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【発明の名称】 熱交換器及びこれを用いた熱併給発電設備
【発明者】 【氏名】長尾 武夫

【氏名】小泉 敏夫

【氏名】小池 裕

【氏名】冨岡 守

【要約】 【課題】熱交換量が制御可能な熱交換器を提供する。

【解決手段】液状の熱媒体4を入れた容器5内に液状の熱媒体4に接触するように放熱部8を備えた第1の放熱器7を配置する。容器5の外に容器5内の液状の熱媒体4の熱を熱負荷TLに放熱する第2の放熱器17を配置する。容器5内の液状の熱媒体4の液面レベル(容器5内の液状の熱媒体4の量)を調節する液面レベル調節装置を設ける。液面調節装置を貯液タンク6と連結管13とポンプ15とから構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液状の熱媒体が入れられる容器と、発熱源から回収した熱を放熱する放熱部を備え、前記放熱部が前記液状の熱媒体と接触するように前記容器内に配置された第1の放熱器と、放熱部が前記容器の外部に配置されて前記容器内の前記液状の熱媒体の熱を熱負荷に放熱する第2の放熱器とを具備する熱交換器であって、前記容器内の前記熱媒体の液面レベルを調節する液面レベル調節装置を備えたことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】 液状の熱媒体が入れられる容器と、放熱部が前記液状の熱媒体と接触するように前記容器内に配置された放熱器と、吸熱部が前記液状の熱媒体と接触するように前記容器内に配置された吸熱器とを具備する熱交換器であって、前記容器内の前記液状の熱媒体の液面レベルを調節する液面レベル調節装置を備えたことを特徴とする熱交換器。
【請求項3】 液状の熱媒体が入れられる容器と、発熱源から回収した熱を放熱する放熱部を備え、前記放熱部が前記液状の熱媒体と接触するように前記容器内に配置された放熱器と、吸熱部が前記液状の熱媒体と接触するように前記容器内に配置され、前記吸熱部で吸熱した熱で前記吸熱部内を流れる別の熱媒体を加熱する吸熱器とを具備する熱交換器であって、前記容器内の前記熱媒体の液面レベルを調節する液面レベル調節装置を備えたことを特徴とする熱交換器。
【請求項4】 前記液面レベル調節装置は、前記液状の熱媒体を貯える貯液タンクと前記容器とを連結する連結管と、前記連結管に設けられて前記貯液タンクと前記容器との間で前記液状の熱媒体を移動させるポンプとからなる請求項1〜3のいずれか一つに記載の熱交換器。
【請求項5】 前記放熱器が前記液状の熱媒体から露出するほどに、前記液面レベル調節装置が前記容器内の前記液面レベルを低下させている状態において、前記液状の熱媒体から露出する前記放熱器に風を当てて前記放熱器を冷却する強制冷却装置を更に備えた請求項2または3に記載の熱交換器。
【請求項6】 発電設備と、該発電設備から発生する熱を回収する熱回収装置と、該熱回収装置で回収した前記熱を熱負荷の加熱に必要な熱に変換する熱交換器とを備えた熱併給発電設備において、前記請求項1〜3のいずれか一つに記載の熱交換器を用いた熱併給発電設備。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱交換量が制御可能な熱交換器及びこれを用いた熱併給発電設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は、熱容量の交換を行う従来の熱交換器を用いたコジェネレーションシステム(以下、熱併給発電設備と称す)の一例を示すブロック図である。図4の熱併給発電設備101は、発電設備として負荷Lに電力を供給する発電機103と、この発電機103に直結されて発電機103を駆動する発電機駆動用エンジン105とが設けられており、この熱併給発電設備101は例えば図示しないコンテナ内部に配置されている。なお、熱併給発電設備101をコンテナ内に配置しないオープン構造を採用することもできる。発電機駆動用エンジン105には、発電機駆動用エンジン105本体からの熱を吸収して熱媒体(冷却水)に伝達する、吸熱部107を備えた熱交換器(エンジンジャケット水冷装置)106が設けられている。また、発電機駆動用エンジン105からは、発電機駆動用エンジン105から出る排気ガスを外気に排出するための排気管115が図示しないコンテナの外部まで延びている。