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【発明の名称】 距離計測システム
【発明者】 【氏名】松原 行信

【要約】 【課題】航空機から追尾目標までの距離を、その航空機に搭載される複数の飛翔体の目標検出追尾装置を利用して計測する距離計測システムを提供する。

【解決手段】航空機1の搭乗員3が頭部の顔面側を追尾目標100に向け、入力装置を操作すると、基準の向きに対して、その航空機1に搭載された複数の飛翔体2a、2bの目標検出追尾装置の検出部の向きが、検出された頭部の顔面側の向きに対応するように変更される。各検出部が追尾目標100を検出すると、各検出部の向きは、その検出した追尾目標100を向くように変更される。各検出部が追尾目標100を検出した時、三角測量の原理により、その基準の向きに対する各検出部の向きθ2、θ3と、その航空機1に搭載された複数の飛翔体2a、2bの間の距離Aとに基づき、その航空機1から追尾目標100までの距離を演算する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】航空機に、互いに離間した状態で搭載される複数の飛翔体と、各飛翔体に取り付けられると共に、追尾目標の検出部、この検出部の向き変更手段、および予め定めた基準の向きに対する各検出部の向きの検出手段を有する目標検出追尾装置と、その搭乗員により操作される入力装置と、その基準の向きに対するその搭乗員の頭部の顔面側の向きを検出する手段と、その入力装置が操作された時に、その基準の向きに対して、各目標検出追尾装置の検出部の向きが検出された搭乗員の頭部の顔面側の向きに対応するように、各検出部の向きを変更させる信号を前記向き変更手段に出力する手段と、各目標検出追尾装置の検出部が追尾目標を検出した時に、各検出部の向きを、その検出した追尾目標を向くように変更させる信号を前記向き変更手段に出力する手段と、各目標検出追尾装置の検出部が追尾目標を検出した時に、その基準の向きに対する各検出部の向きと、その航空機に搭載された2つの飛翔体の間の距離とに基づき、その航空機から追尾目標までの距離を演算する手段とを備える距離計測システム。
【請求項2】航空機に、互いに離間した状態で搭載される複数の飛翔体と、各飛翔体に取り付けられると共に、追尾目標の検出部、この検出部の向き変更手段、および予め定めた基準の向きに対する各検出部の向きの検出手段を有する目標検出追尾装置と、その搭乗員により操作される入力装置と、その基準の向きに対するその搭乗員の頭部の顔面側の向きを検出する手段と、その入力装置が操作された時に、その基準の向きに対して、各目標検出追尾装置の検出部の向きが検出された搭乗員の頭部の顔面側の向きに対応するように、各検出部の向きを変更させる信号を前記向き変更手段に出力する手段と、各目標検出追尾装置の検出部が追尾目標を検出した時に、その基準の向きに対する各検出部の向きを、各検出部を構成する撮像素子における追尾目標の検出位置から求める手段と、各目標検出追尾装置の検出部が追尾目標を検出した時に、その基準の向きに対する各検出部の向きと、その航空機に搭載された2つの飛翔体の間の距離とに基づき、その航空機から追尾目標までの距離を演算する手段とを備える距離計測システム。
【請求項3】その搭乗員の頭部に装着される頭部装着型表示装置を備え、その頭部装着型表示装置は、照準画像の表示光を出射する表示器と、その表示光の光路を前記搭乗員の目に導くように変更すると共に前方からの光を透過するコンバイナとを有し、そのコンバイナを介して搭乗員が視認する照準画像と追尾目標とが対応する時、その搭乗員の頭部の顔面側が追尾目標を向く請求項1または2に記載の距離計測システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、目標追尾機能を有する飛翔体を搭載する航空機から、追尾目標までの距離を計測するためのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】航空機に搭載される飛翔体に取り付けられる目標検出追尾装置は、他の航空機等の追尾目標を赤外線等を介して検出する検出部を有する。その検出部が追尾目標を検出して追尾することで目標捕捉状態になり、且つ、その航空機から追尾目標までの距離が飛翔体の射程距離内である場合に、その飛翔体を航空機から発射することで、その飛翔体を追尾目標に向かい飛翔させることができる。
【0003】従来、その航空機から追尾目標までの距離が射程距離内か否かは、その航空機に搭載するレーダ等を用いて判断を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、航空機に搭載されるレーダは、通常は前方一定範囲のみを探知可能であるに過ぎず、そのため、そのレーダの探知範囲外の追尾目標が射程距離内にあるか否かを判断できなかった。
