| 【発明の名称】 |
空気熱交換器 |
| 【発明者】 |
【氏名】柴田 豊
【氏名】白水 順一
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| 【要約】 |
【課題】冷媒凝縮時において上昇流となる部分および冷媒蒸発時において下降流となる部分を少なくするか、又は無くすることにより、冷媒側の伝熱性能を可能な限り高く維持できるようにした空気熱交換器を提供することを目的とする。
【解決手段】冷媒が導入、導出されるパイプ状の上下ヘッダ2,3と、該上下ヘッダ2,3間に連通状態で、かつその長手方向に相互に所定の間隔を保って並設された複数本の扁平伝熱管4,4・・・と、該複数本の扁平伝熱管4,4・・・間の上下方向に屈曲した状態で配設されたコルゲートフィン5,5・・・とからなる空気熱交換器において、上記上部ヘッダ2および下部ヘッダ3の各々を、冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる部分の扁平伝熱管4,4・・・の本数が、それ以外の部分の扁平伝熱管4,4・・・の本数よりも少なくなるように相互に分割位置をズラせて複数の冷媒流路2a〜2d、3a〜3dに分割した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷媒が導入、導出されるパイプ状の上下ヘッダ(2),(3)と、該上下ヘッダ(2),(3)間に連通状態で、かつその長手方向に相互に所定の間隔を保って並設された複数本の扁平伝熱管(4),(4)・・・と、該複数本の扁平伝熱管(4),(4)・・・間の上下方向に配設されたコルゲートフィン(5),(5)・・・とからなる空気熱交換器において、上記上部ヘッダ(2)および下部ヘッダ(3)の各々を、冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる部分の扁平伝熱管(4),(4)・・・の本数が、それ以外の部分の扁平伝熱管(4),(4)・・・の本数よりも少なくなるように、相互に分割位置をズラせて複数の冷媒流路(2a),(2b),(2c),(2d)、(3a),(3b),(3c),(3d)に分割したことを特徴とする空気熱交換器。 【請求項2】 冷媒が導入、導出されるパイプ状の上下ヘッダ(2),(3)と、該上下ヘッダ(2),(3)間に連通状態で、かつその長手方向に相互に所定の間隔を保って並設された複数本の扁平伝熱管(4),(4)・・・と、該複数本の扁平伝熱管(4),(4)・・・間の上下方向に配設されたコルゲートフィン(5),(5)・・・とからなる空気熱交換器において、上記上部ヘッダ(2)および下部ヘッダ(3)の各々を複数の冷媒流路(2a),(2b),(2c),(2d)、(3a),(3b),(3c),(3d)に分割し、それら相互の冷媒流路(2a),(2b),(2c),(2d)、(3a),(3b),(3c),(3d)の内の冷媒凝縮時において冷媒上昇流が流される冷媒流路(3a),(2b)、(3b),(2c)、(3c),(2d)同士および冷媒蒸発時において冷媒下降流が流される冷媒流路(2d),(3c)、(2c),(3b)、(2b),(3a)同士の間をそれぞれ補助伝熱管(9a),(9b),(9c)、(9c),(9b),(9a)を介してバイパスしたことを特徴とする空気熱交換器。 【請求項3】 冷媒が導入、導出されるパイプ状の上下ヘッダ(2),(3)と、該上下ヘッダ(2),(3)間に連通状態で、かつその長手方向に相互に所定の間隔を保って並設された複数本の扁平伝熱管(4),(4)・・・と、該複数本の扁平伝熱管(4),(4)・・・間の上下方向に配設されたコルゲートフィン(5),(5)・・・とからなる空気熱交換器において、上記上部ヘッダ(2)および下部ヘッダ(3)の各々を複数の冷媒流路(2a),(2b),(2c),(2d)、(3a),(3b),(3c),(3d)に分割し、それら各冷媒流路(2a),(2b),(2c),(2d)、(3a),(3b),(3c),(3d)の間の冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる扁平伝熱管部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる扁平伝熱管部分を補助伝熱管(9a),(9b),(9c)により形成したことを特徴とする空気熱交換器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この出願の発明は、扁平伝熱管およびコルゲートフィンを備えた空気熱交換器の構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】最近では、扁平伝熱管およびコルゲートフィンを備えた空気熱交換器を、例えば空気調和機用の熱交換器に採用することが検討されている。 