| 【発明の名称】 |
冷却塔循環冷却水の温度制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 ▲廣▼文
【氏名】税所 久
【氏名】バラサンガム
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| 【要約】 |
【課題】冷却搭循環冷却水に注入される防スケール剤がもつ冷却水温度依存性による被冷却機器伝熱管へのスケール付着の防止。
【解決手段】被冷却機器7の冷却水出口部に冷却水温度調節計8を設けて、ここでの測定値と設定温度との温度偏差の大小によって、被冷却機器7への冷却水通水流量を変化させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 冷却塔と冷却水供給ポンプと被冷却対象機器と、これらを接続する配管弁等から成る冷却塔循環式冷却水システムにおいて、循環冷却水が供給される被冷却機器の冷却水出口水温を計測器により測定し、この測定値で冷却水供給調節弁の開度を制御することによって被冷却機器への冷却水供給量を変化させて、被冷却機器の出口冷却水温度を所定の温度範囲内に制御可能とする制御回路を設けたことを特徴とする冷却搭循環冷却水の温度制御方法。 【請求項2】 請求項1において、当該の被冷却機器へ供給する冷却水を他の被冷却機器の出口冷却水の一部を分岐して供給することにより、当該の被冷却機器の出口冷却水温度を所定の温度範囲内に制御可能とすることを特徴とする冷却塔循環冷却水の温度制御方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、広く一般産業分野で使用されている冷却塔設備において、ガスタービン発電設備を構成する潤滑油冷却器、噴霧空気冷却器、タービンサポート等の被冷却機器へ供給する冷却水量を、これらの被冷却機器の出口冷却水温度により制御する方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の冷却塔設備を用いて循環冷却水を供給する方法では、特願平8−304450号に記載のように、外部から取り入れた河川水他の補給水に防スケール剤を冷却水中の濃度が所定の値になるように制御注入した後に、被冷却機器へ冷却水として供給し、被冷却機器との間の熱交換によって温度が上昇した冷却水は、冷却搭ファンの働きで除熱されて再び冷却水として被冷却機器へ循環供給されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、循環冷却水中に投入される防スケール剤の効果が冷却水の温度に依存性を示す事に対して配慮がなされておらず、冷却 水中の防スケール剤の濃度管理方法についてのみに考慮がなされている。被冷却機器との間の熱交換によって冷却水の温度が防スケール剤の効果が得られる温度を超えると、防スケール剤の効果は著しく低下し、被冷却機器の伝熱管にスケールが付着して被冷却機器の冷却効率の低下、延いては伝熱管が閉塞するといった問題があった。 【0004】本発明の目的は、被冷却機器との間の熱交換による冷却水の温度上昇の上限を、防スケール剤の効果が発揮される温度範囲内に納まる手段を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、被冷却機器の冷却水出口部に温度調節計を設置し、この温度調節計の計測値の如何によって、当該被冷却機器入口部に設けられた冷却水供給調整弁の開度を制御するものである。 【0006】さらに、別な手段として冷却水流量が過度に少なくなることを防止すべく、他の被冷却機器の出口冷却水の一部を一定流量つねに当該する被冷却機器に通水可能なように当該する被冷却機器の入口部との間に接続配管と流量調節弁を設置したものである。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例の1例を図2、図3により説明する。 【0008】図2において、冷却塔下部水槽2に補給水配管18を介して循環冷却水用原水として供給された河川水等は、冷却水供給ポンプ5によって潤滑油冷却器7、噴霧空気冷却器11、タービンサポート14等へ冷却水として供給される。