【0005】また、そのようなレーダに代えて全方位レーダ等を装備するには航空機の大規模な改修が必要となる。
【0006】さらに、その目標検出追尾装置における検出部は、検出した追尾目標の飛翔体に対する向きが変化しても常に追尾目標を向いて追尾できるように、その飛翔体に向き変更可能に取り付けられている。近年、その検出部の向き変更可能範囲の大きなものが開発されているため、その向き変更可能範囲がレーダの探知範囲を超える場合に、検出部が追尾目標を捕捉している時に航空機から追尾目標までの距離を計測する手段の開発が要望されている。
【0007】本発明は、上記問題を解決することのできる距離計測システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の距離計測システムの第1の特徴は、航空機に、互いに離間した状態で搭載される複数の飛翔体と、各飛翔体に取り付けられると共に、追尾目標の検出部、この検出部の向き変更手段、および予め定めた基準の向きに対する各検出部の向きの検出手段を有する目標検出追尾装置と、その搭乗員により操作される入力装置と、その基準の向きに対するその搭乗員の頭部の顔面側の向きを検出する手段と、その入力装置が操作された時に、その基準の向きに対して、各目標検出追尾装置の検出部の向きが検出された搭乗員の頭部の顔面側の向きに対応するように、各検出部の向きを変更させる信号を前記向き変更手段に出力する手段と、各目標検出追尾装置の検出部が追尾目標を検出した時に、各検出部の向きを、その検出した追尾目標を向くように変更させる信号を前記向き変更手段に出力する手段と、各目標検出追尾装置の検出部が追尾目標を検出した時に、その基準の向きに対する各検出部の向きと、その航空機に搭載された2つの飛翔体の間の距離とに基づき、その航空機から追尾目標までの距離を演算する手段とを備える点にある。この構成によれば、搭乗員が目視で追尾目標を捉えた時に頭部の顔面側を追尾目標に向け、入力装置を操作すると、基準の向きに対して、各目標検出追尾装置の検出部の向きが、検出された頭部の顔面側の向きに対応するように変更される。これにより、各目標検出追尾装置の検出部は追尾目標の近接領域を向くため、その検出部により追尾目標を検出することができる。各目標検出追尾装置の検出部が追尾目標を検出すると、各検出部の向きは、その検出した追尾目標を向くように変更される。各目標検出追尾装置の検出部が追尾目標を検出した時、三角測量の原理により、その基準の向きに対する各検出部の向きと、その航空機に搭載された複数の飛翔体の間の距離とに基づき、その航空機から追尾目標までの距離を演算することができる。
【0009】また、本発明の距離計測システムの第2の特徴は、航空機に、互いに離間した状態で搭載される複数の飛翔体と、各飛翔体に取り付けられると共に、追尾目標の検出部、この検出部の向き変更手段、および予め定めた基準の向きに対する各検出部の向きの検出手段を有する目標検出追尾装置と、その搭乗員により操作される入力装置と、その基準の向きに対するその搭乗員の頭部の顔面側の向きを検出する手段と、その入力装置が操作された時に、その基準の向きに対して、各目標検出追尾装置の検出部の向きが検出された搭乗員の頭部の顔面側の向きに対応するように、各検出部の向きを変更させる信号を前記向き変更手段に出力する手段と、各目標検出追尾装置の検出部が追尾目標を検出した時に、その基準の向きに対する各検出部の向きを、各検出部を構成する撮像素子における追尾目標の検出位置から求める手段と、各目標検出追尾装置の検出部が追尾目標を検出した時に、その基準の向きに対する各検出部の向きと、その航空機に搭載された2つの飛翔体の間の距離とに基づき、その航空機から追尾目標までの距離を演算する手段とを備える点にある。この構成によれば、搭乗員が目視で追尾目標を捉えた時に頭部の顔面側を追尾目標に向け、入力装置を操作すると、基準の向きに対して、各目標検出追尾装置の検出部の向きが、検出された頭部の顔面側の向きに対応するように変更される。これにより、各目標検出追尾装置の検出部は追尾目標の近接領域を向くため、その検出部により追尾目標を検出することができる。各目標検出追尾装置の検出部が追尾目標を検出した時、三角測量の原理により、その基準の向きに対する各検出部の向きと、その航空機に搭載された複数の飛翔体の間の距離とに基づき、その航空機から追尾目標までの距離を演算することができる。また、各検出部が追尾目標を検出したならば、その後に各検出部の向きを追尾目標を向くようにを変更することなく、その撮像素子における追尾目標の検出位置から、基準の向きに対する各検出部の向きを検出できる。
