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【発明の名称】 誘導飛しょう体
【発明者】 【氏名】大関 昇

【要約】 【課題】飛行中の航空機から後方へ向けて飛しょうさせる誘導飛しょう体では、機体後方に飛しょうしている間は迎え角を増大させる頭上げのモーメントが発生し空力的に不安定な状態が生じて、機体の姿勢安定の確保が困難になるという問題があった。

【解決手段】複数の平面翼が交差して格子形状を成す格子翼を機体後部に配し、母機から分離された誘導飛しょう体が機体後方へ飛しょうする間は、格子翼を格納し固定しておき揚力を発生させない。誘導飛しょう体が機体前方へ向かって飛しょうする時は、格子翼を展開し固定しておき揚力を発生させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 飛しょう中の航空機から分離され、当該航空機の後方へ向けて飛しょうする誘導飛しょう体において、前記誘導飛しょう体の機体前部に取り付けられた操舵翼と、前記機体の後部に配置され、複数の平面翼が交差して格子形状を成す格子翼と、前記格子翼を支持するシャフトと、前記格子翼と前記シャフトを連結し、前記格子翼を格納および展開可能に支持するヒンジと、前記誘導飛しょう体の機体後方への飛しょう時に、前記ヒンジより前記格子翼が機体の前方に位置するように前記格子翼を格納した状態で前記格子翼を油圧シリンダにて可動する拘束部材により保持する格納ロック機構と、前記ヒンジから離間して前記格子翼に設けられ、前記誘導飛しょう体の機体前方への飛しょう時に垂直な気流を受け、前記格子翼に回転力を発生させて前記格子翼に展開力を発生するフィンと、前記格子翼の展開力の発生に応じて前記格納ロック機構にて拘束された格子翼の保持を一旦解除し、格子翼の展開に応じて再び前記格子翼を固定する展開ロック機構とを具備したことを特徴とする誘導飛しょう体。
【請求項2】 飛しょう中の航空機から分離され、当該航空機の後方へ向けて飛しょうする誘導飛しょう体において、前記誘導飛しょう体の機体前部に取り付けられた操舵翼と、前記機体の後部に配置され、複数の平面翼が交差して格子形状を成す格子翼と、前記格子翼を支持するシャフトと、前記格子翼と前記シャフトを連結し、前記格子翼を格納および展開可能に支持するヒンジと、前記誘導飛しょう体の機体後方への飛しょう時に、前記ヒンジより前記格子翼が機体の前方に位置するように前記格子翼を格納した状態で前記格子翼をソレノイドにて可動する拘束部材により保持する格納ロック機構と、前記ヒンジから離間して前記格子翼に設けられ、前記誘導飛しょう体の機体前方への飛しょう時に垂直な気流を受け、前記格子翼に回転力を発生させて前記格子翼に展開力を発生するフィンと、前記格子翼の展開力の発生に応じて前記格納ロック機構にて拘束された格子翼の保持を一旦解除し、格子翼の展開に応じて再び前記格子翼を固定する展開ロック機構とを具備したことを特徴とする誘導飛しょう体。
【請求項3】 飛しょう中の航空機から分離され、当該航空機の後方へ向けて飛しょうする誘導飛しょう体において、前記誘導飛しょう体の機体前部に取り付けられた操舵翼と、前記機体の後部に配置され、複数の平面翼が交差して格子形状を成す格子翼と、前記格子翼を支持するシャフトと、前記格子翼と前記シャフトを連結し、前記格子翼を格納および展開可能に支持するヒンジと、前記誘導飛しょう体の機体後方への飛しょう時に、前記ヒンジより前記格子翼が機体の前方に位置するように前記格子翼を格納した状態で前記格子翼を液体の圧力にて保持する格納ロック機構と、前記ヒンジから離間して前記格子翼に設けられ、前記誘導飛しょう体の機体前方への飛しょう時に垂直な気流を受け、前記格子翼に回転力を発生させて前記格子翼に展開力を発生するフィンと、前記格子翼の展開力の発生に応じて前記格納ロック機構にて拘束された格子翼の保持を一旦解除し、格子翼の展開に応じて再び前記格子翼を固定する展開ロック機構とを具備したことを特徴とする誘導飛しょう体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ヘリコプター、飛行機などの航空機に搭載され、当該航空機の後方に位置する他の航空機、誘導弾などの目標体に向けて発射もしくは投下されて、後方へ向けて飛しょう可能な誘導飛しょう体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】航空機(以下母機とする)に搭載され、後方発射可能な誘導飛しょう体に関する従来の技術を図を用いて説明する。