変位計の出力に基づいて前記駆動機構の制御を行う計測位置制御手段が設けられていることを特徴とする位置検出装置。
【請求項5】前記計測位置制御手段が、前記の横方向の相対変位に基づく追従制御に加えて、その追従対象を捕捉する捕捉制御も行うものであることを特徴とする請求項4記載の位置検出装置。
【請求項6】前記の横斜め下方向きの変位計は、互いの計測範囲が広狭異なり且つ離れていることを特徴とする請求項4記載の位置検出装置。
【請求項7】車体に装着可能な支持部材と、この部材に取着された複数の変位計と、その出力に基づいて横方向の相対変位を算出する演算手段と、前記変位計の保持位置を可変する駆動機構とを備えた位置検出装置において、前記変位計のうち2個以上が、前記支持部材の前記車体への装着時に前記車体の横斜め下方を向く状態で前記支持部材に取着されており、且つ、前記駆動機構が、前記車体寄りのところを中心として前記支持部材のうちの前記変位計取着部分を所定範囲内で双方向回転させるものであることを特徴とする位置検出装置。
【請求項8】前記の横斜め下方向きの複数の変位計に代えて、前記車体の横斜め下方を中心に所定範囲を走査する変位計が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載された位置検出装置。
【請求項9】車体に装着された作業装置と、この作業装置に対する制御を行う作業制御手段および前記車体の操舵制御を行う操舵制御手段のうち何れか一方または双方を具備した作業用車輌において、請求項1乃至請求項8の何れかに記載された位置検出装置を備え、その出力に基づいて前記作業制御手段および前記操舵制御手段の何れか一方または双方が自動制御を行うことを特徴とする作業用車輌。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、位置検出装置およびこれを搭載した作業用車輌に関し、詳しくは、移動しながら対象物との相対変位を検出するのに好適な位置検出技術や、それを利用して作業用車輌の自動化を図る技術に関する。
【0002】作業用車輌の典型例には、道路等の路面の舗装・補修等に用いられるアスファルトフィニッシャや,リペーバ・リミキサ,モータグレーダ等が挙げられる。位置検出の対象物は、作業用車輌を自動走行等させる際に基準となりうる物体であって、施工しようとしている路面の基層・上層路盤等より高くなっていて段差を形成している連続的な構造物が適しており、その典型例としては、施工用の木枠,型枠,枠体や、路面側方に存在している縁石、既存・残存している表層アスファルト等が挙げられる。
【0003】
【従来の技術】位置検出装置を搭載した作業用車輌の例として図14にアスファルトフィニッシャ10を示した。なお、同図で、(a)は車輌等の背面図、(b)はその平面図であり、(c)及び(d)は主要機構部の背面図である。このアスファルトフィニッシャ10は、車輪やクローラ等の走行手段を持ったボディ11(車体)の後方に、スクリード12(作業装置)が装備されていて、道路1(路面)上を走行しながら道路1に対する所定の施工を行えるようになっている(実開平5−47010号公報、特開平7−34411号公報、特開平8−108854号公報、特開平8−161042号公報)。
【0004】また、このアスファルトフィニッシャ10には、超音波センサ(変位計)を利用した位置検出装置も搭載されている。そして、そのセンサの探触部等を支持するアームユニット20は、横方向に突き出すようにしてボディ11に装着されている。すなわち、道路1に沿って延びる縁石2と道路1上を走行するアスファルトフィニッシャ10との相対変位を検出するために、アームユニット20は、ボディ11に取着されたアームベース21からムーブアーム22を適宜進退させてその先端のセンサブロック23が縁石2の角2aの上方まで届くようになっている。
【0005】そのセンサブロック23には、超音波センサの探触部31が一個だけ設けられている(図14(c)、特開平8−161042号公報を参照)。あるいは一対の探触部31,32が設けられている(図14(d)、実開平5−47010号公報、特開平7−34411号公報、特開平8−108854号公報を参照)。いずれにしても、センサは、鉛直下方を向き、所定の計測範囲に超音波を照射するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の位置検出装置および作業用車輌では、変位計の向きを水平方向から鉛直方向に変えたことで、既に存在している縁石や型枠などを位置ずれ検出の基準物として利用することが可能となり、水糸等の専用案内部材を走行毎に敷設・撤去するという煩わしい作業から解放されて、作業の自動化率向上が図られている。
【0007】しかしながら、縁石等の近くには電柱や街路樹等が設けられていることが多く、その一部が縁石等の上方まで延びていたり、それ以外の設置物が固定されていたりすることも有る。このため、障害物回避の必要から、しばしば自動処理が中断されてしまうばかりか、障害物に接触したような場合には、作業の遅延等に加えて物的損害までも生じてしまうこととなる。そこで、位置検出装置の構造等に工夫を凝らして、縁石等よりも車体寄りの内側から位置検出を行えるようにすることが、技術的な課題となる。
【0008】また、その際に、変位計の配置や向き等を改めることも考えられるが、その場合、検出確度・検出精度の維持等が難しいので、必要な信頼性を確保する等の観点から、誤検出等を如何にして防止するかが、更なる課題となる。
【0009】さらに、概括的に見れば連続的に設置されている型枠等であっても、個別具体的・微視的に見れば、特に隣接部等では、横に鋭くずれていたり、隙間が開いて離れていたりすることもに多い。このため、基準物を見失うことがしばしばあり、一旦そのような事態に至ると運転者や作業者の適切な操作無しに位置検出を再開するのは絶望的であった。しかも、運転者や作業者がその事態に気付くのは、走行位置や作業範囲のずれが目立つほどに拡がった後で、手遅れになりがちであった。そこで、或る程度の不連続性があっても的確に基準物を捉え続けて位置検出を継続しうるように工夫することも、重要な課題となる。
【0010】この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、障害物との干渉が少ない位置検出装置および作業用車輌を実現することを目的とする。また、本発明は、それに止まらず、信頼性を損なうこと無く障害物との干渉を減少させることも目的とする。さらに、本発明は、障害物との干渉が少なく而も基準物を的確に捉え続ける位置検出装置および作業用車輌を実現することをも目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決するために発明された第1乃至第8の解決手段について、その構成および作用効果を以下に説明する。
【0012】[第1の解決手段]第1の解決手段の位置検出装置は(、出願当初の請求項1に記載の如く)、(搭載対象である作業用車輌等の)車体に装着可能な支持部材と、この部材に取着された複数の変位計と、その出力に基づいて横方向(すなわち水平方向・幅方向)の相対変位を算出する演算手段とを備えた位置検出装置において、前記変位計のうち2個以上が前記支持部材の前記車体への装着時に前記車体の横斜め下方を向く状態で前記支持部材に取着されている、というものである。
【0013】このような第1の解決手段の位置検出装置にあっては、作業用車輌等の車体に支持部材が装着され、その車輌が基準物の脇を走行すると、各変位計によってそれぞれのところから基準物までの距離等が計測されるとともに、これらの計測結果に基づき演算手段によって横方向の相対変位が算出される。そして、この横方向の相対変位は、適宜の自動処理、例えば作業用車輌の作業制御や操舵制御に利用される。
【0014】しかも、この場合、位置検出に必要な2個以上の変位計が車体の横斜め下方を向くようになっているので、総ての変位計が基準物より車体の近くに位置していても、基準物までの各距離が計れて、基準物との相対変位も得られる。これにより、縁石等の基準物よりも車体寄りの内側から位置検出が行われるので、基準物の上方等に障害物が存在していたとしても、その障害物と位置検出装置とが接触するようなことは、ほとんど発生しなくなる。したがって、この発明によれば、障害物との干渉が少ないものを実現することができる。