【0003】そのような扁平伝熱管およびコルゲートフィンを備えた一般的な空気熱交換器の全体および各部の構造を、例えば図14〜図17に示す。 【0004】該空気熱交換器1は、例えば図14に示すように、冷媒が導入、導出されるパイプ状の上下ヘッダ2,3と、該上下ヘッダ2,3間に連通状態で、かつその長手方向に相互に所定の間隔を保って並設された複数本の扁平伝熱管4,4・・・と、該複数本の扁平伝熱管4,4・・・間の上下方向に略S字形に連続して屈曲した状態で配設され、その屈曲面外端を対応する両隣りの扁平伝熱管4,4・・・の扁平伝熱面に熱溶着されたコルゲートフィン5,5・・・と、左右両側のフィンガード6,6とからなっている。 【0005】上記扁平伝熱管4,4・・・は、例えば図15に示すように、その内側幅方向に隔壁を介して区画並設された断面方形の複数の冷媒流通穴4a,4a・・・を有する多穴構造となっており、上記上部ヘッダ2又は下部ヘッダ3を介して外部冷媒配管7又は8より導入分配された冷媒を各冷媒流通穴4a,4a・・・内の上方から下方又は下方から上方に均等に流し、その扁平面および上記コルゲートフィン5,5・・・のフィン面を介して可及的に広い伝熱面積で内部の冷媒と外部の空気との間で効率の良い熱交換を行うようになっている。 【0006】また、上記コルゲートフィン5,5・・・は、例えば図16に示すように、その屈曲部(折り曲げ部)を除く扁平面部分であって、加工上形成される中央の扁平面部分を中心として空気流の上流側部分と下流側部分の各々に空気との伝熱効率を向上させるための複数の切り起し片(ルーバー)5a,5a・・・が形成されており、該切り起し片5a,5a・・・によって可及的に上記冷媒と空気との間の熱交換性能が高くなるように構成されている。 【0007】そして、該構成の空気熱交換器1では、例えば図17に示すように、凝縮器の時には、上記外部冷媒配管7を介して導入された冷媒を上記上部ヘッダ2を介して各扁平伝熱管4,4・・・の上方から下方に可及的均等に分配して流し、下部ヘッダ3で受けて外部冷媒配管8から導出するようになっている。一方、蒸発器の時には、これと逆方向に冷媒が流される。 【0008】しかし、このように上部ヘッダ2および下部ヘッダ3が共に連続した1本のパイプで各扁平伝熱管4,4・・・の各々に均一に冷媒を流す構造の場合、各扁平伝熱管4,4・・・部分を流れる冷媒の流速が低く、冷媒側の熱伝達性能が低い問題がある。 【0009】そこで、該問題を解決するために、従来例えば図18に示すように、上記上部ヘッダ2および下部ヘッダ3を各々複数の冷媒流路2a〜2c、3a,3bに分割し、図中に矢印で示しているように外部冷媒配管7から供給された冷媒を上下方向に複数回蛇行させて流すことにより、各扁平伝熱管4,4・・・内を流れる冷媒の流速を高めて冷媒側の熱伝達性能を向上させる構成が採用されていた。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】以上のように、上記各ヘッダ部の冷媒流路を複数に分割すると、扁平伝熱管部分を流れる冷媒の流速が高くなり、冷媒側の伝熱性能が向上する。そして、上記のように当該空気熱交換器をヒートポンプとして用いる場合、特に蒸発運転時の管外の水はけ対策として、上述のように扁平伝熱管4,4・・・が鉛直になるように配置するのが一般的であるため、上記構成における冷媒の流れとしては上昇・下降を繰り返す蛇行流となる。そして、上記鉛直な扁平伝熱管4,4・・・内の流れは、上述の如く冷媒蒸発時の場合には上昇流、他方冷媒凝縮時の場合には下降流とするのが一般的であるが、その場合において、それと逆向きの流れとなる場合には冷媒の熱伝達率は大きく低下する。 【0011】しかるに、同構成では本来の有効な流れ方向の伝熱管の本数とそれとは逆向きの流れとなる部分の伝熱管の本数とが同数である。その結果、図18の従来の構成では、熱伝達性能の有効でない部分の面積が大きく当該空気熱交換器の熱交換能力を十分に引き出せない課題が残されている。 