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【発明の名称】 コイル位置検出装置
【発明者】 【氏名】杉浦 寛幸

【氏名】猪股 雅一

【氏名】上杉 満昭

【要約】 【課題】強い正反射光を受光した場合においても、コイル幅及び中心位置を高精度に求めることを可能にしたコイル位置検出装置を提供する。

【解決手段】レーザ光走査装置12は複数本のスリット光を形成してコイルに照射し、テレビカメラ10はそのコイルを撮像する。画像処理装置14は、コイルの画像信号を画像処理してスリット光画像を生成し、そのスリット光画像の内、所定値以上の面積を持つスリット光画像をノイズが含まれているものとして削除し、それ以外のものは出力する。形状演算手段16は画像処理装置14からのスリット光画像号に基づいてそのスリット光照射部の3次元形状データを求める。コイル演算装置18はその3次元形状データに基づいてコイルの径方向中心位置及びコイル径を求めると共に、コイルの幅方向中心位置及びコイル幅を求める。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 レーザスポット光を直線状に走査して複数本のスリット光を形成してコイルに照射するとともに、そのときのレーザ光の投光角を出力するレーザ光投光手段と、前記レーザ光が照射されているコイルを撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された画像を画像処理して、その画像信号からスリット光に対応した画像信号を抽出して出力する画像処理手段と、前記スリット光に対応した画像信号に基づいて、そのスリット光照射部の3次元形状データを、複数のスリット光のそれぞれについて求める形状演算手段と、前記コイルのレーザ光照射部の3次元形状データをコイルの幅方向に投影し、コイルの径方向中心位置及びコイル径を求めると共に、前記コイルのレーザ光照射部の3次元形状データを基準面と平行なコイルの径方向に投影し、コイルの幅方向中心位置及びコイル幅を求めるコイル演算手段とを備え、前記画像処理手段は、前記撮像手段によって撮像された画像及び前記投光角に基づいてスリット光画像を順次生成し、そのスリット光画像の内、所定値以上の面積のスリット光画像を削除し、所定値未満の面積のスリット光画像を出力することを特徴とするコイル位置検出装置。
【請求項2】 前記画像処理手段は、前記撮像手段によって撮像された画像の画面内の各画素の信号を順次取り込んで記憶し、同一画素について後から入力される信号の輝度レベルと既に記憶されている信号の輝度レベルとを比較し、後から入力される信号の輝度レベルの方が高いときにその輝度レベルによってその画素の記憶内容を更新して、各画素についての最大輝度レベルを求める最大輝度画像演算部と、前記撮像手段によって撮像された画像の画面内の各画素の信号を順次取り込んで記憶し、同一画素について後から入力される信号の輝度レベルと既に記憶されている信号の輝度レベルとを比較し、後から入力される信号の輝度レベルの方が低いときにその輝度レベルによってその画素の記憶内容を更新して、各画素についての最小輝度レベルを求める最小輝度画像演算部とを有し、各画素について、最大輝度レベルと最小輝度レベルとの差を求めることによりスリット光画像を生成することを特徴とする請求項1記載のコイル位置検出装置。
【請求項3】 レーザスポット光を直線状に走査して複数本のスリット光を形成してコイルに照射するとともに、そのときのレーザ光の投光角を出力するレーザ光投光手段と、前記レーザ光が照射されているコイルを撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された画像を画像処理して、その画像信号からスリット光に対応した画像信号を抽出する画像処理手段と、前記スリット光に対応した画像信号及び前記投光角に基づいて、そのスリット光照射部の3次元形状データを、複数のスリット光のそれぞれについて求める形状演算手段と、前記コイルのレーザ光照射部の3次元形状データをコイルの幅方向に投影