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【発明の名称】 形状変化測定装置
【発明者】 【氏名】小柳 能伸

【要約】 【課題】簡易な設備で、しかも被測定体の形状変化を高い精度で測定することが可能な形状変化測定装置を提供する。

【解決手段】形状変化が測定される被測定体(前照灯)HLに対してレーザ光L1〜L3を投射するレーザ発光装置31〜33と、前照灯HLの各部で反射したレーザ光L1〜L3を受光し、その光軸位置の変化を検出するレーザ受光処理装置40とを備える。レーザ受光処理装置40は、反射レーザ光L1〜L3を受光する受光素子41と、受光素子41の受光出力に基づいて受光素子41を反射レーザ光L1〜L3の光軸位置に追従移動させて各光軸位置を検出し、かつ検出した光軸位置を経時的に記憶しかつその移動軌跡を表示するコンピュータ44等を備える。検出された反射レーザ光L1〜L3の光軸位置の変動に基づいて、前照灯HLのレーザ光の反射箇所における形状変化を判定し、さらに前照灯HL全体の形状変化を認識することが可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 形状変化が測定される被測定体に対してレーザ光を投射するレーザ発光装置と、前記被測定体で反射された反射レーザ光を受光し、その光軸位置の変化を検出するレーザ受光処理装置とを備え、前記レーザ受光処理装置は、前記反射レーザ光を受光する受光素子と、前記受光素子の受光出力に基づいて前記受光素子を前記反射レーザ光の光軸位置に追従移動させる移動手段と、前記受光素子の移動位置を経時的に記憶しかつその移動軌跡を表示する手段とを備えることを特徴とする形状変化測定装置。
【請求項2】 前記受光素子を追従移動させる手段は、前記反射レーザ光の光軸方向とほぼ直交する方向に配置されて前記反射レーザ光が投射される基板と、前記基板の表面上でXY方向に移動可能な可動テーブルを含むXY移動機構部を備え、前記受光素子は前記可動テーブルに搭載され、前記基板の表面上でXY移動可能に構成していることを特徴とする請求項1に記載の形状変化測定装置。
【請求項3】 前記受光素子は複数の受光部として分割されたフォトセンサで構成され、分割された各受光部の受光出力を演算して前記反射レーザ光の光軸位置を検出するように構成していることを特徴とする請求項1または2に記載の形状変化測定装置。
【請求項4】 前記被測定体は車両用の灯具であり、前記車両用灯具の灯具ボディ、リフレクタ等の光照射特性に影響を与える箇所の形状変化を測定することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の形状変化測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被測定物の形状や寸法等の形状変化を測定するための装置に関し、特値レーザ光を利用して非接触で形状変化を測定するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の前照灯等の灯具では、灯具を自動車に装備する際には、当該灯具の光軸方向や光照射領域を所定の方向、領域に正しく向けて設定することが要求されている。しかしながら、近年の灯具は、灯具ボディ、リフレクタ、レンズ等の光軸方向の設定に影響を与える部品を樹脂で形成することが多いため、環境温度変化によってこれらの部品が熱膨張、あるいは熱収縮する等して変形し、結果として灯具の一部あるいは全体が変形し、灯具の光軸方向を変化させてしまうことがある。そのため、このような形状変化に伴う光軸方向の変動の少ない灯具を開発するには、灯具における形状変化を測定し、その形状変化が少なくなるように各部品、ないし灯具を設計することが必要となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような、形状変化による光軸方向の変動を測定するには、例えば灯具を恒温槽内に配置し、灯具を点灯させてその光軸位置を検出するとともに、恒温槽の温度を変化させながら検出した光軸位置の変動を検出することが考えられる。しかしながら、この測定方法では、光軸の変動は検出できても、灯具の各部がどの程度変形したのかを検出することは困難であり、灯具の形状変形の原因を把握することは困難である。また、灯具の一部あるいは全体の形状変化を測定する他の技術として、写真技術を用いて灯具を撮影し、その形状が変化する前後の撮影画像をデータとしてコンピュータに取込み、ここで画像解析して形状変形を測定する技術も考えられているが、測定装置が大がかりになるともに高価であり、しかも恒温槽内にいれた状態で撮影を行うためには恒温槽も撮影が可能な特殊構造のものが必要になり、この面からも測定装置が高価格になることは避けられない。