【0012】本願発明は、該課題を解決するためになされたもので、上述のような冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる伝熱管部分の本数を少なくするか、又はそのような伝熱管部分を無くすることにより、冷媒側の伝熱性能を可能な限り高く維持できるようにした空気熱交換器を提供することを目的とするものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】本願各発明は、上記の課題を解決するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。 【0014】(1) 請求項1の発明この発明の空気熱交換器は、冷媒が導入、導出されるパイプ状の上下ヘッダ2,3と、該上下ヘッダ2,3間に連通状態で、かつその長手方向に相互に所定の間隔を保って並設された複数本の扁平伝熱管4,4・・・と、該複数本の扁平伝熱管4,4・・・間の上下方向に配設されたコルゲートフィン5,5・・・とからなる空気熱交換器において、上記上部ヘッダ2および下部ヘッダ3の各々を、冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる部分の扁平伝熱管4,4・・・の本数が、それ以外の部分の扁平伝熱管4,4・・・の本数よりも少なくなるように、相互に分割位置をズラせて複数の冷媒流路2a,2b,2c,2d、3a,3b,3c,3dに分割したことを特徴としている。 【0015】すなわち、該構成では、先ず上下両ヘッダ2,3の冷媒流路を複数の冷媒流路2a〜2d、3a〜3dに分割しているので、それら各冷媒流路2a〜2d、3a〜3d間の各扁平伝熱管4,4・・・を流れる冷媒の流速が高くなる。しかも、該分割が、上下両ヘッダ2,3間で相互に分割位置をズラしてなされていることにより、冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる部分においては、その扁平伝熱管4,4・・・の本数が、それ以外の部分の扁平伝熱管4,4・・・の本数よりも少なくなるので、冷媒凝縮時における冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる部分の面積比率は小さくなり、同部分が熱交換能力に及ぼす影響は小さいものとなる。また同部分においては、冷媒の流速がそれ以外の部分よりもさらに高くなるため、冷媒側伝熱性能の低下度も小さい。 【0016】その結果、当該熱交換器の熱交換能力を十分に引き出すことが可能になる。 【0017】(2) 請求項2の発明この発明の空気熱交換器は、冷媒が導入、導出されるパイプ状の上下ヘッダ2,3と、該上下ヘッダ2,3間に連通状態で、かつその長手方向に相互に所定の間隔を保って並設された複数本の扁平伝熱管4,4・・・と、該複数本の扁平伝熱管4,4・・・間の上下方向に配設されたコルゲートフィン5,5・・・とからなる空気熱交換器において、上記上部ヘッダ2および下部ヘッダ3の各々を複数の冷媒流路2a,2b,2c,2d、3a,3b,3c,3dに分割し、それら相互の冷媒流路2a,2b,2c,2d、3a,3b,3c,3dの内の冷媒凝縮時において冷媒上昇流が流される冷媒流路3a,2b、3b,2c、3c,2d同士および冷媒蒸発時において冷媒下降流が流される冷媒流路2d,3c、2c,3b、2b,3a同士の間をそれぞれ補助伝熱管9a,9b,9c、9c,9b,9aを介して熱交換器外部でバイパスしたことを特徴としている。 【0018】すなわち、該構成では、先ず上下両ヘッダ2,3の冷媒流路を複数の冷媒流路2a〜2d、3a〜3dに分割しているので、それら各冷媒流路2a〜2d、3a〜3d間の各扁平伝熱管4,4・・・を流れる冷媒流速が高くなる。しかも、それら相互の冷媒流路2a〜2d、3a〜3dの内の冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる部分の冷媒流路3a,2b、3b,2c、3c,2d同士および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる部分の冷媒流路2d,3c、2c,3b、2b,3a同士の間はそれぞれ補助伝熱管9a,9b,9c、9c,9b,9aにより熱交換器の外部でバイパスされていることから、熱交換器の熱交換部から同冷媒凝縮時における上昇流や冷媒蒸発時において下降流となる部分がなくなり、同部分が熱交換能力に及ぼす影響は殆んど解消される。また同部分においては、冷媒の流速がそれ以外の部分よりもさらに高くなるため、冷媒側伝熱性能の低下も小さい。 【0019】その結果、当該熱交換器の熱交換能力を、より十分に引き出すことが可能になる。 