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【発明の名称】 プレートフィンチューブ型熱交換器およびその製造方法とそれを用いた冷蔵庫
【発明者】 【氏名】小笠原 忍

【氏名】坪井 伸之

【氏名】森川 庄一郎

【要約】 【課題】効率よく製造できるプレートフィンチューブ型熱交換器であって、熱交換性能がよい配管構造の熱交換器を提供すること。

【解決手段】蛇行曲げされた全体が一本の冷媒配管10と、一定間隔をおいて整列配置された複数枚のプレートフィン20とにより構成され、冷媒配管10には、偏平加工されていない円形管部11と、繰り返し間隔をおいて配管厚さを減じられた偏平形状部12とを設け、プレートフィン20には、冷媒配管10の偏平形状部12の厚さに対応した切り欠き幅のスリット状の配管挿入用切り欠き22と、配管挿入用切り欠き22と連続し冷媒配管10の円形管部11の外径に対応した内径の真円形状の配管貫通嵌合孔21を形成し、冷媒配管10は円形管部11にて各プレートフィン20の配管貫通嵌合孔21と圧入嵌合状態で密着し、冷媒配管10とプレートフィン20とを固定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 蛇行曲げ冷媒配管を用いたプレートフィンチューブ型熱交換器において、蛇行曲げされた全体が一本の冷媒配管と、一定間隔をおいて整列配置された複数枚のプレートフィンとにより構成され、前記冷媒配管は、偏平加工されていない円形管部と、繰り返し間隔をおいて配管厚さを減じられた偏平形状部とを有し、前記プレートフィンには、前記冷媒配管の前記偏平形状部の厚さに対応した切り欠き幅のスリット状の配管挿入用切り欠きと、前記配管挿入用切り欠きと連続し前記冷媒配管の前記円形管部の外径に対応した内径の真円形状の配管貫通嵌合孔が形成され、前記冷媒配管は前記円形管部にて各プレートフィンの前記配管貫通嵌合孔と圧入嵌合状態で密着し、冷媒配管とプレートフィンとが固定されていることを特徴とするプレートフィンチューブ型熱交換器。
【請求項2】 蛇行曲げ冷媒配管を用いたプレートフィンチューブ型熱交換器において、蛇行曲げされた全体が一本の冷媒配管と、一定間隔をおいて整列配置された複数枚のプレートフィンとにより構成され、前記冷媒配管は、偏平加工されていない円形管部と、繰り返し間隔をおいて配管厚さを減じられた偏平形状部とを有し、前記プレートフィンには、前記冷媒配管の前記偏平形状部の厚さに対応した切り欠き幅のスリット状の配管挿入用切り欠きと、前記配管挿入用切り欠きと連続し、前記冷媒配管の前記円形管部の外径に対応した内径の真円形状の配管貫通嵌合孔が形成され、前記冷媒配管は、前記円形管部にて各プレートフィンの前記配管貫通嵌合孔と係合し、当該係合部におけるはんだ付け、ろう付け、溶接等の固着手段により前記プレートフィンと固着していることを特徴とするプレートフィンチューブ型熱交換器。
【請求項3】 前記冷媒配管の前記偏平形状部は通風方向に直交する方向に扁平につぶされ、前記偏平形状部の両側の扁平面が通風方向に沿った平面になっていることを特徴とする請求項1または2に記載のプレートフィンチューブ型熱交換器。
【請求項4】 前記冷媒配管の前記偏平形状部の扁平面は、当該熱交換器を設置した際に、水平の位置を保持せず、上下傾斜した水勾配を与えられることを特徴とする請求項3に記載のプレートフィンチューブ型熱交換器。
【請求項5】 前記プレートフィンの前記配管貫通嵌合孔の外周囲に鍔状部が立ち上げ形成され、当該鍔状部を含んで前記プレートフィンと冷媒配管とが固着していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のプレートフィンチューブ型熱交換器。
【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一つに記載のプレートフィンチューブ型熱交換器を使用し、冷媒として炭化水素を用いたことを特徴とする冷蔵庫。
【請求項7】 真円管材を蛇行曲げし、一定間隔で扁平つぶしを行って偏平形状部を成形して冷媒配管を得る工程と、前記偏平形状部の厚さに対応する配管挿入用切り欠き幅のスリット状の配管挿入用切り欠きと、前記配管挿入用切り欠きと連続し、前記冷媒配管の偏平加工していない円形管部の外径に対応する内径の真円形状の配管貫通嵌合孔を有するプレートフィンを得る工程と、前記冷媒配管の偏平形状部と前記プレートフィンの前記配管挿入用切り欠きとを合わせて、前記冷媒配管の前記偏平形状部を、前記配管挿入用切り欠きを通過させて前記配管貫通嵌合孔に入れる工程と、前記冷媒配管と前記プレートフィンとを軸線方向にずらし、前記冷媒配管の前記円形管部を前記配管貫通嵌合孔に圧入状態で挿入嵌合させる工程と、を含むことを特徴とするプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法。
【請求項8】 真円管材を蛇行曲げし、一定間隔で扁平つぶしを行って偏平形状部を成形して冷媒配管を得る工程と、前記偏平形状部の厚さに対応する配管挿入用切り欠き幅のスリット状の配管挿入用切り欠きと、前記配管挿入用切り欠きと連続し、前記冷媒配管の偏平加工していない円形管部の外径に対応する内径の真円形状の配管貫通嵌合孔を有するプレートフィンを得る工程と、前記冷媒配管の偏平形状部と前記プレートフィンの前記配管挿入用切り欠きとを合わせて、前記冷媒配管の前記偏平形状部を、前記配管挿入用切り欠きを通過させて前記配管貫通嵌合孔に入れる工程と、前記冷媒配管と前記プレートフィンとを軸線方向にずらし、前記冷媒配管の前記円形管部を前記プレートフィンの前記配管貫通嵌合孔に挿入係合させる工程と、前記冷媒配管の前記円形管部と前記プレートフィンの前記配管貫通嵌合孔との係合部において、はんだ付け、ろう付け、溶接等の固着手段により前記冷媒配管と前記プレートフィンとを固着する工程と、を含むことを特徴とするプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法。
