| 【発明の名称】 |
車両用ラジエータ |
| 【発明者】 |
【氏名】杉本 竜雄
【氏名】武藤 聡美
【氏名】阪根 高明
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| 【要約】 |
【課題】チューブとフィンとの寸法関係を最適化する。
【解決手段】チューブ110の短径寸法(厚み)をBとし、フィン高さをHFとしたときに、チューブ110の短径寸法Bとフィン高さHFが、2・B+1.5mm≦HF≦3.5・B+2.5mmの関係を満たすようにする。これにより、、熱交換コアを細密として放熱能力を増大させつつ、フィン120に発生する応力を緩和してラジエータ100の耐久性を向上させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 車両用内燃機関の冷却水が流通する複数本の扁平状のチューブ(110)、及び前記複数本のチューブ(110)間に配設されて冷却液と空気との熱交換を促進する波状に成形されたコルゲートフィン(120)を備える車両用ラジエータにおいて、前記チューブ(110)の短径寸法(B)は、0.75mm以上、かつ、1.25mm以下であり、さらに、前記コルゲートフィン(120)のフィン高さ(HF)は、前記チューブ(110)の短径寸法(B)の2倍に1.5mmを加えた寸法以上、かつ、前記チューブ(110)の短径寸法(B)の3.5倍に2.5mmを加えた寸法以下であることを特徴とする車両用ラジエータ。 【請求項2】 前記チューブ(110)の肉厚(tt)は、0.05mm以上、かつ、0.2mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の車両用ラジエータ。 【請求項3】 前記チューブ(110)の質量(WT)に対する前記コルゲートフィン(120)の質量(WF)の比(WF/WT)は、0.5以上、かつ、1.5以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用ラジエータ。 【請求項4】 前記チューブ(110)内には、短径方向に延びて対向する内壁を繋ぐ支柱部(112)が設けられており、前記支柱部(112)は、2本以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用ラジエータ。 【請求項5】 車両用ラジエータ(100)と、車両用冷凍サイクル用の放熱器(200)とが一体ろう付けされている複式熱交換器において、前記車両用ラジエータ(100)として請求項4に記載の車両用ラジエータを用いたことを特徴とする複式熱交換器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は車両用ラジエータに関するもので、車両用内燃機関の冷却水を冷却するラジエータに適用して有効である。 【0002】 【従来の技術】冷却水と室内に吹き出す空気とを熱交換する車両用熱交換器として、例えば特開平5−196383号公報に記載の発明では、コルゲートフィンの高さを3mm〜6mmとして放熱能力(熱交換能力)を向上させている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、熱交換器は、周知のごとく、チューブとフィンとによって構成されるものであるので、フィン高さの最適化のみでは、熱交換能力の向上を図る上で限界がある。 【0004】本発明は、上記点に鑑み、チューブとフィンとの寸法関係を最適化することにより熱交換能力の向上を図ることを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、車両用内燃機関の冷却水が流通する複数本の扁平状のチューブ(110)、及び複数本のチューブ(110)間に配設されて冷却液と空気との熱交換を促進する波状に成形されたコルゲートフィン(120)を備える車両用ラジエータにおいて、チューブ(110)の短径寸法(B)は、0.75mm以上、かつ、1.25mm以下であり、さらに、コルゲートフィン(120)のフィン高さ(HF)は、チューブ(110)の短径寸法(B)の2倍に1.5mmを加えた寸法以上、かつ、チューブ(110)の短径寸法(B)の3.5倍に2.5mmを加えた寸法以下であることを特徴とする。 【0006】これにより、放熱能力を増大させつつ、コルゲートフィン(120)に発生する応力を緩和して車両用ラジエータの耐久性を向上させることができる。 【0007】請求項2に記載の発明では、チューブ(110)の肉厚(tt)は、0.05mm以上、かつ、0.2mm以下であることを特徴とする。 【0008】これにより、通水抵抗の抑制しつつ、放熱能力を増大させることができる。 【0009】なお、チューブ(110)の質量(WT)に対するコルゲートフィン(120)の質量(WF)の比(WF/WT)は、請求項3に記載の発明のごとく、0.5以上、かつ、1.5以下とすることが望ましい。 