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【発明の名称】 コイル位置検出装置
【発明者】 【氏名】杉浦 寛幸

【氏名】猪股 雅一

【氏名】上杉 満昭

【要約】 【課題】強い正反射光を受光した場合においても、コイル幅及び中心位置を高精度に求めることを可能にしたコイル位置検出装置を提供する。

【解決手段】レーザ光走査装置12はレーザスポット光を直線状に走査して複数本のスリット光を形成してコイルに照射し、テレビカメラ10はレーザ光が照射されているコイルを撮像する。画像合成手段14は撮像された画像とレーザ光の2次元投光角度とから、レーザ光の輝度画像とそれに対応したレーザ光の2次元の投光角度とをそれぞれ合成する。形状演算手段16はレーザ光の輝度画像とレーザ光の投光角度とからコイルのレーザ光照射部の3次元形状データを求める。そして、正反射光ノイズ除去手段16は3次元形状データから正反射光ノイズを除去する。コイル演算手段17は正反射光ノイズが除去された3次元形状データに基づいてコイルの径方向中心位置及びコイル径を求めると共に、コイルの幅方向中心位置及びコイル幅を求める。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 レーザスポット光を直線状に走査して複数本のスリット光を形成してコイルに照射すると共に、そのときのレーザ光の2次元の投光角度を出力するレーザ光投光手段と、前記レーザ光が照射されているコイルを撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された画像と前記2次元の投光角度とから、レーザ光の輝度画像とそれに対応したレーザ光の前記2次元の投光角度とをそれぞれ合成する画像合成手段と、前記レーザ光の輝度画像と前記レーザ光の投光角度とからコイルのレーザ光照射部の3次元形状データを求める形状演算手段と、前記形状演算手段による3次元形状データの内、レーザ光の各2次元の投光角度によるレーザスリット光の面積を求めて、それが所定値以上の面積であるとき、そのときの2次元の投光角度によるデータを除去する正反射光ノイズ除去手段と、前記正反射光ノイズ除去手段からの3次元形状データをコイルの幅方向に投影し、コイルの径方向中心位置及びコイル径を求めると共に、前記コイルのレーザ光照射部の3次元形状データを基準面と平行なコイルの径方向に投影し、コイルの幅方向中心位置及びコイル幅を求めるコイル演算手段とを備えたことを特徴とするコイル位置検出装置。
【請求項2】 レーザスポット光を直線状に走査して複数本のスリット光を形成してコイルに照射すると共に、そのときのレーザ光の2次元の投光角度を出力するレーザ光投光手段と、前記レーザ光が照射されているコイルを撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された画像と前記2次元の投光角度とから、レーザ光の輝度画像とそれに対応したレーザ光の前記2次元の投光角度とをそれぞれ合成する画像合成手段と、前記画像合成手段による合成画像の内、レーザ光の各2次元の投光角度によるレーザスリット光の面積を求めて、それが所定値以上の面積であるとき、そのときの2次元の投光角度によるデータを除去する正反射光ノイズ除去手段と、前記正反射光ノイズ除去手段からの前記レーザ光の輝度画像と前記レーザ光の投光角度とからコイルのレーザ光照射部の3次元形状データを求める形状演算手段と、前記3次元形状データをコイルの幅方向に投影し、コイルの径方向中心位置及びコイル径を求めると共に、前記コイルのレーザ光照射部の3次元形状データを基準面と平行なコイルの径方向に投影し、コイルの幅方向中心位置及びコイル幅を求めるコイル演算手段とを備えたことを特徴とするコイル位置検出装置。
【請求項3】 レーザスポット光を直線状に走査して複数本のスリット光を形成してコイルに照射すると共に、そのときのレーザ光の2次元の投光角度を出力するレーザ光投光手段と、前記レーザ光が照射されているコイルを撮像する撮像手段と、前記撮像手段にて撮像されたレーザスリット光の強さが所定の閾値を超えたとき、そのときの2次元の投光角度による画像を除去する正反射光ノイズ除去手段と、前記正反射光ノイズ除去手段を経由した前記撮像手段の画像と前記2次元の投光角度とから、レーザ光の輝度画像とそれに対応したレーザ光の前記2次元の投光角度とをそれぞれ合成する画像合成手段と、前記レーザ光の輝度画像と前記レーザ光の投光角度とからコイルのレーザ光照射部の3次元形状データを求める形状演算手段と、前記形状演算手段による3次元形状データをコイルの幅方向に投影し、コイルの径方向中心位置及びコイル径を求めると共に、前記コイルのレーザ光照射部の3次元形状データを基準面と平行なコイルの径方向に投影し、コイルの幅方向中心位置及びコイル幅を求めるコイル演算手段とを備えたことを特徴とするコイル位置検出装置。
