| 【発明の名称】 |
起爆装置、エアバッグ装置及び火薬式シートベルトプリテンショナー |
| 【発明者】 |
【氏名】柳 英治
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| 【要約】 |
【課題】ノイズに強く、配線が容易であり、かつ小さなエネルギーで点火できて、診断も容易な起爆装置を提供する。
【解決手段】ガス発生指令装置1中のCPUから、エアバッグ展開指令がパルス出力され、これによりFET3が導通すると、レーザーダイオード2からレーザーパルスが発せられる。この光は、光コネクター4を介して光ファイバー5aに入り、光コネクター6を介してガス発生装置7のイニシエーター8内に入射する。そして、ハーフミラー11を透過してボールレンズL4により着火薬9の表面に集光される。照射されるレーザー光を受けて着火薬9が着火すると、それにより出力薬10が爆発を起こす。出力薬10が爆発すると、そのエネルギーは導爆線12により伝達され、ガス発生剤13からガスが放出されてエアバッグが展開する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 爆薬又は起爆剤を爆発させるイニシエーターと、起爆指令装置が発する光信号をイニシエーターに伝達する光ファイバーを有してなり、イニシエーターは光ファイバーを通して伝達された光信号をトリガーとして、爆薬又は起爆剤を爆発させるものであることを特徴とする起爆装置。 【請求項2】 請求項1に記載の起爆装置であって、起爆指令装置と光ファイバー間、及び光ファイバーとイニシエーター間の少なくとも一方が、光コネクターにより接続されていることを特徴とする起爆装置。 【請求項3】 請求項2に記載の起爆装置であって、前記光コネクターが防水型コネクターであることを特徴とする起爆装置。 【請求項4】 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の起爆装置であって、起爆指令装置が発する光信号がイニシエーターに伝達されていることを診断する診断装置が設けられていることを特徴とする起爆装置。 【請求項5】 請求項4に記載の起爆装置であって、前記診断装置が、前記起爆指令装置より、起爆指令である光信号より弱い光を発光させ、前記起爆指令である光信号をイニシエーターに導く光ファイバー自体を使用して、前記弱い光をイニシエーターに導き、イニシエーター内で反射した光を前記光ファイバーを通して起爆指令装置内に導き、反射光の有無又は強弱を検出することにより診断を行うものであることを特徴とする起爆装置。 【請求項6】 請求項4に記載の起爆装置であって、前記診断装置が、前記起爆指令装置より、起爆指令である光信号より弱い光を発光させ、前記起爆指令である光信号をイニシエーターに導く光ファイバー自体を使用して、前記弱い光をイニシエーターに導き、イニシエーター内で反射した光を前記光ファイバーとは別の光ファイバーを通して起爆指令装置内に導き、反射光の有無を検出することにより診断を行うものであることを特徴とする起爆装置。 【請求項7】 請求項5又は請求項6に記載の起爆装置であって、起爆指令である光信号より弱い光を発光する光発生器が、起爆指令である光信号を発光する光発生器と同一であることを特徴とする起爆装置。 【請求項8】 請求項4に記載の起爆装置であって、前記診断装置が、起爆指令である光信号を発光する光発生器とは別の光発生器から発光する光信号を、前記起爆指令である光信号をガス発生装置に導く光ファイバーとは別の光ファイバーを使用してイニシエーターに導き、イニシエーター内で反射した光を前記別の光ファイバーを通してガス起爆指令装置内に導き、反射光の有無を検出することにより診断を行うものであることを特徴とする起爆装置。 【請求項9】 請求項8に記載の起爆装置であって、起爆指令時には、前記2つの光発生器を同時に発光させる機能を有するものであることを特徴とする起爆装置。 【請求項10】 請求項4から請求項9のうちいずれか1項に記載の起爆装置であって、診断に使用される光を反射する反射体が、イニシエーター内の着火薬又は着火薬を収納する収納体であることを特徴とする起爆装置。 【請求項11】 請求項4から請求項9のうちいずれか1項に記載の起爆装置であって、診断に使用される光を反射する特別の反射体が、イニシエーター内に設けられていることを特徴とする起爆装置装置。 【請求項12】 請求項1から請求項11のうちいずれか1項に記載の起爆装置を、エアバッグの展開用の起爆装置として用いていることを特徴とするエアバッグ装置。 【請求項13】 請求項1から請求項11のうちいずれか1項に記載の起爆装置を、起爆装置として用いることを特徴とする火薬式シートベルトプリテンショナー。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、爆薬又は起爆剤を爆発させるのに使用されるイニシエーター(雷管)、及び乗用車等の車両に搭載され、衝突等の緊急時にガス発生装置から発生したガスにより袋を膨らませ、乗員を保護するエアバッグ装置、及び車両に取り付けられたシートベルトを、衝突等の緊急自体発生時又はその発生が予測される場合に、急速に巻取り、乗員をシートに拘束する火薬式のシートベルトプリテンショナーに関するものである。 【0002】 【従来の技術】車両の衝突時や転倒時に乗員を保護するためのエアバッグ装置は、通常の場合、ガス発生器から発生するガスによって膨張する。ガス発生器の中には、ガス発生剤とイニシエーターとブースターが組み込まれている。イニシエーターには電熱線が付属しており、ガス発生指令装置からこの電熱線に電圧がかけられると、電熱線が発熱し、その熱によりイニシエーターが起爆する。爆発のエネルギーはブースターを伝わってガス発生器内部全体に広がり、ガス発生器からガスを発生させる。 【0003】このような、エアバッグ装置におけるイニシエータを作動させるための電気回路の概要を図11に示す。電源からの電流は、エネルギーリザーブコンデンサーC1を充電する。点火の際には大きな電流を必要とするので、バッテリーから供給される電流だけでは不十分なこともある。エネルギーリザーブコンデンサーC1は、この不足電流を補うものであり、あらかじめイニシエーターの点火のために必要な電荷を蓄えておく機能を有する。 