トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F28 熱交換一般




【発明の名称】 熱交換器管群の洗浄装置
【発明者】 【氏名】杉本 与志雄

【要約】 【課題】熱交換器の管群を効率良く且つ万遍なく洗浄することが可能な熱交換器管群の洗浄装置を提供する。

【解決手段】熱交換器管群の洗浄装置20は、ビーム21と、該ビーム21の上面にビーム長手方向に延設されたラック22と、該ビーム21上を走行可能とされ該ラック22に噛合するピニオンを備えた走行台車23と、該台車23に設置されたピニオン駆動用のエアモータ24と、該台車23に取付部材25によって取り付けられたランス30,31,32,33を備えている。各ランス30〜33から台車23の走行方向の左右両側且つ斜め上方と斜め下方とに水が噴出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱交換器の管群に沿って配置されるビームと、該ビームに沿って移動可能な台車と、該台車に支持されており、管群同士の間に差し込まれる洗浄水噴出用のランスと、を備えてなる熱交換器管群の洗浄装置であって、該ランスは管群の長手方向と略直交方向に、且つ該ランスを挟んで両側方向にそれぞれ水を噴出するように噴出口が両側に設けられていることを特徴とする熱交換器管群の洗浄装置。
【請求項2】 請求項1において、ランスの一方の側にあっては水を斜め上方向に噴出し、他方の側にあっては水を斜め下方向に噴出するように噴出口を指向させたことを特徴とする熱交換器管群の洗浄装置。
【請求項3】 請求項1又は2において、長さの異なる複数のランスを備えたことを特徴とする熱交換器管群の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は廃熱ボイラなどの熱交換器の管群の外面を水で洗浄するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱交換器の管群の管外面を浄化する方法として、稼働中に所定時間毎にスートブローを行う他、ボイラの休止時に行う外部掃除がある。この外部掃除としては、通常、機械的清浄法が行われている。具体的には、掃除工具が十分に使用できないような水管群には蒸気で湿りを与えておいて圧縮空気で除去する方法や、スチームクリーナで除去するなどのスチームソーキングが行われる。また、水洗可能な構造の場合には噴霧水による水洗、ウォータソーキング法が行われる。このほか特殊の方法としては砂粒を吹きつけるサンドブラスト法や、小さな鋼球を降らせるスチールショット・クリーニング法などがある。
【0003】これらの方法のうち、噴出水を管群に当てる方法は、空気やスチームによる方法に比べて付着物の剥離力が強く、またサンドブラスト法、スチールショット・クリーニング法に比べて簡便であるという利点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、高圧噴出水を管群に当てるには、ジャッキ等によって管群に隙間をあけ、この隙間に作業員がノズルを差し込んで水を噴出させるようにしているが、作業員の手作業であるため、作業効率が低く、また洗浄ムラが生じ易いという短所もある。
【0005】本発明は、熱交換器の管群を効率良く且つ万遍なく洗浄することが可能な熱交換器管群の洗浄装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の熱交換器管群の洗浄装置は、熱交換器の管群に沿って配置されるビームと、該ビームに沿って移動可能な台車と、該台車に支持されており、管群同士の間に差し込まれる洗浄水噴出用のランスと、を備えてなる熱交換器管群の洗浄装置であって、該ランスは管群の長手方向と略直交方向に、且つ該ランスを挟んで両側方向にそれぞれ水を噴出するように噴出口が両側に設けられていることを特徴とするものである。
【0007】かかる洗浄装置によると、管群同士の間にジャッキ等によって隙間をあけておき、この隙間にランスを差し込み、このランスをビームに沿って走行する台車によって移動させることにより管群を洗浄する。このランスからは、移動方向(管群の長手方向)と略直交する方向に、且つランスを挟んで両方向に水が噴出するので、ランスの1回の移動によって広い範囲にわたって管群が洗浄される。
【0008】本発明では、ランスの一方の側にあっては水を斜め上方向に噴出し、他方の側にあっては水を斜め下方向に噴出するように噴出口を指向させることにより、ランスの両側の水の噴出反力が打ち消しあうようになり、ランスが噴出水の反力によって上昇したり横方向に移動することが防止される。