【請求項9】 前記冷媒配管を通風方向に直交する方向に扁平につぶすことにより、前記偏平形状部を形成し、前記偏平形状部の両側の扁平面が通風方向に沿った平面になっていることを特徴とする請求項7または8に記載のプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法。
【請求項10】 前記冷媒配管の前記偏平形状部の扁平面は、当該熱交換器を設置した際に、水平の位置を保持せず、上下傾斜した水勾配を与えられることを特徴とする請求項9に記載のプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法。
【請求項11】 前記プレートフィンの前記配管貫通嵌合孔の外周囲に鍔状部を立ち上げ形成し、当該鍔状部を含んで前記プレートフィンと冷媒配管とを固着することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに一つに記載のプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷蔵庫や空調装置などに用いられるプレートフィンチューブ型熱交換器およびそれの製造方法およびそれを用いた冷蔵庫に関するものであり、さらに詳しくは、蛇行曲げした冷媒配管と薄板金属製のフィンとによるプレートフィンチューブ型熱交換器およびそれの製造方法およびそれを用いた冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】冷蔵庫や空調装置などに用いられる熱交換器としては、熱交換効率、水滴付着時の排水性、着霜時の除霜性に優れるプレートフィンチューブ型熱交換器が多く使用されている。
【0003】一般に、プレートフィンチューブ型熱交換器は、通し孔を穿孔された複数枚のアルミニウム製のフィンにヘアピン形状に形成された銅などの展延性に優れた金属から成るヘアピン管(金属管)を挿入した後、金属管の内部にその内径よりも外径がわずかに大きな拡管用工具であるビュレットを圧入することによって金属管を拡径させ、この拡径によってフィンと金属管とを密着させる拡管方式によりフィンと金属管とが固着されている。さらに、ヘアピン形状の金属管の切断端をU形形状を成す同様金属管からなるベンド管で別のヘアピン形状の金属管の切断端とろう接して配管を連結し、連続したメアンダ状の冷媒経路を形成している。このプレートフィンチューブ型熱交換器はUベンド方式のプレートフィンチューブ型熱交換器と云われている。
【0004】近年、冷蔵庫などでは、特に、環境問題への対応として、冷媒を現状のハイドロフルオロカーボン系のものから地球温暖化への影響がより少ない炭化水素系に移行する検討が行われている。これら冷媒は可燃性があり、可燃性冷媒は実用上の安全確保のため、漏洩対策が最大の課題であり、熱交換器などの冷媒配管には接合箇所の少ない構造を採用することによって、可燃性冷媒が漏洩する要因を排除して安全性を確保することが有効である。
【0005】上述のようなことから、冷蔵庫用などのプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法として、冷媒配管のろう付け作業を不要とすることによって冷媒漏れ不良を低減すると共に、製造工数の削減が達成しやすい蛇行曲げ冷媒配管を使用したプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法が提案、実用化されている。
【0006】蛇行曲げ冷媒配管を利用したプレートフィンチューブ型熱交換器としては、多数枚の小型フィンに数メートルから10数メートルの伸直した冷媒配管1〜2本程度を挿入し、冷媒配管をビュレットにより拡管するなどしてフィンと密着させた後に蛇行曲げを行うSフィン方式や、蛇行曲げを施した冷媒配管に切り込みを入れたフィンを挿入した後に膨脹させるなどの変形を施し、冷媒配管とフィンとを密着させるカチ込み方式のものが知られている。
【0007】Sフィン方式による熱交換器は、フィンに設けた孔が冷媒配管の外径に近似した円形を成し、その後の拡管による密着を全周に亙って確実に行うことができるので、冷媒配管とフィンの熱伝達が良好で、高性能な熱交換器が得られるという特徴を得ることができる。しかし、数メートルから数10メートルの長さを有する冷媒配管に多数の小型フィンを挿入し、更にそれを拡管するためには、大掛かりな製造設備が必要となる上に、冷媒配管内部に拡管工具を挿入して円滑な拡管を行うために潤滑油を使用することが必要であり、これに伴い拡管工程後に潤滑油を洗浄する工程が別に必要となり、この方法による熱交換器の製造には、多大の費用がかかるという欠点がある。
【0008】また、Sフィン方式熱交換器では、フィンを冷媒配管に密着固定させた状態で曲げる必要があることから、曲げ部を大きくとらなくてはならないなど、形状上の制約が多く、また、冷蔵庫の冷却器などでは頻繁に除霜する必要があり、小さなフィンが独立しているSフィン方式では、ヒータによる加熱によって除霜するうえで、加熱対面にあるフィンへの伝熱が不十分となり、十分な除霜を行うためには相当な加熱を必要とするなどの不具合がある。
【0009】カチ込み方式による熱交換器は、製造の初期段階で、冷媒配管の蛇行曲げを行うから、製造工程内での配管部品の搬送が容易となり、併せて各冷媒配管を一体で渡すフィンが使用できる。フィンと冷媒配管の密着を冷媒配管外側から圧縮するなどして変形させれば、拡管に潤滑油を使用する必要がないので、冷媒配管内の洗浄が不要など、Sフィン方式に比べて効率よく熱交換器の製造が実現できるという特徴を有する。