【0020】(3) 請求項3の発明この発明の空気熱交換器は、冷媒が導入、導出されるパイプ状の上下ヘッダ2,3と、該上下ヘッダ2,3間に連通状態で、かつその長手方向に相互に所定の間隔を保って並設された複数本の扁平伝熱管4,4・・・と、該複数本の扁平伝熱管4,4・・・間の上下方向に配設されたコルゲートフィン5,5・・・とからなる空気熱交換器において、上記上部ヘッダ2および下部ヘッダ3の各々を複数の冷媒流路2a,2b,2c,2d、3a,3b,3c,3dに分割し、それら各冷媒流路2a,2b,2c,2d、3a,3b,3c,3dの間の冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる扁平伝熱管部分および冷媒蒸発時において冷媒下降流となる扁平伝熱管部分を補助伝熱管9a,9b,9cにより形成したことを特徴としている。 【0021】すなわち、該構成では、先ず上下両ヘッダ2,3の冷媒流路を複数の冷媒流路2a〜2d、3a〜3dに分割しているので、それら各冷媒流路2a〜2d、3a〜3d間の各扁平伝熱管4,4・・・を流れる冷媒流速が高くなる。しかも、該分割により、それら上下両ヘッダ2,3の各冷媒流路2a〜2d、3a〜3d間の冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる部分においては、その扁平伝熱管部分を補助伝熱管9a,9b,9cにより形成しているので、冷媒凝縮時における冷媒上昇流部分および冷媒蒸発時における冷媒下降流部分が熱交換器としての扁平伝熱管4,4・・・により形成されるようなことはなくなり、同部分が熱交換能力に及ぼす影響は小さいものとなる。また上記補助伝熱管9a,9b,9c部分においては、冷媒の流速がそれ以外の部分よりもさらに高くなるため、冷媒側伝熱性能の低下も小さい。 【0022】その結果、当該熱交換器の熱交換能力を十分に引き出すことが可能になる。 【0023】 【発明の効果】以上の結果、本願各発明の空気熱交換器によると、冷媒凝縮時において冷媒の流れが上昇流となる部分および冷媒蒸発時において下降流となる部分を少なくするか、又は無くすることができ、冷媒側の伝熱性能を可能な限り高く維持できる高性能の空気熱交換器を提供することが可能となる。 【0024】 【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1〜図3は、本願発明の実施の形態1に係る空気熱交換器の構成を示している。 【0025】該空気熱交換器1は、例えば図1に示すように、外部冷媒配管7,8を介して冷媒が導入、導出されるパイプ状の上下ヘッダ2,3と、該上下ヘッダ2,3間に連通状態で、かつその長手方向に相互に所定の間隔を保って並設された複数本の扁平伝熱管4,4・・・と、該複数本の扁平伝熱管4,4・・・間の上下方向に略S字形に連続して屈曲した状態で配設され、その屈曲面外端を対応する両隣りの扁平伝熱管4,4・・・の扁平伝熱面に熱溶着されたコルゲートフィン5,5・・・と、左右両側のフィンガード6,6とからなっている。 【0026】そして、上記扁平伝熱管4,4・・・は、例えば前述の図15に示す従来例のものと同様に、それぞれその内側幅方向に隔壁を介して区画並設された断面方形の複数の冷媒流通穴4a,4a・・・を有する多穴構造となっており、冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる部分を除いて、上記上部ヘッダ2又は下部ヘッダ3を介して外部冷媒配管7又は8より導入分配された冷媒を各冷媒流通穴4a,4a・・・内の上方から下方又は下方から上方に各々均等に流し、その扁平面および上記コルゲートフィン5,5・・・のフィン面を介して広い伝熱面積で内部の冷媒と外部の空気との間で効率の良い熱交換を行うようになっている。 【0027】また、上記コルゲートフィン5,5・・・は、例えば前述の図16に示す従来例のものと同様に、その屈曲部(折り曲げ部)を除く扁平面部分であって、加工上形成される中央の扁平面部分を中心として空気流の上流側部分と下流側部分の各々に空気との伝熱効率を向上させるための複数の切り起し片(ルーバー)5a,5a・・・が形成されており、該切り起し片5a,5a・・・によって可及的に上記冷媒と空気との間の熱交換性能が高くなるように構成されている。 