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【発明の名称】 外観検査装置
【発明者】 【氏名】林 謙太

【氏名】西田 真史

【氏名】添田 正彦

【氏名】戸塚 貴之

【要約】 【課題】シートを反転させることなく表裏両面の欠陥を検査できるようにすると共に、シートを入替えることなく共通欠陥をも検査できるようにする。

【解決手段】2枚のシートS1、S2を表裏両面側から画像入力可能な状態で支持するワーク設置ステージ10と、該ステージ10の上方と下方にそれぞれ1台ずつ配されたラインセンサカメラ18と、各ラインセンサカメラ18を対象とする各シートの表面又は裏面の全体から検査画像を入力するために両カメラ18をそれぞれ走査するX軸、Y軸ステージ20、22と、各シートS1、S2について入力された検査画像から欠陥とその発生位置を検出する画像処理装置とを備えた外観検査装置とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】複数のシート状ワークを表裏両面側から画像入力可能な状態に支持するワーク支持手段と、該ワーク支持手段の上方と下方にそれぞれ1台以上ずつ配されたラインセンサカメラと、対象とする各シート状ワークの表面又は裏面から検査画像を入力するために各ラインセンサカメラをそれぞれ走査する走査手段と、各シート状ワークについて入力された検査画像から欠陥とその発生位置を検出する画像処理手段とを備えていることを特徴とする外観検査装置。
【請求項2】請求項1において、前記シート状ワークが2枚であり、前記ラインセンサカメラが前記ワーク支持手段の上方と下方にそれぞれ1台ずつ配されていることを特徴とする外観検査装置。
【請求項3】請求項1において、前記ラインセンサカメラにエリアセンサカメラが併設され、該エリアセンサカメラを前記シート状ワークの表面又は裏面の任意の位置に移動させる移動手段と、移動させた位置で同エリアセンサカメラにより入力した画像を表示するモニタ手段とが兼備されていることを特徴とする外観検査装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、外観検査装置、特にシート状ワーク間で同一位置に発生している共通欠陥を検出する際に適用して好適な、外観検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】所定の加工処理により製造されるシート状ワーク(以下、単にシートともいう)には、材料等に起因するシート毎に異なる欠陥の他に、加工条件等に起因して各シートにつき同一位置に発生する共通欠陥がある。
【0003】このようなシートの欠陥検査に適用される装置としては、図17にイメージを示すように、上方(表面側)に配された1台のカメラからなる検査部により1枚のシート(図示せず)を検査する、光学系、画像処理部が各1組で構成されたものと、同様に図18に示すように、上方と下方(裏面側)に配された各1台の検査部により1枚のシートを検査する、光学系、画像処理部が各2組で構成されたものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記図17に示した1台の検査部を有する装置では、光学系の調整は容易であるものの、シートの裏面を検査するためには、シートを反転させる機構が必要となり、他のシートに発生している共通欠陥を検出するためには、シートの入替えが必要である上に、同時にその存在を検出することができないために、効率が悪いという問題がある。
【0005】又、前記図18の検査部が上下に1台ずつ配された装置では、1台のみの場合と異なり、シート裏面を検査するための反転機構は不要であるが、他のシートとの間の共通欠陥を検出するためには、同様にシートの入替えが必要であるという問題がある。
【0006】本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、シートを反転させることなく、表裏両面側からの欠陥を検査することができると共に、シートを入替えることなく他のシートと同位置に発生している共通欠陥をも検査することができる外観検査装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、外観検査装置において、複数のシート状ワークを表裏両面側から画像入力可能な状態に支持するワーク支持手段と、該ワーク支持手段の上方と下方にそれぞれ1台以上ずつ配されたラインセンサカメラと、対象とする各シート状ワークの表面又は裏面から検査画像を入力するために各ラインセンサカメラをそれぞれ走査する走査手段と、各シート状ワークについて入力された検査画像から欠陥とその発生位置を検出する画像処理手段とを備えた構成とすることにより、前記課題を解決したものである。