【0004】安全スイッチSWは、車両が走行中に障害物にぶつかる等、エアバッグを展開させる必要がある事態が検出されたときにオンとなるようになっている。例えば、所定値を越える加速度が検出されたときに、安全スイッチSWがオンとされる。安全スイッチSWがオフの場合は、高抵抗R3により、回路に流れる電流が、イニシエータを点火するために必要な電流より十分小さい電流となるように抑制されている。また、イニシエーターがノイズにより点火しないように、助手席側イニシエーターR1、運転席側イニシエーターR2には、EMIフィルターFIが取り付けられている。 【0005】安全スイッチSWがオンとなった状態のとき、CPUからの出力により点火FETであるFET,DrとFET,Paが同時にオンとなると、電源及びエネルギーリザーブコンデンサーC1からの電流が、安全スイッチSWを通り、運転席側では、ワイヤーハーネスr1→ケーブルリールr2→運転席側イニシエーターR2→ケーブルリールr3→ワイヤーハーネスr4→電流制限抵抗R5→FET,Pa→アースの順に流れ、助手席側では、ワイヤーハーネスr5→助手席側イニシエーターR1→ワイヤーハーネスr6→電流制限抵抗R4→FET,Dr→アースの順に流れる。これにより運転席側イニシエーターR2、助手席側イニシエーターR1が発熱してイニシエーターの点火が行われる。 【0006】ケーブルリールr2、r3は、運転席側のエアバッグがハンドルに取り付けられるため、配線がハンドルの回転に伴って捩れるのを補償するためのものであり、この分が助手席側のエアバッグへの配線に比して余分な抵抗となる。 【0007】これらの点火系統が正常に作動するかどうかをテストするためのテスト回路が設けられている。これは、安全スイッチSWがオフとなっている状態で、点火FET,Dr、FET,Paをオンとし、高抵抗R3を通して、イニシエーターR1、R2が点火しない程度の微小電流を回路に流し、A、B、C、D、E点等の電圧を調べることにより、回路の断線等の異常を検出するものである。 【0008】以上、自動車のエアバッグ装置を例としてイニシエーターの作動を説明したが、このようなイニシエーターは、車両におけるシートベルトにおいて、衝突等の緊急事態の発生時、またはそれが予測される場合に、シートベルトを急速に巻取り、乗員をシートに拘束するシートベルトプリテンショナーとしても用いられている。このようなシートベルトプリテンショナーの例は、例えば、西独特許公開公報第4444775号公報に記載されている。 【0009】また、このようなイニシエーターは、雷管、信管として、発破等において、爆薬や起爆剤(起爆薬、延時薬)を爆発させるトリガーとして広く使用されている。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】このように、従来のエアバッグ装置においては、イニシエーターを点火させるのに、電気エネルギーを利用していた。そのため、電気的なノイズでイニシエーターが誤作動する可能性があり、これを避けるため前述のようなEMIフィルターを使用している。しかしながら、将来において主流になると思われるハイブリッドカーや電気自動車においては、インバーターにより電動機を高圧でスイッチング駆動するためノイズが大きくなり、これに伴って大きなEMIフィルターが必要となるという問題点が予想される。 【0011】また、今後必要とされるエアバッグの個数は増加していくものと予想されるが、その場合、各イニシエーターに略等しい電流を流す必要がある。このようなときに、前記のように一つの電源で全てのエアバッグのイニシエーターを点火させようとすると、各エアーバッグまでの配線の長さが異なるので、その分を調整抵抗により調整する必要がでてきて、調整が困難になるという問題点がある。図11のように、エアバッグが2つしかない場合においても、運転席側と助手席側の電流バランスを取るために、電流制限抵抗R4を必要とする。 【0012】さらに、ワイヤーハーネス抵抗r1、r4、r5、r6は、温度によって変化するために、イニシエーターの点火を確実にするためには、温度変化に伴う抵抗変化を見込んで、必要な電荷を蓄積しておく必要があり、エネルギーリザーブコンデンサーC1の容量を大きくすることにつながるという問題点もある。また、イニシエーターの抵抗が焼き切れても、火薬が燃える際のイオンガスによりイオン電流が流れるため、それを見込んだ電荷を蓄積しておく必要があり、この点も、エネルギーリザーブコンデンサーC1の容量を大きくすることにつながる。 【0013】加えて、エアバッグの数が多くなった場合、診断時に、各ワイヤーハーネスの抵抗値と、測定点における電圧の微妙なバランスを考慮して診断を行わなければならず、診断が難しいという問題点もある。 【0014】また、以上のようなシステムにおいては、配線の断線等の診断を、特別な診断回路によって行なっているために、エアバッグの個数や配置に応じてその都度診断システムを組む必要があるという問題点がある。よって、イニシエーター単独として診断機能を有するものであることが望ましい。 【0015】このような事情は、火薬式シートベルトプリテンショナーについても同じである。また、以上の説明は、自動車用のイニシエーターについて行なってきたが、一般の土木、建築工事に使用される起爆装置にも、イニシエーター(雷管、信管)が完全に作動するかどうかを診断する機能が望まれる。すなわち、例えば、ビルの建て替え工事等において、爆薬によりビルを破壊する工法が開発されているが、この工法においては、所定位置に仕掛けられた爆薬が、適当なタイミングで確実に爆発しないと、整然とビルを破壊することができない。よって、あらかじめ、イニシエーターの作動を確認しておく必要がある。また、工事現場の近くに送電線等があり、電気的なノイズによりイニシエーターが誤動作する可能性があるという問題点もある。 【0016】本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ノイズに強く、配線が容易であり、かつ小さなエネルギーで点火できて、診断も容易な起爆装置を提供すること、及びこのような起爆装置を使用したエアバック装置、シートベルトプリテンショナーを提供することを課題とする。 