| 【発明の名称】 |
熱可塑性樹脂製散弾 |
| 【発明者】 |
【氏名】冨田 斉
【氏名】斉藤 雅春
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| 【要約】 |
【課題】鉛代替の散弾銃用の熱可塑性樹脂製散弾を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂とタングステン粉末からなる比重9以上の樹脂組成物よりなる散弾。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 主として熱可塑性樹脂とタングステン粉末からなる比重9以上の樹脂組成物よりなる散弾。 【請求項2】 熱可塑性樹脂が180℃以上の融点を有する結晶性樹脂であることを特徴とする特許請求項第1項記載の散弾。 【請求項3】 熱可塑性樹脂が180℃以上のガラス転移温度を有する非晶性樹脂であることを特徴とする特許請求項第1項記載の散弾。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、散弾銃に使用される熱可塑性樹脂製の散弾に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、散弾銃に使用される散弾には鉛製の小さい弾が入っている。散弾銃は水鳥等の狩猟用として用いられる事が多い。 【0003】しかし、水鳥を撃った後、水辺の底泥に残った弾を水鳥が小石と間違って飲み込み、鉛中毒で死ぬ事故が相次いだり、撃たれたシカの死骸をオオワシなどの猛禽類が食べ、鉛中毒になるケースが発生している。 【0004】そのため、カナダ、デンマーク、オランダなどでは鉛製散弾の使用の全面規制が行われており、また、国内でも例えば北海道では近々法的規制がかかる。 【0005】鉛製散弾に代わる物として、鉄製やビスマス製が考えられている。しかし、鉄製の場合、鉛に比べて比重が約70%小さという問題点がある。この為、鉛製散弾と同じ重さの鉄製散弾は容積が大きくなるので薬きょうに詰められる散弾の数が少なくなり威力が小さくなる。一方、大きさを同じにすると質量が小さくなるので、これも威力が小さくなってしまう。 【0006】一方、ビスマスは超高価な金属であり、散弾用には適さない。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記の従来技術の問題点を解消し、鉛代替の散弾銃用の熱可塑性樹脂製散弾に関するものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的は、主として熱可塑性樹脂とタングステン粉末からなる比重9以上の樹脂組成物よりなる散弾によって達成される。 【0009】 【本発明の実施の形態】本発明では、熱可塑性樹脂を用いるという点で、従来の鉛性散弾と全く異なるものである。この利点は、(1)散弾の比重を容易にコントロールできる、(2)従来公知の熱可塑性樹脂組成物の成形加工方法が利用出来、製造が容易であることである。 【0010】本発明に使用する熱可塑性樹脂としては、散弾が銃身より発射される際の耐熱性(耐変形性)の点で180℃以上の融点を有する結晶性樹脂であることが好ましい。その具体例としては、飽和ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂(融点 285℃)、液晶性ポリマー(融点 190〜420℃)、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(融点 334℃)等が挙げられる。 【0011】ここで、ポリアミド樹脂としは、例えば、ナイロン12(融点 180℃)、ナイロン6(融点 225℃)、MXD6(融点 243℃)、ナイロン66(融点 260℃)、ナイロン46(融点 290℃)、ナイロン6T/6I(融点 320℃)等があげられる。 【0012】また、飽和ポリエステル樹脂としては、例えば、PBT(融点 224℃)、PET(融点 250℃)、PCT(融点 290℃)等が挙げられる。 【0013】また、本発明に使用する熱可塑性樹脂としては、散弾が銃身より発射される際の耐熱性(耐変形性)の点で180℃以上のガラス転移温度を有する非晶性樹脂であることが好ましい。その具体例としては、ポリサルフォン樹脂(ガラス転移温度 190℃)、ポリアリレート樹脂(ガラス転移温度 193℃)、ポリエーテルイミド樹脂(ガラス転移温度 217℃)、ポリエーテルサルフォン樹脂(ガラス転移温度 225℃)、ポリアミドイミド樹脂(ガラス転移温度 280℃)等が挙げられる。 【0014】特に、成形加工性の点でポリアミド樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂が好ましい。 【0015】本発明に使用するタングステン粉末の形状は特に限定しないが、平均粒径100μm以下が好ましい。 【0016】本発明に使用するタングステン粉末の表面に樹脂との濡れ性をあげるためカップリング処理を施しても良い。 