| 【発明の名称】 |
赤外線デコイフレア飛しょう体 |
| 【発明者】 |
【氏名】小山 郁雄
【氏名】鈴木 慶正
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| 【要約】 |
【課題】装甲車両等が、ヘリコプター等頭上から射出される赤外線ホーミング飛しょう体から回避するための囮を得ることにある。
【解決手段】空中浮遊可能形状を有する赤外線放射布と、着火薬および加熱剤を配する熱源と、所定の高度まで飛行するとともに赤外線放射布を放出するための発射薬、延時薬および放出薬とを備えた放出手段とを有し、所定の高度に達した後、放出手段により放出された赤外線放射布が、加熱剤の燃焼炎および燃焼炎の持続により、赤外線を放射しながら下降する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 装甲車両等から放出される赤外線デコイフレア飛しょう体において、空中浮遊可能形状を有する赤外線放射布と、着火薬および加熱剤を配する熱源と、所定の高度まで飛行するとともに前記赤外線放射布を放出するための発射薬、延時薬および放出薬とを備えた放出手段とを有することを特徴とする赤外線デコイフレア飛しょう体。 【請求項2】 前記赤外線放射布は、空中を浮遊し下降しながら移動するパラシュート(落下傘)であることを特徴とする請求項1記載の赤外線デコイフレア飛しょう体。 【請求項3】 前記赤外線放射布は、耐熱性の炭素繊維織物、アラミド繊維織物であることを特徴とする請求項1または2記載の赤外線デコイフレア飛しょう体。 【請求項4】 前記赤外線放射布は、前記加熱剤の燃焼炎により遠赤外線を放射することを特徴とする請求項1記載の赤外線デコイフレア飛しょう体。 【請求項5】 前記熱源は、金属粉と硝酸塩の混合物、金属粉とPTFE(ポリテトラフッ化エチレン)の混合物、コンボジット推進薬から選ばれる少なくとも1種の加熱剤であることを特徴とする請求項1記載の赤外線デコイフレア飛しょう体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線を発生するデコイフレア飛しょう体に係り、詳しくは、対赤外線ホーミング飛しょう体の赤外線デコイフレア飛しょう体に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、装甲車両等の防護システムとして、赤外線追随飛しょう体から回避するため赤外線(IR)遮蔽効果を有する煙幕等が用いられていた。 【0003】このIR遮蔽発煙剤組成物については、特公昭60−42194号公報に開示されている。また、新型の発煙弾は、デコイフレア飛しょう体に発煙剤と燃焼剤とを組合せ、この飛しょう体を放出後、発煙剤と燃焼剤が分離するようになっている。そして、先に発煙剤の煙幕が展開し、その煙幕の中で燃焼剤が燃焼しデコイ(囮)として機能する。 【0004】このデコイについては、米国特許第5551345号明細書に開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、発煙剤を有する飛しょう体、あるいは発煙剤および燃焼剤を有する混合飛しょう体は、対装甲車両等の地上での防御には有効ではあるが、ヘリコプター等頭上(トップアタック)から射出される赤外線ホーミング飛しょう体の回避には充分対応することが困難であるという問題があった。 【0006】本発明はかかる従来の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、装甲車両等から発生する赤外線と同じような赤外線を発する欺瞞の囮を利用して、装甲車両等を赤外線ホーミング飛しょう体から防御することが可能な赤外線デコイフレア飛しょう体を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、装甲車両等から放出される赤外線デコイフレア飛しょう体において、空中浮遊可能形状を有する赤外線放射布と、着火薬および加熱剤を配する熱源と、所定の高度まで飛行するとともに前記赤外線放射布を放出するための発射薬、延時薬および放出薬とを備えた放出手段とを有することを特徴とする。 【0008】請求項2に係る発明は、請求項1記載の赤外線デコイフレア飛しょう体において、前記赤外線放射布は、空中を浮遊し下降しながら移動するパラシュート(落下傘)であることを特徴とする。請求項3に係る発明は、請求項1または2記載の赤外線デコイフレア飛しょう体において、前記赤外線放射布は、耐熱性の炭素繊維織物、アラミド繊維織物であることを特徴とする。 【0009】請求項4に係る発明は、請求項1記載の赤外線デコイフレア飛しょう体において、前記赤外線放射布は、前記加熱剤の燃焼炎により遠赤外線を放射することを特徴とする。請求項5に係る発明は、請求項1記載の赤外線デコイフレア飛しょう体において、前記熱源は、燃焼炎を持続する、金属粉と硝酸塩の混合物、金属粉とPTFE(ポリテトラフッ化エチレン)の混合物、コンボジット推進薬から選ばれる少なくとも1種の加熱剤であることを特徴とする。 【0010】(作用)本発明の赤外線デコイフレア飛しょう体は、特にヘリコプター等頭上から射出される赤外線ホーミング飛しょう体から回避するための囮である。