【0017】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するための第1の手段は、爆薬又は起爆剤を爆発させるイニシエーターと、起爆指令装置が発する光信号をイニシエーターに伝達する光ファイバーを有してなり、イニシエーターは光ファイバーを通して伝達された光信号をトリガーとして、爆薬又は起爆剤を爆発させるものであることを特徴とする起爆装置(請求項1)である。 【0018】本手段においては、起爆装置に、光信号をトリガーとして起爆するイニシエーター(光着火式スクイブ、光着火式雷管)を使用している。そして、起爆指令装置からトリガーとなる光を発光させ、この光を、光ファイバーを通してイニシエーターに導いている。そして、起爆剤(起爆薬、延時薬)は、この光エネルギーを受けて起爆する。 【0019】本手段においては、発火のために電気エネルギーを使用していないので、大きな電気ノイズが発生する場合においても、その影響によりイニシエーターが誤作動することを防止できる。よって、車両用のエアバッグの起爆装置として用いるのに好適であり、また、EMIフィルターを必要としない。さらに、エアバッグの数が多くなっても、相互の間での信号の干渉がないので、調整が容易である。 【0020】さらに、本手段においては、運転席のエアバッグ装置に展開指令を伝達する場合に、回転型の光コネクターを使用することによって、ハンドルの回転に伴って光ファイバーケーブルが捩れるのを防止することができる。よって、ワイヤーハーネスを使用した場合と異なり、ケーブルリールを必要としない。もちろん、従来のケーブルリールに光ファイバーを入れることもできる。 【0021】前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であって、起爆指令装置と光ファイバー間、及び光ファイバーとイニシエーター間の少なくとも一方が、光コネクターにより接続されていることを特徴とするもの(請求項2)である。 【0022】本手段においては、光ファイバーとその入出力機器間の接続が光コネクターによって行われるので、接続が簡単で確実なものとなり、自動車のエアバッグ装置に使用した場合でも、運転途中で外れる等の事故が防止できる。 【0023】前記課題を解決するための第3の手段は、前記第2の手段であって、前記光コネクターが防水型コネクターであることを特徴とするもの(請求項3)である。 【0024】本手段においては、光コネクターに水分が入り込み、コネクター内部で光ファイバー端面の光透過率が落ちるのを防止することができる。 【0025】前記課題を解決するための第4の手段は、前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、起爆指令装置が発する光信号がイニシエーターに伝達されていることを診断する診断装置が設けられていることを特徴とするもの(請求項4)である。 【0026】本手段においては、診断装置により診断を行うことで、光ファイバーの断線、接続点の接続不良、その他光の減衰等による起爆装置の作動不良を未然に防ぐことができる。 【0027】前記課題を解決するための第5の手段は、前記第4の手段であって、前記診断装置が、前記起爆指令装置より、起爆指令である光信号より弱い光を発光させ、前記起爆指令である光信号をイニシエーターに導く光ファイバー自体を使用して、前記弱い光をイニシエーターに導き、イニシエーター内で反射した光を前記光ファイバーを通して起爆指令装置内に導き、反射光の有無又は強弱を検出することにより診断を行うものであることを特徴とするもの(請求項5)である。 【0028】本手段においては、診断に使用する光ファイバーと実際にイニシエーターの点火に使用する光ファイバーを同一のものとしている。よって、実際の光ファイバーの接続不良、異常な光伝達率の低下等を確実に検出することができる。 【0029】前記課題を解決するための第6の手段は、前記第4の手段であって、前記診断装置が、前記起爆指令装置より、起爆指令である光信号より弱い光を発光させ、前記起爆指令である光信号をイニシエーターに導く光ファイバー自体を使用して、前記弱い光をイニシエーターに導き、イニシエーター内で反射した光を前記光ファイバーとは別の光ファイバーを通して起爆指令装置内に導き、反射光の有無を検出することにより診断を行うものであることを特徴とするもの(請求項6)である。 【0030】本手段においては、前記第5の手段とは異なり、イニシエーター内で反射した光を、起爆指令である光信号をイニシエーターに導く光ファイバー(第1の光ファイバー)とは異なる光ファイバー(第2の光ファイバー)を使用して起爆指令装置内に導いている。よって、前記第5の手段では、イニシエーター内で、出力する光と入力される反射光とを分離する装置が必要であるが、本手段においてはこのような装置を必要としないという特長がある。その分、光ファイバーが余分となり、反射光を導く光ファイバーのみが不良となった場合でも異常と検出されるので、異常を誤検出する恐れがある。しかし、点火用の光信号を導く経路が不良になっていることは見逃さずに検出できる。 【0031】前記課題を解決するための第7の手段は、前記第5の手段又は第6の手段であって、起爆指令である光信号より弱い光を発光する光発生器が、起爆指令である光信号を発光する光発生器と同一であることを特徴とするもの(請求項7)である。 【0032】本手段においては、起爆指令である光信号を発光する光発生器自体の光の強さを弱めて、診断用の光信号として使用する。光発生器の光の強さを弱めるには、例えば光発生器としてレーザーダイオードを使用し、レーザーダイオードに流す電流を小さくすればよく、また、別の方法として、診断時には光発生器の出力側にフィルターを挿入する等の手段によってもよい。本手段においては、光伝達経路の診断に併せて、光発生器の診断も行うことができる。 【0033】前記課題を解決するための第8の手段は、前記第4の手段であって、前記診断装置が、起爆指令である光信号を発光する光発生器とは別の光発生器から発光する光信号を、前記起爆指令である光信号をガス発生装置に導く光ファイバーとは別の光ファイバーを使用してイニシエーターに導き、イニシエーター内で反射した光を前記別の光ファイバーを通してガス起爆指令装置内に導き、反射光の有無を検出することにより診断を行うものであることを特徴とするもの(請求項8)である。 