【0010】しかしながら、蛇行曲げした冷媒配管にフィンを挿入するためには、フィンに配管挿入用切り欠き部を設けて冷媒配管の外側からさし込むようにして密着させ、更に配管挿入用切り欠き部を押し広げるようにして冷媒配管を変形させてフィンを固着させることになるため、冷媒配管の変形量には制限があると共に、冷媒配管を全周に亘ってフィンに均一に密着させることが困難であり、冷媒配管を断面方向全周でフィンと密着させるUベンド方式やSフィン方式のものに比べて伝熱性能に劣るという問題がある。
【0011】このような問題を解決した熱交換器として、特開平4−86490号公報には、蛇行曲げ後に偏平形状とした冷媒配管をフィンに設けた長孔に嵌挿し、しかる後に、もとの径に拡管して両者を密着固定させた構造の熱交換器が示されている。この構造の熱交換器によれば、上述のようなカチ込み方式による熱交換器よりも冷媒配管とフィンの接触面積を10%程度向上させることができ、伝熱性能の改善が見込まれる。
【0012】また、特開平6−79379号公報には、フィンに設けた長孔の長軸両端に円形の孔を備えた挿入孔を設け、これに蛇行曲げ後に偏平加工した冷媒配管のうち、平行した2本の冷媒配管を長孔を含む挿入孔から挿入して長孔の両端にある円形の孔の位置に保持した後、偏平管を真円状に戻すことによって、フィンと冷媒配管を密着固定させた構造の熱交換器が示されている。この構造の熱交換器によれば、より大きな接触面積を確保できる。
【0013】また、特開平9−96496号公報には、フィンのカチ込み用配管挿入用切り欠きと配管挿入用切り欠き底の形状を定め、カチ込み後の冷媒配管をこの配管挿入用切り欠き底に偏平に沿わせるように変形させることで、カチ込み工程の容易化と共に、フィンと冷媒配管の接触面積確保を実現している。
【0014】また、熱交換器に設けた冷媒配管の形状が、通風方向と直交する方向に長軸を有する偏平形状を有する場合には、通風にかかる抵抗によって通風量が低下し、熱交換器の性能が低下することがある。
【0015】このような問題に対し、特開昭58−136993号公報には、フィンと冷媒配管を密着、固持するために、予め偏平形状とした冷媒配管を元の円形に復元する工程で、通風方向に対して偏平とするように形成し、通風抵抗を低減させた構造の熱交換器が提案されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】フィンに設けた長孔に冷媒配管を嵌挿し、後にもとの径に拡管する製造方法のものでは、蛇行曲げ後の拡管操作となるため、作動流体を流し込んだバルジ拡管などを行う必要がある。このとき、フィンによる冷媒配管の半径方向に拘束部分や肉厚分布などによる強度不均一分布があると、均一な拡管は不可能であり、フィンの密着には、ばらつきが生じ易く、このために十分な伝熱性能を確保できないなどの問題を発生することがある。
【0017】また、使用に供した冷媒配管が結露などによって付着した水が水滴となってこれを排水する場合に、水滴が下方向にある冷媒配管などに付着するなどするので、水切れの悪い状態を生んだり、除霜時の加熱による冷媒配管の温度上昇を妨げて効率を低下させるという問題を発生させることがある。
【0018】また、フィンの長孔に曲げ偏平加工した冷媒配管を挿入し、長孔の内側からカチ込みを行い、偏平管を真円に戻す方式のものでは、長孔中心部に2本のカチ込み型を挿入する必要があることから、配管の曲げピッチを小さくとることができないなど、形状の制限を生じ、熱交換器の小型化が難しいという問題がある。
【0019】また、フィンのカチ込み用配管挿入用切り欠き底の形状を定め、カチ込み後の冷媒配管をこの配管挿入用切り欠き底に偏平に沿わせる方式のものでは、より均一なフィンと冷媒配管の密着が可能なものの、フィンと冷媒配管との接触面積自体を大きく設定することができない。
【0020】また、フィンとフィンの間のかしめに関与しない部分を通風方向に対して偏平に成形する方式のものでは、フィンと密着する部分のみに荷重を負荷してカチ込みを行うため、カチ込みする部分はフィンによる支えのみとなってしまい、フィンおよび配管直線部分の変形が生じてしまうという問題がある。
【0021】この発明は、上述のごとき問題を解決するためになされたものであり、効率よく製造できるプレートフィンチューブ型熱交換器であって、熱交換性能に影響を及ぼすフィンと冷媒配管の密着面積を多く確保でき、しかも通風抵抗が小さく、優れた伝熱性能を示し、また形状に制限を与えることがなく、小型化を図ることができる配管構造の熱交換器およびそれの製造方法およびそれを用いた冷蔵庫を得ることを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、この発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器は、蛇行曲げ冷媒配管を用いたプレートフィンチューブ型熱交換器において、蛇行曲げされた全体が一本の冷媒配管と、一定間隔をおいて整列配置された複数枚のプレートフィンとにより構成され、前記冷媒配管は、偏平加工されていない円形管部と、繰り返し間隔をおいて配管厚さを減じられた偏平形状部とを有し、前記プレートフィンには、前記冷媒配管の前記偏平形状部の厚さに対応した切り欠き幅のスリット状の配管挿入用切り欠きと、前記配管挿入用切り欠きと連続し前記冷媒配管の前記円形管部の外径に対応した内径の真円形状の配管貫通嵌合孔が形成され、前記冷媒配管は前記円形管部にて各プレートフィンの前記配管貫通嵌合孔と圧入嵌合状態で密着し、冷媒配管とプレートフィンとが固定されているものである。