【0028】そして、上記上部ヘッダ2および下部ヘッダ3は、図示のように、各々第1〜第4の複数の冷媒流路2a〜2d、3a〜3dに隔壁を介して分割されているが、例えば上部ヘッダ2側の第4の流路2dと下部ヘッダ3側第1の流路3aの長さをその他の流路2a〜2c、3b〜3dの長さよりも所定寸法長くすることによって、当該上下ヘッダ2,3の分割位置が相互に所定寸法ズレて対応するように構成されており、図中に細い矢印と太い矢印で区別して示しているように、外部冷媒配管7又は8を介して供給された冷媒を上下方向に複数回蛇行させて流すに際して、冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる部分(細い矢印部)では、扁平伝熱管4,4・・・の本数がそれ以外の部分(太い矢印部)よりも少なくなるようにすることにより(図示の例では5本に対して2本)、各扁平伝熱管4,4・・・を本来の方向に流れる冷媒全体の流速を高めながら、それとは逆向きの流れとなる冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる部分の扁平伝熱管4の本数を可及的に少なくして冷媒側の熱伝達性能を可及的有効に向上させる構成が採用されている。 【0029】すなわち、該構成では、先ず上下ヘッダ2,3の冷媒流路を複数の冷媒流路2a〜2d、3a〜3dに分割しているので各扁平伝熱管4,4・・・を流れる冷媒の流速が高くなる。しかも、該分割に際して、上記上下ヘッダ2,3各々の分割位置を上述の如く凝縮時において冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる部分においては、扁平伝熱管4の本数がそれ以外の部分よりも少なくなるようにしているので、冷媒側の伝熱性能が悪い冷媒凝縮時における冷媒上昇流部分や冷媒蒸発時における冷媒下降流部分の伝熱面積比率は遥かに小さくなり、この部分が熱交換能力の低下に及ぼす影響は遥かに小さい。また、該冷媒凝縮時において上昇流となる部分や冷媒蒸発時において下降流となる部分においても、冷媒の流速がそれ以外の部分よりもさらに高くなるために、冷媒側伝熱性能自体の低下度も小さい。従って、当該熱交換器の熱交換能力を十分に引き出すことが可能になる。 【0030】(変形例)なお、以上の構成の場合、冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる部分の扁平伝熱管4の本数は、少ない方が冷媒側熱伝達性能の向上には有利である。 【0031】しかし、そのように扁平伝熱管4の本数を少なくすると、その分冷媒の流動抵抗が増大する問題がある。 【0032】そこで、上記のように冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる部分の2本の扁平伝熱管4,4については、例えば図2に示す第1の変形例のように、その冷媒流通穴4a,4a・・・の区画数を減らすか、又は図3に示す第2の変形例のように多穴構造でない通路面積の広い扁平伝熱管構造を採用することによって、その冷媒流動抵抗を減らすことも必要に応じて採用される。 【0033】(実施の形態2)図4は、本願発明の実施の形態2に係る空気熱交換器の構成を示している。 【0034】この実施の形態の空気熱交換器は、基本的には上記実施の形態1の空気熱交換器の構成を採用しているが、その熱交換器全体の寸法(横幅寸法)を拡大するとともに、それに対応して上下各ヘッダ2,3の冷媒流路の分割数を増やしたことを特徴とするものである(2a〜2g,3a〜3g)。 【0035】その他の構成および作用は、上記実施の形態1のものと全く同一である。 【0036】(実施の形態3)図5は、本願発明の実施の形態3に係る空気熱交換器の構成を示している。 【0037】この実施の形態の空気熱交換器は、基本的には上記実施の形態1の空気熱交換器の構成を採用し、かつ当該熱交換器全体の寸法(横幅寸法)が同一の場合において、上下各ヘッダ2,3の冷媒流路の分割寸法を凝縮時には上流側から下流側に行くほど小さくなるようにし、また蒸発時には上流側から下流側に行くほど大きくなるようにしたことを特徴とするものである。 【0038】その他の構成および作用は、上記実施の形態1のものと全く同一である。 【0039】このようにすると、凝縮時には、凝縮作用の進行により冷媒の比体積が小さくなった熱交換器下流側において、冷媒流路の容積を小さくすることにより冷媒流速の低下を抑え、可及的に熱伝達性能の向上を図ることができる。 【0040】また蒸発時には、蒸発作用の進行により冷媒の比体積が大きくなった熱交換器下流側において、冷媒流路の容積を大きくすることにより冷媒の圧力損失を抑え、可及的に熱交換器性能の向上を図ることができる。 