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【発明の名称】 熱交換器及びその側板
【発明者】 【氏名】ラ ヴォイス デイ

【氏名】ジェイムズ コー

【要約】 【課題】熱交換器製造時、コアアッセンブリはオーブンに入れられる、オーブン内で溶解している間に「フィンの脱落」、「フィンの溶解」、「ろう材クラッドの表面が変色する」の問題を解決する。

【解決手段】熱交換器の側板18は、細長いウェブ20の両端に折り曲げられたフランジ22を有している。外フランジはウェブ20から外方に突出し、少なくとも一方はウェブを越えて延びている。側板18の内側面はウェブ20の内側面と連なり、ウェブの内側面にろう材クラッドが設けられいてろう付時の変色を防止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 細長くて、おおむね平らなウェブと、2つの内フランジと、2つの外フランジとを備え、前記ウェブは前記2つの内フランジの間に位置し、前記内フランジの端末は、前記外フランジの端末と連なり、かつ前記内フランジ及び外フランジは、前記ウェブから外方へ突出し、さらに、前記外フランジの少なくとも一方は、前記ウェブを越えて延びている、熱交換器の側板。
【請求項2】 前記各内フランジは、前記ウェブとおおむね直交しており、かつ、その内側面に、前記外フランジが重合している、請求項1記載の熱交換器の側板。
【請求項3】 前記内フランジの内側面は、前記ウェブの内側面と連なり、かつ前記ウェブの内側面にろう材クラッドが設けられている、請求項2記載の熱交換器の側板。
【請求項4】 前記外フランジは、内フランジから離れた面を有し、かつ、この面には、ろう材クラッドが設けられていない、請求項3記載の熱交換器の側板。
【請求項5】 ヘッダと、タンクと、ヘッダ及びタンクを連結している複数のチューブと、チューブの全長に沿って延び、チューブに挟まれた複数のフィンと、前記ヘッダと前記タンクとの間で延び、第1のフィンと係合するウェブと、前記ウェブの一方の面にろう材クラッドが設けられた側板とを備え、前記チューブは、少なくとも1つの最外側チューブを備え、この最外側チューブは、外縁と、外縁に設けられた前記第1のフィンとを備えており、ウェブには厚みがあり、側板は、前記厚さの2倍の厚さの第1のフランジを有し、この第1のフランジは、前記ウェブから突出して、フィン支持部を形成している熱交換器。
【請求項6】 前記第1のフランジと対向し、かつ、前記ウェブの厚さの2倍の厚さの第2のフランジを備えている、請求項5記載の熱交換器。
【請求項7】 前記側板は、単一板からなり、かつ、前記第1のフランジは、前記単一板を折り曲げて二重として形成されている、請求項6記載の熱交換器。
【請求項8】 前記熱交換器は、ラジエータである、請求項5記載の熱交換器。
【請求項9】 前記熱交換器は、給気冷却器である、請求項5記載の熱交換器。
【請求項10】 長さ及び幅を有する第1のマニホルド及び第2のマニホルドと、前記幅よりも狭い、複数のチューブ及びフィンを備える熱交換器コアと、前記マニホルドの間に設けられ、第1のフィンと係合し、かつろう材クラッドが設けられた面を有するウェブを含む側板とを備え、前記チューブは、外縁を有する少なくとも1つの最外側チューブを備え、前記最外側チューブの外縁には、前記第1のフィンが設けられ、前記側板は、前記熱交換器コアの厚さとおおむね同じ第1の幅を有する第1の部分と、前記第1の幅よりも広い第2の幅を有する第2の部分とを有し、ウェブは、第1の厚さを有し、側板の第2の部分は、前記第1の厚さの2倍の厚さのフランジを有し、前記フランジは、前記ウェブから突出して、フィン支持タブを形成している熱交換器。
【請求項11】 フィン支持タブは、前記側板の前記第1の部分において、前記ウェブから延びている、請求項10記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換器の側板、及び熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘッダとチューブに連結されたタンクとを備え、チューブの間にフィンが設けられ、かつ、剛性を付与するための側板を有する車両用の熱交換器は公知である。このような熱交換器においては、フィンは、熱交換のために大きな表面を有し、かつ、チューブを支持している。
【0003】このような熱交換器は、ラジエータまたはコンデンサとして用いられるが、給気冷却器のような他の用途にも用いることができる。
【0004】側板は、熱交換器を組み立てたり移動したりする際に、特に重要となる。側板は、ヘッダやタンクのマニホルドに固定するのに先立ち、フィンやチューブをまとめて熱交換器コアを構成するために用いられる。