し、コイルの径方向中心位置及びコイル径を求めると共に、前記コイルのレーザ光照射部の3次元形状データを基準面と平行なコイルの径方向に投影し、コイルの幅方向中心位置及びコイル幅を求めるコイル演算手段とを備え、前記画像処理手段は、撮像された各フレームの画像毎にスリット光の抽出を行い、各フレーム毎のスリット光の内、所定値以上の面積のフレームのスリット光の画像信号を削除し、所定値未満の面積のフレームのスリット光の画像信号を出力することを特徴とするコイル位置検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製鉄所のコイルヤードの天井クレーンの無人化運転等に適用されるコイル位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種のコイル位置検出装置として、例えば特願平8−349207号〜特願平8−349209号、特願平8−349105号〜特願平8−349107、特願平9−003299号に係る出願に提案されているものがある。これらの出願の計測方式は、何れも、天井クレーンに取り付けられたレーザ光源のレーザスポット光を直線状に走査して複数本のスリット光を形成してコイルに照射し、そして、レーザ光が照射されているコイルをテレビカメラにより撮像し、テレビカメラの映像信号を演算処理してコイルの幅や中心位置を求める、というものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のコイル位置検出装置は、コイル表面に照射されたレーザスポット光の反射光をテレビカメラで撮像している為、対象コイル表面の性状が拡散面であれば、コイル表面に照射されたレーザ光は広い角度に渡って広がるために、コイル表面の形状によらず常に安定した反射光を受光することができる。しかし、対象コイルの表面性状が鏡面状に近い場合には、レーザスポット光が照射される位置によって、テレビカメラが受光できる光量は大きく変化する。
【0004】例えば、図13に示されるように、コイル表面70が鏡面状の場合には、レーザ光源71からでたレーザ光72がコイル表面70に当たって反射した場合には、A点でのレーザ反射光は、そのA点でのコイル表面70の傾きによって決まる正反射光方向に反射されてしまうために(図の反射光73a参照)、テレビカメラ10に入射される光はほとんどない。これに対して、B点ではレーザ光源71とB点でのコイル表面の傾きとテレビカメラ10が正反射の位置関係になっており、B点にレーザスポット光が照射された場合には、テレビカメラ10には非常に強いレーザ光が入射される(図の反射光73b参照)。なお、図13はレーザ光源71、コイル表面70及びテレビカメラ10の位置関係を示した図であり、73a,73bは鏡面時の反射光であり、74a,74bは拡散面時の反射光である。
【0005】上記のように、非常に強い反射光73bがテレビカメラ10に入ると、テレビカメラ10のレンズ及び撮像面とから構成される光学系内部での反射、散乱等により、撮像面に結像された画像は、レーザスポット光が大きく広がり、また場合によってはレンズとCCD間で生じるゴースト画像が映り込む等の現象を生じる。このために、非常に反射率の高い表面性状をしたコイルの位置検出を、上述の計測方式で測定した場合には、図14に示されるように、コイル表面を照射した複数本のレーザスリット光の内いずれかが、レーザ光源71とコイル表面70とテレビカメラ10とが成す位置関係が正反射光受光状態となったときに、正反射光受光状態になった場所ではレーザスポット光が大きく広がる。またはゴースト画像を生じるため、レーザスポット光またはレーザスリット光を正確に検出することが出来ないという問題がある。但し、コイル形状が円筒形であるために、正反射状態となる場所は、レーザ光源71とテレビカメラ10の配置と、コイル表面70の傾きによって決まり、コイル表面70の特定部分に限定される。なお、図14は2値化画像(輝度画像)75の説明図であり、76はレーザスリット光に相当する画像(以下の説明では単にレーザスリット光というものとする)、77は測定対象コイル、78はレーザ光が正反射して強い光が返ってきたときの画像である。