【0041】(実施の形態4)図6および図7は、本願発明の実施の形態4に係る空気熱交換器の構成を示している。 【0042】この実施の形態の空気熱交換器は、上記実施の形態1〜3の空気熱交換器の構成のように、冷媒凝縮時において上昇流となる部分および冷媒蒸発時において下降流となる部分の扁平伝熱管4の本数を少なくすることから、さらに一歩進めて同部分をバイパスする補助伝熱管9a〜9cを設けることによって、同冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる部分を実質的に熱交換器内に持たせないようにしたことを特徴とするものである。 【0043】すなわち、該空気熱交換器1は、例えば図6および図7に示すように、外部冷媒配管7,8を介して冷媒が導入、導出されるパイプ状の上下ヘッダ2,3と、該上下ヘッダ2,3間に連通状態で、かつその長手方向に相互に所定の間隔を保って並設された複数本の扁平伝熱管4,4・・・と、該複数本の扁平伝熱管4,4・・・間の上下方向に略S字形に連続して屈曲した状態で配設され、その屈曲面外端を対応する両隣りの扁平伝熱管4,4・・・の扁平伝熱面に熱溶着されたコルゲートフィン5,5・・・と、左右両側のフィンガード6,6とからなっている。 【0044】そして、上記扁平伝熱管4,4・・・は、例えば前述の図15に示す従来例のものと同様に、その内側幅方向に隔壁を介して区画並設された断面方形の複数の冷媒流通穴4a,4a・・・を有する多穴構造となっており、冷媒凝縮時には上記上部ヘッダ2を介して外部冷媒配管7より導入分配された冷媒を各冷媒流通穴4a,4a・・・内の上方下方からに均等に流し、その扁平面および上記コルゲートフィン5,5・・・のフィン面を介して広い伝熱面積で内部の冷媒と外部の空気との間で効率の良い熱交換を行うようになっている。他方、蒸発時には、これと逆方向に冷媒が流される。 【0045】また、上記コルゲートフィン5,5・・・は、例えば前述の図16に示す従来例のものと同様に、その屈曲部(折り曲げ部)を除く扁平面部分であって、加工上形成される中央の扁平面部分を中心として空気流の上流側部分と下流側部分の各々に空気との伝熱効率を向上させるための複数の切り起し片(ルーバー)が形成されており、該切り起し片によって可及的に上記冷媒と空気との間の熱交換性能が高くなるように構成されている。 【0046】そして、上記上部ヘッダ2および下部ヘッダ3は、図示のように、各々第1〜第4の複数の冷媒流路2a〜2d、3a〜3dに上下均等に分割されているが、当該複数の冷媒流路3a〜3dと2a〜2dの内の3a−2b、3b−2c、3c−2dの例えば中央部同士を順次コ字状の補助伝熱管9a,9b,9cを介して熱交換器外部でバイパスすることにより、図中に細い矢印で示しているように、上記外部冷媒配管7を介して供給された冷媒を各扁平伝熱管4,4・・・の上下方向に複数回蛇行させて流すに際して、冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる部分においては、当該冷媒が上記扁平伝熱管4,4・・・ではなく上記補助伝熱管9a,9b,9cを介して流れるようにすることにより、各扁平伝熱管4,4・・・を流れる冷媒の流速を均等に高めながら、それとは逆方向の流れを熱交換器外部に迂回させて、冷媒側の熱伝達性能を可及的有効に向上させる構成が採用されている。 【0047】すなわち、該構成では、先ず上下ヘッダ2,3の冷媒流路を第1〜第4の複数の冷媒流路2a〜2d、3a〜3dに分割しているので各扁平伝熱管4,4・・・を流れる冷媒の流速が高くなる。しかも、その場合において、冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる伝熱管部分は各扁平伝熱管4,4・・・を迂回した補助伝熱管9a,9b,9cとなるようにしているので、熱交換器内に冷媒凝縮時の上昇流や冷媒蒸発時の下降流となる部分がなくなり、同部分が熱交換能力の低下に及ぼす影響はなくなる。また、該冷媒凝縮時において冷媒の流れが上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒の流れが下降流となる部分においては、冷媒の流速がそれ以外の部分よりもさらに高くなるため、冷媒側伝熱性能の低下度も小さい。従って、当該熱交換器の熱交換能力をより十分に引き出すことが可能になる。 