これらの機器で熱交換により温度が上昇した冷却水は、 冷却塔1に戻され、冷却塔ファン17の働きで空気と直接接触することにより、そのときに冷却水のもつ蒸発潜熱及び顕熱の移動が行われて、被冷却機器との間で熱交換が行われる以前の水温に戻される。 【0009】薬注タンク3内の防スケール剤は、薬注ポンプ4により循環冷却水中の防スケール剤の濃度が常に一定値を保ように定期的に冷却塔下部水槽2に注入されて、補給水中に含まれるシリカ、カルシューム等のスケール生成成分が、潤滑油冷却器7、噴霧空気冷却器11の伝熱管内表面、さらにはタービンサポート部14等に析出することを防止するように働く。ここで防スケール剤の機能について説明する。 【0010】防スケール剤が投入されないと、冷却水中に含まれる溶解性のイオン状カルシュームやシリカが、同じく冷却水中に溶解しているアルカリ成分と結合して炭酸カルシューム等になり、冷却水の溶解限度を超える分が水中に析出することになる。析出した炭酸カルシュームは、被冷却機器の伝熱管に付着してスケール化するが、防スケール剤が投入されていると、イオン状のカルシュームを取り囲む形でその表面に負の電荷が付着され、このためにイオン状のカルシュームは、相互に反発しあって凝集して成長することが阻止される。 【0011】しかし、被冷却機器の交換熱量が大きく冷却水の温度が高くなり過ぎると、重炭酸カルシューム{Ca(HCO3)2}の形で溶解しているカルシュームが、CaCO3とH2CO3とに熱分解される。CaCO3は、水中には約10ppm程度しか溶解しないことから溶解しきれなかった分は水中に析出することになる。またカルシュームは、カルシュームスケールを生成する際にイオン状シリカを共析する傾向があるため、シリカスケール生成の促進因子としても作用し、スケールの析出が益々加速されることになる。 【0012】さらに、冷却水温度の上昇は、防スケール剤の主成分であるところの有機物に熱的劣化をもたらして、イオン状カルシュームの凝集阻止機能を低下させると共に、カルシュームイオンの運動を活発化させ、互いに衝突を繰り返して成長することを促進させることにつながる。 【0013】次に被冷却流体の温度制御方法について説明する。 【0014】潤滑油冷却器7は、約70℃の入口被冷却流体(潤滑油)温度を約50℃まで冷却するが、50℃まで冷却出来ないときには、被冷却流体出口配管部に設けられる潤滑油温度調節計9が、計測温度と約50℃の制御目標温度との温度差を偏差信号として取出して潤滑油冷却器冷却水供給調節弁6へ伝える。潤滑油冷却器冷却水供給調節弁6の弁開度は、この偏差信号によって大きくなり潤滑油冷却器に通水される冷却水流量が増加され、結果として被冷却流体出口温度が制御目標温度に制御される。 【0015】潤滑油冷却器7の交換熱量は、年間を通じて大幅に変化することがないことから、夏場の冷却水供給条件を供給温度32℃、戻り温度を37℃として、約70℃の潤滑油温度が約50℃に冷却されるように潤滑油冷却器冷却水供給調節弁6の弁開度を初期設定すると、その後は、ほぼ37℃一定の冷却水出口温度が得られるようになる。 【0016】一方噴霧空気冷却器11は、潤滑油冷却器7と同様に冷却水供給調節弁10の開度を制御することで、約350℃の被冷却流体(噴霧空気)温度を約110℃の温度まで冷却するが、噴霧空気として使用する空気の供給源が大気であるために、年間を通じて噴霧空気冷却器入口の空気条件(空気流量および温度)が一定にならずに変化する。一般に夏季は、噴霧空気冷却器入口部の空気流量が少なくなるが空気の温度が高いことから、噴霧空気冷却器11での必要交換熱量は他の季節に比べると大きくなる。また冬期には、入口空気流量が多くはなるものの空気温度が十分に低いことから交換熱量は、逆に小さくなる。 【0017】噴霧空気冷却器11への冷却水通水流量を夏季の平均的な大気条件をベースに設定した後に、大気温度が設定時の想定温度より高くなった場合には、噴霧空気冷却器11の出口の噴霧空気温度が制御目標温度を上回ることになる。 【0018】このため、噴霧空気冷却器冷却水供給調節弁10は、弁開度を大きくして冷却水をより多く通水しようとするが、冷却水の通水対象機器は他にもあり全体としてバランスを保ちながら循環通水しているため、噴霧空気冷却器11への冷却水通水流量のみを大幅に増加することは出来ない。