【0015】[第2の解決手段]第2の解決手段の位置検出装置は(、出願当初の請求項2に記載の如く)、(搭載対象である作業用車輌等の)車体に装着可能な支持部材と、この部材に取着された変位計と、その出力に基づいて横方向(すなわち水平方向・幅方向)の相対変位を算出する演算手段とを備えた位置検出装置において、前記変位計が3個以上設けられ、そのうち2個以上が前記支持部材の前記車体への装着時に前記車体の横斜め下方を向く状態で前記支持部材に取着されているとともに、その横斜め下方向きの変位計の出力に基づいて前記演算手段が相対変位の算出を行うものであり、且つ、前記変位計(のうち残りのもの又は少なくとも残りのものを含む複数個のもの)の出力に基づいて(直接的に又は適宜の演算を施して)得られた縦方向(すなわち鉛直方向・高さ方向)の変位に基づき前記演算手段での算出による相対変位についての適否判定を行う判定手段が(前記演算手段の一部として又は別個に)設けられている、というものである。
【0016】このような第2の解決手段の位置検出装置にあっては、上記の第1解決手段と同様にして基準物よりも車体寄りの内側から位置検出が行われるのに加えて、追加された残りの変位計も利用して縦方向の変位という付加的情報が得られるとともに、それらの情報に基づき判定手段によって横方向の相対変位についてその適否が判定される。
【0017】この場合、横方向の相対変位を求める際に付随的に得られる縦方向の相対変位に加え、それとは異質な縦方向の相対変位も得られているので、それらの冗長性に基づいて適否判定が従来より的確になされる。これにより、位置検出に必須な変位計での計測値に大きな誤差が含まれているときには、そのことが忽ち判明するので、そのような信頼性に欠ける計測に基づく不所望な処理は適切に回避されることとなる。したがって、この発明によれば、信頼性を損なうこと無く障害物との干渉を減少させることができる。
【0018】[第3の解決手段]第3の解決手段の位置検出装置は(、出願当初の請求項3に記載の如く)、上記の第2の解決手段の位置検出装置であって、前記の横斜め下方向きの変位計に関し互いの傾き具合が異なっていて計測範囲が重なる、というものである。
【0019】このような第3の解決手段の位置検出装置にあっては、位置検出に必要な変位計が斜め下方を向いていても、それらの計測範囲が重なっていることから、その計測範囲に基準物の角部等が入っていれば、明瞭な反射が得られるので、いずれの変位計による計測も正確になされる。しかも、傾斜の異なる複数の経路で同じところまでの距離が計測されるので、三角測量と同様の演算によって縦横何れの方向の相対変位も正確に求められることとなる。
【0020】これにより、的確な適否判定と相俟って、障害物回避のために車体寄りの内側から位置検出が行われるように変位計等の設置位置が改変されていても、計測結果等の信頼性は、損なわれないで済むばかりか、むしろ状況によっては向上すら期待される。したがって、この発明によれば、信頼性を損なうこと無く寧ろ信頼性を向上させつつ障害物との干渉を減少させることができる。
【0021】[第4の解決手段]第4の解決手段の位置検出装置は(、出願当初の請求項4に記載の如く)、車体に装着可能な支持部材と、この部材に取着された複数の変位計と、その出力に基づいて横方向(すなわち水平方向・幅方向)の相対変位を算出する演算手段と、(前記車体と前記支持部材とに介在して設けられ又は前記支持部材の一部として設けられ)前記変位計の保持位置を(少なくとも横方向に望ましくは縦方向にも)可変する駆動機構とを備えた位置検出装置において、前記変位計のうち2個以上が前記支持部材の前記車体への装着時に前記車体の横斜め下方を向く状態で前記支持部材に取着されているとともに、これらの(即ちその横斜め下方向きの)変位計の出力に基づいて前記演算手段が相対変位の算出を行うものであり、且つ、前記変位計のうち(前記の2個以上のもの又は他の)2個以上のものが前記支持部材の前記車体への装着時に前後方向(すなわち前記車体の走行方向)および横方向(すなわちその走行方向に直交する方向)へずれたところを向く状態で前記支持部材に取着されているとともに、これらの変位計(すなわち互いの計測範囲が走行方向に対して斜めにずれている変位計)の出力に基づいて前記駆動機構の制御を行う計測位置制御手段が(前記演算手段の一部として又は別個に)設けられている、というものである。
【0022】このような第4の解決手段の位置検出装置にあっては、上記の第1解決手段と同様にして基準物よりも車体寄りの内側から位置検出が行われるのに加えて、向きをずらして設置した複数の変位計によって斜めにずれたところが計測されるとともに、それらの計測結果に基づき計測位置制御手段および駆動機構によって変位計の位置そして計測位置が変更される。
【0023】これにより、なにかと制御し難いうえに制御結果が走行状態や作業内容に大きく影響する作業用車輌の応答を待たなくても、迅速かつ緻密に計測位置が調節されるので、変位計を斜めにした等のために個々の変位計にとっての計測条件が厳しくなったとしても、基準物を的確に捉えて相対距離を計測することが可能となる。しかも、その際、斜めにずれたところが計測されることから、基準物に関して横方向の情報に加えて前後方向の情報も得られるので、より確実に基準物を捉え続けることが可能となる。また、計測範囲が固定式の場合と異なり格段に増加させることができる。したがって、この発明によれば、障害物との干渉が少なく而も基準物を的確に捉え続けるものを実現することができる。
【0024】[第5の解決手段]第5の解決手段の位置検出装置は(、出願当初の請求項5に記載の如く)、上記の第4の解決手段の位置検出装置であって、前記計測位置制御手段が、前記の横方向の相対変位に基づく追従制御に加えて、その追従対象を捕捉する捕捉制御も(並行して又は選択的に)行うようになっている、というものである。
【0025】このような第5の解決手段の位置検出装置にあっては、基準物を捉えている間は追従制御によって木目細かく計測位置が調節されるので基準物の形状が或る程度変化しても的確に捉え続ける。また、基準物の形状変化が急峻すぎて見失ってしまったようなときでも、斜めにずれたところの計測にて得られた基準物の横方向および前後方向の情報などに基づき、確度の高い予測等を伴った捕捉制御が行われるので、その予測を超えるような場合は別として、大抵の場合、速やかに基準物は再び捉えられる。
【0026】これにより、基準物に或る程度の不連続性があったとしても、人手の介入を待つまでも無く、基準物を捉え続けて或いは速やかに捉え直して、位置検出が継続されることとなる。したがって、この発明によれば、障害物との干渉が少なく而も基準物を長期に亘って的確に捉え続けるものを実現することができる。
【0027】[第6の解決手段]第6の解決手段の位置検出装置は(、出願当初の請求項6に記載の如く)、上記の第4の解決手段の位置検出装置であって、前記の横斜め下方向きの変位計に関し互いの計測範囲が広狭異なり且つ離れている、というものである。
【0028】このような第6の解決手段の位置検出装置にあっては、基準物の部位によって反射特性や測定精度等が異なるような場合でも、それぞれの部位ごとに変位計の計測範囲を適合させることが可能となる。これにより、変位計を斜めにした等のために個々の変位計にとって計測条件が厳しくなっていても、それを補うほど或いはそれを上回るほどに測定精度・検出精度が向上する。したがって、この発明によれば、障害物との干渉が少なく而も基準物を的確に捉え続けながら正確に計れるものを実現することができる。