【0004】本発明の目的は、簡易な設備で、しかも被測定体の形状変化を高い精度で測定することが可能な形状変化測定装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の形状変化測定装置は、形状変化が測定される被測定体に対してレーザ光を投射するレーザ発光装置と、前記被測定体で反射した反射レーザ光を受光し、その光軸位置の変化を検出するレーザ受光処理装置とを備え、前記レーザ受光処理装置は、前記反射レーザ光を受光する受光素子と、前記受光素子の受光出力に基づいて前記受光素子を前記反射レーザ光の光軸位置に追従移動させる移動手段と、前記受光素子の移動位置を経時的に記憶しかつ移動軌跡を表示する手段とを備える。ここで、前記受光素子を追従移動させる手段は、前記反射レーザ光の光軸方向とほぼ直交する方向に配置されて前記反射レーザ光が投射される基板と、前記基板の表面上でXY方向に移動可能な可動テーブルを含むXY移動機構部を備え、前記受光素子は前記可動テーブルに搭載されて前記基板の表面上でXY移動可能に構成する。また、前記受光素子は複数の受光部に分割されたフォトセンサで構成され、分割された各受光部の受光出力を演算して前記反射レーザ光の光軸位置を検出するように構成する。
【0006】前記測定装置では、レーザ受光処理装置において、被測定体で反射される反射レーザ光を受光素子で検出すべく、受光素子を反射レーザ光に追従移動させながらその移動位置を記憶し、この受光素子の移動位置を経時的に記憶しかつ移動軌跡を表示することにより、被測定物体のレーザ光の反射箇所における形状変化を判定することができ、さらに、この判定された形状変化に基づいて、被測定体の形状変化特性を認識し、これにより形状変化の少ない製品の開発を進めることが可能になる。そのため、測定装置の構成を簡易化する一方で、高精度の測定が可能となる。特に本発明の測定装置の被測定体として車両用の灯具に適用し、この車両用灯具の灯具ボディ、リフレクタ等の光照射特性に影響を与える箇所の形状変化を測定することで光照射特性に優れた車両用灯具の開発が実現可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の測定装置の全体構成を示す斜視図である。被測定体として、ここでは自動車の前照灯を用いており、この前照灯HLは、例えば、図2に示すように、樹脂成形された灯具ボディ11内に、同じく樹脂成形されたリフレクタ12が内装され、このリフレクタには図には現れない電球ソケットにより光源となる電球13が取り付けられている。また、前記灯具ボディ11の前面開口には、透明樹脂を成形したレンズ14が一体的に取着されている。このような構成の前照灯HLでは、電球13を点灯したときにリフレクタ12、レンズ14、灯具ボディ11が加熱されることにより、あるいは前照灯HLが装備される自動車のエンジンの加熱や走行時の冷却風等による外部環境温度の変化等によって、リフレクタ12、レンズ14、灯具ボディ11の各部が熱膨張、あるいは熱収縮して変形し、前記電球13の光軸方向が変動される。このような前照灯HLにおける形状変化を測定するために、前記前照灯HLの複数箇所、ここでは前照灯HLを自動車の車体に取り付けるために灯具ボディ11の背面部に設けられているステム15の近傍の3箇所、特に前照灯HLの前面方向に向けられている平坦な3箇所P1〜P3の面部を設定しておく。この場合、後述するようにレーザ光の反射光強度を高めるために、ここでは前記3箇所P1〜P3にそれぞれ微小なミラー16を貼り付けている。そして、前記前照灯HLを恒温槽21内に配置し、恒温槽21の正面ガラス22を透して前照灯HLが恒温槽21の外部から観察できるようにする。
【0008】一方、形状変化測定装置100は、前記恒温槽21内に配置された前記前照灯HLの選択された箇所に対してそれぞれレーザ光(レーザビーム)L1〜L3を照射することが可能な3つのレーザ発光装置31,32,33と、前記前照灯HLの選択された3箇所P1〜P3で反射された3本のレーザ光L1〜L3を受光し、その受光位置、換言すれば前記選択された3箇所でのレーザ光の反射角の変化を検出するレーザ受光処理装置40とで構成されている。前記レーザ発光装置31〜33は、例えばNeHeレーザ発光装置として構成されており、各レーザ発光装置31〜33はそれぞれ前記恒温槽21の正面ガラス22の前面に対して斜め方向からレーザ光L1〜L3を出射し、そのレーザ光L1〜L3が前記正面ガラス22を透過して前記前照灯HLの選択された3箇所P1〜P3の各ミラー16に投射する。この場合、各ミラー16で反射された各レーザ光L1〜L3は、ほぼ同一方向に向けて反射され、前記正面ガラス22を逆方向に向けて透過した後、前記レーザ受光処理装置40において受光されるように構成されている。