【0048】さらに、以上の場合において、上記複数の冷媒流路3a−2b,3b−2c,3c−2dを補助伝熱管9a,9b,9cで連通させるに際し、図示のように各冷媒流路3a,3b,3c、2b,2c,2d各々の中央部で連通させるようにしているので、上下各ヘッダ2,3内冷媒流路全体の冷媒の偏流も可及的に抑制される。 【0049】(実施の形態5)図8は、本願発明の実施の形態5に係る空気熱交換器の構成を示している。 【0050】この実施の形態の空気熱交換器は、基本的に上記実施の形態4の空気熱交換器の構成を採用し、同熱交換器全体の寸法(横幅寸法)を拡大するとともに、それに対応して上下各ヘッダ2,3の冷媒流路の分割数を増やしたことを特徴とするものである(2a〜2g,3a〜3g)。 【0051】その他の構成および作用は、上記実施の形態4のものと全く同一である。 【0052】(実施の形態6)図9は、本願発明の実施の形態6に係る空気熱交換器の構成を示している。 【0053】この実施の形態の空気熱交換器は、基本的に上記実施の形態4の空気熱交換器の構成を採用し、同構成における上下ヘッダ2,3の複数の冷媒流路2a〜2d、3a〜3dの分割寸法を凝縮時には上流側から下流側に行くほど小さくなるようにし、また蒸発時には上流側から下流側に行くほど大きくなるようにしたことを特徴とするものである。 【0054】その他の構成および作用は、上記実施の形態4のものと全く同一である。 【0055】このようにすると、凝縮時には、凝縮作用の進行により冷媒の比体積が小さくなった熱交換器下流側において、冷媒流路の容積を小さくすることにより冷媒流速の低下を抑え、可及的に熱伝達性能の向上を図ることができる。 【0056】また蒸発時には、蒸発作用の進行により冷媒の比体積が大きくなった熱交換器下流側において、冷媒流路の容積を大きくすることにより冷媒の圧力損失を抑え、可及的に熱交換器性能の向上を図ることができる。 【0057】(実施の形態7)図10は、本願発明の実施の形態7に係る空気熱交換器の構成を示している。 【0058】この実施の形態の空気熱交換器は、上記実施の形態1〜3の空気熱交換器の構成と実施の形態4〜6の空気熱交換器の構成との長所を組み合わせ、実施の形態4〜6のもののように熱交換器自体の厚さを大きくすることなく、実質的に実施の形態4〜6のものと同様に熱交換器の熱交換部から冷媒凝縮時における冷媒上昇流部分や冷媒蒸発時における冷媒下降流部分をなくしたことを特徴とするものである。 【0059】すなわち、該空気熱交換器1は、例えば図10に示すように、外部冷媒配管7,8を介して冷媒が導入、導出されるパイプ状の上下ヘッダ2,3と、該上下ヘッダ2,3間に連通状態で、かつその長手方向に相互に所定の間隔を保って並設された複数本の扁平伝熱管4,4・・・と、該複数本の扁平伝熱管4,4・・・間の上下方向に略S字形に連続して屈曲した状態で配設され、その屈曲面外端を対応する両隣りの扁平伝熱管4,4・・・の扁平伝熱面に熱溶着されたコルゲートフィン5,5・・・と、左右両側のフィンガード6,6とからなっている。 【0060】そして、上記扁平伝熱管4,4・・・は、例えば前述の図15に示す従来例のものと同様に、それぞれその内側幅方向に隔壁を介して区画並設された断面方形の複数の冷媒流通穴4a,4a・・・を有する多穴構造となっており、冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる部分を除いて、上記上部ヘッダ2を介して外部より導入分配された冷媒を各冷媒流通穴4a,4a・・・内に均等に流し、その扁平面および上記コルゲートフィン5,5・・・のフィン面を介して広い伝熱面積で内部の冷媒と外部の空気との間で効率の良い熱交換を行うようになっている。 【0061】また、上記コルゲートフィン5,5・・・は、例えば前述の図16に示す従来例のものと同様に、その屈曲部(折り曲げ部)を除く扁平面部分であって、加工上形成される中央の扁平面部分を中心として空気流の上流側部分と下流側部分の各々に空気との伝熱効率を向上させるための複数の切り起し片(ルーバー)5a,5a・・・が形成されており、該切り起し片5a,5a・・・によって可及的に上記冷媒と空気との間の熱交換性能が高くなるように構成されている。 