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【発明の名称】 EGRガス冷却装置
【発明者】 【氏名】臼井 正佳

【要約】 【課題】チューブシートを薄肉となして装置全体を軽量にして、しかも充分な固定面をもって形成せしめ、同時に圧縮リングによって伝熱管両端部の取付け孔での固定を圧嵌状の確実にして安定した状態となして洩れの生ずる憂いをなくし、また該取付け孔での加熱ろう着の煩わしい作業を不要となすようにする。

【解決手段】胴管の両側端部にチューブシートを固着してその間に複数からなる伝熱管を相互に流通間隔を保持してその両端部を固定せしめ、さらに前記チューブシートの外側にEGRガスの流入口と流出口とを有する端部キャップを固設するとともに、該チューブシートより内側に位置して前記胴管周面に冷却媒体の流入口と流出口とを設けたEGRガス冷却装置において、少なくとも一方の前記チューブシートの伝熱管の両端部の取付け孔をバーリング成形による突起孔壁となし、かつ該突起孔壁部に圧縮リングを被着して伝熱管内部からの拡径に伴って圧嵌、固定して構成したことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 胴管の両側端部にチューブシートを固着してその間に複数からなる伝熱管を相互に流通間隔を保持してその両端部を固定せしめ、さらに前記チューブシートの外側にEGRガスの流入口と流出口とを有する端部キャップを固設するとともに、該チューブシートより内側に位置して前記胴管周面に冷却媒体の流入口と流出口とを設けたEGRガス冷却装置において、少なくともその一方の前記チューブシート(2)の伝熱管(4)の両端部の取付け孔(2′)をバーリング成形による突起孔壁(2″)となし、かつ該突起孔壁部に圧縮リング(10)を被着して伝熱管(4)内部からの拡径に伴って圧嵌、固定して構成したことを特徴とするEGRガス冷却装置。
【請求項2】 前記圧縮リング(10)を、前記チューブシート(2)と同材質もしくはそれより熱膨張係数の低い材質により形成したことを特徴とする請求項1記載のEGRガス冷却装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの冷却水或いはカーエアコン用の冷媒または冷却風などによってEGRガスを冷却する装置の改良に関するものでありさらに詳細には排気ガスの熱影響によるチューブシートの取付け孔部分からの冷媒の漏れを防止したEGR冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】排気ガスの一部を排気系から取出してエンジンの吸気系に戻し、再びエンジンの吸気系に混合気として加える方法は、EGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)と称され、窒素酸化物の発生の抑制、ポンプ損失の低減、燃焼ガスの温度低下に伴う冷却液への放熱損失の低減、作動ガス量・組成変化による比熱比の増大およびこれに伴うサイクル効率の向上などの多くの効果が得られることから、特にエンジンの排気ガスの有害成分排出量を改善するには有効な方法とされている。
【0003】しかしながらEGRガスの温度が高くなると、その熱影響によって燃費の低下やEGRバルブなどの耐久性に劣化を招いて早期破損を生ぜしめるため、その対策として水冷構造となす必要のあることが認識されている。従って、エンジンの冷却液または冷却風等によってEGRガスを冷却する装置が提案され、該装置として一般に多管式による熱交換器によるものが実用に供されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記多管式によるEGRガス冷却装置としては、例えば図5に示すようにチューブシート(12)で伝熱管(14)をそれぞれ固定する取付け孔(12′)を、その厚肉壁に関連して真円孔となして該孔部と加熱ろう着(13)して固定されていた。従って、チューブシート(12)の厚肉構造によって装置全体としての重量増加を余儀なくされることとなり、また排気ガスによる伝熱管(14)内部での高温流体の流れに関連して、前記ろう着(13)部に高い耐熱性が要求され、例えばニッケル基合金等によるろう材を必要となすばかりでなく、手炙り等による煩わしい加熱作業とその不慣れ等に起因して固定を不確実となし、洩れを誘発する可能性がある等、前取付け孔(12′)部での固定を不安定となす問題を有した。
