| 【発明の名称】 |
熱交換器 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 宗一
【氏名】森 裕一
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| 【要約】 |
【課題】クロム酸クロメート処理を行うことなく、孔食等の腐食を防止し、耐食性を向上した熱交換器を提供することを目的とする。
【解決手段】媒体流路を設けたチューブと、前記チューブ間に装着されて媒体と外気の熱交換を行うフィンと、前記チューブに媒体を分配するタンクを備えた熱交換器において、前記チューブは、アルミニウム又はアルミニウム合金製の芯材と、前記チューブの外面を構成する面に被覆した前記芯材よりも電位が卑である合金層と、前記チューブの媒体流路を構成する面に被覆したろう材層を備えた三層構造の素材100を用いて形成し、6価クロムを含まない組成物を用いて少なくとも前記チューブの表面に保護皮膜(化成皮膜300及び親水性皮膜301)を形成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱交換媒体が流通する媒体流路を設けたチューブと、前記チューブ間に装着して媒体と外気の熱交換を行うフィンと、前記チューブに媒体を分配するタンクを備えた熱交換器において、前記チューブは、アルミニウム又はアルミニウム合金製の芯材と、前記チューブの外面を構成する面に被覆した芯材よりも電位が卑である合金層と、前記チューブの媒体流路を構成する面に被覆したろう材層を備えた三層構造の素材を用いて形成し、6価クロムを含まない組成物を用いて少なくとも前記チューブの表面に保護皮膜を形成したことを特徴とする熱交換器。 【請求項2】 熱交換媒体が流通する媒体流路を設けたチューブと、前記チューブ間に装着して媒体と外気の熱交換を行うフィンと、前記チューブに媒体を分配するタンクを備えた熱交換器において、前記チューブは、アルミニウム又はアルミニウム合金製の芯材と、前記チューブの外面を構成する面に被覆した芯材よりも電位が卑である合金層と、前記チューブの媒体流路を構成する面に被覆したろう材層を備えた三層構造の素材を用いて形成し、クロムを含まない組成物を用いて少なくとも前記チューブの表面に保護皮膜を形成したことを特徴とする熱交換器。 【請求項3】 熱交換媒体が流通する媒体流路を設けたチューブと、前記チューブ間に装着して媒体と外気の熱交換を行うフィンと、前記チューブに媒体を分配するタンクを備えた熱交換器において、前記熱交換器は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる素材を用いて、形成し、前記熱交換器の少なくともチューブの表面に、前記素材よりも電位が卑である合金層を被覆し、6価クロムを含まない組成物を用いて保護皮膜を形成したことを特徴とする熱交換器。 【請求項4】 熱交換媒体が流通する媒体流路を設けたチューブと、前記チューブ間に装着して媒体と外気の熱交換を行うフィンと、前記チューブに媒体を分配するタンクを備えた熱交換器において、前記熱交換器は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる素材を用いて形成し、前記熱交換器のチューブの表面に、前記素材よりも電位が卑である合金層を被覆し、クロムを含まない組成物を用いて保護皮膜を形成したことを特徴とする熱交換器。 【請求項5】 熱交換媒体が流通する媒体流路を設けたチューブと、前記チューブ間に装着して媒体と外気の熱交換を行うフィンと、前記チューブに媒体を分配するタンクを備えた熱交換器において、前記チューブは、アルミニウム又はアルミニウム合金製の芯材と、前記芯材の少なくとも一方の面に被覆した前記芯材よりも電位が卑である合金からなる中間層と、前記芯材及び中間層よりも融点の低いろう材層を備えた多層構造の素材を用いて形成し、6価クロムを含まない組成物を用いて少なくとも前記チューブの表面に保護皮膜を形成したことを特徴とする熱交換器。 【請求項6】 熱交換媒体が流通する媒体流路を設けたチューブと、前記チューブ間に装着して媒体と外気の熱交換を行うフィンと、前記チューブに媒体を分配するタンクを備えた熱交換器において、前記チューブは、アルミニウム又はアルミニウム合金製の芯材と、前記芯材の少なくとも一方の面に被覆した前記芯材よりも電位が卑である合金からなる中間層と、前記芯材及び中間層よりも融点の低いろう材層を備えた多層構造の素材を用いて形成し、クロムを含まない組成物を用いて少なくとも前記チューブの表面に保護皮膜を形成したことを特徴とする熱交換器。 【請求項7】 芯材よりも電位が卑である前記合金層は、亜鉛を含み、かつ芯材よりも融点の低いろう材層であることを特徴とする前記請求項1又は2いずれか記載の熱交換器。 【請求項8】 芯材よりも電位が卑である前記合金層は、亜鉛を含むことを特徴とする前記請求項1乃至4いずれか記載の熱交換器。 【請求項9】 前記中間層は、純アルミニウム系の素材を用い、又はアルミニウム合金中に含まれる元素量を調整することにより芯材よりも電位を卑としたことを特徴とする前記請求項5又は6いずれか記載の熱交換器。 