【0006】コイル表面の性状が鏡面性に近い対象材の場合には、上記の現象を生じるために、従来のコイル位置検出装置(特願平9−003299号等)では、正反射を生じた場所がコイル幅方向のエッジ部に近い場合には、図14に示されるように正反射によって生じたスリット光の広がりが、コイルエッジより外側にまで達してしまい、コイルが実在しない部分についてもあたかもコイルが存在したかのようにスリット光が検出されてしまう。従って、従来のコイル位置検出装置でコイル幅及び中心位置を演算した場合には、レーザスリット光が広がって検出された分だけ、コイル幅が広がって検出されるために、正確なコイル幅、位置が求められなくなってしまう、という問題点がある。
【0007】本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、上記の強い正反射光を受光した場合においても、コイル幅及び中心位置を高精度に求めることを可能にしたコイル位置検出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)本発明の一つの態様に係るコイル位置検出装置は、レーザスポット光を直線状に走査して複数本のスリット光を形成してコイルに照射するとともに、そのときのレーザ光の投光角を出力するレーザ光投光手段と、レーザ光が照射されているコイルを撮像する撮像手段と、撮像手段によって撮像された画像を画像処理して、その画像信号からスリット光に対応した画像信号を抽出して出力する画像処理手段と、スリット光に対応した画像信号に基づいて、そのスリット光照射部の3次元形状データを、複数のスリット光のそれぞれについて求める形状演算手段と、コイルのレーザ光照射部の3次元形状データをコイルの幅方向に投影し、コイルの径方向中心位置及びコイル径を求めると共に、コイルのレーザ光照射部の3次元形状データを基準面と平行なコイルの径方向に投影し、コイルの幅方向中心位置及びコイル幅を求めるコイル演算手段とを備えたものであり、そして、画像処理手段は、撮像手段によって撮像された画像及び投光角に基づいてスリット光画像を順次生成し、そのスリット光画像の内、所定値以上の面積のスリット光画像を削除し、所定値未満の面積のスリット光画像を出力するものである。
【0009】(2)本発明の他の態様に係るコイル位置検出装置は、レーザスポット光を直線状に走査して複数本のスリット光を形成してコイルに照射するとともに、そのときのレーザ光の投光角を出力するレーザ光投光手段と、レーザ光が照射されているコイルを撮像する撮像手段と、撮像手段によって撮像された画像を画像処理して、その画像信号からスリット光に対応した画像信号を抽出する画像処理手段と、スリット光に対応した画像信号及び投光角に基づいて、そのスリット光照射部の3次元形状データを、複数のスリット光のそれぞれについて求める形状演算手段と、コイルのレーザ光照射部の3次元形状データをコイルの幅方向に投影し、コイルの径方向中心位置及びコイル径を求めると共に、コイルのレーザ光照射部の3次元形状データを基準面と平行なコイルの径方向に投影し、コイルの幅方向中心位置及びコイル幅を求めるコイル演算手段とを備えたものであり、そして、画像処理手段は、撮像された各フレームの画像毎にスリット光の抽出を行い、各フレーム毎のスリット光の内、所定値以上の面積のフレームのスリット光の画像信号を削除し、所定値未満の面積のフレームのスリット光の画像信号を出力するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】実施形態1.図1は本発明の実施形態1に係るコイル位置検出装置の計測原理を説明するための構成図である。図においては、基準面(床面)1上に被測定物2が置かれており、この基準面1に撮影の際の中心軸が直交するようにテレビカメラ10が配置され、そして、このテレビカメラ10とは異なった位置にスリット光走査装置12が配置される。スリット光走査装置12はスリット光12aを発生するともにそれを走査する。テレビカメラ10はその状態を撮像し、その映像信号はスリット光走査装置12からの投射角θとともに画像処理装置14に入力して、映像信号が処理されて合成画像が生成される。形状演算装置16はその合成画像に基づいて被測定物2の3次元形状を求める。コイル演算装置18においてはその計測された3次元形状に基づいて被測定物2であるコイルの位置、幅等を求める。なお、このコイル演算装置18は後述する図5の実施形態において使用されるものである。