本発明の赤外線デコイフレア飛しょう体は、装甲車両等の放出筒から空中へ放出されると、発射薬(推進手段)により上空へ推進しながら延時薬(延時手段)に着火し所定の上空(地上から約30m程)へ達すると、放出薬(放出手段)の燃焼により作動傘および主傘が引き出され、空中へ広く展開する。 【0011】そして、所定経過後、この飛しょう体に設けられる延期装置により収容されている作動傘が展開し続いて主傘(赤外線放射布)が引き出され展開する。このとき、加熱剤は、主傘と連結する着火具により点火し燃焼し燃焼炎を形成する。そして、この燃焼炎により主傘である赤外線放射傘が暖められ、赤外線放射傘の表面から遠赤外線が放射される。 【0012】また、赤外線放射傘は、燃焼炎による暖められた空気の揚力により、所定時間空中に浮遊する。すなわち、加熱剤の燃焼炎は、赤外線放射布を暖め、これにより遠赤外線を放射させることが大きな役目であるが、この燃焼炎の対流により、パラシュート形状の赤外線放射布が、パラシュート本来の空気抵抗係数よりも大きく浮遊する2次的な作用を発揮する。 【0013】これにより、赤外線ホーミング飛しょう体に対し装甲車両等と誤認させ、当該飛しょう体の飛行経路を変化させる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。 【0015】図1、図2は、本実施形態に係る赤外線デコイフレア飛しょう体を示し、図3は、赤外線デコイフレア飛しょう体の放出から赤外線放射布の浮遊までの運用概要を示す。先ず、本実施形態に係る赤外線デコイフレア飛しょう体を説明する。長尺状の筒体1の一側1a内部には、作動傘11および主傘10を引き出すため、発射薬3→延時薬4→放出薬5の順に装薬されている。発射薬3、延時薬4、放出薬5が放出手段2を構成する。 【0016】また、筒体1の一側1aは、Oリング17,留めピン18を介して放出手段2と連結している。また、筒体1の一側1a外周には、折り畳たみ可能な4枚の翼22がピン23を介して取り付けられている。ここで、放出手段2および4枚の翼22が放出機構24を構成している。 【0017】一方、筒体1の他側1b内部には、燃焼炎を形成する加熱剤6と、この加熱剤6を収容する収容筒7と、加熱剤6に着火する着火装置8が配置されている。加熱剤6と着火装置8が熱源9を構成する。 【0018】また、この筒体1内部の中間付近には、主傘(赤外線放射布)10と、この主傘10を主傘ロープ12で係着し主傘10を引き出す作動傘11が配置されている。作動傘11は、飛しょう中に、放出薬5の燃焼で筒体1内から引き出され、引き続き主傘10を引き出し、展開させる。また、筒体1の他側1b端部の開口部を蓋部材13で塞ぐとともに、この蓋部材13の外周内面と、筒体1の外周1b側壁と接触する部位にスペーサ14を配置し、蓋部材13で筒体1を保持する。 【0019】また、蓋部材13と筒体1内の収容筒7の底部とをビス等の留め具15で止めている。次に、各構成部を説明する。発射薬3は、黒色火薬またはシングルベース発射薬(ニトロセルロース)である。 【0020】延時薬4は、マンガン(Mn)、クロム酸鉛(PbCrO4)およびクロム酸バリウム(BaCrO4)の混合物である。放出薬5は、黒色火薬である。加熱剤6は、所定時間燃焼が持続するものが良く、例えば、マグネシウム、アルミニウム等の金属粉とPTFE(ポリテトラフッ化エチレン)との混合物、マグネシウム、アルミニウム等の金属粉と硝酸塩等の酸化剤との混合物、またはコンポジット推進薬を単独で用いても良い。 【0021】筒体1の一側1a外周に巻き付くように配置される翼22は、発射薬3により空中へ飛しょうする際に、折り畳まれた状態からバネの作用で展開するようになっている。着火装置8は、引き金トリガー(レバー)19によって雷管21が作動し着火薬20を発火させる手段を用いている。引き金トリガー19と主傘10とは、着火用紐(図示せず)で繋着している。したがって、放出薬5により作動傘11および主傘10が引き出される際、この主傘10と繋着している着火用紐により、引き金トリガー19が作動する。これにより雷管21が作動し、着火薬20が燃焼し加熱剤6を着火するようになっている。 【0022】次に、赤外線放射傘である主傘(赤外線放出布)10の素材について説明する。主傘10の素材は、熱源9の燃焼炎により変形しないもので、所定の遠赤外線を放射する特性をもつものが良い。例えば、耐熱性の優れた炭素繊維織物、アラミド繊維織物等が使用できるが、特にアラミド繊維が好ましい(耐熱性400℃)。 【0023】また、これら以外には、単体の織物でも良いし、組み合わせた織物を用いても良い。主傘10を構成する赤外線放射布(赤外線放射体)は、加熱剤6の燃焼温度により、その表面の温度が影響される。この燃焼温度を調整することで、所定の遠赤外線を得ることができる。 【0024】また、この燃焼温度は、加熱剤6の時間当たりのカロリー(熱量)を変えるようなパラメータで調整する。これにより、空中浮遊の主傘10を暖め8〜12μmの遠赤外線を得ることができる。