【請求項4】 前記画像合成手段は、前記撮像手段によって撮像された画像の画面内の各画素の信号を順次取り込んで記憶し、同一画素について後から入力される信号の輝度レベルと既に記憶されている信号の輝度レベルとを比較し、後から入力される信号の輝度レベルの方が高いときにその輝度レベルによってその画素の記憶内容を更新して、各画素についての最大輝度レベルを求める最大輝度画像演算部と、前記画像の画面内の各画素について、前記最大輝度画像演算手段が画素の記憶内容を更新したとき、そのときの投光角度情報をその画素の値とする合成画像を生成するコード化画像演算部と、前記撮像手段によって撮像された画像の画面内の各画素の信号を順次取り込んで記憶し、同一画素について後から入力される信号の輝度レベルと既に記憶されている信号の輝度レベルとを比較し、後から入力される信号の輝度レベルの方が低いときにその輝度レベルによってその画素の記憶内容を更新して、各画素についての最小輝度レベルを求める最小輝度画像演算部と、各画素について、最大輝度レベルと最小輝度レベルとの差をとることにより、レーザ光の照射による輝度レベルの上昇分を抽出し、レーザスリット光の照射領域を検出することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のコイル位置検出装置。
【請求項5】 レーザ光の2次元の投光角度としてx、y2方向の角度の内、スリット光長手方向の角度情報の代わりに、撮像手段の撮像フレーム数を用い、そして、前記投光手段は、前記レーザ光の2次元の投光角度を出力する代わりに、前記スリット光の走査方向の角度を出力することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のコイル位置検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製鉄所のコイルヤードの天井クレーンの無人化運転に適用されるコイル位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種のコイル位置検出装置として、例えば特願平8−349207号〜特願平8−349209号、特願平8−349105号〜特願平8−349107、特願平9−003299号に係る出願に提案されているものがある。これらの出願の計測方式は、何れも、天井クレーンに取り付けられたレーザ光源のレーザスポット光を直線状に走査して複数本のスリット光を形成してコイルに照射し、そして、レーザ光が照射されているコイルをテレビカメラにより撮像し、テレビカメラの映像信号を演算処理してコイルの幅や中心位置を求める、というものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のコイル位置検出装置は、コイル表面に照射されたレーザスポット光の反射光をテレビカメラで撮像している為、対象コイル表面の性状が拡散面であれば、コイル表面に照射されたレーザ光は広い角度に渡って広がるために、コイル表面の形状によらず常に安定した反射光を受光することができる。しかし、対象コイルの表面性状が鏡面状に近い場合には、レーザスポット光が照射される位置によって、テレビカメラが受光できる光量は大きく変化する。
【0004】例えば、図20に示されるように、コイル表面70が鏡面状の場合には、レーザ光源71から出たレーザ光72がコイル表面70に当たって反射した場合には、A点でのレーザ反射光は、そのA点でのコイル表面70の傾きによって決まる正反射光方向に反射されてしまうために(図の反射光73a参照)、テレビカメラ10に入射される光はほとんどない。これに対して、B点ではレーザ光源71とB点でのコイル表面の傾きとテレビカメラ10が正反射の位置関係になっており、B点にレーザスポット光が照射された場合には、テレビカメラ10には非常に強いレーザ光が入射される(図の反射光73b参照)。なお、図20はレーザ光源71、コイル表面70及びテレビカメラ10の位置関係を示した図であり、73a,73bは鏡面時の反射光であり、74a,74bは拡散面時の反射光である。
