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【発明の名称】 飛しょう体の誘導装置
【発明者】 【氏名】松本 啓

【要約】 【課題】目標の情報を推定できる飛しょう体の誘導装置を得る。

【解決手段】追尾中の目標を見失った場合、母機や他の飛しょう体からの目標情報を用いて、目標の位置を推定することにより、継続して飛しょう体の誘導が行える。飛しょう体自らの目標情報と母機や他の飛しょう体からの目標情報とを切り替える条件として、1.目標情報が得られなくなった場合、2.目標の補足状況を示す指標がしきい値を越えた場合、3.目標の補足状況を示す指標をファジー関数で評価、推論し切換条件が選択された場合、4.目標の補足状況を示す指標をニューラルネットワークに入力し、その出力がしきい値を越えた場合を用いて誘導の継続を図る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 目標物体の位置及び速度等の目標情報を得る捕捉装置と、飛しょう体の位置及び速度等の飛しょう体情報を得る位置測定装置と、上記目標情報及び上記飛しょう体情報等を含む射撃管制情報を射撃管制装置に送信する目標情報送信装置と、射撃管制装置が測定した目標情報及び射撃管制装置の位置及び速度等の射撃管制装置情報を含む射撃管制情報を受信する目標情報受信装置と、上記捕捉装置及び位置測定装置から出力される目標情報及び飛しょう体情報を基に、もしくはこの目標情報が得られない際には上記目標情報受信装置から出力される射撃管制情報を基に、目標物体に飛しょう体が会合できるよう飛しょう体を誘導するため飛しょう誘導指令を出力する誘導計算装置と、この飛しょう誘導指令に従い飛しょう体を制御する飛しょう制御装置とを備えた飛しょう体の誘導装置において、上記射撃管制情報を射撃管制装置に加え他の飛しょう体にも送信する目標情報送信装置と、射撃管制装置から受信する射撃管制情報に加え他の飛しょう体が送信した射撃管制情報も受信する目標情報受信装置と、上記捕捉装置及び位置測定装置から出力される目標情報及び飛しょう体情報を基に、もしくはこの目標情報が得られない際には上記目標情報受信装置から出力される射撃管制情報を基に、目標物体に飛しょう体が会合できるよう飛しょう体を誘導するため飛しょう加速度指令を出力する誘導計算装置とを備えたことを特徴とする飛しょう体の誘導装置。
【請求項2】 上記誘導計算装置は、上記捕捉装置が目標物体を捕捉する際にS/N比、S/C比、目標物体と飛しょう体との相対距離の遠近、目標物体と飛しょう体との相対速度の高低または発射高度の高低等の目標物体の捕捉状況を表す指標を設定し、それぞれの条件について予め定めておいたしきい値を超えた場合、捕捉装置から目標情報が出力されていたとしても上記目標情報受信装置からの射撃管制情報を用いるよう誘導計算装置の入力を切り替える目標情報切り替え回路とを具備したことを特徴とする請求項1記載の飛しょう体の誘導装置。
【請求項3】 上記誘導計算装置は、上記捕捉装置が目標物体を捕捉する際にS/N比、S/C比、目標物体と飛しょう体との相対距離の遠近、目標物体と飛しょう体との相対速度の高低または発射高度の高低等の目標物体の捕捉状況を表す指標を設定し、それぞれの条件について人間の経験を取り入れたファジー関数で評価及び推論し、予め定めておいた切り替え条件が選択された場合、捕捉装置から目標情報が出力されていたとしても上記目標情報受信装置からの射撃管制情報を用いるよう誘導計算装置の入力を切り替える目標情報ファジー切り替え回路とを具備したことを特徴とする請求項1記載の飛しょう体の誘導装置。
【請求項4】 上記誘導計算装置は、上記捕捉装置が目標物体を捕捉する際にS/N比、S/C比、目標物体と飛しょう体との相対距離の遠近、目標物体と飛しょう体との相対速度の高低または発射高度の高低等の目標物体の捕捉状況を表す指標を設定し、ニューラルネットワークに予め学習させておき、上記学習済みニューラルネットワーク構造を数式化し搭載し、その出力が予め定めておいたしきい値を超えた場合、捕捉装置から目標情報が出力されていたとしても上記目標情報受信装置からの射撃管制情報を用いるよう誘導計算装置の入力を切り替える目標情報ニューロ切り替え回路とを具備したことを特徴とする請求項1記載の飛しょう体の誘導装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は目標物体に向かって誘導飛しょうする飛しょう体の誘導装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】まず従来の射撃管制情報について説明する。図10において1は飛しょう体、2は捕捉装置、8は射撃管制装置、9は射撃管制情報、11は目標物体である。