【請求項10】 前記保護皮膜は、熱交換器の表面に形成した化成皮膜であることを特徴とする前記請求項1乃至9いずれか記載の熱交換器。 【請求項11】 前記保護皮膜は、熱交換器の表面に化成皮膜を形成し、前記化成皮膜上に親水性皮膜を形成した皮膜であることを特徴とする前記請求項1乃至9いずれか記載の熱交換器。 【請求項12】 前記保護皮膜は、複数の皮膜層からなることを特徴とする前記請求項1乃至11いずれか記載の熱交換器。 【請求項13】 前記保護皮膜は、抗菌剤及び/又は防かび剤を含有したことを特徴とする前記請求項1乃至12いずれか記載の熱交換器。 【請求項14】 前記保護皮膜は、チタン,ジルコニウム,ハフニウム,リチウムのいずれか一種以上の金属を含有したことを特徴とする前記請求項1乃至13いずれか記載の熱交換器。 【請求項15】 前記親水性皮膜は、ナイロン系、アクリル系、ビニル系、ウレタン系の樹脂の少なくともいずれか一つを用いてなることを特徴とする前記請求項11乃至14いずれか記載の熱交換器。
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【発明の詳細な説明】【発明の属する技術分野】 【0001】本発明は、車両等に搭載される熱交換サイクルに用いる熱交換器をに関し、特にチューブの耐食性を向上した熱交換器に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来において、車両等に搭載される熱交換サイクルに用いられる熱交換器は、複数の扁平状のチューブを積層し、前記チューブ同士が隣接するチューブと連通可能に接続され、複数の前記チューブに熱交換媒体が分配されて、この媒体が複数のチューブ及び前記チューブ間に装着されたフィンから熱を外気に放出又は吸収し、媒体と外気との熱交換を行っている。 【0003】車体等に設けられる熱交換サイクルは、通常、媒体を高温高圧に圧縮するコンプレッサーと、圧縮された媒体を凝縮するコンデンサと、凝縮された媒体を気液分離して、液冷媒を一時内部に蓄えるレシーバタンクと、媒体の断熱膨張を行うエキスパンションバルブと、断熱膨張された媒体と外気の熱交換を行って、外気を冷却するエバポレータを備えている。 【0004】例えば、熱交換サイクルに用いられるコンデンサは、コンプレッサーから流出する高温高圧の媒体を低温高圧の媒体とする作用をなし、コンデンサを構成するチューブ内には、気液混合状態の媒体が流通している。 【0005】また、エバポレータの場合は,エキスパンションバルブで膨張し、低温となった冷媒が外気と熱交換して気体冷媒となり、コンプレッサーに送出され、熱交換サイクル間を媒体が循環している。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】車両等に搭載する熱交換サイクルを構成する熱交換器は、軽量化が望まれている。このため、アルミニウム又はアルミニウム合金等のアルミニウム材によって熱交換器を構成している。これらの熱交換器のうちエバポレータなどでは、内部を流通する媒体と外気の温度差により水蒸気が凝縮して、熱交換器の外部に液滴が付着しやすい。このように熱交換器の外部に液滴が付着すると、ダクトを通じて車内に送風する空気内に水滴が混じり、乗車している人が不快感を感じる場合がある。更に、フィンの間に水滴が付着すると、熱交換性能低下の原因となる。また、熱交換器に液滴等が付着すると、熱交換器を構成するアルミニウム材の腐食による錆やかび等の発生の原因となる。また熱交換器に付着したかびは、ダクトを通じて車内に飛散し、車内を汚したり、悪臭を発する等の不快感を与えることがある。一方、車室外に配置されるコンデンサやラジエータの場合は、雨水や泥水、排ガス、ゴミなどにさらされ、熱交換器を構成するアルミニウム材の腐食等の原因になる。 【0007】アルミニウム材の腐食防止手段として、熱交換器の表面にクロム酸クロメート処理を施したり、クロム酸クロメート処理を施した後、高分子樹脂等の皮膜を形成し、耐食性を付与する方法が用いられている。 【0008】しかし、クロム酸クロメート処理は、有害金属である6価クロム(Cr6+)の大気中への放出が問題となり、また、排液処理のための設備等のコストがかかるという問題を有する。 【0009】このため、例えば、特開平10−88363号公報に記載の発明は、所定厚さの金属酸化皮膜を熱交換器の表面に形成し、熱交換器の耐食性を向上している。 【0010】また、特開平5−322469号公報に記載の発明は、アルミニウム材料の上に下塗り樹脂塗膜層と親水性樹脂塗膜層を順次積層し、親水性と耐食性を有する空調用表面処理フィン材を提供している。 【0011】特開平7−48682号公報記載の発明は、所定の防錆材による表面処理層を形成する工程、及び/又は表面処理層の表面に抗菌剤を含有する親水性皮膜を形成した第二工程を有するアルミニウム材製熱交換器の表面処理方法を提供している。 【0012】特開平9−178392号公報に記載した発明は、ゾルーゲル法によって熱交換器の表面に金属酸化皮膜を被覆し、耐食性を向上した熱交換器を提供している。 