【0005】良好な熱交換を行うためには、最外側チューブの外面にフィンを設けることが好ましいので、側板は、両側の2つの外側フィンに取り付けられることとなる。
【0006】ヘッダ及びタンクのマニホルドとともに組み立てられたコアアッセンブリは、オーブンでろう付けされる。オーブン内では、部材を被覆しているろう材クラッドが溶解し、冷却されると、部材は、互いに固着される。
【0007】公知の側板は、種々の形状を有し、例えば、平らで細長い板状や、取り付け面の両側が湾曲した板状となっている。また、側板は、補強リブを有し、アルミニウムやアルミニウム合金からなっているのが好ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】製造上の理由から、コアアッセンブリは、往々にして、チューブを水平としてオーブンに入れられる。
【0009】この際の第1の問題点は、オーブン内で溶解している間に、フィンと側板との間で、「フィンの脱落」が発生することである。このようになると、フィンは、側板の中心に対する対称的な位置からオフセットした位置へ移動し始める。それにより、フィンのコア面の端は、一方の側面において、基準のコア面よりも低くなり、他方の側面において高くなる。
【0010】チューブ及び側板と接触するフィンの先端部において、残留する摩擦力よりも重力が大きくなると、フィンは脱落する。
【0011】ラジエータフィンは、チューブの端において丸められているが、このことは、必ずしも常に効果的であるとは限らない。
【0012】また、フィンの表面に近接して、焼付けフレームを有するフィンもあるが、ろう材クラッドが設けられた場合には、コアの表面が変色したり、窪んだりする。
【0013】第2の問題点は、「フィン溶解」である。ろう付けされた連結部を脆くする金属酸化物が発生しないように、ろう付け処理は、還元雰囲気内で行わなければならない。しかし、還元雰囲気でのろう付け処理の間、クラッドの性質により、フィンに隣接する材料が拡散して、フィンが脆くなり、熱交換器の構造的安定性が低下することがある。
【0014】第3の問題点は、ストラップやワイヤを有する焼付けフレームにより、往々にして、ろう材クラッドの表面付近が変色することである。また、焼付けフレームが側板に接触すると、ろう材クラッド材が連結点に移動するようになる。それは「窪み」として知られているところであり、側板の表面の傷となる。そのため、熱交換器の外観が損なわれる。
【0015】従って、本発明の目的は、従来技術の問題点のを少なくとも一部を解消することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様によれば、この熱交換器の側板は、細長くて、おおむね平らなウェブと、2つの内フランジと、2つの外フランジとを備え、ウェブは2つの内フランジの間に位置し、各内フランジの端末は、外フランジの端末と連なり、かつ内フランジ及び外フランジは、ウェブから外方へ突出し、かつ外フランジの少なくとも一方は、ウェブを越えて延びている。
【0017】各内フランジは、ウェブとおおむね直交しており、かつ、その内側面に外フランジが重合しているのが好ましい。
【0018】内フランジの内側面は、ウェブの内側面と連なり、ウェブの内側面にろう材クラッドを有しているのが好ましい。
【0019】ろう材クラッドは、ウェブの内側面のみに設けられているのが好ましい。
【0020】本発明の第2の態様によれば、この熱交換器は、ヘッダと、タンクと、ヘッダ及びタンクを連結している複数のチューブと、チューブの全長に沿って、チューブの間に設けられた複数のフィンと、ヘッダとタンクとの間で延び、第1のフィンと係合するウェブ、及び、ウェブの一方の面にろう材クラッドが設けられた側板とを備え、チューブは、少なくとも1つの最外側チューブを備え、この最外側チューブは、外縁と、外縁に設けられた第1のフィンとを有しており、ウェブには厚みがあり、側板は、その厚さの2倍の厚さの第1のフランジを有し、この第1のフランジは、ウェブから突出して、フィン支持部を形成している。
【0021】本発明の第3の態様によれば、長さ及び幅を有する第1のマニホルド及び第2のマニホルドと、その幅よりも狭い、複数のチューブ及びフィンを備える熱交換器コアと、マニホルドの間に設けられ、第1のフィンと係合し、かつ、ろう材クラッドが設けられた面を有するウェブを含む側板とを備え、チューブは、外縁を有する少なくとも1つの最外側チューブを備え、最外側チューブの外縁には、第1のフィンが設けられ、側板は、熱交換器コアの厚さとおおむね同じ第1の幅を有する第1の部分と、第1の幅よりも広い第2の幅を有する第2の部分とを有し、ウェブは、第1の厚さを有し、側板の第2の部分は、第1の厚さの2倍の厚さのフランジを有し、フランジは、ウェブから突出して、フィン支持タブを形成している。