【0003】上記構成において、射撃管制装置8はレーダ、赤外線、赤外線画像、レーザ、テレビ画像または超音波等を用いた捕捉装置2によって目標物体11の位置、速度及び高度等の目標情報と射撃管制装置の位置、速度及び高度等の射撃管制装置情報を各々測定し、射撃管制情報9として送信する。
【0004】飛しょう体1は捕捉装置2によって目標物体11の目標情報を測定するが、目標物体との相対位置関係(アスペクトや、高度差等)、その他の気象条件(太陽、波高等)、あるいは人為的な妨害等により目標物体11の捕捉が困難な場合がある。この際には、上記射撃管制情報9を用いて、目標物体の位置、速度等を推定することが可能となり、誘導を継続することが可能である。
【0005】図11は誘導装置の構成図であり、1は飛しょう体、2は捕捉装置、3は位置測定装置、4は目標情報送信装置、5は誘導計算装置、6は目標情報受信装置、7は誘導装置、8は射撃管制装置、9は射撃管制情報、10は飛しょう制御装置である。
【0006】次に図11によって動作について説明する。捕捉装置2からの目標情報及び位置測定装置3からの飛しょう体情報を入力された誘導計算装置5は飛しょう体1を目標物体11に会合させるための誘導に必要な飛しょう誘導指令を出力する。射撃管制装置8は、捕捉装置2によって目標物体11の位置、速度及び高度等の目標情報と射撃管制装置の位置、速度及び高度等の射撃管制装置情報を各々測定し、射撃管制情報9を飛しょう体1の発射前は初期値として、発射後は予備の情報として送信する。
【0007】捕捉装置2においては、目標物体との相対位置関係(アスペクトや、高度差等)、その他の気象条件(太陽、波高等)、あるいは人為的な妨害等により目標物体11の捕捉が困難な場合がある。この際、誘導装置7は目標情報受信装置6により受信した上記射撃管制情報9を用いて、目標物体11の位置、速度等を推定し、飛しょう体1を目標物体11に会合させるための誘導に必要な飛しょう誘導指令を継続して出力する。この飛しょう誘導指令に従い、飛しょう制御装置10は制御を実施し、飛しょう体1が必要な軌道修正を行いながら目標物体2に誘導されていく。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来の飛しょう体の誘導装置は飛しょう体を目標物体方向へと誘導するための飛しょう体誘導指令の算出にあたり、レーダ、赤外線、赤外線画像、レーザ、テレビ画像または超音波等を用いた捕捉装置からの目標情報が、目標物体との相対位置関係(アスペクトや、高度差等)、その他の気象条件(太陽、波高等)、あるいは人為的な妨害等により得られない場合に、射撃管制装置からの射撃管制情報を用いて目標物体の位置、速度等の推定を行い誘導指令を算出しており、射撃管制装置の捕捉装置も同様に目標情報を得られない場合には誘導が継続できない可能性があった。
【0009】この発明は上記のような課題を解決し、従来の射撃管制装置からの射撃管制情報のみに頼る飛しょう体の誘導装置と比較して、より確実に飛しょう体の誘導を継続できる飛しょう体の誘導装置を得ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る飛しょう体の誘導装置は飛しょう体を目標物体方向へと誘導するための飛しょう体の誘導指令の算出にあたり、レーダ、赤外線、赤外線画像、レーザ、テレビ画像または超音波等を用いた捕捉装置からの目標情報が、目標物体との相対位置関係(アスペクトや、高度差等)、その他の気象条件(太陽、波高等)、あるいは人為的な妨害等により得られない場合に、射撃管制装置から送信され、目標情報受信装置で受信した射撃管制情報を用いて目標物体の位置、速度等の推定を行い誘導指令を算出する誘導計算装置に代えて、射撃管制装置から送信された射撃管制情報に加え他の飛しょう体が送信した射撃管制情報も受信する目標情報受信装置を備え、捕捉装置からの目標情報が得られない場合にはこの目標情報受信装置から出力される射撃管制情報を基に、目標物体に飛しょう体が会合できるよう飛しょう体を誘導するため飛しょう加速度指令を出力する誘導計算装置とを使用するものである。