【0013】また,特開平9−241856号公報に記載の発明は、水酸基含有有機樹脂、リン酸及び所定金属を含むリン酸系化合物を含有する組成物を用いて、密着性の高い表面処理用組成物を提供することを目的としている。 【0014】また、特開平8−61882号公報記載の発明は、高分子シリカとイソシアネート基を有するポリウレタン樹脂に抗菌剤等を添加して表面処理した熱交換器を提供している。 【0015】しかし、例えば、特開平10−88363号公報の発明においては、所定の厚さの金属酸化皮膜を形成しないと,耐食性が劣るという問題がある。また、金属酸化皮膜を所定厚さとするのには、金属アルコキシドから成るゾルを塗布し、乾燥してゲル化し、焼成するという煩雑な工程が必要となる問題がある。 【0016】特開平5−322469号公報に記載の発明においては、アルミニウム材料の表面に塗布する下塗り樹脂塗膜層の厚さが薄い場合は、塗膜の耐食性及び成形性が不足し、また,塗膜層の厚さが厚い場合は、耐食性の効果が少なく、また、伝熱抵抗が高くなって、熱交換器の熱交換率を悪化させるという問題を有する。 【0017】特開平9−178392号公報に記載の発明は、酸化物皮膜を被覆するために複数回のコーテイングをする必要があり、作業が煩雑となるおそれがある。 【0018】特開平9−241856号公報に記載の発明は、亜鉛(Zn)めっき鋼板に水酸基含有有機樹脂、リン酸及び所定金属を少なくとも1種類含むリン酸系化合物を含有する組成物の皮膜を形成しており、アルミニウム材に前記発明である組成物を用いて皮膜を形成した場合の効果は記載されていない。 【0019】また、特開平8−61882号公報の発明においては,塩水噴霧試験(SST)を行い、従来例と当該発明の具体例を比較しているが、試験期間が72時間と短期間であるため、長期間試験を行った場合に、耐食性が確保されているかどうか明らかにされていない。 【0020】前述した各公報に記載された発明は、実際に熱交換器が腐食した場合、例えば、孔食等が生じた場合の熱交換器自体の耐食性については、前記各発明を実施した例と、従来例の比較がなされておらず、実際の効果が記載されていない。 【0021】そこで、前記問題点に鑑みて、本発明は、クロム酸クロメート処理を行うことなく、孔食等の腐食を防止し、耐食性を向上した熱交換器を提供することを目的とする。 【0022】 【課題を解決するための手段】本願第1請求項に記載した発明は、熱交換媒体が流通する媒体流路を設けたチューブと、前記チューブ間に装着され、媒体と外気の熱交換器を行うフィンと、前記チューブに媒体を分配するタンクを備えた熱交換器において、前記チューブは、アルミニウム又はアルミニウム合金製の芯材と、前記チューブの外面を構成する面に被覆した芯材よりも電位が卑である合金層と、前記チューブの媒体流路を構成する面に被覆したろう材層を備えた三層構造の素材を用いて形成し、6価クロムを含まない組成物を用いて少なくとも前記チューブの表面に保護皮膜を形成した熱交換器である。 【0023】このように、芯材よりも電位が卑である合金層をチューブの外面を構成する面に被覆した三層構造の素材を用いてチューブを形成すると、前記電位が卑である合金層が芯材に優先して犠牲的に腐食し、孔食等の発生を防止できる。また、少なくともチューブの表面には、保護皮膜が形成されているため、腐食の生じやすいチューブが外気に晒されず、前記皮膜で保護される。 【0024】従って、前記保護皮膜及び芯材よりも電位の卑なる合金層の相乗効果によって、特にチューブに発生しやすい孔食等の発生を防止し、クロム酸クロメート処理を施した場合よりも熱交換器、特にチューブの耐食性を向上している。 【0025】本願第2請求項に記載した発明は、熱交換媒体が流通する媒体流路を設けたチューブと、前記チューブ間に装着され、媒体と外気の熱交換を行うフィンと、前記チューブに媒体を分配するタンクを備えた熱交換器において、前記チューブは、アルミニウム又はアルミニウム合金製の芯材と、前記チューブの外面を構成する面に被覆した芯材よりも電位が卑である合金層と、前記チューブの媒体流路を構成する面に被覆したろう材層を備えた三層構造の素材を用いて形成し、クロムを含まない組成物を用いて少なくとも前記チューブの表面に保護皮膜を形成した熱交換器である。 【0026】このように、前記チューブは、芯材よりも電位が卑である合金層を備えた三層構造の素材を用いて形成しているため、少なくともチューブに形成した前記保護皮膜と前記合金層の相乗効果により、チューブ等の孔食等を防止し、例えば、クロム酸クロメート処理を施す場合よりも、耐食性を向上する。 【0027】本願第3請求項に記載した発明は、熱交換媒体が流通する媒体流路を設けたチューブと、前記チューブ間に装着されて媒体と外気の熱交換を行うフィンと、前記チューブに媒体を分配するタンクを備えた熱交換器において、前記熱交換器は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる素材を用いて形成し、前記熱交換器の少なくともチューブの表面に、前記素材よりも電位が卑である合金層を被覆し、6価クロムを含まない組成物を用いて表面に保護皮膜を形成した熱交換器である。 