【0062】そして、上記上部ヘッダ2および下部ヘッダ3は、図示のように、各々第1〜第4の複数流路2a〜2d、3a〜3dに隔壁を介して分割されているが、例えば上部ヘッダ2側の第4の流路2dと下部ヘッダ3側第1の流路3aの長さをその他の流路2a〜2c、3b〜3dの長さよりも長くすることによって当該上下ヘッダ2,3の分割位置が相互に所定寸法ズレて対応するように構成されており、図中に細い矢印と太い矢印で区別して示しているように、外部冷媒配管7を介して供給された冷媒を上下方向に複数回蛇行させて流すに際して、冷媒凝縮時において冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる部分(細い矢印部)では、扁平伝熱管4に代えて扁平伝熱管4と幅が同じで扁平伝熱管4よりも流路面積が大きい補助伝熱管9a,9b,9cを設けることにより、各扁平伝熱管4,4・・・を流れる冷媒全体の流速を均等に高めながら、熱伝達率の低い逆向きの流れとなる扁平伝熱管4部分をなくして冷媒側の熱伝達性能を可及的有効に向上させる構成が採用されている。 【0063】すなわち、該構成では、先ず上下ヘッダ2,3の冷媒流路を複数の冷媒流路2a〜2d、3a〜3dに分割しているので各扁平伝熱管4,4・・・を流れる冷媒の流速が高くなる。しかも、該分割に際して、上下ヘッダ2,3各々の分割位置を上述の如く凝縮時において冷媒が上昇流となる部分および冷媒蒸発時において冷媒が下降流となる部分において相互にズラし、同部分においては上記扁平伝熱管4,4・・・に代えて上述のような幅が等しいが流路面積は大きい補助伝熱管9a〜9cを設けるようにしているので、当該熱交換器の内部に冷媒凝縮時における冷媒上昇流や冷媒蒸発時における冷媒下降流となる扁平伝熱管4,4・・・部分がなくなり、同部分が熱交換能力の低下に及ぼす影響はなくなる。従って、当該熱交換器の熱交換能力を十分に引き出すことが可能になる。しかも、この場合、図11から明らかなように、上記実施の形態4〜6のものと異なって熱交換器自体の厚さは従来のものと変わらない。 【0064】なお、この場合の補助伝熱管9a〜9cに、上記図2、図3のような構造のものを大径にして採用しても良いことは言うまでもない。 【0065】(実施の形態8)図12は、本願発明の実施の形態8に係る空気熱交換器の構成を示している。 【0066】この実施の形態の空気熱交換器は、基本的には上記実施の形態7の空気熱交換器の構成を採用し、当該熱交換器全体の寸法(横幅寸法)を拡大するとともに、それに対応して上下各ヘッダ2,3の冷媒流路の分割数を増やしたことを特徴とするものである(2a〜2g,3a〜3g)。 【0067】その他の構成および作用は、上記実施の形態1のものと全く同一である。 【0068】(実施の形態9)図13は、本願発明の実施の形態9に係る空気熱交換器の構成を示している。 【0069】この実施の形態の空気熱交換器は、基本的には上記実施の形態7の空気熱交換器の構成を採用し、同熱交換器全体の寸法(横幅寸法)が同一の場合において、上下各ヘッダ2,3の冷媒流路の分割寸法を凝縮時には上流側から下流側に行くほど小さくなるようにし、また蒸発時には上流側から下流側に行くほど大きくなるようにしたことを特徴とするものである。 【0070】その他の構成および作用は、上記実施の形態7のものと全く同一である。 【0071】このようにすると、凝縮時には、凝縮作用の進行により冷媒の比体積が小さくなった熱交換器下流側において、冷媒流路の容積を小さくすることにより冷媒流速の低下を抑え、可及的に熱伝達性能の向上を図ることができる。 【0072】また蒸発時には、蒸発作用の進行により冷媒の比体積が大きくなった熱交換器下流側において、冷媒流路の容積を大きくすることにより冷媒の圧力損失を抑え、可及的に熱交換器性能の向上を図ることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002853 【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年11月16日(1999.11.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075731 【弁理士】 【氏名又は名称】大浜 博
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| 【公開番号】 |
特開2001−141382(P2001−141382A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月25日(2001.5.25) |
| 【出願番号】 |
特願平11−324984 |
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