【0011】第2の発明に係る飛しょう体の誘導装置は飛しょう体を目標物体方向へと誘導するための飛しょう体の誘導指令の算出にあたり、捕捉装置からの目標情報が、目標物体との相対位置関係、その他の気象条件、あるいは人為的な妨害等により得られない場合に、射撃管制装置から送信され、目標情報受信装置で受信した射撃管制情報を用いて目標物体の位置、速度等の推定を行い誘導指令を算出する誘導計算装置に代えて、射撃管制装置から送信された射撃管制情報に加え他の飛しょう体が送信した射撃管制情報も受信する目標情報受信装置を備え、S/N(信号/雑音)比、S/C(信号/クラッタ)比、目標物体と飛しょう体との相対距離の遠近、目標物体と飛しょう体との相対速度の高低または発射高度の高低等の目標物体の捕捉状況を表す指標を設定し、それぞれの条件について予め定めておいたしきい値を超えた場合、捕捉装置から目標情報が出力されていたとしても上記目標情報受信装置からの射撃管制情報を用いるよう誘導計算装置の入力を切り替える目標情報切り替え回路を備え、この目標情報切り替え装置からの出力を基に目標物体に飛しょう体が会合できるよう飛しょう体を誘導するため飛しょう加速度指令を出力する誘導計算装置とを使用するものである。
【0012】第3の発明に係る飛しょう体の誘導装置は飛しょう体を目標物体方向へと誘導するための飛しょう体の誘導指令の算出にあたり、捕捉装置からの目標情報が、目標物体との相対位置関係、その他の気象条件、あるいは人為的な妨害等により得られない場合に、射撃管制装置から送信され、目標情報受信装置で受信した射撃管制情報を用いて目標物体の位置、速度等の推定を行い誘導指令を算出する誘導計算装置に代えて、射撃管制装置から送信された射撃管制情報に加え他の飛しょう体が送信した射撃管制情報も受信する目標情報受信装置を備え、S/N比、S/C比、目標物体と飛しょう体との相対距離の遠近、目標物体と飛しょう体との相対速度の高低または発射高度の高低等の目標物体の捕捉状況を表す指標を設定し、それぞれの条件について人間の経験を取り入れたファジー関数で評価及び推論し、予め定めておいた切り替え条件が選択された場合、捕捉装置から目標情報が出力されていたとしても上記目標情報受信装置からの射撃管制情報を用いるよう誘導計算装置の入力を切り替える目標情報ファジー切り替え回路を備え、この目標情報ファジー切り替え装置からの出力を基に目標物体に飛しょう体が会合できるよう飛しょう体を誘導するため飛しょう加速度指令を出力する誘導計算装置とを使用するものである。
【0013】第4の発明に係る飛しょう体の誘導装置は飛しょう体を目標物体方向へと誘導するための飛しょう体の誘導指令の算出にあたり、捕捉装置からの目標情報が、目標物体との相対位置関係、その他の気象条件、あるいは人為的な妨害等により得られない場合に、射撃管制装置から送信され、目標情報受信装置で受信した射撃管制情報を用いて目標物体の位置、速度等の推定を行い誘導指令を算出する誘導計算装置に代えて、射撃管制装置から送信された射撃管制情報に加え他の飛しょう体が送信した射撃管制情報も受信する目標情報受信装置を備え、S/N比、S/C比、目標物体と飛しょう体との相対距離の遠近、目標物体と飛しょう体との相対速度の高低または発射高度の高低等の目標物体の捕捉状況を表す指標を設定し、ニューラルネットワークに予め学習させておき、上記学習済みニューラルネットワーク構造を数式化し搭載し、その出力が予め定めておいたしきい値を超えた場合、捕捉装置から目標情報が出力されていたとしても上記目標情報受信装置からの射撃管制情報を用いるよう誘導計算装置の入力を切り替える目標情報ニューロ切り替え回路を備え、この目標情報ニューロ切り替え装置からの出力を基に目標物体に飛しょう体が会合できるよう飛しょう体を誘導するため飛しょう加速度指令を出力する誘導計算装置とを使用するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1及び図2を用いてこの発明の実施の形態について説明する。図1は誘導装置7の構成図であり、1は飛しょう体、2は捕捉装置、3は位置測定装置、4は目標情報送信装置、5は誘導計算装置、6は目標情報受信装置、7は誘導装置、8は射撃管制装置、9は射撃管制情報、10は飛しょう制御装置である。図2は射撃管制情報を説明するための図であり、1は飛しょう体、2は捕捉装置、8は射撃管制装置、9は射撃管制情報、11は目標物体である。
【0015】次に図1及び図2を用いて上記実施の形態の動作を説明する。図1におけるレーダ、赤外線、赤外線画像、レーザ、テレビ画像または超音波等を用いた捕捉装置2によって得られた目標情報及び位置測定装置3によって得られた飛しょう体情報を基に、誘導計算装置5において飛しょう体1を目標物体11に誘導するのに必要な飛しょう誘導指令が計算される。