【0028】本願第4請求項に記載された発明は、熱交換媒体が流通する媒体流路を設けたチューブと、媒体と外気の熱交換を行うフィンと、前記チューブに媒体を分配するタンクを備えた熱交換器において、前記熱交換器は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる素材を用いて形成し、前記熱交換器の少なくともチューブの表面に、前記素材よりも電位が卑である合金層を被覆し、かつ、クロムを含まない組成物を用いて保護皮膜を形成した熱交換器である。 【0029】前記熱交換器は、特にチューブ表面が外気に晒されることなく前記保護皮膜で保護され、耐食性が向上する。また、芯材よりも電位の卑なる前記合金層によって、特にチューブ等の孔食の発生を防止するため、前記保護皮膜と前記合金層の効果が相俟って、従来のクロム酸クロメート処理を施した熱交換器よりも、孔食等を防止し、耐食性を向上する。 【0030】本願第5請求項に記載された発明は、熱交換媒体が流通する媒体流路を設けたチューブと、前記チューブ間に装着され、媒体と外気の熱交換を行うフィンと、前記チューブに媒体を分配するタンクを備えた熱交換器において、前記チューブは、アルミニウム又はアルミニウム合金製の芯材と、前記芯材の少なくとも一方の面に被覆した前記芯材よりも電位が卑である合金からなる中間層と、前記芯材及び中間層よりも融点の低いろう材層を備えた多層構造の素材を用いて形成し、6価クロムを含まない組成物を用いて少なくとも前記チューブの表面に保護皮膜を形成した熱交換器である。 【0031】例えば、ろう材層は、融点を低下させるためにシリコン(Si)を含む場合が多いが、ろう付け加熱時にろう材中のSiが芯材方向に拡散し、共晶Siを生成したりする。ろう材が溶融して、共晶Siが析出すると、このSiは,近傍に存在するAl材よりも電位が貴となるため、その周囲のAl材又は芯材が優先的に腐食され、媒体漏れ等を生じる孔食が生する原因となる。 【0032】本発明は、芯材の少なくとも一方の面に芯材よりも電位の卑なる合金層を被覆し、素材の両面に芯材よりも融点の低いろう材層が被覆された多層構造の素材を用いて熱交換器を形成し、更に、少なくともチューブ表面に6価クロムを含まない組成物を用いて保護皮膜を形成している。 【0033】このため、少なくとも熱交換器のチューブは外気に晒されることなく保護皮膜によって防食される。また、溶融したろう材層が合金層中に拡散して共晶Siが析出して電位が貴となる場合であっても、芯材に対しては、芯材よりも電位の卑なる合金層が優先的に腐食され、芯材が防食されて孔食等の腐食の進行を阻止することができる。 【0034】したがって、熱交換器は、前記保護皮膜及び前記中間層による相乗効果によりクロム酸クロメート処理を行った場合よりも熱交換器の耐食性を向上する。 【0035】本願第6請求項に記載した発明は、熱交換媒体が流通する媒体流路を設けたチューブと、媒体と外気の熱交換を行うフィンと、前記チューブに媒体を分配するタンクを備えた熱交換器において、前記チューブは、アルミニウム又はアルミニウム合金製の芯材と、前記芯材の少なくとも一方の面に被覆した前記芯材よりも電位が卑である合金からなる中間層と、前記芯材及び中間層よりも融点の低いろう材層を備えた多層構造の素材を用いて形成し、クロムを含まない組成物を用いて少なくとも前記チューブの表面に保護皮膜を形成した熱交換器である。 【0036】このように、少なくとも熱交換器のチューブの表面にクロムを含まない組成物を用いて保護皮膜が形成されているため、チューブの防食がなされる。また、芯材の少なくとも一方の面には,芯材よりも電位の卑なる合金層からなる多層構造の素材を用いてチューブを形成しているため、ろう材層中のSi又は共晶Siがアルミニウム材中に析出し、前記析出Si又は共晶Siの周囲の電位が貴となった場合であっても、電位の卑なる合金層が芯材に対しては、芯材よりも優先して犠牲的に腐食するため、孔食の進行を防止し、クロム酸クロメート処理を行った場合よりも熱交換器の耐食性を向上することが可能となる。 【0037】本願第7請求項に記載した発明は、前記請求項1又は2記載の発明において、芯材よりも電位が卑である前記合金層は、亜鉛を含み、かつ芯材よりも融点の低いろう材層である。 【0038】Zn元素は、Alよりも電位が低く、電位を卑とする効果のある元素である。従って、Znを含むことにより合金層の電位を芯材よりも低くする。また、前記合金層を芯材よりも融点の低いろう材層とすると、合金層の融点を低くするために含有しているSiが析出し、周囲の電位よりも析出Siの電位が貴となり、析出Si周囲が優先的に腐食されて孔食等が発生してしまう場合がある。 【0039】本発明の場合は、ろう材層の電位は、芯材の電位よりも卑としているため、Siが析出した場合であっても、芯材よりも優先して電位の卑である合金層が腐食されやすくなるため、孔食の発生を防止する。 【0040】本願第8請求項に記載した発明は、前記請求項1乃至4いずれか記載の発明において、芯材よりも電位が卑である前記合金層は、亜鉛を含んでいる。 