【0029】[第7の解決手段]第7の解決手段の位置検出装置は(、出願当初の請求項7に記載の如く)、車体に装着可能な支持部材と、この部材に取着された複数の変位計と、その出力に基づいて横方向(すなわち水平方向・幅方向)の相対変位を算出する演算手段と、(前記車体と前記支持部材とに介在して設けられ又は前記支持部材の一部として設けられ)前記変位計の保持位置を(少なくとも横方向に望ましくは縦方向にも)可変する駆動機構とを備えた位置検出装置において、前記変位計のうち2個以上が、前記支持部材の前記車体への装着時に前記車体の横斜め下方を向く状態で前記支持部材に取着されており、且つ、前記駆動機構が、前記車体寄りのところを中心として前記支持部材のうちの前記変位計取着部分を所定範囲内で双方向回転させるようになっている、というものである。
【0030】このような第7の解決手段の位置検出装置にあっては、上記の第1解決手段と同様にして基準物よりも車体寄りの内側から位置検出が行われるのに加えて、計測の開始前や終了後あるいは計測中などに変位計の位置を変える際には、変位計が車体寄りのところを中心として所定範囲内で双方向に回転する。これにより、支持部材や,変位計の機構部分,駆動機構など、位置検出装置のうちの機械的な部分を、車体の横等に装着・添設したとしても、使用時には横方向に十分なだけ突き出すとともに、そうでない時には車体の側面等に貼り付いたようにして収納等されることとなる。
【0031】そこで、新たに製造される作業用車輌はもちろん既存の作業用車輌に対しても、車体の内部をほとんど改造することなく簡単に、邪魔にならない状態で位置検出装置を搭載させることが可能となる。したがって、この発明によれば、障害物との干渉が少なく而も追加搭載も容易なものを実現することができる。
【0032】[第8の解決手段]第8の解決手段の位置検出装置は(、出願当初の請求項8に記載の如く)、前記の横斜め下方向きの複数の変位計に代えて、前記車体の横斜め下方を中心に所定範囲を走査する変位計が設けられている、というものである。
【0033】このような第8の解決手段の位置検出装置にあっては、作業用車輌等の車体に支持部材が装着され、その車輌が基準物の脇を走行すると、変位計によってそこから基準物までの距離等が走査範囲に亘って計測されるとともに、これらの計測結果に基づき演算手段によって横方向の相対変位が算出される。そして、この横方向の相対変位は、適宜の自動処理、例えば作業用車輌の作業制御や操舵制御に利用される。
【0034】しかも、この場合、位置検出に必要な変位計が車体の横斜め下方を向くようになっているので、その変位計が基準物より車体の近くに位置していても、基準物との一連の距離が計れて、基準物との相対変位も得られる。これにより、縁石等の基準物よりも車体寄りの内側から位置検出が行われるので、基準物の上方等に障害物が存在していたとしても、その障害物と位置検出装置とが接触するようなことは、ほとんど発生しなくなる。したがって、この発明によれば、障害物との干渉が少ないものを実現することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】このような解決手段で達成された本発明の位置検出装置は(、出願当初の請求項9に記載の如く)、作業装置に加えて作業制御装置や操舵制御装置の装着された作業用車輌に対して搭載されるのが通例である。すなわち、この場合の作業用車輌は、車体に装着される作業装置と、この作業装置に対する制御を行う作業制御手段および前記車体の操舵制御を行う操舵制御手段のうち何れか一方または双方を具備した作業用車輌において、上記第1〜第8の解決手段のうち何れかの位置検出装置を備え、その出力に基づいて前記作業制御手段および前記操舵制御手段の何れか一方または双方が自動制御を行う、というものである。
【0036】このような作業用車輌にあっては、作業制御手段を備えたものでは作業の自動化が達成され、操舵制御手段を備えたものでは作業の前提となる走行の自動化が達成され、両手段を備えたものでは作業および走行の自動化が共に達成される。しかも、障害物との干渉が少ないので、自動処理の比率が従来よりも高まることとなる。
【0037】以下、本発明の位置検出装置を搭載した作業用車輌についての具体的な実施形態を、第1〜第6実施例および変形例等により詳述する。図1及び図2に示した第1実施例は、上述した第1,第2,第3の解決手段を具現化したものであり、図3のものはその変形例である。また、図4及び図5に示した第2実施例は、上述した第1,第2,第4,第5,第6の解決手段を具現化したものであり、図6,図7のものはその変形例である。さらに、図8に示した第3実施例は、上述した第1,第2,第3,第4,第5の解決手段を具現化したものである。また、図9に示した第4実施例は、上述した第7の解決手段を具現化したものである。これらの実施例では変位計として超音波センサが用いられているのに対し、図10に示した第5実施例は、変位計にレーダ方式を採用したものである。また、図11及び図12に示した第6実施例は、変位計にレーザ方式を採用するとともに、上述した第8の解決手段を具現化したものとなっている。
【0038】
【第1実施例】本発明の位置検出装置を搭載した作業用車輌の第1実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、(a)が主要機構部の背面図であり、(b)がその平面図であり、(c)が信号処理系等のブロック図である。また、図2は、それに用いられている変位計のブロック図である。なお、これらの図示に際し、変位計の取付部等は、構造の明瞭化等のため、大きめに示されている。
【0039】このアスファルトフィニッシャ10(作業用車輌)は、従来と同様に、走行しながら道路1に対する所定の施工を行えるよう、ボディ11(車体)の後方にスクリード12(作業装置)が装着されている。また、自動化のために、後述する位置検出装置(20+30+40)に加えて、ボディ11の操舵制御を行う操舵制御部53(操舵制御手段)や、スクリード12に対する制御を行うスクリード制御部52(作業制御手段)、視覚や聴覚を通じて運転者や作業者に警報を発したり注意を促したりするためのアラームユニット51も搭載されている。
【0040】操舵制御部53およびその制御に従う図示しない操舵機構は、実開平5−47010号公報に記載された自動ステアリング装置や、特開平8−161042号公報に記載された自動ステアリング装置などと同様のものでも良いので、詳細な説明は割愛するが、要するに、位置検出装置(20+30+40)で検出した角横変位C(横方向の相対変位)を入力してそれが所定の目標値になるようアスファルトフィニッシャ10の走行状態を制御するようになっている。ただし、この操舵制御部53は、同じ位置検出装置(20+30+40)から判定結果Dも受け取り、その適否判定が肯定的なものであれば通常通り自動制御を行うが、その適否判定が否定的なときには、自動制御を一時停止して操舵状態を固定させるか、あるいは自動制御を継続するにしても応答性を低下させるようになっている。
【0041】スクリード制御部52およびその制御に従う図示しないスクリード12の横幅拡縮機構は、実開平5−47010号公報に記載された舗装幅拡縮装置や、特開平7−34411号公報に記載されたスクリード制御装置などと同様のものでも良いので、詳細な説明は割愛するが、要するに、位置検出装置(20+30+40)で検出した角横変位C(横方向の相対変位)を入力してスクリード12の端部と基準物との距離が所定の目標値になるようスクリード12の横方向拡縮状態を制御するようになっている。ただし、このスクリード制御部52も、やはり判定結果Dを受け取り、その適否判定が肯定的なものであれば通常通り自動制御を行うが、その適否判定が否定的なときには、自動制御を一時停止してスクリードの横幅を固定させるか、あるいは自動制御を継続するにしても応答性を低下させたり幅縮小だけに限定して行うよう、部分的に改造されている。
【0042】これにより、このアスファルトフィニッシャ10は、位置検出装置(20+30+40)の出力に基づいて作業制御手段52および操舵制御手段53の双方が自動制御を行うものとなっている。また、アラームユニット51についても、具体的な発報部材やその駆動回路は、新たに追加しても良いが、作業用車輌であれば通常装備されている既存のブザーや赤色灯などが共用可能なので、一般的な警報条件に加えて判定結果Dが否定的なときにも所定の警報を発するよう、部分的に改造するのも良い。