【0016】図1の誘導計算装置5において飛しょう誘導指令を計算する際、捕捉装置2からの目標情報が、目標物体11との相対位置関係(アスペクトや、高度差等)、その他の気象条件(太陽、波高等)、あるいは人為的な妨害等により得られない場合に、射撃管制装置8から送信され、目標情報受信装置6で受信した射撃管制情報9を用いて目標物体11の位置、速度等の推定を行い飛しょう誘導指令を計算する。ここまでは従来の飛しょう体の誘導装置と同様である。
【0017】ここで、図2を用いて捕捉装置2が目標物体11を捕捉できない一例を示す。図2において、飛しょう体1(1)が例えばレーダを用いた捕捉装置2により目標物体11を捕捉しようとするが、海面反射により捕捉できない状況にあり、射撃管制装置8も同様に海面反射の影響で目標物体11の捕捉を継続できない。この時飛しょう体1(2)は角度が違うため、海面反射の影響を受けず、目標物体11の捕捉を継続できる。また、飛しょう体1(2)が例えば赤外線を用いた捕捉装置2により目標物体11を捕捉しようとした場合、大要と重なり捕捉できない状況であり、逆にこの時には射撃管制装置8及び飛しょう体1(1)は角度が違うため、太陽の影響を受けず、目標物体11の捕捉を継続できる。
【0018】ここで、本発明に係る飛しょう体の誘導装置においては、図1に示すように射撃管制装置8から送信された射撃管制情報9に加え他の飛しょう体が送信した射撃管制情報9も受信する目標情報受信装置6を備え、捕捉装置2からの目標情報が得られない場合、かつ射撃管制装置8からも射撃管制情報が送られない場合においても、他の飛しょう体1から送信され、目標情報受信装置6から出力される射撃管制情報9を基に、誘導計算装置5が目標物体11に飛しょう体1を会合させるよう飛しょう誘導指令を出力する。
【0019】以降は従来の飛しょう体の誘導装置と同じであり、誘導計算装置5から出力された飛しょう誘導用指令は飛しょう制御装置10に入力され、これによって飛しょう体1が必要な軌道修正を行いながら目標物体に誘導されていく。
【0020】ここで、本実施の例においては捕捉装置2が捕捉を追尾できない例として図2の中では海面反射と太陽を挙げたが、目標物体11との相対位置関係(アスペクトや、高度差等)、その他の気象条件(太陽、波高等)、あるいは人為的な妨害等、そのシステムに最適なものとすることができる。
【0021】実施の形態2.実施の形態1では、捕捉装置2によって目標物体11が捕捉できない場合に限り、射撃管制情報9を用いるとしている。しかし、捕捉装置2によって目標物体11が捕捉しており、目標情報を出力できていても、目標物体11との相対位置関係(アスペクトや、高度差等)、その他の気象条件(太陽、波高等)、あるいは人為的な妨害等により、捕捉状況が不安定であったり、捕捉状況が悪化していき、そのままだと捕捉が継続できなくなる恐れがある場合等、状況によってはこの目標情報よりも他の飛しょう体1や射撃管制装置8から送信された射撃管制情報9を用いたほうが、より確実に捕捉を継続可能である。図3を用いてこの発明の実施の形態について説明する。図3は誘導装置7の構成図であり、1は飛しょう体、2は捕捉装置、3は位置測定装置、4は目標情報送信装置、5は誘導計算装置、6は目標情報受信装置、7は誘導装置、8は射撃管制装置、9は射撃管制情報、10は飛しょう制御装置、12は目標情報切り替え回路である。
【0022】次に図3を用いて上記実施の形態の動作を説明する。図3における捕捉装置2によって得られた目標情報及び位置測定装置3によって得られた飛しょう体情報を基に、誘導計算装置5において飛しょう体1を目標物体11に誘導するのに必要な飛しょう誘導指令が計算される。
【0023】図3の誘導計算装置5において飛しょう誘導指令を計算する際、捕捉装置2からの目標情報が得られない場合に、射撃管制装置8もしくは他の飛しょう体1から送信され、目標情報受信装置6で受信した射撃管制情報9を用いて目標物体11の位置、速度等の推定を行い飛しょう誘導指令を計算する。ここまでは実施の形態1の飛しょう体の誘導装置と同様である。
【0024】ここで、本発明に係る飛しょう体の誘導装置においては、図3の目標情報切り替え回路12において、S/N比、S/C比、目標物体と飛しょう体との相対距離の遠近、目標物体と飛しょう体との相対速度の高低または発射高度の高低等、目標物体の捕捉状況を表す指標を複数設定し、それぞれの指標についてあらかじめしきい値を記憶しておく。
【0025】各々の飛しょう体1及び射撃管制装置8は射撃管制情報9に含まれる目標情報もしくは飛しょう体情報として、上記捕捉状況を示す指標についての情報も含めて、射撃管制情報送信装置4によって射撃管制情報9として送信する。