【0034】本手段においては、起爆指令である光信号をイニシエーターに導く光ファイバーとは別の光ファイバーを使用し、光発生器も起爆指令である光信号を発光する光発生器とは別の光発生器を使用して診断を行っている。よって、直接的な診断方法ではないが、両方の光ファイバーを同一の光ファーバーケーブル内に入れる等により両方の光の伝達経路を同じにしておき、コネクターも同一のコネクターを使用すれば、ある程度の診断が可能である。本手段においては、診断用の光発生器と起爆指令用の光発生器を別にしているので、診断用の光発生器の動作によりイニシエーターが点火されることを確実に防止することができる。 【0035】前記課題を解決するための第9の手段は、前記第8の手段であって、起爆指令時には、前記2つの光発生器を同時に発光させる機能を有するものであることを特徴とするもの(請求項9)である。 【0036】本手段においては、起爆指令時には、起爆指令用と診断用の光発生器を同時に発光させる。よって、その分強い光をイニシエーターに照射することができ、点火を確実にできる。 【0037】前記課題を解決するための第10の手段は、前記第4の手段から第9の手段のいずれかであって、診断に使用される光を反射する反射体が、イニシエーター内の着火薬又は着火薬を収納する収納体であることを特徴とするもの(請求項10)である。 【0038】本手段においては、診断に使用される光を反射する反射体が、イニシエーター内の着火薬又は着火薬を収納する収納体であるので、特別な反射体をイニシエーター内に設ける必要がない。 【0039】前記課題を解決するための第11の手段は、前記第4の手段から第9の手段のいずれかであって、診断に使用される光を反射する特別の反射体が、イニシエーター内に設けられていることを特徴とするもの(請求項11)である。 【0040】前記第10の手段を使用した場合に、イニシエーター内の着火薬又は着火薬を収納する収納体から十分な反射光が得られない場合は、本手段が有効である。本手段においては、診断に使用される光を反射する特別の反射体(ハーフミラーのように、一部の光を透過し、一部の光を透過するものを含む)が設けられているので、接続が正常な場合には、確実に反射光を受光することができる。なお、「特別な反射体」とは、着火薬の着火のためには不要である反射体を意味する。 【0041】前記課題を解決するための第12の手段は、前記第1の手段から第11の手段のうちいずれかの起爆装置を、エアバッグの展開用の起爆装置として用いていることを特徴とするエアバッグ装置(請求項12)である。 【0042】前記第1の手段から第11の手段が有する特長は、特に、エアバッグ用の起爆装置として用いるのに好適な特長である。よって、これらをエアバッグの展開用の起爆装置として用いることにより、それぞれの特長を十分に生かすことができる。 【0043】前記課題を解決するための第13の手段は、前記第1の手段から第11の手段のうちいずれかの起爆装置を、起爆装置として用いることを特徴とする火薬式シートベルトプリテンショナー(請求項13)である。 【0044】前記第1の手段から第11の手段が有する特長は、シートベルトプリテンショナー用の起爆装置として用いるのにも好適な特長である。よって、これらをシートベルトプリテンショナー用の起爆装置として用いることにより、それぞれの特長を十分に生かすことができる。 【0045】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を図を用いて説明する。これらの実施の形態は、いずれも本発明の起爆装置をエアバッグ装置に用いた例であり、ガス発生指令装置が起爆指令装置に相当する。図1は、本発明の実施の形態の第1の例であるエアバッグ装置の点火システムを示す概要図である。図1において、1はガス発生指令装置、2はレーザーダイオード、3はFET、4は光コネクター、5は光ファイバーケーブル、5a、5bは光ファイバー、5cは光ファイバー被覆、6は光コネクター、7はガス発生装置、8はイニシエーター(スクイブ)、9は着火薬、10は出力薬、11はハーフミラー、12はブースター、13はガス発生剤、14は全反射ミラー、15はフォトダイオード、L1〜L7はボールレンズ、Rは電流制限抵抗である。 【0046】ガス発生指令装置1中の図示しないCPUから、エアバッグ展開指令が出力され、これによりFET3のゲートをパルス駆動すると、FET3が導通してレーザーダイオード2からパルスレーザー光が発せられる。後に図5において説明するように、このとき、レーザーダイオード2に供給される電流は電流制限抵抗を介さずに供給されるので、このパルスレーザー光は、着火薬9を着火させるのに十分な強さとされている。この光は、光コネクター4を介して光ファイバーケーブル5の光ファイバー5aに入り、光ファイバー5a中を伝播する。そして、光コネクター6を介してガス発生装置7のイニシエーター8内に入射する。イニシエーター8には、ハーフミラー11が設けられ、約5%の光を反射し、約95%の光を透過するようになっている。ハーフミラー11を透過した光は、ボールレンズL4により着火薬9の表面に集光される。 【0047】着火薬としては、レーザー光の照射により着火するZr/過塩素酸カリウム系のものが用いられている。この着火薬については、1995年5月11日〜12日に開催された火薬学会の論文「レーザー着火式スクイブの基礎研究:山田晋他」に詳しく述べられている。 【0048】照射されるレーザー光を受けて着火薬9が着火すると、それにより出力薬10が爆発を起こす。出力薬としては、周知のTiHa/過塩素酸カリウム系のものを使用することができる。出力薬10が爆発すると、そのエネルギーはブースター12により伝達され、ガス発生剤13からガスが放出されてエアバッグが展開する。 【0049】この着火システムの診断を行う場合には、後に図5で説明する回路で示すように、電流制限抵抗によりレーザーダイオード2に流れる電流を制限して、FET3がオンとなったときに、レーザーダイオード2から発生するパルスレーザー光の強度が、着火薬9を着火させないような強度となるようにしておき、FET3をオンとする。