【0023】また、上述の目的を達成するために、この発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器は、蛇行曲げ冷媒配管を用いたプレートフィンチューブ型熱交換器において、蛇行曲げされた全体が一本の冷媒配管と、一定間隔をおいて整列配置された複数枚のプレートフィンとにより構成され、前記冷媒配管は、偏平加工されていない円形管部と、繰り返し間隔をおいて配管厚さを減じられた偏平形状部とを有し、前記プレートフィンには、前記冷媒配管の前記偏平形状部の厚さに対応した切り欠き幅のスリット状の配管挿入用切り欠きと、前記配管挿入用切り欠きと連続し、前記冷媒配管の前記円形管部の外径に対応した内径の真円形状の配管貫通嵌合孔が形成され、前記冷媒配管は、前記円形管部にて各プレートフィンの前記配管貫通嵌合孔と係合し、当該係合部におけるはんだ付け、ろう付け、溶接等の固着手段により前記プレートフィンと固着しているものである。
【0024】つぎの発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器は、前記冷媒配管の前記偏平形状部が通風方向に直交する方向に扁平につぶされ、前記偏平形状部の両側の扁平面が通風方向に沿った平面になっているものである。
【0025】つぎの発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器は、前記冷媒配管の前記偏平形状部の扁平面が、当該熱交換器を設置した際に、水平の位置を保持せず、上下傾斜した水勾配を与えられるものである。
【0026】つぎの発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器は、前記プレートフィンの前記配管貫通嵌合孔の外周囲に鍔状部が立ち上げ形成され、当該鍔状部を含んで前記プレートフィンと冷媒配管とが固着しているものである。
【0027】また、上述の目的を達成するために、この発明による冷蔵庫は、上述の発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器を使用し、冷媒として炭化水素を用いたものである。
【0028】また、上述の目的を達成するために、この発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法は、真円管材を蛇行曲げし、一定間隔で扁平つぶしを行って偏平形状部を成形して冷媒配管を得る工程と、前記偏平形状部の厚さに対応する配管挿入用切り欠き幅のスリット状の配管挿入用切り欠きと、前記配管挿入用切り欠きと連続し、前記冷媒配管の偏平加工していない円形管部の外径に対応する内径の真円形状の配管貫通嵌合孔を有するプレートフィンを得る工程と、前記冷媒配管の偏平形状部と前記プレートフィンの前記配管挿入用切り欠きとを合わせて、前記冷媒配管の前記偏平形状部を、前記配管挿入用切り欠きを通過させて前記配管貫通嵌合孔に入れる工程と、前記冷媒配管と前記プレートフィンとを軸線方向にずらし、前記冷媒配管の前記円形管部を前記配管貫通嵌合孔に圧入状態で挿入嵌合させる工程とを有しているものである。
【0029】また、上述の目的を達成するために、この発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法は、真円管材を蛇行曲げし、一定間隔で扁平つぶしを行って偏平形状部を成形して冷媒配管を得る工程と、前記偏平形状部の厚さに対応する配管挿入用切り欠き幅のスリット状の配管挿入用切り欠きと、前記配管挿入用切り欠きと連続し、前記冷媒配管の偏平加工していない円形管部の外径に対応する内径の真円形状の配管貫通嵌合孔を有するプレートフィンを得る工程と、前記冷媒配管の偏平形状部と前記プレートフィンの前記配管挿入用切り欠きとを合わせて、前記冷媒配管の前記偏平形状部を、前記配管挿入用切り欠きを通過させて前記配管貫通嵌合孔に入れる工程と、前記冷媒配管と前記プレートフィンとを軸線方向にずらし、前記冷媒配管の前記円形管部を前記プレートフィンの前記配管貫通嵌合孔に挿入係合させる工程と、前記冷媒配管の前記円形管部と前記プレートフィンの前記配管貫通嵌合孔との係合部において、はんだ付け、ろう付け、溶接等の固着手段により前記冷媒配管と前記プレートフィンとを固着する工程とを有しているものである。
【0030】つぎの発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法は、前記冷媒配管を通風方向に直交する方向に扁平につぶすことにより、前記偏平形状部を形成し、前記偏平形状部の両側の扁平面が通風方向に沿った平面になっているものである。
【0031】つぎの発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法は、前記冷媒配管の前記偏平形状部の扁平面が、当該熱交換器を設置した際に、水平の位置を保持せず、上下傾斜した水勾配を与えられるものである。
【0032】つぎの発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法は、前記プレートフィンの前記配管貫通嵌合孔の外周囲に鍔状部を立ち上げ形成し、当該鍔状部を含んで前記プレートフィンと冷媒配管とを固着するものである。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に添付の図面を参照して、この発明にかかるプレートフィンチューブ型熱交換器およびその製造方法とそれを用いた冷蔵庫の実施の形態を詳細に説明する。
【0034】実施の形態1.図1、図2はこの発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器の実施の形態1を示している。プレートフィンチューブ型熱交換器は、前後Uターンによって前後2列に蛇行曲げされた全体が一本のアルミニウム管等により構成された冷媒配管10と、一定間隔をおいて平行に整列配置された複数枚のプレートフィン20とにより構成されている。
