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【発明の名称】 表面欠陥検査装置
【発明者】 【氏名】永田 壮司

【要約】 【課題】低光沢部材の表面欠陥検査装置として小型、軽量化したものを提供する。

【解決手段】外部に設けられた光源と、光源からの光を導く光ファイバー105と、一つのケーシング101内に収められ、光ファイバー105によって導かれた光を照射するライトガイド107と、照射された光をストライプ光にするスリット部材109と、ストライプ光を所定の方向へ導く第1の反射鏡111と、ストライプ光を疑似的に無限遠から投影された光とするためのルーペ113と、ストタイプ光を被検査面1とストライプ光の光軸とのなす角が1〜15度の角度で被検査面1に投影されるように、ストライプ光を導く第2の反射鏡115と、被検査面1から反射したストライプ光を所定の方向へ導く第3の反射鏡117と、第3の反射鏡によって導かれた光を受光して、被検査面1を撮像するCCDカメラと、を有することを特徴とする表面欠陥検査装置100。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検査面にストライプパターンを投影し、該投影されたストライプパターンを撮像手段により撮像して、被検査面の表面欠陥を検査する表面欠陥検査装置において、前記ストライプパターンの光軸と前記被検査面とのなす角が1〜15゜となるように前記ストライプパターンを前記被検査面に投影する反射鏡と、前記被検査面からの正反射光を前記撮像手段へ導く反射鏡と、を有することを特徴とする表面欠陥検査装置。
【請求項2】 前記ストライプパターンは、前記表面欠陥検査装置の外部に設けられた光源から光を導いて形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の表面欠陥検査装置。
【請求項3】 前記反射鏡は表面鏡であることを特徴とする請求項1記載の表面欠陥検査装置。
【請求項4】 外部に設けられた光源と、該光源からの光を導く光ファイバーと、一つのケーシング内に収められ、前記光ファイバーによって導かれた光を所定の方向に照射するライトガイドと、該ライトガイドから照射された光を所定のストライプ光にするスリット部材と、該スリット部材により形成されたストライプ光を所定の方向へ導く第1の反射鏡と、該第1の反射鏡からのストライプ光を、疑似的に無限遠から投影された光とするためのルーペと、該ルーペを通過したストライプ光を、該ストライプ光の光軸と被検査面とのなす角が1〜15゜で被検査面に投影されるように、該ストライプ光を導く第2の反射鏡と、前記被検査面に投影されストライプ光を、前記被検査面の正反射方向から所定の方向へ導く第3の反射鏡と、該第3の反射鏡によって導かれた光を受光して、前記被検査面を撮像する撮像手段と、を有することを特徴とする表面欠陥検査装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車のバンパーなどの樹脂成形品の表面欠陥を検査するための装置に関し、特に、表面光沢の低い部材の表面欠陥を検査するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のバンパーなどの樹脂成形品は、製造時の条件によって、部品の表面に、いわゆる波打ち状態と呼ばれる欠陥(以下、ここでは「波打ち欠陥」という)が生じることがある。このような波打ち欠陥は、製品の見映えを悪くするため、通常、塗装前の検査工程において、そのチェックを行うようにしている。
【0003】従来、このような塗装前の樹脂形成品の表面欠陥を検査するための検査装置としては、例えば特開平10−300446号公報には、ストライプパターンを、投影角度を変えることのできる照明手段によりバンパー面に投影し、投影されたストライプパターンをCCDカメラで撮像して、最も明るく写る角度のときに撮像されたストライプ画像から、ストライプの歪みを検出し、波打ち欠陥を捕える技術が開示されている。
【0004】この公報記載の技術は、塗装前の樹脂形成品の場合、その表面光沢が低いことから、ストライプ光の被検査面における反射が低いため、これを最もよく捕らえるができるように、ストライプパターンの投影角度を可変としたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公報において用いられている装置では、ストライプパターンを照明手段により直接被検査面に投影していることから、投影角度を低くすることを考慮した場合、照明手段やCCDカメラがバンパー面と干渉しないように、これらを投影ポイントから遠い位置に配設しなければならなず、どうしても装置が大型化してしまい使いづらいといった問題があった。
【0006】本発明の目的は、低光沢部材の表面欠陥を検査するための装置として、小型、軽量化した表面欠陥検査装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記する手段により達成される。
