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【発明の名称】 水中航走体発射装置
【発明者】 【氏名】荒木 敏光

【要約】 【課題】極短時間に水中航走体を出射し得る水中航走体発射装置を提供する。

【解決手段】発射口19を前端に有し且つ後端寄り部に吸入口20を有する発射筒15と、発射筒15内の水中航走体1の側方に配置された引張ばね16の一端に連結されて水中航走体1の後端と対峙し且つ発射筒15の前端へ向って移動し得る押出し部材17と、押出し部材17を引張ばね16が引き伸ばされた状態で発射筒15に係止し得る係止機構18と、発射口19を被覆する前部ダイヤフラム21と、吸入口20を被覆する吸入ダイヤフラム22と、押出し部材17が発射口19へ向って移動する際に吸入ダイヤフラム22を破断する破断機構31とを備え、発射筒15内に液体32を充填している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に装填された水中航走体が出射される発射口を前端に有し且つ後端寄り部に水の吸入口を有する発射筒と、該発射筒内に水中航走体の側方に位置するように設置され且つ発射筒前端寄りの部分が発射筒に係止された引張ばねと、発射筒に装填された水中航走体の後端に対峙し且つ前記の引張ばねの発射筒後端寄り部分に係止された押出し部材と、該押出し部材を引張ばねが引っ張られた状態で発射筒に係止し得る係止機構と、発射口を被覆するように発射筒の前端部に取り付けた前部ダイヤフラムと、吸入口を被覆するように発射筒の後端寄り側部に取り付けた吸入ダイヤフラムと、押出し部材が発射口へ向って移動する際に吸入ダイヤフラムを破断させ得る破断機構とを備え、発射筒内に液体を充填したことを特徴とする水中航走体発射装置。
【請求項2】 発射筒の吸入口近傍に配置され且つ吸入ダイヤフラムを破断し得るダイヤフラム破断手段と、押出し部材に取り付けられ且つ押出し部材が発射口へ向って移動する際にダイヤフラム破断手段を作動させる作動部材とによって破断機構を構成した請求項1に記載の水中航走体発射装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中航走体発射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5は従来の水中航走体発射装置の一例であり、この水中航走体発射装置は、水中航走体1が装填される発射筒2と、該発射筒2の軸線方向中間部分に連通する集合タンク3と、該集合タンク3を介して発射筒2内に水圧を付与する給水手段4とを備えている。
【0003】発射筒2の中間部分には、集合タンク3に連通する開口5が設けられており、該開口5は、発射筒2の軸線方向に摺動する滑弁6により開閉されるようになっている。
【0004】給水手段4は、集合タンク3に連通する開口7が設けられた水シリンダ8と、水中航走体発射装置が装備される艦艇などの外部から水シリンダ8内へ海水を取り入れるための給水弁9と、集合タンク3への連通位置に対応するように水シリンダ8の内部に枢支されたインペラ10と、該インペラ10を減速機11を介して駆動する空気タービン12と、圧縮空気が充填され且つ発射弁13を介して空気タービン12へ空気流を供給する発射気蓄器14とによって構成されている。
【0005】発射筒2から水中航走体1を出射する際には、水シリンダ8の給水弁9を開弁し、また、発射筒2に設けた滑弁6を開弁して、集合タンク3及び発射筒2の内部を水で満たした後、発射筒2の先端に設けられている扉2aを開く。
【0006】次いで、発射弁13を開弁し、予め発射気蓄器14の内部に気蓄されている圧縮空気を空気タービン12のケーシング内に流入させ、圧縮空気の膨張エネルギーにより空気タービン12を駆動し、減速機11を介してインペラ10を回転させる。
【0007】インペラ10が回転駆動すると、水シリンダ8の給水弁9から水が吸い込まれ、インペラ10によって増圧された水が集合タンク3を通して発射筒2内へ圧送され、この水圧により水中航走体1が発射筒2の先端から出射される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に示す水中航走体発射装置では、水中航走体1の出射にあたって、発射気蓄器14に対する圧縮空気の充填や、空気タービン12による発射筒2への水圧の付与などの準備作業を行なう必要があり、極短時間のうちに発射筒2から水中航走体1を出射させることができない。
