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【発明の名称】 飛昇体発射装置および飛昇体のキャニスタ
【発明者】 【氏名】園田 圭介

【氏名】内山 進

【氏名】糟屋 秀暢

【要約】 【課題】発射装置本体底部のアブレーション材の減耗を低減し、メンテナンス負荷を軽減することのできる飛昇体発射装置および飛昇体のキャニスタを提供することを課題とする。

【解決手段】飛昇体1を収容するキャニスタ11の底部に、キャニスタ側アブレーション材17Aを支持部材16で支持して備え、これにより、飛昇体1の噴射ノズル1aからの超音速噴流のエネルギーを消費させる構成とした。またキャニスタ側アブレーション材17Aに代えて、超音速噴流の流速およびエネルギーを低減させるための噴流減速材、あるいは超音速噴流に冷却媒体を噴射する冷却媒体供給機構を備えることも可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に飛昇体を収容するキャニスタと、該キャニスタを着脱自在に搭載する発射装置本体とから構成され、前記発射装置本体には、前記キャニスタ内の飛昇体から噴射される噴流が衝突する位置にアブレーション材が設けられるとともに、前記キャニスタの底部には、前記噴射ノズルから噴射される噴流による前記アブレーション材の減耗を低減させるための減耗低減部が、前記飛昇体の噴射ノズルの略鉛直下方位置に一体に備えられていることを特徴とする飛昇体発射装置。
【請求項2】 前記減耗低減部として、前記噴流の熱エネルギーを消費させる他のアブレーション材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の飛昇体発射装置。
【請求項3】 前記減耗低減部として、前記噴流を拡散させる噴流拡散体が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の飛昇体発射装置。
【請求項4】 前記減耗低減部として、前記噴流に向けて冷却媒体を噴射する冷却媒体供給機構が備えられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の飛昇体発射装置。
【請求項5】 前記減耗低減部が、前記キャニスタに一体に備えられた格子状の支持部材により支持されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の飛昇体発射装置。
【請求項6】 飛昇体を発射する飛昇体発射装置本体に着脱自在に搭載され、前記飛昇体を収容するキャニスタであって、前記請求項1から5のいずれかに記載の前記減耗低減部を、その内部に収容する前記飛昇体の噴射ノズルの略鉛直下方位置に一体に備えていることを特徴とする飛昇体のキャニスタ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、飛昇体を発射するために使用される飛昇体発射装置および飛昇体のキャニスタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、図16に示すような飛昇体1を発射するための飛昇体発射装置2は、飛昇体1を収容するキャニスタ3と、発射装置本体4とから構成されている。キャニスタ3は、内部に収容した飛昇体1を拘束する拘束機構(図示なし)を備えるとともに、その上面と下面とが開閉自在となっており、飛昇体1の発射時には上面が開くとともに、下面が開いて噴射ノズル1aからの超音速噴流Jを下方に噴射させるようになっている。発射装置本体4は、このようなキャニスタ3を複数装着できるようになっており、また飛昇体1の発射後等には、キャニスタ3を取り外し、他の飛昇体1が装填されたキャニスタ3に交換できるようになっている。また、発射装置本体4には、飛昇体1の噴射ノズル1aから高速で噴射される高温・高圧の超音速噴流(噴流)Jを180度偏向させて、発射装置本体4の上部から外部に排出させるための煙道5が備えられている。なお、符号6は、キャニスタ3内の飛昇体1上部に水等の冷却媒体を噴射するためのノズル、7はノズル6に冷却媒体を供給するための供給装置である。