【0008】(1)被検査面にストライプパターンを投影し、該投影されたストライプパターンを撮像手段により撮像して、被検査面の表面欠陥を検査する表面欠陥検査装置において、前記ストライプパターンの光軸と前記被検査面とのなす角が1〜15゜となるように前記ストライプパターンを前記被検査面に投影する反射鏡と、前記被検査面からの正反射光を前記撮像手段へ導く反射鏡と、を有することを特徴とする表面欠陥検査装置。
【0009】(2)前記ストライプパターンは、前記表面欠陥検査装置の外部に設けられた光源から光を導いて形成されたものであることを特徴とする。
【0010】(3)前記反射鏡は表面鏡であることを特徴とする。
【0011】(4)外部に設けられた光源と、該光源からの光を導く光ファイバーと、一つのケーシング内に収められ、前記光ファイバーによって導かれた光を所定の方向に照射するライトガイドと、該ライトガイドから照射された光を所定のストライプ光にするスリット部材と、該スリット部材により形成されたストライプ光を所定の方向へ導く第1の反射鏡と、該第1の反射鏡からのストライプ光を、疑似的に無限遠から投影された光とするためのルーペと、該ルーペを通過したストライプ光を、該ストライプ光の光軸と被検査面とのなす角が1〜15゜で被検査面に投影されるように、該ストライプ光を導く第2の反射鏡と、前記被検査面に投影されストライプ光を、前記被検査面の正反射方向から所定の方向へ導く第3の反射鏡と、該第3の反射鏡によって導かれた光を受光して、前記被検査面を撮像する撮像手段と、を有することを特徴とする表面欠陥検査装置。
【0012】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、請求項ごとに以下のような効果を奏する。
【0013】請求項1記載の本発明によれば、反射鏡を用いてストライプパターンを被検査面へ投影することとしたので、ストライプパターンの光軸と被検査面とのなす角が1〜15゜と低い角度であっても、ストライプパターンを直接被検査面へ投影する場合と比較して、装置を小型化することができる。
【0014】請求項2記載の本発明によれば、光源を外部に設けたことで、装置の軽量化を図ることができる。
【0015】請求項3記載の本発明によれば、反射鏡として表面鏡を用いたことで、ガラス製の通常の鏡のように表面と裏面との2重反射がなく、鮮明な画像を得ることができる。
【0016】請求項4記載の本発明によれば、光源を外部に設けて光ファイバーにより導くことで、装置の軽量化を図ることができ、また、複数の反射鏡によりストライプ光を被検査面へ投影しているので、ストライプ光の光軸と被検査面とのなす角が1〜15゜と低い角度であっても、装置を小型化することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。
【0018】図1は、本発明を適用した表面欠陥検査装置のシステム構成図である。
【0019】この装置は、大別して、センサヘッド100と、電源ボックス200と、パソコン300とから構成されている。
【0020】センサヘッド100は、検査員による持運びが可能な小型軽量の可搬型センサヘッドであって、バンパー面1(被検査面)上に所定のストライプパターンを投影し、そのストライプパターンを正反射方向から撮像する機能を有している。
【0021】図2は、このセンサヘッド100の構成図である。
【0022】センサヘッド100は、ケーシング101内に、光軸103を基準として配列した光学系として、順に、外部に配置された光源(電源ボックス内部)から光ファイバー105を介して伝搬された光を照射するライトガイド107と、ライトガイド107から照射された光を面状のストライプパターンの光(ストライプ光)に変換するスリット部材109と、スリット部材109からのストライプ光を次のルーペの方向に反射させる第1の反射鏡111と、ストライプパターンが疑似的に無限遠から投影されているようにするためのルーペ113と、ルーペ113を通過したストライプ光をバンパー面1の方向に反射させる第2の反射鏡115と、バンパー面1からの反射光を次のCCDカメラの方向に反射させる第3の反射鏡117と、第3の反射鏡117を介してバンパー面1上に投影されたストライプパターンを撮像するCCDカメラ119とを有している。
【0023】センサヘッド100の上記光学系は、センサヘッド100がバンパー面1にセットされた状態において、バンパー面1と光軸103とのなす角が、10°となるように構成されている。これは、後述するように、被検査面に投影されたストライプパターンをCCDカメラによって最も明るく、かつ、確実に撮像できる最も好ましい角度となるようにしたものである。
【0024】このために、本実施形態では、反射鏡111,115によってスリット部材109からのストライプ光を被検査面へ投影している。また、バンパー面1に投影されたストライプパターンは、その正反射方向から撮像するため、すなわち、バンパー面1と反射光の光軸とのなす角が10゜となるように、CCDカメラ119方向へ導く第3の反射鏡117によってCCDカメラ119方向へ導いている。