【0011】次に、図1のコイル位置検出装置を測定方式、画像合成方法、レーザスリット光の位置と投光角度の情報及び形状演算原理の生成の観点からそれぞれ説明する。
(A)測定方式光学系は一般的に光切断法と呼ばれる光学系を用いている。図2はスリット光走査装置12の構成を示した図である。スリット光走査装置12は、まず、半導体レーザ20からのレーザスポット光を、駆動モータ22aにより回転制御される第1の走査ミラー22によって走査することによりスリット光を生成する。このとき、レーザスリット光の向きは図1のy軸方向となるようにし、そして、駆動モータ24aにより回転制御される第2の走査ミラー24によって図1のx軸方向にレーザスリット光の投光位置を制御する。また、同時にこのときの走査ミラー24の投光角度θは角度信号として画像処理装置14に出力される。そして、レーザスリット光12aの照射パターンをテレビカメラ10で撮像し、その映像信号を画像処理装置14に入力する。
【0012】画像処理装置14は、テレビカメラ10の映像信号を画像処理し、1ライン分のレーザスリット光の合成画像(スリット光画像)を生成する。そして、形状演算装置16はその合成画像を用いて後述の三角測量の原理に基づいて、被測定物2のレーザ光照射部の3次元形状を演算する。次に、第2の走査ミラー24を投光角をθから微小角Δθだけ回転させて、再度、第1の走査ミラー22によりy軸方向にレーザスリット光を投影する。このようにして、レーザスリット光の投光角度θを変えながら次々と複数断面の形状を計測し、各々の光断面形状を合成することにより被測定物2の全体形状を再構築する。なお、第2の走査ミラー24の回転ピッチΔθを細かくするほど被測定物2の形状分解能が向上する。但し、その一方で測定時間は長くなる。また、図2のスリット光走査装置12には、遮蔽板26を設けて、これを駆動モータ24aと同期させて制御することにより、レーザスリット光の投光角度θが変化している間はレーザスリット光が被測定物2に照射しないようにしてある。また、半導体レーザ20を制御することでその間レーザ光を発生させないようにしても良い。いずれにしても、測定しようとする光切断線と光切断線との間に不要な光が取り込まれないようにする。
【0013】(B)画像合成方法図3は画像処理装置14の構成を示すブロック図である。テレビカメラ10からのビデオ信号は、A/D変換器30によりデジタル信号に変換されて最大輝度画像演算部31に入力する。この最大輝度画像演算部31は、コンパレータ31a、セレクタ31b及び最大輝度画像メモリ32から構成されており、各画素の最大輝度信号を求めて最大輝度画像メモリ32の該当する画素領域に格納する。即ち、コンパレータ31aは、A/D変換器30を介してビデオ信号acが入力すると、最大輝度画像メモリ32のそのビデオ信号に対応する画素の信号amを読み出し、そのビデオ信号acの輝度レベルと最大輝度画像メモリ32の信号amの輝度レベルとを比較し、ac>amの場合にはセレクタ31bにセレクタ信号を送る。セレクタ31bはそのセレクタ信号を入力すると、そのビデオ信号acで最大輝度画像メモリ32の信号amを書き換える。このような処理を入力されてくるビデオ信号について順序行うことで、最大輝度画像メモリ32の各画素領域の値はそれぞれ最大輝度レベルとなる。