【0041】Zn元素は、電位を卑とする効果のある元素である。例えば、Znを含むJIS A7072系の合金等が用いられる。本願第9請求項に記載した発明は、前記請求項5又は6いずれか記載の発明におてい、前記中間層は、純アルミニウム系を用い、又はアルミニウム合金中に含まれる元素量を調整することにより芯材よりも電位を卑としている。一般的に、芯材は、芯材強度を向上するために、銅(Cu)が添加されている。前記中間層は、芯材として用いるアルミニウム合金よりも電位を卑とするために、純アルミニウム(JIS A1000系合金)や、合金中に含まれるCu等の元素量を調整して、芯材よりも電位の卑である合金層からなる中間層を形成している。芯材よりも電位の卑である中間層は、芯材よりも優先して腐食されやすくなる。したがって、前記保護皮膜及び前記中間層の相乗効果によって、少なくともチューブ表面に形成した保護皮膜及び中間層の相乗効果により、チューブの孔食を防止することができる。本願第10請求項に記載した発明は、前記請求項1乃至9いずれか記載の発明において、前記保護皮膜は、熱交換器の表面に形成した化成皮膜である。化成皮膜は、所定の処理液に熱交換器を浸漬し、熱交換器の表面に金属酸化皮膜等の皮膜を形成する。保護皮膜として、熱交換器の表面に化成皮膜が形成されていると、熱交換器を構成する素材自体が外気に晒されず、化成皮膜で保護される。本願第11請求項に記載した発明は、前記請求項1乃至9いずれか記載の発明において、前記保護皮膜は、熱交換器の表面に化成皮膜を形成し、前記化成皮膜上に親水性皮膜を形成した皮膜である。前記保護皮膜として熱交換器の表面に化成皮膜を形成し、耐食性を向上する。更に、前記化成皮膜の上に親水性皮膜を形成すると、液滴の飛散や熱交換器表面やフィン間に液滴膜が形成されるのを防止する。したがって、液滴の付着による腐食や性能低下、車室内への飛水や性能低下を防止することができる。本願第12請求項に記載した発明、前記請求項1乃至11いずれか記載の発明において、前記保護皮膜は、複数の皮膜層からなっている。 【0042】前記保護皮膜が複数の皮膜層から成っていると、より一層耐食性を向上することが可能となる。 【0043】本願第13請求項に記載した発明は、前記請求項1乃至12いずれか記載の発明において、前記保護皮膜は、抗菌剤及び/又は防かび剤を含有している。 【0044】保護皮膜に抗菌剤及び/又は防かび剤を含有していると、熱交換器の表面に付着した液滴、又は外気との接触によって発生する錆やかびの発生の防止が可能となる。 【0045】本願第14請求項に記載した発明は、前記請求項1乃至13いずれか記載の発明において、前記保護皮膜は、チタン,ジルコニウム,ハフニウム,リチウムのいずれか一種以上の金属を含有している。 【0046】Ti,Zr,Hf,Li元素は、耐食性が高く、例えば、Ti,Zr,Hf等は、不導態を作りやすい金属である。これらの元素を含んだ保護皮膜を形成すると、熱交換器の耐食性が向上される。また、例えば、Zrは、自己補修機能も合わせもつため、腐食の進行を抑制する機能も有する。 【0047】本願第15請求項に記載した発明は、前記請求項11乃至14いずれか記載の発明において、前記親水性皮膜は、ナイロン系、アクリル系、ビニル系、ウレタン系の樹脂の少なくともいずれか一つを用いて形成している。 【0048】例えば、保護皮膜として親水性皮膜を形成するために、ナイロン系、アクリル系、ビニル系、ウレタン系等の樹脂溶液中に熱交換器を浸漬し、その後、乾燥して簡便に樹脂製の親水性皮膜を形成できる。 【0049】 【発明の実施の形態】図1は、熱交換器1の概略構成を示す側面図である。 図1に示すように、本例の熱交換器はエバポレータ1を示している。エバポレータ1は、媒体を流出入するタンク2を備え、このタンク2に連通する複数のチューブ3を備えている。このチューブ3間には、フィン4を備え、このフィン4によって伝熱面積を拡大し、外気と効率的に熱交換を行っている。 【0050】図2は、本例のエバポレータ1のチューブ3を構成するチューブエレメント30を示し、チューブエレメント30は、その端部に二つの円筒状の凸部30aを備え、この円筒状の凸部30aの端部に平面部30bが形成され、この平面部30bが隣接するチューブ3を構成するプレートの凸部30aの平面部と接合して、複数の各チューブ3間を連結するタンク2を形成する。また、チューブ3を構成するプレートは、媒体の流路となる凹部30cを備え、この凹部の中央に直線状凸部30dを備え、流路の端部がU字状に連結している二つの流路を区切っている。 【0051】そして、一対のチューブエレメント30,30の周囲の平面部30e等を接合して、往復流路を備えたチューブ3を形成している。また、熱交換器1は、隣接するチューブ3の端にエンドプレート5備え、隣接するチューブ3の他の端に、タンク2に媒体を流出入する出入口継手6を設けている。エバポレータ1は、エキスパンションバルブで膨張して低温となった媒体の熱交換を行い、気体冷媒となす作用をしている。 【0052】本例のエバポレータ1を構成するチューブエレメント30は、後述する素材100又は素材200を用いて形成している。 