【0026】図3の目標情報切り替え回路12において、捕捉状況を示す指標が上記しきい値を超えた場合、上記目標情報受信装置6によって受信した他の飛しょう体1または射撃管制装置8からの射撃管制情報9を参照し、その中に含まれる捕捉状況を示す指標がしきい値を超えていないものを精度の高い射撃管制情報9として選択する。この時、目標情報切り替え回路12は捕捉装置2から目標情報が出力されていたとしてもその射撃管制情報9を用いるよう誘導計算装置5の入力を切り替える。
【0027】誘導計算装置5は目標情報切り替え装置12の出力を基に目標物体11の位置、速度等の推定を行い飛しょう誘導指令を計算する。
【0028】以降の動作は実施の形態1の飛しょう体の誘導装置と同じであり、以降は従来の飛しょう体の誘導装置と同じであり、誘導計算装置5から出力された飛しょう誘導用指令は飛しょう制御装置10に入力され、これによって飛しょう体1が必要な軌道修正を行いながら目標物体に誘導されていく。
【0029】ここで、本実施の形態において目標情報切り替え回路12における切り替え条件の例として、目標物体の捕捉状況、例えばS/N比、S/C比、目標物体と飛しょう体との相対距離の遠近、目標物体と飛しょう体との相対速度の高低または発射高度の高低等を挙げたが、そのしきい値及び、切り替え条件は任意に設定でき、そのシステムに最適なものとすることができる。
【0030】また本実施の形態においても実施の形態1と同様、捕捉装置2が捕捉を追尾できない要素として、例えば目標物体11との相対位置関係(アスペクトや、高度差等)、その他の気象条件(太陽、波高等)、あるいは人為的な妨害等、そのシステムに最適なものとすることができる。
【0031】実施の形態3.実施の形態2では、射撃管制情報9を用いる条件として、捕捉状況を示す指標が、あるしきい値を超えた場合としている。しかし、捕捉状況を示す指標を複数設定している場合、ある指標のみがたまたましきい値を超えるような時、その他の指標がいくら良い値であっても、目標情報切り替え回路12は他の飛しょう体1または射撃管制装置8から受信した射撃管制情報9を用いるよう出力を切り替えてしまう。このように状況によっては個々の指標にしきい値を設けるよりも、指標全体がどんな捕捉状況を示しているかを人間の経験を取り入れたファジー関数で評価し、それらの結果をファジー推論することにより、捕捉状況に最も近いあらかじめ設定しておいた捕捉状況データを選択し、その捕捉状況データの評価値を比較し、射撃管制情報9を用いるかどうかを判断することにより、より確実に捕捉を継続可能である。図4、図5、図6、図7を用いてこの発明の実施の形態について説明する。図4は誘導装置7の構成図であり、1は飛しょう体、2は捕捉装置、3は位置測定装置、4は目標情報送信装置、5は誘導計算装置、6は目標情報受信装置、7は誘導装置、8は射撃管制装置、9は射撃管制情報、10は飛しょう制御装置、13は目標情報ファジー切り替え回路、14はファジー化処理部、15はファジー推論部である。図5は上記ファジー化処理部14中に組み込まれている飛しょう体の捕捉状況に対する人間の経験を取り入れたファジー関数、即ちメンバシップ関数を示す図であり、捕捉状況を示す指標としての、S/N比、S/C比及び相対距離に対して人間の経験による評価を与えるものである。図6は上記ファジー推論部15に組み込まれているファジー推論を実施するための各条件のファジー値の一例であり、捕捉状況を示す指標としての、S/N比、S/C比及び相対距離の評価結果に対する捕捉状況データの決定のための例を示すものである。図7は合成規則として用いたmin−max合成を説明するための図である。
【0032】次に図4を用いて上記実施の形態の動作を説明する。図4における捕捉装置2によって得られた目標情報及び位置測定装置3によって得られた飛しょう体情報を基に、誘導計算装置5において飛しょう体1を目標物体11に誘導するのに必要な飛しょう誘導指令が計算される。
【0033】図4の誘導計算装置5において飛しょう誘導指令を計算する際、捕捉装置2からの目標情報が得られない場合に、射撃管制装置8もしくは他の飛しょう体1から送信され、目標情報受信装置6で受信した射撃管制情報9を用いて目標物体11の位置、速度等の推定を行い飛しょう誘導指令を計算する。ここまでは実施の形態1の飛しょう体の誘導装置と同様である。
【0034】ここで、本発明に係る飛しょう体の誘導装置においては、図4の目標情報ファジー切り替え回路13において、S/N比、S/C比、目標物体と飛しょう体との相対距離の遠近、目標物体と飛しょう体との相対速度の高低または発射高度の高低等、目標物体の捕捉状況を表す指標を複数設定し、指標の値がどのような組み合わせになったらどのような捕捉状況になるのかを複数の条件のテーブルとしてあらかじめ記憶しておく。