【0043】位置検出装置(20+30+40)は、機械的なアームユニット20(支持部材)と、非接触で基準物を検出するための超音波センサ30(変位計)と、信号処理系・データ処理系としてのマイクロプロセッサシステム40(演算手段,判定手段)とに大別され、そのうち、アームユニット20はボディ11の右横等に装着され、マイクロプロセッサシステム40はボディ11の内部等に格納される。超音波センサ30については、少なくとも探触部31〜33はアームユニット20に取り付けられるが、他の部分はアームユニット20やボディ11等の適宜箇所に取り付けられる。そして、これら同士や上述のアラームユニット51,スクリード制御部52,操舵制御部53は、適宜のケーブル等を介して信号やデータの送受が可能なように接続されるとともに、やはりボディ11に搭載されている図示しない電源装置から必要な電力が供給されるようになっている。
【0044】アームユニット20は、ボディ11側のアームベース21と、そこから進退自在に横方向へ突き出でたムーブアーム22と、その先端に設けられ超音波センサ30の探触部31〜33が取り付けられるセンサブロック23とを備えたものである。ボディ11への装着を可能とするために、ボディ11には適宜のネジ穴等が加工されるとともに、アームベース21には、そのネジ穴等に適合するボルト等の締結具と係合するフランジ等の適宜な基部が形成されている。また、ムーブアーム22を進退させるために、アームベース21及びムーブアーム22は、適宜の油圧シリンダやエアシリンダとロッドの組み合わせや、あるいはボールネジ機構などからなり、図示しないモータ等にて駆動されるが、ここでは、従来同様に手動でのスイッチ操作等に応じて横方向へセンサブロック23そして探触部31〜33を移動させるようになっている。
【0045】超音波センサ30は、複数設けられ、各々は従来例のもの(実開平5−47010号公報、特開平7−34411号公報、特開平8−108854号公報、特開平8−161042号公報)と同様のもので足りるが、この場合、従来より多い3個が設置されている。何れも(図2参照)、超音波を送信・受信するためにセンサブロック23に取り付けられる探触部31(又は32,33)と、その駆動を行うとともに適宜な温度補償等も加味して超音波送受信状態を計測距離L1(又はL2,L3)に変換して出力する変換部39とを具えていて、各超音波センサ30が、それぞれの探触部31,32,33からそれぞれに該当する反射物までの最短距離をそれぞれ計測距離L1,L2,L3としてマイクロプロセッサシステム40に信号送出するようになっている。
【0046】これらの超音波センサ30の装着に際し、特に探触部31〜33をセンサブロック23に取り付ける際には、総ての探触部31〜33が仮想の鉛直線に乗った状態で縦一列に列設され、一番下の探触部31は超音波射出の中心線を真下にして鉛直に固定され、中間の探触部32は超音波射出の中心線を真下と横外側の水平線との間にして斜めに固定され、一番上の探触部33も超音波射出の中心線を真下と横外側の水平線との間にして斜めに固定される。
【0047】ただし、探触部32,33の傾きに関しては、互いの超音波射出の中心線が探触部31より下方で且つ道路1よりは上方で交叉するよう、例えば縁石2の角2aのところで一致するように、上側の探触部33の方が、それより下の探触部32よりも、鉛直線からの傾斜が小さくされる。アームベース21をボディ11に取り付けたときに探触部31〜33の向きがそうなるように、予めアームユニット20の形状等が定められるとともに、それへの探触部31〜33の取着がなされている。そこで、このような探触部32,33を持った2個の超音波センサ30は、支持部材20の車体11への装着時に車体11の横斜め下方を向く状態で支持部材20に取着されており、しかも、互いの傾き具合が相違するものとなっている。
【0048】また、各超音波センサ30の指向性はほぼ同じで、探触部31の超音波照射円31a(計測範囲),探触部32の超音波照射円32a(計測範囲),探触部33の超音波照射円33a(計測範囲)も同じような円形となるが、上述の取付状態に基づいて、超音波照射円31aは単独で道路1上に来るのに対し、超音波照射円32aと超音波照射円33aは、交叉するところ即ち例えば縁石2の角2aのところで一致する。このような探触部32,33を持った2個の超音波センサ30は、互いの計測範囲が重なるものと言える。
【0049】マイクロプロセッサシステム40は、プログラムを実行するプロセッサに加えて、適宜のプログラム用ROMや、データ用RAM、I/Oインターフェイス等も具備したものであり、各超音波センサ30から計測距離L1,L2,L3を入力するとともに、プログラム処理にて生成した角横変位Cや判定結果Dを上述したアラームユニット51や,スクリード制御部52,操舵制御部53に送出するようになっている。このマイクロプロセッサシステム40には、変位算出ルーチン41〜43及び判定ルーチン44がインストールされている。
【0050】変位算出ルーチン41は、随時、計測距離L1を入力し、適宜の倍率を掛けたり、探触部31のセンサブロック23への取付高さ等に対応した定数を加減するといった演算を行って道路1の路面変位A(縦方向の相対変位)を算出するようになっている。
【0051】また、変位算出ルーチン42は、随時、計測距離L2と計測距離L3とを入力し、適宜の倍率を掛けたり、探触部32と探触部33とが何れも縁石2の角2aからの反射を捉えているという前提で探触部32及び探触部33のセンサブロック23への取付高さの相違等に基づく三角測量的手法を取り入れた演算を行って縁石2の角2aの角縦変位B(縦方向の相対変位)を算出するようになっている。
【0052】さらに、変位算出ルーチン43も、随時、計測距離L2と計測距離L3とを入力し、適宜の倍率を掛けたり、探触部32と探触部33とが何れも縁石2の角2aからの反射を捉えているという前提で探触部32及び探触部33のセンサブロック23への取付高さの相違等に基づく三角測量的手法を取り入れた演算を行うが、こちらは、縁石2の角2aの角横変位C(横方向の相対変位)を算出する。このような変位算出ルーチン43は、横斜め下方向きの変位計32,33の出力L2,L3に基づいて横方向の相対変位を算出する演算手段となっている。
【0053】判定ルーチン44は、変位算出ルーチン41,42が演算を済ませるとその度に、それらから路面変位A及び角縦変位Bを受け取ってその差を算出するとともに、その算出値と縁石2の高さ・段差の上限値および下限値との比較も行う。そして、その算出値が上下限値の間に入っていれば、判定結果Dを肯定的なものにする一方、入っていないときには、判定結果Dを否定的なものにする。このような判定ルーチン44は、総ての変位計31,32,33の出力L1,L2,L3に基づいて得られた縦方向の変位A,Bに基づき演算手段42での算出による横方向の相対変位Cについての適否判定を行う判定手段となっている。
【0054】このようなマイクロプロセッサシステム40の演算によって求められた角横変位Cは、縁石2の段差を基準としたときのアスファルトフィニッシャ10の横方向位置ずれに対応した信号として、マイクロプロセッサシステム40から上述の操舵制御部53及びスクリード制御部52に送出される。また、判定結果Dも上述したように、角横変位Cの適否を示すものとして、操舵制御部53,スクリード制御部52,及びアラームユニット51に送出されるようになっている。
【0055】この第1実施例の位置検出装置および作業用車輌について、その使用態様及び動作を説明する。作業を開始する前にアスファルトフィニッシャ10を縁石2の段差から適切な距離のところに位置させるとともに手動操作にてアームユニット20を横に突き出させるのは従来同様である。もっとも、超音波照射円32a,33aが縁石2の角2a上に来るところまでアームユニット20を伸ばせば足りるので、センサブロック23及び探触部31〜33は、縁石2より内側で道路1の上方に止まり、縁石2の上には至らない。この点、従来と異なる。