このために冷却水の出口温度が当初計画した約37℃より高くなり、場合によっては冷却水中の防スケール材の効果が得られなくなる温度にまで上昇することがある。 【0019】噴霧空気冷却水温度調節計12は、このとき噴霧空気冷却器11への冷却水通水流量を増して、噴霧空気冷却器出口の冷却水温度が昇温し過ぎることを防止することを目的に設けられたものであり、以下にその動作について説明する。 【0020】先に説明したように、潤滑油冷却器7の交換熱量は、年間を通じて大きく変動することがない。このため潤滑油冷却器7の被冷却出口温度(約50℃)が守られるのであれば、潤滑油冷却器7への冷却水通水流量を、冷却水出口温度の上昇を防スケール剤の効果が低下しない範囲内で低減することに問題はない。 【0021】噴霧空気冷却器出口の冷却水温度調節計12が、防スケール剤の効果が効かなくなる約60から80℃を超える温度を計測すると、2台の冷却水温度調節計8と12の測定温度偏差が、同じく2台の冷却水供給調節弁6と10に伝達され、潤滑油冷却器冷却水供給調節弁6に対しては、弁開度を小さくするように、また噴霧空気冷却器冷却水供給調節弁10に対しては、弁開度を大きくするような指令信号として発せられる。この結果、潤滑油冷却器7へ供給されていた冷却水の一部が噴霧空気冷却器11へ追加供給されることになり、噴霧空気冷却器出口の冷却水温度を60から80℃未満の温度に下げることが可能となる。 【0022】一方、冬季には、冷却水供給温度が計画値の32℃より大幅に低下するため、各機器への冷却水通水流量は夏季に比べると絞られて大幅に少なくなる。このとき、噴霧空気冷却器11の伝熱管の熱交換に不均一な部分が存在して、他の均一な部分に比較して熱交換が活発に行われると、局所的に冷却水の温度が周囲温度より上昇して、その範囲で防スケール剤の効果喪失、伝熱管内表面へのスケールの付着といった事象が発生することになる。 【0023】図3において、接続配管15は、潤滑油冷却器7の出口側と噴霧空気冷却器11の入口側を接続するものであり、潤滑油冷却器7で熱交換によって温度上昇した出口冷却水流量の一部(一定流量) が、開度が一定に固定された冷却水流量調節弁16を通じて噴霧空気冷却器11へ通水される。このことにより、噴霧空気冷却器11への通水流量が増加して伝熱管内で冷却水温度が局部的に高温になることが防止される。 【0024】また、噴霧空気冷却器11の出口冷却水温度が約60から80℃を超えた場合には、噴霧空気冷却器冷却水温度調節計12が、その温度差を偏差信号として噴霧空気冷却器冷却水供給調節弁6に伝達して、大幅に閉方向に絞られていた噴霧空気冷却器冷却水供給調節弁の開度を開方向に制御して、噴霧空気冷却器11への冷却水通水流量を増加させる。 【0025】 【発明の効果】本発明によれば、被冷却機器を通水する冷却水の温度を、防スケール剤の効果が得られる温度範囲内に制御することが可能であるので、被冷却機器の伝熱管にスケールが析出して、冷却効率の低下、延いては伝熱管の閉塞といった不具合の発生を未然に防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所 【識別番号】390023928 【氏名又は名称】日立エンジニアリング株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月20日(1999.9.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075096 【弁理士】 【氏名又は名称】作田 康夫
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| 【公開番号】 |
特開2001−91191(P2001−91191A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月6日(2001.4.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−264987 |
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