本発明の赤外線デコイフレア飛しょう体は、装甲車両等、特に戦車から発生する赤外線と同じような赤外線を発する欺瞞の囮を利用して、装甲車両等を赤外線ホーミング飛しょう体から防御するものである。そのためには、装甲車両等と同等の熱を主傘(赤外線放射体)から発生する必要がある。 【0025】装甲車両等から発生する熱は、主にエンジン部位および排気ガス部であり、日中は太陽光の輻射によって表面から放出される。このときの赤外線は、遠赤外線波長域が主となる。次に、図1、図2に示す赤外線デコイフレア飛しょう体の組立を説明する。 【0026】先ず、加熱剤6が収納される収容筒7と、この収容筒7の開口部に着火装置8を配置し、さらに、この着火装置8と主傘10とを着火用紐で係着する。主傘10は、アラミド繊維の中でデュポン社製ケブラを使用しており、主傘ロープ12(図3)により作動傘11と係着して折り畳んだ状態にする。また、作動傘11側には、作動傘11と、放出薬5を収納するとともに、この放出薬5の燃焼により作動傘11を放出する放出筒16とを係着するための放出機構24が設けられている。 【0027】次に、両端が開口している筒体1の一側1aから、加熱剤6を収納する収容筒7と着火装置8、主傘10と作動傘11および放出機構24を順次挿入する。そして、筒体1の他側1bを蓋部材13により塞ぎ、加熱剤6の収容筒7の底面部と蓋部材13とを留め具15により止めるが、その際、蓋部材13と筒体1の外周面との間にスペーサ14を嵌合させる。 【0028】次に、筒体1の一側1aは、発射薬3と延時薬4と放出薬5とを系列に配置する放出筒(放出手段)2をOリング17および留めピン18により固定する。また、筒体1は、筒体1の一側外周に、デコイフレアを飛しょうさせる4枚の翼22を、翼22を展開させるバネとともに留めておく。次に、図3により本実施形態にかかる赤外線デコイフレア飛しょう体の作用を説明する。 【0029】図3は、赤外線デコイフレア飛しょう体が装甲車両等から放出され、翼22が展開し飛しょうしながら主傘10が開き、空中浮遊しながら熱源により主傘10が遠赤外線を放射する運用概要図である。ヘリコプター等空中からの攻撃を回避するため、戦車(装甲車両)等から本実施形態に係る赤外線デコイフレア飛しょう体を放出すると、同時に翼22が開き上空へ飛しょうする。 【0030】赤外線デコイフレア飛しょう体の放出と同時に、発射薬3が電気点火され、ほぼ同時に発射薬3から延時薬5に着火される。そして、延時薬4により所定高度(地上から約30m程)で放出薬5が燃焼し、放出薬5の燃焼圧で留めピン(シャーピン)18等が剪断され放出機構24全体が大気中へ放出される。 【0031】放出機構24が放出されると、赤外線デコイフレア飛しょう体の放出機構24側は全面開口となり、この開口部から放出機構24に近接して収容されている作動傘11が自ら大気中へ出て開傘する。この作動傘11の開傘により、赤外線デコイフレア飛しょう体内に折り畳んで収容され、この作動傘11と主傘ロープ12で係着している主傘10が引き出され大気中へ開傘する。 【0032】この時、主傘10と着火装置8の引き金トリガー(レバー)19とが着火用紐によって繋がっているので、主傘10が大気中へ開傘されると、着火用紐が引っ張られ、引き金トリガー(レバー)19が引かれて撃針が雷管21を叩く。これにより、着火装置8内の着火薬20に着火する。この着火薬20の火炎により加熱剤6に着火し燃焼する。 【0033】そして、主傘10が空中に浮遊し、加熱剤6の燃焼炎で展開している主傘10を暖める。これにより、主傘10の全表面から赤外線放射スペクトル8μm〜12μmの遠赤外線が放出される。また、赤外線放射体となった主傘10は、自らの空中浮遊可能形状であるとともに加熱剤6の燃焼炎により、所定上空からゆらゆらと約20秒程空中浮遊しながら落下していく。 【0034】 【発明の効果】以上述べたように、本発明では、所定の上空から空中に主傘(赤外線放射布)を浮遊させながら、この主傘を暖め遠赤外線を放出するので、赤外線ホーミング飛しょう体の経路を変化させることができるので、上空(頭上)からの装甲車両等への脅威に対して防御することが可能となる。特に、主傘(赤外線放射布)が落下傘(パラシュート)の場合には、広く展開させることが可能であるから、装甲車両等の頭上から進行してくる数多くの小型赤外線ホーミング飛しょう体にも欺瞞効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390037224 【氏名又は名称】日本工機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月16日(1999.12.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072718 【弁理士】 【氏名又は名称】古谷 史旺 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−174196(P2001−174196A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−357096 |
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