【0035】冷媒配管10は、偏平加工されていない真円断面形状の円形管部11と、配管直線部において繰り返し間隔(フィンピッチ)をおいて通風方向に直交方向、すなわち、図1にて上下方向の配管厚さを減じられた偏平形状部12とを有している。プレートフィン20には、冷媒配管10の偏平形状部12の厚さに対応した切り欠き幅(偏平形状部12の厚さよりわずかに大きい幅寸法)のスリット状の配管挿入用切り欠き22と、配管挿入用切り欠き22と連続し、冷媒配管10の円形管部11の外径に対応した内径(円形管部11の外径よりわずかに小さい内径)の真円形状の配管貫通嵌合孔21が形成されている。
【0036】冷媒配管10は、円形管部11にて各プレートフィン20の配管貫通嵌合孔21と圧入嵌合状態で密着しており、この密着によって冷媒配管10とプレートフィン20とが相互に固定されている。偏平形状部12はそれぞれ、隣接する2枚のプレートフィン20の間に位置している。
【0037】この熱交換器は図1の紙面を直角に貫通する方向に通風を行われて熱交換を行うものであり、偏平形状部12は通風方向に直交する方向(図1にて上下方向)に扁平につぶされ、偏平形状部12の上下の扁平面が通風方向に沿った平面になっている。ただし、偏平形状部12の扁平面は、当該熱交換器を設置した際に、水平の位置を保持せず、わずかに上下に傾斜した水勾配を与えられる。
【0038】これにより、結露時に発生した水分が、偏平形状部11の扁平面に滞留せず、円滑に落下排水される。なお、プレートフィン20のピッチは、5mm程度であり、結露水を滞留させず、また通風に過度の抵抗を設けないようにしている。
【0039】各プレートフィン20は上下に一体の形態となっているので、除霜時に外部から加熱するときにも、熱交換器全体の伝熱性能が確保されており、過度の加熱を行う必要が無い。
【0040】この熱交換器を冷蔵庫に搭載したとき、熱交換器内に冷媒配管10の接合部がないため、冷媒として炭化水素を使用した場合にも、ガス漏れ等の心配がなく使用できる。
【0041】つぎに、上述の構成の熱交換器の製造方法について説明する。
(1)アルミニウム製の外径φ8、長さ7mの真円管材を、前後Uターンによって前後2列に蛇行曲げし、専用プレスを使用して一定間隔で、通風方向に直交方向の扁平つぶしを行い、偏平形状部12を成形し、図3、図4に示されているような、蛇行曲げ形状の冷媒配管10を作成する。この時の扁平つぶしの間隔はフィンピッチに相当するため、約3〜5mm間隔とする。また、冷媒配管10の内径面積の減少を考慮し、またプレートフィン20に形成する配管挿入用切り欠き22(図5参照)のスリット幅を可能な限り最小とするため、つぶし代は2〜5mm程度に設定する。
【0042】(2)つぶし後の偏平形状部12の短軸長さ(厚さ)に配管挿入用切り欠き幅を考慮したスリット幅の配管挿入用切り欠き22と、配管挿入用切り欠き22と連続し、冷媒配管10の元の径(円形管部11の外径)を考慮した径の真円形状の配管貫通嵌合孔21を有する図5に示されているようなプレートフィン20をパンチプレス成形する。配管貫通嵌合孔21は冷媒配管10が貫通する各位置に設けられ、その配管貫通嵌合孔21について最短距離にあるプレートフィン20の前辺あるいは後辺(図5では左右の外辺)に開放された水平スリット状の配管挿入用切り欠き22が設けられる。配管挿入用切り欠き22のスリット幅は偏平形状部11の厚さより少し大きく、配管貫通嵌合孔21の内径は円形管部11の外径より少し小さく設定され、貫通嵌合孔21と配管挿入用切り欠き22とは連続していて、全体で見て鍵穴形状をなしている。
【0043】(3)冷媒配管10と必要枚数のプレートフィン20の成形が完了すれば、プレートフィン20を所定のピッチをもって整列配置し、図6に示されているように、冷媒配管10の偏平形状部(つぶし部)12とプレートフィン20の配管挿入用切り欠き22とを合わせて、冷媒配管10の偏平形状部12のそれぞれを、配管挿入用切り欠き22を通過させて配管貫通嵌合孔21に入れる(図6の矢印A)。
【0044】(4)つぎに、冷媒配管10をプレートフィン20の群に対して軸線方向にずらし(図6の矢印B)、図7に示されているように、冷媒配管10の円形管部11を配管貫通嵌合孔21に圧入状態で挿入嵌合させる。この挿入嵌合により、冷媒配管10とプレートフィン20とが固定され、プレートフィンチューブ型熱交換器が完成する。
【0045】これにより、効率よく製造できると共に、冷媒配管10は、円形管部11と配管貫通嵌合孔21との真円形状同士の圧入嵌合により、プレートフィン20と冷媒配管10の密着面積を円形管部11の略全周に亙って均一に確保でき、しかも通風抵抗が小さく、優れた伝熱性能を示す。また形状に制限を与えることがなく、小型化を図ることができる。
【0046】冷媒配管10のつぶし間隔はフィンピッチに合わせて設定するが、外径8mmの管を連続して一定間隔でつぶすため、3mmより小さいピッチでは円形管部11の真円形状を保つとができず、プレートフィン20との均一な密着を確保するためには、つぶし間隔は3mm以上とすることが望ましい。
【0047】また、つぶし代は冷媒配管10内を流れる冷媒の圧力損失と通風抵抗の低減効果との関係から、最適値を設定する必要があり、外径8mmの冷媒配管10では、つぶし代2mmより小さい場合には通風抵抗の低減効果が得られず、5mmより大きくつぶすと、管内圧力損失の増大により、熱交換器性能が著しく低下した。従って、つぶし代は2〜5mm程度とすることが望ましい。なお、この寸法の設定は外径8mmの管に設定したものであり、径の異なる管では、その都度、最適値を設定する必要がある。
【0048】上述の構成による熱交換器を用いて熱交換性能の評価を行ったので、その内容について詳述する。