【0035】各々の飛しょう体1及び射撃管制装置8は射撃管制情報9に含まれる目標情報もしくは飛しょう体情報として、上記捕捉状況を示す指標についての情報も含めて、射撃管制情報送信装置4によって射撃管制情報9として送信する。
【0036】上記目標情報受信装置6によって受信した他の飛しょう体1または射撃管制装置8からの射撃管制情報9を参照し、その中に含まれる捕捉状況を示す指標と、自分で測定した目標物体の捕捉状況を表す指標を、それぞれ図4の目標情報ファジー切り替え回路13に入力する。この目標情報ファジー切り替え回路13においてファジー選択回路14は、入力された捕捉状況が最も近い捕捉状況データを、テーブルとして予め記憶させておいた複数の捕捉状況データの中から1つ選択する。選択された捕捉状況データの示す捕捉状況の評価値を各飛しょう体及び射撃管制装置の中で比較し、最も良いものを精度の高い射撃管制情報9として選択する。この時、目標情報ファジー切り替え回路13は捕捉装置2から目標情報が出力されていたとしてもその射撃管制情報9を用いるよう誘導計算装置5の入力を切り替える。
【0037】ここで、目標情報ファジー切り替え回路13においては、例えばS/N比、S/C比及び相対距離の入力項目を図5に従って、ファジー化処理部14中に組み込まれている人間の経験を取り入れたファジー関数で評価、即ちファジー化する。一例を示すと、まずある量のS/N比Sn、S/C比Sc、相対距離Rに対して、各々正で大、正で中、正で小、ゼロのいずれかもしくはそれらのうちの2つに対する合致度を0以上1以下の数、即ちグレードで表す。例えば、相対距離30kmがファジー化処理部14に入ってきたと仮定すると、この値に対するファジー化の結果は図5のメンバーシップ関数を用いて、10km度は0、20km度は0.5、40km度は0.5ということになる。
【0038】次にファジー化処理部14でファジー化されたS/N比、S/C比及び相対距離はファジー推論部15に入り、図6に単純化した一例として示した予め記憶しておいた捕捉状況データに対応する指標に対して数1に示すmin−max合成を行う。その結果は図7に示すように得られ、推論結果として最も近い条件を得る。例えば、図6に示した例の場合、飛しょう体では図7より条件1では最小値が0、条件2では0.25、条件3では0、条件4では0.5となり、最大値の0.5をとる条件4が最も近いという推論結果を得、かつ、射撃管制装置では図7より条件1では最小値が0、条件2では0.25、条件3では0、条件4では0となり、最大値の0.25をとる条件2が最も近いという推論結果を得る。この結果から評価値が最も良い飛しょう体の射撃管制情報9を用いるよう目標情報ファジー切り替え回路13が選択する。
【0039】
【数1】

【0040】誘導計算装置5は目標情報ファジー切り替え装置13の出力を基に目標物体11の位置、速度等の推定を行い飛しょう誘導指令を計算する。
【0041】以降の動作は実施の形態1の飛しょう体の誘導装置と同じであり、以降は従来の飛しょう体の誘導装置と同じであり、誘導計算装置5から出力された飛しょう誘導用指令は飛しょう制御装置10に入力され、これによって飛しょう体1が必要な軌道修正を行いながら目標物体に誘導されていく。
【0042】なお、本実施の形態3はある仮想の飛しょう体モデルを想定して単純化して作成したものであり、捕捉状況を示す指標としてはS/N比、S/C比、相対距離を選択し、それらに対するメンバーシップ関数の設定を示したが、これらは適用する対象のシステムに応じて、S/N比、S/C比、目標物体と飛しょう体との相対距離の遠近、目標物体と飛しょう体との相対速度の高低または発射高度の高低等、さらにその他の影響を及ぼすと思われる要因についてそれぞれメンバーシップ関数を定義して用いることができる。
【0043】また、S/N比、S/C比、目標物体と飛しょう体との相対距離のメンバーシップ関数にいずれも鋸歯状の関数を用いたが、これは台形あるいは釣り鐘状等でも良いとともに、0km、10km、20km、40km等の区切り位置も、実際に本装置を適用するシステムに合わせて設計することになるため、図5以外の組合せにおいてもこの発明と同等の効果が得られることが考えられる。
【0044】更に、上記実施の形態3では合計4つの発射条件を設定したが、条件の数は実際に本装置を適用するシステムに合わせて設計することになるため、図6以外の組み合わせ及び条件数においてもこの発明と同等の効果が得られることが考えられる。
【0045】更に、上記実施の形態3では合成規則としてmin−max合成を使用したが、ファジー理論においては多数の合成規則が提唱されておりどの合成規則を適用するかは適用するシステムによって変えるべきものである。