【0003】また、発射装置本体4の底部には、飛昇体1からの超音速噴流Jが直接当たる位置にアブレーション材8が配設されており、このアブレーション材8で超音速噴流Jの熱を吸収し、自身を減耗させることにより、発射装置本体4の構造材に影響が及ぶのを防ぐようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述したような従来の飛昇体発射装置2では以下のような問題を有する。発射装置本体4に備えたアブレーション材8は、飛昇体1から超音速噴流Jを噴射する度に減耗する。特に何らかの要因により点火後に飛昇体1の発射が行われない場合、飛昇体1はキャニスタ3内に拘束された状態で超音速噴流Jを所定時間噴出し続けるため、この場合にアブレーション材8の減耗は著しい。もちろん、このような場合においても問題の生じないよう、アブレーション材8の厚さ等が設定されているのは言うまでもないが、例えば飛昇体1のパワーアップが図られ、噴射ノズル1から噴射される超音速噴流Jの流速やエネルギーが上昇した場合には、アブレーション材8の減耗度合いが大きくなり、現状のアブレーション材8ではその厚さが不足することも考えられる。そして、複数回の発射等により減耗が進行したアブレーション材8は交換する必要があるが、このアブレーション材8は、発射装置本体4側に固定されているものであるため、その交換等には手間がかかる。本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、発射装置本体底部のアブレーション材の減耗を低減し、メンテナンス負荷を軽減することのできる飛昇体発射装置および飛昇体のキャニスタを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、内部に飛昇体を収容するキャニスタと、該キャニスタを着脱自在に搭載する発射装置本体とから構成され、前記発射装置本体には、前記キャニスタ内の飛昇体から噴射される噴流が衝突する位置にアブレーション材が設けられるとともに、前記キャニスタの底部には、前記噴射ノズルから噴射される噴流による前記アブレーション材の減耗を低減させるための減耗低減部が、前記飛昇体の噴射ノズルの略鉛直下方位置に、一体に備えられていることを特徴としている。そして請求項2に係る発明は、前記減耗低減部として、前記噴流の熱エネルギーを消費させる他のアブレーション材が設けられていることを特徴としている。また、請求項3に係る発明は、前記減耗低減部として、前記噴流を拡散させる噴流拡散体が設けられていることを特徴としている。さらに、請求項4に係る発明は、前記減耗低減部として、前記噴流に向けて冷却媒体を噴射する冷却媒体供給機構が備えられていることを特徴としている。
【0006】このように、キャニスタの底部に、例えば他のアブレーション材や噴流拡散体、冷却媒体供給機構等の減耗低減部を一体に備えることにより、飛昇体の噴射ノズルから噴射される噴流の熱エネルギーを消費させたり、流速を低減させたりすることができる。これにより、発射装置本体底部のアブレーション材の減耗を低減することができる。
【0007】請求項5に係る発明は、前記減耗低減部が、前記キャニスタに一体に備えられた格子状の支持部材により支持されていることを特徴としている。
【0008】これにより、減耗低減部を噴射ノズルの鉛直下方に位置させることができ、また減耗低減部を交換したりする場合には、キャニスタを発射装置本体から外した状態で作業を行うことができるので、メンテナンスを容易に行うことができる。
【0009】請求項6に係る発明は、飛昇体を発射する飛昇体発射装置本体に着脱自在に搭載され、前記飛昇体を収容するキャニスタであって、前記請求項1から5のいずれかに記載の前記減耗低減部を、その内部に収容する前記飛昇体の噴射ノズルの略鉛直下方位置に一体に備えていることを特徴としている。
【0010】キャニスタの底部に、例えば他のアブレーション材や噴流拡散体、冷却媒体供給機構等の減耗低減部を一体に備えることにより、飛昇体の噴射ノズルから噴射される噴流の熱エネルギーを消費させたり、流速を低減させたりすることができる。これにより、このキャニスタを搭載する発射装置本体底部のアブレーション材の減耗を低減することができる。また、上記減耗低減部をキャニスタに備えることにより、発射装置本体から取り外した状態で減耗低減部の点検・メンテナンス等を行うことができるので、これを発射装置本体側に備えるのに比較すれば、その作業を容易に行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る飛昇体発射装置および飛昇体のキャニスタの第一ないし第第三の実施の形態について、図1ないし図15を参照して説明する。なお、以下の説明において、従来例として示した図16と共通する部分については同符号を付し、その説明を省略する。また、以下の各実施の形態間で共通する構成についても同符号を付し、その説明を省略する。