【0056】そして、アスファルトフィニッシャ10の走行および作業が開始され、位置検出装置(20+30+40)による計測が行われると、超音波照射円32a,33aが縁石2の角2aを捉えている限り、どの向きから照射された超音波でも逆向きに帰る明瞭な反射成分を生じる角2aから超音波探触部32,33によって的確に超音波エコーが検出され、それらの計測距離L2,L3からマイクロプロセッサシステム40によって角横変位Cが算出され、これに応じて操舵制御部53による自動走行が行われる。そして、アスファルトフィニッシャ10と縁石2の段差との位置ずれが所定範囲内に収められると、縁石2の角2aも超音波照射円32a,33aの中に収まり続けるので、従来と概ね同様に、縁石2を基準としてこれに沿って移動する自動走行状態が継続する。また、それに伴って、角横変位Cに応じたスクリード制御部52による施工範囲の自動拡縮も行われる。
【0057】そして、それと並行して、同じ計測距離L2,L3から角縦変位Bが算出されるとともに、それとは異なる計測距離L1から路面変位Aが求められ、その差すなわち縁石2の段差・高さが適正範囲に収まっているか否かが判定されるが、上述のように超音波照射円32a,33aが縁石2の角2aを捉えている限り、角横変位Cだけでなく角縦変位Bも正確に求まるので、また探触部31が道路1に垂直で計測距離L1及び路面変位Aも正確に求まるので、判定結果Dは肯定的なものとなり、その結果、アラームユニット51から警報が出されることは無く、スクリード制御部52及び操舵制御部53による自動制御も継続される。
【0058】これに対し、縁石2の上方に何らかの障害物が有るような場合、従来では探触部31等が接触して計測不能になったり計測は継続したとしても障害物を縁石2と取り違えて計測結果が不正確になっていたが、この位置検出装置(20+30+40)では、従来と異なり、障害物が道路1の上方まで大きくはみ出て来ない限り探触部31〜33がその障害物に接触することは無い。しかも、縁石2の上方であっても超音波照射円32a,33aと探触部32,33とを結ぶ斜めの領域から障害物が外れてさえいれば、超音波照射円32a,33aは縁石2の角2aを捉えるので、そのような場合でも、正確な計測距離L2,L3が得られる。
【0059】また、運悪く障害物がその領域に入ってしまったような場合には、従来と同様に角横変位Cが不正確なものとなってしまうが、そのときには角縦変位Bも異常に変化する。その一方、障害物に影響されない路面変位Aは変化しない。そして、従来と異なり、そのような路面変位A及び角縦変位Bに応じて、判定結果Dが否定的なものとなるので、操舵制御部53及びスクリード制御部52は角横変位Cに基づく追従を停止する。あるいは抑制する。しかも、アラームユニット51からは警報が発せられ、運転者や作業者が注意深くなるので、適切な対処が早めになされる。こうして、アスファルトフィニッシャ10が縁石2から大きく逸れてしまうのを未然に防ぐことができる。そして、障害物のところを通過後は、速やかに自動走行等が再開される。
【0060】さらに、走行中にアスファルトフィニッシャ10のボディ11が大きく揺れて、探触部31〜33が上下動してしまったために、角縦変位Bだけで縁石2の高さを判定したのでは異常な高さと誤判定してしまいそうな場合でも、角縦変位Bと共に路面変位Aが揃って変化するので、ボディ11等の上下動に起因する両者の変動が差の演算によって相殺され、その結果、そのような場合でも、適切な判定結果Dが得られる。この点も、従来と相違する。
【0061】
【第1実施例の変形例】図3は上述の図1(a),(b)に対応した変形図であるが、そこに図示した作業用車輌および位置検出装置は、次の点で、上述した第1実施例のものと相違している。すなわち、この図3の位置検出装置(20+30+40)では、探触部32と探触部33との距離を広げるために探触部32が最も下に来るとともに、その探触部32に鉛直下方の計測を妨げられないように探触部31が前後にずれている。
【0062】この場合、三角測量の基準となる2点(32,33)間の距離が大きくなり而も2辺(L2,L3)のなす頂角(2a)が広がって鋭角状態が緩和されるので、変位算出ルーチン42,43で生じる演算誤差が抑制される。
【0063】
【第2実施例】本発明の位置検出装置を搭載した作業用車輌の第2実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図4は、(a)が主要機構部の背面図であり、(b)がその平面図であり、(c)が信号処理系等のブロック図である。これは上述した第1実施例の図1に対応しており同一の構成要素には同一の符号を付して示したので、重複する説明は割愛して、以下、相違点を中心に述べる。
【0064】この図4の位置検出装置(20+30+40)が図1のものと相違するのは、探触部33に代えて探触部34が導入されたことと、これに対応して変位算出ルーチン42,43が変位算出ルーチン61,62になったことと、マイクロプロセッサシステム40に新たな追従制御ルーチン71と捕捉制御ルーチン72と選択切換ルーチン73とが追加インストールされたことと、その出力を受ける進退駆動部74も設けられていることである。
【0065】進退駆動部74は、上述したようにムーブアーム22を進退させるためアームユニット20に導入されたシリンダやモータ等からなる機構(駆動機構)に対し、その一部として又は別体の協働物として付加されたものであり、モータを駆動する電気回路やムーブアーム22の進退位置を検出する適宜のセンサ等からなり、マイクロプロセッサシステム40から受けた制御信号に従ってムーブアーム22を進退させるようになっている。これにより、アームユニット20は、変位計31,32,34の保持位置を手動操作だけでなく自動制御によっても可変する駆動機構を具えたものとなっている。
【0066】探触部34は、センサブロック23への取り付けに際し、縁石2の上面であって角2aより外側に当たるところに超音波照射円34aが来るように、探触部33よりも外向きの傾斜で固定される。また、傾斜だけでなく前後方向の設置位置についても変更されており、探触部34は、探触部32より少し前方に設置される。探触部31も前後方向にずらされ少し後方に設置されている。これにより、この位置検出装置(20+30+40)は、3個総ての変位計31,32,34が支持部材20の車体11への装着時に前後方向および横方向へずれたところを向く状態で支持部材20に取着されたものとなっている。
【0067】さらに、この探触部34には、超音波照射円34aを絞るために超音波周波数の調整等を行って指向性を高めたものが採用されていて、これにより、探触部34と探触部32は、互いの計測範囲34a,32aが広狭異なり且つ離れているようなものとなる。探触部34による計測距離L4は、探触部34と縁石2の相対距離を計ったものであるが、超音波エコーの得られる範囲内にある何れかの点との最短距離に対応しており、しかも探触部34が縁石2の上面に対しても傾いていることから、反射が弱くなりやすいうえ、超音波射出の中心線上の反射でなく超音波照射円34aの円弧上の点からの反射が用いられるので、精度が低下しがちなところ、この場合は超音波照射円を絞ることで計測距離L4も必要な精度が確保されるようになっている。なお、超音波照射円34aを絞ってもそれより縁石2の上面が広いので、超音波照射円34aが縁石2から外れる可能性は小さい。
【0068】変位算出ルーチン61は、随時、計測距離L4を入力し、探触部34の傾きが予め判っているので例えば鉛直線からの傾斜をθ4とすれば、式[BB=L4×cos(θ4)]
等の演算を行って、縁石2の上面変位BB(縦方向の相対変位)を算出する。この上面変位BBは、角縦変位Bに代えて判定ルーチン44に引き渡されるようになっている。
【0069】変位算出ルーチン62は、随時、計測距離L2と計測距離L4とを入力し、これらに基づいて縁石2の角2aの角横変位CC(横方向の相対変位)を算出するのであるが、角2aを対象にした計測では傾斜が一定しないため上記の式が利用できないので、探触部32と探触部34との距離をEとすれば、平方根を求める関数ROOT{}も利用して、式[CC=ROOT{(L2×L2)−(BB−E)×(BB−E)}]