【0046】また本実施の形態においても実施の形態1と同様、捕捉装置2が捕捉を追尾できない要素として、例えば目標物体11との相対位置関係(アスペクトや、高度差等)、その他の気象条件(太陽、波高等)、あるいは人為的な妨害等、そのシステムに最適なものとすることができる。
【0047】実施の形態4.実施の形態3では、目標情報ファジー切り替え回路13によって捕捉状況を、あらかじめ記憶しておいた捕捉状況データの中から最も近いものを選択することで評価し、射撃管制情報9を用いる条件としていた。実施の形態4においては、S/N比、S/C比、目標物体と飛しょう体との相対距離の遠近、目標物体と飛しょう体との相対速度の高低または発射高度の高低等の捕捉状況に応じた捕捉状況データをニューラルネットワークに予め学習させておき、その学習済みのニューラルネットワークの内部構造を数式化し、搭載したニューロ計算回路において捕捉状況を総合的に評価する評価値を直接計算により出力し、その捕捉状況データの評価値を比較し、射撃管制情報9を用いるかどうかを判断することにより、より確実に捕捉を継続可能である。図8、図9を用いてこの発明の実施の形態について説明する。図8は誘導装置7の構成図であり、1は飛しょう体、2は捕捉装置、3は位置測定装置、4は目標情報送信装置、5は誘導計算装置、6は目標情報受信装置、7は誘導装置、8は射撃管制装置、9は射撃管制情報、10は飛しょう制御装置、16は目標情報ニューロ切り替え回路である。図9は学習させるニューラルネットワークの内部構造図の例を示したものであり、17は発射条件に対応した入力層、18は隠れ層、19は捕捉状況を総合的に評価する評価値に対応した出力層、20はニューロン、Snmは飛しょう体のS/N比、Scmは飛しょう体のS/C比、Rmは目標物体と飛しょう体との相対距離の遠近、a0は出力層から出力される捕捉状況を総合的に評価する評価値である。
【0048】次に図8を用いて上記実施の形態の動作を説明する。図8における捕捉装置2によって得られた目標情報及び位置測定装置3によって得られた飛しょう体情報を基に、誘導計算装置5において飛しょう体1を目標物体11に誘導するのに必要な飛しょう誘導指令が計算される。
【0049】図8の誘導計算装置5において飛しょう誘導指令を計算する際、捕捉装置2からの目標情報が得られない場合に、射撃管制装置8もしくは他の飛しょう体1から送信され、目標情報受信装置6で受信した射撃管制情報9を用いて目標物体11の位置、速度等の推定を行い飛しょう誘導指令を計算する。ここまでは実施の形態1の飛しょう体の誘導装置と同様である。
【0050】ここで、本発明に係る飛しょう体の誘導装置においては、図4の目標情報ニューロ切り替え回路16において、S/N比、S/C比、目標物体と飛しょう体との相対距離の遠近、目標物体と飛しょう体との相対速度の高低または発射高度の高低等、目標物体の捕捉状況を表す指標を複数設定し、指標の値がどのような組み合わせになったらどのような捕捉状況になるのかを複数の条件として設定し、ニューラルネットワークの内部構造を数式化したものをあらかじめ記憶しておく。
【0051】各々の飛しょう体1及び射撃管制装置8は射撃管制情報9に含まれる目標情報もしくは飛しょう体情報として、上記捕捉状況を示す指標についての情報も含めて、射撃管制情報送信装置4によって射撃管制情報9として送信する。
【0052】上記目標情報受信装置6によって受信した他の飛しょう体1または射撃管制装置8からの射撃管制情報9を参照し、その中に含まれる捕捉状況を示す指標と、自分で測定した目標物体の捕捉状況を表す指標を、それぞれ図8の目標情報ニューロ切り替え回路16に入力する。この目標情報ニューロ切り替え回路16は、入力された捕捉状況を示す各指標から捕捉状況を総合的に評価する評価値を算出し、各飛しょう体及び射撃管制装置の中でその評価値を比較し、最も値が高いものを精度の高い射撃管制情報9として選択する。この時、目標情報ニューロ切り替え回路16は捕捉装置2から目標情報が出力されていたとしてもその射撃管制情報9を用いるよう誘導計算装置5の入力を切り替える。
【0053】図9は学習させたニューラルネットワークの内部構造として、ここではフィードフォワード型の多層パーセプトロンを用いた例を示す。入力層17のニューロンの個数は発射条件と同じとし、本実施例では出力層のニューロンの個数は総合的に評価する評価値1つとしている。隠れ層は3層とし、1つの層当たり3つのニューロンを設定している。
【0054】上記ニューラルネットワークをバックプロパゲーション等でオフライン学習させた後、その内部構造を数式化し搭載したものが目標情報ニューロ切り替え回路16である。