【0049】(実施例1)材料は、冷媒配管10にはJIS−A1050T−H112、外径8mm、肉厚0.8mmのアルミニウム管を使用し、プレートフィン20にはJIS−A1200−H24、肉厚0.15mmのアルミニウム板を使用した。冷媒配管10は蛇行曲げを施したのち、間隔5mm、つぶし代3mmでつぶし加工を実施し、プレートフィン20には、スリット幅が5.1mmの配管挿入用切り欠き22と、直径が7.8mmの真円形状の配管貫通嵌合孔21を打ち抜き成形した。
【0050】成形したプレートフィン20を60枚、固定治具に入れ、つぶし後の冷媒配管10を差込み、プレートフィン20の固定治具を固定して冷媒配管10を軸方向に2.5mmずらし、プレートフィン20と冷媒配管10とを密着させて熱交換器を完成した。
【0051】(実施例2)プレートフィン20には冷媒配管10との密着性を向上させるために、図8に示されているように、配管貫通嵌合孔21の周囲に、バーリング加工によって約1.5mmの張り出しを備える鍔状部23が立ち上げ形成されている。その他のことは実施例1のものと同じである。
【0052】(比較例1)比較例1の熱交換器はUベンド拡管方式により製造した熱交換器であり、使用した素材は実施例1と同じものとし、熱交換器全体の寸法やフィンピッチ、冷媒配管ピッチも実施例1と同様となるようにした。ただし、プレートフィンの穿孔径は8.2mmとしてバーリングを立て、拡管するときのビュレットは外径6.72mmとすることで、変形率を約5%程度に設定した。
【0053】(比較例2)比較例2の熱交換器はカチ込み方式により製造した熱交換器であり、使用した素材は実施例1と同じものとし、熱交換器全体の寸法やフィンピッチ、冷媒配管ピッチも実施例1と同様となるようにした。冷媒配管を蛇行曲げ後、偏平につぶし、フィン配管挿入用切り欠き部へ挿入後、プレスで偏平管を真円に戻すことで、冷媒配管管とプレートフィンとを密着させた。プレートフィンの配管挿入用切り欠き底はφ7.8mmとし、バーリングを施した。
【0054】上述の試料について、熱交換性能試験を行った結果を表1に示す。なお、熱交換性能試験は、水を媒体として冷媒配管内を満液状態とし熱輸送量を測定した。本結果は比較例のUベンド拡管方式に対する輸送量をUベンド拡管方式に対する比として表した。
【0055】
【表1】

【0056】従来方式である比較例1を基準に考えた場合、単純なカチ込み方式である比較例2は熱輸送量で約8%悪化したのに対して、実施例1では約5%低下に止まり、バーリングを施した実施例2で示す本発明の挿入ずらし嵌合方式は、約3%低下程度に収まった。この結果から、カチ込み方式による性能低下が、本発明により改善されたことが確認され、プレートフィンにバーリングを施すことにより、さらにその効果を得ることができた。
【0057】これは、冷媒配管とプレートフィンの接触面積の増加、密着度のばらつき低減、偏平管による管外圧力損失の低減によるものであって、本発明の有効性を証明するものである。特に、接触部のプレートフィンにバーリング加工を施す事により、密着度のばらつきは、さらに低減し、本発明の効果をさらに有効に実現できる。
【0058】なお、本実施例では、プレートフィン並びに冷媒配管の材料としてアルミニウムを用いたが、これに代えて銅あるいはアルミニウムや銅などとの合金等、実施例以外の展延性に優れた材料を用いてもよい。
【0059】実施の形態2.図9は、この発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器の実施の形態2を示している。なお、図9において、図6〜図8に対応する部分は、図6〜図8にに付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0060】実施の形態2では、プレートフィン20の配管貫通嵌合孔21の内径を冷媒配管10の円形管部11の外径に対して0.2mm程度のクリアランスを設けてバーリング加工を施し、実施の形態1と同様に、冷媒配管20の偏平形状部12からプレートフィン20と組み合わせ、円形管部11をプレートフィン20の配管貫通嵌合孔21に挿入係合させ、ろう接により両者を接合させた。なお、図9にて、符合30は円形管部11と配管貫通嵌合孔21との嵌合における冷媒配管1とプレートフィン20とのろう付け部を示している。
【0061】ろう接方法には、棒状の置きろうを配管貫通嵌合孔21に、冷媒配管直線部と平行に配置し、スラリー状のフラックスを全体に吹き付け、炉中加熱により接合する方法を用いた。ただし、本方式以外に、ろう材をプレートフィン20にクラッドしたブレージングシートを用いる方法や、冷媒配管10にろう材をクラッドする方法、ペースト状のろう材とフラックス混合物を吹き付ける方法などの方法でも便宜適用できる。
【0062】つぎに、上述の構成の熱交換器の製造方法について説明する。
(1)アルミニウム製の外径φ8、長さ7mの真円管材を、前後Uターンによって前後2列に蛇行曲げし、専用プレスを使用して一定間隔で、通風方向に直交方向の扁平つぶしを行い、偏平形状部12を成形し、実施の形態1のものと同様の蛇行曲げ形状の冷媒配管10を作成する。この時の扁平つぶしの間隔はフィンピッチに相当するため、約3〜5mm間隔とする。また、冷媒配管10の内径面積の減少を考慮し、またプレートフィン20に形成する配管挿入用切り欠き22のスリット幅を可能な限り最小とするため、つぶし代は2〜5mm程度に設定する。
【0063】(2)つぶし後の偏平形状部12の短軸長さ(厚さ)に配管挿入用切り欠き幅を考慮したスリット幅の配管挿入用切り欠き22と、配管挿入用切り欠き22と連続し、冷媒配管10の元の径(円形管部11の外径)を考慮した径の真円形状の配管貫通嵌合孔21を有する図5に示されているようなプレートフィン20をパンチプレス成形する。配管貫通嵌合孔21は冷媒配管10が貫通する各位置に設けられ、その配管貫通嵌合孔21について最短距離にあるプレートフィン20の前辺あるいは後辺に開放された水平スリット状の配管挿入用切り欠き22が設けられる。配管挿入用切り欠き22のスリット幅は偏平形状部11の厚さより少し大きく、配管貫通嵌合孔21の内径は円形管部11の外径より少し大きく設定され、貫通嵌合孔21と配管挿入用切り欠き22とは連続していて、全体で見て鍵穴形状をなしている。