【0012】[第一の実施の形態]まずここでは、減耗低減部として、例えばアブレーション材を備える場合の例を用いて説明する。
【0013】図1に示すように、飛昇体1を発射するための飛昇体発射装置10は、飛昇体1を収容するキャニスタ11と、複数のキャニスタ11を着脱自在に装着できる発射装置本体4とから構成されている。
【0014】発射装置本体4には、キャニスタ11が例えば4×2列の計8基装着できるようになっている。図2に示すように、これらキャニスタ11を支持する支持面12には、各キャニスタ11に対応した位置に開口部12aが形成されている。また、図1に示したように、支持面12の下方には、所定の高さを有した側壁4aによって四方を囲まれた空間が形成されており、この空間がプレナム13とされている。そして、このプレナム13の下面、つまり発射装置本体4の底面上には、所定厚さのアブレーション材8が配設されている。さらに、2列に装着されるキャニスタ11,11間には、プレナム13に連通して支持面12から鉛直上方に延びる煙道5が形成されており、飛昇体1の噴射ノズル1aから高速で噴射される高温・高圧の超音速噴流(噴流)Jを上方に排出させるようになっている。
【0015】キャニスタ11は、内部に収容した飛昇体1を拘束する拘束機構(図示なし)を備えている。このキャニスタ11は、その上面11aと下面11bとが、金属とゴムとを積層させた材料等から形成されており、ここには図示しない切れ目が形成されて、飛昇体1の発射時には上面11aが開くとともに、下面11bが開いて噴射ノズル1aからの噴流を下方のプレナム13内に噴射させるようになっている。
【0016】このようなキャニスタ11の下面11bには、平面視略格子状で所定の高さを有した支持部材16が、キャニスタ11に固定されて設けられている。この支持部材16は、格子状の開口部が、飛昇体1の噴射ノズル1aの位置に対応するよう形成されている。
【0017】図3に示すように、支持部材16には、飛昇体1の各噴射ノズル1aに対応した部分に、キャニスタ側アブレーション材(減耗低減部、他のアブレーション材)17Aが設けられている。このキャニスタ側アブレーション材17Aは、例えば、ガラス繊維もしくは炭素繊維とフェノール系樹脂を用いた耐熱用FRP(Fiber Reinforced Plastics)等の材料から形成されている。ここでは、キャニスタ側アブレーション材17Aは、互いに平行な二本一組で設けられ、その長さ方向両端部が、格子状の支持部材16の側面に固定されている。このキャニスタ側アブレーション材17Aとしては、その断面形状を、楕円形状のもの(図3(b)参照)、長円形状のもの(図3(c)参照)、菱形状のもの(図3(d)参照、あるいは矩形状のもの(図示なし)等とすることができる。
【0018】このようなキャニスタ側アブレーション材17Aが設けられたキャニスタ11を、図1に示した発射装置本体4に装着することにより、飛昇体発射装置10では、噴射ノズル1aから噴射される高速・高温・高圧の超音速噴流Jは、まずキャニスタ側アブレーション材17Aに当たる。すると、超音速噴流Jによって、このキャニスタ側アブレーション材17Aが溶融・昇華して減耗し、これによって超音速噴流Jの熱エネルギーが奪われる。その結果、超音速噴流Jが発射装置本体4底部のアブレーション材8に到達するときには、噴射ノズル1a直後に比較して超音速噴流Jの圧力およびエネルギーが低下して、アブレーション材8への負荷を軽減し、その減耗を低減させるようになっている。
【0019】上述したような構成の飛昇体発射装置10、および飛昇体1のキャニスタ11では、キャニスタ11の底部に備えたキャニスタ側アブレーション材17Aにより、飛昇体1からの超音速噴流Jのエネルギーを消費させることができる。したがって、何らかの要因により飛昇体1への点火後に発射が行われず、飛昇体1がキャニスタ11に拘束されたままの状態で燃焼が行われたとしても、発射装置本体4底部のアブレーション材8の減耗を低減することができる。その結果、アブレーション材8の長寿命化を図ってその交換等の頻度を抑えることができ、メンテナンス負荷を軽減することができる。