【0005】上記のように、非常に強い反射光73bがテレビカメラ10に入ると、テレビカメラ10のレンズ及び撮像面から構成される光学系内部での反射、散乱等により、撮像面に結像された画像は、レーザスポット光が大きく広がり、また場合によってはレンズとCCD間で生じるゴースト画像が映り込む等の現象を生じる。このために、非常に反射率の高い表面性状をしたコイルの位置検出を、上述の計測方式で測定した場合には、図21に示されるように、コイル表面を照射した複数本のレーザスリット光の内いずれかが、レーザ光源71とコイル表面70とテレビカメラ10とが成す位置関係が正反射光受光状態となったときに、正反射光受光状態になった場所ではレーザスポット光が大きく広がる。またはゴースト画像を生じるため、レーザスポット光またはレーザスリット光を正確に検出することが出来ないという問題がある。但し、コイル形状が円筒形であるために、正反射状態となる場所は、レーザ光源71とテレビカメラ10の配置と、コイル表面70の傾きによって決まり、コイル表面70の特定部分に限定される。なお、図21は2値化画像(輝度画像)75の説明図であり、76はレーザスリット光に相当する画像(以下の説明では単にレーザスリット光というものとする)、77は測定対象コイル、78はレーザ光が正反射して強い光が返ってきたときの画像である。
【0006】コイル表面の性状が鏡面性に近い対象材の場合には、上記の現象を生じるために、従来のコイル位置検出装置(特願平9−003299号等)では、正反射を生じた場所がコイル幅方向のエッジ部に近い場合には、図21に示されるように正反射によって生じたスリット光の広がりが、コイルエッジより外側にまで達してしまい、コイルが実在しない部分についてもあたかもコイルが存在したかのようにスリット光が検出されてしまう。従って、従来のコイル位置検出装置でコイル幅及び中心位置を演算した場合には、レーザスリット光が広がって検出された分だけ、コイル幅が広がって検出されるために、正確なコイル幅、位置が求められなくなってしまう、という問題点がある。
【0007】本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、上記の強い正反射光を受光した場合においても、コイル幅及び中心位置を高精度に求めることを可能にしたコイル位置検出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】(1)本発明に係るコイル位置検出装置は、レーザスポット光を直線状に走査して複数本のスリット光を形成してコイルに照射すると共に、そのときのレーザ光の2次元の投光角度を出力するレーザ光投光手段と、レーザ光が照射されているコイルを撮像する撮像手段と、撮像手段によって撮像された画像と前記の2次元の投光角度とから、レーザ光の輝度画像とそれに対応したレーザ光の2次元の投光角度とをそれぞれ合成する画像合成手段と、レーザ光の輝度画像とレーザ光の投光角度とからコイルのレーザ光照射部の3次元形状データを求める形状演算手段と、形状演算手段による3次元形状データの内、レーザ光の各2次元の投光角度によるレーザスリット光の面積を求めて、それが所定値以上の面積であるとき、そのときの2次元の投光角度によるデータを除去する正反射光ノイズ除去手段と、正反射光ノイズ除去手段からの3次元形状データをコイルの幅方向に投影し、コイルの径方向中心位置及びコイル径を求めると共に、コイルのレーザ光照射部の3次元形状データを基準面と平行なコイルの径方向に投影し、コイルの幅方向中心位置及びコイル幅を求めるコイル演算手段とを備えたものである。
【0009】(2)また、本発明に係るコイル位置検出装置は、3次元形状データを求める前に正反射光ノイズを除去するものであり、上記の正反射光ノイズ除去手段に代えて、画像合成手段による合成画像の内、レーザ光の各2次元の投光角度によるレーザスリット光の面積を求めて、それが所定値以上の面積であるとき、そのときの2次元の投光角度によるデータを除去する正反射光ノイズ除去手段を有するものである。
【0010】(3)また、本発明に係るコイル位置検出装置は、画像合成をする前に正反射光ノイズを除去するものであり、レーザスリット光の強さが所定の閾値を超えたとき、そのときの2次元の投光角度による画像を除去する正反射光ノイズ除去手段を有するものである。