【0017】本発明に使用するタングステンの配合量は、熱可塑性樹脂に対して比重が9以上になるように配合することが肝要である。比重が9未満の場合、鉛製の散弾の代替えとしては不十分である。一方、比重の上限は13.5であることが好ましい。これは、熱可塑性樹脂がバインダーとしての作用を減じてしまい、散弾自体は脆くなり、実用に耐えがたいためである。 【0018】本発明の散弾に使用する樹脂組成物に結晶核剤、滑剤、離型剤、酸化防止剤、着色剤、難燃剤、耐候安定剤、架橋剤等を添加することもできる。 【0019】本発明の散弾に使用する樹脂組成物は、十分に分散されていることが必要である。そのためには、例えば、粉末状の熱可塑性樹脂とタングステンを十分にブレンドしたのち2軸混練機で溶融分散させる方法があげられる。 【0020】また、本発明の散弾の製造方法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形等をあげることが出来る。 【0021】さらには、樹脂組成物を製造する際に得られた円柱状のペレットの角を研磨等で落とす方法もあげられる。 【0022】 【発明の効果】本発明は、樹脂組成物よりなる散弾であり、従来の鉛製の代替可能である。 【0023】 【実施例】以下、実施例で説明する。 【0024】実施例1粉末状の6ナイロン(融点 225℃ カネボウ合繊社製 MC100L)5重量部に対し、予めカップリング剤(東レダウコーニング社製 アミノシランSH6020)で表面処理した粉末状のタングステン(東京タングステン社製W−T JIS H 2116のフィッシャー法による平均粒径は12μm)95重量部配合し、スーパーミキサーで常温で混合した。混合物をスクリュー径30mmの異方向回転2軸押出機(日本製鋼所社製 TEX30)で溶融混練してペレットを得た。得られたペレットを射出成形機(住友重機械工業社製 PROMAT SG75)で3.5mmの球を成形した。比重は10.7であった。、バリを除去した後、散弾として装弾し、200発の実射テストを行った。回収した散弾に変形は見られなかった。 【0025】実施例2粉末状のPPS樹脂(融点 285℃ 東レ社製M2888)4重量部に対し、実施例1で使用した粉末状のタングステン96重量部配合し、実施例1と同様な方法で散弾を得た。比重は12.6であった。同様な方法で実射テストを行った。回収した散弾に変形は見られなかった。 【0026】実施例3粉末状のポリサルフォン樹脂(ガラス転移温度 190℃ テイジンアモコエンジニアリングプラスチック社製 P−1800NT11)4重量部に対し、実施例1で使用したタングステン96重量部配合し、実施例1と同様な方法で散弾を得た。比重は12.2であった。実施例1と同様な方法で実射テストを行った。回収した散弾に変形は見られなかった。 【0027】実施例4粉末状のポリエチレン(融点 120℃ 三井化学社製 ミラソンFL−60)5重量部に対し、実施例1で使用したタングステン95重量部配合し、実施例1と同様な方法で散弾を得た。比重は9.9であった。実施例1と同様な方法で実射テストを行った。回収した散弾に若干の変形が見られた。 【0028】実施例5粉末状のポリカーボネート(ガラス転移温度 150℃ 三菱エンジニアリングプラスチックス社製 ノバレックス7027A)5重量部に対し、実施例1で使用したタングステン95重量部配合し、実施例1と同様な方法で散弾を得た。比重は10.7であった。実施例1と同様な方法で実射テストを行った。回収した散弾に若干の変形が見られた。 【0029】比較例1実施例1で使用した6ナイロン10重量部に対し、実施例1で使用したタングステン90重量部配合し、実施例1と同様な方法で散弾を得た。比重は7.4であった。これは、本発明の目的である鉛代替の鉛の比重に比べて著しく小さいため実用不可であった。 【0030】以上説明したように、本発明においては、猟用散弾銃用の熱可塑性樹脂製散弾は、鉛を含んでいないため、水辺の底泥に残った弾を水鳥が小石と間違って飲み込んだり、撃たれたシカの死骸をオオワシなどの猛禽類が食べたりしても、鉛中毒を引き起こすおそれがない。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000952 【氏名又は名称】カネボウ株式会社 【識別番号】596154239 【氏名又は名称】カネボウ合繊株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年1月11日(2000.1.11) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−194096(P2001−194096A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月17日(2001.7.17) |
| 【出願番号】 |
特願2000−2066(P2000−2066) |
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