【0022】
【発明の実施の形態】各図において、同様の部材には同一符号を付してある。
【0023】図6は、従来の熱交換器コアの部分断面図である。この熱交換器コアは、1枚のシートの両端を折り曲げて形成した、おおむねC状断面の側板(1)を備えている。従って、側板(1)は、真っ直ぐなウェブで分離された、対向する2つのフランジを有している。また側板(1)は、熱交換器コアから離れる方向に突曲された補強リブ(3)を備えている。
【0024】図1及び図2に示すように、本発明に係る車両用の熱交換器コア(2)は、上部マニホルド(4)及び下部マニホルド(6)に固定されている。熱交換器コア(2)は、ジグザグフィン(12)、最外側チューブ(14)、及び左右の側板(18)の間に位置する複数のチューブ(8)を備えている。上下のマニホルド(4)(6)は、互いに平行をなし、かつ、直交するチューブ(8)により連結されている。
【0025】チューブ(8)は、断面が細長い直方体(角部は丸まっている)となっており、2つの平坦部(10)を有している。隣接するチューブ(8)の平坦部(10)の間には、実質的にチューブ(8)の全長におおむね亘って、ジグザグフィン(12)が設けられている。
【0026】また、外側面にフィン(16)を有する2つの最外側チューブ(14)が設けられている。上下のフィン(16)は、側板(18)に固定されており、側板(18)は、上下のマニホルド(4)(6)に固着されている。
【0027】動作中には、クーラントの一部は、上部マニホルド(4)により一部が形成されたヘッダから、また、一部は、下部マニホルド(6)により一部が形成されたタンクへ流れる。フィン(12)(16)は、クーラントの熱を伝達するために、チューブ(8)と大きな面で接触している。さらにフィン(12)(16)は、チューブ(8)の構造的支持部材として作用するが、クーラントに圧力がかけられるので重要なことである。
【0028】また、本発明を、例えばターボチャージャーからの加圧空気を、熱交換器コアを通過させて冷却する給気冷却器に適用することもできる。
【0029】再び図2を参照すると、側板(18)は、細長くて、おおむね平らなウェブ(20)を備えている。ウェブ(20)は、ウェブ(20)とおおむね直交して、互いに対向する内フランジ(30)(31)の付け根まで延びている。
【0030】内フランジ(30)(31)は、ウェブ(20)から同じ長さだけ外方へ突出しており、その外端は反転折曲されて、外フランジ(32)(33)が形成されている。各外フランジ(32)(33)は、内フランジ(30)(31)の外面に重合している。
【0031】かくして、側板(18)は、一定厚さのウェブ(20)と、その両端に設けられた2倍厚のフランジ(22)(24)とを有している。ウェブ(20)は、外側面(21)と、フィン(16)と接触する内側面(23)とを有している。
【0032】図2からさらにわかるように、一方の外フランジ(32)は、ウェブ(20)の外側面(21)までしか達していないが、他方の外フランジ(31)は、ウェブ(20)の内側面(23)から内方へ突出して、フィン(16)の表面に沿うフィン支持部(26)を形成している。
【0033】各側板(18)は、好ましくはアルミニウムやアルミニウム合金の単板からなり、その片面のみにろう材クラッドが設けられている。ろう材クラッドが設けられている面は、ウェブ(20)の内側面(23)、内フランジ(30)(31)の内側面、外フランジ(32)(33)の外側面、及びフィン支持部(26)である。すなわち、これらの面は、側板(18)やフィン(16)と接触している面である。
【0034】外部に露出している側板(18)の面には、ろう材クラッドは施されていない。
【0035】この側板(18)は、いくつかの利点を有する。まず、フランジ(22)(24)が2倍の厚さとなっているので、単一厚のフランジに比べ、側板(18)はより強固になっている。従って、側板(18)を薄い材料で形成しても、フランジが一重である、より厚い側板と同様の剛性を備えている。また、側板(18)を薄くすることにより、材料費を抑えることができる。
【0036】また、ろう材クラッドの量を減らすこともできる。ろう材クラッドを熱間圧延処理して設ける場合、その最小厚を、ろう材クラッドで被覆される部分の厚さの3%〜5%とすることができる。このように、材料を薄くすることにより、ろう材クラッドを薄くすることができる。
【0037】しかし、ろう材クラッドの最小厚は、材料の重量ではなく、熱交換器コアのろう付け処理の間に保持されるように定められるものである。ろう材クラッドを薄くすると、フィンの破損のおそれは小となる。