図7は母機後方にある所定の目標体に向けて発射される従来の誘導飛しょう体の概念図であり、図8は従来の誘導飛しょう体の構成を示す図である。図7において、1は後方発射可能な誘導飛しょう体、2は前記飛しょう体1を発射する母機、3は前記母機2の後方で脅威となる目標体である。図8において、4は誘導飛しょう体1の機体、5は機体4の前部に装着されたドーム、6は機体4の前部に固定された前翼、7は機体4の後部に操舵軸(図示されていない)回りに回転可能に支持された操舵翼、8は誘導飛しょう体1に推進力を発生する推進装置、9は推進装置8を覆うように機体の後部に装着されたカバーを示す。
【0003】図9は、母機2から発射され後方に向けて飛しょうする誘導飛しょう体1の挙動を示す図である。図において10は誘導飛しょう体1が例えば速度V0で飛行中の母機2から後方に向けて発射され、機体後方に向かう速度Vbで飛しょうしている段階、11は推進装置8が点火され、誘導飛しょう体1が機体後方を向いた速度Vcで飛しょうしている段階、12は機体前方に向かう速度Vaで誘導飛しょう体1が飛しょうしている段階を示す。
【0004】母機2に対して脅威となる目標体3の存在が確認された後、母機2から発射された誘導飛しょう体1は、推進装置8が点火される前の段階10のように、母機2の速度V0とほぼ同じ機体後方に向かう飛しょう速度Vbで飛しょうする。その後、推進装置8が点火されると、機体後方に向かう飛しょう速度が減速され、機体後方に向かう速度Vcを持つ段階11を経過し、そして速度Vcが零となる。その後、誘導飛しょう体1は機体前方に加速され、最終的に機体前方に向かう飛しょう速度Vaを持つ段階12に至って目標体3まで誘導される。つまり、誘導飛しょう体1は空力的に不安定な速度領域である機体後方に向かう速度Vb、Vcを持つ段階10,11を必ず経過することになる。
【0005】図10は従来の飛しょう体1に作用する空力的なモーメントを示す図であり、図10(a)は機体前方へ飛しょうする場合、図10(b)は機体後方へ飛しょうする場合をそれぞれ示す。図10(a)において、Vaは機体前方へ飛しょうする段階12の誘導飛しょう体1の速度ベクトル、αは機体周囲の気流に対する迎え角、L1は前翼6の揚力、Xc1は重心CG1から前翼6の空力中心までの距離、L2は操舵翼7の揚力、Xc2は重心CG1から操舵翼7の空力中心までの距離、Maは重心CG1周りの回転モーメント、Vairは気流の速度ベクトルを示す。
【0006】誘導飛しょう体1が機体前方へ飛しょうする段階12においては、空力的安定を確保するため、例えば迎角αの場合に数1に示すように前翼6の揚力L1、重心CG1からの距離Xc1、操舵翼7の揚力L2および重心CG1からの距離Xc2との関係から、ドーム5側で迎え角αを低減させる頭下げモーメントMaが発生するように構成する。(モーメントは頭上げを正とする。)
【0007】
【数1】

【0008】すなわち、機体周囲の気流の乱れによって気流の方向が変化するなどの外乱が作用して迎え角αが増大しても、これを打ち消すように回転モーメントMaは負(ドーム5側で頭下げ)となり、誘導飛しょう体1の気流に対する静安定性が確保できる。
【0009】一方、母機2から発射直後の誘導飛しょう体1は、機体後方に向かう速度を持つ段階10,11を経過する。ここで誘導飛しょう体1が迎え角αをとる時に、操舵翼7が作動(操舵翼7を回転させ、揚力L2の向きや大きさを調整)しない状態を仮定すると、段階12における誘導飛しょう体1の場合と同様に、前翼6の揚力L1、操舵翼7の揚力L2が発生しモーメントが作用するが、ここでの回転モーメントMbは数2に示すように正(推進装置8側で頭上げ)となるため、迎え角αを更に増大させる方向に作用する。