【0014】また、テレビカメラ10からのビデオ信号は、A/D変換器36によりデジタル信号に変換されて最小輝度画像演算部37に入力する。この最小輝度画像演算部37は、コンパレータ37a、セレクタ37b及び最大輝度画像メモリ38から構成されており、各画素の最小輝度信号を求めて最大輝度画像メモリ38の該当する画素領域に格納する。即ち、コンパレータ37aは、A/D変換器36を介してビデオ信号acが入力すると、最小輝度画像メモリ38のそのビデオ信号に対応する画素の信号am を読み出し、ビデオ信号acの輝度レベルと最小輝度画像メモリ32の信号amの輝度レベルとを比較し、ac<amの場合にはセレクタ37bにセレクタ号を送る。セレクタ37bはそのセレクタ信号を入力すると、そのビデオ信号acで最小輝度画像メモリ37の信号amを書き換える。このような処理を入力されてくるビデオ信号について順序行うことで、最小輝度画像メモリ38の各画素領域の値はそれぞれ最小輝度レベルとなる。
【0015】図4(a)〜(d)は画像処理装置14の演算処理を概念的に示した説明図である。画像処理装置14は、上述のように、テレビカメラ10で撮像したビデオ信号をリアルタイム処理して、各画素の輝度レベルを検出し、各画素毎に最大輝度画像演算を行い、各画素の輝度レベルが最高となったタイミング(すなわちレーザ光が視野内の対応する点に当たった時)での輝度信号を最大輝度画像メモリ32に保持することにより、レーザ光を走査して生成された1本のレーザスリット光について合成された輝度画像(スリット画像)を得ている。また、レーザスリット光が当たった部分の抽出は最大輝度画像から2値化処理を行いレーザ光が当たって高輝度となった点(つまりスリット光部分)を抽出しても良いが、本実施形態においては、上述のように、最小輝度画像演算を同時に行って最小輝度画像メモリ38に保持することにより、(最大輝度画像−最小輝度画像)の演算を行ってそれを輝度画像メモリ39に格納することにより、背景光の輝度レベルを除去して、レーザ光が当たったことにより輝度レベルが高くなった成分のみを取り出し、これを2値化する。この処理によりレーザスリット光が当たった領域(光切断線)を輝度メモリ39から抽出する。また、このときのレーザスリット光の投光角度θはスリット光走査装置12から得られる。
【0016】なお、図4(a)は時刻t1〜t8の各タイミングのオリジナル画像を示したものである。スリット光走査装置12からのレーザスポット光はx方向がθ1の投光角でy方向に走査され、続いて、θ2の投光角でy方向に走査される。そして、時刻の経過t1,t2…と共にレーザスポット光の移動する様子が記録される。しかし、表面反射率の高いコイル表面で、レーザスポット光が正反射状態になると、時刻t7に示すように、レーザスポット光の面積が急激に大きくなったように観察される。図4(b)は時刻t1〜t4の投光角度θ1における最大輝度画像及び最小輝度画像と、その差の画像(スリット光画像)を示したものである。図4(c)は時刻t5〜t8の投光角度θ2における最大輝度画像及び最小輝度画像と、その差び画像(スリット光画像)を示したものである。図4(d)は図4(b)のA−A’断面における輝度信号のレベルを示したものである。これらの図からも明らかなように、背景光の輝度レベルが除去されて、レーザスリット光のみがそれぞれ取り出されていることが分かる。
【0017】(C)レーザスリット光の位置と投光角度情報の抽出上述のように、画像処理装置14において合成された、最大輝度画像及び最小輝度画像から、スリット光の位置を抽出するために、次に示す画像演算を行い、背景光の輝度レベルを除去する。
輝度画像=最大輝度画像−最小輝度画像 …(1)
(1)式の画像演算によりレーザ光が当たったことにより明るくなった輝度分を求め、更に、これを予め設定した閾値レベルで2値化処理し、レーザ光が当たった領域を抽出する(図4(d)参照)。この時のレーザスリット光の面積(画素数)を求め、これが所定の閾値以上になっていた場合には(図4(c)の例参照)、このライン上ではレーザ光の正反射が生じノイズが発生したものとみなし、その1ライン分の画像データを全部削除する。次に、この時の投光角度から、前記の2値画像を用いてレーザ光が当たった領域について三角測量法に基づいた形状演算を行う。