この排気管115の途中には、発電機駆動用エンジン105から排出される排気ガスが持つ熱を吸熱部111で回収する排気ガス熱交換器109とマフラー113とが配置されている。熱交換器(エンジンジャケット水冷装置)106の吸熱部107と排気ガス熱交換器109の吸熱部111との直列回路には、比例制御型三方弁117を介して熱放出器123の放熱部125と、熱交換器127の放熱部129とがそれぞれ並列に接続されている。熱交換器127には放熱部129から放熱された熱を回収する吸熱部131が設けられており、吸熱部131で回収された熱は放熱用の熱交換器132の放熱部133から熱負荷TLに放熱される。熱放出器123には放熱部125に風を吹き付けて放熱部125から熱を強制的に放出させるためのファンFが設けられている。
【0003】図4において発電機駆動用エンジン105を始動させると、発電機駆動用エンジン105に直結されている発電機103が発電動作を開始する。発電機103から発生した電力は外部に設けられた負荷Lに供給される。発電機駆動用エンジン105の熱を回収した冷却水は排気ガス熱交換器109の吸熱部111を通る際に排気ガスの熱を回収して更に高温になる。排気ガス熱交換器109を通過した冷却水は比例制御型三方弁117を介して熱交換器127の熱放出部129へ流入し、吸熱部131により熱が回収され熱交換器132の放熱部133により熱が熱負荷TLに放熱される。
【0004】熱交換器127において放熱により温度が低下した冷却水は発電機駆動用エンジン105へと戻る。熱交換器127の放熱部129へ送られる冷却水の温度が所定の温度以上になると比例制御型三方弁117を通じて放熱部129及び125へと冷却水が流れ、更に温度が上昇すると、冷却水は熱放出器123の放熱部125側のみへと流れ込む。熱放出器123内に流れ込んだ冷却水の熱は放熱部125から外気へと放出される。また、放熱部125は強制的に電動モータによって回転する冷却用電動ファンFによって冷却され、強制的に熱が外部に放熱される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の熱併給発電設備で用いられる熱交換器127では、自分自身で熱交換量を制御することができない。そのため、熱交換器127に対して別個に放熱器123を設置し、比例制御型三方弁117の動作と放熱器123の運転とにより熱交換量の制御を行っている。
【0006】本発明は、熱交換量の制御が可能な熱交換器及びこれを用いた熱併給発電設備を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、液状の熱媒体が入れられる容器と、発熱源から回収した熱を放熱する放熱部を備え、この放熱部が液状の熱媒体と接触するように容器内に配置された第1の放熱器と、別の放熱部が容器の外部に配置されて容器内の液状の熱媒体の熱を熱負荷に放熱する第2の放熱器とを具備する熱交換器を改良の対象とする。本発明の熱交換器は、容器内の液状の熱媒体の液面レベルを調節する液面レベル調節装置を備えている。外部にある発熱源から回収した熱は第1の放熱器が備える放熱部から放熱されて容器に入れられた液状の熱媒体を加熱する。加熱された液状の熱媒体は容器の外に配置された第2の放熱器へと送られ、そこで液状の熱媒体の熱を第2の放熱器に備えられた放熱部から熱負荷に放熱する。液面レベル調整装置は容器に入れられた液状の熱媒体の量(容器内の液状の熱媒体の液面レベル)を調節する。例えば、容器内の液状の熱媒体の液面レベルを低下させると、第1の放熱器の放熱部の一部(液面レベルよりもに上に位置する部分)が液状の熱媒体から露出する。この露出部分は液状の熱媒体とは接触していないので、この露出部分から放熱した熱は液状の熱媒体を加熱することなく外気に放出される。液面レベルを下げると液状の熱媒体と第1の放熱器の放熱部との接触する面積が小さくなり、液状の熱媒体に放熱される放熱量は小さくなる。このように、液状の熱媒体の液面レベルから露出している第1の放熱器の放熱部の部分の面積と液状の熱媒体中に浸漬している部分の面積との比率を変えることにより、液状の熱媒体に放熱される熱量、即ち熱交換量を制御することができる。