【0008】即ち、本発明においては、支持手段により支持された複数のシート(シート状ワーク)について、それぞれ上方と下方に配されたラインセンサカメラにより表面側と裏面側の画像を入力できるようにしたので、反転させることなく各シートの両面を検査できると共に、シートを入替えることなくシート間で同一位置に生じている共通欠陥をも自動検査することができる。
【0009】例えば、図1に2枚のシートS1、S2の場合について、そのイメージを示したように、黒点で示す欠陥を各シート毎に個別に検出できると共に、それぞれ下に拡大して示したように、両シートS1、S2における同一位置に発生している共通欠陥をも検出することができる。
【0010】
【発明実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】図2は、本発明に係る第1実施形態の外観検査装置の要部構成を示す概略正面図、図3はその概略平面図である。
【0012】本実施形態の外観検査装置は、2枚のシート状ワークS1、S2を、それぞれ表裏両面側から画像入力可能な状態に支持するワーク設置ステージ(ワーク支持手段)10と、該ステージ10の上方と下方にそれぞれ1台ずつ配された表面検査部12、裏面検査部14とを備えている。なお、ここで検査対象とする上記シート状ワークとしては、例えばエッチング後の切り離す前のリードフレームがある。
【0013】上記両検査部12、14は、いずれも支持部材16に固定されたラインセンサカメラ18と、対象とする各シート状ワーク(シート)S1、S2の表面又は裏面の全体から検査画像を入力するために、前記支持部材16をX方向、Y方向に移動させることにより、各ラインセンサカメラ18をそれぞれ走査する上下各1組のX軸ステージ20とY軸ステージ22(走査手段)と、各シートS1、S2についてそれぞれ入力された検査画像から欠陥とその発生位置を検出する画像処理装置とを備えている。この画像処理装置については後述する。
【0014】表面検査部12と裏面検査部14とは、撮像する方向が逆になるだけで機能的には同一であるので、便宜上前者12について説明すると、上記ラインセンサカメラ18は、図3にシートS1、S2の表面側について示したように、X軸ステージ20による図中横方向の太い矢印で示したX方向の移動と、Y軸ステージ22による縦方向の太い矢印で示したY方向の移動とにより、細い矢印で示したようにラインセンサカメラ18を両方向に走査しながら画像入力することにより、該カメラ18の視野に相当する大きさでシートS1の全体から、次いでシートS2の全体から順次検査画像を取り込むようになっている。
【0015】又、上記外観検査装置では、前記ラインセンサカメラ18が固定されている支持部材16にエリアセンサカメラ24が付設(併設)され、該エリアセンサカメラ24を前記両シートS1、S2の表面又は裏面の任意の位置に、同じく前記X軸ステージ20、Y軸ステージ22により移動させるようになっている。図4は、上記図3と同一の方向から見た平面図であり、上記X、Yの両軸ステージ20、22により矢印で示したように、任意の欠陥位置(黒点)にエリアセンサカメラ24が移動され、移動された位置で該カメラ24により欠陥を拡大した画像として撮像(入力)し、その画像が後述するモニタに目視確認用として表示されるようになっている。
【0016】本実施形態について更に詳述すると、前記ワーク設置ステージ10は、図5にその平面図を示すように、2枚の透明なガラス10Aが嵌め込まれた枠体からなり、載置されるシートS1、S2がそのガラス10Aの周囲の所定位置に設置されているピン10Bに手動で押し当てることにより、位置決めされるようになっている。
【0017】又、前記ラインセンサカメラ18とエリアセンサカメラ24には、それぞれ照明装置26、28が付設されている。照明装置26は、図6に拡大して示したように、いわゆる同軸落射照明であり、図示しない光源に連結された光ファイバ26Aから照射光が入射されると、該照明光がハーフミラー26Bにより反射され、シートSの表面を照明するようになっている。一方、エリアセンサカメラ24の照明装置は、リングライト(図示せず)である。