【0010】
【数2】

【0011】したがって、誘導飛しょう体1は空力的に静安定ではなくなり、安定した飛しょうが困難となる。このため、絶えず操舵翼7を作動させ、迎え角αの増大を打ち消す回転モーメントを常に発生させる必要がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】誘導飛しょう体が母機から後方に向けて発射された場合、その飛しょう過程において飛しょう速度が機体後方(負の速度)から前方(正の速度)に変化する。この時、最初の従来例で示した図10(b)のような誘導飛しょう体1においては、次のような問題があった。
【0013】誘導飛しょう体1では機体後方に飛しょうしている間は、前翼6と操舵翼7にそれぞれ作用する揚力のバランスにより、迎え角αを増大させる頭上げのモーメントが発生して空力的に不安定な状態が起こり、機体の姿勢安定の確保が困難になるという問題があった。
【0014】また、機体の姿勢安定を確保するために、操舵翼7を用いて揚力を偏向させ、この頭上げのモーメントを打ち消す方向に常に作動させる必要があり、この動作を行うために操舵翼を駆動するモータへの電力供給に必要な電源である電池等(図示されていない)の寸法や質量が大きくなり、しいては誘導飛しょう体1として寸法や質量が増加するという問題があった。
【0015】この発明は係る課題を解決するためになされたものであり、従来のものと比較して、機体後方から前方に向かうまでの全ての速度領域で、より安定な飛しょうを確保できる誘導飛しょう体を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】第1の発明による誘導飛しょう体は、飛しょう中の航空機から分離され、当該航空機の後方へ向けて飛しょうする誘導飛しょう体において、前記誘導飛しょう体の機体前部に取り付けられた操舵翼と、前記機体の後部に配置され、複数の平面翼が交差して格子形状を成す格子翼と、前記格子翼を支持するシャフトと、前記格子翼と前記シャフトを連結し、前記格子翼を格納および展開可能に支持するヒンジと、前記誘導飛しょう体の機体後方への飛しょう時に、前記ヒンジより前記格子翼が機体の前方に位置するように前記格子翼を格納した状態で前記格子翼を油圧シリンダにて可動する拘束部材により保持する格納ロック機構と、前記ヒンジから離間して前記格子翼に設けられ、前記誘導飛しょう体の機体前方への飛しょう時に垂直な気流を受け、前記格子翼に回転力を発生させて前記格子翼に展開力を発生するフィンと、前記格子翼の展開力の発生に応じて前記格納ロック機構にて拘束された格子翼の保持を一旦解除し、格子翼の展開に応じて再び前記格子翼を固定する展開ロック機構とを具備したものである。
【0017】第2の発明による誘導飛しょう体は、飛しょう中の航空機から分離され、当該航空機の後方へ向けて飛しょうする誘導飛しょう体において、前記誘導飛しょう体の機体前部に取り付けられた操舵翼と、前記機体の後部に配置され、複数の平面翼が交差して格子形状を成す格子翼と、前記格子翼を支持するシャフトと、前記格子翼と前記シャフトを連結し、前記格子翼を格納および展開可能に支持するヒンジと、前記誘導飛しょう体の機体後方への飛しょう時に、前記ヒンジより前記格子翼が機体の前方に位置するように前記格子翼を格納した状態で前記格子翼をソレノイドにて可動する拘束部材により保持する格納ロック機構と、前記ヒンジから離間して前記格子翼に設けられ、前記誘導飛しょう体の機体前方への飛しょう時に垂直な気流を受け、前記格子翼に回転力を発生させて前記格子翼に展開力を発生するフィンと、前記格子翼の展開力の発生に応じて前記格納ロック機構にて拘束された格子翼の保持を一旦解除し、格子翼の展開に応じて再び前記格子翼を固定する展開ロック機構とを具備したものである。