【0010】請求項4に記載の発明では、チューブ(110)内には、短径方向に延びて対向する内壁を繋ぐ支柱部(112)が設けられており、支柱部(112)は、2本以下であることを特徴とする。 【0011】これにより、チューブ(110)の(耐圧)剛性を向上させることができる。 【0012】請求項5に記載の発明では、車両用ラジエータ(100)と、車両用冷凍サイクル用の放熱器(200)とが一体ろう付けされている複式熱交換器において、車両用ラジエータ(100)として請求項4に記載の車両用ラジエータを用いたことを特徴とする。 【0013】これにより、車両用ラジエータ(100)及び放熱器(200)とをろう付けする際に、後述するように圧縮力を加えて両者100、200を仮固定しても、ラジエータ100のチューブ110が変形してしまうことを防止できる。 【0014】因みに、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。 【0015】 【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1(a)は本発明の第1実施形態に係るラジエータ100の正面図であり、110は冷却水が流通する複数本の扁平状のチューブであり、120は複数本のチューブ110間に配設されて冷却水と空気との熱交換を促進する波状(本実施形態では、矩形波状)にローラ成形されたコルゲートフィン(以下、フィンと略す。)である。そして、チューブ110とフィン120とにより冷却水と空気とを熱交換する熱交換コアが形成されている。 【0016】130はチューブ110の長手方向両端側に配設されて各チューブ110に連通するヘッダタンクであり、紙面右側のヘッダタンク130は各チューブ110に冷却水を分配供給するもので、紙面左側は熱交換を終えて冷却水を集合回収するものである。なお、チューブ110、フィン120及びヘッダタンク130はアルミニウム製であり、これらはろう付けにて一体接合されている。 【0017】次に、本実施形態の特徴であるチューブ110及びフィン120諸元について述べる。 【0018】チューブ110の短径寸法Bを、0.75mm以上、かつ、1.25mm以下とし((0.75mm≦B≦1.25mm)、さらに、フィン120のフィン高さHFを、チューブ110の短径寸法Bの2倍に1.5mmを加えた寸法以上、かつ、チューブ110の短径寸法Bの3.5倍に2.5mmを加えた寸法以下(2・B+1.5mm≦HF≦3.5・B+2.5mm)としたものである。 【0019】ここで、チューブ110の短径寸法Bとは、図1(b)に示すように、チューブ110の厚みとに等しい寸法であり、フィン高さHFとは、チューブ110間の距離に等しい寸法である。 【0020】さらに、チューブ110の肉厚ttを0.05mm以上、かつ、0.2mm以下とし(0.05mm≦tt≦0.2mm)、さらに、チューブ110の質量WTに対するフィン120の質量WFの比(WF/WT)を0.5以上、かつ、1.5以下(0.5≦WF/WT≦1.5)としたものである。 【0021】次に、本実施形態の特徴を述べる。 【0022】図2の曲線はチューブ110の肉厚ttを0.15mmとした場合において、チューブ110の短径寸法Bをパラメータとして、ラジエータ100の放熱能力Qvとフィン高さHFとの関係を数値シミレーションした結果であり、図2の直線は放熱能力Qvのピーク値(極大値)の2%以内の範囲(以下、この範囲をピーク領域と呼ぶ。)を示すものである。なお、数値シミレーションは、特開平5−196383号公報に記載の計算方法と同じである。また、チューブ110の肉厚ttは放熱能力Qvの計算結果に対して殆ど影響を及ぼさない。 【0023】また、図3は図2に示す数値シミレーション結果を基に、放熱能力Qvのピーク領域にある短径寸法Bとフィン高さHFとの関係を示したものであり、本実施形態に係るラジエータ100の短径寸法Bとフィン高さHFと関係は、図3の斜線部分に該当する。 【0024】そして、熱交換コアを細密として放熱面積を増加させるほど、熱交換能力が増大するとともに、図2から明らかなように短径寸法Bによって放熱能力Qvのピーク値が異なっており、フィン高さHFが大きくなるほど、ピーク領域が拡大することが判る。 【0025】なお、短径寸法Bの下限値はチューブ110内に異物が詰まることを考慮した値であり、短径寸法B上限値はチューブ110及び冷却水による荷重、並びチューブ110及びフィン120の熱変形によって、フィン120に発生する応力を所定位置(本実施形態では、50MPa)以下とする値である。 【0026】したがって、本実施形態では、熱交換コアを細密として放熱能力を増大させつつ、フィン120に発生する応力を緩和してラジエータ100の耐久性を向上させることができる。 