【0011】本発明においては、上述のように、正反射光ノイズ除去手段によって強い正反射光を検出して除去することにより、測定対象であるコイルの表面性状の制限をなくし、正確なコイルの径方向中心位置とコイル径及びコイルの幅方向中心位置とコイル幅を求めることが可能になっている。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は本発明のコイル位置検出装置の計測原理を説明するための構成図である。図においては、基準面(床面)1上に被測定物2が置かれており、この基準面1に撮影の際の中心軸が直交するようにテレビカメラ10が配置され、そして、このテレビカメラ10とは異なった位置にスリット光走査装置12が配置される。スリット光走査装置12はスリット光12aを発生するともにそれを走査する。テレビカメラ10はその状態を撮像し、その映像信号はスリット光走査装置12からの投射角θx,θyとともに画像合成装置14に入力して、映像信号が処理されて合成画像が生成される。形状演算装置15はその合成画像に基づいて被測定物2の3次元形状を求める。正反射光ノイズ除去装置16は、コイルの位置、幅等を求めるにあたってノイズとなるスリット光の強い正反射光によるノイズ成分を除去する。コイル演算装置17はそのノイズ成分を除去された3次元形状に基づいて被測定物2であるコイルの位置、幅等を求める。
【0013】次に、図1の形状計測装置を測定方式、画像合成方法、レーザスリット光の位置と投光角度の情報及び形状演算原理の生成の観点からそれぞれ説明する。
【0014】(A)測定方式光学系は一般的に光切断法と呼ばれる光学系を用いている。図2はスリット光走査装置12の構成を示した図である。スリット光走査装置12は、まず、半導体レーザ20からのレーザスポット光を、駆動モータ22aにより回転制御される第1の走査ミラー22によって走査することによりスリット光を生成する。このとき、レーザスリット光の向きは図1のy軸方向となるようにして、その走査ミラー22の投光角度θyを角度信号として画像合成装置14に入力し、そして、駆動モータ24aにより回転制御される第2の走査ミラー24によって図1のx軸方向にレーザスリット光の投光位置を制御する。また、同時にこのときの走査ミラー24の投光角度θxは角度信号として画像合成装置14に入力する。そして、レーザスリット光12aの照射パターンをテレビカメラ10で撮像し、その映像信号を画像合成装置14に入力する。
【0015】画像合成装置14は、テレビカメラ10の映像信号を画像処理し、その映像信号とそのときのレーザ投光角度θx,θyとから合成画像を生成する。そして、形状演算装置16はその合成画像を用いて後述の三角測量の原理に基づいて、被測定物2のレーザ光照射部の3次元形状を演算する。次に、第2の走査ミラー24を投光角をθxから微小角Δθxだけ回転させて、再度、第1の走査ミラー22によりy軸方向に投光角度θyを変えてレーザスリット光を投影する。このようにして、レーザスリット光の投光角度θx,θyを変えながら次々と複数断面の形状を計測し、各々の光断面形状を合成することにより被測定物2の全体形状を再構築する。なお、第2の走査ミラー24の回転ピッチΔθxを細かくするほど被測定物2の形状分解能が向上する。但し、その一方で測定時間は長くなる。また、図2のスリット光走査装置12には、遮蔽板26を設けて、これを駆動モータ24aと同期させて制御することにより、レーザスリット光の投光角度θxが変化している間はレーザスリット光が被測定物2に照射しないようにしてある。また、半導体レーザ20を制御することでその間レーザ光を発生させないようにしても良い。いずれにしても、測定しようとする光切断線と光切断線との間に不要な光が取り込まれないようにする。
【0016】(B)画像合成方法図3は画像合成装置14の構成を示すブロック図である。テレビカメラ10からのビデオ信号は、A/D変換器30によりデジタル信号に変換されて最大輝度画像演算部31に入力する。この最大輝度画像演算部31は、コンパレータ31a、セレクタ31b及び最大輝度画像メモリ32から構成されており、各画素の最大輝度信号を求めて最大輝度画像メモリ32の該当する画素領域に格納する。即ち、コンパレータ31aは、A/D変換器30を介してビデオ信号ac が入力すると、最大輝度画像メモリ32のそのビデオ信号に対応する画素の信号amを読み出し、そのビデオ信号acの輝度レベルと最大輝度画像メモリ32の信号amの輝度レベルとを比較し、ac>amの場合にはセレクタ31b,37a,40aにセレクタ信号を送る。セレクタ31bはそのセレクタ信号を入力すると、そのビデオ信号acで最大輝度画像メモリ32の信号amを書き換える。このような処理を入力されてくるビデオ信号について順序行うことで、最大輝度画像メモリ32の各画素領域の値はそれぞれ最大輝度レベルとなる。