【0025】反射鏡111,115,117は、いずれもアルミニウム製部材の表面を鏡面研磨加工して表面鏡としたものである。これにより、複数の反射鏡を用いた場合でも装置を軽量化することができると共に、反射鏡として通常のガラス鏡を用いた場合と比較して、反射画像を鮮明にすることができる。なお、アルミニウム製部材に代えて、その他の金属部材やガラスの表面にアルミニウムを蒸着して鏡面としたものでもよい。
【0026】スリット部材109は、例えば、縦方向の黒色のストライプを横方向に等間隔で施して白色と黒色の各ストライプに同じ幅を持たせたストライプパターンの光を形成する。
【0027】ルーペ113は、主に凸レンズによって構成されたレンズ系であり、ストライプパターンを疑似的に無限遠から投影されているようにすることで、スリット部材とバンパー面1との実際の距離を長くすることなく、バンパー面1に投影されたストライプパターン像の拡大率(被検査面に拡大されるストライプ像の大きさの割合)を大きくし、これを撮像したときの感度を向上させるものである。
【0028】CCDカメラ119は、センサヘッド100の小型軽量化を図るため、CCDエリアイメージセンサ素子(以下、CCD素子と称する)と、このCCD素子の全面に配置された撮像のためのレンズと、CCD素子からの電気信号をビデオ信号として外部へ出力するための増幅回路と、から構成されており、CCD素子を駆動するために駆動信号を供給する駆動装置は、電源ボックス200内に配置されている。また、CCDカメラ119は、光学的に遠くにあるストライプパターンを撮像できるよう、遠方にピントが合わされている。
【0029】センサヘッド100の底面には、このセンサヘッド100をバンパー面1に対して所定の位置(と姿勢)にセットするための複数の脚部121が設けられている。すなわち、検査員がセンサヘッド100を手に持って脚部121をバンパー面1に当接させることで、センサヘッド100はバンパー面1に対して所定の位置(と姿勢)にセットされる。
【0030】電源ボックス200には、図示しないが、電源のほか、光源やCCDカメラ119の駆動装置などが収納されている。したがって、電源ボックス200内の光源からの光は、光ファイバー105によりライトガイド107に伝搬されており、また、電源ボックス200とCCDカメラ119とは、駆動信号をCCD素子へ供給するための信号線とCCD素子から出力されたビデオ信号を伝送するビデオケーブルが一体化した専用線123により接続されている。
【0031】パソコン300は、電源ボックス200の動作を制御するほか、撮像されたバンパー面1上のストライプパターンの画像データを取り込み、取り込んだ画像を中間処理(例えば、二値処理やフィルタ処理)し、ストライプ画像(ストライプパターンの画像)の解析を行うことで、バンパー面1の波打ちランクを判定し、その結果を表示する。また、取り込んだ画像を保存する機能も有している。
【0032】以下、被検査面であるバンパー面1に対するストライプ光の投影角度について説明する。
【0033】図3は、ストライプ光の投影角度(ストライプ光の光軸と被検査面とのなす角)を変えて、バンパー面1に対しストライプ光を投影し、バンパー面1からの正反射方向から撮像したときのストライプ画像を示す図面である。この図において、図3Aは投影角度20゜、図3Bは投影角度15゜、図3Cは投影角度10゜である。
【0034】図3Aに示すように、投影角度が20゜のときには、バンパー面1の光沢が低いために、全くストライプ画像が得られていない。これに対し、図3Bに示す投影角度15゜のときには、ストライプ画像を撮像することができている。しかし、画像処理、特に2値化処理の影響で、コントラストが余り高くなく、またストライプ像も余りはっきりと出ていない。そして、図3Cに示すように、投影角度10゜のときには、充分コントラストの高いストライプ画像を得ることができている。
【0035】これらの結果から、ストライプ光の投影角度は、15゜以下、好ましくは10゜以下であることが分かる。
【0036】本実施形態では、先に説明したように反射鏡113および115によって、ストライプ光を折り返させて、被検査面に投影し、かつ被検査面での正反射を反射鏡117によりCCDカメラへ導いている。これにより、照明手段やカメラなどが被検査面と干渉することなく、センサヘッドの小型化に成功したものである。
【0037】なお、投影角度の下限については、被検査面に対してストライプ光を投影できる角度であればいかようなものでもよく、例えば1゜でも、反射鏡を用いることで、装置を大きくすることなく可能である。
【0038】以上本発明を適用した実施形態について、パンパー面を例に説明したが、本発明は、バンパー面の検査に限定されるものではなく、光沢の低い樹脂成形品一般についても適用可能である。
【出願人】 【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
【出願日】 平成11年6月28日(1999.6.28)
【代理人】 【識別番号】100072349
【弁理士】
【氏名又は名称】八田 幹雄 (外3名)
【公開番号】 特開2001−12930(P2001−12930A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願平11−181322