【0018】(D)形状演算原理形状演算装置16は、スリット光走査装置12により生成されるマルチスリット光についてそのレーザカット光の3次元座標を演算することにより被測定物2の全体形状を求める。この形状演算は三角測量の方式に基づいている。スリット光走査装置12から被測定物2上にレーザスリット光12aを投光角度θで投光し、その状態をテレビカメラ10で撮像する。そのテレビカメラ10で撮像した画像から抽出したレーザ光が当たった点(x′,y′)の高さz(x′,y′)は、テレビカメラ10のパースペクティブ効果を考慮すると、次式の関係が成り立つ。
z(x′,y′)=Z0 −{X0 −(1−z(x′,y′)/a)x}
tan θ(x′,y′) …(2)
x′ :テレビカメラで撮像された画像の基準面上での位置y′ :テレビカメラで撮像された画像の基準面上での位置X0 :レーザ光走査回転軸のx座標Z0 :レーザ光走査回転軸のz座標a :テレビカメラ−基準面間の距離θ :レーザスリット光投光角度上記の(2)式を変形すればレーザスリット光が当たった点の高さz(x′,y′)は次式で求まる。
【0019】
【数1】

【0020】また、画像上でレーザ光が抽出された点(x,y)の3次元座標上での座標(x,y)は次式で与えられる。
x={1−z(x′,y′)/a}x′ …(4)
y={1−z(x′,y′)/a}y′ …(5)
以上の説明から明らかなように、レーザスリット光が投光角度θでテレビカメラ10の画像上の座標x′,y′に検出された点の3次元座標x,y,zは上記の(3),(4),(5)式で求まることが分かる。また、上記の(4),(5)式は、被測定物2とテレビカメラ10との間の距離が有限であるためにテレビカメラ10に近いものほど大きく見えるというパースペクティブ効果に対する補正を施したものであり、2次元画像だけでは正確な形状検出ができないことが分かる。
【0021】本発明における形状計測原理が上記の説明により明らかになったところで、次に、図1の計測装置をヤードのコイル検出装置に適用した例について説明する。図5(A),(B),(C)は図1の光学系(テレビカメラ10、スリット光走査装置12)を天井クレーンに配置した場合における平配置図、正面図及びテレビカメラ10の視野内の映像を示した図である。同図(A)に示されるように、テレビカメラ10は、トロリ30にその横行方向に対して45°回転させた方向に、且つその光軸が鉛直方向下向き位置するように配置される。スリット光走査装置12はテレビカメラ10のx軸上に設置され、スリット光の向きがテレビカメラ10のy軸方向に平行となるように調整する。測定対象となるコイル3はクレーンの横行方向又は走行方向に平行に置かれており、従って、テレビカメラ10によって撮像されるコイル3の姿勢は視野内で45°傾いた(回転した)状態となる。なお、コイル3は、ヤード内においてはクレーンの横行方向又は走行方向の何れかに配置されるものであり、そして、その配置方向はヤードを管理しているシステムコンピュータにおいて把握されている。
【0022】この状態でスリット光走査装置12がレーザスリット光を走査しながらコイル3上面に照射して、コイル3に対して斜め45度方向のスリット光画像をテレビカメラ10により得て、画像処理装置14は上述の方法により合成画像を生成し、形状演算装置16はその合成画像に基づいてレーザ光が当たった点の高さを上述の演算式に基づいて演算する。この操作を逐次複数ラインについて行うことにより、コイル・台車及び床面等測定視野内の物体の複数断面形状を得ることができる。
【0023】次に、コイル演算装置18はその形状データを用いて、コイルの方が床面や台車より高いことから、コイルと周辺部(床面及び台車)とを高さの違いから識別してコイルの形状のみを抽出する。更に、抽出されたコイルの複数断面形状から、コイルの位置を検出するために、コイルの径方向及び幅方向の断面形状を求める。