【0055】ここで、オフライン学習させた結果を、目標情報ニューロ切り替え回路16に搭載する際にはニューロン1つ1つについて数2のように表せられ、このニューロンが集まった形として、捕捉状況を示す各指標を入力としたニューラルネットワークを複数の多項式で記述したものとする。
【0056】
【数2】

【0057】誘導計算装置5は目標情報ニューロ切り替え回路16の出力を基に目標物体11の位置、速度等の推定を行い飛しょう誘導指令を計算する。
【0058】以降の動作は実施の形態1の飛しょう体の誘導装置と同じであり、以降は従来の飛しょう体の誘導装置と同じであり、誘導計算装置5から出力された飛しょう誘導用指令は飛しょう制御装置10に入力され、これによって飛しょう体1が必要な軌道修正を行いながら目標物体に誘導されていく。
【0059】なお、本実施の形態4はある仮想の飛しょう体モデルを想定して単純化して作成したものであり、入力層として捕捉状況を示す指標としてのS/N比、S/C比、相対距離を選択し、出力層として捕捉状況を総合的に評価する評価値を挙げ、それらに対する設定例を示したが、これらは適用する対象のシステムに応じて、S/N比、S/C比、目標物体と飛しょう体との相対距離の遠近、目標物体と飛しょう体との相対速度の高低または発射高度の高低等、さらにその他の影響を及ぼすと思われる要因について入力層または出力層として用いることができる。
【0060】また、隠れ層も3層以外でも良く、ニューロンの数や学習方法も、実際に本装置を適用するシステムに合わせて設計することになるため、図9以外の構造においてもこの発明と同等の効果が得られることが考えられる。
【0061】また本実施の形態においても実施の形態1と同様、捕捉装置2が捕捉を追尾できない要素として、例えば目標物体11との相対位置関係(アスペクトや、高度差等)、その他の気象条件(太陽、波高等)、あるいは人為的な妨害等、そのシステムに最適なものとすることができる。
【0062】
【発明の効果】以上のように、第1の発明によれば、射撃管制装置からの射撃管制情報を用いる従来の誘導計算装置を備えた飛しょう体の誘導装置と異なり、射撃管制装置からの射撃管制情報に加え、他の飛しょう体からの射撃管制情報をも用いて誘導計算を行うことにより、より確実な飛しょう体の誘導を行うことが可能である。
【0063】また、第2の発明によれば、射撃管制装置からの射撃管制情報を用いる従来の誘導計算装置を備えた飛しょう体の誘導装置と異なり、射撃管制装置からの射撃管制情報に加え、他の飛しょう体からの射撃管制情報をも用いる誘導計算装置を備え、射撃管制情報中に含まれる捕捉状況を示す指標があらかじめ設定されたしきい値を超えた場合、他の射撃管制情報を用いて誘導計算を行うことにより、より確実な飛しょう体の誘導を行うことが可能である。
【0064】更に、第3の発明によれば、射撃管制装置からの射撃管制情報を用いる従来の誘導計算装置を備えた飛しょう体の誘導装置と異なり、射撃管制装置からの射撃管制情報に加え、他の飛しょう体からの射撃管制情報をも用い、それらの射撃管制情報中に含まれる捕捉状況を示す指標の値の傾向があらかじめ評価して記憶してある複数の捕捉状況のどれに最も近いかを、人間の経験を取り入れたファジー関数で評価、推論、選択し、その捕捉状況の評価値が最も高い(すなわち最も捕捉状況の良い)射撃管制情報を選択し、その射撃管制情報を用いて誘導計算を行うことにより、より確実な飛しょう体の誘導を行うことが可能である。
【0065】また更に、第4の発明によれば、射撃管制装置からの射撃管制情報を用いる従来の誘導計算装置を備えた飛しょう体の誘導装置と異なり、射撃管制装置からの射撃管制情報に加え、他の飛しょう体からの射撃管制情報をも用い、それらの射撃管制情報中に含まれる捕捉状況を示す指標の値の傾向があらかじめ学習させておいたニューロ計算機により評価、その捕捉状況の評価値が最も高い(すなわち最も捕捉状況の良い)射撃管制情報を選択し、その射撃管制情報を用いて誘導計算を行うことにより、より確実な飛しょう体の誘導を行うことが可能である。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成12年1月11日(2000.1.11)
【代理人】 【識別番号】100102439
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 金雄 (外1名)
【公開番号】 特開2001−194097(P2001−194097A)
【公開日】 平成13年7月17日(2001.7.17)
【出願番号】 特願2000−2544(P2000−2544)