【0010】その搭乗員の頭部に装着される頭部装着型表示装置を備え、その頭部装着型表示装置は、照準画像の表示光を出射する表示器と、その表示光の光路を前記搭乗員の目に導くように変更すると共に前方からの光を透過するコンバイナとを有し、そのコンバイナを介して搭乗員が視認する照準画像と追尾目標とが対応する時、その搭乗員の頭部の顔面側が追尾目標を向くのが好ましい。これにより、搭乗員は自身の頭部の顔面側が追尾目標に向いていることを容易に確認できるので、その時点で入力装置を操作することで、その時点で検出された搭乗員の頭部の顔面側の向きに各目標検出追尾装置の検出部の向きを確実に対応させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1、図2に示す距離計測システムは、航空機1から追尾目標100である他の航空機までの距離を計測するものであり、その航空機1に、互いに左右に離間した状態で搭載される2つの飛翔体2a、2bを備える。一方の飛翔体2aは右主翼の下方に配置され、他方の飛翔体2bは左主翼の下方に配置されることで、両飛翔体2a、2bは互いに左右に離間する。各飛翔体2a、2bは、航空機1から発射されて追尾目標100に向かい飛翔される。
【0012】その航空機1の搭乗員3の頭部に装着される頭部装着型表示装置10を備える。その頭部装着型表示装置10は、頭部への装着部を構成するヘルメット11と、そのヘルメット11により保持される表示器12と、そのヘルメット11に搭乗員3の前方に位置するように保持されるバイザー兼用のコンバイナ13とを有する。なお、その頭部への装着部はヘルメットに限定されず、例えば頭部に嵌め合わされるバンド状のものでもよい。その表示器12は、例えばフラットパネルディスプレイやCRT等により構成され、情報処理装置7から送られる画像信号に対応する照準画像の表示光を出射する。その情報処理装置7は、本実施形態では、頭部装着型表示装置10側の信号処理部7aと、航空機1の機体側の信号処理部7bと、その両信号処理部7a、7bを接続するデータバス7cとを有する。その照準画像は、例えば十字の図形により構成される。そのコンバイナ13は、その表示器12から出射される表示光の光路を搭乗員3の目に導くように変更すると共に前方からの光を透過する。これにより、搭乗員3の前方に照準画像が形成される。このコンバイナ13としては、例えば、ハーフミラーやホログラム素子を用いることができる。ハーフミラーを用いる場合は反射により表示光の光路を変更し、ホログラム素子を用いる場合は回折により表示光の光路を変更する。そのコンバイナ13は前方からの光を透過するので、その照準画像とコンバイナ13の前方に実際に存在するものの双方を搭乗員3は視認できる。そのコンバイナ13を介して搭乗員3が視認する照準画像と追尾目標100とが対応する時、例えば照準画像を構成する十字図形に追尾目標100が一致する時、その搭乗員3の頭部の顔面側が追尾目標100を向く。
【0013】その搭乗員3の予め定めた基準の向きに対する頭部の顔面側の向きを検出する手段として、ヘッドモーショントラッカ15が航空機1に設けられている。そのヘッドモーショントラッカ15は、ヘルメット11に取り付けられるセンサ15aと、航空機1の機体側に取り付けられるソース15bとを有する。そのセンサ15aでソース15bの信号を検知することで、本実施形態では航空機1の進行方向前方を基準の向きとして、その基準の向きに対する搭乗員3の頭部の顔面側の向きに対応する角度θ1に応じた信号を情報処理装置7に出力する。
【0014】各飛翔体2a、2bに目標検出追尾装置21が取り付けられている。その目標検出追尾装置21は、飛翔体2a、2bの先端に内蔵される検出部21aと、この検出部21aの向きを変更させる駆動機構21bと、基準の向きである航空機1の進行方向前方に対する各検出部21aの向きに対応する角度を検出する角度センサ21cと、その検出部21a、駆動機構21b、角度センサ21cの制御装置21dとを有する。各検出部21aは、飛翔体2a、2bの進行方向前方における一定範囲を検出範囲とするもので、その検出範囲の中心の向きが検出部21aの向きとされ、例えば追尾目標100が発する赤外線を感知することで追尾目標100を検出する赤外線センサにより構成され、そのセンサの視野の中心の向きが検出部21aの向きとされる。その駆動機構21bにより検出部21aは、飛翔体2a、2bの前方を向く状態と左右を向く状態との間で首振り状に向きが変更可能とされている。
【0015】その航空機1に、搭乗員3により操作される入力装置30が設けられている。その入力装置30は、本実施形態では押し釦スイッチにより構成され、その搭乗員3により操作されることで目標捕捉信号を情報処理装置7に出力する。
