| 【発明の名称】 |
全熱交換素子用隔壁材およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】上田 健一郎
【氏名】磯部 剛
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| 【要約】 |
【課題】かびの発生およびそれにともなう悪臭を長期にわたり抑制することができ、かつ、その製造コストが低下する全熱交換素子用隔壁材とその製造方法を提供する。
【解決手段】紙11を抄造する工程において、金属銅あるいは銅合金からなる細線12を埋め込む。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属銅あるいは銅合金が含まれていることを特徴とする全熱交換素子用隔壁材。 【請求項2】 紙あるいは不織布に、金属銅あるいは銅合金からなる細線、網、あるいはメタルラスが埋め込まれていることを特徴とする請求項1記載の全熱交換素子用隔壁材。 【請求項3】 紙あるいは不織布の表面に、金属銅あるいは銅合金からなる網、あるいはメタルラスが張り付けられていることを特徴とする請求項1記載の全熱交換素子用隔壁材。 【請求項4】 紙あるいは不織布を抄造する工程において、金属銅あるいは銅合金からなる細線、網、あるいはメタルラスを埋め込むことを特徴とする請求項2記載の全熱交換素子用隔壁材の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、全熱交換器に用いる全熱交換素子用の隔壁材であって、詳しくは、抗菌性を有する銅あるいは銅合金を使用した隔壁材とその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】空調システムでは、省エネルギーのために、一次気流(室内からの排気)と、二次気流(室内への給気)との間で、顕熱(温度差)と潜熱(湿度差)の熱交換を行う全熱交換器が利用されている。その原理は、透湿性と吸湿性をもつ隔壁を介して、熱は伝導により温度が高い側から低い側に流れ、湿気(水分)は拡散により湿度が高い側から低い側に流れ、且つ、隔壁中で吸湿される。 【0003】全熱交換器の全熱交換を行う全熱交換素子は、例えば図5に示すような構造をしている。即ち、全熱交換素子1は、流路2a、2bを構成するスペーサ4と、スペーサ4間に介在する隔壁3からなる。5は枠体である。そして、室内の空気Aは流路2aを通って熱交換された空気Bとして室外へ排出され、一方室外の空気Cは流路2bを通って熱交換された空気Dとして室内へ流入される。 【0004】隔壁3の材料としては、吸湿性を有する必要があるため、例えば吸湿剤を含浸した紙または不織布が用いられている。また、この吸湿剤としては、塩化リチウム、塩化カルシウム、コロイダルシリカなどの無機系物質(特公平3−66597号公報参照)、あるいは有機酸塩(特開平10−60796号公報参照)が使用されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、隔壁材は吸湿性を有するために、隔壁に結露によるかびが発生し、それにともない悪臭や衛生上の問題が生じていた。そこで、殺菌性のある金属イオンを分子内に固定した有機高分子吸湿剤を定着させた隔壁材が提案されている(特開平11−9942号公報参照)。しかしながら、上述の隔壁材は、有機高分子吸湿剤を定着させるのに手間がかかり、コストが高くなり、さらに耐久性にも問題があった。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解決すべくなされたもので、請求項1記載の発明は、金属銅あるいは銅合金が含まれていることを特徴とする全熱交換素子用隔壁材である。また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、紙あるいは不織布に、金属銅あるいは銅合金からなる細線、網、あるいはメタルラスが埋め込まれていることを特徴とするものである。また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、紙あるいは不織布の表面に、金属銅あるいは銅合金からなる網、あるいはメタルラスが張り付けられていることを特徴とするものである。さらに、請求項4記載の発明は、紙あるいは不織布を抄造する工程において、金属銅あるいは銅合金からなる細線、網、あるいはメタルラスを埋め込むことを特徴とする請求項2記載の全熱交換素子用隔壁材の製造方法である。 【0007】ところで、殺菌性を有する無機系物質には、銅、銀、亜鉛があり、これらの物質の中では、銀が最も強い殺菌性を有し、次いで、銅、亜鉛の順に強い殺菌性を有する。しかし、銀は高価であること、また亜鉛は殺菌性が比較的弱いことを考慮すると、銅が実用的には最も適切な殺菌性物質になる。そこで、請求項1に記載のように、全熱交換素子用隔壁材に金属銅あるいは銅合金を含めておくと、金属銅あるいは銅合金が隔壁に付着した水分により徐々に溶出し、銅イオンが生成する。この銅イオンが殺菌性を有し、かびの発生を防ぐので、隔壁による悪臭や衛生上の問題を解決することができる。上述のように、隔壁材に金属状態の銅あるいは銅合金を含めると、銅イオンの状態で(例えば有機高分子を用いて)含めた場合よりも、殺菌効果の有効期間は長く、半永久的になる。また、隔壁材に金属状態の銅あるいは銅合金を含めるため、銅イオンの状態で含める場合に比較して、製造が容易で、コストが低下する。 【0008】隔壁材は、請求項2に記載のように、金属銅あるいは銅合金を細線、網、あるいはメタルラスの形態で、紙あるいは不織布に埋め込んだ状態で含めることができる。なお、メタルラスとは、例えば図6に示すように、薄板に引伸切断法で網目を形成したもので、金属薄板材に刃物で長さの短い多数の切れ目を入れ、切れ目と直角方向に引き伸ばしたものである。また、隔壁材は、請求項3に記載のように、金属銅あるいは銅合金を網、あるいはメタルラスの形態で、紙あるいは不織布に張り付けた状態で含めることもでいる。なお、請求項2記載の隔壁材は、請求項4に記載のように、紙あるいは不織布を抄造する工程において、金属銅あるいは銅合金からなる細線、網、あるいはメタルラスを埋め込んで製造することができる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明にかかる全熱交換素子用隔壁材の一実施形態の断面図である。図1において、11は隔壁材の基材である紙、12は金属銅からなる極めて細い細線である。本実施形態は、紙11を抄造する工程で、紙11の中に細線12を埋め込んだものである。細線12の太さは数十μmから数百μm程度が好適である。 【0010】図2は他の実施形態の断面図である。本実施形態は、紙11を抄造する工程で、銅線からなる網13を紙11に埋め込んだものである。 【0011】図3は、さらなる他の実施形態の断面図である。本実施形態は、紙11の両面に銅線からなる網13を折り返して、張りつけたものである。 【0012】図4は、さらなる他の実施形態の断面図である。本実施形態は、紙11に銅からなるメタルラス14(図6に示すもの)を埋め込んだものである。 【0013】なお、本発明は上記実施形態に限定されることはない。例えば、隔壁材の基材として紙の代わりに不織布を用いてもよい。また、金属銅の代わりに銅合金を用いてもよい。また、金属銅あるいは銅合金の形態としては、基材の透湿性を損なわなければ、上記形態に限定されない。また、隔壁材の基材が繊維状である場合には、銅または銅合金材を織り込んでもよい。さらに、基材の表面に銅または銅合金材を張りつける際には、必ずしも接着材で確実に接着する必要はなく、銅または銅合金材が基材に接触する程度でもよい。従って、予め基材に銅または銅合金材を張りつけた隔壁材を用いることなく、全熱交換素子を組立る際に、銅または銅合金材が隔壁材に接触するように組み立ててもよいことはいうまでもない。 【0014】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、全熱交換素子用隔壁材のかびの発生およびそれにともなう悪臭を長期にわたり抑制することができ、かつ、その製造コストが低下するという優れた効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005290 【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月10日(1999.11.10) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−141384(P2001−141384A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月25日(2001.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−320132 |
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