【0053】また、図3は、他の熱交換器の概略構成を示す側面図である。本例の熱交換器は、コンプレッサーから流出した高温高圧の熱交換媒体を凝縮するコンデンサ10を示している。 【0054】図3に示すように、コンデンサ10は、チューブ12とフィン13を交互に積層し、これらの積層したチューブ12の各両端をそれぞれ一対のヘッダパイプ14,15のチューブ挿入孔に挿入し、ヘッダタンク14に入口流路16、ヘッダタンク15に出口流路17を設けてコンデンサ10を形成している。コンデンサ10は、コンプレッサーから送出された高温高圧の媒体を凝縮し、低温高圧の気液混合状態の媒体となす作用をしている。 【0055】図4及び図5は、コンデンサ10を構成するチューブ12A,12Bの断面図を示している。 【0056】図4は、後述する素材100,素材200又はアルミニウム材を用いた平板状のプレートをロール成形し、端部をろう付け接合した断面扁平形状のチューブ12Aの断面図を示している。チューブ12Aは、対向する面に向けて突出するビード12aが形成されており、ビード12aの頂部と対向する内面を当接してチューブ12Aの媒体流路を複数に分けて熱交換機能の向上を図っている。 【0057】また、図5に示すチューブ12Bは、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる素材を押し出して成形し、複数の媒体流路12cを備えた断面扁平状のチューブ12Bを形成している。 【0058】次に、前述のようなエバポレータ1又はコンデンサ10等の熱交換器を形成する素材について説明する。なお、後述する具体例における熱交換器は、前述のエバポレータ1又はコンデンサ10等に限らず、ラジエータ等の熱交換器も含む。 【0059】図6及び図7は、前記熱交換器等を構成する素材の概略構成を示す断面図である。 【0060】図6に示すように、本例の素材100は、芯材101と、熱交換器を構成した際に外面となる面に芯材101よりも電位の卑である合金層102を備え、熱交換器1を構成した際に内面となる面にろう材層103を備えた三層構造をなしている。この電位の卑である合金層102は、例えば、Zn元素を含有するJISA7072系合金が用いられる場合がある。また、前記合金層102は、Si等が添加され、芯材101よりも融点の低いろう材層を構成する場合がある。 【0061】次に、本例の熱交換器を構成する他の素材について説明する。 【0062】図7に示すように、素材200は、アルミニウム材からなる芯材201と、前記芯材201の一方の面に芯材201よりも電位が卑となる中間層202を備え、更に、前記芯材201と中間層202の両外面に芯材201及び中間層202よりも融点の低いろう材203,203が被覆された四層構造をなしている。 【0063】前記中間層202は、芯材であるアルミニウム材よりも電位が卑となるように、純アルミニウム(JIS A1000系合金)を用いる場合や、芯材中に含まれるCu元素の量を調整して芯材よりも電位が卑である合金層からなる中間層202を形成している。また、ろう材層203には、芯材及び中間層よりも融点を低下する効果のあるSiを含有している。また、本例に限らず、芯材の両面に芯材よりも電位の卑なる合金からなる中間層を形成し、更に前記中間層の両面にろう材層を被覆した五層構造等の多層構造とすることも可能である。 【0064】また、前記三層構造又は多層構造の素材を用いることなく、例えば、前記押し出し成形によるチューブ12Bのように、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる素材を用いてチューブを形成し、この少なくともチューブ表面にチューブを構成する素材よりも電位の卑となる合金層、例えば、Znを添加した合金を溶射したり又はメッキを施すことにより、熱交換器の表面に電位の卑となる合金層を形成する場合もある。また、チューブのみならず、チューブ12とフィン13を組み合わせた後、前記チューブ12及びフィン13の表面にチューブ12及びフィン13を構成する素材よりも電位の卑となる合金層を形成する場合もある。 【0065】次に、前記素材100又は200を用いて構成した熱交換器の表面、又は少なくともチューブ表面にZnメッキ等によって合金層を被覆した熱交換器の表面に保護皮膜を形成する。 【0066】図8は、前記素材100又は200に保護皮膜を形成した場合の概略構成を示す説明図である。保護皮膜は、化成皮膜300、又は化成皮膜300及び親水性皮膜301から成っている。 【0067】前記化成皮膜300又は親水性皮膜301は、それぞれ前記素材100又は200を用いて熱交換器を形成した後、化成皮膜300を形成する処理液又は親水性皮膜301を形成する処理液に熱交換器を浸漬し、乾燥して保護皮膜300,301を形成する。 【0068】化成皮膜300の形成には、耐食性に優れたTi,Zr,Hf,Liのいずれか一種の元素を処理液に添加し、この処理液に熱交換器を浸漬して熱交換器の表面に化成皮膜300を形成する。例えば、デイップコーテイング法により、熱交換器の表面に化成皮膜300を形成することが望ましい。