【0017】また、テレビカメラ10からのビデオ信号は、A/D変換器33によりデジタル信号に変換されて最小輝度画像演算部34に入力する。この最小輝度画像演算部34は、コンパレータ34a、セレクタ34b及び最小輝度画像メモリ35から構成されており、各画素の最小輝度信号を求めて最小輝度画像メモリ35の該当する画素領域に格納する。即ち、コンパレータ34aは、A/D変換器33を介してビデオ信号ac が入力すると、最小輝度画像メモリ35のそのビデオ信号に対応する画素の信号amを読み出し、ビデオ信号acの輝度レベルと最小輝度画像メモリ35の信号amの輝度レベルとを比較し、ac<amの場合にはセレクタ34bにセレクタ信号を送る。セレクタ34bはそのセレクタ信号を入力すると、そのビデオ信号acで最小輝度画像メモリ35の信号amを書き換える。このような処理を入力されてくるビデオ信号について順序行うことで、最小輝度画像メモリ35の各画素領域の値はそれぞれ最小輝度レベルとなる。
【0018】また、レーザスリット光の投光角度信号θxは、A/D変換器36によりデジタル信号に変換されてコード化画像演算部37に入力する。このコード化画像演算部37はセレクタ37a及び投光角度画像メモリθx38から構成されており、各画素について最大輝度信号が得られたときのレーザスリット光の投光角度信号θxを求めて、最大輝度画像メモリ32に対応する投光角度画像メモリθx35の画素領域に格納する。即ち、コンパレータ31aがセレクタ信号を出力してセレクタ37aがそのセレクタ信号を受け取ると、そのときの投光角度信号bcで投光角度画像メモリθx38の信号bmを書き換える。このような処理を入力されてくるビデオ信号について順序行うことで、投光角度信号画像メモリθx38には各画素において最大輝度レベルをとった時の投光角度信号θxが格納されることになる。
【0019】さらに、レーザスリット光の投光角度信号θyは、A/D変換器39によりデジタル信号に変換されてコード化画像演算部40に入力する。このコード化画像演算部y40はセレクタ40a及び投光角度画像メモリθy41から構成されており、投光角度信号θyも上記の場合と同様にして処理されて投光角度画像メモリθy41に格納される。
【0020】図4は画像合成装置14の演算処理を概念的に示した説明図である。画像合成装置14は、上述のようにして、テレビカメラ10で撮像したビデオ信号をリアルタイム処理して、各画素の輝度レベルを検出し、各画素毎に最大輝度画像演算を行い、各画素の輝度レベルが最高となったタイミング(すなわちレーザ光が視野内の対応する点に当たった時)での輝度信号を最大輝度画像メモリ32に保持すると同時に、そのタイミングでの投光角度情報θx,θyを輝度画像の他に別途設けた投光角度画像メモリ38,41の対応する画素に記録することにより、複数のレーザスリット光が合成された輝度画像と、各スリット光の投光角度情報θx,θyとを同時に持っている。
【0021】また、レーザスリット光が当たった部分の抽出は最大輝度画像から2値化処理を行いレーザ光が当たって高輝度となった点(つまりスリット光部分)を抽出しても良いが、本実施形態においては、上述のように、最小輝度画像演算を同時に行って最小輝度画像メモリ35に保持することにより、(最大輝度画像−最小輝度画像)の演算を行ってそれを輝度画像メモリ42に格納することにより、背景光の輝度レベルを除去して、レーザ光が当たったことにより輝度レベルが高くなった成分のみを取り出し、これを2値化する。この処理によりレーザスリット光が当たった領域(光切断線)を輝度メモリ42から抽出することにより、投光角度画像メモリ38,41の投光角度画像から各光切断線の投光角度情報を識別する。
【0022】(C)レーザスリット光の位置と投光角度情報の抽出画像合成装置14は、上述のようにして合成された最大輝度画像、最小輝度画像及び投光角度画像から、スリット光の位置を抽出するために、次に示す画像演算を行い、背景光の輝度レベルを除去する。
輝度画像=最大輝度画像−最小輝度画像 …(1)
上記の(1)式の画像演算によりレーザ光が当たったことにより明るくなった輝度分を求め、更に、これを予め設定した閾値レベルで2値化処理してレーザ光が当たった領域を抽出する。
【0023】(D)形状演算原理形状演算装置15は、スリット光走査装置12により生成されるマルチスリット光についてそのレーザカット光の3次元座標を演算することにより被測定物2の全体形状を求める。この形状演算は三角測量の方式に基づいている。スリット光走査装置12から被測定物2上にレーザスリット光12aを投光角度θxで投光し、その状態をテレビカメラ10で撮像する。そのテレビカメラ10で撮像した画像から抽出したレーザ光が当たった点(x′,y′)の高さz(x′,y′)は、テレビカメラ10のパースペクティブ効果を考慮すると、次式の関係が成り立つ。