すると、このレーザー光は、着火のときと同じように、光コネクター4を介して光ファイバーケーブル5の光ファイバー5aに入り、光ファイバー5a中を伝播する。そして、光コネクター6を介してガス発生装置7に入射する。 【0050】ガス発生装置7に入ったレーザー光の一部は、ハーフミラー11、全反射ミラー14で反射され、光コネクター6、光ファイバー5b、光コネクター4を通って着火指令装置に戻り、フォトダイオード15で検出される。すなわち、診断状態において、EFT3をオンとしたときに、フォトダイオード15が光を検出すれば、着火システムは正常状態にあることが分かる。 【0051】診断状態において、EFT3をオンとしたときに、フォトダイオード15が光を検出しなければ、FET3、レーザーダイオード2、光コネクター4、光ファイバーケーブル5、光コネクター6、イニシエーター8のハーフミラー11、全反射ミラー14、ボールレンズL1、L7、フォトダイオード15のいずれかが不良となっていることが分かる。 【0052】従って、点火指令時にレーザー光を発生させる装置、及びレーザー光が通過するルートのうち、ボールレンズL4を除く部位が正常であるかどうかをチェックすることができる。ボールレンズL4は、イニシエーター8の内部に組み込まれており、使用中に汚れたりすることがないので、以上の診断で実用上は十分な診断ができる。 【0053】なお、図1に示す実施の形態において、ハーフミラー11の姿勢を図1に示す姿勢から90度回転した姿勢に変え、ガス発生装置に入った光が、ハーフミラー11を通過して着火薬9を照射し、その反射光がハーフミラー11で反射されて全反射ミラーに達するようにしてもよい。このようにすれば、診断時に、ボールレンズL4まで含めて診断を行なうことができる。 【0054】図2は、本発明の実施の形態の第2の例であるエアバッグ装置の点火システムを示す概要図である。以下の図において、発明の実施の形態の欄における前出の図に示された構成要素と同じ構成要素には、同じ符号を付してその説明を省略する。図2において、2a、2bはレーザーダイオード、16a、16bはフレネルレンズ、17はハーフミラー、18は光コネクター抜け防止装置である。 【0055】ガス発生指令を受けてレーザーダイオード2aからレーザーパルスが発せられる。この光は、光コネクター4を介して光ファイバーケーブル5の光ファイバー5aに入り、光ファイバー5a中を伝播する。そして、光コネクター6を介してガス発生装置7内のイニシエーター8に入射する。そして、イニシエーター8内のフレネルレンズ16aにより、着火薬9の表面に集光される。着火薬9にレーザー光が集光された後にエアバッグが展開する過程は、図1に示した実施の形態と同じである。 【0056】本実施の形態においては、診断用のレーザーダイオード2bが、着火用のレーザーダイオード2aとは別に設けられている。診断時にレーザーダイオード2bを発光させると、そのレーザー光はハーフミラー17を通り、光コネクター4から、光ファイバーケーブル5の光ファイバー5bに入り、光ファイバー5b中を伝播する。そして、光コネクター6を介してガス発生装置7のイニシエーター8内に入射する。 【0057】イニシエーター8中に入射したレーザー光は、フレネルレンズ16bにより、着火薬16bの表面に集光される。フレネルレンズ16bは偏心しており、着火用のレーザー光がフレネルレンズ16aにより集光される位置と同じ位置に、診断用のレーザー光がフレネルレンズ16bで集光されるようになっている。 【0058】着火薬9の表面で反射した光は、フレネルレンズ16bで集められて平行光束とされ、光コネクター6、光ファイバー5b、光コネクター4を通ってガス発生指令装置1に入射する。そして、ハーフミラー17の表面で反射され、フォトダイオード15で受光される。以上説明した往復パスに存在する要素が全て正常であれば、レーザーダイオード2bからレーザー光を発光したタイミングでフォトダイオード15により反射光が検出される。逆に、これらのパスに何らかの異常があれば、レーザーダイオード2bからレーザー光を発光したタイミングでフォトダイオード15により反射光が検出されないので、異常が発見できる。 【0059】この実施の形態においては、着火用のレーザーダイオード2aと診断用のレーザーダイオード2bが別になっており、かつそれぞれのレーザー光が通るパスも異なっているので、前記図1に示した実施の形態よりも診断の性能が劣る。しかしながら、光ファーバー5a、5bは同一の光ファイバー被覆5cで被覆されており、断線が発生すれば同時に断線する可能性が高い。また、光コネクター4、光コネクター6も着火用レーザー光と診断用レーザー光について同じものが使用されているので、接触不良が発生すれば同時に発生する可能性が高い。よって、このような実施の形態においても、ある程度の信頼性を持って光伝送経路の診断を行うことができる。 【0060】この実施の形態においては、光コネクター抜け防止装置18が設けられているので、光コネクター4、6が振動等で脱落するのを、確実に防止することができる。 【0061】図3は、本発明の実施の形態の第3の例であるエアバッグ装置の点火システムを示す概要図である。前記第1の実施の形態、第2の実施の形態においては、光ファイバーを2本使用していたが、この実施の形態においては、光ファイバーを1本しか使用していない点が異なっている。 【0062】ガス発生指令を受けてレーザーダイオード2からレーザーパルスが発せられる。この光は、ハーフミラー17を通り抜け、光コネクター4を介して光ファイバーケーブル5の光ファイバー5aに入り、光ファイバー5a中を伝播する。そして、光コネクター6を介してガス発生装置7内のイニシエーター8に入射する。そして、イニシエーター8内のボールレンズL4により、着火薬9の表面に集光される。着火薬9にレーザー光が集光された後にエアバッグが展開する過程は、図1に示した実施の形態と同じである。 【0063】この着火システムの診断を行う場合には、後に説明する回路で示すように、レーザーダイオード2に流れる電流を制限して、レーザーダイオード2から発生するレーザー光の強度が、着火薬9を着火させないような強度となるようにしておき、レーザーダイオード2に電流を流す。