【0024】図6はコイルの径方向及び幅方向の断面形状を求める際の説明図である。ここでは、コイル3の形状データを検出ヘッドであるテレビカメラ10の設置角度(45°)分回転させた方向、すなわちトロリ30の横行方向及び走行方向にそれぞれ形状データを投影する。投影の方法としては、コイル幅方向には、コイル幅方向形状データの平均値を求める。図示の例では、スリット光41,42,43の例えば図示の点における平均値を求め、その平均値をコイル幅方向の投影形状における点の値とし、同様にして、スリット光41,42,44,44の他の点についてもその平均値を求めることで、コイル幅方向の投影形状(形状データ)45を求める。また、コイル径方向にはコイル径方向の形状データの最大値をとることにより正確な形状データが得られる。図示の例では、スリット光41,42,43,44をコイル径方向に投影させたデータ41a,42a,43a,44aの最大値をとることにより、コイル径方向の投影形状(形状データ)46を求める。
【0025】なお、上記の説明はコイル3の配置方向が予め分かっている場合についての例であるが、その方向が予め分かっていない場合においても同様にして処理することができる。その場合には、取りあえずその方向を仮に決めてからコイル幅方向及び径方向の投影形状(形状データ)を求め、その形状データからその配置方向を判断することができるから、仮に決めたコイルの配置方向が誤っていた場合には、その判断された配置方向について上記のコイル径方向の投影形状(形状データ)を求める。
【0026】次に、コイル幅方向及び径方向に投影された形状データから、コイルの幅方向位置、コイル幅、コイル径方向中心位置及びコイル径を求める方法を説明する。コイルの幅方向については、図7に示されるように、投影された幅方向の形状データから別途設定した高さデータを越す左右両端の点を検出することにより、その点をコイルの右及び左エッジとして認識する。従って、コイル幅方向の中心位置及び幅はそれぞれ次式により求められる。
コイルの中心位置 = (右エッジ+左エッジ)/2 …(6)
コイル幅 = |右エッジ−左エッジ| …(7)
【0027】上記の処理を行った時に、図8に示されるように、強い正反射光によって広がったスリット光のデータがあると、コイル幅が広く判断されコイルの位置も正しく計測されない。そのような場合には、上述のように、該当するスリット光のデータを削除して、図9に示されるような状態で計測処理を行う。ただし、正反射光ノイズ除去を行うには、図9に示されるように、幅方向のコイルエッジにノイズ除去後少なくとも1本以上のスリット光のデータがかかっている必要がある。このため、測定対象の1番小さいコイル径でも2本以上のスリットが幅方向コイルエッジにかかるように、スリット光の本数(投光角度間隔)を決める必要がある。
【0028】コイル径方向については、投影されたコイル形状が半円状になることから、円の方程式に形状データを代入することで、コイルの中心位置及び径を求めることができる。
(x−cx 2 +(z−cz 2 =r2 …(8)
x,y:投影によって得られたコイルの半円状の形状データx ,cz :コイル径方向中心位置r:コイル半径【0029】具体的にはコイルの径方向の3点以上のデータがあれば上記の(8)式を解くことができるが、コイルの径方向の測定データを有効に使い、測定の信頼性を向上させるために、コイル径方向の測定データに対して3点の組み合わせを複数通り設定し、各々の演算で得られた複数の中心位置からノイズを除去し、その後統計処理を行うことにより精度及び信頼性の高いコイル中心位置を求めることができる。
【0030】なお、多数のコイル中心位置から真の中心位置を求める方式としては、多数点の平均値を求める方法や、多数点の分布をメッシュ状に分割しその分布の最大値をとる位置を求める方法等がある(このことは後述の実施形態2においても同様である。)。
【0031】実施形態2.図10は本発明の実施形態2に係るコイル位置検出装置の測定原理を説明するための構成図である(この計測装置も上述の実施形態1と同様に図5のヤードのコイル検出装置に適用される)。図においては、基準面1上に被測定物2が置かれており、この基準面1に撮影の際の中心軸が直交するようにテレビカメラ10が配置され、そして、このテレビカメラ10とは異なった位置にスリット光走査装置12が配置される。スリット光走査装置12はスリット光12aを発生するともにそれを走査する。テレビカメラ10はその状態を撮像し、その撮影信号は画像処理装置140により各フレーム毎に画像処理され、レーザスポット光がコイル表面で正反射し生じるノイズが除去される。そのノイズが除去された画像信号はスリット光走査装置12からの投射角θとともに形状演算装置16に入力し、形状演算装置16において被測定物2の3次元形状が計測される。コイル演算装置18においてはその計測された3次元形状に基づいて被測定物2であるコイルの位置、幅等を求める。