等の演算を行う。このような変位算出ルーチン62も、横斜め下方向きの変位計32,34の出力L2,L4に基づいて横方向の相対変位を算出する演算手段となっている。
【0070】追従制御ルーチン71は、随時、角横変位CCに加えて進退駆動部74によるムーブアーム22の進退位置のデータも受け取り、PID制御等の手法によって、センサブロック23と縁石2との距離を一定にするような制御信号を生成ようになっている。この点、ボディ11と縁石2と距離を一定にするような制御を行う操舵制御部53と相違する。また、追従制御ルーチン71の応答性が操舵制御部53のそれよりも可成り高くなっている点でも相違するものとなっている。
【0071】捕捉制御ルーチン72は、随時、計測距離L1,L2,L4を入力し、これらの値が急変した順序に基づいて、縁石2が左右いずれの方向に変化しているかを予測して、その方向へセンサブロック23を移動させるような制御信号を生成するようになっている。なお、その具体的な予測手法は、動作説明の際に例示する。
【0072】選択切換ルーチン73は、判定結果Dに応じて、肯定的な判定のときには追従制御ルーチン71の制御信号を選択し、否定的な判定のときには捕捉制御ルーチン72の制御信号を選択して、それを進退駆動部74に出力するようになっている。そして、このような追従制御ルーチン71,捕捉制御ルーチン72,選択切換ルーチン73のインストールされたマイクロプロセッサシステム40は、変位計31,32,34の出力に基づいて支持部材20の駆動機構を制御する計測位置制御手段であって、横方向の相対変位CCに基づく追従制御に加えて、その追従対象2,2aを捕捉する捕捉制御も行うものとなっている。
【0073】この第2実施例の位置検出装置および作業用車輌について、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明する。図5は、捕捉制御を伴う計測状態を時系列で示した図である。
【0074】上記の第1実施例の動作説明にて述べた、正常時の動作や、障害物に遭遇したときの動作は、超音波照射円34aの位置や角横変位CC等の算出式が異なるものの、この第2実施例の動作等についても概ね当てはまるので、重複する説明は割愛し、以下、縁石2が左右に細かく変化している場合と、縁石2が左右に大きく変化している場合との特徴的な動作について述べる。
【0075】先ず、縁石2が左右に細かく変化している場合、例えば超音波照射円32aの直径を少し上回る程度の振れ幅で頻繁に変化しているような場合、操舵制御部53による自動操舵だけでは、アスファルトフィニッシャ10の大きなボディ11が追従しきれないので、超音波照射円32aが角2aから外れてしまって、基準物を見失い、適切な自動走行を継続できなくなるが、この位置検出装置(20+30+40)ではそのような場合でも適切な自動走行が継続される。
【0076】すなわち、一旦角2aが超音波照射円32a内に捕捉されると、判定結果Dが肯定的となって、追従制御ルーチン71と進退駆動部74との協働によるセンサブロック23の追従制御が行われるので、超音波照射円32aが角2aの変化に速やかに応じて左右に移動し、多少の変化では角2aは超音波照射円32aから逃れることができなくなる。もちろん、これに伴って、超音波照射円34aは縁石2の上面を捉え、超音波照射円31aは道路1の路面を捉え続ける。こうして、この場合も、アスファルトフィニッシャ10による自動走行等が、縁石2を基準として、緩やかではあるが確実に行われる。
【0077】次に、縁石2が左右に大きく変化している場合、例えば超音波照射円32a,34aの範囲を越えるような振れ幅で急峻に右へ変化しているような場合(図5参照)、従来では手動操作による再設定が必須であったが、この位置検出装置(20+30+40)ではそのような場合でも自動走行が継続される可能性がある。
【0078】角2aが超音波照射円32a内に収まるとともに超音波照射円34aが縁石2上面に来ていて適正に自動走行が行われているときに(図5(a)参照)、超音波照射円34aが縁石2から外れると(図5(b)参照)、判定結果Dが否定的になって、操舵制御部53の制御が中断・抑制されてボディ11の過剰反応が防止される。それと同時に、センサブロック23の進退駆動に関しても、追従制御ルーチン71による追従制御が中断され、代わりに捕捉制御ルーチン72と進退駆動部74との協働によるセンサブロック23の捕捉制御が行われる。
【0079】この捕捉制御にあっては、過剰応答を回避する等のために超音波照射円32aも縁石2から外れるのを待ち(図5(c)参照)、それから、右側の超音波照射円34aが先に基準物を見失ったことに対応して右方へセンサブロック23が穏やかに移動する(図5(d)参照)。その際、超音波照射円31aが先に縁石2に当たったときには超音波照射円31aが縁石2から外れるまで移動を中断して外れるのを待って右方への移動を再開するという確認処理も行う(図5(e)参照)。
【0080】そして、超音波照射円34aが縁石2の上面を捉えるとともに、超音波照射円32aが角2aを捉えると(図5(f)参照)、判定結果Dが肯定的なものに戻って、追従制御ルーチン71等による追従制御が再開されるとともに、操舵制御部53等による自動走行も適正に行われる。こうして、縁石2が大きく変化した場合でも、縁石2を基準としたアスファルトフィニッシャ10の自動走行等が、自動で再開され、長距離に亘って継続される。
【0081】また、縁石2が大きく左へ変化したような場合には、計測距離L2の短小化に続けて突然に超音波照射円31aが道路1を見失ったり、さらには超音波照射円31aも縁石2を見失ったりすることとなるので、そのような状況が検知されたときには、左方への移動が試みられる。
【0082】また、上述したように、超音波照射円34aに加えて超音波照射円32aも縁石2から外れるのを待って移動するようにしたり、超音波照射円31aが縁石2から外れるまで移動を中断するようにもしたことにより、過剰に移動してしまうのが未然に防止されるので、縁石2が途中で切れていて前後方向に可成りの隙間が開いているような場合でも、再捕捉が高い率で達成されるのである。
【0083】
【第2実施例の変形例】図6は上述の図4(a),(b)に対応した変形図であるが、そこに図示した作業用車輌および位置検出装置は、次の点で、上述した第2実施例のものと相違している。すなわち、この図6の位置検出装置(20+30+40)では、センサブロック23が縦長でなく寧ろ横長に形成されていて、探触部31,32,34は、ほぼ同じ高さのところで前後方向一列に列ぶ状態でセンサブロック23に取り付けられている。
【0084】図7も上述の図4(a),(b)に対応した変形図であるが、そこに図示した作業用車輌および位置検出装置は、次の点で、上述した第2実施例のものと相違している。すなわち、この図7の位置検出装置(20+30+40)では、変位計の前後方向の位置に関して、探触部31,34が少し前で探触部32だけが後ろに来ている。
【0085】この場合、横方向に関して左右端に位置する超音波照射円31a,超音波照射円34aが、共に、中央の超音波照射円32aより前方に来るので、捕捉制御ルーチン72による予測処理について左右対称の手法が利用できることとなる。
【0086】
【第3実施例】本発明の位置検出装置を搭載した作業用車輌の第3実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図8は、(a)が主要機構部の背面図であり、(b)がその平面図であり、(c)が信号処理系等のブロック図であり、上述した第1実施例の図1および第2実施例の図4に対応している。
【0087】この図8の位置検出装置(20+30+40)は、図1,図4のものが合体して両者の長所を兼備するようになったものであり、センサブロック23には探触部31,32,33,34を持った4個の超音波センサ30が設けられ、マイクロプロセッサシステム40には変位算出ルーチン41,42,43,61及び制御ルーチン等71〜73がインストールされるとともに判定ルーチン44が改造されて判定ルーチン81になっている。