前記Zr,Ti,Hf,Li元素は、耐食性が高く、Ti,Zr,Hf等は不動態を作りやすい元素である。また、例えば、Zr等は、腐食が行った場合に腐食部を修復する機能も備えている。従って、これらの元素を含む処理液に熱交換器を浸漬し、これらの元素を含んだ保護皮膜を熱交換器の少なくともチューブの表面に形成すると、特に孔食等の腐食が生じやすいチューブの耐食性が向上する。 【0069】次に、保護皮膜として、化成皮膜300の上に親水性皮膜301を形成する。 【0070】親水性皮膜301は、ナイロン系、アクリル系、ビニル系、ウレタン系の合成樹脂溶液中に化成皮膜形成後の熱交換器を浸漬し、その後、乾燥して親水性皮膜301を形成する。熱交換器1の表面に親水性皮膜301を形成すると、親水性皮膜は、熱交換器の表面に液滴が付着するのを防ぎ、熱交換器表面やフィン間に液滴膜が形成されるのを防止する。したがって、液滴の付着による腐食や性能低下、車室内への飛水や性能低下を防止することができる。親水性皮膜を形成するための薬剤としては、例えば、日本パーカライジング社製の『LN4546』を用いた親水性皮膜を形成している。 【0071】このように、熱交換器1の表面に保護皮膜である化成皮膜300及び親水性皮膜301を形成すると、熱交換器1の表面が直接外気に晒されず、保護される。 【0072】また、熱交換器の表面には、複数層となる保護皮膜を形成していもよい。図9に示すように、素材100,200の表面には、化成皮膜300、耐食性を有する保護皮膜302及び親水性皮膜301の複数層の保護皮膜を形成している。 【0073】次に、保護皮膜(例えば、化成皮膜300及び親水性皮膜301)が形成された熱交換器と、従来のクロム酸クロメート処理を施した熱交換器の耐食性を比較する。 【0074】耐食性の試験は、JIS Z2371に基づき、1500時間経過後の塩水噴霧試験(SST)を行った。SST試験結果を図10に示す。 【0075】本試験は、従来のアルミニウム材を用いて形成した熱交換器にクロム酸クロメート処理を施したもの、従来のアルミニウム材に用いて形成した熱交換器にクロム酸クロメート処理を施さないもの、本例の三層構造又は多層構造の素材を用いて形成した熱交換器に前述した保護皮膜300,301を形成したものの三種類の熱交換器のSST試験1500時間後の孔食深さを測定した。 【0076】図9に示すように、従来のアルミニウム材にクロム酸クロメート処理を施したものは、SST試験の結果、孔食深さが0.1mmとなっている。また、従来のアルミニウム材にクロム酸クロメート処理を施さないものは、SST試験の結果、孔食深さが0.15mmに達している。更に、本例の三層構造又は多層構造の素材を用いて形成した熱交換器に保護皮膜を形成したものは、SST試験の結果、孔食深さ0.08mmに留まっている。 【0077】前記試験結果に示すように、少なくともチューブに犠牲層となる合金層を設けた熱交換器に保護皮膜を形成すると、犠牲層となる合金層と保護皮膜の耐食性の効果が相俟って、従来のクロム酸クロメート処理を行った場合よりも熱交換器の耐食性、特に熱交換器のチューブの耐食性を向上する。 【0078】すなわち、熱交換器の表面に保護皮膜が形成されていると、素材自体が直接外気に晒されず、前記皮膜で保護される。更に、前記熱交換器は、芯材101よりも電位の卑なる合金層102が形成された三層構造の素材100で形成されていると、芯材101よりも電位の卑なる合金層102を優先して犠牲的に腐食させ、芯材の腐食を防止する。したがって、前記保護皮膜300,301及び合金層102の相乗効果によって、熱交換器1の耐食性を向上している。 【0079】また、電位の卑なる合金層102が、芯材よりも融点の低いろう材層を構成している場合、融点を低下するために合金層102中に含まれているSiが合金中に析出して、析出Siの方が周囲の合金よりも電位が貴となる場合がある。この場合、析出Si周囲の合金は、析出Siよりも電位が卑となるために、析出Siの周囲が優先して腐食してしまう。芯材中にSiが析出してしまうと、芯材中に析出したSi周囲の芯材は電位が卑となるため、腐食が進行して孔食が発生し、媒体洩れ等が生じてしまう場合が考えられる。 【0080】しかし、本例の場合は、ろう材層を構成する合金層102の電位を芯材101の電位よりも卑としている。従って、析出Si等が発生した場合であっても、芯材101よりも電位の卑となる合金層102が優先的に腐食され、腐食の進行を阻止し、孔食等の発生を防止して、熱交換器の耐食性を向上している。 【0081】また、芯材201、中間層202及びろう材層203からなる四層構造の素材200を用いた場合も、電位の卑なる中間層202を芯材201よりも優先して犠牲的に腐食させ、芯材201を防食するため、保護皮膜300,301及び中間層202の相乗効果によって、熱交換器1の耐食性は、クロム酸クロメート処理を施した場合よりも向上する。また、芯材の両面に中間層を被覆し、双方の前記中間層にろう材層を被覆した多層構造の素材を用いた場合も熱交換器の耐食性を向上する。 