【0020】さらには、キャニスタ側アブレーション材17Aをキャニスタ11に備えるようにした。キャニスタ11は発射の度に発射装置本体4から取り外されるため、次の飛昇体1をキャニスタ11に装填するまでの時点でキャニスタ側アブレーション材17Aの点検・メンテナンスを行うことができ、またそれによって発射装置本体4の使用に支障を来すことも無い。また、キャニスタ11を発射装置本体4から取り外した状態であれば、キャニスタ側アブレーション材17Aのメンテナンス等を容易に行える、という利点もある。
【0021】また、キャニスタ側アブレーション材17Aを格子状の支持部材16を介してキャニスタ11に備える構成とした。これにより、各キャニスタ側アブレーション材17Aを各噴射ノズル1aの鉛直下方に位置させることが可能となっている。また、キャニスタ側アブレーション材17Aを交換したりする場合には、支持部材16からキャニスタ側アブレーション材17Aのみを取り外したり、あるいは支持部材16ごとキャニスタ11から取り外して作業を行えばよいので、メンテナンスも容易に行える。
【0022】なお、上記第一の実施の形態においては、以下に示すような他の形態も考えられる。まず、図4に示すものは、キャニスタ側アブレーション材(減耗低減部、他のアブレーション材)17Bを略十字状としたものであり、また図5に示すものは、キャニスタ側アブレーション材(減耗低減部、他のアブレーション材)17Cを、太い一本の棒材で構成したものである。これらキャニスタ側アブレーション材17B,17Cについても、キャニスタ側アブレーション材17Aと同様、その断面形状を、楕円形状のもの(図4,5(b)参照)、長円形状のもの(図4,5(c)参照)、菱形状のもの(図4,5(d)参照、あるいは矩形状のもの(図示なし)等とすることができる。
【0023】[第二の実施の形態]次に、減耗低減部として、例えば噴流拡散体を用いる場合の例を挙げる。なお、以下の説明においては、上記第一の実施の形態に対し、キャニスタ11の底部に備えた減耗低減部の構成が異なるものであり、発射装置本体4の構成等については同様であるのでその説明を省略する。
【0024】図6に示すように、キャニスタ11の底部には、格子状の支持部材16が設けられており、この支持部材16には、噴流拡散体(減耗低減部)20Aが備えられている。噴流拡散体20Aは、例えばタングステン,モリブデン,セラミックス等、超音速噴流Jによって減耗しない、あるいは減耗の著しく少ない材料で形成されている。この噴流拡散体20Aは、例えば断面視円形の棒状で、その長さ方向両端部が支持部材16に固定されている。このとき、噴流拡散体20Aは、その下端部20bが、支持部材16の下端部16bよりも所定寸法上方に位置するよう設けられている。
【0025】このような噴流拡散体20Aをキャニスタ11に備えることにより、噴射ノズル1aから噴射される高速・高温・高圧の超音速噴流Jは、噴流拡散体20Aに当たる。これにより、超音速噴流Jには、噴流拡散体20Aの上流側に離脱衝撃波が生じ、この離脱衝撃波と超音速噴流Jとの合流部分近傍に膨張波が生じ、その結果、超音速噴流Jとその外側の大気圧(プレナム13内の圧力)との噴流境界が、本来の超音速噴流Jよりも拡散する。その結果、超音速噴流Jの流速と単位面積あたりのエネルギー量が低減される。さらに、噴流拡散体20Aの下流側においては後流が生じ、この後流によっても超音速噴流Jの流速は低減される。
【0026】上述したような構成によれば、噴流拡散体20Aによって超音速噴流Jの流速および単位面積あたりのエネルギー量が低減されることにより、上記第一の実施の形態と同様、図1に示したように、飛昇体1がキャニスタ11に拘束されたままの状態で燃焼が行われたとしても、発射装置本体4底部のアブレーション材8の減耗を低減することができる。その結果、アブレーション材8の長寿命化を図ってその交換等の頻度を抑えることができ、メンテナンス負荷を軽減することができる、という効果が得られる。
【0027】なお、上記第二の実施の形態においては、噴流拡散体20Aを断面視略円形としたが、これに限るものではなく、以下に示すような各形態が可能である。例えば、図7に示す噴流拡散体(減耗低減部)20Bは、その頂部20Btが湾曲面とされた略三角形状断面のものである。このような噴流拡散体20Bでも、上記噴流拡散体20Aと同様の効果が得られるが、さらに、噴流拡散体20Bの下端部20Bbが頂部20Btに比較して拡がっており、これにより超音速噴流Jの後流の領域も拡がるため、超音速噴流Jが一層減速され、上記効果が一層顕著になる。