すると、放出されるレーザー光は、着火のときと同じように、ハーフミラー17、光コネクター4を介して光ファイバーケーブル5の光ファイバー5aに入り、光ファイバー5a中を伝播する。そして、光コネクター6を介してガス発生装置7に入射する。 【0064】ガス発生装置7に入ったレーザー光は、ボールレンズL4によって着火薬9の表面に集光されて反射される。反射光は、入射したレーザー光と逆の経路をたどり、着火指令装置に戻る。そして、その一部がハーフミラー17の表面で反射されてフォトダイオード15で検出される。すなわち、診断状態において、レーザーダイオード2をオンとしたときに、フォトダイオード15が光を検出すれば、着火システムは正常状態にあることが分かる。 【0065】診断状態において、レーザーダイオード2をオンとしたときに、フォトダイオード15が光を検出しなければ、レーザーダイオード2、ハーフミラー17、光コネクター4、光ファイバーケーブル5、光コネクター6、イニシエーター8のボールレンズL4、フォトダイオード15のいずれかが不良となっていることが分かる。 【0066】この実施の形態においては、第1の実施の形態、第2の実施の形態と異なり、点火のためのレーザー光の発光装置、レーザー光の伝達経路と、診断のためのレーザー光の発光装置、レーザー光の伝達経路が、ほとんど同じであるので、フォトダイオード15が不良となっている場合を除いて、点火のための部品が不良となっていないのに不良と判断する誤判断の発生を防止することができる。さらに、部品の点数が少なくなり、構成が簡単となる。 【0067】なお、図1に示した第1の実施の形態及び本実施の形態においては、診断時にレーザーダイオードの発光を弱めるために電流を制限しているが、診断時にレーザーダイオードからの光を減光する減光フィルターをレーザーダイオードからのレーザー光の通過経路に挿入することにより、伝達されるレーザー光を弱めてもよい。 【0068】図4は、本発明の実施の形態の第4の例であるエアバッグ装置の点火システムを示す概要図である。図4において、17a、17bはハーフミラーである。この実施の形態は、点火のためのレーザーダイオード2aと診断のためのレーザーダイオード2bを別にした点が図3に示した第3の実施の形態と異なるのみであるので、異なる点のみを説明する。 【0069】点火の際は、レーザーダイオード2aからレーザーパルスを発光させると、このレーザー光は、ハーフミラー17aを通過して、光コネクター4に伝達される。診断の際は、レーザーダイオード2bからレーザーパルスを発光させると、このレーザー光は、ハーフミラー17bを透過し、ハーフミラー17aの表面で一部が反射されて光コネクター4に伝達される。反射光は、光コネクター4からハーフミラー17aに入射し、ハーフミラー17a、ハーフミラー17bの表面で一部が反射されてフォトダイオード15で検出される。 【0070】この実施の形態においても、レーザー光の伝達経路は、着火のときと診断のときでほとんど一緒であるので、レーザーダイオード2b、ハーフミラー17b、フォトダイオード15の不良の場合を除いて、着火のための部品が不良となっていないのに不良であると誤判断することがない。 【0071】なお、本実施の形態及び図2に示した第2の実施の形態において、診断用のレーザーダイオード2bからのパルスレーザー光の強さは、着火薬を着火させない強さとすることは言うまでもない。また、これらの実施の形態のように、着火指令用のレーザーダイオード2aと診断用のレーザーダイオード2bが異なる場合には、着火指令の際、これらのレーザーダイオードの両方をオンとしてレーザー光を放出させてもよい。このようにすることにより、着火指令に用いるレーザー光の強さをより強いものとすることができる。 【0072】また、以上の実施の形態においては、光伝達経路にボールレンズを使用している。これらのボールレンズは光を集光したり、平行光に変えたりするために使用される。基本的には、レーザーダイオードから発せられる光をボールレンズにより平行光に変えてハーフミラーや光コネクターに導き、平行光を光ファイバー端面に集光させて光ファイバー内に導き、光ファイバーからの光を平行光に変え、平行光を着火薬やフォトダイオード表面に集光させる等の働きをしており、個々のボールレンズの役割は、以上の説明と各図より当業者に自明なものである。また、ボールレンズの代わりに他のマイクロレンズを使用することもできる。なお、光ファイバーの端面に面するボールレンズは、先球付光ファイバーのように、光ファイバーの端面に集光部が付属しているものを使用する場合には省略することができる。 【0073】以上の実施の形態においては、ガス発生指令装置側とガス発生装置側の両方に光コネクターを使用しているが、どちらか一方のみを光コネクター接続とし、他方を破目殺しタイプとすることができる。これにより、接触不良となる可能性のある場所を減らすことができる。一般には、1個のガス発生指令装置に対して複数のガス発生装置が付属するので、ガス発生装置側を羽目殺しとし、ガス発生指令装置側を光コネクターとすることが好ましい。いずれの実施例においても、光ファイバーケーブルは極細いものとすることができるので、車内において配線を行うのが容易である。 【0074】ガス発生指令装置に設けられるレーザーダイオードは、複数のガス発生装置に共通のものとし、レーザーダイオードからの光を分岐して各ガス発生装置に導いてもよい。もちろん、各々のガス発生装置に対して、別々のレーザーダイオードを用いるようにしてもよい。また、以上の実施の形態では、いずれも診断装置を有しているが、診断装置が必要でない場合は、これらを省略することができる。 【0075】図5に、着火用のレーザーダイオードと診断用のレーザーダイオードを同一のものとした場合のレーザーダイオードを発光させるための回路図の1例を示す。図5においてSWは安全スイッチ、LD1は助手席用レーザーダイオード、LD2は運転席用レーザーダイオード、R3は電流制限抵抗、C1はエネルギーリザーブコンデンサーである。 【0076】エネルギーリザーブコンデンサーC1には、複数のレーザーダイオードを同時に発光させるのに必要な電流を流すだけの電荷が蓄積されている。