【0009】図3は前記レーザ受光処理装置40の構成を示すブロック図である。前記前照灯HLで反射された3つのレーザ光(以下、反射レーザ光と称する)L1〜L3を受光する受光素子41と、前記受光素子41で受光したレーザ光を光電変換して得られる信号を演算処理する演算部42と、前記受光素子41を搭載して、前記反射レーザ光L1〜L3の光軸とほぼ垂直な面、ここでは立面に対してX方向およびY方向に移動されるXY駆動機構部43と、前記演算部42で処理された信号に基づいて前記XY駆動機構部43を追従制御するコンピュータ44とを備えている。なお、前記コンピュータ44には、ディスプレイ45及びプリンタ46が附属しており、後述するように測定結果を表示し、あるいはプリントアウト可能に構成されている。
【0010】前記レーザ受光処理装置40の詳細を説明する。図4は前記XY駆動機構部43を示しており、このXY駆動機構部43としては、例えば既存のXYプロッタを利用して構成することが可能である。すなわち、立面方向に設けられている基板51には、上下辺に沿ってX方向に延長した一対のXレール52が設けられており、これらXレール52に沿って上下方向に延長されたYレール53がX方向に移動可能に支持されている。前記Yレール53をX方向に移動するためのX移動機構54は前記Xレール52の一部に設けられており、具体的な構成としては、リニアモータ機構、あるいは回転モータとベルト機構とを組み合わせた機構等、種々の機構が採用可能である。また、前記Yレール53にはYレール53上をY方向に移動可能に微小な可動テーブル55が支持されており、前記X移動機構54と同様に構成されるY移動機構56によって前記可動テーブル55はY方向に往復移動される。したがって、前記XY駆動機構部43は、前記コンピュータ43からの信号に基づいてX移動機構54によりYレール53をX方向に、Y移動機構56により可動テーブル55をY方向にそれぞれ制御することで、結果として可動テーブル55を前記基板51の表面上でXY方向に移動制御することが可能とされている。
【0011】また、前記受光素子41は前記可動テーブル55に搭載されており、可動テーブル55と共に基板51に対してXY方向に移動される。前記受光素子41は、図5に示すように、いわゆる受光部が縦横にそれぞれ2分割された4つの受光部4a〜4dで構成される4分割型のフォトセンサ(フォトダイオード)で構成されており、前記反射レーザ光L1〜L3を受光したときに、各受光部4a〜4dのそれぞれから受光量に応じた、すなわち受光する反射レーザ光L1〜L3が投射された光束面積に対応した電流またはこれを変換した電圧として電気信号を出力するように構成されている。ここで、前記受光素子41は、前記縦横の各分割線が、前記XY移動機構部43におけるXY方向とは45度の角度で傾斜するように方向付けられて前記可動テーブル55に搭載されている。
【0012】前記演算部42は、前記受光素子41と関連付けて図5に示されているように、前記受光素子41の分割された4つの受光部4a〜4dのうち、X方向に対向配置される受光部4aと4bの出力電圧の差をとるX差動増幅器421と、同様にY方向に対向配置される受光部4c,4dの出力電圧の差をとるY差動増幅器422とで構成されている。そして、前記X差動増幅器421のX出力と、Y差動増幅器422のY出力をそれぞれ前記コンピュータ44に入力している。ここで、例えば、前記受光素子41に対してレーザ光L1が投射されたときに、図6(b)のように、レーザ光L1が受光素子41の中心位置にあるときには受光部4aと4bの各出力は等しいためその差であるX差動増幅器421の出力はゼロとなる。また、図6(c)のようにレーザ光L1が図示右側に偏ったときには受光部4aの出力は受光部4bの出力よりも大きくなるためX差動増幅器421の出力はプラス側に大きくなり、逆に図6(a)のように、レーザ光L1が図示左側に偏ったときには受光部4aの出力は受光部4bの出力よりも小さくなるためX差動増幅器421の出力はマイナス側に大きくなる。この結果、X差動増幅器421の出力は、受光素子41のX方向に対して図6(d)のような出力特性となる。これはY方向についても同様である。