【0088】この場合、探触部34の計測距離L4は上面変位BBに算出に用いられるだけなので、超音波照射円34aは角横変位CCの算出にも用いられるときほど絞られない。むしろ、捕捉制御ルーチン72等による捕捉能力を向上させるために、どちらかといえば広めになっている。
【0089】また、判定ルーチン81は、路面変位Aと角縦変位Bとに加えて上面変位BBという3種の縦方向相対変位を受け取って適否判定を行うようになっているので、変位A,Bだけ或いは変位A,BBだけの場合より、判定の信頼性が向上している。
【0090】そして、追従制御ルーチン71と進退駆動部74との協働による追従制御と、探触部32,33による共に縁石2の角2aを対象とした計測との結合により、超音波照射円32a,33aを或る程度まで絞りこんで超音波エコーの強化を図っても、角2aが確実に捉えられるので、測定精度を更に向上させることができる。
【0091】
【第4実施例】本発明の位置検出装置を搭載した作業用車輌の第4実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図9は、主要機構部の平面図であり、(a)は位置検出装置の支持部材を横方向に展開した状態を示し、(b)は車体側に収めた状態である。この位置検出装置(20+30+40)では、アームユニット20のうちムーブアーム22の部分およびこれに直接関係する部分が、一対のセンサアーム91によって置換されている。
【0092】センサアーム91には、両端が回転可能な平行リンク等が採用されるとともに、それらを水平面内で双方向に回転させる図示しないモータ等も連結されていて、センサブロック23をアームベース21やボディ11側面との平行状態を保ったままで円弧状軌跡上を移動させるようになっている。すなわち、手動操作や進退駆動部74の指示に応じてモータ等の駆動機構が作動すると、車体11寄りのところを中心として支持部材20のうちの変位計取着部分23が所定範囲内で双方向回転するようになっている。
【0093】この場合、アームベース21はボディ11の外側面等に添えるようにして取り付けられるので、運転者の前方視野を妨げること無く簡便に追加装着することが可能となる。そして、センサブロック23をボディ11側へ回転させるとボディ11の横にぴったりと収まる一方、センサブロック23を縁石2側へ回転させると、センサブロック23は縁石2側を向いた状態のままで移動するので、横移動に加えて前後方向の移動も生じるが、変位計31等による相対距離の計測は適切に行われる。当然、進退駆動部74(図8(c)参照)によりセンサブロック23を追従させることも可能である。また、上記の実施例すべてについて(図1〜図8参照)、センサブロック23の追従制御を行わせることができる。
【0094】
【第5実施例】本発明の位置検出装置を搭載した作業用車輌の第5実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図10は、それに用いられている変位計のブロック図である。これが上述した第1実施例のものと相違するのは、超音波センサ30(図2)がそれぞれマイクロ波距離計300になったことである。
【0095】マイクロ波距離計300は(図10参照)、探触部31に代わるアンテナユニット331に一対の送信アンテナ及び受信アンテナが設けられていて両アンテナが探触部31と同じ方向を向くようになっている。また、変換部39に代わる変換部339は、距離測定に適した例えばFM−CWレーダ方式の回路等が採用されて、三角波FM変調を施した送信波を送信アンテナにて発射させ、受信アンテナにて捉えたそのエコーからデジタルシグナルプロセッサ等の適宜な演算にて計測距離L1を得るようになっている。同様に、探触部32付きの超音波センサ30のところにはアンテナユニット332付きのマイクロ波距離計300が置換設置され、探触部33付きの超音波センサ30のところにはアンテナユニット333付きのマイクロ波距離計300が置換設置され、これらのアンテナユニット332,333は、探触部32,33同様、横斜め下方に向けられる。
【0096】この場合、マイクロ波は超音波と同様の又は類似の広がりを伴って放射・照射されることから、第1実施例にて既述したのとほぼ同様にして、路面変位Aや,角縦変位B,角横変位Cと等価な測定結果が得られるので、位置検出装置や作業用車輌の動作等についてもほぼ同様の結果となる。ここで、電波は、マイクロ波に限らず、VHFや,UHF,ミリ波など適宜の周波数帯のものを使用することができる。また、FM−CWレーダ方式に限らず、周波数の近接したCWの2波を同時に送信して反射波エコーのドップラー成分から距離を求める2周波CW方式など他の方式であっても良い。また、送受信アンテナはサーキュレータ(素子)を使用することにより、1個にまとめることも可能である。電波は、超音波と異なり風や気温の影響が少ないので、変動の激しい使用環境の下でも安定した結果が得られる。なお、基準物が木枠など反射強度の小さいものであるときには、高誘電率塗料を塗布したり、高誘電率材料である水分をしみこませたりもすることで、さらに確実にすることができる。また、第1実施例と同様のものに限らず、第2〜第4実施例等と同様にしても良い。
【0097】
【第6実施例】本発明の位置検出装置を搭載した作業用車輌の第6実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図11は、それに用いられている変位計のブロック図である。また、図12(a)は、変位計の走査範囲等を示すための部分背面図である。さらに、図12(b)は、その走査にて得られる典型的なデータのグラフであり、横軸に走査角度θを採り縦軸に距離を採っている。なお、その縦軸位置は、走査角度θがゼロでレーザビームが鉛直下方を向くところに来ている。
【0098】これが上述した第1実施例のものと相違するのは、各超音波センサ30(図2)が一つのレーザスキャン距離計400によって置き換えられたことである。上述した第5実施例の如くそれぞれの超音波センサ30ごとにレーザスキャン距離計400を導入して同様の演算を行うようにしても良いが、この第6実施例では走査式の利点を活用して変位計が少なくても同等かそれ以上の結果が得られるよう更なる工夫が施され、そのため、レーザスキャン距離計400は、横斜め下方向きの複数の変位計に代えて設けられ、車体11の横斜め下方を中心に所定範囲を走査する変位計となっている。
【0099】レーザスキャン距離計400は(図11参照)、探触部31〜33に代わるレーザスキャナ431と、変換部39に代わる変換部439とを具えたものである。レーザスキャナ431は、細く絞ったレーザビームを発するレーザ投光器と、そのレーザビームを高速で走査させるためのガルバノミラー等の走査手段と、反射光を集光するとともに反射位置に対応した像を結ばせるための結像レンズと、結像を電気信号に変換するラインCCDとを具えており、センサブロック23に装着されて(図12(a)参照)、鉛直下方(一点鎖線を参照)より少しボディ11寄り(図では左側)のところから、鉛直下方より大きく外側(図では右側)までの範囲を走査するようになっている。また、変換部439は、走査角度θと結像位置とからデジタルシグナルプロセッサ等の適宜な演算にて各走査角度θごとの計測距離L(θ)を算出するようになっている。
【0100】この場合、レーザスキャン距離計400が所定範囲を走査する度に一連の走査角度θ及び計測距離L(θ)が得られる(図12(b)の太線グラフを参照)。また、その計測距離L(θ)にcos(θ)を乗じて鉛直方向成分(L×cos(θ)、図12(b)の細線グラフを参照)が求まり、計測距離L(θ)にsin(θ)を乗じて水平方向成分(L×sin(θ)、図12(b)の破線グラフを参照)が求まる。そして、鉛直方向成分のグラフにおける平坦部分として路面変位Aおよび上面変位BBに相当するものが現出するとともに、水平方向成分のグラフにおける平坦部分として角横変位Cに相当するものが現出する。