【0027】また、図4〜6は、チューブ110の肉厚tt、チューブ110内を流通する温水の通水抵抗、短径寸法B及びフィン高さHFとの関係を示すもので、図4、5から明らかなように、チューブ110の肉厚ttを0.05mm以上、かつ、0.2mm以下とすることが望ましいことが判る。 【0028】なお、図7の斜線部分は、通水抵抗が所定値(本実施形態では、50KPaat 100L/min)となるような、チューブ110の肉厚tt、チューブ110内を流通する温水の通水抵抗、短径寸法B及びフィン高さHFとの関係を示すものである。 【0029】ところで、チューブ110の質量WTとフィン120の質量WFとが大きく相違していると、フィン高さHFと短径寸法Bの組み合わせによっては、ラジエータ100の質量増加割合が大きく相違してしまう。 【0030】ここで、チューブ110の質量WTに対するフィン120の質量WFの比(WF/WT)は、1が望ましいが、実用上、0.5以上、かつ、1.5以下(0.5≦WF/WT≦1.5)が有効である。 【0031】したがって、0.5≦WF/WT≦1.5となるように、フィン高さHF、短径寸法B、チューブ110の肉厚tt、フィン120の肉厚tf、及びフィン120のフィンピッチfpを選定することが望ましい。 【0032】なお、本実施形態では、チューブ110とフィン120とは、アルミニウム製であるので、チューブ110の質量WT及びフィン120の質量WFを下記の数式にて算出し、WF/WTを検討した。 【0033】 【数1】WT={(A−B)×2+π×(B−tt)}×L×tt≒2×A×L×tt【0034】 【数2】 WF≒(2×HF+fp)×L/fp×A×tf【0035】 【数3】 WF/WT≒tf/tt×(HF/fp+1/2) (第2実施形態)本実施形態は、図8に示すように、チューブ110内に短径方向に延びて対向する内壁111を繋ぐ支柱部112を2本設けたものである。 【0036】これにより、チューブ110の肉厚ttを0.2mm以下としたことによる、チューブ110の(耐圧)剛性の低下を防止できる。なお、支柱部112を2本以下とすれば、チューブ110の通水抵抗を大きく損なうことなく、チューブ110の剛性を向上させることができる。 【0037】(第3実施形態)本実施形態は、図9に示すように、第2実施形態に係るラジエータ100と冷凍サイクルのコンデンサ200とが一体化したものである。なお、ラジエータ100とコンデンサ200とが一体ろう付けされたものを、本明細書では、複式熱交換器と呼ぶ。 【0038】ここで、210は冷媒が流通するチューブであり、220はコンデンサ200の冷却フィンである。そして、本実施形態では、ラジエータ100のフィン120とコンデンサ200のフィン220とは一体化されており、両フィン120、220との連結部分には、ラジエータ100からコンデンサ200への熱伝導を阻止する熱遮断用スリットSが形成されている。 【0039】次に、本実施形態の特徴を述べる。 【0040】一般的に、コンデンサ200のチューブ210は、耐圧強度を高めるべく、図9に示すように、多数本の支柱部211を有して多穴構造となっている。これに対して、第1、2実施形態に係るラジエータ100のチューブ110は、支柱部112が形成されていないので、コンデンサ200のチューブ210に比べて剛性が低い。 【0041】このため、コンデンサ200及びラジエータ100を同時にろう付け接合すべく、図10に示すように、ワイヤーW等の固定治具にて両者100、200を仮固定すると、ワイヤーWの短径方向の圧縮力により剛性の低いラジエータ100のチューブ110が変形してしまう。 【0042】これに対して、本実施形態では、チューブ110内に短径方向に延びて対向する内壁111を繋ぐ支柱部112が形成されているので、ワイヤーWの短径方向の圧縮力によりラジエータ100のチューブ110が変形してしまうことを防止できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー
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| 【出願日】 |
平成11年12月21日(1999.12.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100100022 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 洋二 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−174177(P2001−174177A) |
| 【公開日】 |
平成13年6月29日(2001.6.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−363028 |
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