【0013】したがって、前記演算部42のX出力及びY出力がそれぞれ入力されるコンピュータ44は、X出力とY出力がそれぞれゼロになるように前記XY移動機構部43を制御して前記可動テーブル55のXY方向の位置を制御することにより、受光素子41は、そのX方向、Y方向の中心位置にレーザ光L1〜L3が投射されるように追従制御することが可能となり、結果としてそのときの受光素子41のXY座標位置をコンピュータ44が認識することで、反射レーザ光L1〜L3のそれぞれの光軸位置を検出することが可能になる。
【0014】以上の構成の測定装置を用いた形状変化の測定方法について説明する。被測定体としての前照灯HLを前記したように恒温槽内21に配置するとともに、3つのレーザ発光装置31〜33の配置位置と方向を調整して、各レーザ光L1〜L3をそれぞれ前照灯HLの選択された3箇所P1〜P3の各ミラー16に投射する。このとき、各ミラー16反射レーザ光がそれぞれXY移動機構部43の基板51の面内に入るように各レーザ発光装置31〜33の位置を調整する。また、前記3箇所P1〜P3に貼り付けられているミラー16により、反射レーザ光L1〜L3の基板51の表面上における光強度を高め、受光素子41からの出力電圧を高めることが可能となる。
【0015】次いで、コンピュータ44を駆動し、初期化処理を実行する。この初期化処理では、コンピュータ44はXY移動機構部43の可動テーブル55を基板51の全面に沿って移動し、受光素子41を基板51の全面に沿ってスキャンする。これにより、受光素子41は、前記3つの反射レーザ光L1〜L3を順次受光することになる。このとき、コンピュータ44は演算部42からの図6(d)に示したようなX出力及びY出力に基づいて受光素子41の中心位置を各反射レーザ光L1〜L3の光軸に一致させるように追従制御する。これにより、反射レーザ光L1〜L3の各光軸位置が順次検出でき、コンピュータ44はそのときのXY座標位置をそれぞれ個別に内蔵メモリに記憶する。なお、この初期化処理のときには、前記した自動処理に代えて、測定者が3つの反射レーザ光L1〜L3の投射位置を目視で確認しながら受光素子41を各反射レーザ光L1〜L3を受光する位置まで移動させ、しかる上でコンピュータ44による光軸検出動作を行わせるようにしてもよい。
【0016】初期化処理が完了すると、測定を開始する。ここでは、恒温槽21の温度を測定対象温度まで変化させる。この温度の変化により前照灯HLは灯具ボディ11、リフレクタ12、レンズ14等に熱膨張、熱収縮が生じ、前照灯各部の形状、寸法が変化され、これに伴って前照灯HLの一部あるいは全体が変形される。この変形により、前記3箇所のミラー16が貼り付けられている各部の表面に傾きが生じてくる。そのため、前記各ミラー16からの反射レーザ光は、各部における面の傾き角の2倍の角度変化でその光軸方向が変化され、その結果XY移動機構部43の基板51上に投射される反射レーザ光L1〜L3のXY位置が変化される。
【0017】一方、コンピュータ44は、経時的に間欠するタイミングで、前記可動テーブル55をXY方向に移動し、受光素子41を順序的に各反射レーザ光L1〜L3の光軸に対して中心合わせし、その都度各反射レーザ光L1〜L3の光軸位置を検出し、かつ記憶する動作を繰り返す。例えば、コンピュータ44は初期化処理で記憶した反射レーザ光L1のXY位置の初期位置を参照し、先ずその初期位置まで受光素子41を移動し、その移動位置で反射レーザ光L1を受光する。そして、その反射レーザ光L1に対する受光素子41の中心合わせを実行し、そのときのXY位置を反射レーザ光L1の光軸位置として記憶する。次いで、反射レーザ光L2、L3についても同様に行う。以降も同様に、ただし、次回からは前回のXY位置を参照して受光素子41を移動しながら改めて光軸位置を検出しかつそれを記憶する。この動作を測定時間の間継続する。これにより、恒温槽21内の前照灯HLの形状変化が進行するのに伴って各反射レーザ光L1〜L3の光軸位置がそれぞれ変動されることになり、コンピュータ44ではこの変動する反射レーザ光の光軸位置変化を記憶する。なお、コンピュータは前記したように3つの反射レーザ光L1〜L3の光軸位置を順序的に検出するが、前記した初期化処理において、3つの反射レーザ光L1〜L3の光軸位置を基板51上である程度の距離で離して設定しておけば、コンピュータ44は光軸検出を行う際に、前回の光軸位置を参照して受光素子41をその前回の位置にまで移動した上で次回の測定を行うので、各反射レーザ光の光軸L1〜L3を混同して検出するようなことはない。