【0018】第3の発明による誘導飛しょう体は、飛しょう中の航空機から分離され、当該航空機の後方へ向けて飛しょうする誘導飛しょう体において、前記誘導飛しょう体の機体前部に取り付けられた操舵翼と、前記機体の後部に配置され、複数の平面翼が交差して格子形状を成す格子翼と、前記格子翼を支持するシャフトと、前記格子翼と前記シャフトを連結し、前記格子翼を格納および展開可能に支持するヒンジと、前記誘導飛しょう体の機体後方への飛しょう時に、前記ヒンジより前記格子翼が機体の前方に位置するように前記格子翼を格納した状態で前記格子翼を液体の圧力にて保持する格納ロック機構と、前記ヒンジから離間して前記格子翼に設けられ、前記誘導飛しょう体の機体前方への飛しょう時に垂直な気流を受け、前記格子翼に回転力を発生させて前記格子翼に展開力を発生するフィンと、前記格子翼の展開力の発生に応じて前記格納ロック機構にて拘束された格子翼の保持を一旦解除し、格子翼の展開に応じて再び前記格子翼を固定する展開ロック機構とを具備したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の実施形態における誘導飛しょう体13を示す構成図であり、図1(a)は誘導飛しょう体13が機体後方へ飛しょうする場合、図1(b)は機体前方に飛しょうする場合をそれぞれ示す。図において、14は機体4の前部に設けられ、機軸の前後方向に対称な台形状の平面翼であって、操舵軸(図示されていない)回りに回転可能な操舵翼、15は機体4の後部に設けられ、複数の平面翼が交差して格子形状を成す格子翼を示す。その他は従来の誘導飛しょう体と同じものである。図2は航空機から発射もしくは投下された誘導飛しょう体13の挙動を示す図である。
【0020】次に動作について説明する。図2において、速度V0で飛しょうする母機2から発射もしくは投下された誘導飛しょう体13は、段階17に示すように、分離直後に速度Vbで母機2の進行方向に向かって飛しょうする。この時、図1(a)に示す誘導飛しょう体13は、機体4のドーム5を後方にし、機体4に保持されたカバー9を先頭にして機体後方に飛しょうする。この初期の段階17では、機体4の空気抵抗の働きにより母機2と同じ方向に向かう速度Vbは減速される。この時カバー9を備えることによって推進装置8内部への気流の流入を防ぐことができる。
【0021】その後、母機2から分離されてからtr1秒後には、図2の中期の段階18に示すように推進装置8が点火されるとともに、カバー9が外れる段階に至る。この段階でも推進装置8の推力と機体4の空気抵抗の働きにより、母機2と同じ方向、すなわち機体後方に向かう速度Vcは減速される。そして、母機2から分離後のtw1秒後には、母機2の進行方向とは逆の方向、すなわち機体前方に向かう速度Vaを持ち、後期の段階19に示す飛しょう状態に至る。なお、格子翼15は段階18までは、格納され固定された状態であり、段階19から展開され固定された状態となる。
【0022】ここで飛しょう速度と静安定との関係を説明する。図3(a)は格子翼15が格納され固定された状態における誘導飛しょう体13に作用する空力的なモーメントを示し、図3(b)は格子翼15が展開され固定された状態における誘導飛しょう体13に作用する空力的なモーメントを示す図である。
【0023】誘導飛しょう体13が機体後方に向かう速度Vb、Vcで飛しょうする図2の段階17,18の場合には、格子翼15が格納され固定された状態であり、格子翼15が翼面としての揚力を生じないので、操舵翼14の揚力により空力的な静安定を確保することができる。これは、図3(a)に示すように、迎え角αをとった場合の機体前部の操舵翼14の揚力L3が、機体4の重心CG3まわりにカバー9側で迎え角αを低減させる頭下げのモーメントMc(Mc<0)を発生することによる。(モーメントは頭下げを負とする。)なお、誘導飛しょう体13が機体後方に向かう速度Vcで飛しょうする段階18の場合も、段階17の場合と同様に静安定が確保できる。このため、誘導飛しょう体13が機体後方に向けて飛しょうする場合には、迎え角αが発生したときにそれを打ち消すモーメントMcが発生し、気流に対する機体4の静安定が確保できる。