【0064】(3)冷媒配管10と必要枚数のプレートフィン20の成形が完了すれば、プレートフィン20を所定のピッチをもって整列配置し、冷媒配管10の偏平形状部(つぶし部)12とプレートフィン20の配管挿入用切り欠き22とを合わせて、冷媒配管10の偏平形状部12のそれぞれを、配管挿入用切り欠き22を通過させて配管貫通嵌合孔21に入れる。
【0065】(4)つぎに、冷媒配管10をプレートフィン20の群に対して軸線方向にずらし、冷媒配管10の円形管部11を配管貫通嵌合孔21に遊嵌合状態で挿入嵌合させる。
【0066】(5)つぎに、円形管部11と配管貫通嵌合孔21との嵌合において、冷媒配管1とプレートフィン20とをろう付けする。これにより、冷媒配管10とプレートフィン20とが固定され、プレートフィンチューブ型熱交換器が完成する。
【0067】これにより、効率よく製造できると共に、冷媒配管10は、円形管部11と配管貫通嵌合孔21との真円形状同士の嵌合、ろう付けにより、プレートフィン20と冷媒配管10の密着面積を円形管部11の略全周に亙って均一に確保でき、しかも通風抵抗が小さく、優れた伝熱性能を示す。また形状に制限を与えることがなく、小型化を図ることができる。
【0068】円形管部11と配管貫通嵌合孔21との嵌合における冷媒配管1とプレートフィン20との固着は、低温で取扱いが可能な鉛系はんだ付けや摩擦はんだ付け等も使用できる。さらに、プレートフィン20のバーリング加工等による鍔状部23を利用してレーザ等の溶接により、冷媒配管10とプレートフィン20とを接合することもできる。
【0069】上述の構成による熱交換器の冷蔵庫実装試験を行ったので、その内容について詳述する。
【0070】(実施例3)実施例1と同様寸法のフィンおよび冷媒配管を使用し、ろう接によりプレートフィン20と冷媒配管10を接合させた。なお、プレートフィン20の配管貫通嵌合孔21の内径は、冷媒配管10の円形管部11の外径が8mmであるのに対し、8.2mmとした。ろう材にはJIS−BA4047を用い、棒状のろう材をプレートフィン20の配管貫通嵌合孔21と冷媒配管接触部近傍に配置したのち、弗素系フラックスを水およびアルコールでスラリー状に混濁したものを吹き付け、しかる後に600℃の窒素雰囲気炉で約10分間加熱して接合した。
【0071】(比較例3)比較例3の熱交換器はSフィン方式による熱交換器であり、使用した素材、寸法は実施例3と同じものとした。フィンの穿孔径は比較例1のUベンド拡管方式と同一のφ8.2mmとし、拡管ビュレットの径も同一径のものを用いた。ただし本方式では、冷媒配管曲げ部を大きくとる必要があることから、両端のフィンを夫々2列ずつ減らし、フィン総列数は56とした。
【0072】上述の試料(熱交換器)を用い冷蔵庫実装試験による消費電力量の測定を実施した。この時、消費電力量は比較例1で作成したUベンド拡管方式による熱交換器を使用した場合を100としたときの比で、表2に示す。また同一能力のヒーターを熱交換器下部に設置し、同一霜付状態のときの霜取り完了時間を測定し、その比較例1に対する比を併記した。
【0073】
【表2】

【0074】Sフィン方式では、Uベンド拡管方式よりも約2%の消費電力量悪化が認められたが、本発明の挿入つぶし嵌合方式でろう接を施したものは、ほぼ同等の消費電力量となった。また霜取り時間はSフィン方式ではUベンド拡管方式より20%増加したのに対して、本発明ではほぼ同等の時間で完了することができた。
【0075】これはSフィン方式の形状上冷媒配管曲げ部を大きくとる必要があり、フィンの枚数が減少したことにより、熱交換性能が低下し、消費電力の上昇に繋がったものと考えられ、一方、本発明の挿入つぶし嵌合方式で、ろう接を施したものは、フィン配管挿入用切り欠き部の存在による伝熱性能の悪化が、ろう接による伝熱の改善、偏平部の管外圧力損失の低減などで性能改善され、実使用上、Uベンド拡管方式と同等となったものである。また、霜取り時間は、上下に分割されているフィンを使用したSフィン方式では、上下のフィン間の伝熱が無く、上下に一体のフィンを使用したUベンド拡管方式や本発明よりも上部の昇温に時間を要した結果である。
【0076】以上のように、本発明により一体蛇行曲げ冷媒配管を利用したプレートフィンチューブ型熱交換器において、従来のUベンド拡管方式と同等の性能を持つものが実現できた。
【0077】なお、本発明は、以上述べた発明の形態において説明し、かつ図面に示した実施例のプレートフィンチューブ型熱交換器に限定される物ではなく、たとえば、銅冷媒配管を使用するなど、その要旨を脱し得ない範囲で種種変形して実施することができる。
【0078】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、この発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器によれば、冷媒配管が円形管部にてプレートフィンの配管貫通嵌合孔と圧入嵌合状態で密着し、冷媒配管とプレートフィンとが圧入嵌合状態で固定されているから、冷媒配管の真円部分でプレートフィンと密着させることができ、均一な密着状態が容易に実現でき、熱交換性能を低下することがない。