【0016】その情報処理装置7は、その入力装置30の操作で目標捕捉信号が入力されると、その基準の向きである航空機1の進行方向前方に対して、各目標検出追尾装置21の検出部21aの向きが検出された搭乗員3の頭部の顔面側の向きに対応するように、各検出部21aの向きを変更するための駆動信号を上記制御装置21dに出力する。その制御装置21dが駆動機構21bを制御することで、その基準の向きに対する各検出部21aの向きに対応する角度は、その基準の向きに対する検出された搭乗員3の頭部の顔面側の向きに対応する角度θ1に一致する。なお、ここで、その基準の向きに対する各検出部21aの向きに対応する角度は、その基準の向きに対する検出された搭乗員3の頭部の顔面側の向きに対応する角度θ1と完全に一致する必要はなく、各検出部21aが追尾目標100の近接領域を向くことで追尾目標100を検出できる範囲で変動してもよい。
【0017】各目標検出追尾装置21においては、検出部21aによる追尾目標100の検出信号が制御装置21dに入力されると、その制御装置21dは検出部21aの向きを、その検出した追尾目標100を向くように変更するための駆動信号を駆動機構21bに出力する。また、その制御装置21dは、各検出部21aによる追尾目標100の検出信号と、各角度センサ21cによる基準の向きである航空機1の進行方向前方に対する各検出部21aの向きに対応する角度の検出信号を、情報処理装置7に出力する。この目標捕捉状態で各目標検出追尾装置21の検出部21aは常に追尾目標100を向く。
【0018】その情報処理装置7は、その目標捕捉状態となることで各目標検出追尾装置21の検出部21aが追尾目標100を検出した時に、その基準の向きである航空機1の進行方向前方に対する各検出部21aの向きに対応する角度θ2、θ3と、その航空機1に搭載された両飛翔体2a、2bの間の予め測定された距離Aとに基づき、三角測量の原理により、その航空機1から追尾目標100までの距離を演算する。その目標捕捉状態で、且つ、その演算した距離が飛翔体2a、2bの射程距離内である場合に、その飛翔体2a、2bの中の少なくとも一方を航空機1から発射し、追尾目標100に向かい飛翔させることができる。
【0019】上記構成によれば、搭乗員3が頭部の顔面側を追尾目標100に向け、入力装置30を操作すると、基準の向きに対して、各目標検出追尾装置21の検出部21aの向きが、検出された頭部の顔面側の向きに対応するように変更される。これにより、各目標検出追尾装置21の検出部21aは追尾目標100の近接領域を向くため、その検出部21aにより追尾目標100を検出することができる。各目標検出追尾装置21の検出部21aが追尾目標100を検出すると、各検出部21aの向きは、その検出した追尾目標100を向くように変更される。各目標検出追尾装置21の検出部21aが追尾目標100を向く時、三角測量の原理により、その基準の向きに対する各検出部21aの向きと、両飛翔体2a、2bの間の距離Aとに基づき、その航空機1から追尾目標100までの距離を演算することができる。すなわち、航空機1に搭載されている飛翔体2a、2bにおける目標検出範囲の大きい目標検出追尾装置21を用いて、既存システムでは距離検出が困難であった方向の追尾目標100までの距離を計測し、追尾目標100が射程距離内か否かを確認することができる。
【0020】本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、飛翔体の各目標検出追尾装置の検出部をCCD等の撮像素子を用いて構成し、各検出部が追尾目標を検出した時に、その後に各検出部の向きを追尾目標を向くようにを変更することなく、その撮像素子における追尾目標の検出位置から、基準の向きに対する各検出部の向きを情報処理装置により求めるようにし、他は上記実施形態と同様に構成してもよい。また、航空機の翼の振動、変形等による飛翔体自身の基準の向きに対する角度変異を検出する角度センサを、飛翔体または飛翔体を取り付ける翼に取り付け、その角度検出信号を加えて航空機から追尾目標までの距離を演算することで、その翼の振動や変形等の影響を補償できる。また、上記実施形態では飛翔体の数は2つとされているが3つ以上でもよく、その場合、その飛翔体の中から2つを選択する組み合わせの数だけ距離計測を行うことができるので、平均値を計測結果としてもよい。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、航空機から追尾目標までの距離を、その航空機に搭載される複数の飛翔体の目標検出追尾装置を利用することで計測でき、飛翔体の有効な運用が可能となる距離計測システムを提供できる。
【出願人】 【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
【出願日】 平成11年12月29日(1999.12.29)
【代理人】 【識別番号】100095429
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 進
【公開番号】 特開2001−194098(P2001−194098A)
【公開日】 平成13年7月17日(2001.7.17)
【出願番号】 特願平11−377386