【0008】また本発明を液状の熱媒体が入れられる容器と、放熱部が液状の熱媒体と接触するように容器内に配置された放熱器と、吸熱部が液状の熱媒体と接触するように容器内に配置された吸熱器とを具備する熱交換器に適用する場合にも、容器内の液状の熱媒体の液面レベルを調節する液面レベル調節装置を設ければよい。
【0009】液面レベル調整装置は、例えば液状の熱媒体を貯える貯液タンクと容器とを連結する連結管と、この連結管に設けられて貯液タンクと容器との間で液状の熱媒体を移動させるポンプとから構成することができる。このような構成にすると、簡単な構成で液面レベルを移動させることができる。
【0010】放熱量を増大させる必要がある場合には、液面レベルを低下させて放熱部を部分的に露出させ、液状の熱媒体から露出する放熱部に強制的に風を当てて放熱部を強制冷却する強制冷却装置を設けてもよい。このような液面レベル調整装置を用いると、容器内の液状の熱媒体から露出する露出部分に強制冷却装置により強制的に風を当てて冷却することができるため、応答性よくヒートバランスをとることができる。
【0011】上述した熱交換器を用いて熱併給発電設備を構成する場合は発電設備と、発電設備から発生する熱を回収する熱回収装置と、熱回収装置で回収した熱を熱負荷の加熱に必要な熱に変換する熱交換器とで構成する。このような熱交換量を制御することができる熱交換器を用いることで、熱回収装置で回収した熱のうち余剰となった熱を別個に設置した熱放出器を用いて外気に放熱する必要がないので熱併給発電設備の構成機器の数を削減することができ、また、設備の設置面積を小さくすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の熱交換器の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は本発明の熱交換器1における実施の形態を模式的に示した構成図の例である。図1において符号3で示した部材はタンク構造体である。このタンク構造体3は、熱交換器用の水等の液状の熱媒体4が入れられる容器5と、この容器5内の熱媒体4の量を調節または制御するために貯える貯液タンク6とを備えている。容器5の内部には、第1の放熱器7の放熱部の一部を構成する放熱部材収納器8が配置されている。放熱部材収納器8の内部には、図示しない熱源から回収した熱を放熱する放熱部材9が配置されている。放熱部材収納器8は容器5の中央部に配置されていて、その周囲は熱媒体4によって囲まれている。放熱部材収納器8の上に配置された隔壁10は、後述するファンからの風が放熱部材収納器8の露出面に十分に当たるように容器5内に配設されている。そして容器5の隔壁10によって仕切られた上部空間内には電動モータによって駆動される強制冷却用のファンFが配置されている。容器5と貯液タンク6との間は連結管13によって連結されており、この連結管13の途中には容器5と貯液タンク6との間で熱媒体4を移動させる際に駆動される双方向性のポンプ(液面レベル調節装置)15が配置されている。
【0013】放熱部(8,9)により加熱された容器5内の液状の熱媒体4は、容器5の外に配置されて第1の放熱器7の放熱部(8,9)により加熱された液状の熱媒体4の熱を熱負荷TLに放熱する第2の放熱器17と容器5との間を途中にポンプ21を備えた循環管路23を通って循環する。
【0014】この例では、貯液タンク6と連結管13とポンプ15とにより容器5内の熱媒体4の液面レベルを調節する液面レベル調節装置が構成されている。容器5と貯液タンク6とを移動する液状の熱媒体4の液量はポンプ15の図示しない駆動回路に電気的に接続されている温度センサ24の出力により制御される。
【0015】本実施の形態の熱交換器1では、外部の発熱源から回収された熱は第1の放熱器7に備えられている放熱部(8,9)により容器5に入れられた液状の熱媒体4を加熱する。加熱された液状の熱媒体4は容器5の外に配置された第2の放熱器17の放熱部19へと送られる。そして、液状の熱媒体4の熱が第2の放熱器19に備えられた放熱部19から熱負荷TLに放熱される。液面レベル調整装置(6,13,15)は容器5に入れられた液状の熱媒体4の量(容器5内の液状の熱媒体4の液面レベル)を調節する。この液面レベル調節装置(6,13,15)により容器5内の液状の熱媒体4の液面レベルが低下する向きに変化すると(容器5内の液状の熱媒体4の量が少なくなると)、第1の放熱器7の放熱部材収納器8の上部が液状の熱媒体4から除々に露出していく。