【0028】また、図8に示す噴流拡散体(減耗低減部)20Cは、その中央部に穴21が形成されており、格子状の支持部材16の内側面に取り付けられている。穴21は、その内径が、飛昇体1の噴射ノズル1aと略同径を有した上端部21tから、下端部21bに向けて漸次拡大する略円錐台形状となっている。このような穴21が形成された噴流拡散体20Cでは、噴射ノズル1aからの超音速噴流Jは、穴21が拡径するにしたがって拡散する(図8中点線参照、実線は噴流拡散体20Cが無い状態)。これにより、超音速噴流Jの流速が減速されるとともに、拡散により単位面積当たりのエネルギーが低減し、上記と同様の効果が得られるのである。
【0029】図9に示す噴流拡散体(減耗低減部)20Dは、断面視略台形状(あるいは直角三角形状等でも良い)で、かつその断面形状が、噴射ノズル1aの中心軸線Cに対し、一方の側と他方の側とで互い違いに形成されている。これにより、流速減速体20Dには、中心軸線Cに対し、互い違いの傾斜面22a,22bが形成されることになる。このような噴流拡散体20Dでは、上記と同様、噴射ノズル1aからの超音速噴流Jを拡散させる。さらに、互い違いの傾斜面22a,22bにより、超音速噴流Jに、中心軸線Cを中心とした旋回(スワール)効果を発揮し、これによってもエネルギー低減効果が得られる。これにより、上記と同様の効果を奏することができる。
【0030】図10に示す噴流拡散体(減耗低減部)20Eは、例えば前記噴流拡散体20B(図7参照)と同様の断面形状で、さらにその断面積を縮小したものを複数本(例えば3本)備えたものである。また、図11に示す噴流拡散体(減耗低減部)20Fは、同様のものを、上下2段(上段側に2本、下段側に3本)を配したものである。これら噴流拡散体20E,20Fでも同様の効果を得ることが可能であり、さらにこのように複数本を備えることにより、一本一本の断面を小さくすることが可能である。もちろん、これらの噴流拡散体20E,20Fの断面形状を、他の形状とすることも可能である。
【0031】さらに、図12に示す噴流拡散体(減耗低減部)20Gは、例えば前記噴流拡散体20B(図7参照)と同様の断面形状のものを、その下端部20Gbが、支持部材16の下端部16bと同一レベルに位置するよう設置したものである。このような噴流拡散体20Gでは、超音速噴流Jのガスの流れFが、同一面を形成する下端部20Gbと支持部材16の下端部16bとに沿ってスムーズに拡散する。これに対して、図7に示したように、噴流拡散体20Bの下端部20Bbが支持部材16の下端部16bよりも上方に位置していると、超音速噴流Jは、噴流拡散体20Bによって拡散しつつも、その外側に位置する支持部材16によってその拡散が遮られるような流れF’となる。このように、噴流拡散体20Gによって、超音速噴流Jの拡散作用がより一層高められ、その結果、上記効果が一層顕著なものとなるのである。上記のような構成は、上記に挙げた噴流拡散体20A,20E〜20Fにも同様に適用できるものである。
【0032】また、図13に示す噴流拡散体(減耗低減部)20Hは、上記噴流拡散体20G(図12参照)と同様のものに、その底面に凹部23を形成したものである。このような凹部23を備えた噴流拡散体20Hでは、超音速噴流Jの噴流拡散体20H下流側における「よどみ域Y」が、噴流拡散体20Gに比較して拡がり、これにより後流による超音速噴流Jの減速効果が高められるのである。
【0033】[第三の実施の形態]次に、減耗低減部として、例えば冷却媒体供給機構を備える場合の例を挙げる。なお、以下の説明においては、上記第一、第二の実施の形態に対し、キャニスタ11の底部に備えた減耗低減部の構成が異なるものであり、発射装置本体4の構成等については同様であるのでその説明を省略する。
【0034】図14に示すように、キャニスタ11の底部には、格子状の支持部材16が設けられており、この支持部材16には、例えば噴流拡散体20Gが備えられている。そして、噴流拡散体20Gの下面には、超音速噴流Jに向けて例えば水等の冷却媒体Wを噴射するノズル(冷却媒体供給機構)30が備えられている。このノズル30は、図1に示すように、配管31を通して、水等の冷却媒体を送給するための供給装置32に連結されている。この供給装置32としては、従来より装備されているノズル6に冷却媒体を供給するためのものを用いることができる。