【0018】そして、所定時間の測定が終了した後に、コンピュータ44は記憶した反射レーザ光L1〜L3の各XY位置をメモリから読み出し、そのXY位置の変化を図7に示すように、ディスプレイに表示し、あるいはプリンタでプリントアウトすることで、測定者は各反射レーザ光の光軸変化の軌跡を目視によって確認することが可能となる。したがって、この反射レーザ光L1〜L3の光軸位置の変化から、当該反射レーザ光L1〜L3が反射されている前照灯HLの各箇所P1〜P3における面の傾き変化が測定でき、さらにこれから前記各箇所P1〜P3の形状変化を判定することができる。そして、この判定された形状変化に基づいて、前照灯HLの温度変化による全体の形状変化を認識し、この認識結果を利用することで、温度変化によっても形状変化の少ない前照灯の開発を進めることが可能になる。
【0019】このように、前記実施形態の測定装置では、反射レーザ光の光軸を自動的に検出してその光軸変化を記憶し、かつ表示するので、長時間にわたる測定においても測定者の作業負担は少なく、しかも測定者の主観や技量の差に影響を受けることなく高精度の測定が可能となる。また、反射レーザ光の光軸測定は、ある程度の時間間隔で行うようにしてもよいため、仮にレーザ光が測定者によって短い時間だけ遮光されるような場合が生じても、例えば、恒温槽の正面ガラスに生じる曇りを除去するための作業を行ってレーザ光を遮断してしまうような場合でも、測定結果に影響を与えることは殆どなく、使い勝手のよい測定が実現できる。
【0020】なお、前記実施形態では、コンピュータにおいて、反射レーザ光の光軸の変動軌跡を表示し、あるいはプリントアウトする機能を有することを説明したが、さらに進めてコンピュータにおいて光軸変動を解析し、前照灯全体の変形を演算し、三次元グラフィックスにより変形状態を表示させることも可能である。また、受光素子及び演算回路の構成についても、前記実施形態に限られるものではなく、種々の構成のものが適用可能である。さらに、前記実施形態では、3つのレーザ光を使用した例を示したが、さらに多くのレーザ光を利用して多数箇所の変形を同時に測定することが可能であることは言うまでもない。この場合、レーザ発光装置と被測定体との間にハーフミラーとミラーを組み合わせた光学装置を介在させ、1つのレーザ発光装置から複数のレーザ光を分岐させ、各レーザ光を被測定体にそれぞれ投射するように構成することも可能である。
【0021】ここで、前記実施形態では、前照灯の自動車斜体への取付箇所での変形を測定する場合について説明したが、灯具背面のバルブやエイミングの支点にミラーを取り付けて当該部分での変形を測定することで、エイミング支点の変形によって前照灯の配光特性が変化することも測定できる。また、前記実施形態では本発明を前照灯の熱による変形を測定する場合について説明したが、被測定体として前照灯以外の灯具が適用可能であることはもとより、他の品物についても同様に測定可能であることは言うまでもない。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、レーザ発光装置からのレーザ光を被測定体に投射するとともに、その被測定体で反射される反射レーザ光を受光素子で検出すべく、受光素子を反射レーザ光に追従移動させながらその移動位置を記憶し、この受光素子の移動位置を経時的に記憶しかつ移動軌跡を表示することにより、被測定物体のレーザ光の反射箇所における形状変化を判定することができ、さらに、この判定された形状変化に基づいて、被測定体の形状変化特性を認識し、これにより形状変化の少ない製品の開発を進めることが可能になる。これにより、構成を簡易化する一方で、被測定体の形状変化を高精度に測定することがが可能な形状変化測定装置を得ることができる。特に、本発明を車両用灯具の形状測定に適用することで、配光特性に優れた車両用灯具の開発が可能になる。
【出願人】 【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
【出願日】 平成11年6月28日(1999.6.28)
【代理人】 【識別番号】100081433
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 章夫
【公開番号】 特開2001−12921(P2001−12921A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願平11−181078