【0005】本発明は従来技術の有する前記問題に鑑みてなされたものであり、少なくとも一方のチューブシートの伝熱管の取付け孔を突起孔壁となすとともに、該突起孔壁部に圧縮リングを被着して、配列固定される伝熱管をその内部から拡径することに伴って圧嵌固定せしめる構造となすことにより、チューブシートを薄肉となして装置全体を比較的軽量となし、同時にその固定時の加熱ろう着の煩わしい作業を不要となし、エキスパンダーやマンドレルなどによる前記拡径によって配列した伝熱管の両端部での固定を圧嵌状に確実かつ安定した状態となして冷媒が取付け孔部より洩れることの憂いをなくすことのできるEGRガス冷却装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するため、胴管の両側端部にチューブシートを固着してその間に複数からなる伝熱管を相互に流通間隔を保持してその両端部を固定せしめ、さらに前記チューブシートの外側にEGRガスの流入口と流出口とを有する端部キャップを固設するとともに、該チューブシートより内側に位置して前記胴管周面に冷却媒体の流入口と流出口とを設けたEGRガス冷却装置において、少なくとも一方の前記チューブシートの伝熱管の両端部の取付け孔をバーリング成形による突起孔壁となし、かつ該突起孔壁部に圧縮リングを被着して伝熱管内部からの拡径に伴って圧嵌、固定して構成したEGRガス冷却装置を要旨とするものであり、さらに前記圧縮リングを前記チューブシートと同材質もしくはそれより熱膨張係数の低い材質により形成するものである。
【0007】本発明は以上のように構成されているため、好ましくは低温側の前記チューブシートでの突起孔壁と、該突起孔壁部に被着した圧縮リングと伝熱管への前記拡径加工とによって形成した圧嵌状の固定構造により、前記チューブシートを薄肉となして装置全体を軽量によるしかも充分な固定面をもって形成することができ、同時に固定部での加熱ろう着の煩わしい作業を不要となし、前記圧嵌固定による確実にして安定した固定構造によって洩れの生ずる憂いをなくすことができるのである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すれば、図1は本発明の実施例を示すEGRガス冷却装置の一部破断した側面図、図2は図1の本発明の要部に係る一部の拡大断面図、図3は他の実施例の同上図2相当図、図4はさらに他の実施例の同上図2相当図であって、(1)は胴管であり、その両側端部の周縁にチューブシート(2)をろう付けもしくは溶接等により固着し、その間に複数からなる伝熱管(4)を相互に流通間隔を保持して、少なくともその片端部を前記チューブシート(2)のなす取付け孔(2′)として設けたバーリング成形によりチューブシート(2)の内面側(図2参照)もしくは外面側(図3、図4参照)に設けた突起孔壁(2″)部に固定してなるものである。
【0009】そして(3)は、前記胴管(1)の内部に必要に応じて設けられた支持板(3)であって前記伝熱管(4)が前記支持板(3)を貫通するように構成することもできる。
【0010】またチューブシート(2)の取付け孔(2′)への伝熱管(4)の固定手段としては、該伝熱管(4)の該突起孔壁部(2″)へ圧縮リング(10)を被着し、伝熱管(4)を取付け孔(2′)に挿通、取付けた後に、チューブエキスパンダーやマンドレルなどによって該伝熱管(4)を内部から僅かに拡径することによって圧縮リング(10)によってその外周を支持された突起孔壁(2″)部に圧嵌状に固定されるのである。
【0011】そして(5)は端部キャップであり、前記チューブシート(2)の外側にEGRガスの流入口(6)と流出口(7)とを有して胴管(1)の両側端部に固設してなるものである。さらに(8)、(9)は冷却媒体の流入口と流出口であり、チューブシート(2)より内側に位置して胴管(1)周面に設けてなるものであって、該冷却媒体としてのエンジンの冷却水或いはカーエアコン用の冷媒または冷却風などを循環流通させるものである。
【0012】なお、圧縮リング(10)は、好ましくは複数設け(図3参照)、前記チューブシート(2)と同材質もしくはそれより熱膨張係数の低い材質となすことが好ましく、このように構成すると前記拡径加工によって前記伝熱管に付与された圧縮残留応力が排気ガスの高温によって解放されることがなく伝熱管(4)の前記取付け孔(2′)での圧嵌状態を維持して確実に固定することが可能となる。この圧縮リング(10)の材質の例としてはステンレス材(SUS304、316、321、410、430、モネル、ハステロイ、インコネル)等を挙げることができる。
【0013】また上記実施例で説明したチューブシート(2)部での圧縮リング(10)と伝熱管(4)の拡径による圧嵌固定は、チューブシートのみならず支持板(3)と伝熱管(4)との固定にも利用できる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように本発明によるEGRガス冷却装置は、前記取付け孔(2′)での突起孔壁(2″)と、前記被着した圧縮リング(10)とによる前記拡径加工に伴う圧嵌固定構造によるため、チューブシート(2)を薄肉となして装置全体を軽量にして、しかも充分な固定面をもって圧縮リング(10)によって伝熱管(4)の両端部での固定を確実にして安定した状態となして洩れの生ずる憂いをなくし、また取付け孔(2′)部での加熱ろう着の煩わしい作業を不要となすことができる等、極めて有用なEGRガス冷却装置である。
【出願人】 【識別番号】000120249
【氏名又は名称】臼井国際産業株式会社
【出願日】 平成11年6月21日(1999.6.21)
【代理人】 【識別番号】100046719
【弁理士】
【氏名又は名称】押田 良輝 (外1名)
【公開番号】 特開2001−4294(P2001−4294A)
【公開日】 平成13年1月12日(2001.1.12)
【出願番号】 特願平11−174277