【0035】上述したような構成によれば、噴流拡散体20Gによる超音速噴流Jの拡散効果に加え、超音速噴流Jに向けてノズル30から冷却媒体Wを噴射することにより、超音速噴流Jの熱エネルギーを奪うことができる。その結果、上記と同様、図1に示したように、飛昇体1がキャニスタ11に拘束されたままの状態で燃焼が行われたとしても、発射装置本体4底部のアブレーション材8の減耗を低減することができる。その結果、アブレーション材8の長寿命化を図ってその交換等の頻度を抑えることができ、メンテナンス負荷を軽減することができる、という効果が得られる。
【0036】なお、ノズル30からの冷却媒体の噴射は、図示しない制御部で、点火後に飛昇体1が発射されず、キャニスタ11に拘束されたままの状態であることを検知した時に行うようにしても良い。
【0037】また、上記実施の形態では、ノズル30を噴流拡散体20Gに備える構成としたが、これに限るものではなく、例えば図15(a)に示すように、ノズル30のみを支持部材16の側面に直接設置したり、あるいは、図15(b)に示すように、噴流拡散体20Cの内周面にノズル30を設けることも可能である。もちろんこれ以外にも、上記各形態で挙げた噴流拡散体20A,20B,20D〜20F、20H、あるいはそれ以外の形態のものにノズル30を組み合わせても良い。
【0038】なお、上記各実施の形態において、発射装置本体4の構成については何ら限定するものではなく、例えばキャニスタ11の装備数をはじめ、他の各部を適宜他の構成とすることが可能である。また、キャニスタ11についても、例えばキャニスタ側アブレーション材17A〜17C、噴流拡散体20A〜20H、ノズル30等、あるいはこれらを支持する支持部材16の開口数等は、飛昇体1に備える噴射ノズル1aの数に対応させて設ければよいのであって、上記に挙げた例に限るものではない。もちろん、飛昇体1についてもその形式や性能等を何ら限定するものではない。
【0039】これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない範囲内であれば、いかなる構成を採用しても良く、また上記したような構成を適宜選択的に組み合わせたものとしても良いのは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1から5の飛昇体発射装置によれば、キャニスタの底部に、例えば他のアブレーション材や噴流拡散体、冷却媒体供給機構等の減耗低減部を一体に備えることにより、飛昇体の噴射ノズルから噴射される噴流の熱エネルギーを消費させたり、流速を低減させたりすることができる。これにより、発射装置本体底部のアブレーション材の減耗を低減することができる。その結果、アブレーション材の長寿命化を図ってその交換等の頻度を抑えることができ、メンテナンス負荷を軽減することができる。また、減耗低減部を格子状の支持部材で支持してキャニスタに備えることにより、減耗低減部を噴射ノズルの鉛直下方に保持して位置させることができ、また減耗低減部を交換したりする場合には、支持部材から減耗低減部のみを取り外せばよいので、メンテナンスも容易に行える。
【0041】請求項6に係る飛昇体のキャニスタによれば、キャニスタの底部に、例えば他のアブレーション材や噴流拡散体、冷却媒体供給機構等の減耗低減部を一体に備えることにより、飛昇体の噴射ノズルから噴射される噴流の熱エネルギーを消費させたり、流速を低減させたりして、このキャニスタを搭載する発射装置本体底部のアブレーション材の減耗を低減することができる。また、上記減耗低減部をキャニスタに備えることにより、キャニスタを発射装置本体から取り外した状態で点検・メンテナンス等を行うことができ、これを発射装置本体側に備えるのに比較すれば、作業性に優れている。また、それらの作業中に発射装置本体の使用を妨げることもない。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成11年9月17日(1999.9.17)
【代理人】 【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴 (外3名)
【公開番号】 特開2001−91193(P2001−91193A)
【公開日】 平成13年4月6日(2001.4.6)
【出願番号】 特願平11−264405