【0038】熱交換器コアアッセンブリを、ろう付けされたフレームに保持すると、図2及び図3からわかるように、そのフレームは、側板(18)のろう材クラッドで被覆されていない外側面(21)、及び外フランジ(32)(33)にのみ接触する。従って、ろう付けされたフレームは、外観を損なわず、かつ、機械的な障害を最小限度とすることができる。
【0039】また、フランジの外側面及び内側面の合せ面を被覆加工することにより、ろう付け処理の間、これらの面は一体的に結合し、フランジをさらに補強することができる。
【0040】図3に示す第2の実施例の熱交換器は、マニホルドの幅よりも狭い熱交換器コアを備えている。この熱交換器は、複数のチューブ(108)により連結された上部マニホルド(104)及び下部マニホルド(106)を有している。
【0041】チューブ(108)は、断面が細長い直方体(角部は丸まっている)となっており、2つの平坦部(110)を有している。隣接するチューブ(108)の平坦部(110)の間には、実質的にチューブ(108)の全長に沿って、複数のジグザグフィン(112)が設けられている。
【0042】また、外側平面部にフィン(116)を有する2つの最外側チューブ(114)が設けられている。2つのフィン(116)は、側板(118)に固定されており、側板(118)は、ウェブ(120)及び2つの外向きの前後のフランジ(124)(128)を有している。
【0043】図3に示すように、熱交換器コアは、マニホルド(104)(106)の後方にオフセットされている。各側板(118)は、上部マニホルド(104)と下部マニホルド(106)の後面において、真っ直ぐに延びる後部フランジ(124)を備えている。
【0044】前部フランジ(128)は、側板(118)の約4/5の長さに亘って、後部フランジ(124)とおおむね平行な下部領域(122)を有し、両フランジ(124)(128)とウェブ(120)の幅が、熱交換器コアの幅となっている。
【0045】また、その部分から、側板(118)のウェブ(120)は、上部マニホルド(104)の幅とおおむね対応する幅で、前方に広がっており、一定幅の領域で、上部マニホルド(104)の方向に延びている。このように、前部フランジ(128)は、後部フランジ(124)と平行な上部領域(132)に延び、実質的に上部マニホルド(104)の幅に対応して、後部フランジ(124)から離れた、前方傾斜領域(130)を有している。
【0046】後部フランジ(124)は、第1の実施例におけるフランジ(24)と同様に、二重厚となっている。
【0047】前部フランジ(128)の下部領域(122)は、図2で示したように、フィン支持部を構成するための折り曲げられる部分を有している。前部フランジ(128)の上部領域(132)は、単一厚であり、図示のように、この領域において、ウェブ(120)は、フィン(116)の前方へ延びている。この領域の一部は、切り曲げられて、上部領域(132)から突出し、フィン支持タブ(134)を形成している。
【0048】ろう付けの間、前部フランジ(128)の下方で、熱交換器コアを水平に保持すると、フィン支持タブ(134)は、フィン(116)の一端を支持し、前部フランジ(128)のフィン支持部は、フィン(116)の他端を支持する。
【0049】また、前方傾斜領域(130)は、単一厚さであり、所定の角度で折り曲げられている。
【0050】図4は、第2の実施例における熱交換器の部分断面図であり、フィン支持タブ(134)の位置を示してある。当業者には、図3及び図4の熱交換器では、ろう付けフレームから離れたコアにろう付けされていることがわかると思う。
【0051】第2の実施例では、一端がテーパー状となっている側板を用いて、大きなタンクを支持できる構造となっているが、側板の両端をテーパー状としてもよい。また、一方のタンクのみを、熱交換器コアよりも幅広としてもよい。
【0052】図5は、本発明の第3の実施例の熱交換器の部分断面図である。第3の実施例は、第2の実施例と同様のものであるが、追加のタブ(136)が設けられている。このタブ(136)は、フィン(116)の窪みに位置するように、側板(118)のウェブ(120)に取り付けられている。
【0053】このような構成とすると、熱交換器コアの支持構造の点において、従来よりも利点を有するようになる。また、フィンの脱落を防止することもできる。
【出願人】 【識別番号】500348860
【氏名又は名称】ヴァレオ インコーポレイテッド
【出願日】 平成12年9月29日(2000.9.29)
【代理人】 【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一 (外2名)
【公開番号】 特開2001−141387(P2001−141387A)
【公開日】 平成13年5月25日(2001.5.25)
【出願番号】 特願2000−298750(P2000−298750)