【0024】また、推進装置8の推力と空気抵抗の作用により、誘導飛しょう体13の飛しょう速度が減じた後に逆転し、速度Vaで機体前方へ飛しょうする図2の段階19に至る場合には、格子翼15が展開され固定された状態であり、格子翼15には揚力L4が発生する。この揚力L4と操舵翼14が発生する揚力L3、操舵翼14の空力中心と重心CG3との距離Xc3、格子翼15の空力中心と操舵翼14の空力中心の距離Lとの間に数3に示すモーメントバランスの関係が成り立つ。
【0025】
【数3】

【0026】したがって格子翼15の翼面積S1、揚力傾斜をCL1、操舵翼14の面積をS2、揚力傾斜をCL2とすると、数4に示す関係を満足させることにより、数3に示す機体4を回転させようとするモーメントMdは、ドーム5側で頭下げのモーメント(Md<0)となり迎え角αを減少させる方向に作用する。
【0027】
【数4】

【0028】その結果、誘導飛しょう体13が機体前方に向けて飛しょうする場合でも、空力的な静安定が確保され、気流に対する機体4の姿勢を保つことができる。
【0029】次に、前記格子翼15の動作を説明する。図4(a)は前記格子翼15が格納されロック機構で固定された状態を示す図、図4(b)は前記格子翼15が展開されロック機構で固定された状態を示す図である。図において、20は前記格子翼15に取り付けられたフィン、21は前記格子翼15を支持するシャフト、22は前記格子翼15と前記シャフト21を連結し、前記格子翼15が格納および展開可能となるように設けたヒンジ、23は前記格子翼15を格納時に固定しておく格納ロック機構A、24は前記格納ロック機構A23の構成品である油圧シリンダ、25は前記格納ロック機構A23の構成品であるロックピンA、26は前記格納ロック機構A23の構成品である電磁バルブ、27は前記格納ロック機構A23の構成品である蓄圧器、28は前記格子翼15を展開時に固定しておく展開ロック機構A、29は前記展開ロック機構A28の構成品であるロッドA、30は前記展開ロック機構A28の構成品であるバネAである。
【0030】誘導飛しょう体13が機体後方に飛しょうしている状態では、図4(a)に示すように前記格子翼15は格納されており、前記格納ロック機構A23の構成品であるロックピンA25が、同じく構成品である蓄圧器27から油の供給を受けた油圧シリンダ24で押され、前記展開ロック機構Aの構成品であるロッドA29の溝29bに入り込み、前記ロッドA29を固定し前記格子翼15が回転しないよう固定する。
【0031】また、誘導飛しょう体13が機体前方に飛しょうしている状態では。図4(b)に示すように、気流の速度ベクトルであるVairにより前記フィン20に抗力が生じ、前記ヒンジ22まわりに前記格子翼15を展開するモーメントが発生する。このモーメントを例えばロードセルや歪ゲージなどを用いた検出器(図示されていない)が検出し、この検出に応じて前記格納ロック機構A23の構成品である電磁バルブ26を開放する。そうすると同じく構成品であるロックピンA25が、前記ロッドA29の溝29bから抜けて前記格子翼15が展開する。次に、前記展開ロック機構A28の構成品である筒状のロッドA29が、同じく構成品であるバネA30によりシャフト21の軸上と前記格子翼15側に押し上げられ、前記ヒンジ22の連結部にロッドA29が被さって前記ヒンジ22まわりに前記格子翼15が回転しないよう固定する。
【0032】実施の形態2.図5はこの発明に係る実施の形態2であり、図5(a)は格子翼15が格納されロック機構で固定された状態を示す図、図5(b)は格子翼15が展開されロック機構で固定された状態を示す図である。図において、31は格納ロック機構B、32は前記格納ロック機構B31の構成品であるソレノイド、33は前記格納ロック機構B31の構成品であるロックピンBである。なお、他はこの発明に係る実施の形態1と同様である。
【0033】次に動作について説明する。誘導飛しょう体13が機体後方に飛翔している状態では、図5(a)に示すように前記格子翼15は格納されており、前記格納ロック機構Bの構成品であるロックピンB33が、同じく構成品であるソレノイド32で押され、前記展開ロック機構Aの構成品であるロッドA29の溝29bに入り込み、前記ロッドA29を固定し前記格子翼15が回転しないよう固定する。