【0101】そこで、それぞれの平坦部分について平均化処理等を施したうえで必要な縦方向の相対変位や横方向の相対変位を求めることで、変極点の値だけから相対変位を決するよりも、かなり安定した測定結果が得られることとなる。こうして、光学式および走査方式の組み合わせとその測定データの特質を活かした演算とにより、少ない変位計でも、より確実な結果を得ることができる。
【0102】ここで、光学系は、レーザに限らず、十分な光量とビームの絞り込みとが可能であれば、発光ダイオード等を用いたものであっても良い。光も電波と同様に風や気温の影響をあまり受けないので、変動の激しい使用環境の下でも安定した結果が得られる。また、この場合も、第1実施例と同様のものに限らず、第2〜第4実施例等と同様にしても良い。さらに、レーザスキャン距離計400は、一個に限定されるもので無く、適宜、複数個・多数個を設置しても良い。なお、ガルバノミラーを用いないで、探触部431を直接回動させる構造とし、走査角度θを検出する方式でも良い。レーザ式変位計を超音波式で行うことも可能である。図4(又は図9)のものにおいて、探触部32と探触部34(又はアーム91)とを左右に揺動させて、探触部32と探触部34との波形相関をとって角部を検出することもできる。
【0103】
【他の変形例】上述した各実施例に共通する変形例について、図13を引用して説明する。同図(a)は上記の図4(a)に対応した変形図であり、同図(b)は道路1と縁石2とによって形成される隅2bやその周りでの超音波や電波の反射状態に関する説明図である。
【0104】この位置検出装置が上述した第2実施例のと相違するのは、探触部32が角2aでなく隅(内角)2bに向けられている点(図13(a)参照)と、それで得られた反射信号に基づいて計測距離L2を求める際に反射信号の始端でなく反射信号の強度が最大・極大のところを検知するようになった点と、それに伴い変位算出ルーチン62での演算式も修正されている点である。すなわち、この場合、第2実施例に示した角横変位CCは、探触部31と探触部34との距離をFとすれば次の式となる。
CC=ROOT{(L2×L2)−(L1+F−E)×(L1+F−E)}
【0105】また(図13(b)参照)、隅2bに当たった超音波等は散乱することなく而も一回の反射で戻って来るので(同図の実線矢印を参照)強い反射が得られるのに対し、そこから外れた超音波等は戻って来ないか戻って来ても複数回反射してからなので(同図の長破線矢印を参照)それほど強い反射は得られない。超音波照射円32a等が或る程度の径(ビーム径)を持っていても、道路1(底面)等からの反射があるので、反射強度は隅2bで最大となる。さらに、角2aに当たった超音波等についてみると、戻るものは一回の反射で戻って来るが、散乱するものも多い(同図の短破線矢印を参照)。そのため、反射信号の強度が最大・極大のところを検知することで、隅2bまでの計測距離L2が正確に得られる。そして、それらに基づいて得られる角横変位CC等も、正確なものとなる。
【0106】こうして、最短距離である角2aに対応する反射信号の始端を検出する代わりに、隅2bを標的にすると共にそこに対応して反射信号の強度が最大になるところを検出するようにしても、適切に、位置検出や作業遂行がなされる。しかも、このような距離測定手法等は、第2実施例のものに限らず、他の実施例のものにも、適用可能である。また、角2aからの反射信号は、通常用いられているゲート等を利用するといった程度のことで、容易に無視することができる。
【0107】
【その他】なお、上記の実施例では、位置検出装置が車輌の右側だけに設けられていたが、位置検出装置は、左側に設けても良く、片側に限らず両側に設けても良い。また、変位計31,32等は、前後上下に限らず、横方向にも、或る程度までなら、ずらして設置しても良い。さらに、上記の実施例では、演算手段や判定手段をマイクロプロセッサのプログラム処理にて具現化したが、汎用のマイクロプロセッサに限らず、デジタルシグナルプロセッサや、ワイヤードロジックなどで具現化しても良い。
【0108】また、上記の第2実施例等では、追従制御や捕捉制御による計測位置制御が、横方向についてのみ行われるようになっていたが、これに限らず、縦方向について行うようにしても良く、できれば横方向および縦方向の何れについても行うと一層良い。また、判定ルーチン44,81は、縦方向の相対変位A,B,BBのみに基づいて処理するようにしたが、これに限らず、縦方向の相対変位A,B,BBに横方向の相対変位C,CCも加えて多様な処理を行い、総合的に判定するようにしても良い。
【0109】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明の第1の解決手段の位置検出装置およびこれを搭載した作業用車輌にあっては、縁石等の基準物よりも車体寄りの内側から位置検出が行われるようにしたことにより、障害物との干渉を減少させることができたという有利な効果が有る。
【0110】また、本発明の第2の解決手段の位置検出装置およびこれを搭載した作業用車輌にあっては、車体寄りの内側から位置検出が行われるとともに、異質な縦方向相対変位に基づいて横方向相対変位の適否判定が的確になされるようにしたことにより、信頼性を損なうこと無く障害物との干渉を減少させることができたという有利な効果を奏する。
【0111】さらに、本発明の第3の解決手段の位置検出装置およびこれを搭載した作業用車輌にあっては、基準物の同じ角から複数の変位計に明瞭な反射が得られるようにもしたことにより、信頼性を損なうこと無く寧ろ信頼性を向上させつつ障害物との干渉を減少させることができたという有利な効果が有る。
【0112】また、本発明の第4の解決手段の位置検出装置およびこれを搭載した作業用車輌にあっては、車体寄りの内側から位置検出が行われるとともに、斜めにずれたところの計測結果に基づいて計測位置が変更されるようにしたことにより、障害物との干渉が少なく而も基準物を的確に捉え続けるものを実現することができたという有利な効果を奏する。
【0113】また、本発明の第5の解決手段の位置検出装置およびこれを搭載した作業用車輌にあっては、斜めにずれたところの計測にて得られた基準物の情報に基づいて捕捉制御等が行われるようにもしたことにより、障害物との干渉が少なく而も基準物を長期に亘って的確に捉え続けるものを実現することができたという有利な効果が有る。
【0114】また、本発明の第6の解決手段の位置検出装置およびこれを搭載した作業用車輌にあっては、基準物の部位ごとに変位計の計測範囲を適合させるようにもしたことにより、障害物との干渉が少なく而も基準物を的確に捉え続けながら正確に計れるものを実現することができたという有利な効果を奏する。
【0115】また、本発明の第7の解決手段の位置検出装置およびこれを搭載した作業用車輌にあっては、車体寄りの内側から位置検出が行われるとともに、位置検出装置の機械的な部分が車体内部の大幅改造無しで車体の横等に装着されるようにしたことにより、障害物との干渉が少なく而も追加搭載も容易なものを実現することができたという有利な効果が有る。
【0116】また、本発明の第8の解決手段の位置検出装置およびこれを搭載した作業用車輌にあっては、縁石等の基準物よりも車体寄りの内側から位置検出が行われるようにしたことにより、障害物との干渉を減少させることができたという有利な効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】598126748
【氏名又は名称】株式会社トキメック自動建機
【識別番号】599059678
【氏名又は名称】相光株式会社
【出願日】 平成12年1月26日(2000.1.26)
【代理人】 【識別番号】100106345
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 香
【公開番号】 特開2001−12936(P2001−12936A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願2000−16991(P2000−16991)