【0082】また、前記多層構造の素材を用いる場合のみならず、アルミニウム材を用いて熱交換器を構成し、前記熱交換器の少なくともチューブ表面に、熱交換器を構成したアルミニウム材よりも電位の卑なる合金層を被覆し、クロムを含まない組成物を用いて保護皮膜を形成した熱交換器であっても、耐食性を向上する。 【0083】また、前記保護皮膜300,301は、抗菌剤及び/又は防かび剤を含有し、熱交換器の表面に生じる腐食やかびの発生を防止している。抗菌剤は、例えば、TBZを用いている。 【0084】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は、熱交換媒体が流通する媒体流路を設けたチューブと、前記チューブ間に装着され、媒体と外気の熱交換器を行うフィンと、前記チューブに媒体を分配するタンクを備えた熱交換器において、前記チューブは、アルミニウム又はアルミニウム合金製の芯材と、前記チューブの外面を構成する面に前記芯材よりも電位が卑である合金層と、前記チューブの媒体流路を構成する面に被覆したろう材層を備えた三層構造の素材を用いて形成し、6価クロムを含まない組成物を用いて少なくとも前記チューブの表面に保護皮膜を形成した熱交換器である。 【0085】また、本発明は、クロムを含まない組成物を用いて前記熱交換器の少なくとも前記チューブの表面に保護皮膜を形成した熱交換器である。 【0086】また、本発明は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる素材を用いて熱交換器を形成し、前記熱交換器の少なくともチューブの表面には、前記素材よりも電位が卑である合金層を被覆し、6価クロムを含まない組成物を用いて表面に保護皮膜を形成した熱交換器である。 【0087】また、本発明は、前記熱交換器の少なくともチューブの表面には、前記素材よりも電位が卑である合金層を被覆し、クロムを含まない組成物を用いて表面に保護皮膜を形成した熱交換器である。また、本発明は、熱交換器の少なくともチューブは、アルミニウム又はアルミニウム合金製の芯材と、前記芯材の少なくとも一方の面に被覆した前記芯材よりも電位が卑である合金からなる中間層と、前記芯材及び中間層よりも融点の低いろう材層を備えた多層構造の素材を用いて形成し、前記熱交換器の少なくともチューブの表面に、6価クロムを含まない組成物を用いて保護皮膜を形成した熱交換器である。 【0088】また、本発明は、クロムを含まない組成物を用いて前記熱交換器の少なくとも前記チューブの表面に保護皮膜を形成した熱交換器である。 【0089】前記熱交換器は、特に最も腐食されやすいチューブは、前記保護皮膜により外気に晒されず、耐食性が向上する。また、前記熱交換器の少なくともチューブは、芯材よりも電位の卑なる合金からなる層を備えているため、この合金層が芯材に対して、芯材よりも優先して犠牲的に腐食されるため、特にチューブ等に発生しやすい孔食を防止し、従来のクロム酸クロメート処理を施した以上に、熱交換器の耐食性を向上する。前記保護皮膜は、熱交換器の表面に形成した化成皮膜である。また、前記保護皮膜は、化成皮膜及び化成皮膜表面に形成した親水性皮膜である。更に、保護皮膜は、化成皮膜及び/親水性皮膜を複数層被覆した皮膜であってもよい。 【0090】保護皮膜として、熱交換器の表面に化成皮膜が形成されていると、熱交換器を構成する素材自体が外気に晒されず、化成皮膜で保護されるため、熱交換器を構成する多層構造の素材による耐食性と相俟って熱交換器の耐食性を向上する。 【0091】更に、親水性皮膜が形成されていると、親水性皮膜は、熱交換器表面に付着する液滴を飛散し、熱交換器表面やフィン間の液滴膜の形成を防止するため、熱交換器の腐食や性能低下、車室内への飛水や性能低下を防止する。 【0092】また、保護皮膜中に、所定の抗菌剤及び/又は防かび剤を含有すると、熱交換器の表面に付着した液滴、又は外気との接触によって発生する錆やかびの発生を防止する。 【0093】このように、本発明によれば、従来のクロム酸クロメート処理を行った場合よりも、耐食性を向上して孔食等を防止し、媒体洩れ等を生じることなく耐久性を向上した熱交換器を提供することが可能である。 【0094】
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| 【出願人】 |
【識別番号】500309126 【氏名又は名称】株式会社ゼクセルヴァレオクライメートコントロール
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| 【出願日】 |
平成11年11月11日(1999.11.11) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−141389(P2001−141389A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月25日(2001.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−321750 |
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