z(x′,y′)=Z0 −{X0 −(1−z(x′,y′)/a)x}
tanθx(x′・y′) …(2)
x′ :テレビカメラで撮像された画像の基準面上での位置y′ :テレビカメラで撮像された画像の基準面上での位置X0 :レーザ光走査回転軸のx座標Z0 :レーザ光走査回転軸のz座標a :テレビカメラ−基準面間の距離θx :レーザスリット光投光角角度x、上記の(2)式を変形すればレーザスリット光が当たった点の高さz(x′,y′)は次式で求まる。
【0024】
【数1】

【0025】また、画像上でレーザ光が抽出された点(x,y)の3次元座標上での座標(x,y)は次式で与えられる。
x={1−z(x′,y′)/a}x′ …(4)
y={1−z(x′,y′)/a}y′ …(5)
以上の説明から明らかなように、レーザスリット光が投光角度θxでテレビカメラ10の画像上の座標x′,y′に検出された点の3次元座標x,y,zは上記の(3),(4),(5)式で求まることが分かる。また、上記の(4),(5)式は、被測定物2とテレビカメラ10との間の距離が有限であるためにテレビカメラ10に近いものほど大きく見えるというパースペクティプ効果に対する補正を施したものであり、2次元画像だけでは正確な形状検出ができないことが分かる。
【0026】本発明における形状計測原理が上記の説明により明らかになったところで、次に、図1のコイル位置検出器をヤードのコイル検出に適用した例について説明する。図5(A),(B),(C)は図1の光学糸(テレビカメラ10、スリット光走査装置12)を天井クレーンに配置した場合における平配置図、正面図及びテレビカメラ10の視野内の映像を示した図である。同図(A)に示されるように、テレビカメラ10は、トロリ43にその横行方何に対して45°回転させた方向に、且つその光軸が鉛直方向下向き位置するように配置される。スリット光走査装置12はテレビカメラ10のx軸上に設置され、スリット光の向きがテレビカメラ10のy軸方向に平行となるように調整する。測定対象となるコイル3はクレーンの横行方向又は走行方向に平行に置かれており、従って、テレビカメラ10によって撮像されるコイル3の姿勢はカメラ視野44の中で45°傾いた(回転した)状態となる。なお、コイル3は、ヤード内においてはクレーンの横行方向又は走行方向の何れかに配置されるものであり、そして、その配置方向はヤードを管理しているシステムコンピュータにおいて把握されている。
【0027】この状態でスリット光走査装置12がレーザスリット光を走査しながらコイル3上面に照射して、コイル3に対して斜め45度方向のスリット光画像をテレビカメラ10により得て、画像合成装置14は上述の方法により合成画像を生成し、形状演算装置15はその合成画像に基づいてレーザ光が当たった点の高さを上述の演算式に基づいて演算する。この操作を逐次複数ラインについて行うことにより、コイル・台車及び床面等測定視野内の物体の複数断面形状を得ることができる。
【0028】次に、コイル演算装置17はその形状データを用いて、コイルの方が床面や台車より高いことから、コイルと周辺部(床面及び台車)とを高さの違いから識別してコイルの形状のみを抽出するが、その前に正反射光ノイズ除去装置16により次のような処理を行って正反射光によるノイズを除去する。
【0029】正反射光ノイズ除去装置16は、投光角度画像θx,θyと、形状演算手段15により得られた形状演算画像とを用いて、コイル形状・位置を演算するにあたってノイズとなる測定対象コイルからの強い正反射光を検出し、強い正反射光データを除去する。具体的な処理内容を以下に説明する。
【0030】強い正反射光が返ってこないコイルを計測した場合には図6〜図8に示されるような2値化画像と投光角度画像が得られる。また、強い正反射光が返ってくるコイルを計測した場合には図9〜図11に示されるような2値化画像と投光角度画像が得られる。上述のように、レーザ光の投光角度(θx,θy)でコード化されて、レーザスリット光があたった各画素にコード値が入っている。この図9〜図11の例においては、投光角度(θx,θy)=(θ4,θ200)において強く正反射光が発生している。