【0018】図7には、本実施形態の外観検査装置全体の概略を、1組ずつのラインセンサカメラ18とエリアセンサカメラ24等を含む表面検査部12と裏面検査部14の各可動部12A、14Aをそれぞれ1つのボックスで、又、X軸ステージ20、Y軸ステージ22はそれぞれ矢印で簡略化して示した。この図に示されるように、この外観検査装置には、ワーク設置ステージ10の上方と下方には、前記可動部12A、14Aをそれぞれ走査して各ラインセンサ18から入力される検査画像のデータから欠陥を検出すると共に、ステージ10上の座標で与えられる欠陥位置を算出する演算を実行する画像処理装置30と、前記エリアセンサカメラ24により撮像された欠陥の拡大画像を表示する目視確認用モニタ32とが設置されている。
【0019】又、上述した外観検査装置全体は、制御部34により制御されると共に、該制御部34はホストパソコン36により管理されるようになっている。図8には、上記検査装置全体の制御系をブロック図で示した。この図8では、表面側と裏面側のそれぞれの検査部12、14で、いずれも前記モニタ32には、エリアセンサカメラ24のみが接続されているが、前記ラインセンサカメラ18からの画像が画像処理装置30を介して入力され、該モニタ32に表示されるようにしてもよい。
【0020】次に、図9のフローチャートに従って、本実施形態の作用を説明する。まず、ラインセンサカメラ18による画像データの取込みを開始し、該カメラ18を前述したように1つのシートの表面又は裏面に沿って走査し、所定の範囲の画像を取り込む(ステップ1、2)。この画像取込みでは、対象表面が貫通していない微小な穴(凹部)を欠陥として検出する場合は、同軸落射照明を使用していることから、欠陥部が暗い画像領域として得られる。
【0021】所定範囲、即ち前記図2に示したように、最初に表面検査部12でシートS1を、裏面検査部14でシートS2をそれぞれ検査する場合は、シートS1の表面全体、シートS2の裏面全体の画像データの取込みが完了したら、得られた画像に対して平滑化処理によるノイズ除去や、位置補正等の前処理を行う(ステップ3)。
【0022】ここで行う位置補正としては、図10に取込まれた検査画像のイメージを示したように、その中に特徴的なパターン(ここでは長方形)がある場合、1つのコーナーの座標値が既知(X0,Y0)である場合、検査画像から得られた座標が(X,Y)であったとすると、{(X,Y)−(X0,Y0)}の補正量を基に、それぞれX方向、Y方向の位置を補正する。この補正により、欠陥の位置精度が高くなるので、共通欠陥の判定の精度を上げることができる。
【0023】以上の前処理が終わった後、検査画像を予め設定してある閾値を用いて2値化し、その2値画像に対して欠陥に相当する黒の領域をラベリングし、そのラベリング領域の面積等を算出してその領域について欠陥であるか否かの判断を行う(ステップ4、5)。
【0024】このように、シートS1の表面、シートS2の裏面についてそれぞれ検査を終了したら、前記図2に矢印で示したように、表面検査部12と裏面検査部14の位置を入替え、検査部12でシートS2の表面側を、検査部14でシートS1の裏面側について、上記ステップ1〜ステップ5の処理を行って同様に良否の判定を行い(ステップ6)、その後、シートS1、S2それぞれについて得られた欠陥座標を元に、同一位置に欠陥があるか否かを判定し、共通欠陥の検出を行う(ステップ7)。
【0025】この共通欠陥の検出について詳述すると、今シートS1、S2で注目している欠陥の座標(例えば、その重心位置の座標)が図11に示すように、(X1,Y1)、(X2,Y2)であったとすると、両者が同一位置であるか否かの判定には、X方向、Y方向のそれぞれに一定の誤差:εx、εyを許容し、−εx<(X1−X2)<εx、且つ−εy<(Y1−Y2)<εyの場合に共通欠陥と判定するようにしてもよい。
【0026】又、共通欠陥の検出は、図12に、便宜上欠陥を白で表わしたシートS1、シートS2に関する2値画像(A)、(B)を示したように、欠陥画像そのものの重なりを見る、即ちAND処理を行ってよい。又、その際、欠陥事体ではなく、欠陥の外接四角形(図示せず)の重なりを見るようにしてもよい。
【0027】更に、欠陥が多少ずれても同一位置にあると判断できるようにするために、図13に欠陥部のみを拡大して示したように、AND処理の前に、許容範囲に相当する画素数分の膨張処理を施すことにより、ある程度大きな位置ずれが生じていても、許容できるようにしてもよく、これは同様に図示しない外接四角形に対して行ってもよい。
【0028】以上詳述した如く、本実施形態では、2枚のシートS1、S2を所定の位置に載置し、上下にそれぞれ配されたラインセンサカメラ、即ち表面、裏面の2台の検査部12、14を使用して、検査部12により、一方のシートS1の表面の検査を行っている時には、検査部14は他方のシートS2の裏面の検査を行い、それぞれ片面の検査が終了した後、カメラを反対のシート側に移動させ、残りの面の検査を行うというように、交互に検査を行うことにより、両面の検査を容易に行うことができる。従って、各シートの検査終了後には、得られた欠陥の座標値を元に共通欠陥を検出することができる。