車両が障害物に衝突する等、エアバッグを展開させる必要性があることが検出されると、安全スイッチSWがオンとなる。この状態でCPUから着火指令信号が出力され、スイッチング素子であるFET1、FET2が導通すると、エネルギーリザーブコンデンサーC1と電源からの電流がダイオードD1、安全スイッチSWを通して各レーザーダイオードLD1、LD2に流れ、レーザーダイオードから着火薬の着火に必要な強度を有するレーザー光が放出される。 【0077】診断は、安全スイッチSWがオフとなっているタイミングで行う。例えば、エンジンキーが入れられてから又はエンジンがかかってから1〜2秒の間に行うようにすれば、このタイミングで安全スイッチがオンとなることはないので、この間に診断を行うことが好ましい。この状態でCPUから着火指令信号が出力され、スイッチング素子であるFET1、FET2が導通すると、エネルギーリザーブコンデンサーC1と電源からの電流がダイオードD1、電流制限抵抗R3を通して各レーザーダイオードLD1、LD2に流れ、各レーザーダイオードから着火薬を着火させないような弱い強度のレーザー光が放出される。このとき、必要に応じて、図11に示した従来の点火回路におけると同じように、所定場所の電圧を測定することにより、この回路自身の診断を行うようにしてもよい。 【0078】なお、診断用のレーザーダイオードと着火用のレーザーダイオードが別の場合は、車両の走行中であっても診断を実行することができる。診断用のレーザーダイオードと着火用のレーザーダイオードが同一の場合は、車両の走行中に診断を行うためには、一時的に安全スイッチSWをオフとし、その間に診断を行わなければならない。 【0079】図5と図11を比較すると分かるように、図5における回路においては、全てのガス発生装置用のレーザーダイオードの回路が同一構成となっているため、エアバッグの数が増えた場合でも、複雑な計算を必要とすることなく、回路素子を増加させることができる。また、着火のために必要なレーザーダイオードの電流は、ガス発生指令装置とガス発生装置との距離にあまり影響されないので、全部のレーザーダイオードを発光させるために必要な電流の計算が容易であり、エネルギーリザーブコンデンサーC1の容量に大きなマージンをとる必要がなくなる。 【0080】着火用と診断用のレーザーダイオードを別にする場合は、図5における安全スイッチと電流制限抵抗R3の下側の接続を切り離し、安全スイッチSWの下に着火用のレーザーダイオードを、電流制限抵抗R3の下に診断用のレーザーダイオードを接続するようにすればよい。 【0081】図6に、着火用レーザーダイオードと診断用レーザーダイオードが同一で、図5に示すような接続がされている場合の、診断シーケンスの例を示す。このシーケンスは、別のロジックにより決定される診断指令が出される都度起動される。 【0082】まず、ステップS1において、電源がオンとなってから2秒以内であるかどうかをチェックする。2秒以上経過している場合は、車が動いて安全スイッチがオンとなる可能性があるので診断を行わずに処理を終了する。2秒以内であれば、車が動き出す可能性が少ないので次のステップに進む。 【0083】ステップS2において、安全スイッチがオフであることを確認し、オンである場合には診断を行なわずに処理を終了して着火に必要な光量のレーザー光がレーザーダイオードから放出されないようにする。安全スイッチがオフである場合には、ステップS3において、スイッチング素子であるFETをオンとし、レーザーダイオードからレーザー光を放出させる。 【0084】次に、ステップS4において、フォトダイオードの受光量を測定し、測定が終わった段階でステップS5に移行してFETをオフとし、レーザーダイオードからのレーザー光の放出を停止する。そして、ステップS6、S7で、フォトダイオードの受光量が正常範囲内にあるかどうかを判断する。 【0085】フォトダイオードの受光量が正常範囲内にあると判断された場合には、何もせずに処理を終了して着火スタンバイ状態に入る。フォトダイオードの受光量が正常範囲外であると判断された場合には、警報出力を行った上で処理を終了して着火スタンバイ状態に入る。 【0086】特に、反射光の伝達に着火用の光ファイバーと異なる光ファイバーを使用している場合には、反射光を伝達する光ファイバー側に異常が発生している可能性もあるので、異常が発見されても、着火スタンバイ状態を維持するようにすることが好ましい。 【0087】図7に、着火用レーザーダイオードと診断用レーザーダイオードが異なり、着火用レーザーダイオードが安全スイッチの下に、診断用レーザーダイオードが電流制限抵抗の下に接続されている場合の診断シーケンスの例を示す。このシーケンスも、別のロジックにより決定される診断指令が出される都度起動される。 【0088】まず、ステップS11において、電源がオンとなってから2秒以内であるかどうかをチェックする。2秒以内かどうかをチェックする理由は図6の説明で示した理由と同じである。2秒経過していなければ、ステップS12で診断用FETをオンとする。すると診断用レーザーダイオードから弱いレーザー光が放出される。この場合には、診断用レーザーダイオードをオンとしても、着火薬を着火させることが無いことが保証されているので、安全スイッチを確認する必要は無い。 【0089】次に、ステップS13において、フォトダイオードの受光量を測定し、測定が終わった段階でステップS14に移行してFETをオフとし、レーザーダイオードからのレーザー光の放出を停止する。そして、ステップS15、S16で、フォトダイオードの受光量が正常範囲内にあるかどうかを判断する。 【0090】フォトダイオードの受光量が正常範囲内にあると判断された場合には、何もせずに処理を終了する。フォトダイオードの受光量が正常範囲外であると判断された場合には、警報出力を行った上で処理を終了する。処理終了後は、着火スタンバイ状態になっている。 【0091】以上、図6、図7においては、診断の制御をマイクロコンピューターが行うことを前提としてフローチャートの形で説明を行ったが、マイクロコンピューターを使用せず、ディジタル回路で診断を行うようにしてもよい。図6、図7に示したフローチャートと均等な機能を有するディジタル回路の構成方法については、当業者にとって説明を要しないであろう。 