この露出部分は液状の熱媒体4とは接触していないので、露出した第1の放熱器7の放熱部材収納器8から放熱する熱は外気に放出される。これに対して、液状の熱媒体4と接触している第1の放熱器7の放熱部材収納器8の部分(液面レベルより下の部分)は液状の熱媒体4に熱を放出する。しかしながら、この場合、第1の放熱器7の放熱部材収納器8と液状の熱媒体4とが接触する面積は小さくなっているので、放熱部材収納器8から液状の熱媒体4に放熱される放熱量は小さくなっている。したがって、液状の熱媒体4の液面レベルから露出している第1の放熱器7の放熱部材収納器8の面積と、液状の熱媒体4が浸漬している第1の放熱器7の放熱部材収納器8の面積との比率を変化させることで、液状の熱媒体4に放熱される放熱量を制御することができる。
【0016】図2は、上述した熱交換器1を用いた熱併給発電設備の実施の形態におけるブロック構成図である。図2においては、負荷Lに電力を供給する発電機25と、この発電機25に直結されて発電機25を駆動する発電機駆動用エンジン27とからなる発電設備が設けられている。発電機駆動用エンジン27に対しては、発電機駆動用エンジン27本体からの熱を吸収して熱媒体(冷却水)に伝達する、吸熱部29が設けらた熱交換器(エンジンジャケット水冷装置)28が設置されている。また、発電機駆動用エンジン27からは、途中に発電機駆動用エンジン27から排出される排気ガスが持つ熱を吸熱部33で回収する排気ガス熱交換器31と排気音を消音するマフラー35とを備え、発電機駆動用エンジン27から出る排気ガスを外気に排出するための排気管37が図示しない外部まで延びている。発電機駆動用エンジン27から出る熱及び排気ガス熱交換器31で回収された熱は熱交換器1の第1の熱放熱器7へと送られる。
【0017】冷却水の熱は第1の放熱器7の放熱部(8,9)から液状の熱媒体4に放熱され、熱媒体4が加熱される。加熱された液状の熱媒体4はポンプ21により第2の放熱器17の放熱部19に送られ熱負荷TLに放熱される。第2の放熱器17の放熱部19で放熱されて冷えた液状の熱媒体4は容器5内へと戻される。
【0018】熱負荷TLで消費されなかった熱により、熱媒体4の温度が上昇し、第2の放熱器17の放熱部19に送られる液状の熱媒体4の温度が所定の温度以上になったことを温度センサ24が検知すると、ポンプ15は容器5内の液状の熱媒体4を貯液タンク6へ移動させて容器5内の液面レベルを低下させるようにポンプ動作をする。この動作により、放熱器7の放熱部材収納器8の一部を液状の熱媒体4から除々に露出させる。そして、容器5内に設けた電動モータとこの電動モータで回転するファンFとからなる強制冷却装置を駆動して、ファンFから吐き出された風を放熱器7の放熱部材収納器8の露出部分に強制的に当て、露出した放熱部材収納器8を急速に冷却する。このように、強制冷却装置により強制冷却を行うと、応答性よくヒートバランスをとることができる。
【0019】なお、本発明の熱交換器は本実施の形態で説明したものの他に、図3に示すように、放熱部(8,9)が容器5内の液状の熱媒体4に接触するように配置された放熱器9と、吸熱部16が液状の熱媒体4に接触するように容器5内に配置された放熱器17とを備えた熱交換器にも本発明を適用できる。
【0020】
【発明の効果】本発明の熱交換器によれば、液状の熱媒体の液面レベルから露出している第1の放熱器の放熱部の部分の面積と液状の熱媒体中に浸漬している部分の面積との比率を変えることにより、液状の熱媒体に放熱される熱量を制御することができる。また、熱交換量を制御することができる熱交換器を用いることで、熱回収装置で回収した熱のうち余剰となった熱を別個に設置した熱放出器を用いて外気に放熱する必要がなくなり、熱併給発電設備の構成機器の数を削減することができ、また、設備の設置面積を小さくすることができる。
【出願人】 【識別番号】000180025
【氏名又は名称】山洋電気株式会社
【出願日】 平成11年9月24日(1999.9.24)
【代理人】 【識別番号】100091443
【弁理士】
【氏名又は名称】西浦 ▲嗣▼晴
【公開番号】 特開2001−91190(P2001−91190A)
【公開日】 平成13年4月6日(2001.4.6)
【出願番号】 特願平11−270326