【0009】本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、極短時間のうちに発射筒から水中航走体を出射させることが可能な水中航走体発射装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の水中航走体発射装置では、内部に装填された水中航走体が出射される発射口を前端に有し且つ後端寄り部に水の吸入口を有する発射筒と、該発射筒内に水中航走体の側方に位置するように設置され且つ発射筒前端寄り部分が発射筒に係止された引張ばねと、発射筒に装填された水中航走体の後端に対峙し且つ前記の引張ばねの発射筒後端寄り部分に係止された押出し部材と、該押出し部材を引張ばねが引っ張られた状態で発射筒に係止し得る係止機構と、発射口を被覆するように発射筒の前端部に取り付けた前部ダイヤフラムと、吸入口を被覆するように発射筒の後端寄り側部に取り付けた吸入ダイヤフラムと、押出し部材が発射口へ向って移動する際に吸入ダイヤフラムを破させ得る破断機構とを備え、発射筒内に液体を充填している。
【0011】また、本発明の請求項2に記載の水中航走体発射装置では、本発明の請求項1に記載の水中航走体発射装置の構成に加えて、発射筒の吸入口近傍に配置され且つ吸入ダイヤフラムを破断し得るダイヤフラム破断手段と、押出し部材に取り付けられ且つ押出し部材が発射口へ向って移動する際にダイヤフラム破断手段を作動させる作動部材とによって破断機構を構成している。
【0012】本発明の請求項1あるいは請求項2に記載の水中航走体発射装置のいずれにおいても、係止機構によって押出し部材の係止を解除すると、引張ばねの復元力で付勢される押出し部材が水中航走体を発射口へ向って押出し、発射筒の外部へ水中航走体を出射する。
【0013】このとき、破断機構が吸入ダイヤフラムを破断し且つ水中航走体の前端が前部ダイヤフラムを破断する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図示例と共に説明する。
【0015】図1から図4は本発明の水中航走体発射装置の実施の形態の一例を示すものであり、この水中航走体発射装置は、水中航走体1が装填される発射筒15と、該発射筒15内に水中航走体1の側方に位置するように設置された引張ばね16と、発射筒15に装填された水中航走体1の後端に対峙し且つ前記の引張ばね16の発射筒15後端寄り部分に係止された押出し部材17と、該押出し部材17を発射筒15に係止し得る係止機構18と、破断機構31とを備えている。
【0016】発射筒15は、内部に装填された水中航走体1が出射される発射口19を前端に有し且つ後端寄り部に吸入口20を有している。
【0017】発射筒15の前端部には、前記の発射口19を被覆するように前部ダイヤフラム21が取り付けられ、発射筒15の後端部寄りの側部には、前記の吸入口20を被覆するように吸入ダイヤフラム22が取り付けられている。
【0018】また、発射筒15の内面の周方向に等間隔を置いた3箇所には、水中航走体1を移動自在に支持し得るように発射筒15の長手方向へ延びるガイドバー23が設けられている。
【0019】引張ばね16は、各ガイドバー23間のそれぞれに位置するように、発射筒15に内装されており、各引張ばね16の発射筒15前端寄り端部は、発射筒15に係止されている。
【0020】押出し部材17は、発射筒15に装填された水中航走体1の尾部に対峙し且つガイドバー23に対して摺動し得るように発射筒15に嵌挿されている。
【0021】この押出し部材17に設けたブラケット24には、前記の引張ばね16の発射筒15後端寄り端部が係止され、引張ばね16の復元力によって押出し部材17が水中航走体1を発射筒15から押出し得るようになっている。
【0022】係止機構18は、発射筒15の後端寄りの外側に、発射筒15の筒壁を径方向に貫通し且つ突出したときに押出し部材17を係止し得るように形成されたロッド27と、該ロッド27を発射筒15の径方向に移動可能に支持し且つ作動させ得るアクチュエータ28とによって構成されている。