【0029】又、図14に前記図17、18と同様のイメージで検査部の配置を示したように、本実施形態の特徴としては、光学系と画像処理部はそれぞれ2組あればよい上に、シート反転機構が不要であり、2枚のシートの同じ面は共通の光学系で検査するため、細かい調整が不要であることから、光学系の調整が容易であり、しかもシートの入替えも不要である。更に、上下にそれぞれエリアセンサカメラ24が配置されているので、2シート間の任意の位置の目視確認作業を同時に行うことも可能である。
【0030】通常、反転機構や光学系の複数構成はコストアップの要因となる。又、少なくとも同じ面を共通の光学系により検査を行った方がその調整も容易で、検査結果の信頼性も高くなる。このような点を考慮すると、本実施形態の検査装置は、作業性、メンテナンス性、装置コストの面でも極めて優れている。
【0031】図15には、比較のために、2つの検査部を共に上方に配する場合のイメージを示した。このような配置にする場合は、本実施形態と同様に光学系、画像処理部はそれぞれ2組で足りるが、表面のみしか画像入力できないため、シートの左右の入替えは不要であるが、シート反転機構が必要である。その上、カメラ、光源等が同一の製品でも固体差があるため、2組の検査部で同じ性能を出すためには細かい光学系の調整が必要となる。又、2シート間の任意の位置の目視確認作業が可能ではあるが、反転作業を複数回行う必要があるため、作業性が悪い。
【0032】以上詳述した如く、本実施形態によれば、シート両面の欠陥検査と、シート間で同じ位置に発生する共通欠陥の検出と、欠陥の拡大表示による目視確認の各作業を、1台の検査装置により効率良く行うことができる。
【0033】次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。
【0034】図16は、本実施形態の外観検査装置の特徴である検査部の配置のイメージを示したもので、本実施形態の検査装置は、2枚のシートに対してそれぞれ表裏両面側より実質的に同時であっても画像入力できるようにしたものである。
【0035】この装置は、第1実施形態に比較して、光学系、画像処理部は2倍の各4組必要となり、その上、光学系の調整も必要となるが、同様にシートの入替えも、シートの反転機構も不要である上、2シート間の任意の位置に目視確認作業も可能であり、しかも処理時間は実質上半分で済むという利点がある。なお、シートがリードフレーム等の貫通孔パターンが形成されているワークの場合は、表裏両面で同一位置を画像入力すると、光学系(照明)が互いに干渉するため撮像できないことから、このような場合には干渉しない程度に位置をずらして走査することにより、ほぼ同時に検査を行うことができる。
【0036】以上、本発明について具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に示したものに限られるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0037】例えば、前記第1実施形態の検査装置でも、表裏両面で光学系が干渉しないようなワークであれば、あるいは干渉しない程度に離して走査すれば、同一シートの両面を実質的に同時に検査し、その後、他方のシートの検査を行うようにすることもできる。
【0038】又、前記実施形態ではシートが2枚の場合を示したが、これに限らず、3枚以上であってもよい。
【0039】又、前記実施形態では、ラインセンサカメラ18を走査する走査手段と、エリアセンサカメラ24を移動させる移動手段が共にX軸ステージ20、Y軸ステージ22で構成されている場合を示したが、これに限定されず、異なる手段を用いるようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、シートを反転させることなく表裏両面の欠陥を検査することができると共に、シートを入替えることなく、他のシートと同一位置に発生している共通欠陥をも検査することができる。
【出願人】 【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
【出願日】 平成11年6月30日(1999.6.30)
【代理人】 【識別番号】100080458
【弁理士】
【氏名又は名称】高矢 諭 (外2名)
【公開番号】 特開2001−12931(P2001−12931A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願平11−185213