【0031】図7及び図8と図10及び図11の投光角度画像は、上述したようにレーザスリット光の投光角度θx,θy毎にコード化されているため、この投光角度θx,θy毎の画素数をカウントしたヒストグラムを作ると、図12及び図13に示されるようになる。強い正反射光の返ってこないコイルを計測した場合には各投光角度毎の画素数は大きく変化しないが(図12)、強い正反射光の返ってくるコイルを計測した場合には正反射の発生した投光角度毎の画素数は光が広がるために大きくなる(図13)。図13の例においては、投光角度(θ4,θ200)において、強い正反射光のためにレーザスポット光が広がって撮像されるために複数の画像が同じ投光角度(θ4,θ200)でコード化されるため値が高くでることになる。このことから、投光角度(θx,θy)毎のヒストグラムを作成して、その画素数を調べることによって強い正反射光が返った画像が得られているかどうかが分かる。図14に示されるように、ヒストグラムに閾値を設定し、その画素数を超えた場合には強い正反射光があると判断することが出来る。コイルの形状のみを抽出した形状演算画像に強い正反射光が含まれたままのデータでコイル演算装置17で処理を行うと、スポット光の広がりがノイズとなり正しい形状が求まらないので、演算データから除外する必要がある(図16,図17参照)。
【0032】そこで、強い正反射光がある判断された投光角度(θx,θy)のコードを持った画素の座標を投光角度画像から求め、形状演算画像の同一座標の画素データを除去する必要がある。具体的には、図14に示されるように、ヒストグラムに閾値を設定し、その画素数を超えた場合には強い正反射光があると判断することで、画素の座標を求める。そして、その投光角度(θ4,θ200)のデータを形状演算画像から除去することにより正反射ノイズを除去する(図15参照)。コイル演算手段17は、そのノイズ除去された形状演算画像から、コイルの位置を検出するために、コイルの径方向及び幅方向の断面形状を求める。
【0033】図18はコイル演算手段17においてコイルの径方向及び幅方向の断面形状を求める際の説明図である。ここでは、コイル3の形状データを検出ヘッドであるテレビカメラ10の設置角度(45°)分回転させた方向、すなわちトロリ43の横行方向及び走行方何にそれぞれ形状データを投影する。投影の方法としては、コイル幅方向には、コイル幅方向形状データの平均値を求める。図示の例では、スリット光51,52,53の例えば図示の点における平均値を求め、その平均値をコイル幅方向の投影形状における点の値とし、同様にして、スリット光51,52,53,54の他の点についてもその平均値を求めることで、コイル幅方向の投影形状(形状データ)55を求める。また、コイル径方向にはコイル径方向の形状データの最大値をとることにより正確な形状データが得られる。図示の例では、スリット光51,52,53,54をコイル径方向に投影させたデータ51a,52a,53a,54aの最大値をとることにより、コイル後方向の投影形状(形状データ)56を求める。
【0034】なお、上記の説明はコイル3の配置方向が予め分かっている場合についての例であるが、その方向が予め分かっていない場合においても同様にして処理することかできる。その場合には、取りあえずその方向を仮に決めてからコイル幅方向及び径方向の投影形状(形状データ)を求め、その形状データからその配置方向を判断することができるから、仮に決めたコイルの配置方向が誤っていた場合には、その判断された配置方向について上記のコイル径方向の投影形状(形状データ)を求める。
【0035】次に、コイル幅方向及び径方向に投影された形状データから、コイルの幅方向位置、コイル幅、コイル径方向中心位置及びコイル径を求める方法を説明する。コイルの幅方向については、図19に示されるように、投影された幅方向の形状データから別途設定した高さデータを越す左右両端の点を検出することにより、その点をコイルの右及び左エッジとして認識する。従って、コイル幅方向の中心位置及び幅はそれぞれ次式により求められる。
コイルの中心位置 = (右エッジ+左エッジ)/2 …(6)
コイル幅 = |右エッジ−左エッジ| …(7)
【0036】上記処理を行った時に、図16及び図17に示されるように、強い正反射光によって広がったスポット光のデータがあると、コイル幅が広く判断されコイルの位置も正しく計測されないが、本実施形態においては上述のように強い正反射光のデータを除去しているのでそのような弊害はない。ただし、正反射光ノイズ除去を行うには、図17に示すように(図17の例ではA,B,Cの3本)、幅方向のコイルエッジにノイズ除去後、少なくとも1本以上のスリット光データがかかっている必要がある。このため測定対象の1番小さいコイル径でも2本以上のスリットが幅方向コイルエッジにかかるように、スリット光の本数(投光角度間隔)を決める必要がある。