【0079】つぎの発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器によれば、冷媒配管が円形管部にてプレートフィンの配管貫通嵌合孔と係合し、当該係合部におけるはんだ付け、ろう付け、溶接等の固着手段により冷媒配管とプレートフィンとが固着しているから、冷媒配管の真円部分でプレートフィンと密着させることができ、均一な密着状態が容易に実現でき、熱交換性能を低下することがない。
【0080】つぎの発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器によれば、冷媒配管の偏平形状部が通風方向に直交する方向に扁平につぶされ、偏平形状部の両側の扁平面が通風方向に沿った平面になっているから、熱交換器の通風抵抗を低減でき、熱交換効率を向上できる。
【0081】つぎの発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器によれば、冷媒配管の偏平形状部の扁平面は、熱交換器を設置した際に、水平の位置を保持せず、上下傾斜した水勾配を与えられるから、偏平部分に水滴が滞留することが無く、効果的に排水することができる。
【0082】つぎの発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器によれば、プレートフィンの配管貫通嵌合孔の外周囲に鍔状部が立ち上げ形成され、この鍔状部を含んでプレートフィンと冷媒配管とが固着していることから、プレートフィンと冷媒配管の密着面積を十分確保でき、フィンと配管の伝熱抵抗を低下させることがなく、熱交換効率を向上できる。
【0083】つぎの発明による冷蔵庫によれば、冷媒に炭化水素を用いると共に、一本の蛇行曲げ配管を用い、冷媒配管の真円部分で冷媒配管とプレートフィンとが密着したプレートフィンチューブ型熱交換器を用いるので、配管接合部からの冷媒漏れの心配がなく、あわせて効率のよい冷蔵庫を供給できる。
【0084】つぎの発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法によれば、真円管材を蛇行曲げし、一定間隔で扁平つぶしを行って偏平形状部を成形して冷媒配管を得る工程と、前記偏平形状部の厚さに対応する配管挿入用切り欠き幅のスリット状の配管挿入用切り欠きと、前記配管挿入用切り欠きと連続し、前記冷媒配管の偏平加工していない円形管部の外径に対応する内径の真円形状の配管貫通嵌合孔を有するプレートフィンを得る工程と、前記冷媒配管の偏平形状部と前記プレートフィンの前記配管挿入用切り欠きとを合わせて、前記冷媒配管の前記偏平形状部を、前記配管挿入用切り欠きを通過させて前記配管貫通嵌合孔に入れる工程と、前記冷媒配管と前記プレートフィンとを軸線方向にずらし、前記冷媒配管の前記円形管部を前記配管貫通嵌合孔に圧入状態で挿入嵌合させる工程とを有しているから、熱交換効率がよいプレートフィンチューブ型熱交換器を生産性よく製造することができる。
【0085】つぎの発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法によれば、真円管材を蛇行曲げし、一定間隔で扁平つぶしを行って偏平形状部を成形して冷媒配管を得る工程と、前記偏平形状部の厚さに対応する配管挿入用切り欠き幅のスリット状の配管挿入用切り欠きと、前記配管挿入用切り欠きと連続し、前記冷媒配管の偏平加工していない円形管部の外径に対応する内径の真円形状の配管貫通嵌合孔を有するプレートフィンを得る工程と、前記冷媒配管の偏平形状部と前記プレートフィンの前記配管挿入用切り欠きとを合わせて、前記冷媒配管の前記偏平形状部を、前記配管挿入用切り欠きを通過させて前記配管貫通嵌合孔に入れる工程と、前記冷媒配管と前記プレートフィンとを軸線方向にずらし、前記冷媒配管の前記円形管部を前記プレートフィンの前記配管貫通嵌合孔に挿入係合させる工程と、前記冷媒配管の前記円形管部と前記プレートフィンの前記配管貫通嵌合孔との係合部において、はんだ付け、ろう付け、溶接等の固着手段により前記冷媒配管と前記プレートフィンとを固着する工程とを有しているから、熱交換効率がよいプレートフィンチューブ型熱交換器を生産性よく製造することができる。
【0086】つぎの発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法によれば、冷媒配管の偏平形状部が通風方向に直交する方向に扁平につぶされ、偏平形状部の両側の扁平面が通風方向に沿った平面になっているから、熱交換器の通風抵抗を低減でき、熱交換効率を向上できるプレートフィンチューブ型熱交換器を製造することができる。
【0087】つぎの発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法によれば、冷媒配管の偏平形状部の扁平面は、熱交換器を設置した際に、水平の位置を保持せず、上下傾斜した水勾配を与えられるから、偏平部分に水滴が滞留することが無く、効果的に排水することができるプレートフィンチューブ型熱交換器を製造することができる。
【0088】つぎの発明によるプレートフィンチューブ型熱交換器の製造方法によれば、プレートフィンの配管貫通嵌合孔の外周囲に鍔状部が立ち上げ形成され、この鍔状部を含んでプレートフィンと冷媒配管とが固着していることから、プレートフィンと冷媒配管の密着面積を十分確保でき、フィンと配管の伝熱抵抗を低下させることがなく、熱交換効率を向上できるプレートフィンチューブ型熱交換器を製造することができる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成11年9月20日(1999.9.20)
【代理人】 【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
【公開番号】 特開2001−91179(P2001−91179A)
【公開日】 平成13年4月6日(2001.4.6)
【出願番号】 特願平11−265809