【0092】以上の実施の形態は、いずれも、起爆装置をエアバッグ用に用いたものである。本発明の起爆装置は、エアバッグ用に用いるのに特に好適であるが、このような用途に限られるものではなく、車両のシートベルト巻取り装置に設けられる火薬式プリテンショナーのプリテンショナーの起爆装置として用いるのにも特に好適である。 【0093】特に火薬式プリテンショナーのプリテンショナーの起爆装置として用いる場合には、取り付け場所の制約があり、光ファイバーケーブルを直線的にイニシエーターに組み込むのに制約がある場合がある。その場合には、例えば図8(a)に示すように、光ファイバーケーブル5をサポート20に添わせて直角に曲げ、横方向から取り出すようにしてもよい。この場合、光ファイバーケーブルの曲げ曲率半径が小さくなると断線や光の減衰が発生するので、サポート20の半径を光ファイバーケーブルに許される最小曲げ半径以上とする必要がある。なお、19はカバーである。 【0094】また、このとき図8(b)、(c)に示すように、抑え部材21を設け、抑え部材と21とサポート20の間に光ファイバーケーブル5を挟んで拘束し、外部からの張力が光コネクター6にかからないようにすることが好ましい。これにより、光コネクター6の脱落を防止することができる。なお、抑え部材21には、光ファイバーケーブル5が嵌まり込むような溝を設けておくと、光ファイバーケーブル6との接触面積を大きくすることができ、摩擦力を大きくできるので好ましい。 【0095】光ファイバーケーブル5に外部から張力がかかって光コネクター6が脱落するのを防止する方法としては、図9、図10に示すような方法が考えられる。図9は、光ファイバーケーブル5に引き抜き防止部材22を固着した物であり、光ファイバーケーブル5に外部から張力がかかると、引き抜き防止部材22がカバー19に当たってこの張力を受け止めるので、光コネクター6には、この張力がかからない。 【0096】図10は、光ファイバーケーブル5を曲げて拘束することにより、外部張力が光コネクター6にかかるのを防止したものである。(a)はボスを有する巻き付け部材23のボス部に光ファイバーケーブル5を巻きつけて拘束したものである。前述のような理由から、ボスの半径は光ファイバーケーブルの最小曲げ半径より大きくする必要がある。 【0097】(b)は、円形のサポート24と抑え部材25を2組組み合わせて、光ファイバーケーブル5をS字型として、摩擦力により拘束したものである。この場合も、円形のサポートの半径は光ファイバーケーブルの最小曲げ半径より大きくする必要がある。 【0098】以上、自動車等の車両におけるエアバッグ、シートベルトプリテンショナーの例について説明したが、本起爆装置は、発破等の起爆装置として用いることができる。この場合には、一般的な用語として、前記着火薬の代わりに起爆薬、出力薬の代わりに添装薬等の言葉が使用され、延時薬を介して起爆薬に点火するものもあるが、このような雷管における本発明の構成と作用は、前記実施の形態から類推して明らかであろう。その場合でも、各々の形態が「発明を解決するための手段」で説明したような作用を発揮することができる。 【0099】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求項1に係る発明においては、大きな電気ノイズが発生する場合においても、その影響により起爆装置が誤作動することを防止できる。車両用のエアバッグの起爆装置として用いるのに好適であり、また、EMIフィルターを必要としない。さらに、エアバッグの数が多くなっても、相互の間での信号の干渉がないので、調整が容易である。 【0100】請求項2に係る発明においては、光伝達経路の接続が簡単で確実なものとなり、運転途中で外れる等の事故が防止できるので、安全性の高いシステムとすることができる。請求項3に係る発明においては、光コネクターに水分が入り込み、光ファイバーの光透過率が落ちるのを防止することができる。 【0101】請求項4に係る発明においては、光ファイバーの断線、接続点の接続不良、その他光の減衰等による起爆装置の作動不良を未然に防ぐことができる。請求項5に係る発明においては、これらに加えて、実際の光ファイバーの接続不良、異常な光伝達率の低下等を確実に検出することができる。 【0102】請求項6に係る発明においては、起爆指令装置内で、出力する光と入力される反射光とを分離する装置を必要としない。請求項7に係る発明においては、光伝達経路の診断に併せて、光発生器の診断も行うことができる。 【0103】請求項8に係る発明においては、診断用の光発生器の動作によりイニシエーターが点火されることを確実に防止することができる。請求項9に係る発明においては、強い光をイニシエーターに照射することができ、点火を確実にできる。 【0104】請求項10に係る発明においては、特別な反射体をガス発生装置内に設ける必要がない。請求項11に係る発明においては、接続が正常な場合には、確実に反射光を受光することができる。 【0105】請求項12に係る発明、及び請求項13にかかる発明においては、各起爆装置の特長を十分に生かしたエアバッグ装置とすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000108591 【氏名又は名称】タカタ株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月2日(2000.2.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094846 【弁理士】 【氏名又は名称】細江 利昭
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| 【公開番号】 |
特開2001−194095(P2001−194095A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月17日(2001.7.17) |
| 【出願番号】 |
特願2000−24914(P2000−24914) |
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