【0037】コイル径方向については、投影されたコイル形状が半円状になることから、円の方程式に形状データを代入することで、コイルの中心位置及び径を求めることができる。
(x−cx2 +(z−c22 =r2 …(8)
x,y:投影によって得られコイルの半円状の形状データcx ,c2 :コイル後方向中心位置r:コイル半径【0038】具体的にはコイルの径方向の3点以上のデータがあれば上記の(8)式を解くことができるが、コイルの径方向の測定データを有効に使い、測定の信頼性を向上させるために、コイル径方向の測定データに対して3点の組み合わせを複数通り設定し、各々の演算で得られた複数の中心位置からノイズを除去し、その後統計処理を行うことにより精度及び信頼性の高いコイル中心位置を求めることができる。
【0039】ノイズ除去の方式としては、ノイズが真値に対して異常値(真値よりも異常に大きいかまたは小さい値)をとることから、測定値の分布を求め、多数決の理論により予め設定した範囲より離れた点を除去する方法、及び、3点演算によって求められた全ての中心位置の平均値から距離の離れている順に予め設定した点数のデータを削除する方法がある。なお、このような処理は当然コイル径方向の断面形状を求める段階及び求めた断面形状から異常な形状データを除去するためにも用いられる。
【0040】また、多数のコイル中心位置から真の中心位置を求める方式としては、多数点の平均値を求める方法や、多数点の分布をメッシュ状に分割しその分布の最大値をとる位置を求める方法等がある。
【0041】本実施形態では、以上の説明からも明らかなように、コイル形状・位置を計測するにあたってノイズとなる測定対象コイルからの強い正反射光があったとしても強い正反射光があることを検出し、ノイズとなる強い正反射光データを除去する手段を持つことによって、測定対象であるコイルの表面性状の制限をなくし、正確なコイルの径方向中心位置とコイル径及びコイルの幅方向中心位置とコイル幅を求めることが可能になっている。
【0042】なお、本実施形態では、レーザスリット光の合成画像に基づいて形状演算を行った後で、正反射によりノイズを生じたスリット光のデータを除去したが、形状演算を行う前に上述の処理を行ってノイズを除去するようにしても良い。また、ノイズの除去においても、レーザ光の各2次元の投光角度によるレーザスリット光の面積を求める代わりに、レーザスリット光(画像)の信号レベルが所定の閾値レベルを越えている場合には、そのときの2次元の投光角度による画像信号をを除去するようにしてもよい。
【0043】また、本実施形態において、y方向角度信号はコイル形状を演算するためではなく、あくまでもスリット光の長手方向の位置識別のために用いられており、必ずしも投光角度信号である必要はない。例えば、レーザスポット光の走査速度がテレビカメラの撮像周期(フレーム周期)比べて十分速い場合には、レーザスリット光の長手方向の位置分解能は、1フレーム内でのレーザスポット光の移動分が最小位置分解能となる。従って、y方向の投光角度信号の代わりに、y方向のレーザ走査開始時点を基準とした、テレビカメラのフレーム数を信号として入力しても、同様の効果が得られる。この場合には、レーザ走査装置12は投光角度θxだけを出力すればよいこととなる。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、コイル形状・位置を計測するにあたって、ノイズとなる測定対象コイルからの強い正反射光があったとしても、強い正反射光があることを検出し、ノイズとなる強い正反射光データを除去するようにしたので、測定対象であるコイルの表面性状の制限をなくし、正確なコイルの径方向中心位置とコイル径及びコイルの幅方向中心位置とコイル幅を求めることが可能になっている。
【出願人】 【識別番号】000004123
【氏名又は名称】日本鋼管株式会社
【出願日】 平成11年7月1日(1999.7.1)
【代理人】 【識別番号】100061273
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治 (外3名)
【公開番号】 特開2001−12917(P2001−12917A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願平11−187303