【0034】また、誘導飛しょう体13が機体前方に飛しょうしている状態では。図5(b)に示すように、気流の速度ベクトルであるVairにより前記フィン20に抗力が生じ、前記ヒンジ軸22まわりに前記格子翼15を展開するモーメントが発生する。このモーメントを検出器(図示されていない)が検出し、前記格納ロック機構B31の構成品であるソレノイド32を開放する。そうすると同じく構成品であるロックピンB33が、前記ロッドA29の溝29bから抜けて前記格子翼15が展開する。なお、展開後の前記格子翼15の固定は、この発明に係る実施の形態1と同じである。
【0035】実施の形態3.図6はこの発明に係る実施の形態3であり、図6(a)は格子翼15が格納されロック機構で固定された状態を示す図、図6(b)は格子翼15が展開されロック機構で固定された状態を示す図である。図において、34は前記格子翼15を格納時に固定しておく格納ロック機構C、35は前記格納ロック機構C34の構成品であるタンク、36は前記格納ロック機構C34の構成品である非圧縮性の液体、37は前記格納ロック機構C34の構成品である電磁バルブC、38は前記格子翼15を展開時に固定しておく展開ロック機構C、39は前記展開ロック機構C38の構成品であるロッドC、40は前記展開ロック機構C38の構成品であるバネC、41は前記展開ロック機構C38の構成品であるシリンダである。なお、他はこの発明に係る実施の形態1と同様である。
【0036】次に動作について説明する。誘導飛しょう体13が機体後方に飛しょうしている状態では、図6(a)に示すように前記格子翼15は格納されており、前記格納ロック機構C34の構成品である非圧縮性の液体36が前記展開ロック機構C38の構成品であるシリンダ41内に充填され、同じく構成品であるロッドC39を拘束し前記格子翼15が回転しないよう固定する。
【0037】また、誘導飛しょう体13が機体前方に飛しょうしている状態では。図6(b)に示すように、気流の速度ベクトルであるVairにより前記フィン20に抗力が生じ、前記ヒンジ軸22まわりに前記格子翼15を展開するモーメントが発生する。このモーメントを検出器(図示されていない)が検出し、前記格納ロック機構C34の構成品である電磁バルブ37を開放する。そうすると前記シリンダ41から電磁バルブ37を通過して前記液体36が機体4の外に抜けて前記格子翼15が展開する。次に、前記展開ロック機構C34の構成品である筒状のロッドC39が、同じく構成品であるバネC40によりシャフト21の軸上と前記格子翼15側に押し上げられ、前記ヒンジ22の連結部にロッドC39が被さって前記ヒンジ22まわりに前記格子翼15が回転しないよう固定する。
【0038】
【発明の効果】この発明に係る誘導飛しょう体は、上記のように構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0039】第1から第3の発明によれば、航空機から分離され後方に向け航空機後方に飛しょうする誘導飛しょう体において、飛しょう体速度が機体後方の時は格子翼を格納保持し操舵翼により静安定に寄与する方向に空力荷重を生じ、飛しょう体速度が機体前方の時は格子翼を展開し保持することによって空力中心が機体重心の後方となることにより、機体後方から前方に向かうまでの全ての速度領域で、より安定な飛しょうを確保できる誘導飛しょう体を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成11年11月10日(1999.11.10)
【代理人】 【識別番号】100102439
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 金雄 (外2名)
【公開番号】 特開2001−141395(P2001−141395A)
【公開日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【出願番号】 特願平11−319447