【0023】この係止機構18は、アクチュエータ28を作動させてロッド27を発射筒15の内部へ突出させることにより、押出し部材17を引張ばね16が引き伸ばされた状態で発射筒15に係止しており、ロッド27を押出し部材17から離隔させることにより、押出し部材17の係止を解除し且つ引き伸ばされた状態の引張ばね16を開放することができるようになっている。
【0024】破断機構31は、発射筒15の吸入口20近傍の発射筒15の内面に基部を回動自在に枢支され且つ鋭角に成形された先端部によって吸入ダイヤフラム22を発射筒15の内部から突き上げて破断させ得るように設けられた破断用レバー29と、押出し部材17の外周面に破断用レバー29の発射筒15後端側に位置するように固設され且つ押出し部材17が発射口19へ向って移動する際に破断用レバー29に当接して該破断用レバー29の先端を吸入ダイヤフラム22を破断する方向へ回動させ得るストライカ30とによって構成されている。
【0025】更に、発射筒15には、防錆用の液体32が充填されており、先に述べた前部ダイヤフラム21及びダイヤフラム22により、発射筒15内外が均圧な状態に保たれるようになっている。
【0026】なお、発射筒15に水中航走体1を装填してから短期間のうちに水中航走体1を発射する場合には、水などを液体32として用いるようにしてもよい。
【0027】発射筒15から水中航走体1を発射する際には、係止機構18のアクチュエータ28をロッド27が後退する方向に作動させて、発射筒15に対する押出し部材17の係止を解除する。
【0028】押出し部材17の係止が解除されると、引張ばね16の復元力により押出し部材17が水中航走体1を発射口19へ向って押出し、発射口19から発射筒15の外部へ水中航走体1を出射する。
【0029】このとき、押出し部材17に設けた破断機構31のストライカ30が破断用レバー29に当接して該破断用レバー29の先端を回動させ、吸入ダイヤフラム22を破断する。
【0030】吸入ダイヤフラム22が破断されると、吸入口20の外部から発射筒15の内部へ外部の水が流入し、水中航走体1及び押出し部材17の移動に伴う負圧が、発射筒15の内部後端に生じないように機能する。
【0031】また、水中航走体1の前端が前部ダイヤフラム21を破断して発射筒15の外部へ突出する。
【0032】このように、図1から図4に示す水中航走体発射装置においては、係止機構18によって押出し部材17の係止を解除すると、引張ばね16の復元力で押出し部材17が水中航走体1を発射口19へ向って押出すので、極短時間のうちに発射筒15から水中航走体1を出射させることができる。
【0033】また、引張ばね16を水中航走体1の側方に位置するように発射筒15に内装しているので、発射筒15の長さが過大にならず、水中航走体1の形状に応じた適切な寸法に設定することができる。
【0034】なお、本発明の水中航走体発射装置は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の水中航走体発射装置によれば、下記のような種々の優れた効果を奏し得る。
【0036】(1)係止機構によって押出し部材の係止を解除すると、引張ばねの復元力で押出し部材が水中航走体を発射口へ向って押出すので、極短時間のうちに発射筒から水中航走体を出射させることができる。
【0037】(2)引張ばねを水中航走体の側方に位置するように発射筒に内装しているので、発射筒の長さが過大にならず、水中航走体の形状に応じた適切な寸法に設定することができる。
【0038】(3)構造が簡単なので、軽量化を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成11年6月24日(1999.6.24)
【代理人】 【識別番号】100062236
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
【公開番号】 特開2001−4298(P2001−4298A)
【公開日】 平成13年1月12日(2001.1.12)
【出願番号】 特願平11−178354