【0009】本発明の熱交換器管群の洗浄装置は、長さの異なる複数のランスを備えることにより、きわめて広い範囲にわたって管群を噴出水によって洗浄することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図1〜3を参照して実施の形態について説明する。図1は実施の形態を示す斜視図、図2は図1のII−II線に沿う断面図、図3はランスからの水の噴出方向の説明図である。
【0011】廃熱ボイラ等の熱交換器内に複数の管群1,2,3,4,5,6…が配置されている。この実施の形態では、各管群は水平方向に延在する多数の水管10を結束具11によって結束し、結束具11の上下を支持プレート12,13に連結し、該支持プレート12,13を熱交換器の管群支持部材に支持させるようにしたものである。なお、各水管10には多数のフィンが設けられている。
【0012】管群1,2,3,4,5,6…の洗浄を行うための熱交換器管群の洗浄装置20は、ビーム21と、該ビーム21の上面にビーム長手方向に延設されたラック22と、該ビーム21上を走行可能とされ該ラック22に噛合するピニオン(図示略)を備えた走行台車23と、該台車23に設置されたピニオン駆動用のエアモータ24と、該台車23に取付部材25によって取り付けられたランス30,31,32,33と、走行台車23から立設されたランスガード35等を備えている。このランスガード35にはランス30〜33の高さの目安とするための目盛が設けられている。
【0013】ランス30,31は長尺のものであり、以下長ランスということがある。ランス32,33は短尺のものであり、以下短ランスということがある。この短ランス32,33の下端は長ランス30,31の下端とビーム21の下面との中間付近に位置している。
【0014】各ランス30〜33は、図3(a),(b)にも示される通り、ビーム21の長手方向と直交方向のうち図3の左方向に向って水を噴出する噴出口群30a,31a,32a,33aと、右側に向って水を噴出する噴出口群30b,31b,32b,33bとを有する。図2では、各噴出口群30a〜33a,30b〜33bは5個の噴出口により構成されているように図示されているが、この数は任意である。なお、通常は、隣接する噴出口同士の間隔は5〜20mm程度とされる。
【0015】長ランス30と短ランス32とは並列されており、図3(a)の通り下から順に噴出口群30a,30b,32a,32bが配置されている。噴出口群30a,32aは斜め上方に向って水を噴出するように、各噴出口が斜めに穿孔されている。噴出口群30b,32bは斜め下方に向って水を噴出する。
【0016】同様に、長ランス31と短ランス33とが並列に配置されており、下方から噴出口群31b,31a,33b,33aの順に配列されている。噴出口群31a,33aは斜め下方に向って水を噴出し、噴出口群31b,33bは斜め上方に向って水を噴出する。
【0017】この洗浄装置20を管群上に設置する場合、ジャッキ等によって管群同士の間(図2では管群3,4の間)に隙間を押しあけ、この隙間をまたぐようにして枕木40を設置する。この枕木40に設けられたランス芯出部材41を隙間に差し込み、該ランス芯出部材41を基準にしてランス30〜33が隙間の中央にくるようにビーム21を位置決めし、取付部材42によって該ビーム21を枕木40に固定する。
【0018】各ランス30〜33の上端に高圧水ホース(図示略)を接続すると共に、エアモータ24に高圧エアチューブ(図示略)を接続し、ランス30〜33から水を噴出させながら台車23をビーム21に沿って移動させ、管群3,4を洗浄する。
【0019】同様の手順を繰り返すことにより、すべての管群同士の間にランスを移動させて各管群の洗浄を行う。
【0020】この洗浄装置20によると、各管群がすべて万遍なく洗浄される。しかも、各ランス30〜33からは左右両方向に且つ左右で上下が逆となるように水が噴出するので、水の噴出反力によってランス30〜33が上下したり横にずれたりすることが全くない。
【0021】上記実施の形態では、長短のランスの組み合わせとしているが、長、中、短など3段階以上の長さの組み合わせとしても良い。また、1台の台車に図示よりも少数又は多数のランスを設置しても良い。
【0022】上記実施の形態では、管群が水平に配列されているが、斜め又は上下方向に配列されていても良い。
【0023】
【発明の効果】以上の通り、本発明によると熱交換器の管群を効率良く且つ万遍なく洗浄することができ、この洗浄によって熱交換効率を十分に回復させることができる。
【出願人】 【識別番号】390027188
【氏名又は名称】栗田エンジニアリング株式会社
【出願日】 平成11年6月25日(1999.6.25)
【代理人】 【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
【公開番号】 特開2001−12894(P2001−12894A)
【公開日】 平成13年1月19日(2001.1.19)
【出願番号】 特願平11−180281