【0032】次に、図10のコイル位置検出装置の測定方式について説明する。なお、形状演算原理、スリット光の方向、マルチスリット化及びスリット光の生成については上述の実施形態1にて説明したものと同一であることからその説明は省略する。
【0033】光学系は上述の実施形態1と同様である。スリット光走査装置12は、図2に示されるように、半導体レーザ20からのレーザスポット光を処理してスリット光を生成し、また、このときの走査ミラー24の投光角度θは角度信号として形状演算装置16に出力される。そして、レーザスリット光12aの照射パターンをテレビカメラ10で撮像し、画像処理装置140に入力する。画像処理装置140は、テレビカメラ14の撮像信号を各フレーム毎に画像処理し(レーザスポット光がコイル表面で正反射したときに生じるノイズを除去して)、その画像信号からレーザスリット光に対応した画像信号を抽出する。形状演算装置16は、その抽出された画像信号のレーザスリット光の位置と、そのときのレーザ投光角度θとから後述の三角測量の原理に基づいて、レーザスリット光の3次元座標を演算する。
【0034】図11は画像処理装置140の演算処理を概念的に示した説明図である。スリット光走査装置12からのレーザスポット光はx方向がθ1の投光角で、y方向に走査される。TVカメラ10の撮像周期(フレーム)毎に得られるレーザスポット光の画像は、時刻の経過(t1,t2…)とともに移動する。しかし、表面反射率の高いコイル表面で、レーザスポット光が正反射状態になると、時刻t7に示されるように、レーザスポット光の面積が急激に大きくなったように観察される。そこで、画像処理装置140では各時刻毎の画像から、在る閾値レベル以上の輝度を有する領域をレーザスポット光が走査して得られたレーザスリット光として抽出し、更に、各フレームの画像毎にレーザスリット光の面積(抽出した画素数)を求める。レーザスリット光の面積が予め設定した面積以上になった場合には、正反射が生じたものと判断し、その撮像周期(フレーム)で得られた画像データを消去する。このため、形状演算をするための画像データは図12に示されるように、1本のレーザスリット光の内、閾値を超えたフレームに対応したレーザスリット光の画像データ(1ラインの内の一部分)が除去されることとなる。
【0035】上記の処理がなされた後の画像データは上述の実施形態1の場合と同様に処理されて、正確なコイルの径方向中心位置とコイル径及びコイルの幅方向中心位置とコイル幅を求めることが可能になっている。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、コイル形状・位置を計測するにあたって、ノイズとなる測定対象コイルからの強い正反射光があったとしても、強い正反射光があることを検出し、ノイズとなる強い正反射光データ(レーザスリット光の1ライン分又はその一部)を除去するようにしたので、測定対象であるコイルの表面性状の制限をなくし、正確なコイルの径方向中心位置とコイル径及びコイルの幅方向中心位置とコイル幅を求めることが可能になっている。
【出願人】 【識別番号】000004123
【氏名又は名称】日本鋼管株式会社
【出願日】 平成11年7月1日(1999.7.1)
【代理人】 【識別番号】100061273
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治 (外3名)
【公開番号】 特開2001−12918(P2001−12918A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願平11−187304